JP2605640Y2 - 農用トラクタにおける油圧昇降操作装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案はロータリ作業機を接続し
た農用トラクタの操作装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、農用トラクタの運転部には、正面
位置に操縦用ハンドルを配設し、運転席の左側位置には
副変速レバーを設けると共に、右側位置には油圧昇降用
操作レバーと主変速レバーを設けている。また、運転者
の足元部には左側に主クラッチペダルを設けていると共
に、右側にはブレーキペダルを配設した構造となってい
る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところが、上記従来形
においては、農用トラクタによりロータリ作業を行う場
合は、左右の手にて操縦用ハンドルを操作すると同時
に、枕地においては右手で主変速を操作すると同時に油
圧昇降用操作レバーを操作してロータリ作業機を上昇さ
せた状態で機体の旋回を行う必要があり、運転操作が煩
雑で事故が発生しやすいものであった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】そこで、本考案は、機体
後部にロータリ装置を接続して油圧昇降装置により上下
昇降自在とした農用トラクタにおいて、油圧昇降装置の
上下操作とＰＴＯ軸の入切操作を同時に行う操作スイッ
チを運転者の足元部に設けると共に、同操作スイッチと
ＰＴＯ軸側の入切操作を連動状態と連動しない状態とに
切換える切換えスイッチを設けたことを特徴とする農用
トラクタにおける油圧昇降操作装置を提供せんとするも
のである。

【０００５】

【実施例】本考案の実施例を図面に基づき具体的に説明
すると、１は農用トラクタの機体であって、機体１の前
部にはエンジン２を搭載していると共に、主クラッチ装
置３を設けている。４はエンジン２の上部を覆うボンネ
ット、５は前車輪である。

【０００６】また、６は機体１の後部に設けるトランス
ミッションケース、７は油圧シリンダ、８はロータリ装
置8-1 を上下昇降する油圧昇降装置、９はリフトアーム
である。10は後車輪、11は運転部であって、ダッシュボ
ード12には操縦用ステアリングハンドル13を装着してい
る。

【０００７】14は運転者用座席15の右側位置に設ける主
変速レバー、16は同主変速レバー14の後方上部位置に設
ける手動式の油圧昇降レバーである。

【０００８】また、17は運転者の足元部18に設ける操作
スイッチであって、同操作スイッチ17は油圧昇降装置８
の上下操作とＰＴＯ軸19の入切操作を同時に行えるよう
に構成している。20は同操作スイッチ17とＰＴＯ軸19側
の入切操作を連動状態と連動しない状態とに切換える切
換えスイッチである。

【０００９】21は運転者の左足側のステップ22上に設け
るクラッチペダル、23は運転者の右足側のステップ24上
に設けるブレーキペダルであって、左側ブレーキペダル
23-1と右側ブレーキペダル23-2より構成されている。

【００１０】本考案は、上記のように構成されており、
したがって、農用トラクタによりロータリ作業を行う場
合は、圃場内の直進部分ではロータリ装置8-1 を接地し
ながら砕土を行う。

【００１１】そして、機体が枕地に至ると運転者は足先
にて操作スイッチ17を操作することにより油圧昇降装置
８が作動してリフトアーム９が上方に回動する。これに
より、ロータリ装置8-1 が上昇し、同時にＰＴＯ軸19が
停止する。

【００１２】そして、操縦用ステアリングハンドル13を
操作することにより機体を旋回し直進状態になったとき
に操作スイッチ17を操作する。これにより油圧昇降装置
８が作動してリフトアーム９を降下させ、同時にＰＴＯ
軸19を回動状態とする。

【００１３】したがって、ロータリ装置8-1 により圃場
面を耕しながら機体は直進することができる。

【００１４】また、操作スイッチ17とＰＴＯ軸19の連動
を止める場合は切換スイッチ20を切り状態とする。

【００１５】以上の如く、上記実施例によれば、農用ト
ラクタの油圧昇降装置８の上下操作とＰＴＯ軸19の入切
操作を操作スイッチ17により同時に行うことができる。
しかも、同操作スイッチ17は運転者の足元部18に設けて
いるために、運転者は、機体を旋回させる際に、左右の
手をハンドル操作のみに向けることができて、機体の運
転操作を安定した状態で正確に行なえる。さらには、操
作が簡単であるから不測に誤操作を行うことがなく、全
体としてトラクタ作業を能率的に行うことができる。

【００１６】また、上記操作スイッチ17とＰＴＯ軸19の
入切操作の連動を止める場合には、切換スイッチ20を切
り状態とする。

【００１７】また、図４は他の実施例であって、エンジ
ンの回転を調節する手元側アクセルレバーの改善であ
る。

【００１８】図中、40は手元側アクセルレバーであっ
て、ダッシュボード内に縦方向のアクセルロッド41を連
結している。42はアクセルレバー40の下側に固着するス
トッパーであって、同ストッパー42は操作パネル上面に
設ける円板状の偏心カム43に当接する如く構成してる
い。そして、同偏心カム43を回転させて位置を変えるこ
とによりエンジンの最高回転を規制することができるも
のである。

【００１９】また、規制の方法としては、アクセルロッ
ド41の中間部に規制アーム44を固着して、調節ネジ45の
先端を当接してもよい。

【００２０】また、アクセルロッド41は下端がフートア
クセルに連結されており、足元ステップ近傍位置で、ア
クセルロッド41に横ピン46を固着して調節ネジ47にて規
制してもよい。

【００２１】

【考案の効果】本考案によれば、農用トラクタの油圧昇
降装置の上下操作とＰＴＯ軸の入切操作を操作スイッチ
により同時に行うことができる。しかも、同操作スイッ
チ17は運転者の足元部に設けているために、運転者は、
機体を旋回させる際に、左右の手をハンドル操作のみに
向けることができて、機体の運転操作を安定した状態で
正確に行なえる。さらには、操作が簡単であるから不測
に誤操作を行うことがなく、全体としてトラクタ作業を
能率的に行うことができる。また、上記操作スイッチと
ＰＴＯ軸の入切操作の連動を止める場合には、切換スイ
ッチを切り状態とする。

【図面の簡単な説明】

【図１】農用トラクタの全体側面図。

【図２】本考案要部の側面図。

【図３】同斜視図。

【図４】他の実施例を示す斜視図。

【符号の説明】 ３ 油圧昇降装置 8-1 ロータリ装置 17 操作スイッチ 18 足元部 19 ＰＴＯ軸

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 機体後部にロータリ装置(8-1) を接続し
   て油圧昇降装置(8)により上下昇降自在とした農用トラ
   クタにおいて、油圧昇降装置(8) の上下操作とＰＴＯ軸
   (19)の入切操作を同時に行う操作スイッチ(17)を運転者
   の足元部(18)に設けると共に、同操作スイッチ(17)とＰ
   ＴＯ軸(19)側の入切操作を連動状態と連動しない状態と
   に切換える切換えスイッチ(20)を設けたことを特徴とす
   る農用トラクタにおける油圧昇降操作装置。