JP2612336B2 - 灰色自然発色アルミニウム合金 - Google Patents

灰色自然発色アルミニウム合金

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JP2612336B2
JP2612336B2 JP1074554A JP7455489A JP2612336B2 JP 2612336 B2 JP2612336 B2 JP 2612336B2 JP 1074554 A JP1074554 A JP 1074554A JP 7455489 A JP7455489 A JP 7455489A JP 2612336 B2 JP2612336 B2 JP 2612336B2
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修 竹添
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は黄色味を抑え、僅かに青味を帯びた灰色を発
色する灰色自然発色合金に関するものである。
[先行の技術] Al−Si系合金の陽極酸化皮膜が灰色を呈することは従
来よりよく知られており建築材料としても広く使用され
てきている。その色調は一般には濃灰色で黄色味を帯び
たものであるが、近年要求されるものには明るい色調の
黄色味を抑えた灰色のものが好まれる傾向にある。
本発明者は、黄色味を抑え、僅かに青味を帯びた灰色
を発色する灰色自然発色合金としてSi:0.5〜2.5%、Fe:
0.3〜1.0%、Mg:0.15〜0.35%なる組成を有する合金開
発し別途出願をしている(特願昭63−36125号)。
しかるに、自然発色合金は陽極酸化処理により合金成
分に含まれる金属元素が発色するものであるが、陽極酸
化処理に当っては前処理工程は不可欠であり、 通常、脱脂→ソーダエッチング→水洗→酸中
和→水洗→陽極酸化の〜の前処理工程を経て発
色皮膜が得られる、 しかし、この処理工程水洗の段階で素材表面に糸状
腐食が発生するケースがしばしば生じている。
前処理において素材表面に腐食が発生すると、その上
に陽極酸化皮膜を形成しても腐食痕は残り、そのまま表
面欠陥として現われることから健全な灰色発色皮膜が得
られない(外観不良となる)。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は前処理工程における糸状腐食の発生を抑止
し、かつ黄色味を抑え僅かに青味を帯びた灰色に発色す
る灰色自然発色アルミニウム合金を提供することを目的
とするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明の要旨は、Si:1.4〜3.0%、Fe:0.2〜0.6%、M
g:0.4%超え0.6%以下、cu:0.01〜0.1%を含有し、残部
A1および不可避的不純物から成ることを特徴とし、陽極
酸化処理することによって青味を帯びた灰色を発色する
自然発色アルミニウム合金に存在する。
[作用] 本発明について具体的に説明する。
Si:1.4〜3.0% Siが1.4%以上においては所望の灰色(青味を帯びた
灰色)の発色が安定して得られ、また3.0%を越えると
皮膜が黒っぽくなりすぎ暗い色調になる。また押出性も
低下し、前処理の際に多量のスマットが発生し除去しに
くくなる。
Fe:0.2〜0.6% Feは黄色味を抑えて青味をもたせる発色元素である。
0.2%未満では黄色味を抑えることが出来ず所望の灰
色が得られない。0.6%を越えると皮膜の色調が青味を
帯びなくなり灰黒色へ移行する。
Mg:0.4%超え0.6%以下 Mgは0.4%を超えると時効処理によるMg2Siの析出硬化
により強度的に建材として適する。0.6%を越えると発
色皮膜の黄色味が増し押出性も悪くなる。
Cu0.1〜0.1% Cuは糸状腐食を防止するための重要な添加元素であ
る。
0.01%未満では腐食を防止する効果はない。従って、
0.01%以上が必要である。0.1%を越えると水洗中に長
時間放置された場合(陽極処理待ち時)孔食が発生する
ことから0.1%以下とする。
上記成分以外に鋳塊組織の微細化のため0.1%以下の
範囲でTiを添加してもよい。
本合金は、押出時には530℃未満の温度で均質化処理
を行ない、押出温度470℃〜530℃とすることによって建
材として充分な機械的性質が得られる。
また、灰色発色陽極酸化は通常の硫酸浴を用いて、電
流密度1.0A/dm2〜3.0A/dm2で行なえば腐食のない均一な
灰色自然発色皮膜が得られる。
[実施例] 表−1に示す成分のAl合金鋳塊φ155mmを造塊し、470
℃×7Hrの均質化処理を行ない、押出温度490℃で押出し
た後190℃×3Hrの時効処理(T5)を行なった。
各合金を、 6%NaOH(60℃×5分)→流水洗→10%H2SO4(RT×
2分)→水洗(RT×20分)→流水洗(RT×2分)→陽極
酸化 なる工程で前処理を行ない腐食の発生状況を調べた後、
15wt%硫酸浴(20℃)で1A/dm2×50分の陽極酸化処理を
施したところ発明合金No.2〜No.4には腐食のない所望の
色調(黄色味が抑え青味を帯びた色調)の灰色自然発色
皮膜が得られた。
[発明の効果] 本発明によれば、本発明は前処理工程における糸状腐
食の発生を抑止し、かつ黄色味を抑え僅かに青味を帯び
た灰色に発色する灰色自然発色アルミニウム合金が得ら
れる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Si:1.4〜3.0%、Fe:0.2〜0.6%、Mg:0.4%
    超え0.6%以下、Cu:0.01〜0.1%を含有し、残部A1およ
    び不可避的不純物から成ることを特徴とし、陽極酸化処
    理することによって青味を帯びた灰色を発色する自然発
    色アルミニウム合金。
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