JP4127643B2 - 検知装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、搬送路上を搬送する検知対象物の物理特性から対応する検知対象物が特定の対象物であることを検知する検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、搬送路上を搬送する検知対象物の種々の物理特性を検知する検知装置には、検知対象物に対して複数の物理特性を検知するため、複数のセンサ部が搬送上に設置されている。
【0003】
このような検知装置内で検知対象物は搬送路上を個別に搬送される。この搬送路上に設置されるセンサ部は、検知対象物の検知したい物理特性を感知できるものを選択する。通常の場合、検知対象物の検知したい物理特性は複数あるので、種々の物理特性を感知する種々のセンサ部が搬送路上に点在することになる。
【0004】
これらのセンサ部により感知された検知対象物の物理特性は、電気信号としてセンサユニット内のセンサ部とペアの検知処理部に送られる。検知処理部では、センサ部から送られた電気信号に対して、検知対象物の当該物理特性の検知処理を行う。また、個々の物理特性の検知処理が終了すると、それぞれ低速のシリアル伝送を用い、統括部に出力する。統括部では、全ての物理特性の検知結果を総合的に判定し、対象物振り分け器に判定結果に応じた指示を出し、対象物をそれぞれの保管庫に保管する。
【0005】
図1は従来のセンサデータ処理の概略構成を示す。上記センサ部がセンサ、アンプ、A/D変換器に対応する。又、上記検知処理部が検知処理器、検知結果格納部に対応する。
【0006】
センサは搬送路上を搬送されている検知対象物Sの物理特性をアナログの電気信号に変換するものである。アンプはセンサからのアナログ電気信号を増幅するものである。A/D変換器はアンプからの増幅されたアナログの電気信号をデジタル信号に変換するものである。
【0007】
上記種々の物理特性としては、検知対象物のイメージの画像パターン、検知対象物上の光情報としての赤外、紫外、可視光情報、検知対象物の厚さ情報であっても良い。また、加工したデータでも良い。この加工したデータとしては、上記検知対象物Sを分割して検知した検知結果の隣同士の差分を取って、蓄積した情報である。
【0008】
各検知処理器にはそのセンサの入力情報を処理するための、プロセッサが組み込まれている。その処理結果が検知結果として検知結果格納部に格納され、低速のシリアル伝送で検知結果制御部へ送られる。検知結果制御部1〜Nは検知結果データの転送終了を全体制御部に伝え、全体制御部からの要求に応じて検知結果を全体制御部へ転送する。全体制御は検知結果制御部1〜Nの検知結果を総合判定し、どの保管庫に保管するかを対象物振り分け器へ転送する。
【0009】
従来の検知処理は、図1に示すようにセンサユニットからの結果出力は検知結果のみで良く、そのため低速のシリアル伝送を用いている。しかし、検知結果がリジェクトの場合、センサデータにどのような問題があるのか、確認ができない状況である。確認のためには、センサデータそのもののデータを直接収集することが必要であり、そのためには、例えば特別にデータ収集用の経路を設け、収集しなければならないのが現状である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、複数のセンサユニットとこれらのセンサユニットと低速のシリアル伝送路により接続される制御部とからなる検知装置において、上記センサユニットからの検知対象物を判定した判定結果あるいはリジェクト等の不確定結果の伝送とセンサユニットに記憶した不確定結果に対応する検知対象物の物理特性情報の伝送とを、共通の1つの伝送路を用いて行うことができ、データ収集用の余分な経路や装置が不要となる検知装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明の検知装置は、複数のセンサユニットとこれらのセンサユニットとシリアル伝送路により接続される制御部とからなるものにおいて、上記センサユニットが、検知対象物から得られる種々の物理特性情報の中の1つを得る取得手段と、この取得手段により取得した検知対象物単位の物理特性情報を記憶する記憶手段と、上記取得手段により検知対象物ごとに得られる物理特性情報により検知対象物を判定した第1の判定結果あるいはリジェクト等の不確定結果を上記物理特性情報よりも少ない情報量で出力する第1の判定手段と、上記制御部から供給される上記記憶手段による物理特性情報の記憶の終了要求に基づいて上記記憶手段による物理特性情報の記憶を終了する終了手段と、上記制御部から供給される不確定結果に対応する検知対象物の物理特性情報の送信要求に基づいて上記記憶手段に記憶されている不確定結果に対応する検知対象物の物理特性情報を上記制御部へ送信する送信手段とを有し、上記制御部が、上記複数のセンサユニットからの検知対象物ごとの複数の第1の判定結果により対応する検知対象物を総合判定した第2の判定結果を出力する第2の判定手段と、上記複数のセンサユニットの少なくとも1つからリジェクト等の不確定結果が供給されたことを判断する判断手段と、この判断手段により不確定結果の供給が判断された際に、上記各センサユニットに上記記憶手段による物理特性情報の記憶の終了を要求する第1の要求手段と、上記各センサユニットに上記記憶手段に記憶されている不確定結果に対応する検知対象物の物理特性情報の送信を要求する第2の要求手段と、この第2の要求手段に応答して上記各センサユニットから供給される検知対象物の物理特性情報を蓄積する蓄積手段とを有するものである。
【0012】
この発明の検知装置は、搬送路上を搬送される検知対象物に対する検知処理を行う複数のセンサユニットとこれらのセンサユニットとシリアル伝送路により接続される制御部とからなるものにおいて、上記センサユニットが、上記搬送路により搬送される検知対象物から得られる種々の物理特性情報の中の1つを得る取得手段と、この取得手段により取得した検知対象物単位の物理特性情報を記憶する記憶手段と、上記取得手段により検知対象物ごとに得られる物理特性情報により検知対象物を判定した第1の判定結果あるいはリジェクト等の不確定結果を上記物理特性情報よりも少ない情報量で出力する第1の判定手段と、上記制御部から供給される上記記憶手段による物理特性情報の記憶の終了要求に基づいて上記記憶手段による物理特性情報の記憶を終了する終了手段と、上記制御部から供給される不確定結果に対応する検知対象物の物理特性情報の送信要求に基づいて上記記憶手段に記憶されている不確定結果に対応する検知対象物の物理特性情報を上記制御部へ送信する送信手段とを有し、上記制御部が、上記複数のセンサユニットからの検知対象物ごとの複数の第1の判定結果により対応する検知対象物を総合判定した第2の判定結果を出力する第2の判定手段と、上記複数のセンサユニットの少なくとも1つからリジェクト等の不確定結果が供給されたことを判断する判断手段と、この判断手段により不確定結果の供給が判断され、この不確定結果に対応する検知対象物が上記センサユニットの全てを通過した後、上記各センサユニットに上記記憶手段による物理特性情報の記憶の終了を要求する第1の要求手段と、上記搬送路によって搬送される検知対象物がなくなった際に、上記各センサユニット記憶手段に記憶されている不確定結果に対応する検知対象物の物理特性情報の送信を要求する第2の要求手段と、この第2の要求手段に応答して上記各センサユニットから供給される検知対象物の物理特性情報を蓄積する蓄積手段とを有するものである。
【0013】
この発明の検知装置は、複数のセンサユニットとこれらのセンサユニットとシリアル伝送路により接続される制御部とからなるものにおいて、上記センサユニットが、検知対象物から得られる種々の物理特性情報の中の1つを得る取得手段と、この取得手段により検知対象物ごとに得られる物理特性情報により検知対象物を判定した第1の判定結果あるいはリジェクト等の不確定結果を上記物理特性情報よりも少ない情報量で出力する第1の判定手段と、上記制御部から供給される物理特性情報の記憶要求に基づいて上記不確定結果に対応する検知対象物の物理特性情報を少なくとも1つ記憶する記憶手段と、上記制御部から供給される不確定結果に対応する検知対象物の物理特性情報の送信要求に基づいて上記記憶手段に記憶されている不確定結果に対応する検知対象物の物理特性情報を上記御部へ送信する送信手段とを有し、上記制御部が、上記複数のセンサユニットからの検知対象物ごとの複数の第1の判定結果により対応する検知対象物を総合判定した第2の判定結果を出力する第2の判定手段と、上記複数のセンサユニットの少なくとも1つからリジェクト等の不確定結果が供給されたことを判断する判断手段と、この判断手段により不確定結果の供給が判断された際に、上記各センサユニットに上記物理特性情報の記憶を要求する第1の要求手段と、上記各センサユニットに不確定結果に対応する検知対象物の物理特性情報の送信を要求する第2の要求手段と、この第2の要求手段に応答して上記各センサユニットから供給される検知対象物の物理特性情報を蓄積する蓄積手段とを有するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図2、図3は、検知対象物(紙葉類)Sを処理する検知対象物の処理装置(検知装置)1の概略構成を示す図である。
【0015】
上記検知装置1は、図示しない供給部から供給される種々の物理特性(物理特性情報)を有する検知対象物Sを個別に搬送する搬送路2と、この搬送路2によって搬送される検知対象物Sの種々の物理特性をそれぞれ検知する複数のセンサユニット11a、…と、これらのセンサユニット11a、…の検知信号を処理するセンサデータ制御部12a、…と、これらのセンサデータ制御部12a、…からの検知結果を総合判別する全体制御部13と、この全体制御部13により決定された最終判定結果(集積先情報)に基づいて上記搬送路2により搬送された検知対象物Sを振分ける対象物振り分け器(集積手段)3と、この対象物振り分け器3によって振分けられた検知対象物Sを保管する複数の保管庫(集積部)4a、…と、センサデータ制御部12a、…からのセンサデータを出力するセンサデータ収集IF部14と、このセンサデータ収集IF部14からのセンサデータを蓄積するセンサデータ蓄積部(一時格納領域)15とから構成されている。
【0016】
上記センサユニット11a、…の近傍の搬送路2上には、それぞれ透過型の検知対象物Sの通過を検知する検知器(図示しない)が設けられている。
【0017】
センサユニット11a、…とセンサデータ制御部12a、…とは、それぞれ低速のシリアル伝送方式(RS−485)の伝送路16a、…により接続されている。
センサデータ制御部12a、…とセンサデータ収集IF部14とは、データバス17により接続されている。
【0018】
上記対象物振り分け器3が、全体制御部13からの検知結果に応じた指示に基づいて上記搬送路2により搬送された検知対象物Sを振分けることにより、検知対象物Sが検知結果に対応した保管庫4a、…に保管される。
収集モードとしては、検知対象物Sの搬送状態(スキュー、ショートピッチ、スライド等)、検知対象物Sの種類(券種)、全体制御部13による検査結果(正券、損券、リジェクト券)が設定されるようになっている。
【0019】
上記検知装置1における検知処理は、上記検知対象物Sが後述するセンサユニット11a、…に対向してから対象物振り分け器3に到達するまでの搬送時間内(検知処理時間の制約)に処理されるものである。
【0020】
センサユニット11a、…は、搬送路2上を搬送される検知対象物Sの種々の物理特性を検知(感知)するものである。検知対象物Sに対して感知すべき物理特性が複数あるため、それらの感知すべきそれぞれの物理特性に対応する複数種類のセンサユニット11a、…が搬送路2に点在している。上記センサユニット11a、…の検知出力は、センサデータ制御部12a、…に供給される。
【0021】
上記センサユニット11a、…の検知される検知対象物Sの物理特性は、例えば、磁性検知、券種検知、形状検知(長さ、幅、搬送状態チェック)、可視光の画像パターン、赤外光の画像パターン、厚み情報などとなっている。
上記センサデータ制御部12a、…、全体制御部13、センサデータ収集IF部14、センサデータ蓄積部15、データバス17により制御部18が構成されている。
【0022】
センサユニット11a、…は、それぞれ図4に示すように、センサ21、アンプ22、A/D変換器23、検知処理器24、検知結果格納部25、センサデータメモリ26、センサユニット制御部27、インデックス・カウンタ28、オア回路29、30、セレクタ31、インターフェース32により構成されている。
【0023】
センサ21は、搬送路2上を搬送されている検知対象物Sの物理特性(画像パターン)をアナログの電気信号に変換するものである。アンプ22は、センサ21からのアナログの電気信号を増幅するものである。A/D変換器23は、アンプ22からの増幅されたアナログの電気信号をディジタル信号に変換しクロック信号とともに検知処理器24に出力するものである。
【0024】
検知処理器24は、A/D変換器23からのディジタル信号に特定の処理(例えば、画像パターンに対する所定位置の類似度演算)を施し、処理結果を得るものである。検知処理器24による処理結果は付属情報と共に検知結果格納部25に格納される。
【0025】
検知結果格納部25は、検知処理器24による処理結果を格納するものである。たとえば、正解/リジェクトコード、類似度値等が格納される。
センサデータメモリ26は、センサユニット制御部27の制御の基、オア回路30からのA/D変換器23からのディジタル信号(センサの生データ)にインデックス・カウンタ28によるインデックスコードを付加して記憶するものである。
【0026】
センサユニット制御部27は、センサユニット11a(11b、…)の全体を制御するものである。インデックス・カウンタ28は、検知対象物Sごとに付与されるコードである。インデックス・カウンタ28の出力は各センサユニット11a、…の同一の検知対象物Sを同一化するための番号であり、それぞれの検知対象物Sの処理結果に番号(図示しない取り出し手段により搬送路2に取り出される順番であるシリアル番号)を付加する。
【0027】
オア回路29は、インデックス・カウンタ28のインデックスコードと、検知結果格納部25の検知結果とを出力データとして合成するものである。オア回路30は、A/D変換器23からのディジタル信号(センサの生データ)にインデックス・カウンタ28によるインデックスコードを付加するものである。セレクタ31は、オア回路29の出力を選択するかセンサデータメモリ26の出力を選択するものである。インターフェース(I/F)32は、セレクタ31からのパラレルデータをシリアルデータに変換して伝送路16a(16b、…)に出力し、伝送路16a(16b、…)からのシリアルデータをパラレルデータに変換してセンサユニット制御部27に出力するものである。
【0028】
センサデータ制御部12a、…は、それぞれ図4に示すように、情報制御回路41、インターフェース42、センサデータ収集用メモリ43、情報バッファ44、比較器45、コードレジスタ46により構成されている。
【0029】
情報制御回路41は、あらかじめリジェクトコードをコードレジスタ46に設定するものである。情報制御回路41は、伝送路16a(16b、…)からの出力データに比較器45の比較結果とを統合して全体制御部13へ出力するものである。情報制御回路41は全体制御部13から供給されるセンサデータ制御情報を転送データとして情報バッファ44、I/F42を介して伝送路16a(16b、…)に出力するものである。
【0030】
インターフェース(I/F)42は、セレクタ31からのパラレルデータをシリアルデータに変換して伝送路16a(16b、…)に出力し、伝送路16a(16b、…)からのシリアルデータをパラレルデータに変換してセンサユニット制御部27に出力するものである。
【0031】
センサデータ収集用メモリ43は、伝送路16a(16b、…)からの収集対象となるインデックスとセンサデータがダウンロードされるものである。このセンサデータ用収集メモリ43に検知対象物S単位のセンサデータとインデックスがダウンロードされた際、そのデータがデータバス17、センサデータ収集IF部14を介してセンサデータ蓄積部15に供給され、格納されるものである。
【0032】
比較器45は、I/F回路42からのデータとコードレジスタ46に設定されているリジェクトコードとを比較するものである。
コードレジスタ46は、あらかじめ情報制御回路41によりデータ収集のためのリジェクトコードがセットされる。
図5は、センサユニット11a、…とセンサデータ制御部12a、…との間(伝送路16a、…)の転送データの例を示すものである。
【0033】
図5のA1、A2、…Am、Am+1は対象物処理時のセンサユニット11a、…からセンサデータ制御部12a、…への転送データである。図5のB1、B2、…Bm、Bm+1はセンサデータ制御部12a、…からセンサユニット11a、…への転送データの例である。1、2、m、m+1はインデックスの番号と等価である。
【0034】
センサユニット11a、…からセンサデータ制御部12a、…への転送データは、インデックス、正解/リジェクトコード、類似度値等である。一方、センサデータ制御部12a、…からセンサユニット11a、…への転送データは情報コード、インデックスである。
情報コードとしては、図6に示すように、複数ビット構成で、右側のビットから順に初期化、データ格納終了、ダウンロード開始を示すものであり、各ビットを「1」にすることにより、対応する意味のコードとなる。
【0035】
センサユニット11a、…からの転送データはI/F32でパラレル・シリアル変換しI/F42に伝送する。I/F42はシリアル・パラレル変換し比較器45でコードレジスタとの比較が施される。図5のA1に示す正解/リジェクトコードがコードレジスタと一致した場合、その情報を情報制御回路41に送る。情報制御回路41は比較結果と図5のA1に示す検知結果(類似度値等)を統合して全体制御部13へ送る。
【0036】
図7は、センサデータ蓄積部15におけるセンサデータの収集例を示すものである。たとえば、インデックスmに対するリジェクト(リジェクト等の不確定結果)が発生している場合、各センサユニット11a、…に格納されているインデックスmに対するセンサデータが格納されるようになっている。
【0037】
上記のような構成において、センサユニット11aのセンサ21で入力した可視光の画像はアンプ22で増幅され、A/D変換器23でデジタル信号に変換されて検知処理器24に入力する。検知処理器24は画像パターンに特定の処理(例えば、所定位置の類似度演算)を施し、処理結果を得るものである。処理結果は付属情報と共に検知結果格納部25に格納される。一方、処理されたセンサデータ(画像パターン)はセンサデータメモリ26に蓄えられる。
【0038】
また、他のセンサユニット11b、…においても、各々の物理特性に応じた処理が施され、検知結果格納部25には処理結果と付属情報が、センサデータメモリ26にはセンサデータが蓄えられる。
センサユニット11aの処理の終了に伴ない、センサユニット11aの検知結果格納部25の検知結果(処理結果と付属情報)は伝送路16aを介してセンサデータ制御部12aに転送される。
センサデータ制御部12aは全体制御部13に検知結果の伝送終了を伝える。
また、他のセンサユニット11b、…も同様な処理を施す。
【0039】
全体制御部13は各センサデータ制御部12a、…のそれぞれの結果情報(上記検知結果と同等)を読み取り、同一の検知対象物Sの結果情報から対象物の総合判定を行う。
もし、センサデータ制御部12a、…のいずれかの結果情報がリジェクトであれば、全体制御部13はセンサデータ制御情報として各センサデータ制御部12a、…に所定の対象物がリジェクトある旨を伝える。
【0040】
次に、各センサデータ制御部12a、…は各センサユニット11a、…のセンサデータメモリ26から同一の検知対象物Sのセンサデータをそれぞれ時分割にダウンロードし、センサデータ収集情報としてデータバス17、センサデータ収集I/F部14を介してセンサデータ蓄積部15に格納する。
【0041】
もし、インデックスm番目がリジェクトが発生すれば、比較器45の出力に信号が生成される。センサデータメモリ26にはA/D変換後のセンサデータとインデックス・カウンタ28によるインデックスmとが格納されている。リジェクトが発生した場合、情報制御回路41からの検知結果情報で全体制御部13はインデックスmにリジェクトが発生したことを知る。
【0042】
その後、全体制御部13はセンサデータ制御情報として、全てのセンサデータ制御部(1〜N)12a、…にインデックスmがリジェクトであることを同報通知する。情報制御回路41はこの全体制御部13からの信号を受けて情報バッファ44、I/F42、I/F32を介してセンサユニット制御部27のセンサデータメモリ26へのアクセスを停止する(図8の(f)のデータ格納終了信号)。
【0043】
全ての検知対象物Sの処理終了に伴ない、例えば、センサユニット11aに対しては、センサ1ダウンロード開始信号を、センサデータ制御部12aの情報バッファ44から送信する。図4のセンサデータメモリ26に格納されている、収集対象となるインデックスとセンサデータがセレクタ31を通ってセンサデータ制御部12a、…へダウンロードされ、センサデータ収集用メモリ43に格納される。
【0044】
図8の(f)〜(l)に示すようにセンサユニット11b、…〜Nは同様の処理が施される。全てのセンサユニット11a、…の収集データがダウンロード終了することで、センサデータメモリ26に格納されているインデックスm番目のデータが図7に示すようにデータ収集される。
収集データはインデックス指定されたデータのみではなく、任意の領域指定によるセンサユニット11a、…毎のデータ収集も可能である。
【0045】
次に、上記構成において、検知動作とデータ収集動作について、図8の(a)〜(l)に示すタイミングチャートと、図9に示すフローチャートを参照しつつ詳細に説明する。
【0046】
まず、検知処理の開始時に、全体制御部13は、初期化を示す情報コードを含むセンサデータ制御情報を各センサデータ制御部12a、…に送信する(ST1)。図8の(a)参照。各センサデータ制御部12a、…は、センサデータ制御情報としての転送データをそれぞれ伝送路16a、…を介して各センサユニット11a、…に送信する。
【0047】
各センサユニット11a、…は、供給される転送データ内の初期化を示す情報コードに基づいて、初期化を判断し、インデックス・カウンタ28のカウント値をクリアし(ST2)、セレクタ31をオア回路29側に設定する。
すなわち、全体制御部13からのセンサデータ制御情報がセンサデータ制御部12a(12b、…)の情報制御回路41に供給される。情報制御回路41は供給されるセンサデータ制御情報を転送データとして情報バッファ44、I/F42を介して伝送路16a(16b、…)に出力する。
【0048】
この伝送路16a(16b、…)からのセンサデータ制御情報は、I/F32を介してセンサユニット制御部27に供給される。センサユニット制御部27はセンサデータ制御情報内の初期化を示す情報コードにより初期化を判断し、インデックス・カウンタ28のカウント値をクリアし、セレクタ31をオア回路29側に設定する。
【0049】
この状態において、検知対象物Sが図示しない供給部から順次取出されて搬送路2上を搬送されることにより(ST3)、センサユニット11a、…により検知対象物Sの物理特性が検知され、この検知出力に供給部から順次取出される検知対象物Sに対するインデックス情報を付加して、伝送路16a、…と、センサデータ制御部12a、…を介して全体制御部13に供給する(ST4)。図8の(b)(c)参照。上記検知対象物Sが各センサユニット11a、…を通過するごとに、対応するインデックス・カウンタ28がインクリメントされる。
【0050】
すなわち、センサ21、アンプ22、A/D変換器23を経由したデジタルデータは検知処理器24で特定の処理(例えば、所定位置の類似度演算)を施し、検知結果格納部25に処理結果を格納する。インデックス・カウンタ28のインデックスコードと、検知結果格納部25の検知結果とをオア回路29で出力データとして合成し、セレクタ31、I/F回路32を介して伝送路16a(16b、…)に出力する。
【0051】
この伝送路16a(16b、…)からの出力データはセンサデータ制御部12a(12b、…)のI/F回路42によりシリアル・パラレル変換し、比較器45および情報制御回路41へ供給される。比較器45はI/F回路42からのデータとコードレジスタ46に設定されているリジェクトコードとが比較され、この比較結果が情報制御回路41へ供給される。
情報制御回路41は、伝送路16a(16b、…)からの出力データに比較器45の比較結果とを統合して全体制御部13へ出力する。
【0052】
これにより、全体制御部13は、各センサユニット11a、…からの同一(インデックスコードが同じ)の検知対象物Sごとの種々の物理特性に基づく検知処理の結果を受けて、これらの検知処理の結果に基づいて検知結果を総合的に判断し、この検知結果に応じた指示を対象となる検知対象物Sが対象物振り分け器3に搬送されるまでの時間内に(リアルタイムに)対象物振り分け器3に出力する(ST5)。この場合、全体制御部13は、上記時間内に検知結果が判断できなかった際に、検知結果無しに応じた指示を対象となる検知対象物Sが対象物振り分け器3に搬送されるまでの時間内に対象物振り分け器3に出力する。
【0053】
これにより、対象物振り分け器3は全体制御部13からの検知結果に応じた指示に基づいて対象となる検知対象物Sを振分けて保管庫4a、4bに集積し、全体制御部13からの検知結果無しに応じた指示に基づいて対象となる検知対象物Sを保管庫4cに集積する(ST6)。
【0054】
また、各センサユニット11a、…により検知対象物Sの物理特性が検知されている際に、オア回路30によりA/D変換器23からのディジタル信号(センサの生データ)にインデックス・カウンタ28によるインデックスコードを付加してセンサデータメモリ26に記憶する(ST7)。図8の(e)参照。
【0055】
また、上記ステップ5において、各センサデータ制御部12a、…は、対応するセンサユニット11a、…からの検知結果がリジェクトコードの際に、リジェクトを判断し、全体制御部13に通知する。図8の(d)参照。この際、各センサデータ制御部12a、…は、検知結果情報も上記比較結果とともに全体制御部13に供給する。
【0056】
全体制御部13は、各センサデータ制御部12a、…のいずれかからリジェクトが通知された際に、検知結果情報のインデックスコードの検知対象物Sにリジェクトが発生したことを判断する(ST8)。この後、全体制御部13は、リジェクトが発生した検知対象物Sが確実に全てのセンサユニット11a、…を通過した際、データ格納終了を示す情報コードとインデックスコードからなるセンサデータ制御情報を各センサデータ制御部12a、…に送信する(ST9)。各センサデータ制御部12a、…は、センサデータ制御情報としての転送データをそれぞれ伝送路16a、…を介して各センサユニット11a、…に送信する(ST9)。
【0057】
各センサユニット11a、…は、供給される転送データ内のデータ格納終了を示す情報コードに基づいて、センサデータメモリ26へのアクセスを停止する(ST10)。図8の(e)(f)参照。これにより、実際の停止は各センサユニット11a、…が同一の検知対象物Sのセンサデータを確実にセンサデータメモリ26に確保するため、リジェクト発生後、各センサユニット11a、…の数個分、検知対象物Sが通過してから停止する。
【0058】
すなわち、全体制御部13からのセンサデータ制御情報がセンサデータ制御部12a(12b、…)の情報制御回路41に供給される。情報制御回路41は供給されるセンサデータ制御情報を転送データとして情報バッファ44、I/F42を介して伝送路16a(16b、…)に出力する。
【0059】
この伝送路16a(16b、…)からのセンサデータ制御情報は、I/F32を介してセンサユニット制御部27に供給される。センサユニット制御部27は、供給される転送データ内のデータ格納終了を示す情報コードに基づいて、センサデータメモリ26へのアクセスを停止する。
【0060】
そして、この後、全体制御部13はさらに供給部からの検知対象物Sがある際に(ST11)、検知処理が上記同様に行われる(ST4から6)。
ついで、全体制御部13は、全ての検知対象物Sに対する検知処理の終了にともなって(ST11)、ダウンロード開始を示す情報コードとインデックスコードからなるセンサデータ制御情報を各センサデータ制御部12a、…の1番目から順に送信する(ST12)。図8の(g)(i)(k)参照。各センサデータ制御部12a、…は、センサデータ制御情報としての転送データをそれぞれ伝送路16a、…を介して各センサユニット11a、…に送信する(ST12)。
【0061】
各センサユニット11a、…は、供給される転送データ内のダウンロード開始を示す情報コードとインデックスコードに基づいて、センサデータメモリ26に格納されている、収集対象となるインデックスとセンサデータが、伝送路16aを介してセンサデータ制御部12a、…へダウンロードされ(図8の(h)(j)(l)参照)、さらにデータバス17、センサデータ収集IF部14を介してセンサデータ蓄積部15に格納される(ST13)。すなわち、図7に示すように、同じインデックスに対する各センサユニット11a、…からの生のセンサデータが収集される。
【0062】
すなわち、全体制御部13からのセンサデータ制御情報がセンサデータ制御部12a(12b、…)の情報制御回路41に供給される。情報制御回路41は供給されるセンサデータ制御情報を転送データとして情報バッファ44、I/F42を介して伝送路16a(16b、…)に出力する。
【0063】
この伝送路16a(16b、…)からのセンサデータ制御情報は、I/F32を介してセンサユニット制御部27に供給される。センサユニット制御部27はセンサデータ制御情報内のダウンロード開始を示す情報コードによりセンサデータのダウンロードを判断し、セレクタ31をセンサデータメモリ26に切換える。また、センサユニット制御部27はダウンロードを行うインデックスコードに基づいて、センサデータメモリ26に格納されている、収集対象となるインデックスとセンサデータを順次読出し、セレクタ31、I/F32を介して伝送路16a(16b、…)に出力する。
【0064】
この伝送路16a(16b、…)からのインデックスとセンサデータはI/F42を介してセンサデータ収集用メモリ43にダウンロードされる。このセンサデータ収集用メモリ43に検知対象物S単位のセンサデータとインデックスがダウンロードされた際、そのデータがデータバス17、センサデータ収集IF部14を介してセンサデータ蓄積部15に供給され、格納される。
【0065】
上記したように、センサユニットとセンサデータ制御部との情報伝送用の伝送路と同一線路をセンサユニットの生データ収集用に使うことで、生データ収集用の余分な線路や装置が不要となる。
【0066】
また、複数のセンサユニットからなる検知装置で、少なくとも1つのセンサユニットでリジェクト等の不確定結果が発生したとき、そのリジェクトに対応する検知対象物の各センサユニットでのセンシングデータを確保し、収集することで、即時的な総合解析が可能となる。
(第2の実施形態)
なお、上記第1の実施形態では、各センサユニット11a、…のいずれかで所定の検知対象物Sに対する検知結果がリジェクトとなった際に、各センサユニット11a、…のセンサデータメモリ26に上記検知対象物Sに対するセンサデータが記憶されるものであり、1つの検知対象物Sに対するセンサデータが記憶されるものである。これに対して、複数のリジェクトに対応し、複数の検知対象物Sに対するセンサデータが記憶されるものであっても良い。この第2の実施形態では、第1の実施形態と同一部位には同一符号を付し説明を省略する。
【0067】
この場合、図10に示すように、センサデータメモリ26を搬送路2によって搬送されている現在処理中の複数の検知対象物Sに対するセンサデータが記憶される第1の領域26aと、リジェクトが生じた検知対象物Sに対するセンサデータが記憶される第2の領域26bとを設ける。これにより、所望の検知対象物Sに対するリジェクトが生じた際に、その検知対象物Sに対する第1の領域26aに記憶されているセンサデータを第2の領域26bに記憶し、全ての検知対象物Sに対する検知、振分け処理が終了した際に、第2の領域26bに記憶されているセンサデータがセンサデータ収集用メモリ43にダウンロードされた後、センサデータ蓄積部15に供給され、格納される。
なお、上記センサデータは、上記第1の実施形態と同様に、インデックスにより管理されている。
【0068】
次に、上記構成において、検知動作とデータ収集動作について、図11に示すフローチャートを参照しつつ詳細に説明する。
まず、検知処理の開始時に、全体制御部13は、初期化を示す情報コードを含むセンサデータ制御情報を各センサデータ制御部12a、…に送信する(ST1)。各センサデータ制御部12a、…は、センサデータ制御情報としての転送データをそれぞれ伝送路16a、…を介して各センサユニット11a、…に送信する。
【0069】
各センサユニット11a、…は、供給される転送データ内の初期化を示す情報コードに基づいて、初期化を判断し、インデックス・カウンタ28のカウント値をクリアし(ST2)、セレクタ31をオア回路29側に設定する。
すなわち、全体制御部13からのセンサデータ制御情報がセンサデータ制御部12a(12b、…)の情報制御回路41に供給される。情報制御回路41は供給されるセンサデータ制御情報を転送データとして情報バッファ44、I/F42を介して伝送路16a(16b、…)に出力する。
【0070】
この伝送路16a(16b、…)からのセンサデータ制御情報は、I/F32を介してセンサユニット制御部27に供給される。センサユニット制御部27はセンサデータ制御情報内の初期化を示す情報コードにより初期化を判断し、インデックス・カウンタ28のカウント値をクリアし、セレクタ31をオア回路29側に設定する。
【0071】
この状態において、検知対象物Sが図示しない供給部から順次取出されて搬送路2上を搬送されることにより(ST3)、センサユニット11a、…により検知対象物Sの物理特性が検知され、この検知出力に供給部から順次取出される検知対象物Sに対するインデックス情報を付加して、伝送路16a、…と、センサデータ制御部12a、…を介して全体制御部13に供給する(ST4)。上記検知対象物Sが各センサユニット11a、…を通過するごとに、対応するインデックス・カウンタ28がインクリメントされる。
【0072】
すなわち、センサ21、アンプ22、A/D変換器23を経由したデジタルデータは検知処理器24で特定の処理(例えば、所定位置の類似度演算)を施し、検知結果格納部25に処理結果を格納する。インデックス・カウンタ28のインデックスコードと、検知結果格納部25の検知結果とをオア回路29で出力データとして合成し、セレクタ31、I/F回路32を介して伝送路16a(16b、…)に出力する。
【0073】
この伝送路16a(16b、…)からの出力データはセンサデータ制御部12a(12b、…)のI/F回路42によりシリアル・パラレル変換し、比較器45および情報制御回路41へ供給される。比較器45はI/F回路42からのデータとコードレジスタ46に設定されているリジェクトコードとが比較され、この比較結果が情報制御回路41へ供給される。
情報制御回路41は、伝送路16a(16b、…)からの出力データに比較器45の比較結果とを統合して全体制御部13へ出力する。
【0074】
これにより、全体制御部13は、各センサユニット11a、…からの同一(インデックスコードが同じ)の検知対象物Sごとの種々の物理特性に基づく検知処理の結果を受けて、これらの検知処理の結果に基づいて検知結果を総合的に判断し、この検知結果に応じた指示を対象となる検知対象物Sが対象物振り分け器3に搬送されるまでの時間内に(リアルタイムに)対象物振り分け器3に出力する(ST5)。この場合、全体制御部13は、上記時間内に検知結果が判断できなかった際に、検知結果無しに応じた指示を対象となる検知対象物Sが対象物振り分け器3に搬送されるまでの時間内に対象物振り分け器3に出力する。
【0075】
これにより、対象物振り分け器3は全体制御部13からの検知結果に応じた指示に基づいて対象となる検知対象物Sを振分けて保管庫4a、4bに集積し、全体制御部13からの検知結果無しに応じた指示に基づいて対象となる検知対象物Sを保管庫4cに集積する(ST6)。
【0076】
また、各センサユニット11a、…により検知対象物Sの物理特性が検知されている際に、オア回路30によりA/D変換器23からのディジタル信号(センサの生データ)にインデックス・カウンタ28によるインデックスコードを付加してセンサデータメモリ26の第1の領域26aに記憶する(ST7’)。
【0077】
また、上記ステップ5において、各センサデータ制御部12a、…は、対応するセンサユニット11a、…からの検知結果がリジェクトコードの際に、リジェクトを判断し、全体制御部13に通知する。この際、各センサデータ制御部12a、…は、検知結果情報も上記比較結果とともに全体制御部13に供給する。
【0078】
全体制御部13は、各センサデータ制御部12a、…のいずれかからリジェクトが通知された際に、検知結果情報のインデックスコードの検知対象物Sにリジェクトが発生したことを判断する(ST8)。この後、全体制御部13は、リジェクトが発生した検知対象物Sが確実に全てのセンサユニット11a、…を通過した際、データ格納を示す情報コードとインデックスコードからなるセンサデータ制御情報を各センサデータ制御部12a、…に送信する(ST9’)。各センサデータ制御部12a、…は、センサデータ制御情報としての転送データをそれぞれ伝送路16a、…を介して各センサユニット11a、…に送信する(ST9’)。
【0079】
各センサユニット11a、…は、供給される転送データ内のデータ格納を示す情報コードとインデックスに基づいて、センサデータメモリ26の第1の領域26aに記憶されている上記インデックスに対応するセンサデータを第2の領域26bに記憶する(ST10’)。これにより、実際のデータ格納は各センサユニット11a、…が同一の検知対象物Sのセンサデータを確実にセンサデータメモリ26の第1の領域26aに確保するため、リジェクト発生後、各センサユニット11a、…の数個分、検知対象物Sが通過してから行われる。
【0080】
すなわち、全体制御部13からのセンサデータ制御情報がセンサデータ制御部12a(12b、…)の情報制御回路41に供給される。情報制御回路41は供給されるセンサデータ制御情報を転送データとして情報バッファ44、I/F42を介して伝送路16a(16b、…)に出力する。
【0081】
この伝送路16a(16b、…)からのセンサデータ制御情報は、I/F32を介してセンサユニット制御部27に供給される。センサユニット制御部27は、供給される転送データ内のデータ格納を示す情報コードとインデックスに基づいて、センサデータメモリ26の第1の領域26aに記憶されている上記インデックスに対応するセンサデータを第2の領域26bに記憶する。
そして、この後、全体制御部13はさらに供給部からの検知対象物Sが存在する場合(ST11)、上記ステップ4に戻る。
【0082】
また、上記ステップ11における全ての検知対象物Sに対する検知処理の終了にともなって、全体制御部13はダウンロード開始を示す情報コードとインデックスコードからなるセンサデータ制御情報を各センサデータ制御部12a、…の1番目から順に送信する(ST12)。各センサデータ制御部12a、…は、センサデータ制御情報としての転送データをそれぞれ伝送路16a、…を介して各センサユニット11a、…に送信する(ST12)。
【0083】
各センサユニット11a、…は、供給される転送データ内のダウンロード開始を示す情報コードに基づいて、センサデータメモリ26の第2の領域26bに格納されている、収集対象となるインデックスとセンサデータが、伝送路16aを介してセンサデータ制御部12a、…へダウンロードされ、さらにデータバス17、センサデータ収集IF部14を介してセンサデータ蓄積部15に格納される(ST13)。すなわち、リジェクトとなっている同じインデックスに対する各センサユニット11a、…からの生のセンサデータが収集される。
【0084】
すなわち、全体制御部13からのセンサデータ制御情報がセンサデータ制御部12a(12b、…)の情報制御回路41に供給される。情報制御回路41は供給されるセンサデータ制御情報を転送データとして情報バッファ44、I/F42を介して伝送路16a(16b、…)に出力する。
【0085】
この伝送路16a(16b、…)からのセンサデータ制御情報は、I/F32を介してセンサユニット制御部27に供給される。センサユニット制御部27はセンサデータ制御情報内のダウンロード開始を示す情報コードによりセンサデータのダウンロードを判断し、セレクタ31をセンサデータメモリ26側に切換える。また、センサユニット制御部27はセンサデータメモリ26の第2の領域26bに格納されている、収集対象となるインデックスとセンサデータを順次読出し、セレクタ31、I/F32を介して伝送路16a(16b、…)に出力する。
【0086】
この伝送路16a(16b、…)からのインデックスとセンサデータはI/F42を介してセンサデータ収集用メモリ43にダウンロードされる。このセンサデータ収集用メモリ43に検知対象物S単位のセンサデータとインデックスがダウンロードされた際、そのデータがデータバス17、センサデータ収集IF部14を介してセンサデータ蓄積部15に供給され、格納される。
【0087】
上記したように、センサユニットとセンサデータ制御部との情報伝送用の伝送路と同一線路をセンサユニットの生データ収集用に使うことで、生データ収集用の余分な線路や装置が不要となる。
また、複数のセンサユニットからなる検知装置で、少なくとも1つのセンサユニットでリジェクト等の不確定結果が発生したとき、そのリジェクトに対応する検知対象物の各センサユニットでのセンシングデータを複数確保し、収集することで、即時的な総合解析が可能となる。
【0088】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、複数のセンサユニットとこれらのセンサユニットと低速のシリアル伝送路により接続される制御部とからなる検知装置において、上記センサユニットからの検知対象物を判定した判定結果あるいはリジェクト等の不確定結果の伝送とセンサユニットに記憶した不確定結果に対応する検知対象物の物理特性情報の伝送とを、共通の1つの伝送路を用いて行うことができ、データ収集用の余分な経路や装置が不要となる検知装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のセンサデータ処理の概略構成を示す図。
【図2】この発明の実施形態を説明するための検知装置の概略構成を示す図。
【図3】検知装置の概略構成を示す図。
【図4】センサユニットとセンサデータ制御部の概略構成を示すブロック図。
【図5】センサユニットとセンサデータ制御部との間の転送データの例を示す図。
【図6】情報コードを説明するための図。
【図7】センサデータ蓄積部におけるセンサデータの収集例を示す図。
【図8】検知動作とデータ収集動作を説明するためのタイミングチャート。
【図9】検知動作とデータ収集動作を説明するためのフローチャート。
【図10】センサユニットとセンサデータ制御部の概略構成を示すブロック図。
【図11】検知動作とデータ収集動作を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
S…検知対象物、1…検知装置、2…搬送路、11a…センサユニット、12a…センサデータ制御部、13…全体制御部、14…IF部、15…センサデータ蓄積部、16a…伝送路、17…データバス、18…制御部、24…検知処理器、25…検知結果格納部、26…センサデータメモリ、27…センサユニット制御部、28…インデックス・カウンタ、41…情報制御回路、43…センサデータ収集用メモリ、45…比較器、46…コードレジスタ。

Claims (7)

  1. 複数のセンサユニットとこれらのセンサユニットとシリアル伝送路により接続される制御部とからなる検知装置において、
    上記センサユニットが、
    検知対象物から得られる種々の物理特性情報の中の1つを得る取得手段と、この取得手段により取得した検知対象物単位の物理特性情報を記憶する記憶手段と、上記取得手段により検知対象物ごとに得られる物理特性情報により検知対象物を判定した第1の判定結果あるいはリジェクト等の不確定結果を上記物理特性情報よりも少ない情報量で出力する第1の判定手段と、上記制御部から供給される上記記憶手段による物理特性情報の記憶の終了要求に基づいて上記記憶手段による物理特性情報の記憶を終了する終了手段と、上記制御部から供給される不確定結果に対応する検知対象物の物理特性情報の送信要求に基づいて上記記憶手段に記憶されている不確定結果に対応する検知対象物の物理特性情報を上記制御部へ送信する送信手段とを有し、
    上記制御部が、
    上記複数のセンサユニットからの検知対象物ごとの複数の第1の判定結果により対応する検知対象物を総合判定した第2の判定結果を出力する第2の判定手段と、上記複数のセンサユニットの少なくとも1つからリジェクト等の不確定結果が供給されたことを判断する判断手段と、この判断手段により不確定結果の供給が判断された際に、上記各センサユニットに上記記憶手段による物理特性情報の記憶の終了を要求する第1の要求手段と、上記各センサユニットに上記記憶手段に記憶されている不確定結果に対応する検知対象物の物理特性情報の送信を要求する第2の要求手段と、この第2の要求手段に応答して上記各センサユニットから供給される検知対象物の物理特性情報を蓄積する蓄積手段とを有する、
    ことを特徴とする検知装置。
  2. 上記検知対象物をインデックスコードにより管理し、
    上記第1の判定手段による第1の判定結果あるいはリジェクト等の不確定結果を出力する際に、インデックスコードを付与し、
    上記記憶手段により検知対象物単位の物理特性情報を記憶する際に、インデックスコードを付与し、
    上記第1の要求手段による物理特性情報の記憶の終了を要求する際に、インデックスコードを付与し、
    上記第2の要求手段による不確定結果に対応する検知対象物の物理特性情報の送信を要求する際に、インデックスコードを付与する
    ことを特徴とする請求項1に記載の検知装置。
  3. 上記取得手段は、物理特性として検知対象物のイメージの画像パターン、検知対象物上の光情報としての赤外、紫外、可視光情報、検知対象物の厚さ情報、検知対象物を分割して検知した検知結果の隣同士の差分を取って蓄積した情報のいずれかを取得する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の検知装置。
  4. 搬送路上を搬送される検知対象物に対する検知処理を行う複数のセンサユニットとこれらのセンサユニットとシリアル伝送路により接続される制御部とからなる検知装置において、
    上記センサユニットが、
    上記搬送路により搬送される検知対象物から得られる種々の物理特性情報の中の1つを得る取得手段と、この取得手段により取得した検知対象物単位の物理特性情報を記憶する記憶手段と、上記取得手段により検知対象物ごとに得られる物理特性情報により検知対象物を判定した第1の判定結果あるいはリジェクト等の不確定結果を上記物理特性情報よりも少ない情報量で出力する第1の判定手段と、上記制御部から供給される上記記憶手段による物理特性情報の記憶の終了要求に基づいて上記記憶手段による物理特性情報の記憶を終了する終了手段と、上記制御部から供給される不確定結果に対応する検知対象物の物理特性情報の送信要求に基づいて上記記憶手段に記憶されている不確定結果に対応する検知対象物の物理特性情報を上記制御部へ送信する送信手段とを有し、
    上記制御部が、
    上記複数のセンサユニットからの検知対象物ごとの複数の第1の判定結果により対応する検知対象物を総合判定した第2の判定結果を出力する第2の判定手段と、上記複数のセンサユニットの少なくとも1つからリジェクト等の不確定結果が供給されたことを判断する判断手段と、この判断手段により不確定結果の供給が判断され、この不確定結果に対応する検知対象物が上記センサユニットの全てを通過した後、上記各センサユニットに上記記憶手段による物理特性情報の記憶の終了を要求する第1の要求手段と、上記搬送路によって搬送される検知対象物がなくなった際に、上記各センサユニット記憶手段に記憶されている不確定結果に対応する検知対象物の物理特性情報の送信を要求する第2の要求手段と、この第2の要求手段に応答して上記各センサユニットから供給される検知対象物の物理特性情報を蓄積する蓄積手段とを有する、
    ことを特徴とする検知装置。
  5. 上記検知対象物をインデックスコードにより管理し、
    上記第1の判定手段による第1の判定結果あるいはリジェクト等の不確定結果を出力する際に、インデックスコードを付与し、
    上記記憶手段により検知対象物単位の物理特性情報を記憶する際に、インデッ
    クスコードを付与し、
    上記第1の要求手段による物理特性情報の記憶の終了を要求する際に、インデックスコードを付与し、
    上記第2の要求手段による不確定結果に対応する検知対象物の物理特性情報の送信を要求する際に、インデックスコードを付与する
    ことを特徴とする請求項4に記載の検知装置。
  6. 複数のセンサユニットとこれらのセンサユニットとシリアル伝送路により接続される制御部とからなる検知装置において、
    上記センサユニットが、
    検知対象物から得られる種々の物理特性情報の中の1つを得る取得手段と、
    この取得手段により検知対象物ごとに得られる物理特性情報により検知対象物を判定した第1の判定結果あるいはリジェクト等の不確定結果を上記物理特性情報よりも少ない情報量で出力する第1の判定手段と、上記制御部から供給される物理特性情報の記憶要求に基づいて上記不確定結果に対応する検知対象物の物理特性情報を少なくとも1つ記憶する記憶手段と、上記制御部から供給される不確定結果に対応する検知対象物の物理特性情報の送信要求に基づいて上記記憶手段に記憶されている不確定結果に対応する検知対象物の物理特性情報を上記制御部へ送信する送信手段とを有し、
    上記制御部が、
    上記複数のセンサユニットからの検知対象物ごとの複数の第1の判定結果により対応する検知対象物を総合判定した第2の判定結果を出力する第2の判定手段と、上記複数のセンサユニットの少なくとも1つからリジェクト等の不確定結果が供給されたことを判断する判断手段と、この判断手段により不確定結果の供給が判断された際に、上記各センサユニットに上記物理特性情報の記憶を要求する第1の要求手段と、上記各センサユニットに不確定結果に対応する検知対象物の物理特性情報の送信を要求する第2の要求手段と、この第2の要求手段に応答して上記各センサユニットから供給される検知対象物の物理特性情報を蓄積する蓄積手段とを有する、
    ことを特徴とする検知装置。
  7. 上記検知対象物をインデックスコードにより管理し、
    上記第1の判定手段による第1の判定結果あるいはリジェクト等の不確定結果を出力する際に、インデックスコードを付与し、
    上記記憶手段により検知対象物単位の物理特性情報を記憶する際に、インデックスコードを付与し、
    上記第1の要求手段による物理特性情報の記憶の終了を要求する際に、インデックスコードを付与し、
    上記第2の要求手段による不確定結果に対応する検知対象物の物理特性情報の送信を要求する際に、インデックスコードを付与する
    ことを特徴とする請求項6に記載の検知装置。
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