JP2005248213A - グレー発色アルミニウム合金 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電解着色(二次電解処理や三次電解処理等)を行わずに合金発色でグレーに発色するアルミニウム合金であって、生産性に優れて工業的使用にも適したグレー発色アルミニウム合金を提供すること。
【解決手段】 質量%で(以下、%は質量%を示す)、Siを0.2〜3.5%、Mgを0.3〜1.5%、Cuを0.1〜0.3%、Feを0.02〜0.8%を含有し、さらにSiとFeの合計の含有量は0.8%以上で、残部がAlと不可避不純物からなり、陽極酸化処理が施されていることにより得られることを特徴とする。陽極酸化処理の前処理として、化学研磨処理又はアルカリエッチング処理が施されていることにより、グレー色の色調でありながら、その光沢についても調整される。
【選択図】 なし
【解決手段】 質量%で(以下、%は質量%を示す)、Siを0.2〜3.5%、Mgを0.3〜1.5%、Cuを0.1〜0.3%、Feを0.02〜0.8%を含有し、さらにSiとFeの合計の含有量は0.8%以上で、残部がAlと不可避不純物からなり、陽極酸化処理が施されていることにより得られることを特徴とする。陽極酸化処理の前処理として、化学研磨処理又はアルカリエッチング処理が施されていることにより、グレー色の色調でありながら、その光沢についても調整される。
【選択図】 なし
Description
本発明は、陽極酸化処理後の色調がグレー色であるグレー発色アルミニウム合金に関する。
従来のアルミニウム合金は、アルマイト処理(陽極酸化処理)を行うと一般的にはシルバー色になり、色調はあまりみられない。この時、色差計で測定される色調で明るさを示すL*値は約45である。また、光輝処理性に優れたアルミニウム合金を用いて、リン酸等で化学研磨した後アルマイト処理することで光沢のある表面が得られるが(例えば、特許文献1参照)、この時の色調はL*値が約80である。一方、SrやSn等を添加することにより、グレーに発色するアルミニウム合金が開示されている(例えば、特許文献2、3参照)。
特開平6−100970号公報
特開平7−197166号公報
特開2001−226797号公報
L*値が70以下の領域のグレー色調を得るには、前述の光輝処理性に優れたアルミニウム合金(例えば、特許文献1参照)を陽極酸化処理した後、電解着色液にて電解着色する方法があるが、電解着色では色調の調整が困難であり、特に大量生産には不向きであった。また、従来の合金発色でグレーに発色するアルミニウム合金(例えば、特許文献2、3参照)は、光沢が鈍くなる傾向があるとともに、通常のアルミニウム合金には含まれないSrやSn等を添加する必要があるものであった。
それゆえ、本発明は、上記の事情を背景になされたものであり、電解着色を行わずに合金発色でグレーに発色するアルミニウム合金であって、生産性に優れて工業的使用にも適したグレー発色アルミニウム合金を提供することを技術的課題とする。
上記した技術的課題を解決するため、本発明は、質量%で(以下、%は質量%を示す)、Siを0.2〜3.5%、Mgを0.3〜1.5%、Cuを0.1〜0.3%、Feを0.02〜0.8%を含有し、さらにSiとFeの合計の含有量は0.8%以上で、残部がAlと不可避不純物からなり、陽極酸化処理が施されて色調がグレー色であることを特徴とするグレー発色アルミニウム合金とした。
好ましくは、陽極酸化処理の前処理として、化学研磨処理又はアルカリエッチング処理が施されていることが望ましい。より好ましくは、陽極酸化処理では陽極酸化皮膜に形成される微細孔を完全に封孔せず、その陽極酸化皮膜の上にクリヤ塗装を行うことが望ましい。
本発明によれば、合金成分を調整することにより、電解着色を行うことなくグレーに発色するアルミニウム合金を得ることができる。従って、電解着色を必要としないため生産設備でも経済的な処理が可能であるとともに、特殊な添加元素を必要としないため生産性や強度の面からみても工業的使用に適したアルミニウム合金とすることが可能である。
また、陽極酸化処理の前処理として、化学研磨処理を施すことにより光沢のある淡いグレー色とすることができる。更には、陽極酸化皮膜に形成される微細孔を完全に封孔せず、その上にクリヤ塗装を行うことで、淡いグレー色の金属光沢を有する外観を得ることが可能となる。化学研磨処理を施さずに、アルカリエッチング処理を施すことにより光沢の無い暗めのグレー色とすることができる。
本発明は、電解着色(二次電解処理や三次電解処理等)を行うことなく、陽極酸化処理後に色調がグレー色に発色するアルミニウム合金の合金成分を見出したものである。以下に、本発明に係るグレー発色アルミニウム合金の合金成分について説明する。
Si(シリコン)、Fe(鉄)
添加されるSi及びFe量は、少なければ少ないほど光沢は増し、色調は弱くなる。逆に多ければグレー色が強くなるが、光沢は弱くなる。従って、Si含有量は0.2%〜3.5%、望ましくは0.4〜2.5%とした。Fe含有量は0.02%〜0.8%、望ましくは0.04〜0.7%とした。また、SiとFeの合計の含有量が0.8%未満だとグレー色が弱くなるので、上述のSi及びFeの個々の含有量の範囲を満足した上で、さらにSiとFeの合計の含有量は0.8%以上とし、望ましくは1.0%以上とした。
添加されるSi及びFe量は、少なければ少ないほど光沢は増し、色調は弱くなる。逆に多ければグレー色が強くなるが、光沢は弱くなる。従って、Si含有量は0.2%〜3.5%、望ましくは0.4〜2.5%とした。Fe含有量は0.02%〜0.8%、望ましくは0.04〜0.7%とした。また、SiとFeの合計の含有量が0.8%未満だとグレー色が弱くなるので、上述のSi及びFeの個々の含有量の範囲を満足した上で、さらにSiとFeの合計の含有量は0.8%以上とし、望ましくは1.0%以上とした。
Mg(マグネシウム)
添加されるMg量は、少ないほど光沢は増して色調は弱くなり、逆に多ければグレー色が強くなる。Mg含有量としては、0.3%以下ではグレー発色が鈍く、1.5%以上では黄味が強くなり、目的とした色調から外れて好ましくない。従って、Mg含有量は0.3〜1.5%、望ましくは0.4〜1.0%とした。
添加されるMg量は、少ないほど光沢は増して色調は弱くなり、逆に多ければグレー色が強くなる。Mg含有量としては、0.3%以下ではグレー発色が鈍く、1.5%以上では黄味が強くなり、目的とした色調から外れて好ましくない。従って、Mg含有量は0.3〜1.5%、望ましくは0.4〜1.0%とした。
Cu(銅)
添加されるCu量は、多いほど光沢は増し、少ないほど光沢は弱くなる。Cu含有量としては、0.1%以下では光沢が弱く、0.3%以上は添加しても光沢に変化が見られない。またCuは、強度確保のためには含有されていることが好ましいが、過剰であると耐食性が低下し、押出時における変形抵抗が増加し、生産性を低下する傾向がある。これを考慮し、Cu含有量は0.1〜0.3%、望ましくは0.15〜0.25%とした。
添加されるCu量は、多いほど光沢は増し、少ないほど光沢は弱くなる。Cu含有量としては、0.1%以下では光沢が弱く、0.3%以上は添加しても光沢に変化が見られない。またCuは、強度確保のためには含有されていることが好ましいが、過剰であると耐食性が低下し、押出時における変形抵抗が増加し、生産性を低下する傾向がある。これを考慮し、Cu含有量は0.1〜0.3%、望ましくは0.15〜0.25%とした。
不可避不純物
不可避不純物はアルミニウム合金を鋳造する際の地金、添加元素の中間合金等様々な経路で混入する。混入する元素は様々であるが、単体で0.05%以下、総量で0.15%以下であれば合金の特性にほとんど影響を及ぼさない。これを考慮し、不可避不純物は単体で0.05%以下、総量で0.15%以下とした。望ましくは単体で0.01%以下、総量で0.05%以下とした。また、Mnが添加されると白味が強くなる傾向があるため、Mn含有量は0.01未満が好ましい。
不可避不純物はアルミニウム合金を鋳造する際の地金、添加元素の中間合金等様々な経路で混入する。混入する元素は様々であるが、単体で0.05%以下、総量で0.15%以下であれば合金の特性にほとんど影響を及ぼさない。これを考慮し、不可避不純物は単体で0.05%以下、総量で0.15%以下とした。望ましくは単体で0.01%以下、総量で0.05%以下とした。また、Mnが添加されると白味が強くなる傾向があるため、Mn含有量は0.01未満が好ましい。
以上のように、目的に応じて添加元素の量を調整することで、グレー発色及び光沢の調整をすることが可能である。また、上記した合金を使用して目的の色調を得るためには、少なくとも陽極酸化処理を行う必要がある。次に、陽極酸化修理及びクリヤ塗装について説明する。
第1工程は、前処理としての化学研磨工程であり、アルミニウム合金表面をリン酸等で化学的に研摩することで、表面の光沢を上げる効果を得る。また化学研磨を行わず、水酸化ナトリウム液でアルカリエッチングする方法では、逆に光沢が抑えられ、また添加元素であるSiの発色効果を高めより濃い色調を得ることができる。
第2工程は、第1工程を経た素材を硫酸・シュウ酸・リン酸・スルホサリチル酸等の有機酸のいずれか又はそれらの混合液中にて、直流又は交流電解を行うことで、アルミ素材表面に陽極酸化皮膜を生成させる。その時に、アルミ素材中のSi、Fe、Cu、Mg等の添加成分が、陽極酸化皮膜中に分散され皮膜の発色に影響を及ぼす。
第3工程は、第2工程までに得られた陽極酸化皮膜を硫酸ニッケル等の液中て封孔処理する工程であり、これにより陽極酸化皮膜の微細孔が塞がれ、耐食性が向上する。また、陽極酸化皮膜上にクリヤ塗装を施す場合は、この封孔処理を行わず、70〜80℃の純水中にて半封孔処理を行うことでクリヤ塗装の密着性を向上させることができる。
第4工程は、第3工程にて半封孔処理した素材に対しクリヤ塗膜を施すクリヤ塗装工程であり、第3工程までに得られた陽極酸化皮膜に静電塗装または、電着塗装にてクリヤ塗膜を形成させ、耐食性をさらに向上させるほか、クリヤ塗膜の光沢と、下地の発色アルマイト皮膜の金属質感の組み合わせにより、高級感のある外観を得ることができる。
次に、本発明の実施例について、比較例と対比して具体的に説明する。まず、表1に示すアルミニウム合金の組成になるように成分調整した原料を溶解し、押出サイズに適した鋳塊(直径204mm×長さ500mm)を溶製した。その後、鋳塊に均質化処理を行い、鋳塊(ビレット)を押出成形型にて、押出温度(ビレット加熱温度)500℃、押出速度15〜20m/minで押出成形し、板状の試験片(断面50mm×2mm、長さ200mm)を形成した。尚、表1に示す合金成分以外の元素(分析値)は「0.00%」であり、表1に示す元素と共に有効数字(四捨五入)を考慮している。また、アルミニウム合金の表面の色調を、L*a*b*表色系(CIE規格)による色差計(村上色彩技術研究所製、鏡面色差計SCD−1)により測定した。この測定結果も表1に併せて示す。
比較例1
Si:0.5%、Fe:0.06%、Cu:0.16%、Mg:0.50%を添加したアルミニウム合金ビレットを580℃で6hr均質化処理した後、押出加工したアルミニウム板を、195℃×2時間15分で時効処理を行い、さらに鏡面バフ研摩を行った。次に、リン酸70〜85%、硝酸3.0〜3.5%の化学研磨液を95℃〜100℃にして、90秒処理後に15%の硝酸にて酸洗いをし、硫酸20%の電解液を用いて陽極酸化処理を行い、約10μmの陽極酸化皮膜を得た。
その色調はメッキ調の鏡面光沢があり、発色はほとんど無い。この時の色調は、L*値83.4、a*値−9.3、b*値1.5であった。
Si:0.5%、Fe:0.06%、Cu:0.16%、Mg:0.50%を添加したアルミニウム合金ビレットを580℃で6hr均質化処理した後、押出加工したアルミニウム板を、195℃×2時間15分で時効処理を行い、さらに鏡面バフ研摩を行った。次に、リン酸70〜85%、硝酸3.0〜3.5%の化学研磨液を95℃〜100℃にして、90秒処理後に15%の硝酸にて酸洗いをし、硫酸20%の電解液を用いて陽極酸化処理を行い、約10μmの陽極酸化皮膜を得た。
その色調はメッキ調の鏡面光沢があり、発色はほとんど無い。この時の色調は、L*値83.4、a*値−9.3、b*値1.5であった。
実施例1
Si:1.8%、Fe:0.06%、Cu:0.16%、Mg:0.50%を添加したアルミニウム合金ビレットを520℃で6hr均質化処理した後、押出加工したアルミニウム板を、195℃×2時間15分で時効処理を行い、さらに鏡面バフ研摩を行った。次に、比較例1と同様に、リン酸70〜85%、硝酸3.0〜3.5%の化学研磨液を95℃〜100℃にして、90秒処理後に15%の硝酸にて酸洗いをし、硫酸20%の電解液を用いて陽極酸化処理を行い、約10μmの陽極酸化皮膜を得た。その結果、光沢があるとともに、比較例1に対し淡いグレーの色調を持つアルマイト皮膜を得ることができた。この時の色調は、L*値60.2、a*値−6.3、b*値1.5であった。
Si:1.8%、Fe:0.06%、Cu:0.16%、Mg:0.50%を添加したアルミニウム合金ビレットを520℃で6hr均質化処理した後、押出加工したアルミニウム板を、195℃×2時間15分で時効処理を行い、さらに鏡面バフ研摩を行った。次に、比較例1と同様に、リン酸70〜85%、硝酸3.0〜3.5%の化学研磨液を95℃〜100℃にして、90秒処理後に15%の硝酸にて酸洗いをし、硫酸20%の電解液を用いて陽極酸化処理を行い、約10μmの陽極酸化皮膜を得た。その結果、光沢があるとともに、比較例1に対し淡いグレーの色調を持つアルマイト皮膜を得ることができた。この時の色調は、L*値60.2、a*値−6.3、b*値1.5であった。
実施例2
Si:2.4%、Fe:0.06%、Cu:0.16%、Mg:0.50%を添加したアルミニウム合金ビレットを520℃で6hr均質化処理した後、押出加工したアルミニウム板を、195℃×2時間15分で時効処理を行い、さらに鏡面バフ研摩を行った。次に、比較例1と同様に、リン酸70〜85%、硝酸3.0〜3.5%の化学研磨液を95℃〜100℃にして、90秒処理後に15%の硝酸にて酸洗いをし、硫酸20%の電解液を用いて陽極酸化処理を行い、約10μmの陽極酸化皮膜を得た。その結果、光沢があるとともに、比較例1に対し淡いグレーの色調を持つアルマイト皮膜を得ることができた。この時の色調はL*値55.9、a*値−5.8、b*値1.5であった。
Si:2.4%、Fe:0.06%、Cu:0.16%、Mg:0.50%を添加したアルミニウム合金ビレットを520℃で6hr均質化処理した後、押出加工したアルミニウム板を、195℃×2時間15分で時効処理を行い、さらに鏡面バフ研摩を行った。次に、比較例1と同様に、リン酸70〜85%、硝酸3.0〜3.5%の化学研磨液を95℃〜100℃にして、90秒処理後に15%の硝酸にて酸洗いをし、硫酸20%の電解液を用いて陽極酸化処理を行い、約10μmの陽極酸化皮膜を得た。その結果、光沢があるとともに、比較例1に対し淡いグレーの色調を持つアルマイト皮膜を得ることができた。この時の色調はL*値55.9、a*値−5.8、b*値1.5であった。
実施例3
Si:0.5%、Fe:0.6%、Cu:0.16%、Mg:0.50%を添加したアルミニウム合金ビレットを520℃で6hr均質化処理した後、押出加工したアルミニウム板を、195℃×2時間15分で時効処理を行い、さらに鏡面バフ研摩を行った。次に、比較例1と同様に、リン酸70〜85%、硝酸3.0〜3.5%の化学研磨液を95℃〜100℃にして、90秒処理後に15%の硝酸にて酸洗いをし、硫酸20%の電解液を用いて陽極酸化処理を行い、約10μmの陽極酸化皮膜を得た。その結果、光沢があるとともに、比較例1に対し淡いグレーの色調を持つアルマイト皮膜を得ることができた。この時の色調は、L*値51.6、a*値−5.1、b*値2.0であった。
Si:0.5%、Fe:0.6%、Cu:0.16%、Mg:0.50%を添加したアルミニウム合金ビレットを520℃で6hr均質化処理した後、押出加工したアルミニウム板を、195℃×2時間15分で時効処理を行い、さらに鏡面バフ研摩を行った。次に、比較例1と同様に、リン酸70〜85%、硝酸3.0〜3.5%の化学研磨液を95℃〜100℃にして、90秒処理後に15%の硝酸にて酸洗いをし、硫酸20%の電解液を用いて陽極酸化処理を行い、約10μmの陽極酸化皮膜を得た。その結果、光沢があるとともに、比較例1に対し淡いグレーの色調を持つアルマイト皮膜を得ることができた。この時の色調は、L*値51.6、a*値−5.1、b*値2.0であった。
比較例2
従来のJIS6063合金(Si:0.5%、Fe:0.16%、Mg:0.50%を添加したアルミニウム合金)ビレットを520℃で6hr均質化処理した後、押出加工したアルミニウム板を、195℃×2時間15分で時効処理を行い、さらに鏡面バフ研摩を行った。次に、10%の水酸化ナトリウム溶液にて60秒アルカリエッチング処理後に15%の硝酸にて酸洗いをし、硫酸20%の電解液を用いて陽極酸化処理を行い、約10μmの陽極酸化皮膜を得た。この時の色調は、シルバーであり、L*値45.8、a*値−4.5、b*値1.9であった。
従来のJIS6063合金(Si:0.5%、Fe:0.16%、Mg:0.50%を添加したアルミニウム合金)ビレットを520℃で6hr均質化処理した後、押出加工したアルミニウム板を、195℃×2時間15分で時効処理を行い、さらに鏡面バフ研摩を行った。次に、10%の水酸化ナトリウム溶液にて60秒アルカリエッチング処理後に15%の硝酸にて酸洗いをし、硫酸20%の電解液を用いて陽極酸化処理を行い、約10μmの陽極酸化皮膜を得た。この時の色調は、シルバーであり、L*値45.8、a*値−4.5、b*値1.9であった。
実施例4
実施例3と同一の合金を、比較例2と同様に、10%の水酸化ナトリウム溶液にて60秒アルカリエッチング処理後に15%の硝酸にて酸洗いをし、硫酸20%の電解液を用いて陽極酸化処理を行い、約10μmの陽極酸化皮膜を得た。その結果、比較例2に対し、光沢が無く暗めのグレー色を得ることができた。この時の色調は、L*値33.3、a*値−3.3、b*値0.8であった。
実施例3と同一の合金を、比較例2と同様に、10%の水酸化ナトリウム溶液にて60秒アルカリエッチング処理後に15%の硝酸にて酸洗いをし、硫酸20%の電解液を用いて陽極酸化処理を行い、約10μmの陽極酸化皮膜を得た。その結果、比較例2に対し、光沢が無く暗めのグレー色を得ることができた。この時の色調は、L*値33.3、a*値−3.3、b*値0.8であった。
実施例5
Si:2.4%、Fe:0.6%、Cu:0.16%、Mg:0.80%を添加したアルミニウム合金ビレットを、520℃で6hr均質化処理した後、押出加工したアルミニウム板を、195℃×2時間15分で時効処理を行い、さらに鏡面バフ研摩を行った。次に、比較例2と同様に、10%の水酸化ナトリウム溶液にて60秒アルカリエッチング処理後に15%の硝酸にて酸洗いをし、硫酸20%の電解液を用いて陽極酸化処理を行い、約10μmの陽極酸化皮膜を得た。
その結果、比較例2に対し、光沢が無く暗めのグレー色を得ることができた。このときの色調は、L*値31.3、a*値−3.1、b*値0.9であった。
Si:2.4%、Fe:0.6%、Cu:0.16%、Mg:0.80%を添加したアルミニウム合金ビレットを、520℃で6hr均質化処理した後、押出加工したアルミニウム板を、195℃×2時間15分で時効処理を行い、さらに鏡面バフ研摩を行った。次に、比較例2と同様に、10%の水酸化ナトリウム溶液にて60秒アルカリエッチング処理後に15%の硝酸にて酸洗いをし、硫酸20%の電解液を用いて陽極酸化処理を行い、約10μmの陽極酸化皮膜を得た。
その結果、比較例2に対し、光沢が無く暗めのグレー色を得ることができた。このときの色調は、L*値31.3、a*値−3.1、b*値0.9であった。
実施例6
実施例1の合金を用いて、自動車用装飾モール部品用に成形後、実施例1と同様の条件で陽極酸化処理したのち、80℃に加温した純水にて10min間の半封孔処理したのち、静電塗装にてクリヤ塗装を行い、140℃で20
min焼付けを行った。その結果、クリヤ塗装を通して淡いグレーの金属光沢を有する、高級感のある外観を得ることができた。
実施例1の合金を用いて、自動車用装飾モール部品用に成形後、実施例1と同様の条件で陽極酸化処理したのち、80℃に加温した純水にて10min間の半封孔処理したのち、静電塗装にてクリヤ塗装を行い、140℃で20
min焼付けを行った。その結果、クリヤ塗装を通して淡いグレーの金属光沢を有する、高級感のある外観を得ることができた。
Claims (4)
- 質量%で(以下、%は質量%を示す)、Siを0.2〜3.5%、Mgを0.3〜1.5%、Cuを0.1〜0.3%、Feを0.02〜0.8%を含有し、さらにSiとFeの合計の含有量は0.8%以上で、残部がAlと不可避不純物からなり、陽極酸化処理が施されて色調がグレー色であることを特徴とするグレー発色アルミニウム合金。
- 前記陽極酸化処理の前に、化学研磨処理が施されていることを特徴とする請求項1に記載のグレー発色アルミニウム合金。
- 前記陽極酸化処理では陽極酸化皮膜に形成される微細孔を完全に封孔せず、その陽極酸化皮膜の上にクリヤ塗装を行うことを特徴とする請求項2に記載のグレー発色アルミニウム合金。
- 前記陽極酸化処理の前に、アルカリエッチング処理が施されていることを特徴とする請求項1に記載のグレー発色アルミニウム合金。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8962163B2 (en) | 2009-12-22 | 2015-02-24 | Showa Denko K.K. | Aluminum alloy for anodization and aluminum alloy component |
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2004
- 2004-03-01 JP JP2004056921A patent/JP2005248213A/ja active Pending
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