JPH0679987B2 - ジルコニアセラミツクスの黒色化法 - Google Patents
ジルコニアセラミツクスの黒色化法Info
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- JPH0679987B2 JPH0679987B2 JP60245577A JP24557785A JPH0679987B2 JP H0679987 B2 JPH0679987 B2 JP H0679987B2 JP 60245577 A JP60245577 A JP 60245577A JP 24557785 A JP24557785 A JP 24557785A JP H0679987 B2 JPH0679987 B2 JP H0679987B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はジルコニアセラミックスの黒色化法に関して、
特に、セラミックス内部にまで黒色化を達成し、鏡面研
摩をしても深みのある艶を有して黒色の鏡面を呈したジ
ルコニアセラミックスの製法に関するものである。
特に、セラミックス内部にまで黒色化を達成し、鏡面研
摩をしても深みのある艶を有して黒色の鏡面を呈したジ
ルコニアセラミックスの製法に関するものである。
従来、アルミナセラミックスに顔料を含有させた装飾部
材が利用され、例えば、時計ケースや文字盤などの時計
関連部品等に賞用されていたが、このアルミナセラミッ
クスでは、焼結後の鏡面研摩に伴い微細な結晶が欠落す
るという難点があった。
材が利用され、例えば、時計ケースや文字盤などの時計
関連部品等に賞用されていたが、このアルミナセラミッ
クスでは、焼結後の鏡面研摩に伴い微細な結晶が欠落す
るという難点があった。
加えて結晶及び粒界の全般にわたり、多くの空隙がある
ため、鏡面研摩をしても滑らかで深みのある艶を有した
鏡面が現出しないという装飾部材として好ましくない欠
点があった。
ため、鏡面研摩をしても滑らかで深みのある艶を有した
鏡面が現出しないという装飾部材として好ましくない欠
点があった。
しかも、アルミナセラミックスは強度に優れているもの
の、不注意に落としたりして対物衝撃が加わると割れ易
いという欠点も有し、靱性に劣っていた。
の、不注意に落としたりして対物衝撃が加わると割れ易
いという欠点も有し、靱性に劣っていた。
斯様な事情に鑑みてカーボンを含有するジルコニアセラ
ミックスが提案されている。即ち、出発原料中にカーボ
ン粉末を含有させて焼結体中にカーボンを残留させる方
法やガス化させたカーボン含有気体から成る還元性雰囲
気中で焼結する方法が提案されている。
ミックスが提案されている。即ち、出発原料中にカーボ
ン粉末を含有させて焼結体中にカーボンを残留させる方
法やガス化させたカーボン含有気体から成る還元性雰囲
気中で焼結する方法が提案されている。
しかしながら、前者の方法によれば、焼結体中にカーボ
ン粒子がジルコニアと完全に固溶しないまま残留し又ポ
ーラスな焼結体となるため強度劣化を招き、後者の方法
においては、必ずしも焼結体内部にまで黒色化しないた
め、製造条件の設定が難しく焼結体の表層部だけが黒色
化した場合であれば、鏡面研摩しても深みのある艶を有
した黒色が表面全体に均一に呈しないという欠点を有し
ていた。
ン粒子がジルコニアと完全に固溶しないまま残留し又ポ
ーラスな焼結体となるため強度劣化を招き、後者の方法
においては、必ずしも焼結体内部にまで黒色化しないた
め、製造条件の設定が難しく焼結体の表層部だけが黒色
化した場合であれば、鏡面研摩しても深みのある艶を有
した黒色が表面全体に均一に呈しないという欠点を有し
ていた。
従って、本発明の目的は滑らかで深みのある艶をもった
黒色の鏡面を有するようにしたジルコニアセラミックス
の黒色化法を提供するにある。
黒色の鏡面を有するようにしたジルコニアセラミックス
の黒色化法を提供するにある。
本発明の他の目的はジルコニアセラミックス自体が有し
ている特性、例えば強度や靱性を損なうことなく黒色化
が達成したジルコニアセラミックスの黒色化法を提供す
るにある。
ている特性、例えば強度や靱性を損なうことなく黒色化
が達成したジルコニアセラミックスの黒色化法を提供す
るにある。
本発明によれば、ジルコニアを主成分として安定化剤を
含む原料より成形体を形成し、該成形体を焼結した後、
該焼結体の周囲に黒色化成分を配置して該焼結体の表面
から5mm以上にわたって黒色化成分を含浸するように非
酸化性雰囲気で焼成することを特徴とするジルコニアセ
ラミックスの黒色化法が提供される。
含む原料より成形体を形成し、該成形体を焼結した後、
該焼結体の周囲に黒色化成分を配置して該焼結体の表面
から5mm以上にわたって黒色化成分を含浸するように非
酸化性雰囲気で焼成することを特徴とするジルコニアセ
ラミックスの黒色化法が提供される。
本発明のジルコニアセラミックス黒色化法は2段焼成を
行っており、2回目の焼成に際して黒色化成分を焼結体
の周囲に配置して非酸化雰囲気中で焼結するすることを
特徴としている。この黒色化法によると第1焼成より得
られた焼結体の表面から5m以上にわたって黒色化成分を
含浸させることができる。
行っており、2回目の焼成に際して黒色化成分を焼結体
の周囲に配置して非酸化雰囲気中で焼結するすることを
特徴としている。この黒色化法によると第1焼成より得
られた焼結体の表面から5m以上にわたって黒色化成分を
含浸させることができる。
前記黒色化成分には、例えば、カーボンブラックなどの
固体カーボンがあり、カーボン粉末中に一旦焼成したジ
ルコニアセラミックスを埋め込んで再度焼成すればよ
い。これは通常埋め焼きと称する焼成方法である。
固体カーボンがあり、カーボン粉末中に一旦焼成したジ
ルコニアセラミックスを埋め込んで再度焼成すればよ
い。これは通常埋め焼きと称する焼成方法である。
本発明によれば、第1焼成によってジルコニアを主成分
とした母材にY2O3,MgO,CeO2及びCaO等から選ばれた安定
化剤の少なくとも一種を含有して成る成形体より焼結体
が得られる。
とした母材にY2O3,MgO,CeO2及びCaO等から選ばれた安定
化剤の少なくとも一種を含有して成る成形体より焼結体
が得られる。
ジルコニアは単斜晶系正方晶系の転移点が1000℃付近
にあり、この転移時に急激な容積変化を起こし、これに
より焼結体は破壊に至る。本発明においてはY2O3,MgO,C
eO2,CaO等のそれ自体公知の安定化剤を母剤に加え、焼
結に際して立方晶系または正方晶系の固溶体を形成させ
ることで部分安定化ジルコニア乃至安定化ジルコニアと
し、抗折強度、靱性等の機械的強度の向上を達成してい
る。とりわけ、部分安定化ジルコニアセラミックスでは
マルテンサイト変態により、靱性特性が著しく向上し、
またアルミナセラミックスと比べ、一段と強度が改善さ
れる。
にあり、この転移時に急激な容積変化を起こし、これに
より焼結体は破壊に至る。本発明においてはY2O3,MgO,C
eO2,CaO等のそれ自体公知の安定化剤を母剤に加え、焼
結に際して立方晶系または正方晶系の固溶体を形成させ
ることで部分安定化ジルコニア乃至安定化ジルコニアと
し、抗折強度、靱性等の機械的強度の向上を達成してい
る。とりわけ、部分安定化ジルコニアセラミックスでは
マルテンサイト変態により、靱性特性が著しく向上し、
またアルミナセラミックスと比べ、一段と強度が改善さ
れる。
Y2O3,MgO,CeO2,CaO等の安定化剤は、一般的に言ってジ
ルコニア当たり3乃至55モル%の量で且つジルコニアを
部分安定化乃至安定化させるに十分な量で使用する。具
体的な使用量は安定化剤の種類によっても相違するが、
例えば、次の通りである。
ルコニア当たり3乃至55モル%の量で且つジルコニアを
部分安定化乃至安定化させるに十分な量で使用する。具
体的な使用量は安定化剤の種類によっても相違するが、
例えば、次の通りである。
ジルコニアに対しY2O3の成分比が3モル%以上9モル未
満の範囲であれば、部分安定化ジルコニアとなり、9乃
至55モル%の範囲で安定化ジルコニアとなる。
満の範囲であれば、部分安定化ジルコニアとなり、9乃
至55モル%の範囲で安定化ジルコニアとなる。
また、ジルコニアに対しCaOの成分比が8乃至12モル%
の範囲であれば好ましい部分安定化ジルコニアとなり、
16乃至29モル%の範囲で安定化ジルコニアとなる。ジル
コニアに対しMgOの成分比が16乃至26モル%の範囲であ
れば、部分安定化ジルコニアとなる。
の範囲であれば好ましい部分安定化ジルコニアとなり、
16乃至29モル%の範囲で安定化ジルコニアとなる。ジル
コニアに対しMgOの成分比が16乃至26モル%の範囲であ
れば、部分安定化ジルコニアとなる。
本発明のセラミックスはジルコニア、安定化剤及び黒色
化成分を必須成分として含有するが上記成分以外の成分
の含有を排除するものではない。例えば、ジルコニア及
び安定化剤の両成分の混合粉砕時にボール等の粉砕媒体
を使用するときには、この粉砕媒体を構成する成分が混
合粉砕中に必然的に含有されるようになる。例えば、ア
ルミナ(Al2O3)等であり、これはセラミックス全体当
たり20重量%まで混入されることが許容される。
化成分を必須成分として含有するが上記成分以外の成分
の含有を排除するものではない。例えば、ジルコニア及
び安定化剤の両成分の混合粉砕時にボール等の粉砕媒体
を使用するときには、この粉砕媒体を構成する成分が混
合粉砕中に必然的に含有されるようになる。例えば、ア
ルミナ(Al2O3)等であり、これはセラミックス全体当
たり20重量%まで混入されることが許容される。
本発明に用いるZrO2原料粉末は平均粒径0.15μm以下、
好ましくは0.06μm以下がよい。あるいは水酸化ジルコ
ニウム等仮焼に伴ってZrO2粉末になるようなものであっ
てもよい。この水酸化ジリコニウム(ZrO2・xH2O)を用
いる場合、仮焼温度を高くするほどZrO2粉末の一次粒子
が大きくなるため仮焼温度を900乃至1050℃の範囲で変
えることにより、一次粒子の平均粒径が0.02乃至0.1μ
mのZrO2粉末が得られる。
好ましくは0.06μm以下がよい。あるいは水酸化ジルコ
ニウム等仮焼に伴ってZrO2粉末になるようなものであっ
てもよい。この水酸化ジリコニウム(ZrO2・xH2O)を用
いる場合、仮焼温度を高くするほどZrO2粉末の一次粒子
が大きくなるため仮焼温度を900乃至1050℃の範囲で変
えることにより、一次粒子の平均粒径が0.02乃至0.1μ
mのZrO2粉末が得られる。
また、安定化剤は平均粒径2μm以下、好ましくは1μ
m以下のものを用いるのがよい。あるいは所定量の安定
化剤が加えられた共沈ZrO2粉末を用いてもよく、この粉
末を用いると安定化剤とZrO2が一層緻密且つ均一に分布
した混合状態になるため、焼結体の結晶粒径が均一化さ
れるという利点を有する。
m以下のものを用いるのがよい。あるいは所定量の安定
化剤が加えられた共沈ZrO2粉末を用いてもよく、この粉
末を用いると安定化剤とZrO2が一層緻密且つ均一に分布
した混合状態になるため、焼結体の結晶粒径が均一化さ
れるという利点を有する。
本発明の第1焼成によれば、ジルコニアを主成分とした
母材に上述した安定化剤を所定量添加し、均一になるよ
うに十分に混合する。これを乾燥造粒して、所望の形状
に成形し、次いで該成形体をそれ自体公知の焼結条件で
焼成することができる。この焼結条件については酸化性
雰囲気、真空雰囲気、還元性雰囲気のいずれについても
採用することができるが、簡易に焼結条件が得られて製
造コストの低減ができるという利点から酸化性雰囲気で
の焼成が望ましい。
母材に上述した安定化剤を所定量添加し、均一になるよ
うに十分に混合する。これを乾燥造粒して、所望の形状
に成形し、次いで該成形体をそれ自体公知の焼結条件で
焼成することができる。この焼結条件については酸化性
雰囲気、真空雰囲気、還元性雰囲気のいずれについても
採用することができるが、簡易に焼結条件が得られて製
造コストの低減ができるという利点から酸化性雰囲気で
の焼成が望ましい。
また加圧焼結、無加圧焼結のいずれでもよく、HIP処理
を用いても何ら差支えない。
を用いても何ら差支えない。
一例として、安定化剤のY2O3を用いて部分安定化ジルコ
ニアとするためには総量中1乃至6モル%好適には2乃
至4モル%の配合比率となるようにY2O3を配合すればよ
く、焼成条件は1500℃以下、好適には1250乃至1500℃の
温度で加圧焼結又は無加圧焼結する。
ニアとするためには総量中1乃至6モル%好適には2乃
至4モル%の配合比率となるようにY2O3を配合すればよ
く、焼成条件は1500℃以下、好適には1250乃至1500℃の
温度で加圧焼結又は無加圧焼結する。
第1焼成により得られたジルコニアセラミックスは前述
した通り、周囲に黒色化成分を配置した非酸化性雰囲気
により埋め焼きを行う。この埋め焼きによれば、黒色化
成分をジルコニアセラミックスと当接して焼成すること
ができ、黒色化成分を表面全体にわたって均等に含浸さ
せることができるので望ましい。
した通り、周囲に黒色化成分を配置した非酸化性雰囲気
により埋め焼きを行う。この埋め焼きによれば、黒色化
成分をジルコニアセラミックスと当接して焼成すること
ができ、黒色化成分を表面全体にわたって均等に含浸さ
せることができるので望ましい。
また、この埋め焼きに関してジルコニアセラミックスの
容積に対する黒色化成分の容積の比率を3倍以上にし、
この成分をセラミックスの表面全体に概ね包囲すれば表
面より5mm以上にわたって黒色化成分を含浸させること
ができ、望ましくは前記比率を10倍以上に設定すればよ
い。
容積に対する黒色化成分の容積の比率を3倍以上にし、
この成分をセラミックスの表面全体に概ね包囲すれば表
面より5mm以上にわたって黒色化成分を含浸させること
ができ、望ましくは前記比率を10倍以上に設定すればよ
い。
更に焼成温度は1300乃至1600℃の温度範囲に設定するの
が望ましく、これにより黒色化成分の含浸が進行すると
共に単斜晶の生成による強度劣化や熱衝撃によるクラッ
クの発生を防止することができ、最適には1400乃至1600
℃の温度範囲に設定すればよい。そして、上述と同じ理
由により焼成温度は2乃至4時間に設定すればよい。
が望ましく、これにより黒色化成分の含浸が進行すると
共に単斜晶の生成による強度劣化や熱衝撃によるクラッ
クの発生を防止することができ、最適には1400乃至1600
℃の温度範囲に設定すればよい。そして、上述と同じ理
由により焼成温度は2乃至4時間に設定すればよい。
また焼成時の昇温速度及び冷却速度については、単斜晶
の生成による強度劣化や熱衝撃によるクラックを防止す
るために両者とも100乃至300℃/時間に設定するのが望
ましい。
の生成による強度劣化や熱衝撃によるクラックを防止す
るために両者とも100乃至300℃/時間に設定するのが望
ましい。
更にまた、この非酸化性雰囲気での焼成としては真空中
での焼成、窒素、アルゴン等の不活性ガスでの焼成があ
る。黒色化成分にカーボンを用いる場合、この焼成によ
り、焼成条件に応じて、ジルコニアの還元生成物、炭化
ジルコニウム或いはカーボンの少なくとも1種から成る
黒色成分が焼結成形体中表面から5mm以上にわたって生
成し、これにより黒色で、しかも深みのある艶をもった
鏡面の形成が可能となる。
での焼成、窒素、アルゴン等の不活性ガスでの焼成があ
る。黒色化成分にカーボンを用いる場合、この焼成によ
り、焼成条件に応じて、ジルコニアの還元生成物、炭化
ジルコニウム或いはカーボンの少なくとも1種から成る
黒色成分が焼結成形体中表面から5mm以上にわたって生
成し、これにより黒色で、しかも深みのある艶をもった
鏡面の形成が可能となる。
本発明の好適態様においては、非酸化性の焼成雰囲気中
にカーボンブラックの如きカーボンをセラミックスと当
接してカーボンをセラミックス中に含浸させるようにす
るに際して、そのセラミックスのカーボン含浸部のカー
ボン含有量が0.001重量%未満では黒色の呈色が不十分
となり、装飾部材として不向きである。逆に、1重量%
を越えると、曲げ強度及び靱性特性が劣化し、特に曲げ
強度が50Kg/mm2を越えることはなく、しかも、鏡面研摩
しても多くの空隙が顕著に現出する。
にカーボンブラックの如きカーボンをセラミックスと当
接してカーボンをセラミックス中に含浸させるようにす
るに際して、そのセラミックスのカーボン含浸部のカー
ボン含有量が0.001重量%未満では黒色の呈色が不十分
となり、装飾部材として不向きである。逆に、1重量%
を越えると、曲げ強度及び靱性特性が劣化し、特に曲げ
強度が50Kg/mm2を越えることはなく、しかも、鏡面研摩
しても多くの空隙が顕著に現出する。
従って、かかるジルコニアセラミックスのカーボン含浸
部のカーボン含有量は0.001乃至1重量%の範囲に設定
するのが望ましい。
部のカーボン含有量は0.001乃至1重量%の範囲に設定
するのが望ましい。
(実施例) (例1) 高純度のジルコニア粉末100重量部に対し安定化剤Y2O3
を5.7重量部加え、更に、水100重量部を加えて振動ミル
にて3日間粉砕し、乾燥した。これを120メッシュに通
し、パラフィンワックスを点火し、更に80メッシュに通
した。この混合物を成形1ton/cm2で5×5×50mmの形状
に成形し、酸化雰囲気中焼成温度1500℃で焼成したとこ
ろ部分安定化ジルコニアセラミックスを得た。次いでこ
のセラミックスをカーボンブラックの粉体が入っている
所定の容積を有する埋め焼き用容器に埋入させて焼成温
度1500℃、2時間で真空炉にて焼成し、次いで200℃/
時の速度で冷却した。尚、この埋め焼きにおいてはカー
ボンブラックの容積をセラミックスの容積の19倍に設定
した。
を5.7重量部加え、更に、水100重量部を加えて振動ミル
にて3日間粉砕し、乾燥した。これを120メッシュに通
し、パラフィンワックスを点火し、更に80メッシュに通
した。この混合物を成形1ton/cm2で5×5×50mmの形状
に成形し、酸化雰囲気中焼成温度1500℃で焼成したとこ
ろ部分安定化ジルコニアセラミックスを得た。次いでこ
のセラミックスをカーボンブラックの粉体が入っている
所定の容積を有する埋め焼き用容器に埋入させて焼成温
度1500℃、2時間で真空炉にて焼成し、次いで200℃/
時の速度で冷却した。尚、この埋め焼きにおいてはカー
ボンブラックの容積をセラミックスの容積の19倍に設定
した。
そして、このセラミックスを鏡面研摩したところ、いず
れもアルミナセラミックスに比べ容易に研摩が出来、こ
の鏡面の性状を確かめたところ、滑らかで深みのある艶
を有した鏡面となり、好適な装飾部材となることが判っ
た。また、このセラミックスを切断して切断面を鏡面加
工したところ、目視及び顕微鏡により内部にまで完全に
黒色化しているのを確認した。また、このセラミックス
のカーボン含有量は0.004重量%であった。
れもアルミナセラミックスに比べ容易に研摩が出来、こ
の鏡面の性状を確かめたところ、滑らかで深みのある艶
を有した鏡面となり、好適な装飾部材となることが判っ
た。また、このセラミックスを切断して切断面を鏡面加
工したところ、目視及び顕微鏡により内部にまで完全に
黒色化しているのを確認した。また、このセラミックス
のカーボン含有量は0.004重量%であった。
次に、このセラミックスの抗折強度及び靱性を測定し
た。
た。
抗折強度の測定はJIS R 1601の3点曲げ試験法に、靱性
の測定はセラミックスがマイクロクラックの成長により
破壊する際の臨界応力拡大係数をセラミックスの靱性特
性としてS・E・N・B(Single Edge Notched Beam)
法にそれぞれ従った。その結果、曲げ強度は100Kg/m
m2、靱性は12MN/m3/2なり、部分安定化ジルコニアセラ
ミックスの好適な特性値から得られた。
の測定はセラミックスがマイクロクラックの成長により
破壊する際の臨界応力拡大係数をセラミックスの靱性特
性としてS・E・N・B(Single Edge Notched Beam)
法にそれぞれ従った。その結果、曲げ強度は100Kg/m
m2、靱性は12MN/m3/2なり、部分安定化ジルコニアセラ
ミックスの好適な特性値から得られた。
本発明者等は、例1に基づいて、適切な条件により種々
の大きさのジルコニアセラミックスを作製したところ、
厚み10mmまでは内部が均一に黒色化したセラミックスが
容易に得られることが判った。
の大きさのジルコニアセラミックスを作製したところ、
厚み10mmまでは内部が均一に黒色化したセラミックスが
容易に得られることが判った。
(例2) 次に、ジルコニア粉末に安定化剤と共に、周知の黒色顔
料を含有させ焼結したジルコニアセラミックスを比較例
として述べる。
料を含有させ焼結したジルコニアセラミックスを比較例
として述べる。
高純度のジルコニア粉末100重量部に対し、安定化剤Y2O
35.3重量部、並びに周知の黒色顔料としてCr、Co、Mn及
びNiの酸化物粉末を合計して15重量部加えて湿式粉砕
し、乾燥した。これを120メッシュに通し、パラフィン
ワックスを添加し、更に、80メッシュに通した。この混
合物を成形圧1ton/cm2で5×5×50mmの形状に成形し、
脱バインダ後、焼成温度1450℃の真空炉で焼成した。
35.3重量部、並びに周知の黒色顔料としてCr、Co、Mn及
びNiの酸化物粉末を合計して15重量部加えて湿式粉砕
し、乾燥した。これを120メッシュに通し、パラフィン
ワックスを添加し、更に、80メッシュに通した。この混
合物を成形圧1ton/cm2で5×5×50mmの形状に成形し、
脱バインダ後、焼成温度1450℃の真空炉で焼成した。
かくして、得られた焼結体は例1で得られたセラミック
スと同様に滑らかで深みのある艶を有した鏡面に加え、
黒色度が増大した深い黒光を有していたが、曲げ強度及
び靱性特性はそれぞれ35Kg/mm2及び3MN/m3/2となり、い
ずれも著しく劣っていた。
スと同様に滑らかで深みのある艶を有した鏡面に加え、
黒色度が増大した深い黒光を有していたが、曲げ強度及
び靱性特性はそれぞれ35Kg/mm2及び3MN/m3/2となり、い
ずれも著しく劣っていた。
また、本発明者等は他の実施例として、部分安定化ジル
コニアセラミックスを製作するために安定化剤CaO、Mg
O、CeO2等の安定化剤を単独に添加した場合、Y2O3(2
モル%)-CeO2(3モル%)の2種の安定化剤を添加し
た場合についても実験したところ、例1と同様に優れた
黒色鏡面、並びに曲げ強度及び靱性特性の向上が確認で
きた。
コニアセラミックスを製作するために安定化剤CaO、Mg
O、CeO2等の安定化剤を単独に添加した場合、Y2O3(2
モル%)-CeO2(3モル%)の2種の安定化剤を添加し
た場合についても実験したところ、例1と同様に優れた
黒色鏡面、並びに曲げ強度及び靱性特性の向上が確認で
きた。
更に、安定化ジルコニア系黒色部材については安定化剤
の添加量を前記実施例よりも大幅に多くし、即ち、ジル
コニア粉末に対しY2O3の成分比9乃至55モル%、またCa
Oの成分比を16乃至29モル%にし、この組成からなる未
焼結成結体を酸化雰囲気中に焼成し、次いで例1の通
り、埋め焼きを行い、然る後鏡面研摩することにより黒
光りの加わった深みのある艶を有した黒色鏡面が得られ
た。
の添加量を前記実施例よりも大幅に多くし、即ち、ジル
コニア粉末に対しY2O3の成分比9乃至55モル%、またCa
Oの成分比を16乃至29モル%にし、この組成からなる未
焼結成結体を酸化雰囲気中に焼成し、次いで例1の通
り、埋め焼きを行い、然る後鏡面研摩することにより黒
光りの加わった深みのある艶を有した黒色鏡面が得られ
た。
以上の通り、本発明の黒色化法によれば、従来周知の黒
色顔料入りのアルミナセラミックスに比べてジルコニア
セラミックス自体が有している強度や靱性を発揮させる
ことができ、対物衝撃に優れた装飾部材に好適なジルコ
ニアセラミックスが提供できた。また、装飾部材という
観点からすれば、アミルミナセラミックスに比べてボイ
ドの欠陥がなくなり、鏡面研摩により艶のある鏡面が提
供できた。
色顔料入りのアルミナセラミックスに比べてジルコニア
セラミックス自体が有している強度や靱性を発揮させる
ことができ、対物衝撃に優れた装飾部材に好適なジルコ
ニアセラミックスが提供できた。また、装飾部材という
観点からすれば、アミルミナセラミックスに比べてボイ
ドの欠陥がなくなり、鏡面研摩により艶のある鏡面が提
供できた。
更に、本発明においては、焼結体の内部にまで黒色化す
ることができ、そのため製造条件の設定が容易であり、
鏡面研摩しても深みのある艶を有した黒色が表面全体に
均一に有する黒色ジルコニアセラミックスが提供でき
た。
ることができ、そのため製造条件の設定が容易であり、
鏡面研摩しても深みのある艶を有した黒色が表面全体に
均一に有する黒色ジルコニアセラミックスが提供でき
た。
かくして、得られるジルコニアセラミックスは時計ケー
ス、文字盤、タイピン、スパイク鋲、盾、ブレスレッ
ト、リング、ボタン、ペンダント等の装飾用部材として
賞用され、また高強度・高靱性特性により各種の機械部
品にも用いることができる。
ス、文字盤、タイピン、スパイク鋲、盾、ブレスレッ
ト、リング、ボタン、ペンダント等の装飾用部材として
賞用され、また高強度・高靱性特性により各種の機械部
品にも用いることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】ジルコニアを主成分として安定化剤を含む
原料粉末より成形体を形成し、該成形体を焼結した後、
得られた焼結体の周囲にカーボンを配置し、非酸化性雰
囲気中で焼成する工程を経て、該焼結体の表面から5mm
以上にわたって黒色化成分を存在せしめることを特徴と
するジルコニアセラミックスの黒色化法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60245577A JPH0679987B2 (ja) | 1985-10-31 | 1985-10-31 | ジルコニアセラミツクスの黒色化法 |
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