JP2623572B2 - 水酸化アルカリの製造方法 - Google Patents

水酸化アルカリの製造方法

Info

Publication number
JP2623572B2
JP2623572B2 JP62145157A JP14515787A JP2623572B2 JP 2623572 B2 JP2623572 B2 JP 2623572B2 JP 62145157 A JP62145157 A JP 62145157A JP 14515787 A JP14515787 A JP 14515787A JP 2623572 B2 JP2623572 B2 JP 2623572B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
cation exchange
alkali
group
thickness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP62145157A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63310985A (ja
Inventor
公二 鈴木
良雄 菅家
淳 渡壁
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP62145157A priority Critical patent/JP2623572B2/ja
Priority to PCT/JP1988/000537 priority patent/WO1988009799A1/en
Priority to DE88904663T priority patent/DE3882925T2/de
Priority to EP88904663A priority patent/EP0318589B1/en
Priority to CA000569219A priority patent/CA1325195C/en
Priority to CN88103588A priority patent/CN1015270B/zh
Publication of JPS63310985A publication Critical patent/JPS63310985A/ja
Priority to US07/309,731 priority patent/US5039382A/en
Priority to SU894613509A priority patent/RU1823884C/ru
Application granted granted Critical
Publication of JP2623572B2 publication Critical patent/JP2623572B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、イオン交換膜法において、比較的高濃度の
水酸化アルカリを製造する方法に関するものである。
[従来の技術] 含フッ素陽イオン交換膜を隔膜として使用し、塩化ア
ルカリ水溶液を電解して、水酸化アルカリと塩素とを製
造する所謂イオン交換膜法アルカリ電解は高純度の水酸
化アルカリが、それまでの従来法に比べて低エネルギー
消費量にて製造できることから、近年国際的に普及しつ
つある。
かかるイオン交換膜法アルカリ電解においては、初期
の頃はスルホン酸基をイオン交換基とする含フッ素陽イ
オン交換膜が使用されていたが、電流効率を高くするこ
とができないことからして、近年は膜の少なくとも陰極
側にカルボン酸基を有する陽イオン交換膜に置換され、
この結果、電解における電流効率は、ほぼ92〜97%にま
で達し、工業的にはほぼ完璧な域に達している。
しかしながら、上記のカルボン酸型陽イオン交換膜を
使用した場合、長期にわたって低電圧で優れた電流効率
が得られるのも濃度がおよそ36〜40重量%までの水酸化
アルカリを製造する場合に限られることが見出された。
本発明者の研究によると、水酸化アルカリの濃度がおよ
そ40重量%までは94〜98%の高い電流効率が得られる
が、それよりも高濃度になると電流効率が急に低下する
ことが見出された。また、このように高濃度になると、
膜抵抗も急に大きくなり電解電圧が上昇し、一週間ない
し一年間の長期にわたって運転した場合には、電流効率
も次第に低下してゆく現象が見られた。このような高濃
度の水酸化アルカリで長期間運転した膜の陰極側表面の
イオン交換容量を測定してみるとカルボン酸基の分解に
より表面のイオン交換容量が低下していることが明らか
になった。かくして膜の陰極側にカルボン酸基を有する
陽イオン交換膜では、上記のような高濃度の水酸化アル
カリを工業的に製造するのは好ましくない。
一方、米国特許4455210号には、スルホンアミド基を
もつ含フッ素重合体フイルムの陰極側にスルホン酸基を
もつ含フッ素重合体フイルムを積層した陽イオン交換膜
を使用して、高濃度の水酸化アルカリを製造することが
提案されている。しかしこの方法においては、そもそも
初期の電流効率が低いばかりでなく、長期にわたって運
転した場合には、更に電流効率が低下してしまう。
特公昭57−9589号には、カルボン酸基含有層の陰極側
に2μm程度のスルホン酸基含有層を有する含フッ素陽
イオン交換膜を使用して40重量%のNaOHを得る方法が示
されている。膜の陰極側に薄いスルホン酸基含有層を有
するその他の例は特開昭58−83030号、特公昭60−23776
号にも見られ、特開昭59−22930号には膜の両側に、ス
ルホン酸基含有陽イオン交換樹脂とジルコニアの混合層
を設けた例が記載されているが、これらはいずれも35重
量%前後のNaOHを得る場合の電解電圧の低減に関するも
のである。本発明者の研究によれば、陰極側スルホン酸
基含有層が薄い場合には、40重量%の水酸化アルカリで
は95%前後の高い電流効率が得られたが、45重量%以上
の水酸化アルカリの場合には、90%前後の電流効率しか
得られず、電流効率は経時的に低下することが明らかに
なった。
特開昭58−61288号には陽イオン交換膜の陰極側に透
水性の隔膜を密着して配した膜を用いて、41.7重量%の
NaOHを電流効率90で製造する例が記載されているが、Na
OH濃度がやや低いだけでなく、必ずしも十分な電流効果
は得られていない。
このような高濃度の水酸化アルカリを高い電流効率、
低い電解電圧で製造できるようになると、従来水酸化ア
ルカリの濃縮に要していたエネルギーを節減もしくは不
要にすることができる。
[発明の解決しようとする問題点] 本発明は、濃度が42重量%以上、特には45重量%以上
の水酸化アルカリを製造するにあたり、初期において高
電流効率を与えるばかりでなく、長期間運転した場合も
高い電流効率を保持できるイオン交換膜を使用した高濃
度水酸化アルカリの製造方法を提供することを目的とす
る。
[問題点を解決するための手段] 耐アルカリ性を有する陽イオン交換樹脂からなる、孔
の貫通性の小さい多孔体の厚さ5μm以上の第一の層
と、45重量%NaOH水溶液中の含水率が2〜7重量%の範
囲にあり、厚さが5μm以上の−CO2M基(Mはアルカリ
金属)を有するパーフルオロカーボン重合体の第二の層
とを少なくとも有する陽イオン交換膜の第一の層を陰極
側に向けて配した電解槽の陽極室に塩化アルカリを供給
して電解することを特徴とする、濃度42重量%以上の水
酸化アルカリを製造する方法を提供するものである。
本発明の第一の層の厚さは、5μm以上、好ましくは
10〜200μmである。5μmよりも薄い場合には45重量
%以上の水酸化アルカリを製造する場合に十分な電流効
率が得られず、カルボン酸基の高濃度アルカリによる劣
化も十分に防止できない。200μmを超えると膜抵抗が
大きくなり、電解電圧が高くなるため好ましくない。
第一の層を形成する耐アルカリ性陽イオン交換体とし
ては、スチレン/ジビニルベンゼン共重合体のスルホン
化物、ヒドロキシスチレン/ジビニルベンゼン共重合体
等の炭化水素系陽イオン交換樹脂の他に、好ましくは−
SO3M基又は−OM基(Mはアルカリ金属)を有するパーフ
ルオロカーボン重合体が用いられる。
第二の層を形成する陽イオン交換体としては、厚さ5
μm以上の−CO2M基(Mはアルカリ金属)を含むパーフ
ルオロカーボン重合体が用いられる。−CO2M基(Mはア
ルカリ金属)を有するパーフルオロカーボン重合体の第
二の層は、45重量%NaOH水溶液中の含水率が、2〜7重
量%である。特に2.5〜5重量%の範囲にあることが好
ましい。この範囲から外れると十分に高い電流効率が得
られない。ここで本発明において45重量%NaOH中の含水
率とは、陽イオン交換膜を電解運転温度の45重量%NaOH
水溶液に16時間浸せきし、25℃に冷却後、膜表面のアル
カリ水溶液を拭きとった後の重量をa g、その膜を90℃
のイオン交換水に16時間浸せきした後、130℃で16時間
真空乾燥したときの重量をb gとしたとき、 含水率(%)=(a−b)/b×100 で与えられるものをいう。
本発明において、第一の層を形成するイオン交換樹脂
は、好ましくは−SO3M基又は−OM基を有するパーフルオ
ロカーボン重合体である。−SO3M基含有パーフルオロカ
ーボン重合体の場合、そのイオン交換容量は、0.6〜1.8
ミリ当量/g乾燥樹脂、特には0.85〜1.6ミリ当量/g乾燥
樹脂、であることが好ましい。第一の層の45重量%NaOH
中の含水率R1と第二の層の45重量%NaOH中の含水率R2
の差ΔR(=R1−R2)は3〜30%、特には5〜25%、で
あることが好ましい。−OM基含有パーフルオロカーボン
重合体のイオン交換容量は、好ましくは0.6〜2.8ミリ当
量/g乾燥樹脂、特には0.85〜2.5ミリ当量/g乾燥樹脂を
有する。
また第二の層は、−CO2M基(Mはアルカリ金属)を有
するパーフルオロカーボン重合体からなり、そのイオン
交換容量は、好ましくは0.6〜1.8ミリ当量/g乾燥樹脂、
特には0.85〜1.6ミリ当量/g乾燥樹脂を有する。
本発明において、パーフルオロカーボン重合体とは炭
素原子に結合した水素原子又はハロゲン原子に対してそ
の中のフッ素原子の占める割合が90%以上のものをい
い、上記−SO3M基又は−OM基をもつパーフルオロカーボ
ン重合体の第一の層及び−CO2M基をもつパーフルオロカ
ーボン重合体の第二の層を構成するパーフルオロカーボ
ン重合体は少なくとも二種の単量体の共重合体からな
り、好ましくは次の(イ)及び(ロ)の重合単位をもつ
共重合体からなる。
ここで、X,X′は、−F、−Cl、−H又は−CF3であ
り、Aは−SO3M,−CRfRf′OM又は−CO2M(Mは水素、ア
ルカリ金属、Rf,Rf′は炭素数1〜10のパーフルオロア
ルキル基)又は加水分解等により、これらの基に転化す
る基を表し、Yは、次のものから選ばれるが、そこで、
Z,Z′は−F又は炭素数1〜10のパーフルオロアルキル
基であり、X,Y,Zは1〜10の整数を表す。
−(CF2−,−O−(CF2−, さらに、(イ)及び(ロ)の重合単位の他に、次のよ
うな重合単位を含んでいてもよい。
なお、上記重合体中の(ロ)の含有量は、含フッ素重
合体が上記イオン交換容量を形成するように選ばれる。
上記含フッ素重合体は、好ましくは加水分解された形
がパーフルオロカーボン重合体であることが適切であ
り、その好ましい例は、CF2=CF2とCF2=CFOCF2CF(C
F3)OCF2CF2SO2Fとの共重合体、CF2=CF2とCF2=CFO(C
F22〜5SO2Fとの共重合体、CF2=CF2とCF2=CFOCF2C
F2C(CF32OHとの共重合体、CF2=CF2とCF2=CFO(C
F22〜5CO2CH3との共重合体、更には、CF2=CF2とCF
2=CFOCF2CF(CF3)O(CF22CO2CH3との共重合体が例
示される。
本発明において、陽イオン交換樹脂の多孔体からなる
第一の層は空隙率が5〜95%、特には、10〜80%を有す
る。ここで、空隙率とは、陽イオン交換樹脂の比重をρ
(g/cm3)、単位面積あたりの重量をa(g/cm2)、該多
孔体の厚さがd(cm)のとき、次式で与えられるものを
いう。
空隙率(%)=a/ρ・d×100 かかる多孔体の製法は特に限定される必要はないが、
好ましい態様としては、SiO2、Al、Al(OH)、粒子等
のアルカリに可溶な無機物や炭化水素系又は含フッ素系
の低分子量の有機化合物、ポリマー、界面活性剤など
(以下造孔剤と呼ぶ)を第一の層を形成する陽イオン交
換体又はその前駆体に好ましくは5〜95容量%、特には
20〜80重量%を含むものを製膜し、これをアルカリ及び
/又は水を含む溶液等に浸せきして上記造孔剤を溶出す
る方法が挙げられる。かくして得られる多孔層は、少な
くとも製膜後の水又はアルカリ水溶液等の液体に漏れて
いない状態において、孔の貫通性が小さいことが好まし
い。本発明においては、孔の貫通性は、製膜後の乾いた
状態の多孔体について、ガーレーナンバー、即ち、圧力
差0.0132kg/cm2の下で100mlの空気が6.45cm2の面積を通
過する秒数で評価され、その値が1000以上であることが
好ましい。透過性がこれよりも大きい多孔体では、陰極
室より高濃度の水酸化アルカリがカルボン酸層の表面ま
で侵入するため好ましくない。実際の電解条件下では、
該多孔体層は、ある場合においては、イオンの流れの影
響等により、微細な孔ができてもかまわない。
本発明者らの研究によれば、第一の層が多孔化された
陽イオン交換体でなくとも、42重量%以上、特には45重
量%以上のNaOH水溶液で高い電流効率を出すことが可能
であるが、本発明のように、第一の層を多孔化すること
により、更に長期に渡って安定して高い電流効率を得る
ことが可能になった。そのメカニズムは必ずしも明らか
ではないが、第一の層に空孔を設けることにより、第一
の層の剥離や、クラックを発生させる応力が緩和される
ためと思われる。
本発明に用いられる含フッ素陽イオン交換膜の第一の
層には陽イオン交換樹脂以外に他の不溶性の耐アルカリ
性物質、例えば無機粒子や小繊維等を含んでいてもよ
い。このような物質の例としては、好ましくはチタン、
ジルコニウム、ニオブ、タンタル、インジウム、スズ、
マンガン、コバルト、ニッケル等の酸化物、窒化物、炭
化物、ケイ素の窒化物、炭化物の粒子や小繊維の単独又
は混合物等が例示される。該耐アルカリ性無機物質の容
積比率(耐アルカリ性無機物質の容積/(耐アルカリ性
無機物質の容積+陽イオン交換樹脂の容積))は、好ま
しくは75%以下、更に好ましくは60%以下であり、該粒
子の粒径は、第一の層の厚みの二分の一以下、且つ20μ
m以下であることが好ましい。
該膜はまた、第一の層に含まれる耐アルカリ性物質と
して、前述のような無機物質だけでなく、例えばポリテ
トラフルオロエチレン製の多孔質膜や布、フィブリルを
採用して、陽イオン交換樹脂又は他の耐アルカリ性物質
含有陽イオン交換樹脂を補強することにより、該層の剥
離やクラック発生に対する耐性が向上し、該層を補強し
ていない膜に比べて、膜全体の機械的強度が向上するば
かりでなく、電流効率の長期安定性の更に優れた陽イオ
ン交換膜を得ることができる。
本発明のイオン交換膜の製造には通常の押し出し製膜
のほか湿式製膜法を採用することができる。例えば、−
SO3M′基(M′はH,又はアルカリ金属)を有するパーフ
ルオロカーボン重合体の溶液又は分散液に造孔剤を溶解
もしくは分散させた液を第二の層又はその前駆体からな
る層の上に直接塗布、乾燥したり、該液を他の基盤やフ
イルム等の上に塗布し、乾燥して得られるフイルムと第
二の層又はその前駆体からなる層とを合わせたのち、好
ましくは、熱プレスすることにより積層することができ
る。また、第一の層以外の層も湿式製膜することができ
る。
これら含フッ素重合体を溶解又は分散させた重合体液
は、例えば特開昭56−72022号、特公昭48−13333号及び
特開昭57−192464号によって知られており、これらが利
用できる。
本発明で使用される含フッ素陽イオン交換膜において
は、第一の層及び第二の層に加えて必要により、更に第
三の層を積層することができる。かかる好ましい例とし
て、第二の層の陽極側に、厚み30〜350μmの−SO3M基
又は−CO2M基(Mはアルカリ金属)を有する含フッ素重
合体からなり、第二の層よりも比抵抗の小さい層が好ま
しい。更に、第二の層又は第三の層の陽極側に、厚み10
〜450μmの気孔率30〜95%を有し、表面及び内部を親
水化した多孔性含フッ素重合体からなる第四の層を積層
することができる。かかる第三の層や第四の層を積層す
ることにより、第一の層及び第二の層のみからなる膜に
比べて、膜の機械的強度等を更に大きく安定化すること
ができる。
更に、上記に加えて、本発明で使用される含フッ素重
合体は、上記第一、第二、第三の層、更には第四の層の
積層を強固に行なうために、必要により結合層を設ける
ことができる。かかる結合層としてはスルホン酸基又は
水酸化をもつ含フッ素重合体とカルボン酸基をもつ含フ
ッ素重合体との好ましくは4/1〜1/4(重量比)のブレン
ドしてなる層、更にはスルホン酸基又は水酸基とカルボ
ン酸基を好ましくは2/1〜1/2の比率で併有する含フッ素
重合体からなる、厚みが好ましくは5〜50μmの層が選
ばれる。かかる結合層とは、上記第一、第二、第三の層
更には第四の層の結合時に挿入され、加熱、融着され
る。
また、膜の好ましくは陽極側部分に、必要に応じて例
えばポリテトラフルオロエチレン等の含フッ素重合体の
織布、不織布などの補強材を埋め込むこともできる。
かくして形成される本発明で使用される含フッ素陽イ
オン交換膜は、全体の厚みが、50〜600μm、特には150
〜400μmであるのが好ましい。
上記含フッ素陽イオン交換膜は、そのままでも使用で
きるが、好ましくは、陽イオン交換膜の少なくとも一表
面に、特に好ましくは、少なくともイオン交換膜の陽極
側表面に塩素ガス解放のための処理を施すことにより、
電流効率の長期安定性を更に改良することができる。
該イオン交換膜の表面にガス解放のための処理を施す
方法としては、膜表面に微細な凹凸を施す方法(特公昭
60−26495号)、電解槽に鉄、ジルコニア等を含む液を
供給して、膜表面に親水性無機粒子をデポジットする方
法(特開昭56−152980号)、ガス及び液透過性の電極活
性を有しない粒子を含む多孔質層を設ける方法(特開昭
56−75583号及び特開昭57−39185号公報)等が例示され
る。かかるイオン交換膜の表面のガス解放層は電流効率
の長期安定性を改良する効果の他に電解下における電圧
を更に低減することができる。
本発明の含フッ素陽イオン交換膜を使用して塩化アル
カリ水溶液の電解を行なうプロセス条件としては、上記
した特開昭54−112398号公報におけるような既知の条件
が採用できる。例えば、陽極室には好ましくは2.5〜5.0
規定(N)の塩化アルカリ水溶液を供給し、陰極室には
必要に応じて水又は希釈水酸化アルカリを供給し、好ま
しくは50〜120℃,5〜100A/dm2で電解される。かかる場
合、塩化アルカリ中のカルシウム及びマグネシウムなど
の重金属イオンは、イオン交換膜の劣化を招くので、可
及的に小さくせしめるのが好ましい。また、陽極におけ
る酸素の発生を極力防止するために塩酸などの酸を塩化
アルカリ水溶液に添加することができる。
本発明において電解槽は、上記構成を有する限りにお
いて単極型でも複極型でもよい。また電解槽を構成する
材料は、例えば、塩化アルカリ水溶液の電解の場合に
は、陽極室の場合には塩化アルカリ水溶液及び塩素に耐
性があるもの、例えば弁金属、チタンが使用され、陰極
室の場合には水酸化アルカリ及び水素に耐性がある鉄、
ステンレス又はニッケルなどが使用される。
本発明において電極を配置する場合、電極は複層膜に
接触して配置しても、また適宜の間隔において配置して
もよいが、特に本発明の場合、隔膜に電極を接触して配
置した場合、支障を伴うことなく低い膜抵抗に伴なう、
有利な槽電圧が達成できる。
[実施例] 実施例1 孔径が2μm、膜厚が120μmのポリテトラフルオロ
エチレン製多孔体と、イオン交換容量1.25ミリ当量/g乾
燥樹脂のCF2=CF2/CF2=CFO(CF2−COOCH3共重合体
(共重合体A)からなる厚さ、40μmのフイルムとを積
層し、共重合体A層上にCF2=CF2/CF2=CFOCF2CF(C
F3)O(CF22SO3H(共重合体B)とSiO2粒子を3/2の
体積割合で含むエタノール混合液を塗布、乾燥すること
により、厚さ50μmの共重合体BとSiO2混合層を形成
し、120℃にて熱プレスを施した。次に、多孔体の内部
に減圧下で共重合体Bと塩化ジルコニルを含有する溶液
を含浸せしめ、次いで乾燥することにより、該多孔体内
壁に親水性を付与せしめた複層隔膜を得た。
次いで、共重合体Bの溶液にZrO2粒子を分散させた溶
液を、上記多層隔膜の両面にスプレー塗布し、ZrO2微粒
子を付着せしめた複層隔膜を得た。
かくして得られた該複層隔膜を、苛性ソーダ水溶液で
加水分解して、SiO2が溶出して空隙率40%の多孔質にな
った共重合体Bからなる厚さ50μmの層側にSUS 304製
パンチドメタルを52重量%の苛性ソーダ水溶液中、150
℃で52時間エッチング処理して得られた低水素過電圧陰
極が、該膜の反対側にチタンのパンチドメタルに酸化ル
テニウムと酸化イリジウムと酸化チタンの固溶体を被覆
した低塩素過電圧陽極が接触するように配置させ、陰極
室のNaOH濃度を45重量%に保ちつつ、90℃、電流密度30
A/dm2にて電解せしめたところ、電流効率95%、槽電圧
3.0Vであった。3ヶ月に及ぶ電解をしても電流効率の低
下は見られなかった。
共重合体A及び共重合体Bのフイルムの45重量%NaOH
中の含水率は、それぞれ3.1%、16.6%であった。ま
た、多孔化された共重合体B層のガーレーナンバーは、
3000以上であった。
実施例2 塩素及び水素の気泡解放のための処理を行なわなかっ
た以外は実施例1と同様の試験を行なったところ、初期
の電流効率95%、槽電圧3.5Vであった。
比較例1 実施例1において、共重合体BとSiO2混合層を積層し
なかった以外は同様に試験したところ電流効率92%、槽
電圧3.1Vであった。1ヶ月に及ぶ電解で、電流効率は87
%まで低下した。
比較例2 実施例1において、共重合体BとSiO2混合層の代わり
に、共重合体Bのみのエタノール溶液を塗布して、厚さ
50μmの共重合体Bの層を形成させた以外は同様に電解
したところ、電流効率95%、槽電圧3.0Vであった。3ヶ
月電解後の電流効率は93%であった。該膜を取り出して
膜観察を行なったところ電解面周辺の一部に共重合体B
層の剥離が見られた。
比較例3 実施例1において、共重合体A層の陰極側に、SiO2
溶出によって多孔化された共重合体Bからなる層を設け
ず、更に塩素及び水素の気泡解放のため処理を行なわな
かった以外は同様に試験を行なったところ、初期の電流
効率92%、槽電圧3.6Vで経時的に電流効率が低下した。
実施例3 実施例1において共重合体A層の陽極側にポリテトラ
フルオロエチレン製の多孔体のかわりに、CF2=CF2/CF2
=CFOCF2CF2(CF2CoO(CH3共重合体からなるイオン交換
容量1.44ミリ当量/g乾燥樹脂(共重合体C)の厚さ160
μmのフイルムを使用した以外は実施例1と同様に試験
したところ、電流効率95、槽電圧3.2Vで、一ヶ月間、性
能は安定していた。
実施例4 共重合体Aからなる厚さ40μmのフイルムと共重合体
Cからなる厚さ160μmのフイルムを熱プレスで積層
し、更に共重合体Aの側にC8F17SO3NH4を50容量%含有
するイオン交換容量1.5ミリ当量/g乾燥樹脂のCF2=CF2/
CF2=CFOCF2CF2C(CF3)OH共重合体(共重合体D)から
なる厚さ60μmのフイルムを積層した。
次いで、共重合体Bの溶液にZrO2粒子を分散させた溶
液を、上記多層隔膜の両面にスプレー塗布し、ZrO2微粒
子を付着せしめた複層隔膜を得た。
かくして得られた該複層隔膜を、苛性ソーダ水溶液で
加水分解後、十分にイオン交換水に浸せきすることによ
り、C8F17SO3NH4が溶出して空隙率50%の多孔質になっ
た共重合体Dからなる厚さ50μmの層の側に低水素過電
圧陰極が、該膜の反対側に低塩素過電圧陽極が接触する
ように配置させ、 陰極室のNaOH濃度を45重量%に保ちつつ、90℃、 電流密度30A/dm2にて電解せしめたところ、電流効率9
4%、槽電圧3.2Vであった。一ヶ月に及ぶ電解をしても
電流効率の低下は見られなかった。

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐アルカリ性を有する陽イオン交換樹脂か
    らなる、孔の貫通性の小さい多孔体の厚さ5μm以上の
    第一の層と、45重量%NaOH水溶液中の含水率が2〜7重
    量%の範囲にあり、厚さが5μm以上の−CO2M基(Mは
    アルカリ金属)を有するパーフルオロカーボン重合体の
    第二の層とを少なくとも有する陽イオン交換膜の第一の
    層を陰極側に向けて配した電解槽の陽極室に塩化アルカ
    リを供給して電解することを特徴とする、濃度42重量%
    以上の水酸化アルカリの製造方法。
  2. 【請求項2】第一の層の陽イオン交換樹脂の多孔体が、
    ガーレーナンバー1000以上、空隙率5〜95%の含フッ素
    陽イオン交換体からなる請求項1の方法。
  3. 【請求項3】第一の層を構成する耐アルカリ性陽イオン
    交換樹脂が、−SO3M基又は−OM基(Mはアルカリ金属)
    を有する陽イオン交換樹脂である請求項1又は2の方
    法。
  4. 【請求項4】第二の層が、厚さ5〜300μm、イオン交
    換容量0.85〜1.6ミリ当量/g乾燥樹脂の−CO2M基含有パ
    ーフルオロカーボン重合体からなる層である請求項1〜
    3のいずれかの方法。
  5. 【請求項5】第一の層がイオン交換容量0.85〜1.6ミリ
    当量/g乾燥樹脂の−SO3M基含有パーフルオロカーボン重
    合体からなる請求項4の方法。
  6. 【請求項6】含フッ素陽イオン交換膜が、第二の層の陽
    極側に、陽イオン交換基を有するパーフルオロカーボン
    重合体からなり、且つ比抵抗が第二の層よりも小さく、
    厚みの大きい第三の層を有する請求項1〜5のいずれか
    の方法。
  7. 【請求項7】含フッ素陽イオン交換膜が、第二の層又は
    第三の層の陽極側に、厚さ10〜450μm、気孔率30〜95
    %を有し、表面及び内部を親水化された多孔性含フッ素
    重合体からなる第四の層を有する請求項1〜6のいずれ
    かの方法。
  8. 【請求項8】含フッ素陽イオン交換膜の表面が塩素の気
    泡解放のための処理を施されてなる請求項1〜7のいず
    れかの方法。
  9. 【請求項9】水酸化アルカリの濃度が42〜55重量%であ
    る請求項1〜8のいずれかの方法。
JP62145157A 1987-06-12 1987-06-12 水酸化アルカリの製造方法 Expired - Fee Related JP2623572B2 (ja)

Priority Applications (8)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62145157A JP2623572B2 (ja) 1987-06-12 1987-06-12 水酸化アルカリの製造方法
DE88904663T DE3882925T2 (de) 1987-06-12 1988-06-03 Verfahren zur herstellung von alkalimetallhydroxid.
EP88904663A EP0318589B1 (en) 1987-06-12 1988-06-03 Method for producing an alkali metal hydroxide
PCT/JP1988/000537 WO1988009799A1 (en) 1987-06-12 1988-06-03 Method for producing an alkali metal hydroxide
CA000569219A CA1325195C (en) 1987-06-12 1988-06-10 Method for producing an alkali metal hydroxide
CN88103588A CN1015270B (zh) 1987-06-12 1988-06-11 制备碱金属氢氧化物的方法
US07/309,731 US5039382A (en) 1987-06-12 1989-02-03 Method for producing an alkali metal hydroxide
SU894613509A RU1823884C (ru) 1987-06-12 1989-02-10 Способ получени гидроксида щелочного металла

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62145157A JP2623572B2 (ja) 1987-06-12 1987-06-12 水酸化アルカリの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63310985A JPS63310985A (ja) 1988-12-19
JP2623572B2 true JP2623572B2 (ja) 1997-06-25

Family

ID=15378744

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62145157A Expired - Fee Related JP2623572B2 (ja) 1987-06-12 1987-06-12 水酸化アルカリの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2623572B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0756079B2 (ja) * 1989-06-16 1995-06-14 旭硝子株式会社 水酸化アルカリの製造方法
CN114345328A (zh) * 2021-12-30 2022-04-15 利安隆科润(浙江)新材料有限公司 一种催化剂,其制备方法及应用

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63310985A (ja) 1988-12-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4361608B2 (ja) 一体多層式のイオン交換複合膜
CA1269346A (en) Multi-layered diaphragm for electrolysis
JPH04507112A (ja) 複合成形品、その応用と製法
EP0318589B1 (en) Method for producing an alkali metal hydroxide
JPWO2018070444A1 (ja) アルカリ水電解用隔膜およびアルカリ水電解装置
JPH04136196A (ja) 電解用含フッ素陽イオン交換膜及びこれを用いた水酸化アルカリの製造方法
CN112144076A (zh) 一体化膜电极及其制备方法和应用
WO1997040924A1 (en) Integral ion-exchange composite membranes
KR950000713B1 (ko) 알칼리금속 수산화물의 제조방법 및 이 방법에 적합한 전해셀
EP0192261B1 (en) Multilayer cation exchange membrane
JP2623572B2 (ja) 水酸化アルカリの製造方法
JPS621652B2 (ja)
JP2623571B2 (ja) 水酸化アルカリの製造方法
JP2018062647A (ja) 含フッ素イオン透過性隔膜の製造方法、電解装置の製造方法、ガスの製造方法、水素ガスおよび酸素ガスの製造方法、ならびに塩素ガスの製造方法
JPH06342667A (ja) 高分子型燃料電池
JP4998713B2 (ja) イオン透過性隔膜
JPS62280231A (ja) 新規な複層隔膜
JPH0254791A (ja) 水酸化アルカリの製造方法
JPS63312988A (ja) 水酸化アルカリの製造方法
JPS59133386A (ja) ガス拡散電極の製造法
JPH0320490A (ja) 水酸化アルカリの製造方法
JPS5928581A (ja) ガス拡散電極用材料
JPS62199629A (ja) 新規な電解用複層隔膜
JPS63113029A (ja) 電解用イオン交換膜
JPS63310986A (ja) 水酸化アルカリの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees