JP4534391B2 - 媒体取扱装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、媒体取扱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、金融機関、流通機構等に設置される現金自動取扱装置には、現金の取扱い、公共料金の支払い等の取引きが行われたときに、取引データに従って取引き内容を表す明細書を発行する媒体取扱装置が配設されている。そして、前記明細書に使用される媒体には、タイミングマークが付与されているとともに、綴(つづ)り穴及びミシン目が形成され、一つの取引き分の明細書の長さは一定である。
【0003】
図2は従来の媒体の例を示す図である。
【0004】
図において、50は媒体、51は該媒体50に印字することによって付与されたタイミングマーク、52はミシン目、53は綴り穴である。
【0005】
ところで、前記取引きが行われるのに伴って、カードが使用されることが多い。そこで、前記媒体取扱装置は、明細書を発行するための明細書発行機構、及びカードを取り扱うカード取扱機構を備える。そして、上位装置から送信された印字データを受信すると、前記明細書発行機構において、媒体供給部に装填(てん)されているロール状の媒体50が媒体搬送路に繰り出され、印字部に送られる。続いて、該印字部において、前記印字データに従って印字が行われ、印字が行われた媒体50は、媒体切断部に送られ、該媒体切断部においてミシン目52で切断されて明細書になる。そして、該明細書は顧客受取口に排出される。
【0006】
なお、媒体取扱装置を小型化するために、また、明細書をカードと共に重ねて排出することができるように、前記カード取扱機構の上に明細書発行機構が載置される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の媒体取扱装置においては、取引データの量が多くなるのに伴って印字データの量が多くなったときに、明細書上における印字領域を広くしようとすると、タイミングマーク51及びミシン目52のピッチを長くする必要がある。
【0008】
したがって、取引データの量が異なる取引きの種類ごとにタイミングマーク51及びミシン目52のピッチを異ならせて形成された媒体が必要になり、媒体の管理が極めて煩雑になってしまう。
【0009】
本発明は、前記従来の媒体取扱装置の問題点を解決して、取引データの量が多くなったときに、媒体を容易に管理することができる媒体取扱装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の媒体取扱装置においては、所定のピッチでタイミングマークが付与された連続する媒体に対して、印字データに従って印字を行う印字部と、印字が終了したときに、媒体を所定の切断箇所で切断して、発行媒体を形成する媒体切断部と、前記所定の切断箇所で媒体が切断されたときに、前記媒体に対して、前記所定の切断箇所から次のタイミングマークに対応する切断箇所までの領域の残長分の改行を行い、前記次のタイミングマークに対応する切断箇所で前記媒体が切断された場合の、前記所定の切断箇所と前記次のタイミングマークに対応する切断箇所とによって形成される残長片が、搬送可能な長さを有するかどうかを判断する残長片判断処理手段と、前記残長片が搬送可能な長さを有する場合、前記次のタイミングマークに対応する切断箇所を次の切断箇所として設定し、前記残長片が搬送可能な長さを有しない場合、更に次のタイミングマークに対応する切断箇所を次の切断箇所として設定する切断箇所設定処理手段とを有する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
図1は本発明の実施の形態における媒体取扱装置の概略図である。
【0013】
図に示されるように、媒体取扱装置は、現金の取扱い、公共料金の支払い等の取引きが行われたときに、取引データに従って取引き内容を表す発行媒体としての図示されない明細書を発行するための明細書発行機構10A、及び取引きに伴って使用される図示されないカードを取り扱うカード取扱機構10Bを備え、媒体取扱装置を小型化するために、また、明細書をカードと共に重ねて排出することができるように、前記カード取扱機構10Bの上に明細書発行機構10Aが載置される。該明細書発行機構10Aにおいて連続する媒体、明細書等を搬送するために媒体搬送路31が、前記カード取扱機構10Bにおいてカードを搬送するためにカード搬送路32が配設される。
【0014】
前記明細書発行機構10Aは、媒体を収容するとともに媒体搬送路31に繰り出す媒体繰出機構部11A、及び繰り出された媒体に対して処理を施す媒体処理部11Bを備える。そして、前記媒体繰出機構部11Aは、搬送方向における媒体搬送路31の上流側の端部において、媒体を媒体搬送路31に繰り出す媒体供給部12、及び補充用のロール状の媒体から成るリール18を収容する補充媒体収容部13を備える。また、前記媒体処理部11Bは、前記媒体供給部12から繰り出された媒体に対して印字を行うサーマルヘッド25、媒体を所定の位置で切断する媒体切断部26、前記媒体搬送路31から分岐させられた分岐路34と媒体搬送路31との間で搬送路を切り換える切換ブレード29を備える。また、前記媒体処理部11Bは、顧客が取り忘れた明細書を前記分岐路34を介して取り込むための取込部33を備える。
【0015】
そして、操作者が、前記リール18を補充媒体収容部13にセットすると、検出部34がリール18を検出する。続いて、アーム20が上方に移動させられ、リール18は媒体供給部12にセットされる。該媒体供給部12の下部には、駆動プーリ21、従動プーリ24、及び前記駆動プーリ21と従動プーリ24との間に張設されたベルト22が配設され、前記媒体供給部12にセットされたリール18はベルト22上に載置される。そして、検出部41によってリール18が検出されると、図示されない制御部は、図示されない駆動モータを駆動し、駆動プーリ21を回転させ、ベルト22を走行させる。その結果、リール18から媒体が繰り出され、分離ガイド23の下方を通過して媒体搬送路31に送られる。
【0016】
前記媒体処理部11Bにおいて、媒体は媒体搬送路31に臨ませて回転自在に配設されたローラR1〜R3によって搬送される。また、媒体の搬送方向における上流側から下流側にかけて、センサ42、サーマルヘッド25及びプラテン27、媒体切断部26、センサ43が媒体搬送路31に臨ませて順に配設される。
【0017】
そして、センサ42によって媒体の前端が検出されると、前記制御部は、図示されない搬送モータを駆動し、プラテン27及びローラR1を回転させ、前記媒体をローラR1によって挟持してサーマルヘッド25及びプラテン27によって構成される印字部に送る。該印字部においては、サーマルヘッド25が駆動され、前記媒体に対して、取引データに基づいて作成され、図示されない上位装置から送信された印字データに従って印字を行う。
【0018】
また、前記媒体切断部26は、印字部において印字が終了した後の媒体を所定の一つの取引き分の長さで切断し、明細書を形成する。そして、該明細書は、ローラR2、R3によって挟持されて搬送され、排出口16に排出される。また、顧客が明細書を取り忘れると、排出口16に配設された図示されないセンサによって明細書が取り忘れられた旨が検出され、制御部は、図示されない切替用の駆動モータを駆動し、切換ブレード29を切り替え、明細書を媒体搬送路31及び分岐路34を介して取込部33に送り、取り込む。
【0019】
なお、前記センサ43は、媒体に付与された後述されるタイミングマークの位置を検出し、前記媒体を切断するための長さを管理する。
【0020】
また、取引きが終了するのに伴ってカードが明細書と共に排出口16に排出されるが、顧客がカードを取り忘れると、排出口16に配設された前記センサによってカードが取り忘れられた旨が検出され、カードは、カード搬送路32を介してカード取込部15に送られ、取り込まれる。なお、14は前記カードに記録された情報を読み取る読取部である。
【0021】
次に、前記構成の媒体取扱装置の動作について説明する。
【0022】
図3は本発明の実施の形態における媒体取扱装置の動作を示すフローチャート、図4は本発明の実施の形態における媒体の例を示す図である。
【0023】
図4において、60は媒体、51、51a、51bは該媒体60に印字によって付与されたタイミングマーク、62は切断箇所、53は綴り穴、60a、60cは明細書となる一つの取引き分の領域、60bは残長片となる残長分の領域である。
【0024】
まず、前記媒体60が媒体繰出機構部11A(図1)から繰り出されると、制御部の図示されない印字処理手段は、印字処理を行い、前記搬送モータを駆動してプラテン27及びローラR1を回転させ、サーマルヘッド25を駆動し、印字データに従って、搬送された媒体60に対して印字を行う。そして、印字が終了すると、前記制御部は、搬送モータを駆動してプラテン27及びローラR1を回転させ、必要な余白分の改行を行って、切断箇所62を媒体切断部26の位置に送り、前記切断箇所62で媒体60を切断する。その結果、領域60aにおいて、一つの取引き分の明細書が形成される。
【0025】
次に、前記制御部は、搬送モータを駆動してローラR2、R3を回転させ、媒体搬送路31に沿って明細書を搬送し、排出口16に排出する。
【0026】
ところで、取引データが多く、したがって、印字データの量が多い場合、図4に示されるように、領域60aは次のタイミングマーク51aを越えて長く設定され、(更に)次のタイミングマーク51bに対応する(タイミングマーク51bの直前の)切断箇所62までの領域、すなわち、残長分の領域60bがその分短くなる。そこで、制御部の図示されない残長片判断処理手段は、残長片判断処理を行い、搬送モータを駆動してプラテン27及びローラR1を回転させ、残長分の改行を行い、仮に、タイミングマーク51bに対応する切断箇所62で媒体60を切断したときに形成される残長片を搬送することができるかどうか、すなわち、残長片が搬送可能な長さを有するかどうかを判断する。
【0027】
そのために、前記残長片判断処理手段は、切断箇所62で媒体60が切断されてから、次のタイミングマーク51bが検出されるまでの媒体60の改行量を読み込み、該改行量が設定値より大きいかどうかを判断する。そして、改行量が設定値より大きく、残長片が搬送可能な長さを有する場合、前記制御部の図示されない切断箇所設定処理手段は、切断箇所設定処理を行い、タイミングマーク51bに対応する切断箇所62を次の切断箇所として設定する。また、改行量が設定値以下であり、残長片が搬送可能な長さを有しない場合、前記切断箇所設定処理手段は、図示されない更に次のタイミングマークに対応する切断箇所を次の切断箇所として設定する。なお、前記設定値は、ローラR1とプラテン27との間の距離、プラテン27とローラR2との間の距離、及びローラR2、R3間の距離のうちの最も長いものに対応させて設定される。また、前記改行量は、例えば、媒体60を搬送するための搬送モータの回転数に基づいて算出される。
【0028】
そして、前記制御部は、搬送モータを駆動してプラテン27及びローラR1を回転させ、媒体60を媒体切断部26に送り、設定された切断箇所62を媒体切断部26の位置に置く。該媒体切断部26は、前記切断箇所62で媒体60を切断し、残長片、又は残長分に一つの取引き分を加えた長さの残長調整片を形成する。
【0029】
続いて、前記制御部の図示されない取込処理手段は、残長片又は残長調整片を取込部33に取り込む。
【0030】
このように、本実施の形態においては、印字データに対応させて設定された切断箇所62で媒体60が切断されるので、取引データの量が多くなるのに伴って印字データの量が多くなったときに、タイミングマークのピッチを長くする必要がない。したがって、取引データの量が異なる取引きの種類ごとにタイミングマークのピッチを異ならせて形成された媒体が不要になり、媒体60を容易に管理することができる。
【0031】
また、搬送可能な長さを有しない残長片が搬送されることがないので、紙詰(づま)り等が発生するのを防止することができる。
【0032】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 印字データに従って印字を行う。
ステップS2 余白分の改行を行う。
ステップS3 媒体60を切断する。
ステップS4 明細書を搬送する。
ステップS5 明細書を排出する。
ステップS6 残長分を改行する。
ステップS7 残長片が搬送可能な長さを有するかどうかを判断する。残長片が搬送可能な長さを有する場合はステップS8に、有しない場合はステップS10に進む。
ステップS8 媒体60を切断する。
ステップS9 残長片を取り込み、処理を終了する。
ステップS10 一つの取引き分の改行を行う。
ステップS11 媒体60を切断する。
ステップS12 残長調整片を取り込み、処理を終了する。
【0033】
本実施の形態において、前記残長片判断処理手段は、切断箇所62で媒体60が切断されてから、次のタイミングマークが検出されるまでの媒体60の改行量を読み込み、該改行量が設定値より大きいかどうかを判断するようにしているが、切断箇所62で媒体60が切断されたときに、一つ前のタイミングマークが検出されてから、前記切断箇所62で媒体60が切断されるまでの改行量を読み込み、該改行量が設定値より小さいかどうかを判断することもできる。
【0034】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0035】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、媒体取扱装置においては、所定のピッチでタイミングマークが付与された連続する媒体に対して、印字データに従って印字を行う印字部と、印字が終了したときに、媒体を所定の切断箇所で切断して、発行媒体を形成する媒体切断部と、前記所定の切断箇所で媒体が切断されたときに、前記媒体に対して、前記所定の切断箇所から次のタイミングマークに対応する切断箇所までの領域の残長分の改行を行い、前記次のタイミングマークに対応する切断箇所で前記媒体が切断された場合の、前記所定の切断箇所と前記次のタイミングマークに対応する切断箇所とによって形成される残長片が、搬送可能な長さを有するかどうかを判断する残長片判断処理手段と、前記残長片が搬送可能な長さを有する場合、前記次のタイミングマークに対応する切断箇所を次の切断箇所として設定し、前記残長片が搬送可能な長さを有しない場合、更に次のタイミングマークに対応する切断箇所を次の切断箇所として設定する切断箇所設定処理手段とを有する。
【0036】
この場合、取引データの量が多くなるのに伴って印字データの量が多くなっても、印字データに対応させて設定された切断箇所で媒体が切断されるので、取引データの量が異なる取引きの種類ごとにタイミングマークのピッチを異ならせて形成された媒体が不要になり、媒体を容易に管理することができる。
【0037】
また、切断に伴って形成される残長片が、搬送可能な長さを有するかどうかが判断され、判断結果に基づいて、次の切断箇所が設定されるので、搬送可能な長さを有しない残長片が搬送されることがなく、紙詰り等が発生するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における媒体取扱装置の概略図である。
【図2】従来の媒体の例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態における媒体取扱装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態における媒体の例を示す図である。
【符号の説明】
25 サーマルヘッド
26 媒体切断部
27 プラテン
51、51a、51b タイミングマーク
60 媒体
62 切断箇所

Claims (2)

  1. (a)所定のピッチでタイミングマークが付与された連続する媒体に対して、印字データに従って印字を行う印字部と、
    (b)印字が終了したときに、媒体を所定の切断箇所で切断して、発行媒体を形成する媒体切断部と、
    (c)前記所定の切断箇所で媒体が切断されたときに、前記媒体に対して、前記所定の切断箇所から次のタイミングマークに対応する切断箇所までの領域の残長分の改行を行い、前記次のタイミングマークに対応する切断箇所で前記媒体が切断された場合の、前記所定の切断箇所と前記次のタイミングマークに対応する切断箇所とによって形成される残長片が、搬送可能な長さを有するかどうかを判断する残長片判断処理手段と、
    (d)前記残長片が搬送可能な長さを有する場合、前記次のタイミングマークに対応する切断箇所を次の切断箇所として設定し、前記残長片が搬送可能な長さを有しない場合、更に次のタイミングマークに対応する切断箇所を次の切断箇所として設定する切断箇所設定処理手段とを有することを特徴とする媒体取扱装置
  2. 記残長片判断処理手段は、前記所定の切断箇所で媒体が切断されてから次のタイミングマークが検出されるまでの媒体における改行量が設定値より大きいかどうかによって、前記残長片が搬送可能な長さを有するかどうかを判断する請求項に記載の媒体取扱装置
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