JP4630415B2 - 検知装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、搬送路上を搬送する検知対象物の物理特性から対応する検知対象物が特定の対象物であることを検知する検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、搬送路上を搬送する検知対象物の種々の物理特性を検知する検知装置には、図13に示すように、検知対象物に対して複数の物理特性を検知するため、複数のセンサ部が搬送上に設置されている。
【0003】
このような検知装置内で検知対象物は搬送路上を個別に搬送される。この搬送路上に設置されるセンサ部は、検知対象物の検知したい物理特性を感知できるものを選択する。通常の場合、検知対象物の検知したい物理特性は複数あるので、種々の物理特性を感知する種々のセンサ部が搬送路上に点在することになる。
【0004】
これらのセンサ部により感知された検知対象の物理特性は、電気信号として伝送路を介して検知処理部に送られる。検知処理部では、センサ部から送られた電気信号に対して、検知対象物の当該物理特性の検知処理を行う。また、全ての物理特性の検知処理が終了すると、統括部により検知結果を総合的に判断して出力部に所定の出力を行う。
【0005】
統括部では検知処理部からの検知結果に応じた指示を対象物振り分け器に出し、対象物振り分け器によって対象物を処理結果に対応した別々の保管庫へと保管される。
【0006】
図14は、従来の検知装置におけるセンサ部と検知処理部の構成例を示す図である。図14に示すように、各センサ部のセンサによって感知した検知対象物の物理特性は、電気信号に変換されてアンプによって増幅した後に、伝送路によって各センサ部に対応して設置されている検知処理部に伝送される。
【0007】
これらの検知処理部ではセンサ部から伝送された電気信号をA/D変換器によりディジタルデータに変換し、検知処理器にて検知処理を行い、この検知処理器と統括部としての中央演算器との共有メモリに検知結果を書き込むことによって検知結果を中央演算器に伝える。
【0008】
中央演算器では、各センサ部から得た電気信号を基に検知した情報を解析し、所定の動作を指示する信号を出力部に出力する。
【0009】
また、検知処理部で処理されるデータを収集する場合は、各検知処理毎に用意しているデータ収集器を用いることによりデータ収集を行うようになっている。
【0010】
しかしながら、上記のような従来の構成の検知装置では、複数のセンサ部のそれぞれの物理特性情報をデータ収集器により単に収集しているものであり、関連性を持たせているものではない。
【0011】
また、データ収集器は、検知装置内にあるという制約から、収集データの容量には限りがあるので、継続的にデータ収集できるものではなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、この発明によれば、複数のセンサ部のそれぞれの物理特性情報をリアルタイムに収集し、しかも総合判別結果との関連性を持たせることができ、さらに複数のセンサ部のそれぞれの物理特性情報を一時的に格納する一時格納領域とこの一時格納領域とは別に外部に恒久的に物理特性情報を格納する外部恒久格納領域を設けることにより、一時格納領域に収集された物理特性情報の中から、条件に合った必要な物理特性情報だけを外部恒久格納領域に収集することができ、継続的に物理特性情報を収集可能とした検知装置を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この発明の検知装置は、検知対象物から得られるそれぞれ別々の物理特性情報を得る複数の取得手段と、これらの取得手段により検知対象物ごとに得られる物理特性情報により検知対象物を判定した第1の判定結果を出力する複数の第1の判定手段と、これらの第1の判定手段により得られた検知対象物ごとの複数の第1の判定結果により対応する検知対象物を総合判定した第2の判定結果を出力する第2の判定手段、外部の格納媒体へ格納するデータに対応する上記第2の判定結果の1つの判定結果を選択的に設定する設定手段、上記取得手段により得られた種々の物理特性情報と上記第1の判定手段による第1の判定結果と上記第2の判定手段による第2の判定結果とを、上記検知対象物を特定する特定データとともに一時的に蓄積する蓄積手段と、上記第2の判定手段による第2の判定結果と上記設定手段により設定される判定結果とが一致する際に、上記蓄積手段の上記検知対象物を特定する特定データに対応して外部の格納媒体への格納を示すデータを付与する付与手段と、上記特定データに対応して外部の格納媒体への格納を示すデータが付与されている検知対象物に対応して上記蓄積手段に一時的に蓄積されている上記取得手段により得られた種々の物理特性情報と上記第1の判定手段による第1の判定結果と上記第2の判定手段による第2の判定結果とを外部の格納媒体に格納する格納手段とからなる。
【0015】
この発明の検知装置は、検知対象物から得られるそれぞれ別々の物理特性情報を得る複数の取得手段と、これらの取得手段により検知対象物ごとに得られる物理特性情報により検知対象物を判定した第1の判定結果を出力する複数の第1の判定手段と、これらの第1の判定手段により得られた検知対象物ごとの複数の第1の判定結果により対応する検知対象物を総合判定した第2の判定結果を出力する第2の判定手段と、上記取得手段により得られた種々の物理特性情報と上記第1の判定手段による第1の判定結果と上記第2の判定手段による第2の判定結果とを、上記検知対象物を特定する特定データとともに一時的に蓄積する蓄積手段と、この蓄積手段よりも記憶容量の大きい格納手段と、この格納手段へ格納するデータに対応する上記第2の判定結果の1つの判定結果を選択的に設定する設定手段と、上記第2の判定手段による第2の判定結果と上記設定手段により設定される判定結果とが一致する際に、上記蓄積手段の上記検知対象物を特定する特定データに対応して上記格納手段への格納を示すデータを付与する付与手段と、上記特定データに対応して上記格納手段への格納を示すデータが付与されている検知対象物に対応して上記蓄積手段に一時的に蓄積されている上記取得手段により得られた種々の物理特性情報と上記第1の判定手段による第1の判定結果と上記第2の判定手段による第2の判定結果とを上記格納手段に格納する処理手段とからなる。
【0016】
この発明の検知装置は、一括供給される複数の検知対象物を順次搬送する搬送手段と、この搬送手段上に設けられ、搬送される検知対象物から得られるそれぞれ別々の物理特性情報を得る複数の取得手段と、これらの取得手段により検知対象物ごとに得られる物理特性情報により検知対象物を判定した第1の判定結果を出力する複数の第1の判定手段と、これらの第1の判定手段により得られた検知対象物ごとの複数の第1の判定結果により対応する検知対象物を総合判定した第2の判定結果を出力する第2の判定手段と、上記搬送手段により搬送される各検知対象物を上記第2の判定手段による判定結果に基づいて振分けて集積部に集積する集積手段と、上記取得手段により得られた種々の物理特性情報と上記第1の判定手段による第1の判定結果と上記第2の判定手段による第2の判定結果とを、上記検知対象物を特定する特定データとともに一時的に蓄積する蓄積手段と、この蓄積手段よりも記憶容量の大きい格納手段と、この格納手段へ格納するデータに対応する上記第2の判定結果の1つの判定結果を選択的に設定する設定手段と、上記第2の判定手段による第2の判定結果と上記設定手段により設定される判定結果とが一致する際に、上記蓄積手段の上記検知対象物を特定する特定データに対応して上記格納手段への格納を示すデータを付与する付与手段と、上記特定データに対応して上記格納手段への格納を示すデータが付与されている検知対象物に対応して上記蓄積手段に一時的に蓄積されている上記取得手段により得られた種々の物理特性情報と上記第1の判定手段による第1の判定結果と上記第2の判定手段による第2の判定結果とを上記格納手段に格納する処理手段とからなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
まず、第1の実施形態について説明する。
【0019】
図1は、検知対象物(紙葉類)Sを処理する検知対象物の処理装置(検知システム)の概略構成を示す図である。
【0020】
上記検知対象物の処理装置は、図示しない供給部から供給される種々の物理特性(物理特性情報)を有する検知対象物Sを個別に搬送する搬送路1と、この搬送路1によって搬送される検知対象物Sの種々の物理特性を検知するセンサ部11と、これらのセンサ部11の検知信号は分配器12を経由して信号処理する検知処理部13と、この検知処理部13からの検知結果を総合判別する総括部15と、この総括部15により決定された最終判定結果(集積先情報)に基づいて上記搬送路1により搬送された検知対象物Sを振分ける対象物振り分け器(集積手段)3と、この対象物振り分け器3によって振分けられた検知対象物Sを保管する複数の保管庫(集積部)4a、…と、後述するデータ蓄積器(一時格納領域)14aとは別に外部に恒久的に物理特性情報を格納するHDDにより構成される外部データ格納器(外部恒久格納領域、外部の格納媒体)6と、外部データ格納器6に格納する収集データの収集モードをオペレータ等が設定するモード設定部(設定手段)7とから構成されている。
【0021】
上記対象物振り分け器3が、後述する統括部15からの検知結果に応じた指示に基づいて上記搬送路1により搬送された検知対象物Sを振分けることにより、検知対象物Sが検知結果に対応した保管庫4a、…に保管される。
【0022】
収集モードとしては、検知対象物Sの搬送状態(スキュー、ショートピッチ、スライド等)、検知対象物Sの種類(券種)、後述する統括部15による検査結果(正券、損券、リジェクト券)が設定されるようになっている。
【0023】
上記検知装置2における検知処理は、上記検知対象物Sが後述するセンサ部11、…に対向してから対象物振り分け器3に到達するまでの搬送時間内(検知処理時間の制約)に処理されるものである。
【0024】
図1、図2に示すように、この検知装置2は、複数のセンサ部(取得手段)11、…、分配器12、検知処理部13、データ蓄積部14、統括部(第1の判定手段)15により構成されている。分配器12と、検知処理部13、データ蓄積部14とは、データバス17により接続されている。
【0025】
センサ部11、…は、搬送路1上を搬送される検知対象物Sの種々の物理特性を検知(感知)するものである。検知対象物Sに対して感知すべき物理特性が複数あるため、それらの感知すべきそれぞれの物理特性に対応する複数種類のセンサ部11、…が搬送路1に点在している。上記センサ部11、…の検知出力は、分配器12に供給される。
【0026】
上記センサ部11、…の検知される検知対象物Sの物理特性は、例えば、磁性検知、券種検知、形状検知(長さ、幅、搬送状態チェック)などとなっている。
【0027】
センサ部11、…は、それぞれセンサ11a、アンプ11b、A/D変換器11cにより構成されている。
【0028】
センサ11aは、搬送路1上を搬送されている検知対象物Sの物理特性をアナログの電気信号に変換するものである。アンプ11bは、センサ11aからのアナログの電気信号を増幅するものである。A/D変換器11cは、アンプ11bからの増幅されたアナログの電気信号をディジタル信号に変換しクロック信号とともに分配器12に出力するものである。
【0029】
分配器12は、上記センサ部11、…からの検知出力、つまり検知対象物Sの種々の物理特性を検知処理部13、データ蓄積部14に供給するものである。分配器12は、非同期でかつ並列に供給される各センサ部11、…からの1走査ラインごとの検知出力を、直列の出力データに置換して次の1走査ラインの走査時に、検知処理器12に出力するものである。分配器12は、上記置換を統括部(中央演算器)15から供給される水平同期信号と基準クロックとを用いて上記置換を行うようになっている。
【0030】
検知処理部13は、複数の検知処理器(第1の判定手段)13a、…と複数の共有メモリ13b、…により構成され、各センサ部11、…からの1つの検知対象物Sごとの種々の物理特性に基づく検知処理を行うものである。上記1つの検知処理器13aと1つの共有メモリ13bとが組になっており、1つの検知処理器13aによる物理特性に基づく検知処理の結果(センサ判定結果)が対応する共有メモリ13bに記憶される。上記共有メモリ13b、…はバス13cにより接続され、統括部15により共有されるものである。上記検知処理器13aは、対象となる検知対象物Sが対象物振り分け器3に到達するまでの搬送時間内に処理される検知処理を行うものである。
【0031】
検知処理部13には、図示しない識別子デコーダが設けられ、分配器12から供給される12ビットの内の4ビットの識別子に基づいて対応する1つの検知処理器13aにエンベロープ信号を出力することにより、分配器12から供給される12ビットの内の残りの8ビットのデータが上記エンベロープ信号が供給されている検知処理器13aに受入れられて処理されるようになっている。
【0032】
これにより、センサ部11の物理特性に対応した検知処理を実行する検知処理器13aにより検知処理が実行されるようになっている。
【0033】
データ蓄積部14は、データ蓄積器(蓄積手段、一時格納領域)14aと共有メモリ14bにより構成されている。上記共有メモリ14bは上記バス13cにより接続され、統括部15により共有されるものである。
【0034】
データ蓄積器14aは、統括部15から供給されるどの検知対象物Sかを示すインデックス情報(特定データ)ごとに、統括部15から供給される総合判定結果を蓄積するものであり、統括部15により選択的にデータ収集条件フラグが立てられるようになっている。
【0035】
また、データ蓄積器14aは、上記インデックス情報(検知対象物S)ごとに、各センサ部11、…からのセンサIDに基づく各センサ部11、…ごとのセンサ判定結果とセンサIDに基づく検知対象物Sの種々の物理特性としての1ラインごとのデータ(検知対象物Sの1枚分のデータ)を蓄積するものである。
【0036】
この検知対象物Sのインデックス情報は、例えば、検知システムの起動時を’0’として、順次、搬送路1上を搬送される検知対象物S毎にシリアルナンバを付けたもので、統括部15より与えられる。このインデックス情報を付与するのは、図1で説明したように各センサ部11、…が搬送路2上に点在するために、同一の検知対象物のデータがセンサ部11、…毎に別々のタイミングで入力され、データだけでは切り分けることが困難であるからである。
【0037】
統括部15は、中央演算器により構成され、検知処理部13からの(つまり共有メモリ13b、…から読出した)検知対象物Sごとの種々の物理特性に基づく検知処理の結果を受けて、これらの検知処理の結果に基づいて検知結果を総合的に判断し、この検知結果(総合判別結果、第2の判定結果)に応じた指示を対象となる検知対象物Sが対象物振り分け器3に搬送されるまでの時間内に(リアルタイムに)対象物振り分け器3に出力するものである。この場合、統括部15は、上記時間内に検知結果が判断できなかった際に、検知結果無しに応じた指示を対象となる検知対象物Sが対象物振り分け器3に搬送されるまでの時間内に対象物振り分け器3に出力するものである。
【0038】
これにより、対象物振り分け器3は統括部15からの検知結果に応じた指示に基づいて対象となる検知対象物Sを振分けて保管庫4a、4bに集積し、統括部15からの検知結果無しに応じた指示に基づいて対象となる検知対象物Sを保管庫4cに集積する。
【0039】
また、統括部15は、総合判別結果と各センサIDごとのセンサ判定結果を、その対象となる検知対象物Sのインデックス情報とともに、データ蓄積部14へ出力するようになっている。
【0040】
また、統括部15は、上記総合判別結果がモード設定部7により設定されている収集モードと一致する場合、上記総合判別結果に対応するデータ収集条件フラグを立てるようになっている。
【0041】
統括部15は、総合判別結果として、検知対象物Sの搬送状態(スキュー、ショートピッチ、スライド等)、検知対象物Sの種類(券種)、後述する統括部15による検査結果(正券、損券、リジェクト券)等を判断するものである。
【0042】
図3は、上記分配器12の回路の構成例を示すものである。この回路は、各センサ部11、…のA/D変換器11cからの電気信号とクロック信号とが入力される先入れ先出し(FIFO)方式のFIFOメモリ31a、31b、…、31k、これらのFIFOメモリ31a、…のデータを中央演算器15から与えられる基準クロック、および水平同期信号に基づいて、出力するデータバス17のビット数に合わせた幅のデータを直列に並べた出力データとしてデータバス17へ出力する制御を行う出力制御回路32から構成されている。
【0043】
上記FIFOメモリ31a、…に入力される入力信号は、それぞれ非同期で、各センサ部11、…に対応する各A/D変換器11c、…のクロック(第1のクロック)の周波数に基づく間隔のディジタル信号である。各FIFOメモリ31a、…は、これらの入力信号をそれぞれデータ幅が8ビットごとのデータに変換する。
【0044】
さらに、FIFOメモリ31a、…は、図4に示すように、この8ビットのデータがどのセンサ部11からのデータかを示す4ビットの識別子を付与して12ビット単位の出力データを生成する。各FIFOメモリ31a、…で生成される12ビット単位の出力データは、出力制御回路32により上記各A/D変換器11c、…のクロック(第1のクロック)の周波数よりも速い基準クロック(第2のクロック)の周波数に基づく間隔に従って12ビット単位の直列のデータとして12ビットのデータバス17に出力される。
【0045】
検知処理器13aは、図5に示すように、4ビットの識別子デコードして選択的にイネーブル信号を出力する識別子デコーダ51とそれぞれ別々の物理特性に基づいた検知処理を実行する複数の処理ハードウェア52、…により構成されている。識別子デコーダ51は分配器12からデータバス17を介して供給される12ビットの内の4ビットの識別子に基づいて対応する1つの処理ハードウェア52にイネーブル信号を出力することにより、分配器12からデータバス17を介して供給される12ビットの内の残りの8ビットのデータが上記イネーブル信号が供給されている処理ハードウェア52に受入れられて処理されるようになっている。
【0046】
これにより、センサ部11の物理特性に対応した検知処理を実行する処理ハードウェア52により検知処理が実行されるようになっている。
【0047】
各処理ハードウェア52の検知処理結果は、対応する共有メモリ13bに記憶されるようになっている。
【0048】
上記出力制御回路32は、図6の(a)(b)に示す、水平同期信号と基準クロックとに基づいて、図6の(c)に示すように、各センサ部11、…からの1走査ライン分のデータを各FIFOメモリ31a、…に記憶する。ついで、出力制御回路32は、次の水平同期信号と基準クロックとに基づいて、図6の(d)に示すように、FIFOメモリ31aに記憶されているデータ(4ビットの識別子を含む)から順に、データバス17へ出力するものである。
【0049】
この結果、非同期でかつ並列に供給される各センサ部11、…からの1走査ラインごとの検知出力を、直列の出力データに置換して次の1走査ラインの走査時に、検知処理部13に出力するものである。
【0050】
上記データ蓄積器14aは、分配器12からデータバス17上に出力される出力データを各データごとに付与されている識別子(センサID)と統括部15から供給される対象となる検知対象物Sのインデックス情報、総合判定結果を含めて書き込むことによってデータを収集するものであり、選択的にインデックス情報ごとのデータ収集条件フラグが立てられるようになっている。
【0051】
図7、図8は、データ蓄積器14aに収集されたデータの一例を示す図である。図7、図8では、上記センサ部11、…がm個、各センサ部11、…のライン数(検知対象物Sの1枚における走査ライン数)がn、検知対象物Sの数をkとしている。
【0052】
すなわち、上から順に搬送順の検知対象物Sに対する収集データが蓄積されるようになっている。
【0053】
例えば、最初の検知対象物Sに対する収集データとして、インデックス情報「1」が蓄積され、総合判別結果として正券が蓄積され、データ収集条件フラグは立てられず、各センサIDごとのセンサ判定結果と1ラインごとのデータ(検知対象物Sの1枚分のデータ)を蓄積するものである。
【0054】
この場合、モード設定部7により収集モードがスキューと設定されている場合Iインデックス情報が、「3」、「7」、「12」、「17」、「18」の券がスキューと判定されるインデックス情報「3」「7」「12」「17」「18」に対応するデータ収集条件フラグが立てられている。
【0055】
また、上記統括部15は、一連の検知対象物Sに対する検知処理が終了した際に、上記データ蓄積器14aに収集されたインデックス情報ごとのデータ収集条件フラグをチェックし、データ収集条件フラグが立っているインデックス情報ごとのデータを上記データ蓄積器14aから順次読出し、外部データ格納器6に記憶するものである。
【0056】
次に、上記のような構成において、動作を説明する。
【0057】
すなわち、検知対象物Sが図示しない供給部から順次取出されて搬送路1上を搬送されることにより、センサ部11、…により検知対象物Sの物理特性が検知され、この検知出力が分配器12に供給される。
【0058】
この際、統括部15は供給部から順次取出される検知対象物Sに対するインデックス情報を生成し、搬送制御に伴って管理する。
【0059】
上記分配器12は、上記センサ部11、…からの検知出力、つまり検知対象物Sの種々の物理特性を検知処理部13、データ蓄積器14aに供給する。
【0060】
上記検知処理部13は、各センサ部11、…からの1つの検知対象物Sごとの種々の物理特性に基づく検知処理を行う。
【0061】
これにより、統括部15は、検知処理部13の共有メモリ13b、…から読出した検知対象物Sごとの種々の物理特性に基づく検知処理の結果を受けて、これらの検知処理の結果に基づいて検知結果を総合的に判断し、この検知結果に応じた指示を対象となる検知対象物Sが対象物振り分け器3に搬送されるまでの時間内に(リアルタイムに)対象物振り分け器3に出力する。この場合、統括部15は、上記時間内に検知結果が判断できなかった際に、検知結果無しに応じた指示を対象となる検知対象物Sが対象物振り分け器3に搬送されるまでの時間内に対象物振り分け器3に出力する。
【0062】
これにより、対象物振り分け器3は統括部15からの検知結果に応じた指示に基づいて対象となる検知対象物Sを振分けて保管庫4a、4bに集積し、統括部15からの検知結果無しに応じた指示に基づいて対象となる検知対象物Sを保管庫4cに集積する。
【0063】
また、統括部15は、総合判別結果と各センサIDごとのセンサ判定結果を、その対象となる検知対象物Sのインデックス情報とともに、データ蓄積部14へ出力する。
【0064】
また、統括部15は、上記総合判別結果がモード設定部7により設定されている収集モードと一致する場合、上記総合判別結果に対応するデータ収集条件フラグを立てる。
【0065】
以上を、処理対象物20枚が、順次処理された場合の具体例をあげながら、詳細に説明する。
【0066】
以上の動作は、各センサ部11が搬送路1上に異なった位置に配置されているため、センサ部11、…からの検知出力、検知処理部13から統括部15への検知処置結果は、それぞれ異なった時間に発生し、最終的にデータ蓄積部14のデータ蓄積器14aに格納される。その様子を図9に示す。
【0067】
インデックス1の対象物Sは、センサ1から5をすべて通過し、よってセンサ部11、…からの検知出力や検知処理結果、総合判定結果はデータ蓄積器14aに格納されている。同時に、この総合判定結果はスキューと判定され、モード設定での収集モードと一致したために、データ収集条件フラグが「1」にセットされている。このデータは既に説明したようにデータ収集の対象となる。
【0068】
インデックス2の対象物Sは、センサ1から3は通過し、センサ4を当に通過中で、検知処理結果としてはセンサ1から3までは格納済みとなる。以下、同様にインデックス3、4、5の対象物Sもセンサ部11、…を通過したものは検知出力が格納されることになる。
【0069】
このときのデータ蓄積部14の状態を図10に示す。この図で斜め斜線で示したところはデータが格納済みあるいは結果が保存済みであることを示す。
【0070】
これにより、データ蓄積器14aは、統括部15から供給されるどの検知対象物Sかを示すインデックス情報(特定データ)ごとに、統括部15から供給される総合判定結果を蓄積し、統括部15により選択的にデータ収集条件フラグが立てられる。
【0071】
また、データ蓄積器14aは、上記インデックス情報(検知対象物S)ごとに、各センサ部11、…からのセンサIDに基づく各センサ部11、…ごとのセンサ判定結果とセンサIDに基づく検知対象物Sの種々の物理特性としての1ラインごとのデータ(検知対象物Sの1枚分のデータ)を蓄積する。
【0072】
そして、一連の検知対象物Sに対する検知処理が終了した際に、上記統括部15は、上記データ蓄積器14aに収集されたインデックス情報ごとのデータ収集条件フラグをチェックし、データ収集条件フラグが立っているインデックス情報ごとのデータを上記データ蓄積器14aから順次読出し、外部データ格納器6に記憶する。
【0073】
上記したように、検知対象物Sに対する各センサ部ごとのデータと、各センサ部ごとのセンサ判定結果、および総合判定結果とが一箇所に纏められ、各センサ部ごとのデータに対するセンサ判定結果と総合判定結果との関連付けが可能になる。
【0074】
外部データ格納器6は、一時格納領域としてのデータ蓄積器が、検知装置内にあるという制約から、収集データの容量には限りがあるので、より容量の大きい交換可能な恒久格納領域としての外部データ格納器を外部に持たせることにより、継続的にデータ収集可能としたものである。
【0075】
この際、一時格納領域に収集されたデータの中から、条件に合った必要なデータだけを外部恒久格納領域に収集するものである。
【0076】
また、上記実施形態では、一連の検知対象物に対する検知処理が終了した際に、データ蓄積器の収集データを選択的に外部データ格納器に記憶する場合について説明したが、これに限らず、供給部に供給された一単位の(複数枚の)検知対象物に対する検知処理が終了してから、次に一単位の(複数枚の)検知対象物が供給部に供給されて取出し搬送が行われるまでの間、データ蓄積器の収集データを選択的に外部データ格納器に記憶するようにしても良い。
【0077】
すなわち、一定の数の検知対象物が纏めて、供給部にセットされる時間の間隔(検知対象物の取り出しタイミングに対応)があり、この間は搬送路上に検知対象物が存在しなく、データ収集が行われない時間帯がある。
【0078】
この時間帯を利用して、統括部からの指示によりデータ蓄積器の収集データを選択的に外部データ格納器ヘデータ転送を行う。その様子をタイミングチャートに示したのが図11の(a)(b)である。
【0079】
このタイミングチャートで、データ転送時間が供給時間の間隔で終わらない場合は、データ蓄積器14aにおける一時格納領域を2面用意し、書き込みと転送を交互に行うことで解決できる。
【0080】
この場合、データ蓄積器14aは、図12に示すように、2つの一時格納領域41、42、転送バス切り替え回路43、書込み/転送制御回路44により構成されている。
【0081】
これにより、統括部15からの指示により、まず、一時格納領域41にデータが蓄積され、次に、一時格納領域41に蓄積されたデータが転送されるとともに、同時に一時格納領域42にデータが蓄積されるように切り替わる。
【0082】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、複数のセンサ部のそれぞれの物理特性情報をリアルタイムに収集し、しかも総合判別結果との関連性を持たせることができ、さらに複数のセンサ部のそれぞれの物理特性情報を一時的に格納する一時格納領域とこの一時格納領域とは別に外部に恒久的に物理特性情報を格納する外部恒久格納領域を設けることにより、一時格納領域に収集された物理特性情報の中から、条件に合った必要な物理特性情報だけを外部恒久格納領域に収集することができ、継続的に物理特性情報を収集可能とした検知装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態の検知対象物の処理装置の概略構成を示す図。
【図2】検知対象物の処理装置の要部の概略構成を示すブロック図。
【図3】分配器の回路の構成例を示す図。
【図4】データ蓄積に関するデータ列を示す図。
【図5】検知処理器の構成例を示す図。
【図6】水平同期信号、基準クロック、各センサからの入力信号、および出力データの関係を説明するためのタイミングチャート。
【図7】データ蓄積器により収集されるデータを説明するための図。
【図8】データ蓄積器により収集されるデータを説明するための図。
【図9】各センサ部が搬送路上の異なった位置に配置されている例と搬送される対象物の例を説明するための図。
【図10】データ蓄積器に格納されるデータを説明するための図。
【図11】検知対象物の取り出しタイミングとデータ収集器からのデータ転送タイミングを説明するためのタイミングチャート。
【図12】データ蓄積器の概略構成を示す図。
【図13】従来の検知装置の概略構成を示す図。
【図14】従来の検知装置の概略構成を示す図。
【符号の説明】
1…搬送路
2…検知装置
3…対象物振り分け器
4a、〜…保管庫
6…外部データ格納器
7…モード設定部
11、〜…センサ部
12…分配器
13…検知処理部
13a…検知処理器
14…データ蓄積部
14a…データ蓄積器
15…統括部

Claims (4)

  1. 検知対象物から得られるそれぞれ別々の物理特性情報を得る複数の取得手段と、
    これらの取得手段により検知対象物ごとに得られる物理特性情報により検知対象物を判定した第1の判定結果を出力する複数の第1の判定手段と、
    これらの第1の判定手段により得られた検知対象物ごとの複数の第1の判定結果により対応する検知対象物を総合判定した第2の判定結果を出力する第2の判定手段
    外部の格納媒体へ格納するデータに対応する上記第2の判定結果の1つの判定結果を選択的に設定する設定手段
    上記取得手段により得られた種々の物理特性情報と上記第1の判定手段による第1の判定結果と上記第2の判定手段による第2の判定結果とを、上記検知対象物を特定する特定データとともに一時的に蓄積する蓄積手段と、
    上記第2の判定手段による第2の判定結果と上記設定手段により設定される判定結果とが一致する際に、上記蓄積手段の上記検知対象物を特定する特定データに対応して外部の格納媒体への格納を示すデータを付与する付与手段と、
    上記特定データに対応して外部の格納媒体への格納を示すデータが付与されている検知対象物に対応して上記蓄積手段に一時的に蓄積されている上記取得手段により得られた種々の物理特性情報と上記第1の判定手段による第1の判定結果と上記第2の判定手段による第2の判定結果とを外部の格納媒体に格納する格納手段と、
    を具備したことを特徴とする検知装置。
  2. 検知対象物から得られるそれぞれ別々の物理特性情報を得る複数の取得手段と、
    これらの取得手段により検知対象物ごとに得られる物理特性情報により検知対象物を判定した第1の判定結果を出力する複数の第1の判定手段と、
    これらの第1の判定手段により得られた検知対象物ごとの複数の第1の判定結果により対応する検知対象物を総合判定した第2の判定結果を出力する第2の判定手段と、
    上記取得手段により得られた種々の物理特性情報と上記第1の判定手段による第1の判定結果と上記第2の判定手段による第2の判定結果とを、上記検知対象物を特定する特定データとともに一時的に蓄積する蓄積手段と、
    この蓄積手段よりも記憶容量の大きい格納手段と、
    この格納手段へ格納するデータに対応する上記第2の判定結果の1つの判定結果を選択的に設定する設定手段と、
    上記第2の判定手段による第2の判定結果と上記設定手段により設定される判定結果とが一致する際に、上記蓄積手段の上記検知対象物を特定する特定データに対応して上記格納手段への格納を示すデータを付与する付与手段と、
    上記特定データに対応して上記格納手段への格納を示すデータが付与されている検知対象物に対応して上記蓄積手段に一時的に蓄積されている上記取得手段により得られた種々の物理特性情報と上記第1の判定手段による第1の判定結果と上記第2の判定手段による第2の判定結果とを上記格納手段に格納する処理手段と、
    を具備したことを特徴とする検知装置。
  3. 一括供給される複数の検知対象物を順次搬送する搬送手段と、
    この搬送手段上に設けられ、搬送される検知対象物から得られるそれぞれ別々の物理特性情報を得る複数の取得手段と、
    これらの取得手段により検知対象物ごとに得られる物理特性情報により検知対象物を判定した第1の判定結果を出力する複数の第1の判定手段と、
    これらの第1の判定手段により得られた検知対象物ごとの複数の第1の判定結果により対応する検知対象物を総合判定した第2の判定結果を出力する第2の判定手段と、
    上記搬送手段により搬送される各検知対象物を上記第2の判定手段による判定結果に基づいて振分けて集積部に集積する集積手段と、
    上記取得手段により得られた種々の物理特性情報と上記第1の判定手段による第1の判定結果と上記第2の判定手段による第2の判定結果とを、上記検知対象物を特定する特定データとともに一時的に蓄積する蓄積手段と、
    この蓄積手段よりも記憶容量の大きい格納手段と、
    この格納手段へ格納するデータに対応する上記第2の判定結果の1つの判定結果を選択的に設定する設定手段と、
    上記第2の判定手段による第2の判定結果と上記設定手段により設定される判定結果とが一致する際に、上記蓄積手段の上記検知対象物を特定する特定データに対応して上記格納手段への格納を示すデータを付与する付与手段と、
    上記特定データに対応して上記格納手段への格納を示すデータが付与されている検知対象物に対応して上記蓄積手段に一時的に蓄積されている上記取得手段により得られた種々の物理特性情報と上記第1の判定手段による第1の判定結果と上記第2の判定手段による第2の判定結果とを上記格納手段に格納する処理手段と、
    を具備したことを特徴とする検知装置。
  4. 上記処理手段による格納処理が、一括供給された複数の検知対象物に対する処理が終了してから、次に一括供給される複数の検知対象物に対する処理が開始されるまでの間に、行われるものであることを特徴とする請求項3に記載の検知装置。
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