JPH0712978B2 - 黒色系ジルコニアセラミックス及びその製造方法 - Google Patents

黒色系ジルコニアセラミックス及びその製造方法

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JPH0712978B2
JPH0712978B2 JP61311193A JP31119386A JPH0712978B2 JP H0712978 B2 JPH0712978 B2 JP H0712978B2 JP 61311193 A JP61311193 A JP 61311193A JP 31119386 A JP31119386 A JP 31119386A JP H0712978 B2 JPH0712978 B2 JP H0712978B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は金属化合物から成る着色成分及び炭素成分によ
りジルコニアセラミックスを所望通りに着色化させ且つ
高強度・高靱性特性を有する着色ジルコニアセラミック
ス並びにその製法に関するものである。
〔従来技術及びその問題点〕
近時、ジルコニアセラミックスに所要な範囲内で安定化
剤を含有させた部分安定化ジルコニアセラミックスが注
目されており、その高強度且つ高靱性特性により広範な
用途に期待されている。
一方、このセラミックスに着色剤を含有させた着色ジル
コニアセラミックス、更に着色剤及び炭素を含有させた
黒色系ジルコニアセラミックスが提案されている。
後者の黒色系ジルコニアセラミックスとして特開昭59−
227770号が提案されており、そのセラミックスに用いら
れる着色剤には、(1)・・・周期律表の4a,5a,6a族金
属及び鉄族金属の中から選択された少なくとも1種以上
の金属および/または合金、或いは(2)・・・周期律
表の4a,5a,6a族金属の炭化物、硼化物、硅化物及びこれ
らの相互固溶体の中から選択された少なくとも1種以上
の化合物、更に(1)と(2)の組合せを提案してい
る。そして、この着色剤にカーボンおよび/または黒鉛
を含有させ、これによって焼結を促進させると共に黒色
系の色調コントールを容易とする。
このような黒色性ジルコニアセラミックスによれは、
(1)の着色剤を含有させた場合には金属成分がジルコ
ニアセラミックス中に含有させるためにサーメット化
し、これにより、ジルコニア自体の焼結を阻害してジル
コニア本来の特性が発揮できなくなり、例えば高強度且
つ高靱性特性が得られなくなる。他方、(2)の着色剤
を含有させた場合には、真空焼成が採用されるが、それ
による焼成のコントロールは難しく、これにより、同一
焼成炉の内部全体に亘って雰囲気を均質化することは難
しく、或いは個々の焼成炉の間で焼結条件を同一にする
ことが難しくなり、その結果、出来上がった個々のセラ
ミックスの間に着色ムラが生じ、更に同じレベルの高強
度且つ高靱性特性が得られないという問題がある。
更にこのセラミックスによれば、上記の着色剤に加え
て、カーボンおよび/または黒鉛を含有させることによ
り焼結を促進させると共に黒色系又は暗色系の色調コン
トロールを容易にしている。
しかしながら、このように炭素成分を含有させるに当た
ってはこの成分を出発原料中に含有させているために焼
結体中に炭素が未反応のままに残留したり、ポーラスな
焼結体となり、これにより、強度の劣化を招くと共に深
みのある艶をもった鏡面に成りにくいという問題があ
る。
〔発明の目的〕
本発明は叙上に鑑みて案出されたものであり、その目的
は個々の間に着色ムラがなくて所望通りの着色化が可能
となった着色ジルコニアセラミックスを提供することに
ある。
本発明の他の目的は滑らかで深みのある艶をもった鏡面
を有する着色ジルコニアセラミックスを提供することに
ある。
本発明の更に他の目的は部分安定化ジルコニアセラミッ
クス自体が有している高強度且つ高靱性特性を損なうこ
となく着色化を達成した着色ジルコニアセラミックスを
提供することにある。
本発明の更に他の目的は上記の着色ジルコニアセラミッ
クスを得んがための製法を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明によれば、金属酸化物換算で0.1乃至10重量%の
着色成分、安定化剤、0.2乃至15重量%の炭化ジルコニ
ウムを含有するジルコニアから成り且つ該ジルコニアの
結晶相が正方晶結晶から成ることを特徴とする着色ジル
コニアセラミックスが提供される。
更に本発明によれば、0.1乃至10重量部の金属酸化物
と、90乃至99.9重量部のジルコニア及び安定化剤から成
る原料より所要形状の成形体を形成し、第1の焼成によ
り該成形体を焼結し、次いで炭素含有雰囲気中の第2の
焼成によって所望通りに着色化させたジルコニアセラミ
ックスとし、このジルコニアセラミックスが該金属酸化
物の還元生成物及び0.2乃至15重量%の炭化ジルコニウ
ムを含有し且つジルコニア正方晶結晶から成ることを特
徴とする着色ジルコニアセラミックスの製法が提供され
る。
本発明の着色ジルコニアセラミックスは部分安定化ジル
コニアセラミックス(このセラミックスを、以下、PSZ
セラミックスと略す)に着色成分として金属酸化物及び
炭化ジルコニウムを含有させたものであり、この金属酸
化物の選択及びその添加量並びにその還元生成物によっ
てベースとなる色調と成し、更に炭化ジルコニウム(Zr
C)の含有量によって所望通りに黒色化又は暗色化した
ことが特徴である。
また、この着色ジルコニアセラミックスは正方晶結晶か
ら成るPSZセラミックスであり、その特徴は高強度且つ
高靱性特性を有する点にあるが、着色成分である金属酸
化物を添加したためにその特性が劣化傾向にあり、これ
を補完するためにZrCを所定の範囲内で含有させて高強
度且つ高靱性特性を維持していることが特徴である。
先ず、本発明の着色ジルコニアセラミックスによれば、
PSZセラミックスに着色成分である金属酸化物及び/又
はその還元生成物並びにZrCを所定の範囲内で含有させ
て所望通りに着色化し且つ高強度・高靱性特性を達成し
ており、金属酸化物及び/又はその還元生成物について
はその合計量を金属酸化物換算で0.1乃至10重量%の範
囲内で含有させればよく、0.1重量%未満であれば所望
通りの着色化が不十分となると共に色ムラ発生し易くな
り、10重量%を越えると高強度且つ高靱性特性が得られ
なくなる。
またZrCは0.2乃至15重量%の範囲内で含有させればよ
く、0.2重量%未満であれば黒色化又は暗色化が所望通
りにならず、15重量%を越えると高強度且つ高靱性特性
が十分でなくなる。
前記着色成分には周期律表IVa族、Va族、VIa族、VIIa
族、VIIIa族元素のそれぞれの酸化物があり、例えばCr,
Co.Fe,Ti,Mn,V,Niの酸化物がある。但し、これらの酸化
物は炭素を含有する還元性雰囲気の焼成によって炭化
物、金属単体などに還元されてもよい。
かくして上述したような成分を含む本発明の着色ジルコ
ニアセラミックスによれば、着色成分の一部にZrCを含
有させたことによって黒色化し又は着色成分の発色を暗
傾向とし、これによってその要求に応じられる着色化が
可能となる。例えば玉虫色又はメタリックな色調はNiO,
CoO等を添加し且つZrCを含有させることによって得られ
る。
更に本発明によれば、上述した着色化に加えてその黒色
化成分であるZrCを所定の範囲内でPSZセラミックスに含
有させ、これにより、所望通りに黒色化又は暗色化に着
色すると共に高強度且つ高靱性特性を達成したことも特
徴である。
即ち、本発明のPSZセラミックスによれば、着色成分を
添加したことによって高強度且つ高靱性特性が劣化傾向
となり、そこで、ZrCをPSZセラミックスに含有させた場
合、前記着色成分の含有量を減少させると共に所望通り
の着色化が可能となり、これにより、上記劣化傾向を阻
止することができる。
それに加えてZrCとZrO2の両者がそれぞれ所定の範囲内
で共存した場合、強度及び靱性を高めることができ、こ
れにより、着色成分を添加したことによる高強度且つ高
靱性特性の劣化傾向を補完することができる。
そのためには、ZrC添加量を15重量%以下に設定すれば
よく、更にZrO2含有量はその結晶相の種類と関連する
が、75乃至99.7重量%の範囲内に入るように設定すれば
よい。そして、このZrO2のなかで正方晶結晶の存在は必
須不可欠であり、これによって高強度且つ高靱性特性を
もたらすものであり、その占める比率はZrO2全結晶相中
40モル%以上、好適には80モル%以上がよい。
また、上記のPSZセラミックスによれば、遊離炭素は高
強度且つ高靱性特性を低下せしめる成分であり、その含
有量は全焼結体中5重量%以下、好適には0.5重量%以
下、最適には0.1重量%以下にすればよい。
本発明者等はこのような組成を有する着色ジルコニアセ
ラミックスの強度及び靱性を測定した結果、約130kg/cm
2の高強度特性及び約15MN/m3/2の高靱性特性が得られ
た。
かくして得られた着色ジルコニアセラミックスによれ
ば、従来周知の白色PSZセラミックスと同程度の強度及
び靱性を具備し且つ着色成分及びZrCによってムラのな
い着色化ができ、更にその焼結体の表面を研磨した場
合、深みのある艶を有した鏡面に成る。
次に本発明の着色ジルコニアセラミックスを得るための
製法を述べる。
本発明の製法は二段階に焼成を行っており、第1回目の
焼成は金属酸化物を着色成分として含有するPSZセラミ
ックスを得る方法であり、次いでこのPSZセラミックス
に対して第2回目の焼成を行い、これによって炭素成分
をPSZセラミックスの内部に含浸させると共に金属酸化
物の還元生成物を生成させることを特徴とする。
即ち、先ず第1回目の焼成(以下、第1の焼成と呼ぶ)
によれば、ZrO2原料、金属酸化物着色成分、安定化剤を
それぞれ所定の範囲内の比率にしてこれらを十分に均一
混合し、所定の形状に加圧成形し、次いで焼成して着色
化PSZセラミックス成形体を得る。
金属酸化物とZrO2の配合比率は、金属酸化物が0.1乃至1
0重量部の場合、ZrO2が90乃至99.9重量部の範囲内に設
定すればよい。
即ち、金属酸化物が0.1重量部未満になると所望通りの
着色ができず且つ色ムラが発生し易くなり、10重量部を
越えると高強度且つ高靱性特性が得られなくなり、ま、
ZrO2が90重量部未満の場合には焼結が難しく高強度且つ
高靱性特性が得られなくなる。
前記金属酸化物は原料の段階で粉体、液体、ペースト状
のいずれの状態であってもよく、その粒度は平均粒系0.
06μm以下、好適には0.03μm以下がよく、これによ
り、原料中に均一分散した場合、PSZセラミックス全体
に亘って均質に着色化し且つ高強度・高靱性特性が得ら
れる。
前記ZrO2原料は平均粒系0.15μm以下、好適には0.06μ
m以下がよく、或いは水酸化ジルコニウム等の仮焼に伴
ってZrO2粉末になるようなものであってもよい。この水
酸化ジルコニウム(ZrO2・xH2O)を用いる場合、仮焼温
度を高くするほどZrO2粉末の一次粒子が大きくなるため
仮焼温度を900乃至1050℃の範囲内で変えることにより
一次粒子の平均粒径が0.02乃至0.1μmのZrO2粉末が得
られる。
前記安定化剤にはY2O3,MgO,CaO及びCeO2等々の公知のも
のを用いることができ、これらを単独又は組合わせると
共にPSZ化させるのに必要な量だけ配合すればよい。
Y2O3を単独で配合する場合、焼結体中、2乃至7モル%
の含有比率になるように添加すればよい。
また、CaO及びMgOをそれぞれ単独で配合する場合、焼結
体中、8乃至11モル%、7乃至13モル%の含有比率にな
るように添加すればよい。
この安定化剤は平均粒径2μm以下、好適には1μm以
下のものを用いるのがよい。或いは所定量の安定化剤が
加えられた共沈ZrO2粉末を用いてもよく、この粉末を用
いると安定化剤とZrO2が一層緻密且つ均一に分布した混
合状態になるため、焼結体の結晶粒径が均一化されると
いう点で望ましい。
本発明の着色ジルコニアセラミックスはZrO2、金属酸化
物着色成分及び安定化剤を必須成分として含有するが上
記成分以外の成分の含有を排除するものではない。例え
ば、ジルコニア、安定化剤及び着色成分の混合粉砕時に
ボール等の粉砕媒体を使用するときには、この粉砕媒体
を構成する成分が混合粉砕中に必然的に含有されるよう
になる。例えばアルミナ(Al2O3)等であり、これはセ
ラミックス全体当たり20重量%まで混入されることが許
容される。
第1の焼成に採用される焼結条件は酸化性雰囲気、真空
雰囲気又は還元性雰囲気のいずれでもよく、就中、酸化
性雰囲気がよい。この酸化性雰囲気であれば、焼成条件
の設定が容易であり、これにより、個々の間で着色ムラ
がなくて所望通りの着色化が可能となる。
また、この第1の焼成によれば、加圧焼結又は非加圧焼
結のいずれでもよく、加圧焼結としてホットプレス、HI
Pなどがある。
かくして第1の焼成により得られた着色セラミックス成
形体によれば、着色成分を含有したPSZセラミックスで
あり、この着色成分に応じて強度及び靱性が低下傾向に
あるが、その反面、着色成分として金属化合物のなかで
金属酸化物を用いているためにそれが焼成に伴って熱分
解せず、これにより、焼結体中にボイドが発生せず且つ
均質な着色化が可能になるという利点がある。
また、この第1の焼成によって得られた着色セラミック
ス成形体によれば、ZrO2正方晶結晶を含有しており、そ
の含有量ができるだけ多くなるように焼結条件を適宜設
定するのがよい。そのZrO2正方晶結晶はZrO2中約60モル
%以上、好適には約80モル%以上含有させた場合、次の
第2回目の焼成(以下、第2の焼成と呼ぶ)によって高
強度且つ高靱性特性を有利に達成することができる。
第2の焼成によれば、炭素含有雰囲気を不可欠としてお
り、これにより、上記着色PSZセラミックス成形体中の
金属酸化物を還元し且つ焼結体中にZrCを所定の範囲内
で含有させ、その結果、ベースの色調を所望通りに黒色
化又は暗色化することができる。
このような還元性雰囲気焼成には、例えば、着色PSZセ
ラミックス成形体にカーボンブラックのような炭素成分
を接触させて非酸化物性雰囲気中で焼成したり(これは
通常埋め焼きと呼ばれる)、或いはHIP装置の内部に炭
素源を設置してHIPに伴って炭素成分をセラミックス中
に含浸させてもよく、更にこれらの2通りの焼成法を組
合わせてもよい。
この第2の焼成によれば、炭素含有雰囲気による焼成を
行うのであれば、種々の焼成方法を採用することができ
るが、就中、HIP法を行った場合、所望通りの黒色化又
は暗色化が有利に進められるという点で、更に高強度且
つ高靱性特性が維持又は向上し得るという点で望ましい
と言える。
このようなHIP法によれば、HIP装置に上記着色PSZセラ
ミックス成形体を配置すべき隔壁室があり、この室の内
部に不活性ガス(Ar,N2など)を導入すると共に所定の
大きさで加圧を行い且つ加熱し、これによってHIP焼成
を行われる。
この隔壁室へ着色PSZセラミックス成形体を配置するに
あたっては、カーボン製の容器を用意し、この容器にこ
の成形体を置き、所望によってこの容器を蓋体などによ
って閉じ、次いでこのような容器を上記隔壁室内部へ設
置すればよい。
また、成形体を黒色化または暗色化させる炭素源は上記
容器の内部へ成形体と共に配置すればよい。
HIP焼成を行う場合、その圧力は1000乃至2000atm(ゲー
ジ圧)の範囲内に且つその温度は1400乃至1600℃の範囲
内に設定すると炭素がセラミックス成形体の内部へ効率
よく含浸するという点で有利である。
第2の焼成によれば、第1の焼成によって得られた着色
ジルコニアセラミックス成形体に炭素を含浸させ且つ金
属酸化物が還元され、これにより、所望通りの着色化が
可能となる。そして、金属酸化物の還元化についてはそ
の還元量に応じて着色の具合を適宜変えることができ、
金属酸化物の種類及び焼成条件等々によって部分的に又
はその全部を還元することができる。
また、この第2の焼成によれば、ZrO2の一部がZrCに還
元され、ZrO2とZrCの両者がそれぞれ所定の範囲内で共
存した場合、強度及び靱性が高められる。
即ち、ZrCがセラミックス全体当たり0.2乃至15重量%の
範囲内で生成させるとよく、この範囲内であれば所望通
りの黒色化又は暗色化が得られ且つ高強度・高靱性特性
となり、またZrO2の結晶相はZrO2中正方晶結晶が約60モ
ル%以上、好適には80モル%以上と成るように焼成条件
を設定した場合、高強度且つ高靱性特性が得られるとい
う点で望ましい。
更に第2の焼成によれば、この炭素含浸に伴ってセラミ
ックス成形体中に遊離炭素が残存する場合があり、その
場合にはこの遊離炭素量をできるだけ少なくするとよ
い。
また、第2の焼成によって得られた着色PSZセラミック
ス成形体に対してその表面をダイヤモンドホイール、ダ
イヤモンドパウダ、ダイヤモンドペースト等によって研
磨した場合、その成形体の結晶粒子の大きさが均等であ
り且つ小さく、そしてボイドがほとんどなく、これによ
り、深みのある艶を有した鏡面が表れる。
かくして第1の焼成によってムラのない着色化ができ、
第2の焼成によって所望通りの着色化と共に高強度且つ
高靱性特性が得られる。
〔実施例〕
次に本発明の実施例を述べる。
(例1) 高純度ZrO2粉末100重量部にY2O3安定化剤を5.3重量部、
着色成分としてCr,Fe,Ti,Co,Niの酸化物をその合計量が
2重量部となるように配合し、アルミナボールを用いて
湿式粉砕し、次いで乾燥した。これによって得られた原
料粉体を120メッシュの篩に通し、この粒度調整された
粉体にパラフィンワックスを添加し、更に80メッシュの
篩に通した。このようにして得られた粉体混合物を成形
圧1ton/cm2で5×5×50mmの形状に成形し、脱バインダ
ー後、酸化雰囲気中焼成温度1450℃で第1の焼成を行っ
たところ、濃青色の着色ジルコニアセラミックス成形体
が得られた。
このようにして得られたセラミックス成形体のZrO2正方
晶結晶含有量は全ZrO2中約80モル%であり、その強度及
び靱性を測定したところ、それぞれ95Kg/cm2、12.1MN/m
3/2であった。
尚、強度はJIS-R-1601の3点曲げ試験法により求め、靱
性はS・E・N・B(Single Edge Notched Beam)法に
よりセラミックスがマイクロクラックの成長により破壊
する際の臨界応力拡大係数値とした。
次に上記着色PSZセラミックス成形体をHIP法によって第
2の焼成を行った。
即ち、HIP用カーボン製容器に上記成形体を炭素源(例
えば、カーボンペーパー)と共に配置し、この容器を蓋
体によって閉じ、次いでこの容器をHIP装置の内部に設
置した。そして、焼成温度を1475℃、圧力媒体としてAr
ガス、その圧力を2000Kg/cm2(ゲージ圧)に設定し、1
時間HIP処理を行った。
かくして得られたセラミックス成形体の表面はHIP前の
状態に比べて面荒れの状態であった。
そこで、このセラミックス成形体の表面全体を100μm
の厚みに亘って研削及び研摩したところ、緑青色をベー
スにしてそれが暗黒色化した色調であり且つボイドの少
ない艶を有した表面性状となり、また、この成形体の結
晶成分を測定したところ、ZrO2が約95重量%,ZrCが約3
重量%,遊離炭素が約0.01重量%であり、着色用金属成
分はその酸化物換算で約2重量%であり、このZrO2は76
モル%の正方晶結晶から成っていた。
また、このセラミックス成形体の強度及び靱性を測定し
たところ、それぞれ125Kg/cm2、14.2MN/m3/2であった。
(例2) 本例においては、(例1)中金属酸化物の配合量を幾通
りにも変え、その他の第1の焼成及び第2の焼成の製造
条件を(例1)と同じに設定し、これにより、第1表に
示す通り試料No.1乃至6のセラミックス成形体を得た。
第1表より明らかな通り、試料No.2乃至5によれば、緑
青色をベースにしてそれが暗黒色化した色調であり、ま
た、ボイドのない艶を有した表面性状であり、いずれの
試料も高強度且つ高靱性特性であった。
然るに試料No.1については金属酸化物着色成分の配合量
が少なく、これによってベースとなる所要な着色化がで
きなくなり、また試料No.6については金属酸化物着色成
分の配合量が多過ぎるために強度及び靱性が著しく低下
していた。
(例3) 本例においては、(例1)中第2の焼成のなかで焼成温
度、圧力、HIP保持時間、炭素源量等々を変更し、これ
によってZrCの含有量を変え、その他の製造条件を(例
1)と同じに設定し、これにより、第2表に示す通り試
料No.7乃至14のセラミックス成形体を得た。
第2表より明らかな通り、試料No.8乃至12によれば、緑
青色をベースにしてそれが暗黒色化した色調であり、ま
たボイドのない艶を有した表面性状であり、いずれの試
料も高強度且つ高靱性特性であった。
然るに試料No.7についてはZrC含有量が少なく、これに
より、全体に亘って一様な黒色化ができなくてその黒色
化にムラが生じており、そして、黒色化が淡い状態の色
調であった。
また試料No.13とNo.14についてはZrC含有量が多過ぎ、
そのために強度と靱性が顕著に低下していることが判
る。
〔発明の効果〕
以上の通り、本発明の着色ジルコニアセラミックスによ
れば、高強度・高靱性特性を具備し、そして、金属化合
物着色成分とZrCによって所望通りの暗色化色調を得る
ことができる。
更に本発明の着色ジルコニアセラミックスによれば、そ
の表面を研摩することによって深みのある艶をもった鏡
面となり、種々の装飾部材に用いることができる。例え
ば、時計ケース、文字盤、タイピン、楯、ブレスレッ
ト、リング、ボタン、ペンダント、スパイク鋲等々があ
る。
また本発明の着色ジルコニアセラミックスによれば、高
強度・高靱性特性を具備し且つメタリックな色調に着色
化することができ、これにより、各種の金属代替部材に
用いることができる。例えば、刃物類などの日用品、各
種産業構造品、機械部品などに用いることができる。
更にまた本発明の着色ジルコニアセラミックスの製法に
よれば、高強度・高靱性特性を具備した着色部材とな
り、且つその着色化にムラがなく、これにより、製造歩
留りを高め、その結果、低コスト、高品質及び高信頼性
を達成した着色ジルコニアセラミックスが提供できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジルコニアを主成分とし、金属酸化物換算
    で0.1〜10重量%の着色成分、安定化剤、0.2〜15重量%
    の炭化ジルコニウムを含有するとともに、上記ジルコニ
    アの結晶相は60モル%以上が正方晶結晶から成ることを
    特徴とする黒色系ジルコニアセラミックス。
  2. 【請求項2】0.1〜10重量部の金属酸化物と、90〜99.9
    重量部のジルコニア及び安定化剤から成る原料より所要
    形状の成形体を形成し、第1の焼成により該成形体を焼
    結し、次いで炭素含有雰囲気中の第2の焼成を行うこと
    によって、0.2〜15重量%の炭化ジルコニウムを生成さ
    せ、ジルコニア結晶相の60モル%以上が正方晶結晶から
    なるようにした黒色系ジルコニアセラミックスの製造方
    法。
JP61311193A 1986-12-27 1986-12-27 黒色系ジルコニアセラミックス及びその製造方法 Expired - Fee Related JPH0712978B2 (ja)

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