JP2605674Y2 - 紙幣識別装置 - Google Patents

紙幣識別装置

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JP2605674Y2
JP2605674Y2 JP1993071452U JP7145293U JP2605674Y2 JP 2605674 Y2 JP2605674 Y2 JP 2605674Y2 JP 1993071452 U JP1993071452 U JP 1993071452U JP 7145293 U JP7145293 U JP 7145293U JP 2605674 Y2 JP2605674 Y2 JP 2605674Y2
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智弘 三村
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は紙幣識別装置に係り、特
に卓上において簡便に使用するに好適で、ICカード
(ROMカード又はRAMカード)を相互利用可能な紙
幣識別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から卓上等において紙幣(例えば米
ドル紙幣)の真偽を鑑別するため、簡便に使える卓上型
の紙幣識別装置が用いられている。従来のこの種の識別
装置として、たとえば実公平1−42210号公報に記
載のものがある。この公報に記載のものも卓上に置いて
その前面側の紙幣挿入口から紙幣を挿入すると、内部を
搬送される間に識別が行なわれ、正券紙幣であれば後方
の紙幣送出口から機体上面へ排出され、リジェクト紙幣
である場合には前面側の紙幣挿入口へ返却されるように
なされたものである。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】上記従来装置では、挿
入した紙幣がリジェクト紙幣である場合、そのリジェク
ト紙幣が紙幣挿入口へ返却されるので、後から挿入した
紙幣の先端と返却途上にあるリジェクト紙幣の先端とが
紙幣挿入口の近傍で衝突し、リジェクト紙幣が搬送系内
でジャミングを起こしたり、挿入紙幣およびリジェクト
紙幣の端縁を傷めるという問題があった。また、リジェ
クト紙幣の返却があったときは、紙幣挿入口へセットし
た紙幣を一旦取り除き、ついで返却されるリジェクト紙
幣を抜き取りその後改めて紙幣挿入口に次の紙幣をセッ
トし直さなければならず、きわめて面倒な操作を強いら
れると共に、稼働効率が悪いと言う問題があった。
【0004】更に、上記紙幣識別装置では鑑別や必要な
処理のためのプログラムを格納したROMを内臓してお
り、新たな偽造紙幣や新規流通の紙幣が市場に出回り始
めたら、その新たな紙幣の情報に対応して、ROMに格
納されている真正紙幣の情報及び偽造紙幣、新規流通紙
幣の情報を変更する必要がある。その場合、識別装置の
筐体を開けなければROMを交換出来ないので、ROM
等についての知識がない素人がROMを交換することは
現実的には不可能である。更に又、紙幣識別装置に通信
装置を接続してコンピュータ等を接続することが考えら
れ、このようにすれば新たな偽造紙幣が市場に出回り始
めたときに、真正紙幣の新たな情報と偽造紙幣の新たな
情報を紙幣識別装置に直ちに送ることができる。しか
し、この場合には、ユーザに通信装置を設置するための
費用が新たに必要であるという問題がある。
【0005】本考案は上述のような事情から成されたも
のであり、本考案の目的は、リジェット紙幣をその都度
取り除く手数を解消すると共に、搬送系内でのジャミン
グの発生を防ぎ、高能的に紙幣の識別作業を行うことが
でき、ROMカードの挿入によって識別判定用のプログ
ラムを置換し、RAMカードの挿入によって蓄積した情
報を収集できるようにした紙幣識別装置を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本考案は、挿入された紙
幣の真偽を鑑別してその鑑別処理に従って搬送処理する
卓上式の紙幣識別装置に関するもので、本考案の上記目
的は、全体の制御及び情報処理を行なう中央処理装置
と、前記中央処理装置に接続されたプログラムを格納し
た内臓ROMと、前記中央処理装置に接続され、前記制
御に必要なデータを記憶すると共に鑑別に必要な紙幣の
属性データを記憶する内臓RAMと、ROMカード又は
RAMカードの挿入を受入れるコネクタ部とを具備し、
前記内臓ROMは、紙幣搬送、表示等の装置の制御を行
なう制御プログラムと、紙幣を鑑別するための判定式、
センサからのデータ及び前記判定式から紙幣鑑別を行な
う鑑別プログラムとを格納し、前記コネクタ部に前記R
OMカードが挿入された場合には前記判定式及び鑑別プ
ログラムを使用せずに、前記ROMカードに格納されて
いる判定式及び鑑別プログラムを使用するようになって
いると共に、前記コネクタ部に前記RAMカードが挿入
された場合には、前記内臓RAMに記憶されている挿入
紙幣から得られる紙幣の属性データを前記RAMカード
に書込むことによって任意の紙幣の属性データを収集す
ることによって達成される。
【0007】
【作用】本考案の紙幣識別装置が有する内臓ROMは、
装置制御プログラムと、鑑別に必要な判定式でできた判
定テーブルと、センサから得て内蔵RAMに記憶された
紙幣の属性データを参照して判定テーブルから演算を行
ない、紙幣の金種等を判定する鑑別プログラムとを有し
ており、ROMカードが挿入されるとそれを検知して、
内臓ROM内の判定テーブル及び鑑別プログラムを使用
せずにROMカードに用意されている判定テーブル及び
鑑別プログラムを使用する。又、RAMカードが挿入さ
れると、紙幣が挿入される度に内蔵RAMに上書きされ
て記憶される紙幣の属性データをRAMカードに転送
し、データ蓄積後にRAMカードを識別装置から取外
し、所定の装置(例えばパソコン等のデータ処理装置)
に装填することによって、RAMカードに書込まれた紙
幣の属性データを処理、分析することができる。これに
よって、新しく紙幣が発行された場合や偽造券が出回っ
た場合には、その紙幣に対応する判定テーブルを速やか
に開発することができる。
【0008】
【実施例】以下、本考案を、図面に示す実施例を参照し
て説明する。
【0009】図1は本考案による紙幣識別装置1の外観
を示し、図2はその縦断側面を、図3は紙幣識別搬送路
2の平面をそれぞれ示している。
【0010】機体3は卓上等に安定して置くことができ
る細長形状を有するもので、その前面側(図1では左
側、図2、図3では右側)に紙幣50を1枚ずつ挿入し
得る紙幣挿入口4が設けられ、その下方の前面には、リ
ジェクト紙幣排出口5aが開口されている。紙幣挿入口
4の上部には表示部6が設けられており、前面左右には
スタートボタン7、ストップボタン8、クリアボタン9
などの操作部材が配設されている。機体3の後方上部に
は機体の一部が上方へ突出され、その突出部3aの一面
に前方に向け開口する紙幣送出口10が設けられ、この
送出口10と前記表示部6の背部側との間の機体上面が
紙幣のスタック部11とされている。又、機体3の後面
側部には、本考案に用いるROMカード100又はRA
Mカード101の挿入を受入れるコネクタ部102が設
けられている。
【0011】機体3の内部には、紙幣挿入口4から紙幣
送出口10にわたる紙幣識別搬送路2が設けられてい
る。この搬送路2は機体3の内部にその長手方向両側に
配設された機枠12,12を有し、この機枠12,12
間に駆動回転される搬送ローラ13,14,15が軸1
6,17,18に固定して設けられ、またこれらのロー
ラに押し付けられて従動回転するローラ13´,14
´,15´(図3では省略)が設けられ、これら上下の
ローラ間で紙幣50を挟持搬送するようになっており、
水平搬送区間には紙幣50の上下を案内するガイド板1
9,20が対設されており、この水平搬送区間より下位
で紙幣挿入口4の下方位置にはリジェクト紙幣収納部5
が設けられている。
【0012】上記水平搬送区間の後端には、上方に立上
がるようにプーリー21,22,23間に巻回されたベ
ルト24と、このベルト24に沿うようにプーリー2
5,26間に巻回されたベルト27が配設され、さらに
プーリー23に対向してベルト24を押圧するローラ2
6Aが設けられ、プーリー23とローラ26Aとの間か
ら前記紙幣送出口10へ紙幣50を送出するようになっ
ている。尚、プーリー26、ローラ26A間には紙幣ガ
イド板19Aが設けられている。
【0013】前記水平搬送区間には、紙幣識別部を構成
するカラーセンサS及びS、磁気センサS2a,S
2b,S2c,蛍光センサSがそれぞれ配置されてい
る。尚、カラーセンサS,蛍光センサSは各々投受
光タイプのセンサであり、紙幣識別通路2の上下に対を
なすように設けられており、カラーセンサSは反射式
の投受光タイプの光学センサとなっている。カラーセン
サS及びS、磁気センサS2a〜S2c及び蛍光セ
ンサSに関しては後述する。
【0014】カラーセンサS及びSと磁気センサS
との間には切換装置28が設けられている。この切換
装置28は、機枠12,12間に支持された軸29に基
部が固定された2つの切換部材30,30を有し、この
切換部材30,30は前記搬送路2の各ローラによる紙
幣の搬送経路に交差する進出位置と、この経路より下位
に下がる退去位置とにわたり変位可能とされ、図示しな
いストッパにより進出位置と退避位置との各位置が定め
られるようになっている。
【0015】軸29の切換部材30,30より外側位置
にはローラ31,31が固定され、また切換部材30,
30の間の軸29上には太鼓形のローラ31Aが回転自
在に設けられ、このローラ31Aの下部位置にはプーリ
ー32Aが設けられている。ローラ14の軸17上のプ
ーリー32とプーリー32Aとの間にベルト33が巻装
されていて、切換部材30,30が進出位置に置かれた
とき、この切換部材30,30の下面とベルト33との
間に紙幣50が通過できる間隔が形成されるようになっ
ている。尚、プーリー32Aは、図示しないアームに支
持され、このアームを通じてベルト33の緊張とプーリ
ー32Aのローラ31Aへの押し付けが保証されてい
る。上記軸17上のプーリー32には一方向クラッチ3
4が内臓されている。この一方向クラッチ34は、正転
方向には不回転とし、逆転方向(図では時計方向)には
回転を許容するものである。この一方向クラッチ34の
存在理由は後述する。
【0016】切換部材30,30を支持している軸29
は摩擦クラッチ35を介して回転されるもので、軸29
端に固着の固定摩擦部材36と軸29上のプーリー37
に対しバネ38を介して弾圧され、軸29上を摺動可能
な可動摩擦部材39とが摩擦接触されており、プーリー
37の回転が摩擦クラッチ35を介して軸29に伝達さ
れるようになっている。
【0017】駆動系は、図3、図4に示すように、可逆
モータ40により回動されるギヤ41から軸18上のギ
ヤ42に回転が伝達され、この軸18上のプーリー43
から軸17,29,16上のプーリー44,37,45
にかけてベルト46が巻装され、また、軸18上の他の
プーリー47と軸48上のプーリー49とにベルト60
が巻装されていて、これらにより全ての軸が正転駆動又
は逆転駆動されるようになっている。尚、上記実施例で
は、切換部材30,30の切換動作を駆動系の回転によ
りクラッチ35を介して行なうようにしているが、これ
は他にソレノイドを用い、識別信号により励磁して切換
えるようにしてもよい。又、紙幣識別搬送路2はローラ
構造としているが、ベルト構造であってもよい。
【0018】次に、本紙幣識別装置1の内部構成につい
て説明すると、図6は回路系を示すブロック図である。
メカクロック機構103は機体3内の紙幣識別搬送路2
に設けられており、紙幣の搬送距離に応じたタイミング
信号TSを出力し、中央処理装置(以下、単にCPUと
する)110に入力されている。CPU110は識別装
置1全体の制御及び紙幣鑑別の情報処理を行うようにな
っており、必要なプログラムを格納したROM111
と、制御や情報処理に必要なデータを格納するRAM1
12とが接続されており、スタートボタン7等の操作部
材からの信号がCPU110に入力される。又、コネク
タ部102はCPU102に接続されており、CPU1
10とコネクタ部102に挿入されたROMカード10
0又はRAMカード101との間でデータ(プログラ
ム)の授受を行なうようになっており、CPU110は
更に駆動回路104を介して可逆モータ40を回転駆動
するようになっている。
【0019】一方、磁気センサS2a〜S2cからの検
知信号は増幅器120で増幅されて後に、A/D変換器
121でディジタル値に変換されてCPU110に入力
され、蛍光センサSの検知信号も増幅器122で増幅
されて後に、A/D変換器123でディジタル値に変換
されてCPU110に入力される。又、透過式のカラー
センサSの投光部材(発光ダイオード)の光量は、D
/A変換器130を介してCPU110によって制御さ
れ、紙幣50の透過光量信号は増幅器124で増幅され
て後に、A/D変換器125でディジタル値に変換され
てCPU110に入力される。一方、反射式のカラーセ
ンサSの投光部材(発光ダイオード)の光量は、D/
A変換器131を介してCPU110によって制御さ
れ、紙幣50の反射光量信号は増幅器126で増幅され
て後に、A/D変換器127でディジタル値に変換され
てCPU110に入力される。
【0020】ROMカード100には、新たな偽造紙幣
や新規流通の紙幣が市中に出回ったときに対応するため
の判定式及び鑑別プログラムが格納されており、RAM
カード101には、CPU110を介してRAM112
の格納データを吸い上げて格納する機能が具備されてい
る。ROM111,RAM112とROMカード10
0、RAMカード101とのメモリマップは図7に示す
ようになっており、アドレス“0000”より“7FF
F(16進表示)”がROM領域(32K)となってお
り、通常処理領域と判定処理領域とに分かれている。
又、アドレス“8000(16進表示)”以降の22K
領域がICカード領域となっており、ROMカード10
0がコネクタ部102に挿入された場合には判定処理領
域となり、RAMカード101が挿入された場合にはデ
ータ収集用の領域となる。アドレス“D800(16進
表示)”以降はRAM領域となっている。
【0021】このような構成において、その動作を図8
のフローチャートを参照して説明する。先ず、スタート
ボタン7等の操作によって動作がスターとすると、回路
系及び機械系の必要なイニシャル処理が行なわれ(ステ
ップS1)、CPU110は紙幣識別装置1にICカー
ドが挿入されているか否か、挿入されていればROMカ
ード100又はRAMカード101かを判別する。この
場合、図7のメモリマップに従って先ずアドレス“80
00”にデータ“aa”が存在するか否かを判定し(ス
テップS2)、データ“aa”が存在すればROMカー
ド100が挿入されていると判定し(ステップS3)、
データ“aa”が存在しなければROMカード100は
挿入されていないと判定する。そして、ROMカード1
00が挿入されていない場合には、CPU110は更に
アドレス“8000”に所定の値を書込むと共に、その
書込値を読取る(ステップS10)。書込値と読取値が
等しければRAMに情報が書込まれていると判断される
ので、RAMカード101が挿入されていると判断され
(ステップS11)、読取値が書込値と異なればRAM
に情報が書込まれているとは判断できないので、カード
無しと判定する(ステップS14)。
【0022】カード無しと判定された場合には内臓RO
M111の判定式を使用した処理(ステップS15)と
なるが、次にその動作を説明する。紙幣挿入口4から紙
幣50を挿入すると、その紙幣50は機体3内の紙幣識
別搬送路2の正転駆動により後方へ搬送され、その搬送
路2に設けられたカラーセンサS及びS、磁気セン
サS2a,S2b,S2c,蛍光センサSにより真偽
等が識別される。即ち、磁気センサS2a〜S2cは搬
送される紙幣50に対して、図9の(A)に示す如く、
ラインL1〜L3上の磁気量及び磁気量分布を計測し、
例えばラインL2に関しては同図(B)に示すようなデ
ータを得る。蛍光センサSは紙幣50の光量及び分布
を計測することにより紙質を識別し、透過式のカラーセ
ンサSは紙幣50の厚み、長さを計測し、反射式のカ
ラーセンサSは紙幣50の光量及び分布を計測するこ
とにより、インクの材質を識別する。CPU110は上
記各結果に基づいて、紙幣50の真偽鑑別を行なうが、
その鑑別はROM111の判定処理領域に格納されてい
る鑑別プログラムに従って行なわれる。例えば磁気量及
びその分布が図9(B)の場合、その判定式は、数1の
ようになっている。
【数1】a−b≧A1 a−c≧B1 このとき切換部材30,30は、プーリー37の正転に
より軸29が摩擦クラッチ35を介して回転され、搬送
路2から退避した位置で図示しないストッパに係止さ
れ、以後プーリー37は摩擦クラッチ35の滑りにより
空転する。
【0023】前述の識別結果が正券紙幣と判断された場
合はそのまま搬送されて紙幣送出口10から送出され、
スタック部11上に集積される。上記識別部の各センサ
によりリジェクトすべき紙幣と判断された場合は、その
識別信号によりそのリジェクト紙幣の後端が蛍光センサ
を通過した時点でモータ40が逆転駆動し、ベルト
46に接触しているプーリー37が逆転することにより
軸29が摩擦クラッチ35を介して回され、切換装置2
8の切換部材30,30が搬送路2と交差する位置(図
2の状態)に進出して図示しないストッパに係止されて
停止し、以後プーリー37は摩擦クラッチ35の滑りに
より空転する。
【0024】したがって送出されるリジェクト紙幣は、
切換部材30,30と、一方向クラッチ34を介して逆
転するベルト33との間に進入し、ベルト33とこのベ
ルト33に追従回転するローラ31Aとの間にくわえ込
まれてリジェクト紙幣収納部15内へ送入される。リジ
ェクト紙幣収納部5へ送入されたリジェクト紙幣は、そ
の一端が機体3の前面のリジェクト紙幣排出口5aから
突出し、取出すことができる状態に収納される。
【0025】リジェクト紙幣がリジェクト紙幣収納部5
へ収納された時点(実際はリジェクト紙幣が逆送されて
その紙幣の後端がセンサSを通過した後、所定時間経
過時点)で次の紙幣を受入れるために可逆モータ40が
正転回転し、ローラ13,14,15、ベルト24,2
7、ローラ26Aが正転される。ここで軸17とローラ
32との間に一方向クラッチ34が介在されていずに軸
17とローラ32が固定されていると仮定すると、前述
のローラ14の正転時にローラ32、ベルト33、ロー
ラ32Aも正転され、リジェクト紙幣の後端がベルト3
3、ローラ31A近傍にある場合にはにリジェクト紙幣
の後端がベルト33、ベルト31Aに再度くわえこまれ
て、リジェクト紙幣収納部5から紙幣識別搬送路2へ再
び送り出され、次の挿入紙幣と重なった状態で正転方向
へ搬送される不都合が生じる。そこで軸17とローラ3
2の間に一方向クラッチ34を介在させ、可逆モータ4
0の正転回転時にはローラ14、ベルト33を回転させ
ないようにしている。ローラ31Aもベルト33が押圧
されるので逆転しかされず、モータ40の正転時はベル
ト33の停止を通じて停止が維持され、挿入されて正転
送りされる紙幣の下面のガイドとして機能する。
【0026】一方、上記ステップS2及びS3でROM
カード100がコネクタ部102に挿入されていると判
定されると、内臓ROM111の鑑別プログラム及び判
定式は使用せず、ROMカード100の鑑別プログラム
及び判定式を使用する(ステップS4)。即ち、カード
無しの場合には、図7に示す如くROM領域の判定処理
領域に格納されたプログラムに従って識別を行なうが、
ROMカード100が挿入されるとその検知に従って、
内臓ROM111の判定処理領域は使用せず、挿入され
たROMカード100のアドレス“8000(16進表
示)”以降を判定処理領域として使用する。ROMカー
ド100には、例えば図9(C)の磁気量特性に対し
て、
【数2】a−b≧A2 a−c≧B2 d≦c なる判定式が格納されており、かかる判定式に基づいて
紙幣の真偽を識別する。尚、ROMカード100が挿入
された場合、内臓RAM112の領域は変化せず、カー
ド無しの場合と同様に動作する。
【0027】また、上記ステップS10及びS11でR
AMカード101が挿入されていると判定された場合、
紙幣50に対する識別は内蔵ROM111の判定処理領
域を使用して行ない、紙幣1枚が挿入され処理される毎
に、内蔵RAM112に記憶されたデータをCPU11
0を介してRAMカード101に転送し(ステップS1
3)、転送されたデータをRAMカード101内のRA
Mに格納する。RAMカード101のメモリ領域は図7
のアドレス“8000(16進表示)”以降が使用さ
れ、データ収集用に供される。
【0028】尚、上述ではROMカード100,RAM
カード101の挿入及びカード無しをソフト的に検知し
ているが、ICカードにマーク等を付しておいて読取る
ようにしても良く、機械的な結合関係で検知するように
しても良い。又、上述では1つのコネクタ部102にR
OMカード100又はRAMカード101を挿入するよ
うにしているが、各専用のコネクタ部として2つ設ける
ようにしても良い。RAMカードにデータを収集するに
際しては、内蔵ROMの鑑別プログラムによって挿入さ
れる全ての紙幣のデータを収集することにしているが、
リジェクトする紙幣のみのデータを収集するようにして
も良い。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように本考案によれば、R
OMカードを挿入することによって内蔵ROMの判定テ
ーブルを使用しないようにし、ROMカードに格納され
ている判定式を使用して紙幣の識別を行なうようになっ
ているので、新たな偽造紙幣や新規流通の紙幣の出現に
迅速に対応することができる。RAMカードを挿入する
ことによって紙幣識別装置に蓄積されているデータを収
集できるので、新たに通信手段を設けることなしに、R
AMカードを運搬することによって適宜データ処理を実
行できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案による紙幣識別装置の一実施例の外観を
示す斜視図である。
【図2】本考案の紙幣識別装置の略示縦断面図である。
【図3】本考案の紙幣識別装置の紙幣識別搬送路の平面
図である。
【図4】本考案の紙幣識別装置の駆動系の一例を示す構
成図である。
【図5】本考案の紙幣識別装置の切換装置部分の斜視図
である。
【図6】本考案の内部構成例を示すブロック図である。
【図7】メモリマップの一例を示す図である。
【図8】本考案の動作例を示すフローチャートである。
【図9】本考案による磁気量及び分布の計測を説明する
ための図である。
【符号の説明】
1 紙幣識別機 2 紙幣識別搬送路 3 機体 4 紙幣挿入口 5 リジェクト紙幣収納部 5a リジェクト紙幣排出口 10 紙幣送出口 50 紙幣 100 ROMカード 101 RAMカード 110 CPU(中央処理装置) 111 ROM 112 RAM
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G07D 7/00

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 挿入された紙幣の真偽を鑑別してその鑑
    別処理に従って搬送処理する卓上式の紙幣識別装置にお
    いて、全体の制御及び情報処理を行なう中央処理装置
    と、前記中央処理装置に接続されたプログラムを格納し
    た内臓ROMと、前記中央処理装置に接続され、前記制
    御に必要なデータを記憶すると共に鑑別に必要な紙幣の
    属性データを記憶する内臓RAMと、ROMカード又は
    RAMカードの挿入を受入れるコネクタ部とを具備し、
    前記内臓ROMは、紙幣搬送、表示等の装置の制御を行
    なう制御プログラムと、紙幣を鑑別するための判定式、
    センサからのデータ及び前記判定式から紙幣鑑別を行な
    う鑑別プログラムとを格納し、前記コネクタ部に前記R
    OMカードが挿入された場合には前記判定式及び鑑別プ
    ログラムを使用せずに、前記ROMカードに格納されて
    いる判定式及び鑑別プログラムを使用するようになって
    いると共に、前記コネクタ部に前記RAMカードが挿入
    された場合には、前記内臓RAMに記憶されている挿入
    紙幣から得られる紙幣の属性データを前記RAMカード
    に書込むことによって任意の紙幣の属性データを収集で
    きるようになっていることを特徴とする紙幣識別装置。
  2. 【請求項2】前記ROMカード又は前記RAMカードの
    前記コネクタ部への挿入の有無を、前記中央処理装置に
    よる特定アドレスに対するデータの読取、並びに特定番
    地へのデータの書込及び読取によって識別するようにな
    っている請求項1に記載の紙幣識別装置。
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