JP2737922B2 - 音響装置 - Google Patents

音響装置

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JP2737922B2
JP2737922B2 JP63125638A JP12563888A JP2737922B2 JP 2737922 B2 JP2737922 B2 JP 2737922B2 JP 63125638 A JP63125638 A JP 63125638A JP 12563888 A JP12563888 A JP 12563888A JP 2737922 B2 JP2737922 B2 JP 2737922B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、1つの振動器により互いに共鳴周波数の
異なる複数の共鳴器を駆動して、これらの共鳴器から放
射される共鳴音響の合成された音響を発生する音響装置
に関する。
[従来の技術] 従来、この種の音響装置として、第12図に示す構成の
ものが知られている。この音響装置は、特開昭60−9879
3号に開示されたポート付スピーカシステムと同様のも
ので、周知の矩形断面を有するキャビネット1の内部空
間を仕切板2によって2つの部屋1aと1bに分割し、各部
屋1a,1bそれぞれの外壁に開口ポート3a,3bを設け、これ
らの部屋1aと開口ポート3a、および部屋1bと開口ポート
3bとにより2つのヘルムホルツ共鳴器を形成したもので
ある。各ヘルムホルツ共鳴器の共鳴周波数は、それぞれ
f4およびf2(f4<f2)に設定してある。また、前記仕切
板2には開口2aを形成し、この開口2aに振動器(動電形
スピーカユニット)5を取り付けてある。この振動器5
の振動板6は前記開口2aを塞ぐように取り付けられると
ともに、振動板6の前面は部屋1aに面し、後面は部屋1b
に面している。
従来、この種のスピーカシステムは、一般に、出力イ
ンピーダンスが実質的に0のパワーアンプにより、いわ
ゆる定電圧駆動されていた。
第13図は、第12図の装置の振動器5を、定電圧駆動し
た場合の電気等価回路を示す。ここで、並列共振回路Z1
は振動器5の等価モーショナルインピーダンスによるも
のであり、rOは振動系の等価抵抗を示し、LOは振動系の
等価インダクタンス(または等価スチフネスの逆数)を
示し、COは振動系の等価容量(または等価質量)を示し
ている。また、直列共振回路Z4は部屋1aと開口ポート3a
とにより構成される第1のヘルムホルツ共振器の等価モ
ーショナルインピーダンスによるものであり、r1aは共
鳴器の空胴である部屋1aの等価抵抗を示し、L1aはこの
空胴の等価インダクタンス(または等価スチフネスの逆
数)を示し、r1Pは開口ポート3aの等価抵抗を示し、C1P
は開口ポート3aの等価容量(または等価質量)を示して
いる。また、直列共振回路Z2は部屋1bと開口ポート3bと
により構成される第2のヘルムホルツ共振器の等価モー
ショナルインピーダンスによるものであり、r2aは共鳴
器の空胴である部屋1bの等価抵抗を示し、L2aはこの空
胴の等価インダクタンス(または等価スチフネスの逆
数)を示し、r2Pは開口ポート3bの等価抵抗を示し、C2P
は開口ポート3bの等価容量(または等価質量)を示して
いる。さらに、図中のZVは振動器5の内部インピーダン
スであり、振動器5が動電形直接放射スピーカであると
きには、主としてボイスコイルの抵抗RVとなり、わずか
ながらインダクタンスを含んでいる。また、EVは出力イ
ンピーダンスが0の駆動源である定電圧源である。な
お、等価抵抗r1a,r1P,r2a,r2Pはボイスコイルの抵抗Rv
に比較して無視し得る程度の極めて小さな値である。
第14図は、第12図のシステムの電気インピーダンス特
性を示す。第12図のシステムにおいては、1つの並列共
振回路Z1と2つの直列共振回路Z2,Z4とにより5つの共
振点f1〜f5が生じている。これらの共振点f1〜f5のう
ち、主に直列共振回路Z2による共振周波数f2と直列共振
回路Z4による共振周波数f4が出力音圧に関与する。
[発明が解決しようとする課題] ところで、第12図のスピーカシステムにおいては、第
15図に示すように、開口ポート3a,3bからの出力音圧が
それぞれ第15図の実線のように周波数f2とf4で等しくな
り、これらが合成されて同図に点線で示すように周波数
f2とf4の間で平坦な総合音圧となるのが理想的である。
しかしながら、このようにするためには、周波数f4にお
けるQ値Q4を周波数f2におけるQ値Q2より高く設定する
等、各Q値を適正な値に設定する必要がある。
従来の定電圧駆動方式においては、周波数f2とf4にお
けるQ値を決定する制動抵抗は共通のRVであるから、こ
れらのQ値を適正な値に調整するには、部屋1a,1bの容
積(L1a,L2a)とポート内質量(C1P,C2P)を調整するし
かなかった。
もともと第12図の構成のスピーカシステム(以下、ダ
ブルバスレフという)は、サブウーハ等のように通常の
スピーカシステムに比べて狭い帯域を効率良く再生する
ためのものであり、2つの共振を利用することでこれを
達成しようというものである。
ここで、f2=80Hz,f4=40Hzとし、40Hz〜80Hzで平坦
な特性を持つダブルバスレフによるサブウーハを想定す
る。
音楽の平均エネルギースペクトルは、一般に、第16図
に示すように、200Hz位を中心として両側では少なくな
っている。よってこのサブウーハに加わる音楽信号のエ
ネルギーは周波数f4の成分E(f4)よりもf2の成分エネ
ルギーE(f2)の方が大きいことが殆どである。よって
効率の高さを目的としている以上f2における共振は有効
でなくてはならない。また、音響的な共振は低い周波数
よりも高い周波数の方が同一体積では高いQ値をもたせ
易く、音圧は加速度に比例するためE(f2)>E(f4
であるから共振のQが同じであればf4よりもf2の方が出
力音圧は大きくなる。
よってf4よりf2の共振を有効にするのは容易であり効
率の面では好ましいことではあるが、f4の音圧とf2の出
力音圧をほぼ等しくf2からf4までの帯域がほぼ平坦であ
ることがスピーカシステムとしての本来の条件でもある
ため、f2のみの共振が有効であることは逆にこのスピー
カシステムとしての本来の条件を満たさず、周波数特性
が平坦でなくなる。むしろ周波数特性を平坦にするには
f4における共振をf2よりも有効な条件としてやらない
と、もともと音圧の出しにくいf4の音圧は低下してしま
う。
現実のダブルバスレフシステムは、このような理由に
より、空洞1aの容積≫空洞1bの容積としてf4の音圧を上
げるようになっており、f2の音圧はf4の音圧に合うよう
に比較的小さなQ値を持たせるように空洞1aの容積や開
口ポート3aの設計を行なっている。これはスピーカシス
テムの性能として最も重要な周波数特性をまず満たす必
要があるからである。このようなスピーカシステムは、
むろんポートを持たないスピーカシステムよりは効率が
改善されるが、f2の共振をf4の音圧に合せることはf2
おける効率を低下させることになる。また、スピーカシ
ステムとしての大きさはf2ではなくf4の設計でほとんど
決定される。したがって、エネルギーの面で考えると、
f2よりも少ないエネルギーしか加わらないf4によりシス
テムの大きさが決定され、しかもそのf4の音圧に合せて
f2の効率を押さえなくてはならないというのが現状であ
る。
すなわち、ダブルバスレフ形スピーカシステムを定電
圧駆動する第12図の音響装置においては、キャビネット
の大きさが周波数f4におけるQ値に関連するため、設計
上の自由度が少なく、また、キャビネットを小形化する
ことが困難であった。
この発明は、前記従来例における問題点に鑑みてなさ
れたもので、共鳴周波数の互いに異なる複数の共鳴器を
1つの振動器で駆動する音響装置において、装置の小型
化を図るとともに、設計の自由度を向上させることを目
的とする。
[課題を解決するための手段] この目的を達成するためこの発明では、閉じられた空
洞とこの空洞を外部領域に音響的に連結する音響的質量
手段とにより構成され、共鳴周波数を互いに異なる値に
設定された複数の共鳴器と、これら共鳴器を並列的に駆
動する1つの振動器と、この振動器を電気的に駆動する
駆動手段とを具備する音響装置において、前記駆動手段
は、前記振動器の駆動電流に対応する電圧信号を当該駆
動手段の入力側に正帰還することによって、当該駆動手
段の出力インピーダンス中に等価的に負性インピーダン
スを発生させて、前記振動器に固有の内部インピーダン
スの大きさを超えない範囲で当該内部インピーダンスを
等価的に低減または無効化し、前記複数の共鳴器の各共
振形の特性および前記振動器の振動系の特性の相互依存
条件を少なくしあるいはなくすとともに、前記複数の共
振器のうち少なくとも最低共鳴周波数を有する共鳴器の
Q値を大きくする負性インピーダンス発生手段を有し、
前記正帰還の経路中には、前記複数の共鳴器の出力音圧
に関与する各周波数のうちより高い周波数における前記
駆動手段の出力インピーダンス中の前記負性インピーダ
ンスの大きさを減らすことにより前記複数の共鳴器の行
政された総合音圧が前記最低共鳴周波数を有する共鳴器
の出力音圧を基準としてほぼ平坦特性となるように設定
する所定の伝達特性を有するフィルタ手段が介挿されて
いることを特徴とする。
前記2つの共鳴器は、例えば、キャビネットを仕切板
で2つの部屋に分割し、各部屋のそれぞれを前記空洞と
してこの空洞を構成するキャビネットの外壁に開口、開
口ポートまたは受動振動体からなる前記音響的質量手段
を設けて形成される。この場合、前記仕切板に開口を設
けてこの開口を前記振動器の振動体で塞ぎ、この振動体
の第1面を一報の空洞に対面させるとともに第2面を他
方の空洞に対面させることができる。
[作用] この発明の音響装置で用いられる駆動装置は、前記複
数のモーショナルインピーダンスにより形成される共振
周波数のうち音圧に関与する共振周波数の少なくとも1
つの周波数で振動器を負性インピーダンス駆動すると、
この共振周波数における振動器の非モーショナルインピ
ーダンスが低減または無効化される。例えば前記第12図
の音響装置の全帯域において、駆動装置の出力インピー
ダンスがRV−RO=0なる負性抵抗−ROである場合、すな
わち、第13図の等価回路において抵抗RVを短絡した状態
について説明すると、各共振回路Z1,Z2,Z4が交流インピ
ーダンス0の定電圧源EVに直接接続されたこととなり、
交流的にそれぞれ両端を短絡される。これにより、並列
共振回路Z1は、Q値が0となり、また、直列共振回路
Z2,Z4は音響的等価抵抗r1a,r1P,r2a,r2Pを無視すればQ
値が計算上∞となる。また、この場合、各共振回路Z2,Z
4は、ゼロインピーダンスを介して接続されることとな
り、各共振回路間の相互依存がなくなるため、共振周波
数f4,f2およびQ値Q4,Q2をそれぞれ独立に設定すること
ができる。なお、RV−RO>0の場合、または各空洞およ
び共振開口ポートの音響的等価抵抗r1a,r1P,r2a,r2P
無視し得ない場合、前記Q4とQ2は、前記∞と前記駆動装
置の出力インピーダンスが0である従来の定電圧駆動方
式による場合のQ値との間の値となる。さらに、駆動装
置の出力インピーダンスが正の値である場合には、出力
インピーダンスの値の上昇とともにQ2,Q4は下がる。し
たがって、各共鳴器の共振周波数に対応させてフィルタ
の周波数特性を適宜設定しておくことにより、出力イン
ピーダンスの値が、周波数に応じ、各共鳴器の共振周波
数に対応して変化し、各共鳴器の出力音圧に関与する各
共振周波数付近の周波数帯域について適切な各共鳴器の
Q値による音圧の音響が各共鳴器から放出され、これに
より、ほぼ平坦な特性の合成音圧が得られる。
[効果] このように、この発明によると、駆動装置の出力イン
ピーダンスを少なくとも音圧に関与する共振周波数にお
いて、適宜設定することにより、これらの共振周波数に
おけるQ値を適正な音圧特性が得られるような適正な値
に設定することができるため、キャビネットの大きさを
比較的自由に設定でき、設計の自由度が向上するととも
に、キャビネットを小形化することができる。
[実施例] 以下、この発明の実施例を図面に基づき説明する。な
お、第12図〜第16図に示す従来例と共通または対応する
部材は同一の記号を付して表わす。
第1図は、この発明の一実施例に係る音響装置の基本
的構成を示す。同図の音響装置は、第12図のものに対
し、キャビネット1を小形化し、これによりキャビネッ
ト1への収納が難しくなった開口ポート3a,3bをキャビ
ネット1の外部に突出して設け、仕切板2に取り付けた
振動器(スピーカユニット)5を駆動するための駆動装
置として第14図に示す5つの共振周波数f1,f2,f3,f4,f5
のうち、音圧出力に関与する共振周波数f2,f4の少なく
とも一方の周波数で出力インピーダンス中に負性インピ
ーダンスを含む駆動装置30を用いている。
第2図は、第1図の電気等価回路を示す。また、第3
図は、第2図においてZV−ZO=0、すなわち変換器7に
固有の内部インピーダンスが等価的に完全に無効化され
たときの電気的等価回路を示す。
この第3図の状態においては、各ヘルムホルツ共鳴器
の等価モーショナルインピーダンスによる直列共振回路
Z4,Z2は、両端が交流的に短絡されることとなる。した
がって、これらの直列共振回路Z4,Z2に等価的に直列接
続される等価抵抗は、r1a,r1P,r2a,r2Pだけとなって、
これらの直列共振回路Z4,Z2のQ値は、定電圧駆動した
ときのそれぞれのQ値のRV/(r1a+r1P),RV/(r2a+r
2P)倍となる。ここで、これらの等価抵抗r1a,r1P,r2a,
r2Pの抵抗値は、前述のように、ボイスコイル抵抗RV
比べれば無視し得る程度の小さなものであるから、各直
列共振回路Z4,Z2のQ値は、それぞれ定電圧駆動したと
きより格段に上昇させることができる。
第4図は、駆動装置30の出力インピーダンスとQ値と
の関係の一例を示す。同図から分るように、直列共振回
路のQ値は、負性インピーダンスで駆動することによ
り、大きくすることができるとともに、0または正のイ
ンピーダンスで駆動することにより、従来の定電圧駆動
による場合と同程度またはそれ以下にすることができ
る。したがって、第1図の音響装置においては、空洞1a
を小形化することにより周波数f4におけるQ値が低下し
たとしても、この周波数f4における駆動装置30のインピ
ーダンスを負性とすることによりQ値を低下した分を超
えて充分に大きくすることができる。すなわち、第1図
の構成において、Q値を最も高くしたいのは、共振周波
数f4のQ値Q4であり、空洞1aを小さくすると、このQ4
低下するが、第1図の音響装置においては、空洞1aの容
積を小さくしても駆動装置30の出力インピーダンスとし
て適正な負性インピーダンスを設定することにより、共
振周波数f4の共振のQ値Q4を充分な大きさに設定するこ
とができ、このため、キャビネットを小形化してシステ
ムの小形化を図ることができる。
また、周波数f4と周波数f2における駆動装置30の出力
インピーダンスが同じであれば、前記したように、周波
数f4より高い周波数f2では周波数f4におけるよりQ値を
高く設定し易く、また、出力音圧レベルも高いため、周
波数f4とf2との間の音圧出力特性を平坦にできない。そ
の場合は、前記出力インピーダンスが周波数f4では負性
となるように、かつ周波数f2では周波数f4におけるより
高い出力インピーダンスとなるように、駆動装置30の出
力インピーダンスに周波数特性を持たせるようにすれば
よい。なお、このようなQ値の設定は、当然、従来の、
キャビネットの容積やポート内質量の調整による手法を
併用して行なうことができる。
第5図は、振動器を負性インピーダンス駆動するため
の負性インピーダンス発生回路の基本構成を示す。
同図の回路は、利得Aの増幅器31の出力をスピーカ32
による負荷ZLに与える。そして、この負荷ZLに流れる電
流ILを検出し、伝達利得βの帰還回路33を介して増幅回
路31に正帰還する。このようにすれば、回路の出力イン
ピーダンスZOは、 ZO=ZS(1−Aβ) ……(4) として求められる。この(4)式からAβ>1とすれば
ZOは開放安定形の負性インピーダンスとなる。ここで、
ZSは電流を検出するセンサのインピーダンスである。
したがって、この第5図の回路において、インピーダ
ンスZSの種類を適宜異選択することにより、出力インピ
ーダンス中に所望の負性インピーダンス成分を含ませる
ことができる。例えば、電流ILをインピーダンスZSの両
端電圧により検出する場合には、インピーダンスZSが抵
抗RSであれば負性インピーダンス成分は負性抵抗成分と
なり、インダクタンスLSであれば負性インダクタンス成
分となり、キャパシタンスCSであれば負性キャパシタン
スとなる。また、帰還回路33に積分器を用い、インピー
ダンスZSとしてのインダクタンスLSの両端電圧を積分し
て検出することにより負性インピーダンス成分を負性抵
抗成分とすることができ、さらに帰還回路33に微分器を
用い、インピーダンスZSとしてのキャパシタンスCSの両
端電圧を微分して検出しても負性インピーダンス成分は
負性抵抗成分となる。電流検出センサとしては、これら
のインピーダンス素子RS,LS,CS等の他、C.T.やホール素
子等の電流プローブを用いることも可能である。
このような回路に相当する具体例は、例えば特公昭59
−51771号等に示されている。
また、電流検出をスピーカ32の非接地側で行なうこと
も可能である。このような回路の具体例は、例えば特公
昭54−33704号等に示されている。第6図はBTL接続の例
であるが、第5図の回路に適用することは容易である。
第6図の34は反転回路である。
第7図は出力インピーダンス中に負性抵抗成分を含む
アンプの具体的回路例を示す。
第7図のアンプにおける出力インピーダンスZOは、 ZO=RS(1−Rb/Ra) =0.22(1−30/1.6) =−3.9(Ω) となる。
第5図の回路において、A、βまたはZSに周波数特性
を持たせれば出力インピーダンスZOに周波数特性を持た
せることができる。
第8図は、周波数f4とf2のそれぞれにおける出力イン
ピーダンスZ4およびZ2がいずれも負性インピーダンス
で、かつ相互に近い値でよい場合の回路例を示す。同図
の回路は、電流ILを検出するセンサとして電流検出抵抗
RSを用いるとともに、負帰還回路33としてコンデンサC1
と抵抗R1,R2とからなり周波数特性を有する(所要帯域
内の周波数特性が平坦でない)CR回路33aおよび周波数
特性を有しない(所要帯域内の周波数特性が平坦な)増
幅器33bを用いて負帰還回路33の伝達利得βに周波数特
性を持たせたものである。なお、この回路は、前記CR回
路33aを前記電流検出センサZSに含めればセンサZSに周
波数特性を持たせものと考えることもできる。第9図
は、第8図の回路の周波数特性を示す。第9図におい
て、 である。また、出力インピーダンス曲線をナイキスト法
に従って折線近似したときの出力インピーダンスがZ2
らZ4へ向けて立ち下る折点Pの周波数fPは、ほぼ1/2πC
1R2である。
第10図は、伝達利得βが β=β{F(X)−F(Y)} であり、正と負の両方の成分を持つ回路の例を示す。
同図に示すように、帰還回路33に、ある伝達特性F
(X)および−F(Y)を持たせると、F(X)の利得
がF(Y)を上回る帯域ではβ>0となり、ZO=RS(1
−Aβ)であるから、出力インピーダンスは、RS以下と
なり、Aβ>1において負性インピーダンスが実現でき
るし、逆に、F(Y)の利得がF(X)を上回る帯域で
はβ<0となるから、出力インピーダンスは、RS以上の
正のインピーダンスとなる。
このように第1図に示すタブルバスレフ形スピーカシ
ステムの振動器5を第11図のような出力インピーダンス
特性を有する駆動装置30、例えば第10図に示す構成の駆
動装置により駆動することにより、システムの小形化を
高効率化を図ることができる。例えば、第12図に示す従
来のシステムに対し、空洞1aを小さくし、共振周波数f4
における駆動装置の出力インピーダンスを負性とするこ
とでQを上げ、かつ空洞1bを従来より大きめにするとと
もに正のインピーダンスで駆動することにより効率を良
くしながら、Q値を下げることができる。第11図は、こ
の場合の共鳴器の共振周波数と、駆動装置30の出力イン
ピーダンスとの関係を示す。
なお、上述の実施例においては、共鳴器を構成するた
めの音響的質量手段として開口ポートを用いているが、
これは単なる開口やドローンコーン等の受動振動体であ
ってもよい。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の一実施例に係る音響装置の基本構
成の説明図、 第2図および第3図は、第1図の装置の電気等価回路
図、 第4図は、駆動装置の出力インピーダンスと共鳴器のQ
値との関係を示す特性図、 第5図は、この発明の負性インピーダンス発生回路の基
本構成図、 第6図〜第8図および第10図は、この発明の他の実施例
を示す回路図、 第9図は、第8図の回路の出力インピーダンスの周波数
特性図、 第11図は、共鳴器の共振周波数と、駆動装置の出力イン
ピーダンスとの関係の一例を示す説明図、 第12図は、従来のダブルバスレフ形スピーカシステムの
構成を示す断面図、 第13図は、第12図のスピーカシステムを定電圧駆動する
場合の電気等価回路図、 第14図は、第12図のスピーカシステムの電気インピーダ
ンス周波数特性図、 第15図は、第12図のスピーカシステムの音響出力の説明
図、そして 第16図は、音楽の平均エネルギースペクトル図である。 1:キャビネット 1a,1b:部屋(空洞) 2:仕切板 3a,3b:開口ポート 5:振動器(スピーカユニット) 6:振動板 31:増幅回路 32:スピーカ 33:帰還回路

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】閉じられた空洞とこの空洞を外部領域に音
    響的に連結する音響的質量手段とにより構成され、共鳴
    周波数を互いに異なる値に設定された複数の共鳴器と、 これら共鳴器を並列的に駆動する1つの振動器と、 この振動器を電気的に駆動する駆動手段とを具備する音
    響装置において、 前記駆動手段は、前記振動器の駆動電流に対応する電圧
    信号を当該駆動手段の入力側に正帰還することによっ
    て、当該駆動手段の出力インピーダンス中に等価的に負
    性インピーダンスを発生させて、前記振動器に固有の内
    部インピーダンスの大きさを超えない範囲で当該内部イ
    ンピーダンスを等価的に低減または無効化し、前記複数
    の共鳴器の各共振系の特性および前記振動器の振動系の
    特性の相互依存条件を少なくしあるいはなくすととも
    に、前記複数の共鳴器のうち少なくとも最低共鳴周波数
    を有する共鳴器のQ値を大きくする負性インピーダンス
    発生手段を有し、 前記正帰還の経路中には、前記複数の共鳴器の出力音圧
    に関与する各周波数のうちより高い周波数における前記
    駆動手段の出力インピーダンス中の前記負性インピーダ
    ンスの大きさを減らすことにより前記複数の共鳴器の合
    成された総合音圧が前記最低共鳴周波数を有する共鳴器
    の出力音圧を基準としてほぼ平坦特性となるように設定
    する所定の伝達特性を有するフィルタ手段が介挿されて
    いることを特徴とする音響装置。
  2. 【請求項2】キャビネットを仕切板で2つの部屋に分割
    し、 各部屋のそれぞれを前記空洞としてこの空洞を構成する
    キャビネットの外壁に開口、開口ポートまたは受動振動
    体からなる前記音響的質量手段を設けて2つの共鳴器を
    形成するとともに、 前記仕切板に開口を設けてこの開口を前記振動器の振動
    体で塞ぎ、 この振動体の第1面を一方の空洞に対面させるとともに
    第2面を他方の空洞に対面させてある請求項1記載の音
    響装置。
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