JPH039062B2 - - Google Patents
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- JPH039062B2 JPH039062B2 JP62018911A JP1891187A JPH039062B2 JP H039062 B2 JPH039062 B2 JP H039062B2 JP 62018911 A JP62018911 A JP 62018911A JP 1891187 A JP1891187 A JP 1891187A JP H039062 B2 JPH039062 B2 JP H039062B2
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Landscapes
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Description
[産業上の利用分野]
本発明は、ジルコニア本来の高強度、高靭性等
の特性を維持しながら黒色系の焼結体にすること
によつて、時計用外装部品、ネクタイピン、ブロ
ーチ、カフスボタン等の装飾品材料から釣り具部
品、摺動部品等を含む耐摩耗性材料に適するよう
にしたジルコニア質黒色系焼結体及びその製造方
法に関する。 [従来の技術] 従来、装飾品材料は、耐食性及び耐スクラツチ
性が要求されることから高級品用には主として硬
質合金が使用されている。高級品向けの装飾品用
材料の内、黒色系装飾品材料には主としてWC基
焼結合金、TiC基焼結合金及びAl2O3−TiC基焼
結体が実用化されている。 一方、ジルコニア(ZrO2)を主成分とする黒
色系材料も知られており、この場合、ZrO2に着
色剤(顔料)又は炭素のいずれかを添加し、酸化
炉あるいは不活性雰囲気にて着色ZrO2を得てい
る。(例えば、特開昭60−90872号公報、特開昭61
−141668号公報) [発明が解決しようとする問題点] しかしながら、WC基焼結合金は、比重が大き
くて携帯用装飾品としては不向きであり、WC基
焼結合金及びTiC基焼結合金は、くすんだ灰色系
の色調であるために市場の要望を充分に満足して
おらず、また、Al2O3−TiC基焼結体は、黒色系
の色調であるが鏡面状態での光沢が悪いことと靭
性が低いために製品の加工工程等で欠損が生じる
という問題がある。 また、前記した従来の着色ZrO2においては、
ジルコニアの優れた強度性、靭性等の特性を損な
わずに、有色感のある焼結体を得ることは困難で
あり、又、青色あるいは黒色の顔料を混合添加す
ることによつても、有色感のある着色を得ること
は困難(例えば、灰色になり易く)であつた。 [問題点を解決するための手段] そこで、本発明者は上記従来技術の問題点を解
決すべく鋭意研究した結果、ジルコニア(ZrO2)
に所定量の顔料と少量の炭素を添加することによ
り、ジルコニア本来の高強度、高靭性等の特性を
維持しつつ有色感のある黒色系のジルコニア質焼
結体が得られることを見出し、本発明に到達し
た。 即ち、本発明によれば、Fe、Co、Ni、Cr、
Si、Mn、Al、Znの酸化物の少なくとも1種類以
上を合量で1〜10重量%、炭素を0.1〜1重量%
および安定化剤を含有してなるジルコニア質黒色
系焼結体、及び、平均粒子径が2μm以下のZrO2
粉末と、安定化剤、およびFe、Co、Ni、Cr、
Si、Mn、Al、Znの酸化物の少なくとも1種類以
上から成る酸化物顔料を1〜10重量%、及び炭素
を0.1〜1重量%含有してなる成形体を、非酸化
性雰囲気で焼成することを特徴とするジルコニア
質黒色系焼結体の製造方法、が提供される。 本発明に係るジルコニア質黒色系焼結体におい
ては、Fe、Co、Ni、Cr、Si、Mn、Al、Znの酸
化物の少なくとも1種類以上を合量で1〜10重量
%含むことが必要である。この量が1重量%に満
たない場合、着色が充分でなく、一方、10重量%
を越えると、靭性、強度等の焼結体特性が低下す
る。 また、炭素の含量は0.1〜1重量%であること
が要求される。この量が0.1重量%未満であると、
充分な黒色とならず、一方、1重量%を越える
と、靭性、強度の焼結体特性が低下する。 炭素は、フリーの炭素以外にZrあるいはFe、
Co、Ni、Cr、Si、Mn、Al、Znの炭化物として
存在としてもよい。 なお、青色の着色を充分にし、青味がかつた黒
色の焼結体を得るためには、Coの酸化物が、酸
化物の全体量のうち20%以上を占めることが好ま
しい。 本発明の焼結体では、顔料としてFe、Co、
Ni、Cr、Si、Mn、Al、Znの酸化物のうちの少
なくとも1種類を選択し、これを含有している
が、これらの酸化物を種々配合することにより、
所望の黒色系で有色感のある色調を出すことがで
きる。 安定剤としては、公知のものが使用でき、例え
ば、Y2O3、MgO、CaO、CeO2等が使用される。 次に、本発明に係るジルコニア質黒色系焼結体
の製造方法について説明する。 まず、平均粒子径が2μm以下のZrO2粉末を安
定化剤と混合し、これに着色剤として上記した
Fe、Co、Ni、Cr、Si、Mn、Al、Znの酸化物の
うち少なくとも1種類以上からなる酸化物顔料を
全体の1〜10重量%、および炭素を全体の0.1〜
1重量%添加し、水を加えた後、混合粉砕する。 ここで、ZrO2粉末の平均粒子径を2μm以下と
したのは、2μmを越えた場合には焼結性が悪く
なり、緻密で高強度の焼結体が得られないからで
ある。 また、酸化物顔料と炭素との含有比は、3:1
乃至20:1の範囲であることが好ましい。これ
は、含有比が3:1より小さくなると、黒色が強
くなり過ぎ、着色(有色)ができなくなる可能性
があり、一方含有比が20:1より大きくなると、
逆に着色の度合いが大きくなり、黒色が出にくく
なるからである。いずれの場合でも、着色(有
色)がかつた黒色焼結体が得られにくくなる。 次いで、上記のZrO2粉末、安定化剤、酸化物
顔料および炭素からなる混合物を乾燥、造粒した
後、圧縮成形を行つて成形体を作製する。 次に、得られた成形体を、非酸化性雰囲気下、
例えば窒素雰囲気下あるいは還元性雰囲気下にお
いて、焼成を行い、得られる焼成体を通常の後処
理工程である加工工程、研磨工程を経て本発明の
ジルコニア質黒色系焼結体を得ることができる。 なお、成形体の焼成温度としては、1300〜1550
℃の範囲が好ましい。1300℃未満の温度の場合、
十分緻密化されない可能性があり、高強度の焼結
体が得られない。一方、1550℃を越えると、粒成
長が大きくなり、焼成体強度が低下する虞れがあ
る。 また、焼成は非酸化性雰囲気下で行うが、これ
は、酸化性雰囲気では、添加した炭素が酸化によ
り減少し黒色化が達成されないためである。 さらに、成形体の焼成は、炭素製の匣内で行う
ことが好ましい。これは、炭素製匣内で行うこと
により、成形体中の炭素が酸化により減少し難い
ためである。 [実施例] 以下、本発明を実施例に基ずいて更に詳細に説
明するが、本発明がこれら実施例に限定されない
ことは明らかであろう。 実施例 1 平均粒子径0.5μmのZrO2粉末と、安定化剤と
して2モル%のY2O3とからなる調合物を調製し
た。この調合物100重量部と、着色剤として以下
の表−1に示す酸化物顔料(A)1.7重量部と、コロ
イダルグラフアイト0.4重量部と、これに水100重
量部を加えた後、ZrO2製ポツトミルを用い、24
時間混合、粉砕を行つた。 得られたスラリーをスプレードライヤーを用い
て乾燥し、造粒粉末を得た。次いで、この造粒粉
末を金型プレス機により、成形圧1トン/cm2で65
mm×10mm×7mmの形状に成形し、その後、この成
形体を炭素製匣内に設置し、N2雰囲気中、1500
℃の温度で焼成した。 この焼結体を鏡面研磨したところ、青味を帯び
た深みのある金属光沢を有した黒色ジルコニアを
得ることができた。 その後、この焼結体の材料特性を調べるため、
JIS R−1601「フアインセラミツクスの曲げ強度
試験方法」に基ずき、試料調整及び測定を行い、
表−2に示す結果を得た。 表−2から分かる通り、本発明により得られる
試料は、ZrO2の性質である高強度、高靭性
(KIC)を殆ど損なわず、しかも均質で青味を帯び
た深みのある金属光沢を有した優れた材料であつ
た。
の特性を維持しながら黒色系の焼結体にすること
によつて、時計用外装部品、ネクタイピン、ブロ
ーチ、カフスボタン等の装飾品材料から釣り具部
品、摺動部品等を含む耐摩耗性材料に適するよう
にしたジルコニア質黒色系焼結体及びその製造方
法に関する。 [従来の技術] 従来、装飾品材料は、耐食性及び耐スクラツチ
性が要求されることから高級品用には主として硬
質合金が使用されている。高級品向けの装飾品用
材料の内、黒色系装飾品材料には主としてWC基
焼結合金、TiC基焼結合金及びAl2O3−TiC基焼
結体が実用化されている。 一方、ジルコニア(ZrO2)を主成分とする黒
色系材料も知られており、この場合、ZrO2に着
色剤(顔料)又は炭素のいずれかを添加し、酸化
炉あるいは不活性雰囲気にて着色ZrO2を得てい
る。(例えば、特開昭60−90872号公報、特開昭61
−141668号公報) [発明が解決しようとする問題点] しかしながら、WC基焼結合金は、比重が大き
くて携帯用装飾品としては不向きであり、WC基
焼結合金及びTiC基焼結合金は、くすんだ灰色系
の色調であるために市場の要望を充分に満足して
おらず、また、Al2O3−TiC基焼結体は、黒色系
の色調であるが鏡面状態での光沢が悪いことと靭
性が低いために製品の加工工程等で欠損が生じる
という問題がある。 また、前記した従来の着色ZrO2においては、
ジルコニアの優れた強度性、靭性等の特性を損な
わずに、有色感のある焼結体を得ることは困難で
あり、又、青色あるいは黒色の顔料を混合添加す
ることによつても、有色感のある着色を得ること
は困難(例えば、灰色になり易く)であつた。 [問題点を解決するための手段] そこで、本発明者は上記従来技術の問題点を解
決すべく鋭意研究した結果、ジルコニア(ZrO2)
に所定量の顔料と少量の炭素を添加することによ
り、ジルコニア本来の高強度、高靭性等の特性を
維持しつつ有色感のある黒色系のジルコニア質焼
結体が得られることを見出し、本発明に到達し
た。 即ち、本発明によれば、Fe、Co、Ni、Cr、
Si、Mn、Al、Znの酸化物の少なくとも1種類以
上を合量で1〜10重量%、炭素を0.1〜1重量%
および安定化剤を含有してなるジルコニア質黒色
系焼結体、及び、平均粒子径が2μm以下のZrO2
粉末と、安定化剤、およびFe、Co、Ni、Cr、
Si、Mn、Al、Znの酸化物の少なくとも1種類以
上から成る酸化物顔料を1〜10重量%、及び炭素
を0.1〜1重量%含有してなる成形体を、非酸化
性雰囲気で焼成することを特徴とするジルコニア
質黒色系焼結体の製造方法、が提供される。 本発明に係るジルコニア質黒色系焼結体におい
ては、Fe、Co、Ni、Cr、Si、Mn、Al、Znの酸
化物の少なくとも1種類以上を合量で1〜10重量
%含むことが必要である。この量が1重量%に満
たない場合、着色が充分でなく、一方、10重量%
を越えると、靭性、強度等の焼結体特性が低下す
る。 また、炭素の含量は0.1〜1重量%であること
が要求される。この量が0.1重量%未満であると、
充分な黒色とならず、一方、1重量%を越える
と、靭性、強度の焼結体特性が低下する。 炭素は、フリーの炭素以外にZrあるいはFe、
Co、Ni、Cr、Si、Mn、Al、Znの炭化物として
存在としてもよい。 なお、青色の着色を充分にし、青味がかつた黒
色の焼結体を得るためには、Coの酸化物が、酸
化物の全体量のうち20%以上を占めることが好ま
しい。 本発明の焼結体では、顔料としてFe、Co、
Ni、Cr、Si、Mn、Al、Znの酸化物のうちの少
なくとも1種類を選択し、これを含有している
が、これらの酸化物を種々配合することにより、
所望の黒色系で有色感のある色調を出すことがで
きる。 安定剤としては、公知のものが使用でき、例え
ば、Y2O3、MgO、CaO、CeO2等が使用される。 次に、本発明に係るジルコニア質黒色系焼結体
の製造方法について説明する。 まず、平均粒子径が2μm以下のZrO2粉末を安
定化剤と混合し、これに着色剤として上記した
Fe、Co、Ni、Cr、Si、Mn、Al、Znの酸化物の
うち少なくとも1種類以上からなる酸化物顔料を
全体の1〜10重量%、および炭素を全体の0.1〜
1重量%添加し、水を加えた後、混合粉砕する。 ここで、ZrO2粉末の平均粒子径を2μm以下と
したのは、2μmを越えた場合には焼結性が悪く
なり、緻密で高強度の焼結体が得られないからで
ある。 また、酸化物顔料と炭素との含有比は、3:1
乃至20:1の範囲であることが好ましい。これ
は、含有比が3:1より小さくなると、黒色が強
くなり過ぎ、着色(有色)ができなくなる可能性
があり、一方含有比が20:1より大きくなると、
逆に着色の度合いが大きくなり、黒色が出にくく
なるからである。いずれの場合でも、着色(有
色)がかつた黒色焼結体が得られにくくなる。 次いで、上記のZrO2粉末、安定化剤、酸化物
顔料および炭素からなる混合物を乾燥、造粒した
後、圧縮成形を行つて成形体を作製する。 次に、得られた成形体を、非酸化性雰囲気下、
例えば窒素雰囲気下あるいは還元性雰囲気下にお
いて、焼成を行い、得られる焼成体を通常の後処
理工程である加工工程、研磨工程を経て本発明の
ジルコニア質黒色系焼結体を得ることができる。 なお、成形体の焼成温度としては、1300〜1550
℃の範囲が好ましい。1300℃未満の温度の場合、
十分緻密化されない可能性があり、高強度の焼結
体が得られない。一方、1550℃を越えると、粒成
長が大きくなり、焼成体強度が低下する虞れがあ
る。 また、焼成は非酸化性雰囲気下で行うが、これ
は、酸化性雰囲気では、添加した炭素が酸化によ
り減少し黒色化が達成されないためである。 さらに、成形体の焼成は、炭素製の匣内で行う
ことが好ましい。これは、炭素製匣内で行うこと
により、成形体中の炭素が酸化により減少し難い
ためである。 [実施例] 以下、本発明を実施例に基ずいて更に詳細に説
明するが、本発明がこれら実施例に限定されない
ことは明らかであろう。 実施例 1 平均粒子径0.5μmのZrO2粉末と、安定化剤と
して2モル%のY2O3とからなる調合物を調製し
た。この調合物100重量部と、着色剤として以下
の表−1に示す酸化物顔料(A)1.7重量部と、コロ
イダルグラフアイト0.4重量部と、これに水100重
量部を加えた後、ZrO2製ポツトミルを用い、24
時間混合、粉砕を行つた。 得られたスラリーをスプレードライヤーを用い
て乾燥し、造粒粉末を得た。次いで、この造粒粉
末を金型プレス機により、成形圧1トン/cm2で65
mm×10mm×7mmの形状に成形し、その後、この成
形体を炭素製匣内に設置し、N2雰囲気中、1500
℃の温度で焼成した。 この焼結体を鏡面研磨したところ、青味を帯び
た深みのある金属光沢を有した黒色ジルコニアを
得ることができた。 その後、この焼結体の材料特性を調べるため、
JIS R−1601「フアインセラミツクスの曲げ強度
試験方法」に基ずき、試料調整及び測定を行い、
表−2に示す結果を得た。 表−2から分かる通り、本発明により得られる
試料は、ZrO2の性質である高強度、高靭性
(KIC)を殆ど損なわず、しかも均質で青味を帯び
た深みのある金属光沢を有した優れた材料であつ
た。
【表】
【表】
実施例 2
平均粒子径0.8μmのZrO2粉末と、安定化剤と
して4モル%のY2O3からなる調合物を調製した。
この調合物に、着色剤として前記した表−1に示
す酸化物顔料とカーボンブラツクを表−3に示す
ように、各々添加した。 以上の如く調合した混合物(試料No.2〜11)
100重量部に対し、水80重量部を加え、バツチ式
混合粉砕機を用い、10時間混合粉砕した。このス
ラリーを、熱風乾燥器で乾燥し、粉体を得た。得
られた粉体をゴム型〔50mm(φ)×80mm(長さ)〕
へ充填し、冷間静水圧プレス機を用いて3トン/
cm2の圧力で成形した。 次いで、この成形体を炭素製匣内に設置し、
N2雰囲気下、1400℃の温度に3時間保持し焼結
体を得た。この焼結体から20mm(φ)×10mmの試
験片を切り出し、1μmのダイヤモンド砥粒を用
いて鏡面研磨し、色調を観察した。 更に、同様の方法により30mm(φ)×50mmの試
料を切り出し、これより3mm×4mm×40mmの曲げ
試験片をJIS R1601に従つて作製し、曲げ強度を
測定した。その結果を表−3に示す。 表−3から明らかなように、本発明により得ら
れる試料は、ZrO2の性質である高強度、高靭性
(KIC)を殆ど損なわず、且つ均質でその色調も深
みのある有色の金属光沢を有した優れたものであ
つたのに対し、比較例として示した試料では、強
度を満足する場合には着色にムラができたり、一
方、着色が満足できる場合には強度が低いという
ように、ZrO2の特性を維持しつつ有色感のある
着色ができなかつた。
して4モル%のY2O3からなる調合物を調製した。
この調合物に、着色剤として前記した表−1に示
す酸化物顔料とカーボンブラツクを表−3に示す
ように、各々添加した。 以上の如く調合した混合物(試料No.2〜11)
100重量部に対し、水80重量部を加え、バツチ式
混合粉砕機を用い、10時間混合粉砕した。このス
ラリーを、熱風乾燥器で乾燥し、粉体を得た。得
られた粉体をゴム型〔50mm(φ)×80mm(長さ)〕
へ充填し、冷間静水圧プレス機を用いて3トン/
cm2の圧力で成形した。 次いで、この成形体を炭素製匣内に設置し、
N2雰囲気下、1400℃の温度に3時間保持し焼結
体を得た。この焼結体から20mm(φ)×10mmの試
験片を切り出し、1μmのダイヤモンド砥粒を用
いて鏡面研磨し、色調を観察した。 更に、同様の方法により30mm(φ)×50mmの試
料を切り出し、これより3mm×4mm×40mmの曲げ
試験片をJIS R1601に従つて作製し、曲げ強度を
測定した。その結果を表−3に示す。 表−3から明らかなように、本発明により得ら
れる試料は、ZrO2の性質である高強度、高靭性
(KIC)を殆ど損なわず、且つ均質でその色調も深
みのある有色の金属光沢を有した優れたものであ
つたのに対し、比較例として示した試料では、強
度を満足する場合には着色にムラができたり、一
方、着色が満足できる場合には強度が低いという
ように、ZrO2の特性を維持しつつ有色感のある
着色ができなかつた。
【表】
[発明の効果]
以上詳細に説明したとおり、本発明によれば、
ジルコニアの特性である高強度、高靭性等を維持
しながら、均質で深みのある有色感の優れたジル
コニア質黒色系焼結体を得ることができる。
ジルコニアの特性である高強度、高靭性等を維持
しながら、均質で深みのある有色感の優れたジル
コニア質黒色系焼結体を得ることができる。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 Fe、Co、Ni、Cr、Si、Mn、Al、Znの酸化
物の少なくとも1種類以上を合量で1〜10重量
%、炭素を0.1〜1重量%および安定化剤を含有
してなるジルコニア質黒色系焼結体。 2 Coの酸化物が前記酸化物の合量の20%以上
を占める特許請求の範囲第1項記載のジルコニア
質黒色系焼結体。 3 平均粒子径が2μm以下のZrO2粉末と、安定
化剤、およびFe、Co、Ni、Cr、Si、Mn、Al、
Znの酸化物の少なくとも1種類以上から成る酸
化物顔料を1〜10重量%、及び炭素を0.1〜1重
量%含有してなる成形体を、非酸化性雰囲気で焼
成することを特徴とするジルコニア質黒色系焼結
体の製造方法。 4 Coの酸化物が前記酸化物の合量の20%以上
を占める特許請求の範囲第3項記載の製造方法。 5 酸化物顔料と炭素との含有重量%の比が3:
1〜20:1である特許請求の範囲第3項または第
4項記載の製造方法。 6 前記焼成を1300〜1550℃で行う特許請求の範
囲第3項記載の製造方法。 7 前記焼成を炭素製匣内で行う特許請求の範囲
第3項記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62018911A JPS63185857A (ja) | 1987-01-29 | 1987-01-29 | ジルコニア質黒色系焼結体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62018911A JPS63185857A (ja) | 1987-01-29 | 1987-01-29 | ジルコニア質黒色系焼結体及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63185857A JPS63185857A (ja) | 1988-08-01 |
JPH039062B2 true JPH039062B2 (ja) | 1991-02-07 |
Family
ID=11984789
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62018911A Granted JPS63185857A (ja) | 1987-01-29 | 1987-01-29 | ジルコニア質黒色系焼結体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPS63185857A (ja) |
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JPS63185855A (ja) * | 1987-01-28 | 1988-08-01 | 日本セメント株式会社 | 黒色装飾材料の製造方法 |
-
1987
- 1987-01-29 JP JP62018911A patent/JPS63185857A/ja active Granted
Patent Citations (1)
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JPS63185855A (ja) * | 1987-01-28 | 1988-08-01 | 日本セメント株式会社 | 黒色装飾材料の製造方法 |
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JPS63185857A (ja) | 1988-08-01 |
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