JP2605321B2 - 音響装置 - Google Patents

音響装置

Info

Publication number
JP2605321B2
JP2605321B2 JP62334262A JP33426287A JP2605321B2 JP 2605321 B2 JP2605321 B2 JP 2605321B2 JP 62334262 A JP62334262 A JP 62334262A JP 33426287 A JP33426287 A JP 33426287A JP 2605321 B2 JP2605321 B2 JP 2605321B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibrator
resonator
resonance
speaker
sound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP62334262A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01302997A (ja
Inventor
健司 横山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=18275376&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2605321(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Yamaha Corp filed Critical Yamaha Corp
Priority to JP62334262A priority Critical patent/JP2605321B2/ja
Priority to EP88121164A priority patent/EP0322686B1/en
Priority to DE3855825T priority patent/DE3855825T2/de
Publication of JPH01302997A publication Critical patent/JPH01302997A/ja
Priority to US07/517,416 priority patent/US4987564A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP2605321B2 publication Critical patent/JP2605321B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R3/00Circuits for transducers, loudspeakers or microphones
    • H04R3/002Damping circuit arrangements for transducers, e.g. motional feedback circuits
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R17/00Piezoelectric transducers; Electrostrictive transducers
    • H04R17/04Gramophone pick-ups using a stylus; Recorders using a stylus
    • H04R17/08Gramophone pick-ups using a stylus; Recorders using a stylus signals being recorded or played back by vibration of a stylus in two orthogonal directions simultaneously

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Obtaining Desirable Characteristics In Audible-Bandwidth Transducers (AREA)
  • Circuit For Audible Band Transducer (AREA)
  • Electrostatic, Electromagnetic, Magneto- Strictive, And Variable-Resistance Transducers (AREA)
  • Piezo-Electric Transducers For Audible Bands (AREA)
  • Transducers For Ultrasonic Waves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、共鳴器を含んで構成される音響装置に関
する。
〔従来の技術〕
音響装置の一種としてのスピーカシステムは、一般に
キャビネットにスピーカユニット(振動器)を配置し、
これを増幅器(AMP)で駆動するように構成される。そ
して、再生特性のうちの特に低音域再生特性は、主とし
てキャビネットの容積により決定されている。
直接放射スピーカの代表例としての動電形直接放射ス
ピーカ(ダイナミック・コーン・スピーカ)は、略円錘
形状(コーン状)の振動板を有し、この振動板は円錘の
頂部近傍に取り付けた磁気ギャップ中のボイスコイルで
駆動される。このようなスピーカを音響装置に用いたと
きには、振動板の前面から直接音が放射されるが、後面
からも音波が放射される。ところで、この前後の両面か
らの音波は互いに逆位相であり、従ってこの前後の両面
から聴取者までの音波の行程差が半波長の奇数倍近傍で
あるときは、双方からの音圧は同位相になって互いに重
畳される。
しかしながら、この行程差が半波長の偶数倍近傍であ
るときには、音圧が相殺されて弱め合うので、スピーカ
からは各種の波長の音が放射されることを考慮すると、
後面からの音は聴取者に届かないようにするか、あるい
は後面からの音が前面からの直接放射音に悪影響を与え
ないようにするかが望ましい。
そこで、直接放射スピーカではバフルと呼ばれるもの
が用いられる。振動板の前後の音の流通を遮ぎるものと
しては、第29図に示すような平面バフル、後面開放箱形
バフルおよび密封形バフルなどが知られ、これらとはや
や趣旨を異にするものとして、第31図に示す位相反転形
バフル(バスレフ形)が知られている。以下、これらを
順次に説明する。
第29図(a)は平面バフルの断面図である。図示のよ
うに、1枚の広い平板1には振動器と同じ大きさの穴が
あけられ、ここに略円錘形状の振動板2が取り付けられ
る。そして、この振動板2の円錘頂部には、ボイルコイ
ル、磁気回路などを含んだ動電形電気音響変換器(スピ
ーカ)3が取り付けられる。この平面バフルによれば、
後面からの音は平板1によって遮ぎられるので、仮に平
板1を無限の広さにすれば、バフル効果は完全となる。
しかし、これは非現実的であり、実際には有限の大きさ
の平板1が用いられる。ところが、例えば音圧再生特性
の最低周波数を60ヘルツ程度に設定すると、平板1の大
きさは一辺が2m程度にもなり、実用的ではない。
第29図(b)は後面開放箱形バフルの断面図である。
図示のように、後方が開放された箱体4の前面には穴が
あけられ、ここに振動板2および動電形スピーカ3で構
成される振動器が取り付けられる。しかし、この後面開
放箱形バフルによっても、必要な程度のバフル効果を得
るためには寸法が大きくなってしまい、また箱体4の空
気柱が共振系を構成して過渡特性を悪くする。
第29図(c)は密閉形バフルの断面図である。図示の
ように、密閉された箱体5の前面には穴があけられ、こ
こに振動板2および動電形スピーカ3で構成される振動
器が取り付けられる。この構造では、箱体5が全く振動
しないようにすれば、振動板2の後面からの音は完全に
閉じ込められるので、完全なバフル効果が得られる。し
かしながら、箱体5内の空気が空気バネとなって振動板
2に弾性を与え、全体としての共振周波数は平面バフル
に比べて高くなってしまう。
これを第30図により説明する。同図は第29図(c)の
システムの簡素化された電気的等価回路図である。そし
て、図中のRvは振動器のボイスコイル直流抵抗であり、
また、mo,SoおよびScは mo→振動系の等価質量 So→振動系の等価スチフネス SC→箱体の等価スチフネス にそれぞれ対応する関係にある。また、Aは力係数であ
って、Bを磁気回路の磁気ギャップ中の磁束密度とし、
lをボイスコイルの長さとしたときに、A=Blとして求
められる。そして、ユニット振動系の等価モーショナル
インピーダンスによる並列共振回路Z1と、密閉箱の等価
モーショナルインピーダンスA2/Scは互いに並列接続さ
れ、これらは非モーショナルインピーダンスであるボイ
スコイル抵抗Rvを介してアンプ(図示せず)に並列接続
される関係にある。
この電気的等価回路から明らかなように、システム全
体としての共振周波数focは振動器の最低共振周波数に
より上昇し、 foc=fo(1+Sc/So) となり、共振周波数focにおける等価的なQ値(QOC
は、振動器の最低共振周波数foにおけるQ値(Qo)に対
して、 Qoc=Qo(1+Sc/So) となって上昇する。従って、低域再生特性を向上させる
ときには、箱体の等価スチフネスをより小さくしなけれ
ばならず、このためキャビネットは大形にならざるをえ
ない。
バスレフ形スピーカシステムはこれらとやや趣旨を異
にするもので、その斜視図および断面図を第31図に示
す。図示のように、箱体6には穴があけられて振動板2
および動電形スピーカ3からなる振動器が取り付けら
れ、また、その下方には音道7を有する開口ポート8が
設けられている。ここで、通常の基本設定に従ったバス
レフ形スピーカシステムにおいては、箱体6内部の空気
バネと音道7の空気質量による共振周波数(共鳴周波
数)fopを、振動器をバスレフ形箱体に組み込んだ状態
での振動器(スピーカ)の最低共振周波数foよりも、低
く設定してある。そして、上記の空気バネと空気質量に
よる共振周波数よりも高い周波数では、振動板2の後面
からの音圧が音道7のところで逆位相となり、従って箱
体6の前方では、振動板2の前面からの直接放射音と開
口ポート8からの音が結果的に同位相になり、音圧が強
められる。その結果、最適設計されたバスレフ形スピー
カシステムによれば、出力音圧の周波数特性を振動器の
前記低域共振周波数以下まで伸ばすことができ、第32図
に2点鎖線で示すように、一様再生範囲を無限平面バフ
ルや密閉形バフルよりも広げることができる。
しかしながら、このバスレフ形スピーカシステムで一
様再生を実現しようとすると、ユニット振動系の共振の
Q値などについて各種の制約があり、これらが満たされ
たときに始めて第32図の特性が得られていた。このよう
に、一般的にバスレフ形スピーカシステムでは、最適設
計の条件を得るのが極めて難しかった。
一方、バスレフ形スピーカシステムの基本設計思想に
こだわらず、開口ポートからの音響放射能力のみに着目
し、意図的に共鳴器側の共振周波数fopを極度に低くす
る試みもなされることがある。
ところが、低音再生能力にはキャビネットの容積が密
接に関係してくるため、程度の違いこそあれ、やはり密
閉形バフルの場合とほぼ同じく、より低域の再生を実現
するためには、より大形のキャビネット(箱体)とせざ
るを得なかったのである。この事情を第33図によりもう
少し詳しく説明する。
まず、第31図のバスレフ形スピーカシステムを、簡素
化された電気的等価回路で示すと、第33図のようにな
る。同図において、A,Rv,mo,So,mlおよびScは第30図に
示したのと同様であり、mlは音道(ポート)の等価質量
に対応する関係にある。そして、ユニット振動系の等価
モーショナルインピーダンスによる並列共振回路Z1と、
ポート共振系の等価モーショナルインピーダンスによる
直列共振回路Z2は互いに並列接続され、これらは非モー
ショナルインピーダンスであるボイスコイル直流抵抗Rv
を介して駆動用のアンプ(図示せず)に並列接続される
関係にある。
この電気的等価回路から明らかなように、バスレフ形
スピーカシステムでは、その大きな特徴として共振系が
2つ存在する。これはインピーダンス特性でみれば双峰
特性を呈しており、かつ共振点は2つの山の頂点および
その間の谷の計3つであり、この谷の共振がポート共振
系に該当する(前述した密閉形では共振系は唯一つであ
り、インピーダンス特性は単峰特性を呈し共振点も1つ
であった)。そして、このバスレフ形スピーカシステム
では、振動器(ユニット)のボイスコイル抵抗Rvは振動
器側の並列共振回路Z1の制動抵抗と、開口ポート(ダク
ト)側の直列共振回路Z2の制動抵抗を兼ねている。この
ため、並列共振回路Z1と直列共振回路Z2とは、相互に干
渉し合う存在となっていた。
相互干渉または相互依存性の一例としては、例えば振
動器として強力な磁気回路を有するものを用いると、振
動器としての共振のQ値は小さくなるのに対し、開口ポ
ート側の共振のQ値は大きくなることがあげられるし、
逆に軟弱な磁気回路を有する振動器を用いたときには、
全く逆の変化を生じることがあげられる。バスレフ形ス
ピーカシステムの本来の設計では、このような相反する
相互依存条件の下で、一様な低域再生特性の得られる最
適点を選択しなけらばならなかった。
ここで、キャビネットを小容積化することを考える
と、ユニット振動系の最低共振周波数foについてはいず
れも密閉形バフルの場合と同じ傾向を示し、結果として
最低共振周波数fが高くなる。最終的には、開口ポート
の音響放射効果によって再びある程度の低音域再生特性
の改善がなされるわけではあるが、システム全体として
考えれば、バスレフ形スピーカシステムであってもキャ
ビネットを小さくすれば、それだけ低音域再生能力が低
下することは避けられない。
特に、前述のように基本設定から意図的にポート共振
系の共振周波数fopを低下させた時には、キャビネット
を小形化することと相まって開口ポートを細長くする必
要があり、従ってポートでの空気の機械抵抗の上昇によ
りQ値は極めて小さくなる。共振のQ値が極めて小さく
なるということは、開口ポートからの音響放射能力が失
われることを意味しているから、結果的には開口ポート
を共鳴ダクトとして設けた意義は失われ、開口ポートの
存在自体が無意味なものになってしまう。すなわち、小
形化すれば低音再生は実質的に不可能となってくるので
ある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
以上、概略的に説明したように、従来の音響装置で
は、低域再生を可能にするために、種々の工夫がなされ
ている。
第29図に示す平面バフル、後方開放箱形バフルおよび
密閉形バフルでは、振動板の後面からの放射音は全て邪
魔な音として、前方の聴取者には届かないように設計し
ている。しかしながら、これらによって低音再生特性を
向上させようとすると、装置(キャビネット)が大形化
することは避けられず、また大形化したときでも、その
低域再生特性は十分なものではなかった。
第31図に示すバスレフ形スピーカシステムでは、後方
者の位相を開口ポートで反転させることで、振動板の前
面からの直接放射音を、特に低音域で補償するように構
成されている。このため、本来非常に扱いにくい存在で
ある共振系が振動板および開口ポートの2箇所に生じて
しまい、このバスレフ効果を基本設定に従って十分に得
るためには、これら2つの共振系の相互依存条件を考慮
しつつ、システムの最適条件を極めてクリティカルに設
定しなければならず、従来から例えば特公昭46−12670
号、実公昭54−35068号(これらは開口ポート側の共振
系の特性を機械的な手法を用いて最適化しようとするも
の)とか、“Loudspeakers in Vented Boxes:Part I,Pa
rt II"(A.N.Thiele,Journal of Audio Engineering So
ciety 1971 vol.19No.5,No.6)のバスレフ設計手法(こ
れは振動板側の共振系の特性を電気的な手法を用いて最
適化しようというもの)等に示されるように種々の検討
がなされてきたが、いずれによっても設計の困難性は本
質的に解消できなかったし、さらには未だ充分なる小型
重低音再生を実現し得なかった。
また、最適設計がなされるか否かにかかわらず、低域
再生特性を向上させるためには、やはりキャビネットが
大形化してしまっていた。
また、バスレフ形スピーカシステムの基本設定からポ
ート共振系の共振周波数fopを意図的に低くしたものも
ある。しかし、ここでもキャビネットを小形化しようと
すると、ポート共振系が音響放射に寄与しなくなるとい
う致命的な欠点があった。
従って、上記いずれの従来技術によっても、ある程度
以上の低音再生能力を得ようとすると、キャビネットが
大形化することは避けられなかった。その結果、ホー
ル、室内、自動車内など各種の用途においてキャビネッ
トが適宜の容積で、しかも、低域再生特性の優れた音響
装置を適用するのが困難であった。
この発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、
音響装置を構成するキャビネットなどの容積と低域再生
特性を適宜かつ無関係に設定することができ、しかも、
振動器と共鳴器の相互依存条件を排除あるいは低減させ
ることができる音響装置を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
この発明に係る音響装置は、共鳴による音響を放射す
るための共鳴放射部を有する共鳴器と、音響を直接に放
射するための直接放射部と共鳴器を駆動するための共鳴
器駆動部とを含んで構成される振動体を有して共鳴器に
配設される振動器と、振動器に固有の内部インピーダン
スを等価的に低減あるいは無効化するように振動器を駆
動する振動器駆動手段とを備え、共鳴器からの共鳴によ
る音響と振動器から直接に放射される音響との合成再生
特性に対する共鳴器の共振系の特性および振動器の振動
系の特性の相互依存条件を少なくしあるいはなくした音
響装置において、振動器駆動手段を、振動器の駆動電流
に対応する電圧信号を振動器駆動手段の入力側に正帰還
することによって、振動器駆動手段の出力インピーダン
ス中に等価的に負性インピーダンス成分を発生するよう
に構成し、共鳴器の共振周波数を、振動器駆動手段が当
該振動器駆動手段の出力インピーダンス中に等価的に零
以上の抵抗成分を発生して振動器を駆動した場合に共鳴
器の低音共鳴放射能力が確保される最低周波数よりも、
低く設定し、振動器駆動手段の発生する負性インピーダ
ンス成分の大きさを、振動器の共振系のQ値が当該振動
器と共鳴器との合成再生特性が一様な低域再生特性とな
るときのQ値よりも小さくなるように、振動器に固有の
内部インピーダンスの大きさを超えない範囲で当該内部
インピーダンスを等価的に低減あるいは無効化する値に
設定したことを特徴とする。
〔作用〕
上記の構成によれば、共鳴器は振動体の共鳴器駆動部
によって駆動され、従って振動体の直接放射部からは音
響が直接に放射され、かつ共鳴器の共鳴放射部からは共
鳴による音響が放射される。
ここで、振動器は固有の内部インピーダンスを有して
いるが、これは振動器駆動手段の働きによって見掛け上
で小さくされる(望ましくは無効化される)。
このため、振動器は電気的は駆動信号入力にのみ応動
する要素となり、実質的に共振系ではなくなり、また同
時に共鳴器の容積は振動器の低域再生能力を左右する要
因ではなくなるので、キャビネットを小形化したときに
も、過渡応答による歪みなどを含まない低音再生を振動
器側で実験できる。また、共鳴器の共振周波数近傍での
Q値は十分に大きな値とすることができるので、十分な
音圧の重低音再生を実現できる。しかも、このQ値は共
鳴放射部(開口ポート)の等価抵抗により設定でき、か
つ共鳴周波数は共鳴放射部(ポート)の等価質量を調整
することにより設定でき、共鳴器の容積の大小は低域再
生能力を支配する要素でなくなる。
更に、機械的あるいは電気的等価回路において示され
るように、振動器による振動系と共鳴器による共振系
を、より独立して(望ましくは完全に独立して)取り扱
うことが可能になるので、両者間の設計上の相互依存条
件を少なくする(望ましくは相互依存条件をなくす)こ
とができ、かつこのようにしても何らの支障も生じない
ので、設計が極めて容易になる。
特に、共鳴器の共振周波数を、振動器駆動手段が当該
振動器駆動手段の出力インピーダンス中に等価的に零以
上の抵抗成分を発生して振動器を駆動した場合に共鳴器
の低音共鳴放射能力が確保される最低周波数よりも、低
く設定し、かつ、振動器駆動手段の発生する負性インピ
ーダンス成分の大きさを、振動器の共振系のQ値が当該
振動器と共鳴器との合成再生特性が一様な低域再生特性
となるときのQ値よりも小さくなるように、振動器に固
有の内部インピーダンスの大きさを超えない範囲で当該
内部インピーダンスを等価的に低減あるいは無効化する
値に設定することにより、従来に比べてより小型でかつ
重低音まで再生できる音響装置が設計上の困難性をそれ
ほど伴うことなく極めて容易に実現できる。
〔実施例〕
以下、添付の第1図ないし第28図を参照して、この発
明の実施例を説明する。なお、図面の説明において同一
の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略す
る。
第1図は、この発明の一実施例の基本的構成を示して
いる。同図(a)のように、この実施例では共鳴器とし
て、共鳴放射部をなす開口ポート11およびネック12を有
するヘルムホルツ共鳴器10を用いている。このヘルムホ
ルツ共鳴器10においては、閉じられた空胴と、開口ポー
ト11およびネック12による短い管とによって空気の共鳴
現象が生じる。そして、この共鳴周波数fopは fop=c(S/lV)1/2/2π …(1) として求められる。ここで、 c:音速 S:開口ポート11の断面積 l:開口ポート11のネック12の長さ V:ヘルムホルツ共鳴器10の空胴の体積である。
この実施例の音響装置では、これに振動板21および変
換器22からなる振動器20を取り付けている。そして、こ
の変換器22は振動器駆動装置30に接続され、これは出力
インピーダンス中に等価的に負性インピーダンス成分
(−Z0)を発生させる負性インピーダンス発生部31を具
備している。
この音響装置の電気的等価回路の構成は、第1図
(b)のようになっている。ここで、並列共振回路Z1
振動器20の等価モーショナルインピーダンスによるもの
であり、roは振動系の等価抵抗を示し、Soは振動系の等
価スチフネスを示し、moは振動系の等価質量を示してい
る。また、直列共振回路Z2は開口ポート11を含むヘルム
ホルツ共鳴器10の等価モーショナルインピーダンスによ
るものであり、rcは共振器の空胴の等価抵抗を示し、Sc
は空胴の等価スチフネスを示し、rlは開口ポートの等価
抵抗を示し、mlは開口ポートの等価質量を示している。
また、図中のAは力係数であり、例えば振動器が動電形
直接放射スピーカであるときには、Bを磁気ギャップ中
の磁束密度、lをボイスコイル導体の長さとすると、A
=Blとなる。さらに、図中のZVは変換器22の内部インピ
ーダンスであり、例えば振動器が動電形直接放射スピー
カであるときには、主としてボイスコイルの直流抵抗と
なり、わずかながらインダクタンスを含んでいる。
次に、第1図に示す構成の音響装置の作用を簡単に説
明する。
負性インピーダンス駆動機能を有する振動器駆動装置
30から、振動器20の変換器22に駆動信号が与えられる
と、変換器22はこれを電気機械変換し、振動板21を前後
(図中の左右)に往復駆動しこれを機械音響変換する。
ここで、振動器駆動装置30は負性インピーダンス駆動機
能を有しているが故に、変換器22に固有の内部インピー
ダンスは実効的に減少化(理想的には無効化)されてい
る。従って、変換器22は振動器駆動装置30からの駆動信
号に忠実に応答して振動板21を駆動し、かつヘルムホル
ツ共鳴器10に対して独立的に駆動エネルギーを与える。
このとき、振動板21の前面側(図中の左面側)は音響を
直接に外部に放射するための直接放射部をなしており、
振動板21の後面側(図中の右面側)はヘルムホルツ共鳴
器10を駆動するための共鳴器駆動部をなしている。
このため、図中に矢印aで示すように振動板21から音
響が直接放射されると共に、ヘルムホルツ共鳴器10中の
空気が共鳴させられて、共鳴放射部から十分な音圧の重
低音響が共鳴放射される。そして、ヘルムホルツ共鳴器
10における開口ポート11およびネック12内の空気等価質
量の調整により、この共鳴周波数fopを振動器20の再生
周波数帯域より低く設定し、かつ、開口ポート11および
ネック12の等価抵抗の調整によるQ値の適正レベルへの
設定により、開口ポート11から適切なレベルの音圧が得
られることを条件として、例えば第2図のような音圧の
周波数特性を得ることができる。
以下、この事情を第3図および第4図の等価回路で説
明する。
第3図は第1図(b)をより簡素にした電気的等価回
路である。言い換えれば、共鳴器10の空胴の等価抵抗rc
と、開口ポート11およびネック12の等価抵抗rlは十分に
小さく、従ってその逆数分は極めて大きいので、これら
を無視した等価回路図である。第3図において、Iは回
路を流れる電流とし、I1およびI2はそれぞれ並列共振回
路Z1および直列共振回路Z2を流れる電流であるとする
と、Z3=Zv−Z0としたときに、次の(2)〜(4)式が
成り立つ。
Ev=E0・{Z1・Z2/(Z1+Z2)}/[{Z1・Z2/(Z1+Z2)}+Z3] …(2) I1=E0・{Z2/(Z1+Z2)}/[{Z1・Z2/(Z1+Z2)}+Z3] …(3) I2=E0・{Z1/(Z1+Z2)}/[{Z1・Z2/(Z1+Z2)}+Z3] …(4) ここで、(3),(4)式を簡単にするために、Z4
Z1・Z2/(Z1+Z2)とすると、上記の(3)式は I1=E0/{Z1(1+Z3/Z4)} …(5) となり、(4)式は I2=E0/{Z2(1+Z3/Z4)} …(6) となる。
この(5),(6)式より、次の2点が理解できる。
第1は、Z3の値がゼロに近づけば、それだけ振動器側の
並列共振回路Z1および共鳴器側の直列共振回路Z2は、共
に交流的には短絡された状態に近づくことである。第2
は、並列共振回路Z1と直列共振回路Z2が、Z3=ZV−Z0
介して互いに影響を及ぼし合う関係にあり、このZ3の値
がゼロに近づけば、それだけ並列共振回路Z1と直列共振
回路Z2は独立性を強めることである。そして、理想的に
は、 Z3=Zv−Z0=0 と仮定すると、式(5),(6)はそれぞれ I1=E0/Z1 …(7) I2=E0/Z2 …(8) となり、並列共振回路Z1および直列共振回路Z2はそれぞ
れ共に交流的にゼロインピーダンスで短絡され、かつ全
く独立した共振系とみなすことができる。
第4図に、Z0=−Zvとしたとき、すなわち、Z3=Zv
Z0=0としたときの第3図の等価回路を示す。
まず、振動器20による共振系について、より厳密に考
察してみると、等価モーションナルインピーダンスによ
る並列共振回路Z1は、駆動電圧源E0の呈するゼロインピ
ーダンスによって各構成要素の両端が全て交流的に短絡
されており、従って、この並列共振回路Z1は、実質的に
は、もはや共振回路ではなくなっている。すなわち、振
動器20は駆動信号入力に対してリアルタイムで線形応答
し、全く過渡応答することなく、電気信号(駆動信号)
を忠実に音響変換することになる。また、この振動器20
にあっては、単にヘルムホルツ共鳴器10に振動器20を取
付けた状態で有していた最低共振周波数foという概念が
もはやなくなっている。この振動器20の並列共振回路Z1
は、その両端をゼロインピーダンスで交流的に短絡され
ているのであるから当然である。(以後、振動器20の最
低共振周波数fo相当値と言う場合には、実質的には無効
化されてしまった上記概念を仮に呼ぶにすぎない。)さ
らに、振動器20とヘルムホルツ共鳴器10は互いに無関係
であり、しかも、振動器20と開口ポート11も無関係であ
り、このためヘルムホルツ共鳴器10の容積の大小や開口
ポート11の内径の大小やネック12の長さなどとは全く無
関係に(ポート共振系の等価モーショナルインピーダン
スとは全く無関係に)機能する。
また、並列共振回路Z1と直列共振回路Z2は、共振系と
して互いに無関係に独立して並存している。従って、シ
ステムを小形化するためにヘルムホルツ共鳴器10を小容
積に設計したときにも、また後述のようにポート共振系
のQ値を下げるために開口ポート11およびネック12を細
長く設計したときにも、ユニット振動系の設計は何ら影
響されず、その最低共振周波数fo相当値なども全く影響
されない。このため、相互依存条件にとらわれない容易
な設計が可能になる。
別の見方をすれば、このユニット振動系は実効的には
共振系でなくなっているので、駆動信号入力がゼロボル
トならば、振動板21は実質的には共鳴器10の壁の一部に
なってしまう。その結果、ポート共振系を考える際に
は、振動板21の存在を無視することができる。
さらに別の見方をすれば、この発明の音響装置では、
共振系はポート共振系のみとなり、従来の密閉形と同様
の単峰特性を呈することになるといえる。
また、並列共振系において、 (負荷抵抗)/(共振インピーダンス) として表されるQ値は、並列共振回路Z1についてはゼロ
になる。
ユニット振動系でQ=0になることについては、その
他にもいくつかの意味がある。
第1は、等価的に並列共振回路Z1をなす振動器20が、
入力電圧Evと並列共振回路Z1の抵抗分A2/roで決定され
るEv/(A2/ro)なる電流源で駆動されるスピーカになる
ことである。電気的にみて電流駆動領域にあるというこ
とは、機械的には速度駆動領域にあるということであ
り、このスピーカの最低共振周波数fo相当値近傍の音波
の周波数特性は、6dB/octとなる。これに対して、通常
の電圧駆動状態の特性は、12dB/octとなる。
第2に、振動板21は完全な制動状態になることであ
る。すなわち、振動板21を駆動したことによる反作用に
対しては、駆動電流が増減することにより、この反作用
に対抗すべく制御がなされる。従って、例えば振動板21
に外力が加わった場合でも、その瞬間にこの外力と均衡
する状態まで逆駆動力が働く(アクティブサーボ)。
次に、上記の第4図を参照して、ヘルムホルツ共鳴器
10、開口ポート11およびネック12による共振系について
検討する。
同図に示すように、この直列共振回路Z2についても、
両端は交流的にゼロΩで短絡されている。しかし、この
場合は前述した並列共振回路Z1の場合と異なり、共振系
としての意味は何ら失なわれない。逆に、共振系として
のQ値が極めて大きく(理想状態に近ければQ≒∞)な
るという効果が生じる。また、このヘルムホルツ共鳴器
10、開口ポート11およびネック12による仮想音響源(ス
ピーカ)の駆動は、実際には振動板21の変位(振動)に
よってなされるものではあるが、第4図の等価回路とし
ては振動器20とは全く並列的に、駆動源Evから駆動エネ
ルギーが供給されているものと考えられる。このため、
共鳴周波数と共振Q値を共鳴器側で独自に設定すること
により、小形でありながら十分な音圧の重低音再生が可
能になる。
なお、このポート共振系の直列共振回路Z2について
も、ユニット振動系の並列共振回路Z1とは全く独立して
存在している。従って、振動器20の設計仕様によってヘ
ルムホルツ共鳴器10や開口ポート11の設計仕様が影響さ
れることはないので、相互依存条件を排除した容易な設
計が可能になる。
この仮想スピーカ(ヘルムホルツ共鳴器10による音響
源)については、まず前述の(7),(8)式より、交
換器22に流れる電流Iは、 I=I1+I2 =(1/Z1+1/Z2)E0 …(9) となる。また、(8)式より、開口ポート11の共鳴周波
数fop付近(ポート共振系がヘルムホルツ共鳴をしてい
る状態)においては、Z2→0になり(但し、実際には抵
抗分によりダンプされている)、従って微小な振幅の電
圧によっても電流I2は充分に流れる。
一方、振動板21の最低共振周波数fo相当値は開口ポー
ト11の共鳴周波数fopより高いから、共鳴周波数fop付近
においてはZ1の値は十分に大きくなっている。このた
め、(9)式は I=I1+I2≒I2 となり、変換器22に流れる電流の大部分は、ポート共振
系(仮想スピーカ)の駆動のために寄与していることに
なる。また、ポート共振系は小振幅電圧(大電流)で駆
動されているため、これと並列な交換器22も小振幅電圧
で駆動されることになり、従って振動板21は小振幅動作
となっていることがわかる。ここにおいて、振動板21が
小振幅動作であることから、ダイナミック・コーン・ス
ピーカなどの大振幅動作にありがちな非線形な歪を、特
に重低音域においてなくすことができる効果がある。
次に、直列共振回路Z2の共振のQ値については、前述
したように並列共振回路Z1とは異なり直列共振系である
ため、第4図の等価回路ではQ値は無限大になる。この
場合、第1図の等価回路に基づいて共振のQ値を正確に
算出すると Q=(mlSc1/2/(rc+rl) となるが通常rc,rlは極めて小さく、これをゼロとみな
せば、やはり同様の結果となる。従って、このQ値を適
当な値に設定することにより、十分な音圧をこの仮想ス
ピーカで得ることができる。
このヘルムホルツ共鳴器10によるQ値については、ス
ピーカユニットのQ値に比べて一般的に制御しやすく、
必要に応じて低下させることができる。例えば、ヘルム
ホルツ共鳴器10を小形化する場合、開口ポート11の共振
系の共鳴周波数fopを低くすることは、前述の(1)式 fop=c(S/lV)1/2/2π において、開口ポートの断面積Sを小さくし、あるいは
ネックの長さlを大きくすることにより実現される。こ
のことは、この発明の音響装置では、小形化してかつ重
低音再生しようと設定すること自体が、Q値を適度に下
げる要素となることを意味するのである。すなわち、開
口ポート11を細長くすることは、空気摩擦による機械抵
抗(音響抵抗)を大きくすることであり、従って、第1
図(b)の等価回路においてA2/rlを小さくすることに
なるので、ヘルムホルツ共鳴器10および開口ポート11側
の直列共振回路Z2のQ値は低下し、結果として適度にダ
ンピング特性が向上する。この点は、従来のバスレフ形
スピーカシステムにおいて意図的に開口ポートの共振周
波数を下げたとき、小形化すると共振系としてのQ値が
適度に小さくなり、ついにはポートとしての音響放射能
力が失われてしまっていたことと比較すると、極めて好
対照といえる。
また、その他に、ヘルムホルツ共鳴器10内に吸音材な
どを入れることによってA2/rcを小さくし、Q値を所望
に制御することもできる。そして、ここにおいて重要な
ことは、共鳴器(キャビネット)の小形化という条件の
下で、上記のようにポート共振系のQ値を制御しても、
ユニット振動系には何ら影響が及ばないことである。
以上の説明から明らかなように、この発明によれば、
第2図に示すような音圧の周波数特性を容易に、しかも
小形化された装置(キャビネット)で実現することがで
きる。ここで、並列共振回路Z1で表現されるユニット振
動系の最低共振周波数fo相当値付近では、そのQ値はゼ
ロ近傍であって、ポート共振系の共鳴周波数fop近傍で
は、直列共振回路Z2のQ値は自在に設定できる。この場
合、装置全体としては共振系はポート共振系のみとな
り、従来の密閉形と同じく単峰特性になる。そして重要
なことは、ユニット振動系の設計とポート共振系の設計
は独立的に行なえることである。これにより、開口ポー
トは振動器によって駆動されながら、これとは独立に作
用する仮想スピーカとなる。
この仮想スピーカは、開口ポート径に相当する小口径
で実現されるにもかかわらず、その低音再生能力から見
ると現実のスピーカとしては極めて大口径のものに該当
し、寸法効率あるいは音源集中化には極めて大きい効果
を奏する。当然、実際のスピーカを使わなくて済むか
ら、その意味でのコスト効率も極めて大きい。また、こ
の仮想スピーカには現実の振動板は存在せず、空気のみ
で構成される仮想振動板であり、極めて理想的なものと
いえる。
なお、以上の基本構成の説明では、理想的状態として Z3=Zv−Z0=0 と仮定して説明したが、本質的には 0≦Z3<Zv とすることでこの発明の効果が充分に得られる。なぜな
ら、ポート共振系の共振のQ値は、Z3の値が減少するに
従って増加するし、また、ユニット振動系とポート共振
系の相関関係は、Z3の値が減少するに従って減少するか
らである。従って、例えば動電形直接放射スピーカにお
いて、ボイスコイルの内部抵抗値が8Ωであるときに
は、−4Ωの等価負性抵抗を生成して見掛け上は抵抗値
を4Ωとすることで、開口ポート11が形成する仮想スピ
ーカからは十分に満足できる低音再生を実現できる。
また、負性インピーダンスを大きくし過ぎることによ
り、Z3=Zv−Z0の値を負にするようなことは好ましくな
い。なぜなら、Z3が負になると回路は負荷を含め全体と
して負性抵抗性となり、発振を生じるからである。従っ
て、内部インピーダンスZvの値が動作中の発熱などで変
化するときには、これに応じて負性インピーダンスの値
をあらかじめ余裕をもって設定しておくか、温度変化に
応じて負性インピーダンスの値を変える(温度補償す
る)必要がある。
次に、これまで第1図ないし第4図で説明した基本構
成において、適用可能な各種の態様を説明する。
まず、共鳴器については、第1図(a)のものに限ら
れない。例えば、空胴部の形状は球形に限らず直方体、
立方体等としてもよく、また、その容積についても特に
限定されることなく、かつユニット振動系とは独立に設
計できる。このため、小容積としてキャビネットを小形
することができる。また、共鳴放射部をなす開口ポート
およびネックについても、断面形状などは限定されず、
例えば音道は第1図(a)のように外部に突出する形態
でも良いし、また空胴内に収容する形態としてもよい。
さらに、特にネック12を設けず、単なる開口の存在のみ
であってもよい。さらに開口は複数個に分散されていて
もよい。さらに、共鳴周波数fopは開口ポートの断面積
とネック長さとの相関関係の下で、適宜に設定してもよ
い。さらに、開口ポートの断面積をネックの長さとの関
係において適宜設定できるので、ポートの開口を小さく
することにより低域用の仮想スピーカを小口径にでき、
音源を集中させて定位感を高めるようにしてもよい。
振動器(電気音響変換器)については、第5図ないし
第12図に示すように、大別すると動電形、電磁形、圧電
形および静電形など各種の形のものを適用することがで
きる。
動電形スピーカ(ダイナミックスピーカ)の振動板の
態様は、第5図ないし第7図に示すように、コーン形、
ドーム形、リボン形、全面駆動形およびハイルドライバ
形がある。コーン形ダイナミックスピーカは第5図に示
すように、振動板として円錘形状のコーン101を有し、
このコーン101の円錘頂部近傍にはボイスコイル102が固
定される。そして、このボイスコイル102は磁気回路103
に形成された磁気ギャップ中に挿入されている。なお、
このコーン形ダイナミックスピーカでは、非モーショナ
ルインピーダンス成分は主に抵抗として現れる。第6図
に示すドーム形ダイナミックスピーカでは、振動板がド
ーム104となっている点を除けば、第5図のコーン形ダ
イナミックスピーカと基本的には同一である。
リボン形ダイナミックスピーカは、第7図のように、
磁気回路103の磁気ギャップ中にリボン振動板105を配設
して構成される。この形のものでは、駆動電流をリボン
105の長手方向に流すことにより、前後(図面において
上下)に振動して音波を発生させる。従って、リボン10
5がボイスコイルと振動板を兼ねている。なお、これに
ついても非モーショナルインピーダンス成分は主に抵抗
として現れる。
全面駆動形ダイナミックスピーカは、第8図のよう
に、音波を放射するための開孔103aを有する磁石板103,
103を平行に配設し、この間にボイスコイル102付きの振
動膜106を配設して構成される。ここで、磁石板103は磁
力線が振動板106とほぼ平行になるように着磁され、ま
たボイスコイル102は振動膜106上に渦巻き状に固定され
ている。
第9図に示すハイルドライバ形ダイナミックスピーカ
についても、ボイスコイル102は振動膜106上に配設され
ている。すなわち、振動膜106は蛇腹状に構成され、こ
こにボイスコイル102がジグザグに固着されている。こ
れによれば、ボイスコイル102に駆動電流を流すことに
より振動板106の蛇腹は交互に伸縮し、音波が放射され
る。そして、このスピーカにおいても非モーショナルイ
ンピーダンス成分は主に抵抗として現れる。
電磁形スピーカとしては、第10図のようなものがあ
る。図示のように、振動自在に配設された振動板106は
磁性体を含んで構成され、この近傍にはコイル107を巻
回した鉄心108が設けられる。ここにおいて、コイル107
に駆動電流を流せば、鉄心108からの磁力線により振動
板106は振動させられ、図中の上下方向に音波が放射さ
れる。なお、この形のスピーカにおいても、非モーショ
ナルインピーダンス成分は主に抵抗として現れる。
圧電形スピーカとしては、第11図に示すようなものが
ある。図示のように、支持体110には電歪効果により振
動するバイモルフ111の両端が固定され、この中心部に
は振動棒112が立設して固定される。そして、この振動
棒112の先端は支持体110に固着された振動膜113の、ほ
ぼ中心部に当接している。このスピーカでは、電歪効果
によってバイモルフ111が屈曲し、これによって中心部
が上下に振動すると、これが振動棒112を伝わって振動
膜113に伝えられる。従って、駆動電流に応じて振動膜1
13を振動させ、音波を放射することができる。なお、こ
のスピーカでは非モーショナルインピーダンス成分は、
主として静電容量などとして現れる。
静電形スピーカとしては、第12図に示すようなものが
あり、一般には、同図(a)のものがシングルタイプコ
ンデンサ形と呼ばれ、同図(b)のものがプッシュプル
タイプコンデンサ形と呼ばれる。同図(a)において、
振動膜121はメッシュ状の電極122と近接して並設され、
これにバイアスEを重畳した入力信号が与えられる。従
って、静電効果により振動膜121を振動させ、音波を放
射できる。このとき、振動膜121の振動により変位電流
のリアクションがあるので、これを利用して負性インピ
ーダンス(容量)を等価的に生成できる。同図(b)に
ついては、振動膜121が2枚のメッシュ状の電極122に挾
まれている。動作原理については同図(a)と同様であ
り、また非モーショナルインピーダンス成分についても
主に静電容量として現れる。
負性インピーダンス発生手段については、第13図ない
し第21図に示すように各種のものがある。
第13図は、その基本構成を示している。図示のよう
に、利得Aの増幅回路131の出力をスピーカ132による負
荷ZLに与える。そして、この負荷ZLに流れる電流iを検
出し、伝達利得βの帰還回路133を介して増幅回路131に
正帰還する。このようにすれば、回路の出力インピーダ
ンスZ0は Z0=ZS(1−Aβ) …(10) として求められる。この(10)式でAβ>1とすれば、
Z0は開放安定形の負性インピーダンスとなる。ここで、
ZSは電流を検出するセンサのインピーダンスである。
第14図は、電流iの検出をスピーカ132の接地側に設
けた抵抗Rsにより行う例である。これによれば、出力イ
ンピーダンスZ0は前述の(10)式より Z0=Rs(1−Aβ) となるので、Aβ>1とすれば、見掛け上の負性抵抗成
分を出力インピーダンス中に含ませることができる。な
お、このような回路に相当する具体例は、例えば特公昭
59−51771号などに示されている。
第15図は、電流iの検出をスピーカ132の非接地側に
設けた抵抗Rsにより行なう例である。この例によって
も、出力インピーダンスZ0に負性抵抗成分を含ませるこ
とができる。なお、このような回路の具体例は、例えば
特公昭54−33704号などに示されている。第16図はBTL接
続にしたもので、図中の134は反転回路である。この回
路においても、出力インピーダンスZ0は Z0=Rs(1−Aβ) となる。
第17図は、電流プローブによって電流iを検出する例
である。すなわち、電流iは線路に周囲磁場を形成する
ので、これを電流プローブ135で検出し、帰還回路133を
介して増幅回路131に帰還するものである。
第18図は、帰還回路133に積分器を用いた例である。
すなわち、インダクタンスLの両端電圧を積分して検出
することにより、抵抗検出と同等のことを行なうことが
できる。この回路によれば、DC近傍では抵抗Rsを用いた
ときよりも抵抗損失にできる。
第19図は、帰還回路133に微分器を用いた例である。
すなわち、キャパシタンスCの両端電圧を微分して検出
することにより、抵抗検出と同等のことができる。但
し、この回路ではスピーカ132の駆動系にキャパシタン
スCが介在されるため、直流成分の駆動信号がカットさ
れる問題がある。
以上、説明した例は、出力インピーダンスZ0に負性抵
抗を等価的に含ませるものであり、動電形あるいは電磁
形の電気音響変換器を用いたときに適用される。これに
対して、圧電形あるいは静電形の変換器(スピーカ)を
用いたときには、非モーショナルインピーダンス成分は
キャパシタンスである。従って、出力インピーダンスZ0
には負性容量を等価的に含ませることが必要になる。第
20図はその一例の回路図で、スピーカ132は静電形ある
いは圧電形のスピーカである。このスピーカ132の接地
側のキャパシタンスCの両端は、帰還回路133に接続さ
れている。この例によれば、出力インピーダンスZ0は前
述の(10)式より Z0=C(1−Aβ) となる。
非モーショナルインピーダンス成分としてインダクタ
ンスを含む電気音響変換器を用いるときには、等価負性
インダクタンスを出力インピーダンスZ0に含ませること
が必要になる。また、動電形スピーカなどでは非モーシ
ョナルインピーダンス成分として、対抗のほかにインダ
クタンスもある程度は含んでいるので、このインダクタ
ンス成分も無効化したいときには、負性インダクタンス
の生成が必要になる。第21図はその一例の回路図であ
る。図示のように、スピーカ132の接地側のインダクタ
ンスLの両端は、帰還回路133に接続されている。この
例によれば、出力インピーダンスZ0は Z0=L(1−Aβ) となる。
次に、この発明の実施例について、順次に説明する。
第22図は、直方体のキャビネットに適用した実施例の
構成図である。図示のように、直方体形状のキャビネッ
ト41の前面には穴があけられ、ここに動電形直接放射ス
ピーカ42が取り付けられている。スピーカ42はコーン状
の振動板43と、その円錘頂部近傍に設けられた動電形変
換器44により構成される。また、キャビネット41のスピ
ーカ42の下側には開口ポート45およびダクト46が形成さ
れ、これがこの発明に特有の低音用の仮想スピーカをな
している。駆動回路46は負性抵抗駆動用のサーボ回路47
を有し、この出力で動電形変換器44が駆動される。
ここで、動電形変換器44は固有の内部インピーダンス
としてボイスコイル直流抵抗Rvを有し、これに対し駆動
回路46は出力インピーダンス中に等価性抵抗成分(−
Rv)を有し、従って、これにより抵抗Rvが実質的に無効
化できるようになっている。また、RM,LM,CMはそれぞれ
スピーカ42を電気的に等価表現したときのモーショナル
インピーダンスである。一方、キャビネット41の容積を
Vとし、開口ポート45の断面積をS、そのダクト46のネ
ック長さをlとすると、その共鳴周波数fopは前述の
(1)式のように、 fop=c(S/lV)1/2/2π で求められる。
第22図に示す実施例の等価的動作構成は、第23図のよ
うになる。すなわち、スピーカ42によって形成される中
高音用スピーカ42′と、開口ポート45によって等価的に
形成される仮想の低音用スピーカ45′は、容積が無限大
の密閉形キャビネット41′に取り付けられたのと等価と
なる。そして、中高音用スピーカ42′は等価的に形成さ
れた高域通過フィルタ(HPF)48Hを介して、通常の(ア
クティブサーボ駆動をしない)アンプ49に接続され、低
音用スピーカ45′は等価形成された低域通過フィルタ
(LPF)48Lを介して、上記と同一のアンプ49に接続され
る。(なお、各フィルタ48H,48Lは、通常のネットワー
ク回路との類似性を強調するために便宜的に2次HPFお
よび2次LPFで表現している。)ここで、中高音用スピ
ーカ42′の最低共振周波数foは、等価モーショナルイン
ピーダンスRM,LMおよびCMにより定まり、そのときの共
振のQ値は先に示したように略ゼロである。そして、特
性は低音用の仮想スピーカ45′側の設計仕様には全く影
響されない。また、低音用スピーカ45′の共振周波数f
opは開口ポート45とダクト46のみによって定まり、その
ときの共振のQ値は自在に制御することができる。
以上の説明から明らかなように、この第22図および第
23図に示す実施例によれば、低音用の仮想スピーカが開
口ポート45およびダクト46により等価形成される。そし
て、これらは容積が無限大の密閉形キャビネットに取り
付けたのと等価になるので、極めて優れた低音域再生特
性が実現される。そして、スピーカユニットの仕様とキ
ャビネットの仕様は、互いに制約されることなく自由に
設計でき、システムを従来のあらゆるスピーカシステム
に比べて著しく小形化できる。
更に、この発明によれば、例えば第23図に示されるよ
うに、等価的に高域通過フィルタ48Hおよび低域通過フ
ィルタ48Lが形成されるので、駆動回路の構成を簡単に
することができる。例えば、従来の2ウエイ構成のスピ
ーカシステムでは、高温および低音用のスピーカの前段
にはネットワークとしての高域および低域通過フィルタ
を、それぞれ配設しなければならなかった。そして、こ
のフィルタはキャパシタンスやインダクタンスを用いな
ければならないので、駆動回路のコストが高くなりがち
であり、駆動回路に占めるフィルタの容積も大きくなり
がちであった。また、その設計も別途に行なわなければ
ならなかった。この発明では、これらのフィルタは等価
的に形成されるので、かかる従来技術の問題点をも解決
することができる。
なお、振動器および共鳴器の全体としての音圧周波数
特性はアンプ側の入力信号のレベルを増減設定すること
で任意とすることができる。振動器および共鳴器の各音
響放射能力は共に十分であるから、このように入力信号
のレベルを調整するだけで、装置全体の音圧周波数を広
帯域一様再生できるようにすることが極めて容易に実現
できる。
次に、この発明の発明者が試作したいくつかの具体例
を説明する。
第24図は、1個のスピーカユニットと1個のポート共
振系(キャビネット)を用いて、等価的に2ウエイのス
ピーカシステムを構成したときの駆動回路の回路図であ
る。同図において、負の出力インピーダンスZ0は Z0=Rs(1−Rb/Ra) =0.22(1−30/1.6) =−3.9(Ω) となる。すなわち、第24図の回路では等価的な出力イン
ピーダンスが第25図に示すようになっている。
第26図は、低歪率の負性抵抗パワーアンプの回路例で
ある。同図中、点線で囲んだA部分が、第14図及び第24
図等に示す検出抵抗Rsであり、図中の点線で囲んだB部
分が、この検出電流値に相当する電圧を再び電流化し
て、入力側に帰還させる部分であり、第14図中の回路13
3等に相当する。電圧電流変換をする理由は、検出部と
入力帰還部との接地電位差の影響を受けないようにする
ためである。この回路では、出力インピーダンスZoは Zo=RS(1−Rf/Ry) となる。従って、Rf=30kΩであるので、Ry<30kΩのと
きに、出力インピーダンスZ0中に等価的な負性抵抗分を
含ませることができる。
第27図は、2個のスピーカユニットと1個のポート共
振系を用いて、3ウエイ構成のスピーカシステムとした
ときの基本構成図である。この構成によれば、ヘルムホ
ルツ共鳴器の容量を3.5リットルとしたときに、第28図
に太い実線で示すような、優れた音圧の周波数特性が得
られた。ここで、図中の1点鎖線は中音用のスピーカの
出力特性、2点鎖線は高音用のツィータの出力特性を示
している。
更に本発明者は、この発明効果と、基本設定に従った
バスレフ形スピーカシステムの効果との比較に関し、次
のような結果を得た。
まず、この発明に従った音響装置としては、ヘルムホ
ルツ共鳴器の空胴の容量を6リットルとし、開口ポート
の内径を3.3cmとし、そのネック長を25cmとした。そし
て、ダイナミックコーンスピーカを取り付けて負性抵抗
駆動を行なったところ、fop=41ヘルツまでの重低音再
生ができた。これに対し、基本設定に従ったバスレフ形
スピーカシステムでは、ダイナミックコーンスピーカと
してfo=50ヘルツ、Q=0.5、口径20cmのものを用いた
ときには、キャビネットの容量を176リットルとしたと
きに、fop=41ヘルツまでの再生が可能となった。従っ
て、、同一程度の重低音再生において、キャビネットの
容量を1/30倍程度にできることが判明した。
〔発明の効果〕
以上、詳細に説明した通り、この発明によれば、振動
器が有する固有の内部インピーダンスは、振動器駆動手
段の働きによって見掛け上で小さくされる(望ましくは
無効化がされる)。
このため、振動器は電気的な駆動信号入力にのみ応動
する要素となり、一切過渡応答を生ずることのない理想
的な動作を行なうとともに、この振動器の共振系は実質
的に共振系ではなくなり、単に共鳴器の壁面と等価とな
ってしまう。従って、共鳴器は振動器によって駆動され
ながらも、振動器駆動手段から見た場合、振動器とは全
く独立して駆動エネルギーが供給される要素となり、振
動器インピーダンスの影響がないので、この共鳴器の共
振のQ値は極めて大きくなってその音響放射能力は強力
なものとなり、仮に他の要因で共鳴器の共振のQ値が減
少するなどしても充分に余裕を有するものとなる。
また、振動器の低域再生特性は何ら共鳴器の容積の大
小によって左右されず、また、共鳴器の共鳴周波数は共
鳴放射部の等価質量だけで設定できるので、やはり共鳴
器の容積の大小は共鳴器自体の低域再生特性を支配する
要素ではなくなり、結果として、装置容積に全く無関係
に装置の低域再生特性を設定できるものとなり、もって
小形でかつ重低音再生が可能な音響装置も容易に実現で
きることとなる。
更に、機械的あるいは電気的等価回路において示され
るように、振動器による共振系と共鳴器による共振系
を、より独立して(望ましくは完全に独立して)取り扱
うことが可能になるので、両者間の設計上の相互依存条
件を少なくする(望ましくは相互依存条件をなくす)こ
とにより任意の帯域設計が容易にでき、かつ何らの支障
も生じない。
そして特にこの発明では、共鳴器の共振周波数を、振
動器駆動手段の出力インピーダンス中に等価的に零以上
の抵抗成分を発生して振動器を駆動した場合に共鳴器の
低音共鳴放射能力が確保される最低周波数よりも、低く
設定するとともに、振動器駆動手段の発生する負性イン
ピーダンス成分の大きさを、振動器の共振系のQ値が当
該振動器と共鳴器との合成再生特性が一様な低減再生特
性となるときのQ値よりも小さくなるように、振動器に
固有の内部インピーダンスの大きさを超えない範囲で当
該内部インピーダンスを等価的に低減あるいは無効化す
る値に設定することにより、従来装置では実現し得なか
った小型重低音再生装置が、装置設計上の困難性等をほ
とんど伴うことなく極めて容易に実現できる。
また、この発明の音響装置はオーディオ用スピーカシ
ステム以外にも、電子楽器、電気楽器等の発音体あるい
は他の発音体として幅広く応用できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の一実施例の基本構成を説明する
図、 第2図は、音圧の周波数特性図、 第3図は、第1図(a)の電気的等価回路図、 第4図は、第3図のZ3をゼロとしたときの等価回路図、 第5図ないし第9図は、動電形スピーカのいくつかの例
を説明する図、 第10図は、電磁形スピーカの例を説明する側面図、 第11図は、圧電形スピーカの例を説明する断面図、 第12図は、静電形スピーカの例を説明する回路図、 第13図は、等価的に負性インピーダンスを生成する回路
の基本構成図、 第14図ないし第19図は、等価負性抵抗を生成する回路の
回路図、 第20図は、等価負性キャパシタンスを生成する回路の回
路図、 第21図は、等価負性インダクタンスを生成する回路の回
路図、 第22図は、より具体的な実施例に係る音響装置の構成
図、 第23図は、第22図の装置の等価的動作構成の説明図、 第24図は、1個の振動器を用いて2ウエイ構成のスピー
カシステムを実現したときの回路図、 第25図は、第24図において等価的に形成される出力イン
ピーダンスを説明する図、 第26図は、低歪率の負性抵抗パワーアンプの回路図、 第27図は、2個の振動器により3ウエイ構成のスピーカ
システムを実現したときの構成図、 第28図は、第27図のスピーカシステムによる音圧の周波
数特性を示す図、 第29図は、従来のスピーカシステムに用いられるバフル
の断面図、 第30図は、密閉形スピーカシステムの電気的等価回路
図、 第31図は、バスレフ形スピーカのシステムの要部の構成
図、 第32図は、従来例による音圧の周波数特性を比較して説
明する図、 第33図は、バスレフ形スピーカシステムの電気的等価回
路図 である。 10……ヘルムホルツ共鳴器、11……開口ポート、12……
ネック、20……振動器、21……振動板、22……変換器、
30……振動器駆動装置、31……駆動制御手段(負性イン
ピーダンス発生部)、Z0……出力インピーダンス、ZV
…内部インピーダンス(非モーショナルインピーダンス
成分)。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】共鳴による音響を放射するための共鳴放射
    部を有する共鳴器と、 音響を直接に放射するための直接放射部と前記共鳴器を
    駆動するための共鳴器駆動部とを含んで構成される振動
    体を有して前記共鳴器に配設される振動器と、 この振動器に固有の内部インピーダンスを等価的に低減
    あるいは無効化するように当該振動器を駆動する振動器
    駆動手段とを備え、 前記共鳴器からの共鳴による音響と前記振動器から直接
    に放射される音響との合成再生特性に対する前記共鳴器
    の共振系の特性および前記振動器の振動系の特性の相互
    依存条件を少なくしあるいはなくした音響装置におい
    て、 前記振動器駆動手段は、前記振動器の駆動電流に対応す
    る電圧信号を当該振動器駆動手段の入力側に正帰還する
    ことによって、当該振動器駆動手段の出力インピーダン
    ス中に等価的に負性インピーダンス成分を発生するよう
    に構成され、 前記共鳴器の共振周波数を、前記振動器駆動手段が当該
    振動器駆動手段の出力インピーダンス中に等価的に零以
    上の抵抗成分を発生して前記振動器を駆動した場合に当
    該共鳴器の低温共鳴放射能力が確保される最低周波数よ
    りも、低く設定し、 前記振動器駆動手段の発生する負性インピーダンス成分
    の大きさを、前記振動器の共振系のQ値が当該振動器と
    前記共鳴器との合成再生特性が一様な低域再生特性とな
    るときのQ値よりも小さくなるように、前記振動器に固
    有の内部インピーダンスの大きさを超えない範囲で当該
    内部インピーダンスを等価的に低減あるいは無効化する
    値に設定した ことを特徴とする音響装置。
  2. 【請求項2】前記共鳴器は、前記振動器が配設される第
    1開口部と、前記共鳴放射部をなす第2開口部とを有す
    るキャビネットで構成され、 前記振動器の振動体は、前記キャビネットの外面側部分
    で前記直接放射部を構成し、前記キャビネットの内面側
    部分で前記共鳴器駆動部を構成することを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載の音響装置。
  3. 【請求項3】前記共鳴器は前記第2開口部を開口ポート
    とするヘルムホルツ共鳴器であることを特徴とする特許
    請求の範囲第2項記載の音響装置。
  4. 【請求項4】前記開口ポートは筒状のネックを有するこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第3項記載の音響装置。
  5. 【請求項5】前記振動器は動電形電気音響変換器である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の音響装
    置。
  6. 【請求項6】前記振動器は電磁形電気音響変換器である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の音響装
    置。
  7. 【請求項7】前記振動器は静電形電気音響変換器である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の音響装
    置。
  8. 【請求項8】前記振動器は圧電形電気音響変換器である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の音響装
    置。
JP62334262A 1987-12-28 1987-12-28 音響装置 Expired - Lifetime JP2605321B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62334262A JP2605321B2 (ja) 1987-12-28 1987-12-28 音響装置
EP88121164A EP0322686B1 (en) 1987-12-28 1988-12-16 Acoustic apparatus
DE3855825T DE3855825T2 (de) 1987-12-28 1988-12-16 Akustischer Apparat
US07/517,416 US4987564A (en) 1987-12-28 1990-04-26 Acoustic apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62334262A JP2605321B2 (ja) 1987-12-28 1987-12-28 音響装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01302997A JPH01302997A (ja) 1989-12-06
JP2605321B2 true JP2605321B2 (ja) 1997-04-30

Family

ID=18275376

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62334262A Expired - Lifetime JP2605321B2 (ja) 1987-12-28 1987-12-28 音響装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US4987564A (ja)
EP (1) EP0322686B1 (ja)
JP (1) JP2605321B2 (ja)
DE (1) DE3855825T2 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5248846A (en) * 1988-06-21 1993-09-28 Yamaha Corporation Musical instrument incorporating a Helmholtz resonator
EP0352536B1 (en) * 1988-07-20 1996-10-02 Yamaha Corporation Musical instrument with electro-acoustic transducer for generating musical tone
US5313525A (en) * 1992-04-02 1994-05-17 Yamaha Corporation Acoustic apparatus with secondary quarterwave resonator
US5548650A (en) * 1994-10-18 1996-08-20 Prince Corporation Speaker excursion control system
US5783898A (en) * 1996-02-26 1998-07-21 Mcdonnell Douglas Corporation Piezoelectric shunts for simultaneous vibration reduction and damping of multiple vibration modes
JPH1152958A (ja) * 1997-08-05 1999-02-26 Murata Mfg Co Ltd 圧電型電気音響変換器
JP3296311B2 (ja) 1998-12-25 2002-06-24 ヤマハ株式会社 音響装置
FI112909B (fi) * 2001-02-19 2004-01-30 Genelec Oy Refleksikaiutinrakenne ja menetelmä sen muodostamiseksi
FI122126B (fi) * 2005-10-05 2011-08-31 Genelec Oy Refleksikaiutinrakenne
US8224009B2 (en) * 2007-03-02 2012-07-17 Bose Corporation Audio system with synthesized positive impedance
US9173018B2 (en) 2012-06-27 2015-10-27 Bose Corporation Acoustic filter
FR3018025B1 (fr) * 2014-02-26 2016-03-18 Devialet Dispositif de commande d'un haut-parleur
FR3018024B1 (fr) * 2014-02-26 2016-03-18 Devialet Dispositif de commande d'un haut-parleur
JP6299363B2 (ja) * 2014-04-16 2018-03-28 ヤマハ株式会社 駆動装置
US20210368271A1 (en) * 2018-02-26 2021-11-25 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Acoustic transducers with pole plates
JP2019161368A (ja) * 2018-03-09 2019-09-19 ヤマハ株式会社 駆動制御装置及び駆動制御方法

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SE176417C1 (ja) * 1953-10-02 1961-09-05
US2887532A (en) * 1956-10-31 1959-05-19 Rca Corp Audio frequency amplifier
NL7017136A (ja) * 1970-11-24 1972-05-26
US3917914A (en) * 1974-03-15 1975-11-04 Gen Electric Loudspeaker
SE398287B (sv) * 1976-03-24 1977-12-12 Stahl Karl Erik Forfarande for forbettring av ett elektrodynamiskt hogtalarelements basatergivning, samt anordning for utforande av forfarandet
US4196790A (en) * 1978-03-27 1980-04-08 Reams Robert W Acoustic transducer having multiple frequency resonance
US4287389A (en) * 1978-10-30 1981-09-01 Gamble George W High-fidelity speaker system
DE2854899A1 (de) * 1978-12-19 1980-07-10 Erich Roske Lautsprechergehaeuse mit abgleichbarer resonanzfrequenz und verfahren zum abgleich der frequenz
JPS5911237B2 (ja) * 1979-08-16 1984-03-14 株式会社精工舎 圧電スピ−カ
JPS56134807A (en) * 1980-03-24 1981-10-21 Toshiba Corp Acoustic reproducing device
NL8004351A (nl) * 1980-07-30 1982-03-01 Philips Nv Elektreetomzetter.
US4323736A (en) * 1980-08-11 1982-04-06 Strickland James C Step-up circuit for driving full-range-element electrostatic loudspeakers
JPS5990491A (ja) * 1982-11-15 1984-05-24 Matsushita Electric Ind Co Ltd オ−デイオ装置
US4602245A (en) * 1983-04-29 1986-07-22 Ensco, Inc. General purpose modular acoustic signal generator
GB8402229D0 (en) * 1984-01-27 1984-02-29 Tannoy Ltd Moving coil loudspeaker
NL8401041A (nl) * 1984-04-03 1985-11-01 Philips Nv Elektro-akoestische inrichting.
NL8501719A (nl) * 1985-06-14 1987-01-02 Philips Nv Basreflex luidsprekersysteem.

Also Published As

Publication number Publication date
DE3855825D1 (de) 1997-04-17
US4987564A (en) 1991-01-22
EP0322686A2 (en) 1989-07-05
JPH01302997A (ja) 1989-12-06
EP0322686B1 (en) 1997-03-12
EP0322686A3 (en) 1991-04-10
DE3855825T2 (de) 1997-10-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2605321B2 (ja) 音響装置
US5009281A (en) Acoustic apparatus
JP2506068B2 (ja) ポ−ト付スピ−カ・システム
JP2751190B2 (ja) 音響再生帯域拡大装置およびその方法
JP2568675Y2 (ja) 音響装置
JPH01254096A (ja) 音響装置
CN102450035A (zh) 压电型电声换能器
US5031500A (en) Keyboard instrument
JP2701279B2 (ja) 音響装置
US5009280A (en) Acoustic apparatus
GB1595917A (en) Loudspeaker system with electrical feed-back
JP2003299168A (ja) スピーカシステム
JPH067711B2 (ja) スピ−カ
US7796768B2 (en) Variable alignment loudspeaker system
JP2568674Y2 (ja) 音響装置
JP2737930B2 (ja) 電子楽器
JP2737922B2 (ja) 音響装置
JPH0229794A (ja) 携帯用楽器
JPH01229598A (ja) 音響装置
JP2737931B2 (ja) 電子楽器
JPH1066193A (ja) スピーカおよびそれを用いたスピーカ装置
JP2558978B2 (ja) 低音再生装置
JPH01253396A (ja) 音響装置
JPH01229599A (ja) 音響装置
JPH01253397A (ja) 音響装置

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term