JP2568675Y2 - 音響装置 - Google Patents

音響装置

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JP2568675Y2
JP2568675Y2 JP1988096436U JP9643688U JP2568675Y2 JP 2568675 Y2 JP2568675 Y2 JP 2568675Y2 JP 1988096436 U JP1988096436 U JP 1988096436U JP 9643688 U JP9643688 U JP 9643688U JP 2568675 Y2 JP2568675 Y2 JP 2568675Y2
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    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10KSOUND-PRODUCING DEVICES; METHODS OR DEVICES FOR PROTECTING AGAINST, OR FOR DAMPING, NOISE OR OTHER ACOUSTIC WAVES IN GENERAL; ACOUSTICS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G10K11/00Methods or devices for transmitting, conducting or directing sound in general; Methods or devices for protecting against, or for damping, noise or other acoustic waves in general
    • G10K11/02Mechanical acoustic impedances; Impedance matching, e.g. by horns; Acoustic resonators
    • G10K11/04Acoustic filters ; Acoustic resonators

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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この考案は、共鳴周波数の異なる複数の共鳴器から放
射される共鳴音響の合成された音響を発生する音響装置
に関する。
[従来の技術] 従来、この種の音響装置として、特開昭60−98793号
に開示されたポート付スピーカシステムが知られてい
る。第12図は、この特開昭60−98793号のスピーカシス
テムを実用化した際の構成を示す。同図のスピーカシス
テムは、周知の矩形断面を有するキャビネット1の内部
空間を仕切板2によって2つの部屋1aと1bに分割し、各
部屋1a,1bそれぞれの外壁に開口ホイール3a,3bを配設
し、これらの部屋1aと開口ポート3a、および部屋1bと開
口ポート3bとにより2つのヘルムホルツ共鳴器を形成し
たものである。これらのヘルムホルツ共鳴器は、閉じら
れた空洞である部屋1a,1bの空気バネと音響的質量手段
である開口ポート3a,3bの音道4a,4bの空気質量とにより
共振(共鳴)周波数を、それぞれf1およびf2(f1<f2
に設定してある。また、前記仕切板2には開口2aを形成
し、この開口2aに振動器(動電形スピーカユニット)5
を取り付けてある。この振動器5の振動板6は前記開口
2aを塞ぐように取り付けられるとともに、振動板6の前
面は部屋1aに面し、後面は部屋1bに面している。
ところで、このスピーカシステムは、同一スピーカの
表(前)面と裏(後)面とでそれぞれの共鳴器を駆動す
るため、共鳴放射の向きが逆方向となる。このため、シ
ステム配置において、表裏二面について音響放射スペー
ス等を考慮しなければならず、通常のスピーカシステム
の如き一面性を有しないという不都合があった。また、
低域では無指向性に近くなるとはいうものの通常聴取距
離程度では2ケ所から音が出るという感覚は充分残存
し、音源位置が不明確、すなわち音像の分散が生じると
いう不都合があった。
なお、前記特開昭60−98793号の第1図に示されたス
ピーカシステムにおいては、開口ポートがキャビネット
の同一面に配設してあるため、システム配置において一
面性を有しないという前記第1の問題点は解決される。
しかし、開口ポートが振動器5を間に介し左右または上
下に離して配設してあるため、音像の分散が生じるとい
う前記第2の問題点は残っている。
[考案が解決しようとする課題] この考案は、前記従来例における問題点に鑑みてなさ
れたもので、一体の筐体内にそれぞれの空洞を形成され
かつ共振周波数を互いに異なる値に設定された複数の共
鳴器を有し、これらの共鳴器の共鳴音の合成された音響
を発生するようにした音響装置において、システム配置
の一面性化および音源の集中化を図ることを目的とす
る。
[課題を解決するための手段] 前記課題を解決するために、この考案では、閉じられ
た空洞とこの空洞を外部領域に音響的に連結する音響的
質量手段とにより構成され、共鳴周波数を互いに異なる
値に設定された複数の共鳴器を具備し、前記各空洞を包
囲する筐体が一体に形成されている音響装置において、
前記複数の共鳴器を並列的に駆動する1つの振動器と、
この振動器を電気的に駆動する振動器駆動手段と、この
振動器駆動手段中に設けられ、前記振動器の駆動電流に
対応する電圧信号を当該駆動手段の入力側に正帰還する
ことによって、当該駆動手段の出力インピーダンスとし
て等価的に負性インピーダンス成分を発生させて、前記
振動器に固有の内部インピーダンスの大きさを超えない
範囲で当該内部インピーダンスを等価的に低減または無
効化し、前記複数の共鳴器の各共鳴による音響の合成再
生特性に対する各共鳴器の共振系の特性および前記振動
器の振動系の特性の相互依存条件を少なくしあるいはな
くすとともに、前記複数の共鳴器のそれぞれのQ値を大
きくする負性インピーダンス発生回路と、前記筐体の同
一側に互いに近接して並設または同軸配置される前記各
共鳴器の共鳴音響放射部とを有し、前記複数の共鳴器の
うち少なくとも1つの共鳴器は、前記空洞の容積および
音響的質量手段で設定される共鳴周波数が、前記振動器
駆動手段が当該振動器駆動手段の出力インピーダンス中
に等価的に零以上の抵抗成分を発生して前記振動器を駆
動した場合に当該共鳴器のQ値が低下して低音共鳴放射
能力が確保できなくなる最低周波数よりも、低く設定さ
れていることを特徴とする。
このような負性インピーダンス発生回路は、MFB回路
におけるマイクや圧電素子等の特別なセンサ等が不要で
あり簡単に構成することができる。
[作用および効果] この考案においては、共鳴音響放射部を筐体の同一側
に互いに近接して並設または同軸配置したため、システ
ムの一面性が実現されて従来一般のシステムと同一感覚
での使用が可能となり、かつ音源が集中化して音像が明
確になる。すなわち、いわゆる音像定位が向上する。
ところで、この種の音響装置においては、出力音圧は
加速度に比例するため共振(共鳴)のQが同じであれば
共鳴周波数における出力音圧は共鳴周波数の高い方が大
きい。したがって、スピーカシステムとしての出力音圧
の周波数特性を平坦にしようとすれば共鳴周波数の低い
共鳴器程共振のQを高く設定しなければならない。しか
し、従来、この種のスピーカシステムは、一般に、出力
インピーダンスが実質的に0のパワーアンプにより、い
わゆる定電圧駆動されていたため、共鳴器のQは空洞の
容積に影響され、通常用いられるスピーカキャビネット
程度の空洞容積の範囲では、共鳴周波数が同じであれば
空洞容積の大きい方が、また、空洞容積が同じであれば
共鳴周波数の高い方が高いQ値をもたせ易かった。この
ため、第12図のスピーカシステム(以下、ダブル共鳴器
形スピーカシステムという)においては、(空洞1aの容
積)》(空洞1bの容積)とすることにより共鳴周波数の
低い方の共鳴器のQ値を高く設定して周波数f1における
出力音圧を上げ、共鳴周波数の高い方の共鳴器のQ値は
周波数f2における出力音圧が周波数f1の出力音圧と合う
ような比較的小さなQ値を持たせるように空洞1a,1bの
容積や開口ポート3a,3bの設計を行なっていた。
すなわち、定電圧駆動することを前提としている従来
のダブル共鳴器形スピーカシステムにおいては、キャビ
ネット1の大きさが周波数f1におけるQ値に関連し、キ
ャビネットを小形化することが困難であるという不都合
があった。
この考案においては、前記複数の共鳴器を駆動するた
めの振動器を前記共鳴器駆動時に該共鳴器側からの大気
反作用を打ち消すように駆動している。このため、共鳴
器側からの大気反作用が完全に打ち消された状態につい
て説明すると、振動器は共鳴器側すなわち空洞側からの
大気反作用に影響されず、共鳴器側から見れば、振動器
の振動体は共鳴器側からは駆動できない等価的な壁と化
していることになる。したがって、ヘルムホルツ共鳴器
としてのQ値は、振動器の特性には影響されず、空洞お
よび開口ポートの等価抵抗を無視すれば計算上は∞とな
る。また、前記大気反作用の打ち消しが完全でない場
合、または前記空洞および開口ポートの等価抵抗を無視
し得ない場合、前記Q値は前記∞と前記振動器を定電圧
駆動した場合のQ値との間の値となる。これにより、こ
の考案においては、空洞を小さくしたり、共鳴周波数を
下げたりしても充分高いQ値を確保することが可能にな
る。
すなわち、この考案によれば、低音放射特性を損なう
ことなく筐体およびシステムの小形化を図ることができ
る。特に、この考案の音響装置は、共鳴用の空洞を複数
個持つタイプだけに各共鳴器を小形化することにより筐
体およびシステムが小形化する効果は大である。
また、ダブル共鳴器形スピーカシステムにおいては、
振動板の動きを制約する共鳴体が振動板の表裏両面にあ
り、その分、共鳴体反作用による振動板の動きの制約が
大きいため、反作用打消駆動の介在する意義は大きい。
[実施例] 以下、この考案の実施例を図面に基づき説明する。な
お、従来例と共通または対応する部材は同一の記号を付
して表わす。
第1図は、この考案の一実施例に係る音響装置の構成
を示す。同図の音響装置は、第12図のものに対し、振動
器(動電形スピーカユニット)5の向きを反転し、この
振動器5の前面を部屋1b側に、後面を部屋1a側に対面さ
せるとともに、開口ポート3aを、部屋1aの外壁から外部
領域へ開口させる代りに、部屋1a内から出発して振動器
5の中心を後面側から前面側へ貫通させ、さらに開口ポ
ート3bの中をこの開口ポート3bと同軸に開口ポート3bの
外部領域側開口端まで延長して、この外部領域側開口端
と面一(つらいち)で開口させている。
第1図の音響装置において、部屋1aと開口ポート3aと
は第1のヘルムホルツ共鳴器を構成しており、その共振
周波数f1は、 として求めることができる。また、部屋1bと開口ポート
3bとは第2のヘルムホルツ共鳴器を構成しており、その
共振周波数f2は、 として求めることができる。ここで、V1は部屋1aの容
積、S1は開口ポート3aの断面積、l1は開口ポート3aの長
さ、V2は部屋1bの容積、S2は開口ポート3bの断面積、l2
は開口ポート3bの長さ、cは音速である。
そして、振動器駆動装置30によりスピーカユニット5
が駆動され、このスピーカユニット5により各共鳴器が
駆動されることによって、開口ポート3a,3bから第2図
の実線a,bで示すような出力音圧で共鳴音響が出力され
る。この場合、第1のヘルムホルツ共鳴器は振動板6の
後面側で第2のヘルムホルツ共鳴器とは逆位相で駆動さ
れるが、これらのヘルムホルツ共鳴器においてはその共
鳴器の共振周波数より高い周波数で開口ポートからの出
力音圧が反転するため、周波数f1とf2との間では結局双
方の共鳴器から出力される共鳴音響の位相が同相とな
り、加算される。この結果、各共鳴器のQ値および共振
周波数等の特性値の設定が理想的な状態では、第2図の
太線cに示すように、周波数f1とf2との間で平坦な総合
周波数特性が得られる。すなわち、ダブル共鳴器形スピ
ーカシステムにおいては、2つの共振特性を重畳部で同
相加算することができ、帯域を拡大することができる。
特に、各特性要素は共振単峰であるため、この加算によ
る帯域拡大は効果が大きい。このような効果は、従来の
ものにおいても同様であるが、この実施例では2つの開
口ポート3aと3bを同軸配置したため、2つの共鳴音が見
掛け上1つのポートから出力され、音源集中による定位
明確化の効果が大きい。
ところで、この種のスピーカシステムにおいては、第
2図に示すように、開口ポート3a,3bからの出力音圧が
周波数f1とf2で等しくなり、これらが合成されて周波数
f1とf2の間で平坦な総合音圧となるのが理想的である。
しかしながら、このようにするためには、先に述べたよ
うに周波数f1におけるQ値Q1を周波数f2におけるQ値Q2
より高く設定する等、各Q値を適正な値に設定する必要
がある。そして、スピーカユニット5を定電圧駆動する
従来装置においては、このようなQ値を設定するために
は部屋1aを極端に大きくする必要がある等の制約があ
り、装置を小形化することは困難であった。
第1図の音響装置においては、振動器5を駆動する振
動器駆動装置30として、出力インピーダンス中に負性イ
ンピーダンスを含む駆動装置30を用いている。
第3図は、第1図の電気等価回路を示す。また、第4
図は、第3図においてZV−ZO=0としたときの電気的等
価回路を示す。図において、並列共振回路ZMは振動器5
の等価モーショナルインピーダンスによるものであり、
rOは振動系の等価抵抗、LOは振動系の等価インダクタン
ス(または等価スチフネスの逆数)、COは振動系の等価
容量(または等価質量)を示している。また、直列共振
回路Z1は前記第1のヘルムホルツ共振器の等価モーショ
ナルインピーダンスによるものであり、r1aは共鳴器の
空洞である部屋1aの等価抵抗、L1aはこの空洞の等価イ
ンダクタンス(または等価スチフネスの逆数)、r1P
開口ポート3aの等価抵抗、C1Pは開口ポート3aの等価容
量(または等価質量)を示している。また、直列共振回
路Z2は前記第2のヘルムホルツ共振器の等価モーショナ
ルインピーダンスによるものであり、r2aは共鳴器の空
洞である部屋1bの等価抵抗、L2aはこの空洞の等価イン
ダクタンス(または等価スチフネスの逆数)、r2Pは開
口ポート3bの等価抵抗、C2Pは開口ポート3bの等価容量
(または等価質量)を示している。さらに、図中のZV
振動器5の内部インピーダンスであり、振動器5が動電
形直接放射スピーカであるときには、主としてボイスコ
イルの抵抗RVとなり、わずかながらインダクタンスを含
んでいる。EVは出力インピーダンスが0の駆動源である
定電圧源である。なお、等価抵抗r1a,r1P,r2a,r2P
ボイスコイルの抵抗RVに比較して無視し得る程度の極め
て小さな値である。
第4図の状態において、各ヘルムホルツ共鳴器の等価
モーショナルインピーダンスによる直列共振回路Z1,Z2
は、両端が交流的に短絡されることとなる。したがっ
て、これらの直接共振回路Z1,Z2に等価的に直列接続さ
れる等価抵抗はr1a,r1P,r1a,r2Pだけとなって、これ
らの直列共振回路Z1,Z2のQ値は、定電圧駆動したとき
のそれぞれのQ値のRV/(r1a+r1P)およびRV/(r2a
+r2P)倍となる。ここで、これらの等価抵抗r1a
r1P,r2a,r2Pの抵抗値は、前述のように、ボイスコイ
ル抵抗RVに比べれば無視し得る程度の小さなものである
から、各直列共振回路Z1,Z2のQ値は、それぞれ定電圧
駆動したときより格段に上昇させることができる。
したがって、第1図の音響装置においては、空洞1aを
小形化することにより周波数f1におけるQ値が低下した
としても、この周波数f1における駆動装置30のインピー
ダンスを負性とすることによりQ値を低下した分を超え
て充分に大きくすることができる。なお、これらのQ値
は、開口ポートを細くしたり、開口ポートや空洞の壁に
緩衝材を貼付する等により小さくすることは容易であ
る。また、駆動装置30の負性出力インピーダンス値を変
えることによっても調整することができる。
この種の音響装置において、周波数特性を平坦にしよ
うとすれば、Q値を最も高くしたいのは共振周波数f1
Q値Q1であり、空洞1aを小さくすると、このQ1が低下す
る。しかし、第1図の音響装置においては、空洞1aの容
積を小さくしても駆動装置30の出力インピーダンスとし
て適正な負性インピーダンスを設定することにより、共
振周波数f1の共振のQ値Q1を充分な大きさに設定するこ
とができ、このため、キャビネットを小形化してシステ
ムを小形化することができる。
さらに、前述のように緩衝材等を用いる等して開口ポ
ート3bや空洞1bの等価抵抗r2P,r2aを大きくすることに
より、あるいは駆動装置30の出力インピーダンスに周波
数特性を持たせて周波数f2における出力インピーダンス
値を周波数f1における出力インピーダンス値より高くす
ることにより、共振周波数f2の共振のQ値Q2をQ1より低
い値に設定すれば、周波数f1とf2の出力音圧を第2図に
示すように等しく設定することができ、総合特性をより
平坦にすることができる。
第5図は、振動器を負性インピーダンス駆動するため
の負性インピーダンス発生回路の基本構成を示す。
同図の回路は、利得Aの増幅器31の出力をスピーカ32
による負荷ZLに与える。そして、この負荷ZLに流れる電
流ILを検出し、伝達利得βの帰還回路33を介して増幅回
路31に正帰還する。このようにすれば、回路の出力イン
ピーダンスZOは、 ZO=ZS(1−Aβ) …(3) として求められる。この(3)式からAβ>1とすれば
ZOは開放安定形の負性インピーダンスとなる。ここで、
ZSは電流を検出するセンサのインピーダンスである。
したがって、この第5図の回路において、インピーダ
ンスZSの種類を適宜選択することにより、出力インピー
ダンス中に所望の負性インピーダンス成分を含ませるこ
とができる。例えば、電流ILをインピーダンスZSの両端
電圧により検出する場合には、インピーダンスZSが抵抗
RSであれば負性インピーダンス成分は負性抵抗成分とな
り、イクダクタンスLSであれば負性インダクタンス成分
となり、キャパシタンスCSであれば負性キャパシタンス
となる。また、帰還回路33に積分器を用い、インピーダ
ンスZSとしてのインダクタンスLSの両端電圧を積分して
検出することにより負性インピーダンス成分を負性抵抗
成分とすることができ、さらに帰還回路33に微分器を用
い、インピーダンスZSとしてのキャパシタンスCSの両端
電圧を微分して検出しても負性インピーダンス成分は負
性抵抗成分となる。電流検出センサとしては、これらの
インピーダンス素子RS,LS,CS等の他、C.T.やホール素
子等の電流プローブを用いることも可能である。
このような回路に相当する具体例は、例えば特公昭59
−51771号等に示されている。
また、電流検出をスピーカ32の非接地側で行なうこと
も可能である。このような回路の具体例は、例えば特公
昭54−33704号等に示されている。第6図はBTL接続の例
であるが、第5図の回路に適用することは容易である。
第6図の34は反転回路である。
第7図は出力インピーダンス中に負性抵抗成分を含む
アンプの具体的回路例を示す。
第7図のアンプにおける出力インピーダンスZOは、 ZO=RS(1−Rb/Ra) =0.22(1−30/1.6) =−3.9(Ω) となる。
第5図の回路において、A、βまたはZSに周波数特性
を持たせれば出力インピーダンスZOに周波数特性を持た
せることができる。
第8図は、周波数f1とf2のそれぞれにおける出力イン
ピーダンスZ1およびZ2がいずれも負性インピーダンス
で、かつ相互に近い値でよい場合の回路例を示す。同図
の回路は、電流ILを検出するセンサとして電流検出抵抗
RSを用いるとともに、負帰還回路33としてコンデンサC1
と抵抗R1,R2とからなり周波数特性を有する(所要帯域
内の周波数特性が平坦でない)CR回路33aおよび周波数
特性を有しない(所要帯域内の周波数特性が平坦な)増
幅器33bを用いて負帰還回路33の伝達利得βに周波数特
性を持たせたものである。なお、この回路は、前記CR回
路33aを前記電流検出センサZSに含めればセンサZSに周
波数特性を持たせものと考えることもできる。第9図
は、第8図の回路の周波数特性を示す。第9図におい
て、 である。また、出力インピーダンス曲線をナイキスト法
に従って折線近似したときの出力インピーダンスがZ2
らZ1へ向けて立ち下がる折点Pの周波数fPは、ほぼ1/2
πC1R2である。
以上説明したように第1図に示すダブル共鳴器形スピ
ーカシステムの振動器5を出力インピーダンス中に負性
インピーダンス成分を有する駆動装置30、例えば第7図
に示す構成の駆動装置により駆動することにより、シス
テムの小形化を図ることができる。
[他の実施例] なお、この考案は、前記実施例に限定されることな
く、適宜変形して実施することができる。例えば、第1
図の音響装置においては、開口ポート3a,3bおよびスピ
ーカユニット5を同軸配置し、開口ポート3aがスピーカ
ユニット5の中心を貫通している例を示したが、第10図
に示すように、開口ポート3aと3bだけを同軸配置し、開
口ポート3aは仕切板2のスピーカユニット5から離れた
部分を貫通させるようにしてもよい。また、第11図に示
すように、開口ポート3aと3bを並べて配置(並設)する
ようにしてもよい。さらに、開口ポート3bを複数本に分
割し、これらを開口ポート3aの軸を中心とする円周上に
開口させるようにしてもよい。
また、前記実施例においては、共鳴器を構成するため
の音響的質量手段として開口ポートを用いているが、こ
れは単なる開口やドローンコーン等の受動振動体であっ
てもよい。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この考案の一実施例に係る音響装置の構成説
明図、 第2図は、第1図の装置の出力音圧周波数特性図、 第3図は、第1図の装置の電気等価回路図、 第4図は、第3図においてZV−ZO=0としたときの電気
等価回路図、 第5図は、第1図の装置において用いられる負性インピ
ーダンス発生回路の基本構成図、 第6図〜第8図は、それぞれ第5図の負性インピーダン
ス発生回路の変形例および具体例を示す回路図、 第9図は、第8図の回路の出力インピーダンスの周波数
特性図、 第10図および第11図は、それぞれこの考案の他の実施例
に係る音響装置の構成説明図、 そして 第12図は、従来のダブル共鳴器形スピーカシステムの構
成を示す断面図である。 1:キャビネット 1a,1b:部屋(空洞) 2:仕切板 3a,3b:開口ポート(音響的質量手段) 5:振動器(スピーカユニット) 6:振動板 31:増幅回路 32:スピーカ 33:帰還回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−294992(JP,A) 特開 昭60−98793(JP,A) 特開 平1−302997(JP,A) 実開 昭63−99493(JP,U) 特公 昭59−51771(JP,B1) 特公 昭58−31156(JP,B1)

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】閉じられた空洞とこの空洞を外部領域に音
    響的に連結する音響的質量手段とにより構成され、共鳴
    周波数を互いに異なる値に設定された複数の共鳴器を具
    備し、前記各空洞を包囲する筐体が一体に形成されてい
    る音響装置において、 前記複数の共鳴器を並列的に駆動する1つの振動器と、 この振動器を電気的に駆動する振動器駆動手段と、 この振動器駆動手段中に設けられ、前記振動器の駆動電
    流に対応する電圧信号を当該駆動手段の入力側に正帰還
    することによって、当該駆動手段の出力インピーダンス
    として等価的に負性インピーダンス成分を発生させて、
    前記振動器に固有の内部インピーダンスの大きさを超え
    ない範囲で当該内部インピーダンスを等価的に低減また
    は無効化し、前記複数の共鳴器の各共鳴による音響の合
    成再生特性に対する各共鳴器の共振系の特性および前記
    振動器の振動系の特性の相互依存条件を少なくしあるい
    はなくすとともに、前記複数の共鳴器のそれぞれのQ値
    を大きくする負性インピーダンス発生回路と、 前記筐体の同一側に互いに近接して並設または同軸配置
    される前記各共鳴器の共鳴音響放射部とを有し、 前記複数の共鳴器のうち少なくとも1つの共鳴器は、前
    記空洞の容積および音響的質量手段で設定される共鳴周
    波数が、前記振動器駆動手段が当該振動器駆動手段の出
    力インピーダンス中に等価的に零以上の抵抗成分を発生
    して前記振動器を駆動した場合に当該共鳴器のQ値が低
    下して低音共鳴放射能力が確保できなくなる最低周波数
    よりも、低く設定されていることを特徴とする音響装
    置。
  2. 【請求項2】前記負性インピーダンス発生回路は、帰還
    回路に周波数特性を付与することにより前記複数の共鳴
    器の各共鳴周波数における負性インピーダンスの値を調
    整し、各共鳴器のQ値を調整するようにした請求項1記
    載の音響装置。
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