JP4998713B2 - イオン透過性隔膜 - Google Patents

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Description

本発明は、アルカリ水電解装置に使用するためのイオン透過性隔膜に関し、特にイオン透過性隔膜を電極間に挟持した構造を有するアルカリ水電解装置に使用するためのイオン透過性隔膜に関する。
水素は、最近のエネルギー事情を反映し、石油に代わる新しいエネルギー源として多方面から注目されている。このような水素の工業的製造方法としては、コークスや石油のガス化法や水電解法等が挙げられる。
前者の方法は、操作が煩雑であるとともに、非常に大規模な設備が必要となるので、イニシャルコストがかなりかかるという問題点がある。
一方、後者の方法は、原料として入手し易い水を用いるものであり、電解槽内に複数の電極対を設け、これら対となる電極の間にKOH等のアルカリ電解液を流通させるとともにイオン透過性隔膜で区画して、このイオン透過性隔膜の陰極側で水素を発生するとともに陽極側で酸素を発生させるものであるが、電極間にイオン透過性隔膜と被電解液とが存在しているので、電気抵抗が大きく、電解効率が悪いという問題がある。しかしながら、この水電解法は、比較的小規模な設備でも水素の発生が可能であり、実用的であることから、電解効率の向上が望まれている。
ところで、このようなアルカリ水電解装置に代表される電気化学的電解槽に使用する隔膜には、以下の性能が要求される。
(1)膜を通じてイオンのみを通し、ガスの通過や拡散がないこと
(2)電解液中で物理的、化学的に耐久性があること
(3)電気抵抗が低いこと
このような性能を有する電解用隔膜として、実用的には石綿布が広く使われている。しかし、電解液は場合によっては100℃以上になるにもかかわらず、石綿布は、100℃以上の温度では腐食を受け使用できなくなる上に、近年では、石綿による健康被害も多く報告されており、その使用には大きな問題がある。
そこで、上記(1)及び(2)の性能を満たすとともに、(3)電気抵抗が一層低いイオン透過性隔膜として、高分子多孔膜又はイオン交換膜、NiO等の金属酸化物膜を用いたもの(特許文献1参照)及び無機物質と有機高分子との複合材料等を隔膜材料としたイオン透過性隔膜(特許文献2参照)等が提案されている。
特公昭62−50557号公報 特許第2604734号公報
しかしながら、上記各膜材料からなるイオン透過性隔膜のうち、高分子多孔膜は、柔軟であり、機械的損傷に対して抵抗性が強いという利点を有するが、ここで使用される高分子材料は疎水性であるため、多孔性であったとしても電解質の溶媒和したイオンの移動が容易でなく、電気抵抗が大きくなり、電解槽の性能が激しく低下するという問題点がある。また、高分子多孔膜やイオン交換膜では、気体を発生するアルカリ水電解装置においては、気体の泡が膜の表面に付着し電気抵抗が増大するという問題があり、特に気泡が集中して部分的に電気抵抗が大きく増大した場合には、いわゆるホット・スポットと呼ばれる高温部が生じ、隔膜の劣化が起こるという問題点もある。
また、上記特許文献1に記載されているようなNiO等の金属酸化物膜は、焼結により製造されるが、ガスの拡散や透過のない緻密な焼結隔膜は、そのサイズに限界があるため、大型の電解槽への適用には向いていないという問題点がある。
そして、特許文献2に記載されている無機物質と有機高分子との複合材料を隔膜としたイオン透過性隔膜は、無機湿潤性材料として酸化ジルコニウムやポリアンチモン酸を用い、フルオロカーボン重合体やポリスルホン等をバインダーとして製膜することで微細孔を形成したものである。この複合材料を用いたイオン透過性隔膜は、優れた平滑性及び非常に良好なイオン伝導率を示し、アルカリ水電解装置の隔膜としては好適なものである。
しかしながら、特許文献2に記載されているイオン透過性隔膜に用いられる無機湿潤性材料は、湿潤性を有するものの、イオン透過性隔膜の電気抵抗低減のためには、より親水性の高い無機材料が求められており、いまだ改善の余地のあるものである。
本発明は、上記従来の課題を解決し、アルカリ水電解装置に使用するための電気抵抗の低いイオン透過性隔膜を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、アルカリ水電解に用いられるイオン透過性隔膜であって、前記イオン透過性隔膜の膜材料が、親水性無機材料としてのリン酸カルシウム化合物又はフッ化カルシウムを含有することを特徴とするイオン透過性隔膜を提供する(請求項1)。
上記発明(請求項1)によれば、アルカリ水電解におけるイオンは、親水性の高められたイオン透過性隔膜を速やかに通過できるため、膜自体の電気抵抗を低下させることができ、なおかつ、このイオン透過性隔膜の多孔質構造は緻密であり、気泡はこの孔を通過できないため、イオン透過性隔膜の陰極側で発生する水素に陽極側で発生する酸素等が混入することがなく、水素の純度を高く維持することができる。
上記発明(請求項1)においては、前記親水性無機材料としてのリン酸カルシウム化合物が、フルオロアパタイト(FAP)又はヒドロキシアパタイト(HAP)であることが好ましい(請求項2,3)。また、上記発明(請求項1〜3)においては、前記膜材料が、前記親水性無機材料と、ポリサルフォン、ポリプロピレン、フッ化ポリビニリデンから選択される有機結合材料との混合物に有機繊維布を内在させたものであることが好ましい(請求項4)。さらに、上記発明(請求項4)においては、前記有機繊維布が、ポリプロピレンのメッシュであることが好ましい(請求項5)。
上記発明(請求項2〜5)によれば、膜材料自体が、非常に良好な親水性を有し、優れたイオン伝導率を示すために、アルカリ水電解装置の隔膜として好適なものとすることができる。
さらにまた、上記発明(請求項1〜5)においては、前記膜材料の厚みが、100μm以上であることが好ましい(請求項6)。膜材料の厚みを増すことで、所望とする膜強度を確保することができる一方、膜の電気抵抗が上昇してしまうおそれがあるが、かかる発明(請求項6)によれば、膜材料が良好な親水性を有し、優れたイオン伝導性を有するため、膜材料の厚みをある程度の厚さにしても膜の電気抵抗が上昇することがなく、所望とする膜強度を確保することができる。
本発明のイオン透過性隔膜によれば、アルカリ水電解におけるイオンは、親水性の高められたイオン透過性隔膜を速やかに通過できるため、膜における電気抵抗を低減でき、これによりアルカリ水電解装置における消費電力の低減、及び電解効率の向上が達成される。また、イオン透過性隔膜の陰極側で発生した水素に陽極側で発生した酸素等が混入することがなく、水素製造効率の低下を招くおそれもない。
以下に図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るイオン透過性隔膜を用いたアルカリ水電解装置の電解ユニットの一単位を示す拡大断面図である。
図1において、イオン透過性隔膜1は、メッシュ状の電極2,3の間に挟みこまれる形で保持されており、このメッシュ状の電極2,3は、電導部材2A,3Aを介して、それぞれバイポーラ電極4,5の陽極側4A及び陰極側5Aにそれぞれ接続される。これにより、イオン透過性隔膜1間に電圧がかかるようになっている。なお、図1中において、6は電解槽であり、Wはアルカリ溶液としての水酸化カリウム(KOH)溶液である。
このイオン透過性隔膜1を形成する膜材料1Aとしては、膜を介してイオンのみを通過させ、ガスの通過や拡散がなく、アルカリ溶液中で物理的、化学的に耐久性のあるものであれば、特に制限されるものではない。
例えば、膜材料1Aとしては、親水性無機材料と、ポリサルフォン、ポリプロピレン、フッ化ポリビニリデン等から選択される有機結合材料とを含むフィルム形成性混合物中に、伸張させた有機繊維布を内在させたものであることが好ましい。
親水性無機材料としては、フルオロアパタイト(FAP)又はヒドロキシアパタイト(HAP)等のリン酸カルシウム化合物を用いることが好ましく、これらの親水性無機材料は、粒状体を用いることが好ましい。この親水性無機材料の粒状体は、粒径5μm以下であることが好ましく、特に粒径1μm以下の微粒子であることが好ましい。したがって、この粒状体を予め乳鉢でより細かく粉砕してもよい。
また、上記リン酸カルシウム化合物以外の親水性無機材料としては、フッ化カルシウム(CaF)が好適である。このフッ化カルシウムも上述のリン酸カルシウム化合物と同様に1μm以下の微粒子であることが好ましい。また、このフッ化カルシウムは、工業薬品として市販されているものを利用することができるだけでなく、工業的に回収されるものを利用することができる。例えば、フッ素含有排水の処理工程において、フッ素はCaFとして固定化された上で除去されるので、これを再利用することができる。
また、有機繊維布としては、ポリプロピレンからなるメッシュ、又はエチレンとモノクロロトリフルオロエチレン等の予めハロゲン化されたエチレンとの共重合体からなるメッシュ等を用いることができる。この有機繊維布としては、織布又は不織布を用いることができ、その繊維径は1mm以下であることが好ましく、特に繊維径が0.5mm以下であることが好ましい。また、有機繊維布の織目の寸法は特に制限はないが、4mm以下であることが好ましく、特に1mm以下であることが好ましい。
上述したような親水性無機材料、有機結合材料及び有機繊維布により構成される膜材料1Aは、例えば、以下のようにして製造することができる。
まず、有機溶剤に有機結合材料を溶解させ、これに親水性無機材料を分散させて懸濁液(スラリー)を調製する。この懸濁液(スラリー)をガラス板等の不活性材料からなる平滑面上に所定の厚さに均一に塗布することで湿潤シートを製造する。そして、この湿潤シートに有機繊維布を伸張した状態で浸漬し、有機繊維布の伸張を維持したまま、蒸発や水浴中での浸出等により有機溶剤を除去した後、平滑面に残った膜材料1Aを剥離する。
ここで、有機溶剤としては、例えば、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、エチレングリコールのモノ及びジエーテル、又はメチルエチルケトンのようなケトン類等を用いることができる。
また、膜材料1Aにおける親水性無機材料(FAP,HAP,CaF)と有機結合材料との配合割合は、親水性無機材料の配合割合が10〜95質量%であることが好ましい。親水性無機材料の配合割合が10質量%未満であると、得られる膜材料1A自体の電気抵抗が大きくなり、これを用いたイオン透過性隔膜1の電気抵抗の点でも好ましくない。また、親水性無機材料の配合割合が95質量%を超えると、膜材料1Aの機械的強度、特に脆性が低くなりすぎて膜としての形態を維持するのが困難となるおそれがある。好ましい親水性無機材料の配合割合は40〜90質量%、特に75〜85質量%である。
親水性無機材料の配合割合が有機結合材料に対して多いほど、膜材料の湿潤性(親水性)が高くなり、膜の電気抵抗が低くなる傾向がある。
親水性無機材料としてのヒドロキシアパタイト(HAP)は、配合割合が高いほど電気抵抗が低くなるが、有機結合材料及び有機溶剤との混合性が悪く、フルオロアパタイト(FAP)と比較して、同質量%におけるスラリーの粘性が高く、分離しやすい性質がある。このため、親水性無機材料としてヒドロキシアパタイト(HAP)を用いる場合には、ヒドロキシアパタイト(HAP)の配合割合を多くとも60〜70質量%程度としてスラリーを調製するのが好ましい。
親水性無機材料としてのフルオロアパタイト(FAP)は、有機結合材料及び有機溶剤との混合性が良好であり、上述した配合割合10〜95質量%でスラリーを調製することができ、上述した最適な配合割合75〜85質量%でスラリーを調製することが好ましい。
したがって、膜材料に用いる親水性無機材料としては、ハンドリングの面からはフルオロアパタイト(FAP)を用いる方が好ましい。
なお、有機溶剤の配合割合は、皮膜形成物質である有機結合材料との合計100質量%中40質量%以上であればよい。また、製造する湿潤シートの厚さは2mm以下であることが好ましく、特に1.5mm以下であることが好ましい。
このようにして製造される膜材料1Aの厚さ(t)は、100μm以上、特に300〜600μmであるのが好ましい。膜材料1Aの厚さが100μm未満では、アルカリ水電解用の膜材料1Aとしての強度が十分でないおそれがある。また、膜材料1Aの厚さを100μm以上としても、膜の電気抵抗が上昇することがない。
上述したようなイオン透過性隔膜1は、1mol/LのKOH溶液中、25℃の条件下において、1.75Ωcm以下、特に1.40Ωcm以下の膜抵抗(電気抵抗)を有する。
このようなイオン透過性隔膜1を用いた図1に示す電解ユニットにおいては、バイポーラ電極4,5に電流を流すと、電導部材2A,3Aからメッシュ状の電極2,3間に電圧が生じ、水酸化カリウム溶液Wの電気分解により、イオン透過性隔膜1とメッシュ状の電極2(陽極)との界面において、酸素(O)が発生する。
そして、イオン透過性隔膜1とメッシュ状の電極3(陰極)との界面においては、2倍量の水素(H)が発生する。この電解ユニットにおける電解槽6は、イオン透過性隔膜1により陰極側と陽極側とに区画されているので、陰極側で発生した水素のみを回収することで水素ガスを製造することができる。
このとき、イオン透過性隔膜1には、親水性に優れた無機材料(無機湿潤性物質)が含まれており、この膜材料1Aが多孔質構造を有していることで、水酸化カリウム溶液中のイオンは迅速に移動するため、イオン透過性隔膜1の電気抵抗が低下し、アルカリ水電解を効率よく行うことができる。
しかも、この膜材料1Aの多孔質構造は緻密であり、溶液は通過するが、陽極側で発生する酸素ガスの気泡、及び陰極側で発生する水素ガスの気泡は、イオン透過性隔膜1を通過できないため、これらの気体が相互に混入するおそれがない。したがって、陰極側から得られる水素ガスの純度を高く維持することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
以下、実施例及び比較例に基づき、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
〔実施例1〕フルオロアパタイト(FAP)含有膜材料の製造
N−メチル−2−ピロリドン(NMP)60質量%(30g)、平均粒径5μmのフルオロアパタイト(FAP,関東化学社製)32質量%(16g)及びポリスルホン(PSF,ソルベイアドバンストポリマーズ社製,商品名:UDEL)8質量%(4g)を混合し、十分に撹拌してポリスルホン(PSF)を溶解させるとともに、FAPを分散させて懸濁液を調製した。
この懸濁液を、底面から400μmの位置に200メッシュのポリプロピレン繊維布(繊維径:87μm,NBC社製,商品名:ニップ(ポリプロピレン)強力網)を伸張状態で設置した10cm×10cmのガラス製の枠体上に10mL流し込み、表面積100cm2、厚さ約500μmの湿潤シートを作製した。
懸濁液を流し込んだ後直ちに枠体を水浴中に移し、室温で5分間放置し、湿潤シートから溶剤であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を浸出させた。その後、枠体上に残存したシートを剥離し、水中で更に5分間保持し、シート状の膜材料を得た。得られたシート状膜材料は、約400μmの厚さを有していた。
〔実施例2〕ヒドロキシアパタイト(HAP)含有膜材料の製造
N−メチル−2−ピロリドン(NMP)65質量%(30g)、平均粒径5μmのヒドロキシアパタイト(HAP,キシダ化学社製)26質量%(12g)及びポリスルホン(PSF,ソルベイアドバンストポリマーズ社製,商品名:UDEL)9質量%(4g)を混合し、十分に撹拌してポリスルホン(PSF)を溶解させるとともに、ヒドロキシアパタイト(HAP)を分散させて懸濁液を調製した。
この懸濁液から実施例1と同様にして、約400μm厚さのシート状の膜材料を製造した。
〔実施例3〕フッ化カルシウム(CaF)含有膜材料の製造
N−メチル−2−ピロリドン(NMP)65質量%(30g)、平均粒径5μmのフッ化カルシウム(CaF,キシダ化学社製)26質量%(12g)及びポリスルホン(PSF,ソルベイアドバンストポリマーズ社製,商品名:UDEL)9質量%(4g)を混合し、十分に撹拌してポリスルホン(PSF)を溶解させるとともに、フッ化カルシウム(CaF)を分散させて懸濁液を調製した。
この懸濁液から実施例1と同様にして、約400μm厚さのシート状の膜材料を製造した。
〔比較例1〕酸化ジルコニア含有膜材料(特許第2604734号に記載の透過膜に相当する膜)の製造
N−メチル−2−ピロリドン(NMP)60質量%(30g)、平均粒径5μmの酸化ジルコニウム(ZrO,キシダ化学社製)32質量%(16g)及びポリスルホン(PSF,ソルベイアドバンストポリマーズ社製,商品名:UDEL)8質量%(4g)を混合し、十分に撹拌してポリスルホン(PSF)を溶解させるとともに、酸化ジルコニウムを分散させて懸濁液を調製した。
この懸濁液から実施例1と同様にして、約400μm厚さのシート状の膜材料を製造した。
<電気抵抗の測定>
上記のようにして得られた実施例1〜3及び比較例のイオン透過性隔膜を1mol/LのKOH溶液に浸漬し、これらのイオン透過性隔膜について、25℃で1000Hzの交流にて抵抗測定器(ヤナコアナリティカル社製)を用いて膜抵抗を測定した。
結果を表1に示す。
Figure 0004998713
表1に示すように、実施例1〜3のイオン透過性隔膜は、いずれも膜抵抗が1.00Ωcm以下であったのに対し、特許第2604734号に相当する比較例1のイオン透過性隔膜は、膜抵抗が6.02Ωcmであった。特にFAP、CaFを含有させた実施例1及び実施例3のイオン透過性隔膜は、膜抵抗が0.400Ωcm以下と極めて低い結果となった。
<電解電圧の測定>
25%KOH溶液を用いて、図1に示すような電解ユニットに実施例1〜3及び比較例1のイオン透過性隔膜を用いて80℃で水電解を行い、電解電圧を測定し、エネルギー効率を算出した。
結果を表2に示す。
Figure 0004998713
表2に示すように、各イオン透過性隔膜を用いて電解を行った際の電解電圧は、各実施例の隔膜の方が比較例の隔膜よりも電解電圧が低く、エネルギー効率が良好であるとの結果が得られた。
本発明の一実施形態に係るイオン透過性隔膜を用いたアルカリ水電解装置の電解ユニットの一単位を示す拡大断面図である。
符号の説明
1…イオン透過性隔膜
1A…膜材料
2…電極(陽極)
2A…電導部材
3…電極(陰極)
3A…電導部材
4,5…バイポーラ電極
6…電解槽
W…水酸化カリウム(KOH)溶液(アルカリ溶液)
t…膜材料の厚さ

Claims (6)

  1. アルカリ水電解に用いられるイオン透過性隔膜であって、
    前記イオン透過性隔膜の膜材料が、親水性無機材料としてのリン酸カルシウム化合物又はフッ化カルシウムを含有することを特徴とするイオン透過性隔膜。
  2. 前記親水性無機材料としてのリン酸カルシウム化合物が、フルオロアパタイトであることを特徴とする請求項1に記載のイオン透過性隔膜。
  3. 前記親水性無機材料としてのリン酸カルシウム化合物が、ヒドロキシアパタイトであることを特徴とする請求項1に記載のイオン透過性隔膜。
  4. 前記膜材料が、前記親水性無機材料と、ポリサルフォン、ポリプロピレン、フッ化ポリビニリデンから選択される有機結合材料との混合物に有機繊維布を内在させたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のイオン透過性隔膜。
  5. 前記有機繊維布が、ポリプロピレンのメッシュであることを特徴とする請求項4に記載のイオン透過性隔膜。
  6. 前記膜材料の厚みが、100μm以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のイオン透過性隔膜。
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