JP2610637B2 - ジルコニア系金色スパイクおよびその製造方法 - Google Patents

ジルコニア系金色スパイクおよびその製造方法

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秀樹 森口
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はジルコニア系金色スパイクおよびその製造法
に関するもので、詳しくは例えばシユーズ,タイマその
他の滑り止めのスパイクとして実用性高く、しかも装飾
性においても優れているジルコニア系焼結体からなる金
色のスパイクおよびその製造法に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、ジユーズ,タイヤその他の滑り止めスパイクと
しては超硬合金やサーメツト製のものが知られている
が、高価である、重量がある等の問題もあるために、近
年では耐食性に優れ比重の小さいセラミツクスを用いる
ことが検討されている。その一つにアルミナ系セラミツ
クスパイクがあるが、靭性が低く、欠損,折損の危険性
が高く、実用化には至らなかつた。そこでセラミツクス
の中では靭性の高いジルコニア系セラミツクス製スパイ
クが着目されている。
ジルコニア系セラミツクスは古くから高温耐火物とし
て利用されてきたが、ZrO2が1100℃付近で高温型(正方
晶系)低温型(単斜晶系)の結晶転移に伴い体積変化
するため、焼結の際亀裂を発生し、自己崩壊を起すこと
が知られている。そこで、一般的にはZrO2にY,Ca,Mg等
の金属の酸化物を安定化剤として添加し、体積変化を伴
わない安定化ジルコニア(正方晶ZrO2)セラミツクスと
して用いられていた。しかし、このものはかなり高温ま
で安定であるが強度が低く、緻密な焼結体を得ることが
困難であつた。
これについては、その後の研究により、安定化剤の添
加量を少なくした部分安定化ジルコニア(PSZ)或いは
相変態強化ジルコニア(TTZ)と呼ばれるものが開発さ
れ、これは強度,靭性,熱衝撃抵抗等の諸物性において
ほゞ満足し得るものである。この部分安定化ジルコニア
組成物は高強度セラミツクスとして注目され、各種の用
途開発が進められており、例えばハサミ,スリツター等
のセラミツク刃物用途や本発明に係わる滑り止めスパイ
ク用途等が挙げられる。
ところで、シユーズ,タイヤその他滑り止めのスパイ
ク、特にシユーズ用スパイクには、高強度,耐食性,軽
量という特性に加え装飾性も要求されるものが最近の傾
向である。上記の部分安定化ジルコニアは高強度材料と
してスパイクに適したものであるが、部分安定化ジルコ
ニアそのものは白色を呈し、必ずしも装飾性を満足する
ものではないので、それを金色に着色することが望まれ
ている。このような着色法として、部分安定化ジルコニ
ア製スパイクの表面に、CVD法,PVD法等により、金色を
呈する例えばTiN,ZrN等を被覆する方法が考えられる。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、CVD法やPVD法による被覆膜で着色する
方法には、被覆膜とジルコニア系セラミツクス母材の接
着力が不十分であり、使用中に剥離等の現象が起き易い
という重大な問題があつた。
本発明は以上のような現状に鑑みてなされたものであ
り、金色の色調を呈して装飾性に優れ、しかもスパイク
として使用できる諸特性例えば高強度,耐摩耗性,耐久
性その他を備えた新規なジルコニア系金色スパイクおよ
びその製造法を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段、作用〕
本発明は、ZrO2を主構成相とした焼結体を500torr以
上のN2ガス又はNH3ガス雰囲気中で1500〜2000℃に加熱
して該焼結体表面を窒化処理して、その表層部が主とし
て窒化ジルコニウム及び/又は酸窒化ジルコニウムより
なる焼結体からなるジルコニア系金色スパイクを提供す
るものであり、本発明の該金色スパイクを製造するにお
いて、ZrO2を主成分として所定の組成に混合した原料粉
末を成型した後に、真空,大気又は酸素ガス雰囲気下で
焼結し、次いで得られる焼結体を500torr以上のN2ガス
又はNH3ガスを含む雰囲気下で1500〜2000℃に加熱又は
焼結することにより焼結体表層部に主として窒化ジルコ
ニウム及び/又は酸窒化ジルコニウムを形成させること
を特徴とするジルコニア系金色スパイクの製造法をも提
供するものである。
本発明者らは、ジルコニア系焼結体をN2ガス又はNH3
ガス雰囲気下で加熱処理するか、該焼結体形成に続いて
N2ガス又はNH3ガス雰囲気下で焼結する処理により、焼
結体自体の表層部が主として窒化ジルコニウム及び/又
は酸窒化ジルコニウムからなり、耐摩耗性,耐食性に加
え、美しい金色を呈することを見出し、このような焼結
体からなるスパイクとその製造法に関する本発明に到達
したものである。
本発明のスパイクをその製造法から順に説明してゆ
く。
まず原料としてZrO2粉末に安定化剤として1.5〜5モ
ル%のY2O3および/または5〜30モル%のCeO2を所定量
配合した原料の粉末混合物を用意する。このようなジル
コニアと安定化剤との粉末混合物は、所定の安定化剤
とジルコニアとから共沈法により得る、安定化剤粉末
とジルコニア粉末とを単に均一混合する、更には金属
アルコキシドの加水分解法を利用する、等の方法のいず
れかにより得ることができる。前記の方法は、厳密な
組成比を持つた均一な粉末を合成できる方法として最近
注目されているが、この場合、アルコキシド基のアルキ
ル基としては、炭素原子数の小さなものが有利である。
ここでジルコニア粉末及び安定化剤粉末の粒径につい
ては特に制限はないが、空隙の少ない緻密な焼結体を得
るためには、できるだけ小さくすることが有利であり、
例えば約2.0μm以下であることが好ましい。
さらに、原料の粉末混合物は公知の添加剤例えばシリ
カ,アルミナ,チタニア等の焼結促進剤等を含有しても
よい。
以上のように調整された原料の粉末混合物は、次に所
定のスパイク形状の型に成形されるが、この成形方法に
ついては特に限定されるところはないので、公知技術例
えば型押し等の加圧成型手段で実施することによつて行
なうことができる。また、バインダーなしの成形でもよ
いし、通常のバインダー例えばワツクス,流動パラフイ
ン,PVAワセリン等を少量添加した成形のいずれでもよ
い。なお、本発明の製法における成形とは成形と添加し
たバインダーを加熱処理して除去する工程までを包含す
る。
スパイク用に成形された原料混合物は次に真空又は大
気もしくは酸素ガス雰囲気中で温度1300℃〜2000℃の範
囲内で、好ましくは1450℃〜1650℃の範囲内で焼結し
て、緻密な焼結体を得る。焼結温度が1300℃未満では成
形体は焼結されず、また2000℃を越えると得られる焼結
体の強度、特に靭性が劣るので好ましくない。
次に該焼結体をN2ガス又はNH3ガス雰囲気中温度1500
℃〜2000℃に加熱してこれにより表面を窒化処理する。
雰囲気圧力は500torr以上とする。これは500torr未満で
は発色が明瞭でないためである。また温度が1500℃未満
では金色に着色されず、一方2000℃を越えると焼結体の
強度、特に靭性の低下が生じるので好ましくない。この
窒化処理は前記の焼結と連続して行つてもよいがこれは
必須ではなく、前もつて作成した焼結体について別バツ
チで処理することもできる。また、このとき窒化処理は
HIPを含めて実施してもよい。
以上のN2ガス又はNH3ガス中での熱処理又は焼結によ
り本発明のZrO2焼結体スパイクの表層部にはZrN及び/
又はZr(NO)が形成され、美しい金色を呈する。この窒
化層は焼結体の母材そのものが窒化処理を受けて生成さ
れるものであるので、母材上にCVD法やPVD法によりコー
テイング膜層を設けた従来品におけるような接着力不足
による剥離等の問題がなく、スパイクとしての使用に非
常に好適である。
〔実施例〕
実施例及び比較例 Y2O3含有量3モル%のZrO2粉体に通常のプレスバイン
ダーを混合し、スプレードライヤーにて造粒した。この
粉末をスパイク形状にプレスした後に、800℃大気中で
熱処理してバインダーを除去した。得られた成形体をア
ルミナケース内に配置し、大気雰囲気下1500℃で2時間
焼結をした。次いで、1000気圧のN2雰囲気下、1850℃で
熱間静水圧プレスを行つた。以上により焼結体表面が金
色のスパイク(本発明品)を得た。以上と同様に成形し
たスパイクを表1に示す焼結条件で焼結して、種々のジ
ルコニア系焼結体スパイクを製造した(比較例1,2及び
実施例1〜3)。
得られた各スパイクの色調,理論密度比(実測された
見かけ比重/配合組成比から計算された理論比重×10
0)表面硬度(Hmv),及び実用性能試験(実覆きにより
実際にゴルフ(ラウンド)プレーするテスト)を調べ
た。結果は表1のとおりで、本発明によるジルコニア系
金色スパイクは美しい金色を呈して従来品より装飾性に
優れた焼結体であり、表面硬度も高く、摩耗が少ないに
加えて欠損もなく、従来品に比較して優れた実用性能を
持つていることが認められた。
〔発明の効果〕 本発明のジルコニア系金色スパイクは、耐食性に優れ
軽量で強度,靭性,耐摩耗性,熱衝撃抵抗等のジルコニ
ア系焼結体自体の物理特性に優れているに加えて、焼結
体自身の表層部が金色の窒化層となつているため使用時
の欠損等がないという実用性能と装飾性の両方において
非常に優れた商品価値の高いものである。
また本発明のスパイク製造法は上記のジルコニア系金
色スパイクの製造を、従来のCVD法やPVD法等の被覆形成
手段によらずに実現した有利な方法である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ZrO2を主構成相とした焼結体を500torr以
    上のN2ガス又はNH3ガス雰囲気中で1500〜2000℃に加熱
    して該焼結体表面を窒化処理して該表層部が主として窒
    化ジルコニウム及び/又は酸窒化ジルコニウムよりなる
    焼結体からなるジルコニア系金色スパイク。
  2. 【請求項2】ZrO2を主構成相とし、その表層部が主とし
    て窒化ジルコニウム及び/又は酸窒化ジルコニウムより
    なる焼結体からなるジルコニア系金色スパイクを製造す
    るにおいて、ZrO2を主成分として所定の組成に混合した
    原料粉末を成型した後に、真空、大気又は酸素ガス雰囲
    気下で焼結し、次いで得られる焼結体を500torr以上のN
    2ガス又はNH3ガスを含む雰囲気下で1500〜2000℃に加熱
    又は焼結することにより焼結体表層部に主として窒化ジ
    ルコニウム及び/又は酸窒化ジルコニウムを形成させる
    ことを特徴とするジルコニア系金色スパイクの製造法。
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