JP2610060B2 - 防水用ゴム組成物,それを用いた電線接続用絶縁性防水材 - Google Patents
防水用ゴム組成物,それを用いた電線接続用絶縁性防水材Info
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Description
たはシート状の形状をしている電線接続用絶縁性防水材
に関し、更に詳しくは、弾性の保持性能が優れていて、
その弾性で良好な防水性を確保し、しかも再使用するこ
とができる電線接続用絶縁性防水材に関する。
わせたのち、例えば、まず互いの導体を接続し、ついで
接続部の外周に、特公昭33−1486号公報に記載されてい
るような自己融着性の絶縁テープを巻回し、更にその上
に、特公昭32−2786号公報に記載されているような緊縮
力を備えていて、かつ、保護性能を有する自己融着絶縁
テープを巻回することにより前記接続部の絶縁性を確保
すると同時に、外部から接続部に水が浸入することを防
止する処置が採られている。
な自己融着性のシール材を配置したのち、この接続部の
両端を跨がるようにして接続部の全体に絶縁シートや絶
縁カバーを取付けるという方法も採用されている。
性のシール材は、いずれも、主として未加硫のブチル系
ゴムなどを用いている。したがって、これら従来の絶縁
性防水材の場合は、上記した未加硫のブチル系ゴムなど
が電線接続部に強固に融着することにより防水性が確保
される。
を巻回してしまうと、その強固な融着力によりそれを剥
離することが困難である。したがって、電線の接続部を
別の個所に変更する必要が生じた場合であっても、既に
接続した部分を解体することは非常に困難であった。
離すると、仮にそれを再び他の接続部を巻回して用いよ
うとしても、既にその融着能が消失していて、接続部の
防水性を再度満足のいく状態に確保することができな
い。すなわち、再使用は不可能である。
プやシール材のような電線接続用絶縁性防水材における
上記問題を解決し、絶縁性や防水性が良好であることは
もち論のこと、接続部の解体作業も容易に行うことがで
き、しかも再使用しても接続部の防水性を再び良好に確
保することができる電線接続用絶縁性防水材とその素材
として有用な防水性ゴム組成物の提供を目的とする。
JISK6300で規定するムーニー粘度ML1+4(121℃)が100
以上である高分子量のエチレン−プロピレンゴム100重
量部,パラフィン系オイル300〜600重量部,および有機
過酸化物1〜15重量部を必須成分とする防水性ゴム組成
物が提供され、それを成形加硫して成る、とりわけテー
プ状またはシート状に成形加硫して成ることを特徴とす
る電線接続用絶縁性防水材が提供される。
成物を、とりわけ、テープ状またはシート状に成形加硫
したものである。
縁性のエチレン−ブロピレンゴムであり、これがベース
ポリマーになっている。このエチレン−プロピレンゴム
としては、エチレン−プロピレン共重合体(EPM)と、
このEPMに更に第3成分としてジシクロペンタジエン,
エチリデンノルボルネン,1,4−ヘキサンジエンのような
非共役ジエンを加えて不飽和結合を導入したエチレン−
プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)とをあげるこ
とができる。
のが用いられる。具体的には、ムーニー粘度ML1+4(121
℃)で100以上のものが用いられる。このムーニー粘度M
L1+4(121℃)が100より低いものは、低分子量であるた
め軟らかすぎて形状保持能が小さいので、後述するテー
プ状やシート状に成形加硫加工して防水材にするとき
に、例えば成形機のロールなどに粘着して成形が困難に
なったり、また防水材として電線接続部に巻回したとき
に、その緊締力によって大きく塑性変形することがあ
り、接続部の防水性能を低下を招くようになるからであ
る。
を高めるために、パラフィン系,ナフテン系,アロマテ
ィック系などのゴム配合油の所定量を配合した油展品と
して市販されているが、本発明で用いるエチレン−プロ
ピレンゴム油展品の場合には、配合されているゴム配合
油が後述する第2の必須成分であるパラフィン系オイル
であり、しかも100重量部油展品(エチレン−プロピレ
ンゴム100重量部に対しパラフィン系オイル100重量部で
油展したもの)でそのムーニー粘度ML1+4(100℃)が35
以上、40部油展品(エチレン−プロピレンゴム100重量
部に対しパラフィン系オイル40重量部で油展したもの)
でそのムーニー粘度ML1+4(121℃)が50以上のものであ
る。
関係が知られている。
1+4(121℃)をBとすると、A,Bの間には、 A=1.4×B(A>B) の関係が成立する。
づいて行われる。
00℃)が35の油展品のムーニー粘度ML1+4(121℃)は35
/1.4=25になる。
イルである。具体的には、流動パラフィン,パラフィン
系プロセスオイルまたはこれらの混合オイルである。
ピレンゴムとの相溶性が良好で、後述するゴム組成物の
成形加工時にその組成物がロールなどに粘着することを
防止し、そして得られた防水材を適度に軟質にしてその
防水性を確保するために必要な成分である。
合油を用いると、組成物がロールなどに粘着してしまっ
てその成形加工性が悪くなるばかりではなく、上記配合
油はエチレン−プロピレンゴムとの相溶性が劣るので時
間が経過すると、製造した防水材の表面にプリードして
きてしまう。
ロセスオイルを使用する場合、その粘度比重定数(VG
C)が0.849以下、好ましくは0.819以下のものを使用す
ることが好ましい。
ルは、前記したナフテン系やアロマティク系の性状に近
づき、上記したような不都合な問題が生じはじめるから
である。
必須成分のエチレン−プロピレンゴム100重量部に対
し、300〜600重量部に設定される。
有機過酸化物の配合量とも関係するが、得られた防水材
が硬くなりすぎて弾力性を失い、これを電線接続部に巻
回しても接続部に密着せず、その結果、防水性が確保さ
れないという問題が生ずる。また、配合量が600重量部
より多い場合は、ゴム組成物が軟らかくなりすぎて、テ
ープ状やシート状に成形加工することが困難になる。好
ましい配合量は、エチレン−プロピレンゴム100重量部
に対し350〜500重量部である。
具体的には、ジクミルパーオキサイド,ベンゾイルパー
オキサイド,1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン、ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシンなどをあげ
ることができる。
マー、オキシム化合物をあげることができる。
ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(TRA);
多官能モノマーの代表例としては、ジメタクリル酸エチ
レングリコール,トリアリルイソシアヌレート,ジビニ
ルベンゼン,ジアリルフタレート,メタフェニレンビス
マレイミド,トレイレンビスマレイミド;オキシム化合
物の代表例としては、p−キノンジオキシム,P,P′−ベ
ンゾイルキノンジオキシムがある。
〜6.0重量部が通常量である。
レン−プロピレンゴムに遊離基を発生させ、この遊離基
によってゴム分子間を相互に架橋して、イオウによる加
硫の場合と同等の効果を実現するために配合される。
で架橋した場合、得られた加硫体は、イオウによる加硫
体の場合よりもその圧縮永久歪みが一般に小さくなる。
すなわち、エチレン−プロピレンゴムの過酸化物加硫体
は、柔軟で弾性の保持能力が優れているという性状を備
えている。
続部を緊締すると、この弾性によって防水材は接続部と
密着して圧着され、結果として良好な防水性が確保され
る。しかも、この加硫体は粘着性が小さいので、その緊
締の解除、すなわち、解体もスムースに行うことができ
る。
ゴム100重量部に対し1〜15重量部に設定される。
橋度合が小さく、得られた過酸化物加硫体の粘着性が大
きくなって成形加工性の低下を招き、また15重量部より
多い場合は、架橋度合が大きくなりすぎて、過酸化物加
硫体が弾性を失いはじめ、防水性が消失するからであ
る。好ましい配合量は、エチレン−プロピレンゴム100
重量部に対し3〜10重量部である。
水性ポリマーを配合すると、その防水材で電線を接続し
たとき、その接続部に外部から例えば雨や湿気によって
水分の浸入があった場合でも、この高吸水性ポリマーが
浸入水を吸収するので、接続部の防水効果が一層向上し
て有効である。
セルロース系,蛋白系のような天然高分子系統のもの
や、ポリビニルアルコール系,アクリル系,ポリエーテ
ル系などの合成高分子系統のものを用いることができる
が、これらのうち、実用上は、合成高分子系統のもの、
とりわけ、ポリビニルアルコール系やアクリル系のもの
が好適である。
エチレンアルキルフェニルエーテル,ポリオキシエチレ
ン・ポリオキシプロピレンブロックポリマーのような界
面活性剤を配合すると吸水性が一層向上して効果的であ
る。
ロニトリル−ブタジエンゴム,塩素化ポリエチレン,ク
ロロスルホン化ポリエチレンのような耐油性ゴムを配合
して防水材の耐油性を向上させることもできる。ただ
し、この場合、得られる妨水材の硬さ、弾性の保持能力
が低下しないように、これらの配合量は適正に管理され
ることが必要である。
が低いエチレン−プロピレンゴムを適量配合してもよ
い。
キノリン系,p−フェニレンジアミン系,亜リン酸エステ
ル系のような老化防止材なども、防水材の性状を劣化さ
せない範囲で配合することもできる。
られるゴム組成物を、例えばロール成形機でテープ状ま
たはシート状に成形したのち、140〜170℃の温度で10〜
16分間程度加熱して、エチレン−プロピレンゴムの分子
間を架橋することにより柔軟な過酸化物加硫体として製
造することができる。この防水材は、非常に柔軟性に富
むと同時に弾力性にも富んでいる。
の防水材を適切な緊締力で巻回し、更にその上から、特
公昭32−2786号公報に記載されている自己融着性の絶縁
テープのような緊縮力を有するテープやシート、または
機械的強度の大きいプラスチックカバーで被覆すればよ
い。
接続部に圧着されてそこに密着し、その部分の防水性を
確保する。しかも、防水材は架橋された材料であるた
め、接続部に密着していても融着はしていないので、後
日の解体時にもその接続部の解体は容易である。そし
て、解体後の防水材は再び使用することができる。
接続部への巻回時の緊締力が強すぎると、幅や厚み方向
に変形して、巻回状態にばらつきが生じ防水性が一定に
確保されないという問題を招くことがある。
は例えばロール成形するときに、変形しない網目状の芯
材、例えば目の粗い織物、寒冷紗などと一体に複合すれ
ばよい。
締力を受けても芯材は変形しないので、防水材の幅や厚
みは保持された状態で電線の接続部に巻回することがで
き、巻回状態のばらつきを小さくすることができる。ま
た、解体時にも防水材を変形させることなく巻きほぐす
ことができる。
たのち、ロール成形してシート状にし、そのシートを温
度160℃で20分間熱処理して過酸化物加硫体とし、つい
で、これを裁断して、幅30mm,厚み1mmの防水テープを製
造した。
測定し、また圧縮永久歪みをJISK6301に準拠(70℃,22
時間)して測定した。以上の結果をロール成形の状態と
一緒に第1表に示した。
合わせて導体接続を行ない、その両端に、実施例1〜6
のテープ,比較例4のテープ,比較例5のテープを巻回
し、更にその上を両端に跨がって緊縮力のある粘着シー
トで緊締してケーブルの接続処理を行った。
ら30日経過後の防水性を、JISC0920で規定する保護等級
3にて試験し、その後、接続部を解体した。
○,粘着力が大きく解体が困難を×としてそれぞれ評価
し、その結果を第2表に示した。
ルを接続処理し、そのときの防水性を調べ、その結果も
第2表に併記した。
れている自己融着性テープ、およびブチルゴム系のシー
ルテープを用いて同様の接続,解体を行い、その結果
を、比較例6,比較例7として第2表に示した。
成物は、JISK6300で規定するムーニー粘度ML1+4(121
℃)が100以上である高分子量のエチレン−プロピレン
ゴム100重量部,パラフィン系オイル300〜600重量部,
および有機過酸化物1〜15重量部を必須成分とするし、
また電線接続用絶縁性防水材は、上記組成物を、テープ
状またはシート状に成形加硫したものであるので、その
優れた弾性力で接続部に密着して良好な防水性を確保す
ることができ、また加硫体であるため粘着性が大きくな
いので解体性も良好で再使用が可能である。したがっ
て、新たな防水材としてその工業的価値は大である。
Claims (5)
- 【請求項1】JISK6300で規定するムーニー粘度ML1+4(1
21℃)が100以上である高分子量のエチレン−プロピレ
ンゴム100重量部,パラフィン系オイル300〜600重量
部,および有機過酸化物1〜15重量部を必須成分とする
ことを特徴とする防水用ゴム組成物。 - 【請求項2】前記ゴム組成物に高吸水性ポリマーが配合
されている請求項1に記載の防水用ゴム組成物。 - 【請求項3】請求項1又は2の防水用ゴム組成物を成形
加硫してなることを特徴とする電線接続用絶縁性防水
材。 - 【請求項4】前記防水用ゴム組成物をテープ状またはシ
ート状に成形加硫してなる請求項3の電線接続用絶縁性
防水材。 - 【請求項5】網目状の芯材が複合一体化されていること
を特徴とする請求項3又は4に記載の電線接続用絶縁性
防水材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24672590A JP2610060B2 (ja) | 1990-09-17 | 1990-09-17 | 防水用ゴム組成物,それを用いた電線接続用絶縁性防水材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24672590A JP2610060B2 (ja) | 1990-09-17 | 1990-09-17 | 防水用ゴム組成物,それを用いた電線接続用絶縁性防水材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04126789A JPH04126789A (ja) | 1992-04-27 |
JP2610060B2 true JP2610060B2 (ja) | 1997-05-14 |
Family
ID=17152719
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24672590A Expired - Lifetime JP2610060B2 (ja) | 1990-09-17 | 1990-09-17 | 防水用ゴム組成物,それを用いた電線接続用絶縁性防水材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2610060B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4055093B2 (ja) * | 1998-07-06 | 2008-03-05 | 株式会社スリーボンド | 水膨潤性の止水用ゴム組成物 |
JP2008141906A (ja) * | 2006-12-05 | 2008-06-19 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 再使用可能な絶縁カバー |
JP2010288407A (ja) * | 2009-06-15 | 2010-12-24 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 架空配電線用絶縁カバー |
-
1990
- 1990-09-17 JP JP24672590A patent/JP2610060B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04126789A (ja) | 1992-04-27 |
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