JP2623572B2 - 水酸化アルカリの製造方法 - Google Patents
水酸化アルカリの製造方法Info
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- JP2623572B2 JP2623572B2 JP62145157A JP14515787A JP2623572B2 JP 2623572 B2 JP2623572 B2 JP 2623572B2 JP 62145157 A JP62145157 A JP 62145157A JP 14515787 A JP14515787 A JP 14515787A JP 2623572 B2 JP2623572 B2 JP 2623572B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、イオン交換膜法において、比較的高濃度の
水酸化アルカリを製造する方法に関するものである。
水酸化アルカリを製造する方法に関するものである。
[従来の技術] 含フッ素陽イオン交換膜を隔膜として使用し、塩化ア
ルカリ水溶液を電解して、水酸化アルカリと塩素とを製
造する所謂イオン交換膜法アルカリ電解は高純度の水酸
化アルカリが、それまでの従来法に比べて低エネルギー
消費量にて製造できることから、近年国際的に普及しつ
つある。
ルカリ水溶液を電解して、水酸化アルカリと塩素とを製
造する所謂イオン交換膜法アルカリ電解は高純度の水酸
化アルカリが、それまでの従来法に比べて低エネルギー
消費量にて製造できることから、近年国際的に普及しつ
つある。
かかるイオン交換膜法アルカリ電解においては、初期
の頃はスルホン酸基をイオン交換基とする含フッ素陽イ
オン交換膜が使用されていたが、電流効率を高くするこ
とができないことからして、近年は膜の少なくとも陰極
側にカルボン酸基を有する陽イオン交換膜に置換され、
この結果、電解における電流効率は、ほぼ92〜97%にま
で達し、工業的にはほぼ完璧な域に達している。
の頃はスルホン酸基をイオン交換基とする含フッ素陽イ
オン交換膜が使用されていたが、電流効率を高くするこ
とができないことからして、近年は膜の少なくとも陰極
側にカルボン酸基を有する陽イオン交換膜に置換され、
この結果、電解における電流効率は、ほぼ92〜97%にま
で達し、工業的にはほぼ完璧な域に達している。
しかしながら、上記のカルボン酸型陽イオン交換膜を
使用した場合、長期にわたって低電圧で優れた電流効率
が得られるのも濃度がおよそ36〜40重量%までの水酸化
アルカリを製造する場合に限られることが見出された。
本発明者の研究によると、水酸化アルカリの濃度がおよ
そ40重量%までは94〜98%の高い電流効率が得られる
が、それよりも高濃度になると電流効率が急に低下する
ことが見出された。また、このように高濃度になると、
膜抵抗も急に大きくなり電解電圧が上昇し、一週間ない
し一年間の長期にわたって運転した場合には、電流効率
も次第に低下してゆく現象が見られた。このような高濃
度の水酸化アルカリで長期間運転した膜の陰極側表面の
イオン交換容量を測定してみるとカルボン酸基の分解に
より表面のイオン交換容量が低下していることが明らか
になった。かくして膜の陰極側にカルボン酸基を有する
陽イオン交換膜では、上記のような高濃度の水酸化アル
カリを工業的に製造するのは好ましくない。
使用した場合、長期にわたって低電圧で優れた電流効率
が得られるのも濃度がおよそ36〜40重量%までの水酸化
アルカリを製造する場合に限られることが見出された。
本発明者の研究によると、水酸化アルカリの濃度がおよ
そ40重量%までは94〜98%の高い電流効率が得られる
が、それよりも高濃度になると電流効率が急に低下する
ことが見出された。また、このように高濃度になると、
膜抵抗も急に大きくなり電解電圧が上昇し、一週間ない
し一年間の長期にわたって運転した場合には、電流効率
も次第に低下してゆく現象が見られた。このような高濃
度の水酸化アルカリで長期間運転した膜の陰極側表面の
イオン交換容量を測定してみるとカルボン酸基の分解に
より表面のイオン交換容量が低下していることが明らか
になった。かくして膜の陰極側にカルボン酸基を有する
陽イオン交換膜では、上記のような高濃度の水酸化アル
カリを工業的に製造するのは好ましくない。
一方、米国特許4455210号には、スルホンアミド基を
もつ含フッ素重合体フイルムの陰極側にスルホン酸基を
もつ含フッ素重合体フイルムを積層した陽イオン交換膜
を使用して、高濃度の水酸化アルカリを製造することが
提案されている。しかしこの方法においては、そもそも
初期の電流効率が低いばかりでなく、長期にわたって運
転した場合には、更に電流効率が低下してしまう。
もつ含フッ素重合体フイルムの陰極側にスルホン酸基を
もつ含フッ素重合体フイルムを積層した陽イオン交換膜
を使用して、高濃度の水酸化アルカリを製造することが
提案されている。しかしこの方法においては、そもそも
初期の電流効率が低いばかりでなく、長期にわたって運
転した場合には、更に電流効率が低下してしまう。
特公昭57−9589号には、カルボン酸基含有層の陰極側
に2μm程度のスルホン酸基含有層を有する含フッ素陽
イオン交換膜を使用して40重量%のNaOHを得る方法が示
されている。膜の陰極側に薄いスルホン酸基含有層を有
するその他の例は特開昭58−83030号、特公昭60−23776
号にも見られ、特開昭59−22930号には膜の両側に、ス
ルホン酸基含有陽イオン交換樹脂とジルコニアの混合層
を設けた例が記載されているが、これらはいずれも35重
量%前後のNaOHを得る場合の電解電圧の低減に関するも
のである。本発明者の研究によれば、陰極側スルホン酸
基含有層が薄い場合には、40重量%の水酸化アルカリで
は95%前後の高い電流効率が得られたが、45重量%以上
の水酸化アルカリの場合には、90%前後の電流効率しか
得られず、電流効率は経時的に低下することが明らかに
なった。
に2μm程度のスルホン酸基含有層を有する含フッ素陽
イオン交換膜を使用して40重量%のNaOHを得る方法が示
されている。膜の陰極側に薄いスルホン酸基含有層を有
するその他の例は特開昭58−83030号、特公昭60−23776
号にも見られ、特開昭59−22930号には膜の両側に、ス
ルホン酸基含有陽イオン交換樹脂とジルコニアの混合層
を設けた例が記載されているが、これらはいずれも35重
量%前後のNaOHを得る場合の電解電圧の低減に関するも
のである。本発明者の研究によれば、陰極側スルホン酸
基含有層が薄い場合には、40重量%の水酸化アルカリで
は95%前後の高い電流効率が得られたが、45重量%以上
の水酸化アルカリの場合には、90%前後の電流効率しか
得られず、電流効率は経時的に低下することが明らかに
なった。
特開昭58−61288号には陽イオン交換膜の陰極側に透
水性の隔膜を密着して配した膜を用いて、41.7重量%の
NaOHを電流効率90で製造する例が記載されているが、Na
OH濃度がやや低いだけでなく、必ずしも十分な電流効果
は得られていない。
水性の隔膜を密着して配した膜を用いて、41.7重量%の
NaOHを電流効率90で製造する例が記載されているが、Na
OH濃度がやや低いだけでなく、必ずしも十分な電流効果
は得られていない。
このような高濃度の水酸化アルカリを高い電流効率、
低い電解電圧で製造できるようになると、従来水酸化ア
ルカリの濃縮に要していたエネルギーを節減もしくは不
要にすることができる。
低い電解電圧で製造できるようになると、従来水酸化ア
ルカリの濃縮に要していたエネルギーを節減もしくは不
要にすることができる。
[発明の解決しようとする問題点] 本発明は、濃度が42重量%以上、特には45重量%以上
の水酸化アルカリを製造するにあたり、初期において高
電流効率を与えるばかりでなく、長期間運転した場合も
高い電流効率を保持できるイオン交換膜を使用した高濃
度水酸化アルカリの製造方法を提供することを目的とす
る。
の水酸化アルカリを製造するにあたり、初期において高
電流効率を与えるばかりでなく、長期間運転した場合も
高い電流効率を保持できるイオン交換膜を使用した高濃
度水酸化アルカリの製造方法を提供することを目的とす
る。
[問題点を解決するための手段] 耐アルカリ性を有する陽イオン交換樹脂からなる、孔
の貫通性の小さい多孔体の厚さ5μm以上の第一の層
と、45重量%NaOH水溶液中の含水率が2〜7重量%の範
囲にあり、厚さが5μm以上の−CO2M基(Mはアルカリ
金属)を有するパーフルオロカーボン重合体の第二の層
とを少なくとも有する陽イオン交換膜の第一の層を陰極
側に向けて配した電解槽の陽極室に塩化アルカリを供給
して電解することを特徴とする、濃度42重量%以上の水
酸化アルカリを製造する方法を提供するものである。
の貫通性の小さい多孔体の厚さ5μm以上の第一の層
と、45重量%NaOH水溶液中の含水率が2〜7重量%の範
囲にあり、厚さが5μm以上の−CO2M基(Mはアルカリ
金属)を有するパーフルオロカーボン重合体の第二の層
とを少なくとも有する陽イオン交換膜の第一の層を陰極
側に向けて配した電解槽の陽極室に塩化アルカリを供給
して電解することを特徴とする、濃度42重量%以上の水
酸化アルカリを製造する方法を提供するものである。
本発明の第一の層の厚さは、5μm以上、好ましくは
10〜200μmである。5μmよりも薄い場合には45重量
%以上の水酸化アルカリを製造する場合に十分な電流効
率が得られず、カルボン酸基の高濃度アルカリによる劣
化も十分に防止できない。200μmを超えると膜抵抗が
大きくなり、電解電圧が高くなるため好ましくない。
10〜200μmである。5μmよりも薄い場合には45重量
%以上の水酸化アルカリを製造する場合に十分な電流効
率が得られず、カルボン酸基の高濃度アルカリによる劣
化も十分に防止できない。200μmを超えると膜抵抗が
大きくなり、電解電圧が高くなるため好ましくない。
第一の層を形成する耐アルカリ性陽イオン交換体とし
ては、スチレン/ジビニルベンゼン共重合体のスルホン
化物、ヒドロキシスチレン/ジビニルベンゼン共重合体
等の炭化水素系陽イオン交換樹脂の他に、好ましくは−
SO3M基又は−OM基(Mはアルカリ金属)を有するパーフ
ルオロカーボン重合体が用いられる。
ては、スチレン/ジビニルベンゼン共重合体のスルホン
化物、ヒドロキシスチレン/ジビニルベンゼン共重合体
等の炭化水素系陽イオン交換樹脂の他に、好ましくは−
SO3M基又は−OM基(Mはアルカリ金属)を有するパーフ
ルオロカーボン重合体が用いられる。
第二の層を形成する陽イオン交換体としては、厚さ5
μm以上の−CO2M基(Mはアルカリ金属)を含むパーフ
ルオロカーボン重合体が用いられる。−CO2M基(Mはア
ルカリ金属)を有するパーフルオロカーボン重合体の第
二の層は、45重量%NaOH水溶液中の含水率が、2〜7重
量%である。特に2.5〜5重量%の範囲にあることが好
ましい。この範囲から外れると十分に高い電流効率が得
られない。ここで本発明において45重量%NaOH中の含水
率とは、陽イオン交換膜を電解運転温度の45重量%NaOH
水溶液に16時間浸せきし、25℃に冷却後、膜表面のアル
カリ水溶液を拭きとった後の重量をa g、その膜を90℃
のイオン交換水に16時間浸せきした後、130℃で16時間
真空乾燥したときの重量をb gとしたとき、 含水率(%)=(a−b)/b×100 で与えられるものをいう。
μm以上の−CO2M基(Mはアルカリ金属)を含むパーフ
ルオロカーボン重合体が用いられる。−CO2M基(Mはア
ルカリ金属)を有するパーフルオロカーボン重合体の第
二の層は、45重量%NaOH水溶液中の含水率が、2〜7重
量%である。特に2.5〜5重量%の範囲にあることが好
ましい。この範囲から外れると十分に高い電流効率が得
られない。ここで本発明において45重量%NaOH中の含水
率とは、陽イオン交換膜を電解運転温度の45重量%NaOH
水溶液に16時間浸せきし、25℃に冷却後、膜表面のアル
カリ水溶液を拭きとった後の重量をa g、その膜を90℃
のイオン交換水に16時間浸せきした後、130℃で16時間
真空乾燥したときの重量をb gとしたとき、 含水率(%)=(a−b)/b×100 で与えられるものをいう。
本発明において、第一の層を形成するイオン交換樹脂
は、好ましくは−SO3M基又は−OM基を有するパーフルオ
ロカーボン重合体である。−SO3M基含有パーフルオロカ
ーボン重合体の場合、そのイオン交換容量は、0.6〜1.8
ミリ当量/g乾燥樹脂、特には0.85〜1.6ミリ当量/g乾燥
樹脂、であることが好ましい。第一の層の45重量%NaOH
中の含水率R1と第二の層の45重量%NaOH中の含水率R2と
の差ΔR(=R1−R2)は3〜30%、特には5〜25%、で
あることが好ましい。−OM基含有パーフルオロカーボン
重合体のイオン交換容量は、好ましくは0.6〜2.8ミリ当
量/g乾燥樹脂、特には0.85〜2.5ミリ当量/g乾燥樹脂を
有する。
は、好ましくは−SO3M基又は−OM基を有するパーフルオ
ロカーボン重合体である。−SO3M基含有パーフルオロカ
ーボン重合体の場合、そのイオン交換容量は、0.6〜1.8
ミリ当量/g乾燥樹脂、特には0.85〜1.6ミリ当量/g乾燥
樹脂、であることが好ましい。第一の層の45重量%NaOH
中の含水率R1と第二の層の45重量%NaOH中の含水率R2と
の差ΔR(=R1−R2)は3〜30%、特には5〜25%、で
あることが好ましい。−OM基含有パーフルオロカーボン
重合体のイオン交換容量は、好ましくは0.6〜2.8ミリ当
量/g乾燥樹脂、特には0.85〜2.5ミリ当量/g乾燥樹脂を
有する。
また第二の層は、−CO2M基(Mはアルカリ金属)を有
するパーフルオロカーボン重合体からなり、そのイオン
交換容量は、好ましくは0.6〜1.8ミリ当量/g乾燥樹脂、
特には0.85〜1.6ミリ当量/g乾燥樹脂を有する。
するパーフルオロカーボン重合体からなり、そのイオン
交換容量は、好ましくは0.6〜1.8ミリ当量/g乾燥樹脂、
特には0.85〜1.6ミリ当量/g乾燥樹脂を有する。
本発明において、パーフルオロカーボン重合体とは炭
素原子に結合した水素原子又はハロゲン原子に対してそ
の中のフッ素原子の占める割合が90%以上のものをい
い、上記−SO3M基又は−OM基をもつパーフルオロカーボ
ン重合体の第一の層及び−CO2M基をもつパーフルオロカ
ーボン重合体の第二の層を構成するパーフルオロカーボ
ン重合体は少なくとも二種の単量体の共重合体からな
り、好ましくは次の(イ)及び(ロ)の重合単位をもつ
共重合体からなる。
素原子に結合した水素原子又はハロゲン原子に対してそ
の中のフッ素原子の占める割合が90%以上のものをい
い、上記−SO3M基又は−OM基をもつパーフルオロカーボ
ン重合体の第一の層及び−CO2M基をもつパーフルオロカ
ーボン重合体の第二の層を構成するパーフルオロカーボ
ン重合体は少なくとも二種の単量体の共重合体からな
り、好ましくは次の(イ)及び(ロ)の重合単位をもつ
共重合体からなる。
ここで、X,X′は、−F、−Cl、−H又は−CF3であ
り、Aは−SO3M,−CRfRf′OM又は−CO2M(Mは水素、ア
ルカリ金属、Rf,Rf′は炭素数1〜10のパーフルオロア
ルキル基)又は加水分解等により、これらの基に転化す
る基を表し、Yは、次のものから選ばれるが、そこで、
Z,Z′は−F又は炭素数1〜10のパーフルオロアルキル
基であり、X,Y,Zは1〜10の整数を表す。
り、Aは−SO3M,−CRfRf′OM又は−CO2M(Mは水素、ア
ルカリ金属、Rf,Rf′は炭素数1〜10のパーフルオロア
ルキル基)又は加水分解等により、これらの基に転化す
る基を表し、Yは、次のものから選ばれるが、そこで、
Z,Z′は−F又は炭素数1〜10のパーフルオロアルキル
基であり、X,Y,Zは1〜10の整数を表す。
−(CF2)X−,−O−(CF2)X−, さらに、(イ)及び(ロ)の重合単位の他に、次のよ
うな重合単位を含んでいてもよい。
うな重合単位を含んでいてもよい。
なお、上記重合体中の(ロ)の含有量は、含フッ素重
合体が上記イオン交換容量を形成するように選ばれる。
合体が上記イオン交換容量を形成するように選ばれる。
上記含フッ素重合体は、好ましくは加水分解された形
がパーフルオロカーボン重合体であることが適切であ
り、その好ましい例は、CF2=CF2とCF2=CFOCF2CF(C
F3)OCF2CF2SO2Fとの共重合体、CF2=CF2とCF2=CFO(C
F2)2〜5SO2Fとの共重合体、CF2=CF2とCF2=CFOCF2C
F2C(CF3)2OHとの共重合体、CF2=CF2とCF2=CFO(C
F2)2〜5CO2CH3との共重合体、更には、CF2=CF2とCF
2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2)2CO2CH3との共重合体が例
示される。
がパーフルオロカーボン重合体であることが適切であ
り、その好ましい例は、CF2=CF2とCF2=CFOCF2CF(C
F3)OCF2CF2SO2Fとの共重合体、CF2=CF2とCF2=CFO(C
F2)2〜5SO2Fとの共重合体、CF2=CF2とCF2=CFOCF2C
F2C(CF3)2OHとの共重合体、CF2=CF2とCF2=CFO(C
F2)2〜5CO2CH3との共重合体、更には、CF2=CF2とCF
2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2)2CO2CH3との共重合体が例
示される。
本発明において、陽イオン交換樹脂の多孔体からなる
第一の層は空隙率が5〜95%、特には、10〜80%を有す
る。ここで、空隙率とは、陽イオン交換樹脂の比重をρ
(g/cm3)、単位面積あたりの重量をa(g/cm2)、該多
孔体の厚さがd(cm)のとき、次式で与えられるものを
いう。
第一の層は空隙率が5〜95%、特には、10〜80%を有す
る。ここで、空隙率とは、陽イオン交換樹脂の比重をρ
(g/cm3)、単位面積あたりの重量をa(g/cm2)、該多
孔体の厚さがd(cm)のとき、次式で与えられるものを
いう。
空隙率(%)=a/ρ・d×100 かかる多孔体の製法は特に限定される必要はないが、
好ましい態様としては、SiO2、Al、Al(OH)3、粒子等
のアルカリに可溶な無機物や炭化水素系又は含フッ素系
の低分子量の有機化合物、ポリマー、界面活性剤など
(以下造孔剤と呼ぶ)を第一の層を形成する陽イオン交
換体又はその前駆体に好ましくは5〜95容量%、特には
20〜80重量%を含むものを製膜し、これをアルカリ及び
/又は水を含む溶液等に浸せきして上記造孔剤を溶出す
る方法が挙げられる。かくして得られる多孔層は、少な
くとも製膜後の水又はアルカリ水溶液等の液体に漏れて
いない状態において、孔の貫通性が小さいことが好まし
い。本発明においては、孔の貫通性は、製膜後の乾いた
状態の多孔体について、ガーレーナンバー、即ち、圧力
差0.0132kg/cm2の下で100mlの空気が6.45cm2の面積を通
過する秒数で評価され、その値が1000以上であることが
好ましい。透過性がこれよりも大きい多孔体では、陰極
室より高濃度の水酸化アルカリがカルボン酸層の表面ま
で侵入するため好ましくない。実際の電解条件下では、
該多孔体層は、ある場合においては、イオンの流れの影
響等により、微細な孔ができてもかまわない。
好ましい態様としては、SiO2、Al、Al(OH)3、粒子等
のアルカリに可溶な無機物や炭化水素系又は含フッ素系
の低分子量の有機化合物、ポリマー、界面活性剤など
(以下造孔剤と呼ぶ)を第一の層を形成する陽イオン交
換体又はその前駆体に好ましくは5〜95容量%、特には
20〜80重量%を含むものを製膜し、これをアルカリ及び
/又は水を含む溶液等に浸せきして上記造孔剤を溶出す
る方法が挙げられる。かくして得られる多孔層は、少な
くとも製膜後の水又はアルカリ水溶液等の液体に漏れて
いない状態において、孔の貫通性が小さいことが好まし
い。本発明においては、孔の貫通性は、製膜後の乾いた
状態の多孔体について、ガーレーナンバー、即ち、圧力
差0.0132kg/cm2の下で100mlの空気が6.45cm2の面積を通
過する秒数で評価され、その値が1000以上であることが
好ましい。透過性がこれよりも大きい多孔体では、陰極
室より高濃度の水酸化アルカリがカルボン酸層の表面ま
で侵入するため好ましくない。実際の電解条件下では、
該多孔体層は、ある場合においては、イオンの流れの影
響等により、微細な孔ができてもかまわない。
本発明者らの研究によれば、第一の層が多孔化された
陽イオン交換体でなくとも、42重量%以上、特には45重
量%以上のNaOH水溶液で高い電流効率を出すことが可能
であるが、本発明のように、第一の層を多孔化すること
により、更に長期に渡って安定して高い電流効率を得る
ことが可能になった。そのメカニズムは必ずしも明らか
ではないが、第一の層に空孔を設けることにより、第一
の層の剥離や、クラックを発生させる応力が緩和される
ためと思われる。
陽イオン交換体でなくとも、42重量%以上、特には45重
量%以上のNaOH水溶液で高い電流効率を出すことが可能
であるが、本発明のように、第一の層を多孔化すること
により、更に長期に渡って安定して高い電流効率を得る
ことが可能になった。そのメカニズムは必ずしも明らか
ではないが、第一の層に空孔を設けることにより、第一
の層の剥離や、クラックを発生させる応力が緩和される
ためと思われる。
本発明に用いられる含フッ素陽イオン交換膜の第一の
層には陽イオン交換樹脂以外に他の不溶性の耐アルカリ
性物質、例えば無機粒子や小繊維等を含んでいてもよ
い。このような物質の例としては、好ましくはチタン、
ジルコニウム、ニオブ、タンタル、インジウム、スズ、
マンガン、コバルト、ニッケル等の酸化物、窒化物、炭
化物、ケイ素の窒化物、炭化物の粒子や小繊維の単独又
は混合物等が例示される。該耐アルカリ性無機物質の容
積比率(耐アルカリ性無機物質の容積/(耐アルカリ性
無機物質の容積+陽イオン交換樹脂の容積))は、好ま
しくは75%以下、更に好ましくは60%以下であり、該粒
子の粒径は、第一の層の厚みの二分の一以下、且つ20μ
m以下であることが好ましい。
層には陽イオン交換樹脂以外に他の不溶性の耐アルカリ
性物質、例えば無機粒子や小繊維等を含んでいてもよ
い。このような物質の例としては、好ましくはチタン、
ジルコニウム、ニオブ、タンタル、インジウム、スズ、
マンガン、コバルト、ニッケル等の酸化物、窒化物、炭
化物、ケイ素の窒化物、炭化物の粒子や小繊維の単独又
は混合物等が例示される。該耐アルカリ性無機物質の容
積比率(耐アルカリ性無機物質の容積/(耐アルカリ性
無機物質の容積+陽イオン交換樹脂の容積))は、好ま
しくは75%以下、更に好ましくは60%以下であり、該粒
子の粒径は、第一の層の厚みの二分の一以下、且つ20μ
m以下であることが好ましい。
該膜はまた、第一の層に含まれる耐アルカリ性物質と
して、前述のような無機物質だけでなく、例えばポリテ
トラフルオロエチレン製の多孔質膜や布、フィブリルを
採用して、陽イオン交換樹脂又は他の耐アルカリ性物質
含有陽イオン交換樹脂を補強することにより、該層の剥
離やクラック発生に対する耐性が向上し、該層を補強し
ていない膜に比べて、膜全体の機械的強度が向上するば
かりでなく、電流効率の長期安定性の更に優れた陽イオ
ン交換膜を得ることができる。
して、前述のような無機物質だけでなく、例えばポリテ
トラフルオロエチレン製の多孔質膜や布、フィブリルを
採用して、陽イオン交換樹脂又は他の耐アルカリ性物質
含有陽イオン交換樹脂を補強することにより、該層の剥
離やクラック発生に対する耐性が向上し、該層を補強し
ていない膜に比べて、膜全体の機械的強度が向上するば
かりでなく、電流効率の長期安定性の更に優れた陽イオ
ン交換膜を得ることができる。
本発明のイオン交換膜の製造には通常の押し出し製膜
のほか湿式製膜法を採用することができる。例えば、−
SO3M′基(M′はH,又はアルカリ金属)を有するパーフ
ルオロカーボン重合体の溶液又は分散液に造孔剤を溶解
もしくは分散させた液を第二の層又はその前駆体からな
る層の上に直接塗布、乾燥したり、該液を他の基盤やフ
イルム等の上に塗布し、乾燥して得られるフイルムと第
二の層又はその前駆体からなる層とを合わせたのち、好
ましくは、熱プレスすることにより積層することができ
る。また、第一の層以外の層も湿式製膜することができ
る。
のほか湿式製膜法を採用することができる。例えば、−
SO3M′基(M′はH,又はアルカリ金属)を有するパーフ
ルオロカーボン重合体の溶液又は分散液に造孔剤を溶解
もしくは分散させた液を第二の層又はその前駆体からな
る層の上に直接塗布、乾燥したり、該液を他の基盤やフ
イルム等の上に塗布し、乾燥して得られるフイルムと第
二の層又はその前駆体からなる層とを合わせたのち、好
ましくは、熱プレスすることにより積層することができ
る。また、第一の層以外の層も湿式製膜することができ
る。
これら含フッ素重合体を溶解又は分散させた重合体液
は、例えば特開昭56−72022号、特公昭48−13333号及び
特開昭57−192464号によって知られており、これらが利
用できる。
は、例えば特開昭56−72022号、特公昭48−13333号及び
特開昭57−192464号によって知られており、これらが利
用できる。
本発明で使用される含フッ素陽イオン交換膜において
は、第一の層及び第二の層に加えて必要により、更に第
三の層を積層することができる。かかる好ましい例とし
て、第二の層の陽極側に、厚み30〜350μmの−SO3M基
又は−CO2M基(Mはアルカリ金属)を有する含フッ素重
合体からなり、第二の層よりも比抵抗の小さい層が好ま
しい。更に、第二の層又は第三の層の陽極側に、厚み10
〜450μmの気孔率30〜95%を有し、表面及び内部を親
水化した多孔性含フッ素重合体からなる第四の層を積層
することができる。かかる第三の層や第四の層を積層す
ることにより、第一の層及び第二の層のみからなる膜に
比べて、膜の機械的強度等を更に大きく安定化すること
ができる。
は、第一の層及び第二の層に加えて必要により、更に第
三の層を積層することができる。かかる好ましい例とし
て、第二の層の陽極側に、厚み30〜350μmの−SO3M基
又は−CO2M基(Mはアルカリ金属)を有する含フッ素重
合体からなり、第二の層よりも比抵抗の小さい層が好ま
しい。更に、第二の層又は第三の層の陽極側に、厚み10
〜450μmの気孔率30〜95%を有し、表面及び内部を親
水化した多孔性含フッ素重合体からなる第四の層を積層
することができる。かかる第三の層や第四の層を積層す
ることにより、第一の層及び第二の層のみからなる膜に
比べて、膜の機械的強度等を更に大きく安定化すること
ができる。
更に、上記に加えて、本発明で使用される含フッ素重
合体は、上記第一、第二、第三の層、更には第四の層の
積層を強固に行なうために、必要により結合層を設ける
ことができる。かかる結合層としてはスルホン酸基又は
水酸化をもつ含フッ素重合体とカルボン酸基をもつ含フ
ッ素重合体との好ましくは4/1〜1/4(重量比)のブレン
ドしてなる層、更にはスルホン酸基又は水酸基とカルボ
ン酸基を好ましくは2/1〜1/2の比率で併有する含フッ素
重合体からなる、厚みが好ましくは5〜50μmの層が選
ばれる。かかる結合層とは、上記第一、第二、第三の層
更には第四の層の結合時に挿入され、加熱、融着され
る。
合体は、上記第一、第二、第三の層、更には第四の層の
積層を強固に行なうために、必要により結合層を設ける
ことができる。かかる結合層としてはスルホン酸基又は
水酸化をもつ含フッ素重合体とカルボン酸基をもつ含フ
ッ素重合体との好ましくは4/1〜1/4(重量比)のブレン
ドしてなる層、更にはスルホン酸基又は水酸基とカルボ
ン酸基を好ましくは2/1〜1/2の比率で併有する含フッ素
重合体からなる、厚みが好ましくは5〜50μmの層が選
ばれる。かかる結合層とは、上記第一、第二、第三の層
更には第四の層の結合時に挿入され、加熱、融着され
る。
また、膜の好ましくは陽極側部分に、必要に応じて例
えばポリテトラフルオロエチレン等の含フッ素重合体の
織布、不織布などの補強材を埋め込むこともできる。
えばポリテトラフルオロエチレン等の含フッ素重合体の
織布、不織布などの補強材を埋め込むこともできる。
かくして形成される本発明で使用される含フッ素陽イ
オン交換膜は、全体の厚みが、50〜600μm、特には150
〜400μmであるのが好ましい。
オン交換膜は、全体の厚みが、50〜600μm、特には150
〜400μmであるのが好ましい。
上記含フッ素陽イオン交換膜は、そのままでも使用で
きるが、好ましくは、陽イオン交換膜の少なくとも一表
面に、特に好ましくは、少なくともイオン交換膜の陽極
側表面に塩素ガス解放のための処理を施すことにより、
電流効率の長期安定性を更に改良することができる。
きるが、好ましくは、陽イオン交換膜の少なくとも一表
面に、特に好ましくは、少なくともイオン交換膜の陽極
側表面に塩素ガス解放のための処理を施すことにより、
電流効率の長期安定性を更に改良することができる。
該イオン交換膜の表面にガス解放のための処理を施す
方法としては、膜表面に微細な凹凸を施す方法(特公昭
60−26495号)、電解槽に鉄、ジルコニア等を含む液を
供給して、膜表面に親水性無機粒子をデポジットする方
法(特開昭56−152980号)、ガス及び液透過性の電極活
性を有しない粒子を含む多孔質層を設ける方法(特開昭
56−75583号及び特開昭57−39185号公報)等が例示され
る。かかるイオン交換膜の表面のガス解放層は電流効率
の長期安定性を改良する効果の他に電解下における電圧
を更に低減することができる。
方法としては、膜表面に微細な凹凸を施す方法(特公昭
60−26495号)、電解槽に鉄、ジルコニア等を含む液を
供給して、膜表面に親水性無機粒子をデポジットする方
法(特開昭56−152980号)、ガス及び液透過性の電極活
性を有しない粒子を含む多孔質層を設ける方法(特開昭
56−75583号及び特開昭57−39185号公報)等が例示され
る。かかるイオン交換膜の表面のガス解放層は電流効率
の長期安定性を改良する効果の他に電解下における電圧
を更に低減することができる。
本発明の含フッ素陽イオン交換膜を使用して塩化アル
カリ水溶液の電解を行なうプロセス条件としては、上記
した特開昭54−112398号公報におけるような既知の条件
が採用できる。例えば、陽極室には好ましくは2.5〜5.0
規定(N)の塩化アルカリ水溶液を供給し、陰極室には
必要に応じて水又は希釈水酸化アルカリを供給し、好ま
しくは50〜120℃,5〜100A/dm2で電解される。かかる場
合、塩化アルカリ中のカルシウム及びマグネシウムなど
の重金属イオンは、イオン交換膜の劣化を招くので、可
及的に小さくせしめるのが好ましい。また、陽極におけ
る酸素の発生を極力防止するために塩酸などの酸を塩化
アルカリ水溶液に添加することができる。
カリ水溶液の電解を行なうプロセス条件としては、上記
した特開昭54−112398号公報におけるような既知の条件
が採用できる。例えば、陽極室には好ましくは2.5〜5.0
規定(N)の塩化アルカリ水溶液を供給し、陰極室には
必要に応じて水又は希釈水酸化アルカリを供給し、好ま
しくは50〜120℃,5〜100A/dm2で電解される。かかる場
合、塩化アルカリ中のカルシウム及びマグネシウムなど
の重金属イオンは、イオン交換膜の劣化を招くので、可
及的に小さくせしめるのが好ましい。また、陽極におけ
る酸素の発生を極力防止するために塩酸などの酸を塩化
アルカリ水溶液に添加することができる。
本発明において電解槽は、上記構成を有する限りにお
いて単極型でも複極型でもよい。また電解槽を構成する
材料は、例えば、塩化アルカリ水溶液の電解の場合に
は、陽極室の場合には塩化アルカリ水溶液及び塩素に耐
性があるもの、例えば弁金属、チタンが使用され、陰極
室の場合には水酸化アルカリ及び水素に耐性がある鉄、
ステンレス又はニッケルなどが使用される。
いて単極型でも複極型でもよい。また電解槽を構成する
材料は、例えば、塩化アルカリ水溶液の電解の場合に
は、陽極室の場合には塩化アルカリ水溶液及び塩素に耐
性があるもの、例えば弁金属、チタンが使用され、陰極
室の場合には水酸化アルカリ及び水素に耐性がある鉄、
ステンレス又はニッケルなどが使用される。
本発明において電極を配置する場合、電極は複層膜に
接触して配置しても、また適宜の間隔において配置して
もよいが、特に本発明の場合、隔膜に電極を接触して配
置した場合、支障を伴うことなく低い膜抵抗に伴なう、
有利な槽電圧が達成できる。
接触して配置しても、また適宜の間隔において配置して
もよいが、特に本発明の場合、隔膜に電極を接触して配
置した場合、支障を伴うことなく低い膜抵抗に伴なう、
有利な槽電圧が達成できる。
[実施例] 実施例1 孔径が2μm、膜厚が120μmのポリテトラフルオロ
エチレン製多孔体と、イオン交換容量1.25ミリ当量/g乾
燥樹脂のCF2=CF2/CF2=CFO(CF2)3−COOCH3共重合体
(共重合体A)からなる厚さ、40μmのフイルムとを積
層し、共重合体A層上にCF2=CF2/CF2=CFOCF2CF(C
F3)O(CF2)2SO3H(共重合体B)とSiO2粒子を3/2の
体積割合で含むエタノール混合液を塗布、乾燥すること
により、厚さ50μmの共重合体BとSiO2混合層を形成
し、120℃にて熱プレスを施した。次に、多孔体の内部
に減圧下で共重合体Bと塩化ジルコニルを含有する溶液
を含浸せしめ、次いで乾燥することにより、該多孔体内
壁に親水性を付与せしめた複層隔膜を得た。
エチレン製多孔体と、イオン交換容量1.25ミリ当量/g乾
燥樹脂のCF2=CF2/CF2=CFO(CF2)3−COOCH3共重合体
(共重合体A)からなる厚さ、40μmのフイルムとを積
層し、共重合体A層上にCF2=CF2/CF2=CFOCF2CF(C
F3)O(CF2)2SO3H(共重合体B)とSiO2粒子を3/2の
体積割合で含むエタノール混合液を塗布、乾燥すること
により、厚さ50μmの共重合体BとSiO2混合層を形成
し、120℃にて熱プレスを施した。次に、多孔体の内部
に減圧下で共重合体Bと塩化ジルコニルを含有する溶液
を含浸せしめ、次いで乾燥することにより、該多孔体内
壁に親水性を付与せしめた複層隔膜を得た。
次いで、共重合体Bの溶液にZrO2粒子を分散させた溶
液を、上記多層隔膜の両面にスプレー塗布し、ZrO2微粒
子を付着せしめた複層隔膜を得た。
液を、上記多層隔膜の両面にスプレー塗布し、ZrO2微粒
子を付着せしめた複層隔膜を得た。
かくして得られた該複層隔膜を、苛性ソーダ水溶液で
加水分解して、SiO2が溶出して空隙率40%の多孔質にな
った共重合体Bからなる厚さ50μmの層側にSUS 304製
パンチドメタルを52重量%の苛性ソーダ水溶液中、150
℃で52時間エッチング処理して得られた低水素過電圧陰
極が、該膜の反対側にチタンのパンチドメタルに酸化ル
テニウムと酸化イリジウムと酸化チタンの固溶体を被覆
した低塩素過電圧陽極が接触するように配置させ、陰極
室のNaOH濃度を45重量%に保ちつつ、90℃、電流密度30
A/dm2にて電解せしめたところ、電流効率95%、槽電圧
3.0Vであった。3ヶ月に及ぶ電解をしても電流効率の低
下は見られなかった。
加水分解して、SiO2が溶出して空隙率40%の多孔質にな
った共重合体Bからなる厚さ50μmの層側にSUS 304製
パンチドメタルを52重量%の苛性ソーダ水溶液中、150
℃で52時間エッチング処理して得られた低水素過電圧陰
極が、該膜の反対側にチタンのパンチドメタルに酸化ル
テニウムと酸化イリジウムと酸化チタンの固溶体を被覆
した低塩素過電圧陽極が接触するように配置させ、陰極
室のNaOH濃度を45重量%に保ちつつ、90℃、電流密度30
A/dm2にて電解せしめたところ、電流効率95%、槽電圧
3.0Vであった。3ヶ月に及ぶ電解をしても電流効率の低
下は見られなかった。
共重合体A及び共重合体Bのフイルムの45重量%NaOH
中の含水率は、それぞれ3.1%、16.6%であった。ま
た、多孔化された共重合体B層のガーレーナンバーは、
3000以上であった。
中の含水率は、それぞれ3.1%、16.6%であった。ま
た、多孔化された共重合体B層のガーレーナンバーは、
3000以上であった。
実施例2 塩素及び水素の気泡解放のための処理を行なわなかっ
た以外は実施例1と同様の試験を行なったところ、初期
の電流効率95%、槽電圧3.5Vであった。
た以外は実施例1と同様の試験を行なったところ、初期
の電流効率95%、槽電圧3.5Vであった。
比較例1 実施例1において、共重合体BとSiO2混合層を積層し
なかった以外は同様に試験したところ電流効率92%、槽
電圧3.1Vであった。1ヶ月に及ぶ電解で、電流効率は87
%まで低下した。
なかった以外は同様に試験したところ電流効率92%、槽
電圧3.1Vであった。1ヶ月に及ぶ電解で、電流効率は87
%まで低下した。
比較例2 実施例1において、共重合体BとSiO2混合層の代わり
に、共重合体Bのみのエタノール溶液を塗布して、厚さ
50μmの共重合体Bの層を形成させた以外は同様に電解
したところ、電流効率95%、槽電圧3.0Vであった。3ヶ
月電解後の電流効率は93%であった。該膜を取り出して
膜観察を行なったところ電解面周辺の一部に共重合体B
層の剥離が見られた。
に、共重合体Bのみのエタノール溶液を塗布して、厚さ
50μmの共重合体Bの層を形成させた以外は同様に電解
したところ、電流効率95%、槽電圧3.0Vであった。3ヶ
月電解後の電流効率は93%であった。該膜を取り出して
膜観察を行なったところ電解面周辺の一部に共重合体B
層の剥離が見られた。
比較例3 実施例1において、共重合体A層の陰極側に、SiO2の
溶出によって多孔化された共重合体Bからなる層を設け
ず、更に塩素及び水素の気泡解放のため処理を行なわな
かった以外は同様に試験を行なったところ、初期の電流
効率92%、槽電圧3.6Vで経時的に電流効率が低下した。
溶出によって多孔化された共重合体Bからなる層を設け
ず、更に塩素及び水素の気泡解放のため処理を行なわな
かった以外は同様に試験を行なったところ、初期の電流
効率92%、槽電圧3.6Vで経時的に電流効率が低下した。
実施例3 実施例1において共重合体A層の陽極側にポリテトラ
フルオロエチレン製の多孔体のかわりに、CF2=CF2/CF2
=CFOCF2CF2(CF2CoO(CH3共重合体からなるイオン交換
容量1.44ミリ当量/g乾燥樹脂(共重合体C)の厚さ160
μmのフイルムを使用した以外は実施例1と同様に試験
したところ、電流効率95、槽電圧3.2Vで、一ヶ月間、性
能は安定していた。
フルオロエチレン製の多孔体のかわりに、CF2=CF2/CF2
=CFOCF2CF2(CF2CoO(CH3共重合体からなるイオン交換
容量1.44ミリ当量/g乾燥樹脂(共重合体C)の厚さ160
μmのフイルムを使用した以外は実施例1と同様に試験
したところ、電流効率95、槽電圧3.2Vで、一ヶ月間、性
能は安定していた。
実施例4 共重合体Aからなる厚さ40μmのフイルムと共重合体
Cからなる厚さ160μmのフイルムを熱プレスで積層
し、更に共重合体Aの側にC8F17SO3NH4を50容量%含有
するイオン交換容量1.5ミリ当量/g乾燥樹脂のCF2=CF2/
CF2=CFOCF2CF2C(CF3)OH共重合体(共重合体D)から
なる厚さ60μmのフイルムを積層した。
Cからなる厚さ160μmのフイルムを熱プレスで積層
し、更に共重合体Aの側にC8F17SO3NH4を50容量%含有
するイオン交換容量1.5ミリ当量/g乾燥樹脂のCF2=CF2/
CF2=CFOCF2CF2C(CF3)OH共重合体(共重合体D)から
なる厚さ60μmのフイルムを積層した。
次いで、共重合体Bの溶液にZrO2粒子を分散させた溶
液を、上記多層隔膜の両面にスプレー塗布し、ZrO2微粒
子を付着せしめた複層隔膜を得た。
液を、上記多層隔膜の両面にスプレー塗布し、ZrO2微粒
子を付着せしめた複層隔膜を得た。
かくして得られた該複層隔膜を、苛性ソーダ水溶液で
加水分解後、十分にイオン交換水に浸せきすることによ
り、C8F17SO3NH4が溶出して空隙率50%の多孔質になっ
た共重合体Dからなる厚さ50μmの層の側に低水素過電
圧陰極が、該膜の反対側に低塩素過電圧陽極が接触する
ように配置させ、 陰極室のNaOH濃度を45重量%に保ちつつ、90℃、 電流密度30A/dm2にて電解せしめたところ、電流効率9
4%、槽電圧3.2Vであった。一ヶ月に及ぶ電解をしても
電流効率の低下は見られなかった。
加水分解後、十分にイオン交換水に浸せきすることによ
り、C8F17SO3NH4が溶出して空隙率50%の多孔質になっ
た共重合体Dからなる厚さ50μmの層の側に低水素過電
圧陰極が、該膜の反対側に低塩素過電圧陽極が接触する
ように配置させ、 陰極室のNaOH濃度を45重量%に保ちつつ、90℃、 電流密度30A/dm2にて電解せしめたところ、電流効率9
4%、槽電圧3.2Vであった。一ヶ月に及ぶ電解をしても
電流効率の低下は見られなかった。
Claims (9)
- 【請求項1】耐アルカリ性を有する陽イオン交換樹脂か
らなる、孔の貫通性の小さい多孔体の厚さ5μm以上の
第一の層と、45重量%NaOH水溶液中の含水率が2〜7重
量%の範囲にあり、厚さが5μm以上の−CO2M基(Mは
アルカリ金属)を有するパーフルオロカーボン重合体の
第二の層とを少なくとも有する陽イオン交換膜の第一の
層を陰極側に向けて配した電解槽の陽極室に塩化アルカ
リを供給して電解することを特徴とする、濃度42重量%
以上の水酸化アルカリの製造方法。 - 【請求項2】第一の層の陽イオン交換樹脂の多孔体が、
ガーレーナンバー1000以上、空隙率5〜95%の含フッ素
陽イオン交換体からなる請求項1の方法。 - 【請求項3】第一の層を構成する耐アルカリ性陽イオン
交換樹脂が、−SO3M基又は−OM基(Mはアルカリ金属)
を有する陽イオン交換樹脂である請求項1又は2の方
法。 - 【請求項4】第二の層が、厚さ5〜300μm、イオン交
換容量0.85〜1.6ミリ当量/g乾燥樹脂の−CO2M基含有パ
ーフルオロカーボン重合体からなる層である請求項1〜
3のいずれかの方法。 - 【請求項5】第一の層がイオン交換容量0.85〜1.6ミリ
当量/g乾燥樹脂の−SO3M基含有パーフルオロカーボン重
合体からなる請求項4の方法。 - 【請求項6】含フッ素陽イオン交換膜が、第二の層の陽
極側に、陽イオン交換基を有するパーフルオロカーボン
重合体からなり、且つ比抵抗が第二の層よりも小さく、
厚みの大きい第三の層を有する請求項1〜5のいずれか
の方法。 - 【請求項7】含フッ素陽イオン交換膜が、第二の層又は
第三の層の陽極側に、厚さ10〜450μm、気孔率30〜95
%を有し、表面及び内部を親水化された多孔性含フッ素
重合体からなる第四の層を有する請求項1〜6のいずれ
かの方法。 - 【請求項8】含フッ素陽イオン交換膜の表面が塩素の気
泡解放のための処理を施されてなる請求項1〜7のいず
れかの方法。 - 【請求項9】水酸化アルカリの濃度が42〜55重量%であ
る請求項1〜8のいずれかの方法。
Priority Applications (8)
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---|---|---|---|
JP62145157A JP2623572B2 (ja) | 1987-06-12 | 1987-06-12 | 水酸化アルカリの製造方法 |
DE88904663T DE3882925T2 (de) | 1987-06-12 | 1988-06-03 | Verfahren zur herstellung von alkalimetallhydroxid. |
EP88904663A EP0318589B1 (en) | 1987-06-12 | 1988-06-03 | Method for producing an alkali metal hydroxide |
PCT/JP1988/000537 WO1988009799A1 (en) | 1987-06-12 | 1988-06-03 | Method for producing an alkali metal hydroxide |
CA000569219A CA1325195C (en) | 1987-06-12 | 1988-06-10 | Method for producing an alkali metal hydroxide |
CN88103588A CN1015270B (zh) | 1987-06-12 | 1988-06-11 | 制备碱金属氢氧化物的方法 |
US07/309,731 US5039382A (en) | 1987-06-12 | 1989-02-03 | Method for producing an alkali metal hydroxide |
SU894613509A RU1823884C (ru) | 1987-06-12 | 1989-02-10 | Способ получени гидроксида щелочного металла |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62145157A JP2623572B2 (ja) | 1987-06-12 | 1987-06-12 | 水酸化アルカリの製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63310985A JPS63310985A (ja) | 1988-12-19 |
JP2623572B2 true JP2623572B2 (ja) | 1997-06-25 |
Family
ID=15378744
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP62145157A Expired - Fee Related JP2623572B2 (ja) | 1987-06-12 | 1987-06-12 | 水酸化アルカリの製造方法 |
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JP (1) | JP2623572B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
JPH0756079B2 (ja) * | 1989-06-16 | 1995-06-14 | 旭硝子株式会社 | 水酸化アルカリの製造方法 |
CN114345328A (zh) * | 2021-12-30 | 2022-04-15 | 利安隆科润(浙江)新材料有限公司 | 一种催化剂,其制备方法及应用 |
-
1987
- 1987-06-12 JP JP62145157A patent/JP2623572B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPS63310985A (ja) | 1988-12-19 |
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