JPH01229598A - 音響装置 - Google Patents

音響装置

Info

Publication number
JPH01229598A
JPH01229598A JP5690588A JP5690588A JPH01229598A JP H01229598 A JPH01229598 A JP H01229598A JP 5690588 A JP5690588 A JP 5690588A JP 5690588 A JP5690588 A JP 5690588A JP H01229598 A JPH01229598 A JP H01229598A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibrator
motional
speaker
resonator
equivalent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5690588A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Yokoyama
健司 横山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Corp filed Critical Yamaha Corp
Priority to JP5690588A priority Critical patent/JPH01229598A/ja
Priority to US07/317,952 priority patent/US5009281A/en
Priority to EP19890103682 priority patent/EP0332053A3/en
Publication of JPH01229598A publication Critical patent/JPH01229598A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Circuit For Audible Band Transducer (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、共鳴器を含んで構成される音響装置に関す
る。
〔従来の技術〕
音響装置の一種としてのスピーカシステムは、一般にキ
ャビネットにスピーカユニット(振動器)を配置し、こ
れを増幅器(AMP)で駆動するように構成される。そ
して、再生特性のうちの特に低音域再生特性は、主とし
てキャビネットの容積により決定されている。
直接放射スピーカの代表例としての動電形直接放射スピ
ーカ(ダイナミック・コーン・スピーカ)は、略円錐形
状(コーン状)の振動板を有し、この振動板は円錐の頂
部近傍に取り付けた磁気ギャップ中のボイスコイルで駆
動される。このようなスピーカを音響装置に用いたとき
には、振動板の前面から直接音が放射されるが、後面か
らも音波が放射される。ところで、この前後の両面から
の音波は互いに逆位相であり、従ってこの前後の両面か
ら聴取者までの音波の行程差が半波長の奇数倍近傍であ
るときは、双方からの音圧は同位相になって互いに重畳
される。
しかしながら、この行程差が半波長の偶数倍近傍である
ときには、音圧が相殺されて弱め合うので、スピーカか
らは各種の波長の音が放射されることを考慮すると、後
面からの音は聴取者に届がないようにするか、あるいは
後面からの音が前面からの直接放射音に悪影響を与えな
いようにするかが望ましい。
そこで、直接放射スピーカではバフルと呼ばれるものが
用いられる。振動板の前後の音の流通を遮ぎるものとし
ては、第22図に示すような平面バフル、後面開放箱形
バフルおよび密閉形バフルなどが知られ、これらとはや
や趣旨を異にするものとして、第24図に示す位相反転
形バフル(バスレフ形)が知られている。以下、これら
を順次に説明する。
第22図(a)は平面バフルの断面図である。
図示のように、1枚の広い平板1には振動器と同じ大き
さの穴があけられ、ここに略円錐形状の振動板2が取り
付けられる。そして、この振動板2の円錐頂部には、ボ
イスコイル、磁気回路などを含んだ動電形電気音響変換
器(スピーカ)3が取り付けられる。この平面バフルに
よれば、後面からの音は平板1によって遮ぎられるので
、仮に平板1を無限の広さにすれば、バフル効果は完全
となる。しかし、これは非現実的であり、実際には有限
の大きさの平板1が用いられる。ところが、例えば音圧
再生特性の最低周波数を60ヘルツ程度に設定すると、
平板1の大きさは一辺が2m程度にもなり、実用的では
ない。
第22図(b)は後面開放箱形バフルの断面図である。
図示のように、後方が開放された箱体4の前面には穴が
あけられ、ここに振動板2および動電形スピーカ3で構
成される振動器が取り付けられる。しかし、この後面開
放箱形バフルによっても、必要な程度のバフル効果を得
るためには寸法が大きくなってしまい、また箱体4の空
気柱が共振系を構成して過渡特性を悪くする。
第22図(c)は密閉形バフルの断面図である。
図示のように、密閉された箱体5の前面には穴があけら
れ、ここに振動板2および動電形スピーカ3で構成され
る振動器が取り付けられる。この構造では、箱体5が全
く振動しないようにすれば、振動板2の後面からの音は
完全に閉じ込められるので、完全なバフル効果が得られ
る。しかじなから、箱体5内の空気が空気バネとなって
振動板2に弾性を与え、全体としての共振周波数は平面
バフルに比べて高くなってしまう。
これを第23図により説明する。同図は第22図(C)
のシステムの簡素化された電気的等価回路図である。そ
して、図中のRは振動器のボイ■ スコイル直流抵抗であり、また、m 、S およOO びS は m −振動系の等画質量 S  −振動系の等価スチフネス S →箱体の等価スチフネス にそれぞれ対応する関係にある。また、Aは力係数であ
って、Bを磁気回路の磁気ギャップ中の磁東密度とし、
gをボイスコイルの長さとしたときに、A−Bgとして
求められる。そして、ユニット振動系の等価モーショナ
ルインピーダンスによる並列共振回路Z1と、密閉箱の
等価モーショナルインピーダンスA2/S は互いに並
列接続され、これらは非モーショナルインピーダンスで
あるボイスコイル抵抗Rを介してアンプ(図示せず)に
並列接続される関係にある。
この電気的等価回路から明らかなように、システム全体
としての共振周波数f は振動器の最低C 共振周波数より上昇し、 ・ t  −f  (1+S  /S  )1/2oc
o           c。
となり、共振周波数f における等価的なQ値C (Q  )は、振動器の最低共振周波数f。におけC るQ値(Q  )に対して、 Q  −Q  (1+S  /S  )1/2oc  
   o           c       。
となって上昇する。従って、低域再生特性を向上させる
ときには、箱体の等価スチフネスをより小さくしなけれ
ばならず、このためキャビネ・ソトは大形にならざるを
えない。
バスレフ形スピーカシステムはこれらとやや趣旨を異に
するもので、その斜視図および断面図を第24図に示す
。図示のように、箱体6には穴があけられて振動板2お
よび動電形スピーカ3からなる振動器が取り付けられ、
また、その下方には音道7を有する開口ボート8が設け
られている。
ここで、通常の基本設定に従ったバスレフ形スピーカシ
ステムにおいては、箱体6内部の空気バネと音道7の空
気質量による共振周波数(共鳴周波数)f を、振動器
をバスレフ形箱体に組み込んp だ状態での振動器(スピーカ)の最低共振周波数f よ
りも、低く設定しである。そして、上記の空気バネと空
気質量による共振周波数よりも高い周波数では、振動板
2の後面からの音圧が音道7のところで逆位相となり、
従って箱体6の前方では、振動板2の前面からの直接放
射音と開口ボート8からの音が結果的に同位相になり、
音圧が強められる。その結果、最適設計されたバスレフ
形スピーカシステムによれば、出力音圧の周波数特性を
振動器の前記低域共振周波数以下まで伸ばすことができ
、第25図に2点鎖線で示すように、−様再生範囲を無
限平面バフルや密閉形バフルよりも広げることができる
しかしながら、このバスレフ形スピーカシステムで一様
再生を実現しようとすると、ユニット振動系の共振のQ
値などについて各種の制約があり、これらが満たされた
ときに始めて第25図の特性が得られていた。このよう
に、一般的にバスレフ形スピーカシステムでは、最適設
計の条件を得るのが極めて難しかった。
一方、バスレフ形スピーカシステムの基本設計思想にこ
だわらず、開口ボートからの音響放射能力のみに着目し
、意図的に共鳴器側の共振周波数f を極度に低くする
試みもなされることがある。
p ところが、低音再生能力にはキャビネットの容積が密接
に関係してくるため、程度の違いこそあれ、やはり密閉
形バフルの場合とほぼ同じく、より低域の再生を実現す
るためには、より大形のキャビネット(箱体)とせざる
得なかったのである。
この事情を第26図によりもう少し詳しく説明する。
まず、第24図のバスレフ形スピーカシステムを、簡素
化された電気的等価回路で示すと、第26図のようにな
る。同図において、A、Rv。
m o+  S o + mgおよびS。は第23図に
示したのと同様であり、muは音道(ポート)の等価質
量に対応する関係にある。そして、ユニット振動系の等
価モーショナルインピーダンスによる並列共振回路Z1
と、ポート共振系の等価モーショナルインピーダンスに
よる直列共振回路Z2は互いに並列接続され、これらは
非モーショナルインピーダンスであるボイスコイル直流
抵抗RVを介して駆動用のアンプ(図示せず)に並列接
続される関係にある。
この電気的等価回路から明らかなように、バスレフ形ス
ピーカシステムでは、その大きな特徴として共振系が2
つ存在する。これはインピーダンス特性でみれば双峰特
性を呈しており、かつ共振点は2つの山の頂点およびそ
の間の谷の計3つであり、この谷の共振がポート共振系
に該当する(前述した密閉形では共振系は唯一つであり
、インピーダンス特性は単峰特性を呈し共振点も1つで
あった)。そして、このバスレフ形スピーカシステムで
は、振動器(ユニット)のボイスコイル抵抗Rは振動器
側の並列共振回路Z1の制動紙■ 抗と、開口ポート(ダクト)側の直列共振回路Z2の制
動抵抗を兼ねている。このため、並列共振回路Z と直
列共振回路Z2とは、相互に干渉し合う存在となってい
た。
相互干渉または相互依存性の一例としては、例えば振動
器として強力な磁気回路を有するものを用いると、振動
器としての共振のQ値は小さくなるのに対し、開口ポー
ト側の共振のQ値は大きくなることがあげられるし、逆
に軟弱な磁気回路を有する振動器を用いたときには、全
く逆の変化を生じることがあげられる。バスレフ形スピ
ーカシステムの本来の設計では、このような相反する相
互依存条件の下で、−様な低域再生特性の得られる最適
点を選択しなければならなかった。
ここで、キャビネットを小容積化することを考えると、
ユニット振動系の最低共振周波数f についてはいずれ
も密閉形バフルの場合と同じ傾向を示し、結果として最
低共振周波数f が高くなる。最終的には、開口ポート
の音響放射効果によって再びある程度の低音域再生特性
の改善がなされるわけではあるが、システム全体として
考えれば、バスレフ形スピーカシステムであってもキャ
ビネットを小さくすれば、それだけ低音域再生能力が低
下することは避けられない。
特に、前述のように基本設定から意図的にボート共振系
の共振周波数f を低下させた時には、p キャビネットを小形化することと相まって開口ボートを
細長くする必要があり、従ってポートでの空気の機械抵
抗の上昇によりQ値は極めて小さくなる。共振のQ値が
極めて小さくなるということは、開口ボートからの音響
放射能力が失われることを意味しているから、結果的に
は開口ポートを共鳴ダクトとして設けた意義は失われ、
開口ボートの存在自体が無意味なものになってしまう。
すなわち、小形化すれば低音再生は実質的に不可能とな
ってくるのである。
〔発明が解決しようとする課題〕
以上、概略的に説明したように、従来の音響装置では、
低域再生を可能にするために、種々の工夫がなされてい
る。
第22図に示す平面バフル、後方開放箱形バフルおよび
密閉形バブルでは、振動板の後面からの放射音は全て邪
魔な音として、前方の聴取者には届かないように設計し
ている。しかしながら、これらによって低音再生特性を
向上させようとすると、装置(キャビネット)が大形化
することは避けられず、また大形化したときでも、その
低域再生特性は十分なものではなかった。
第24図に示すバスレフ形スピーカシステムでは、後方
音の位相を開口ポートで反転させることで、振動板の前
面からの直接放射音を、特に低音域で補償するように構
成されている。このため、本来非常に扱いにくい存在で
ある共振系が振動板および開口ボートの2箇所に生じて
しまい、このバスレフ効果を基本設定に従って十分に得
るためには、これら2つの共振系の相互依存条件を考慮
しつつ、システムの最適条件を極めてクリティカルに設
定しなければならず、従来から例えば特公昭46−12
670号、実公昭54−35068号に示されるように
種々の検討はなされているが、いずれによっても設計の
困難性は本質的には解消できなかった。
また、最適設計がなされるか否かにかかわらず、低域再
生特性を向上させるためには、やはりキャビネットが大
形化してしまっていた。
また、バスレフ形スピーカシステムの基本設定からボー
ト共振系の共振周波数f を意図的に低p くしたものもある。しかし、ここでもキャビネットを小
形化しようとすると、ボート共振系が音響放射に寄与し
なくなるという致命的な欠点があった。
従って、上記いずれの従来技術によっても、ある程度以
上の低音再生能力を得ようとすると、キャビネットが大
形化することは避けられなかった。
その結果、ホール、室内、自動車内など各種の用途にお
いてキャビネットが適宜の容積で、しかも、低域再生特
性の優れた音響装置を適用するのが困難であった。
この発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、音
響装置を構成するキャビネットなどの容積と低域再生特
性を適宜かつ無関係に設定することができ、しかも、振
動器と共鳴器の相互依存条件を排除あるいは低減させる
ことができる音響装置を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
この発明に係る音響装置は、共鳴による音響を放射する
ための共鳴放射部を有する共鳴器と、この共鳴器に配設
される振動器と、この振動器を駆動する振動器駆動手段
とを備える。そして、この振動器は音響を直接に外部へ
放射するための直接放射部と共鳴器を駆動するための共
鳴器駆動部とを含んで構成される振動体を有し、振動器
駆動手段は振動器の振動体の動きを検出してこれを入力
側に負帰還するモーショナルフィードバック(MFB)
手段を有していることを特徴とする。
〔作用〕
上記の構成によれば、共鳴器は振動体の共鳴器駆動部に
よって駆動され、従って振動体の直接放射部からは音響
が直接に外部へ放射されかつ共鳴器の共鳴放射部からは
共鳴による音響が外部へ放射される。
ここで、振動器は電気的等価回路で見ると、振動器固有
の内部インピーダンス(主としてボイスコイル直流抵抗
分)と、実際の振動に寄与する等価モーショナルインピ
ーダンスとの直列回路で成り立っており、この等価モー
ショナルインピーダンスに印加される電圧あるいはその
微分出力、積分出力等がモーショナル信号であり、振動
板の実際の動き、例えば振動速度、振動加速度、振動変
位(振幅)等に、対応するものとなる。振動器駆動手段
に設けられるモーショナルフィードバック手段は、前記
モーショナル信号を検出しこれを振動器駆動手段の入力
側に負帰還する。このため、振動器駆動手段の駆動状態
は、駆動入力に対応する量が常に前記等価モーショナル
インピーダンスの両端電圧、あるいはその微分電圧、ま
たは積分電圧として正確に伝達されるよう追従制御され
る。
すなわち、振動器駆動手段は見掛は上振動器の等価モー
ショナルインピーダンス自体を直接的に線形駆動し、あ
るいは積分駆動または微分駆動しているのと等価となる
。いずれの場合も、振動器駆動手段と振動器の等価モー
ショナルインピーダンスとの間に存在する振動器固有の
内部インピーダンスは、見掛は上で影響の度合が減少し
ていることになり、もって、振動器が有する固有の内部
インピーダンスは見掛は上小さくされる(望ましくは無
効化される)。さらには、この内部インピーダンスの低
減もしくは無効化は、本質的には負帰還量の程度に関わ
っており、例えば負帰還量をβとすれば、内部インピー
ダンスの大きさをほぼ1/βに減少させるように行なわ
れ、この内部インピーダンスがボイスコイルの発熱等で
変動したような場合でも、上記βがある程度大きければ
上記低減もしくは無効化の程度は目立つほどに大きく異
なってしまうことはなく、また負帰還による検出補償ル
ープであるので、βが無限大の理想状態でも内部インピ
ーダンスの完全打消どまりであり、内部インピーダンス
を過剰に打消し過ぎて全体として負インピーダンス状態
にまで至らしめてしまうという、いわゆる過剰補償は原
理的に生じ得ない。
この内部インピーダンスの低減もしくは無効化の効果に
より、振動器には等価モーショナルインピーダンスのみ
となり、すなわち、電気的な駆動信号入力にのみ応動す
る要素となり、実質的に共振系ではなくなり、また同時
に共鳴器の容積は振動器の低域再生能力を左右する要因
ではなくなるので、キャビネットを小形化したときにも
、過渡応答による歪みなどを含まない低音再生を振動器
側で実現できる。また、共鳴器の共鳴周波数近傍でのQ
値は振動器に固有の内部インピーダンスによる低下を生
じることなく十分に大きな値とすることができるので、
キャビネットを小形化したときでも十分な音圧の重低音
再生を実現できる。しかも、このQ値は共鳴放射部(開
口ボート)の等ぽ抵抗により設定でき、かつ共鳴周波数
は共鳴放射部(ポート)の等価質量を調整することによ
り設定でき、共鳴器の容積の大小は低域再生能力を支配
する要素でなくなる。
更に、機械的あるいは電気的等価回路において示される
ように、振動器による振動系と共鳴器による共振系を、
より独立して(望ましくは完全に独立して)取り扱うこ
とが可能になるので、両者間の設計上の相互依存条件を
少なくする(望ましくは相互依存条件をなくす)ことが
でき、かつこのようにしても何らの支障も生じないので
、設計が極めて容易になる。
以上のことから、小形化と重低音再生を同時に実現する
ことができ、しかも容易に設計することが可能となる。
〔実施例〕
以下、添付の第1図ないし第21図を参照して、この発
明の詳細な説明する。なお、図面の説明において同一の
要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
第1図は、この発明の一実施例の基本的構成を示してい
る。同図(a)のように、この実施例では共鳴器として
、共鳴放射部をなす開口ポート11およびネック12を
有するヘルムホルツ共鳴器10を用いている。このヘル
ムホルツ共鳴器10においては、閉じられた空胴と、開
口ポート11およびネック12による短い管とによって
空気の共鳴現象が生じる。そして、この共鳴周波数fは p 1/2 f   −c(S/Ω V)     /2yr   
 −(1)p として求められる。ここで、 C:音速 S:開口ポート11の断面積 g:開口ポート11のネック12の長さV:ヘルムホル
ツ共鳴器10の空胴の体積である。
この実施例の音響装置では、これに振動板21および変
換器22からなる振動器20を取り付けている。そして
、この変換器22は振動器駆動装置30に接続され、こ
れの振動器駆動装置30は振動板21の動きに対応する
モーショナル信号を何らかの手法で検出し、入力側に負
帰還するモーショナルフィードバック(MFB)部を具
備している。
この音響装置の電気的等価回路の構成は、第1図(b)
のようになっている。ここで、並列共振回路Z1は振動
器20の等価モーショナルインピーダンスによるもので
あり、r は振動系の等価抵抗を示し、S は振動系の
等価スチフネスを示し、m は振動系の等価質量を示し
ている。また、直列共振回路Z2は開口ポート11を含
むヘルムホルツ共鳴器10の等価モーショナルインピー
ダンスによるものであり、r は共振器の空胴の等価抵
抗を示し、S は空胴の等価スチフネスを示し、「 は
開口ポートの等価抵抗を示し、mpはΩ 開口ポートの等価質量を示している。また、図中のAは
力係数であり、例えば振動器が動電形直接放射スピーカ
であるときには、Bを磁気ギャップ中の磁束密度、Ωを
ボイスコイル導体の長さとすると、A−Bgとなる。さ
らに、図中のZ は変■ 換器22の内部インピーダンスであり、例えば振動器が
動電形直接放射スピーカであるときには、主としてボイ
スコイルの直流抵抗となり、わずかながらインダクタン
スを含んでいる。
この振動器20の本来のインピーダンス等価回路は電気
等価的に見ると、第2図に示すように、前述の等価モー
ショナルインピーダンスZMと、変換器22固有の内部
インピーダンスZ との直■ 列回路から構成されている。等価モーショナルインピー
ダンスZMから検出すべきモーショナル信号SNとして
は、前述したようにこの等価モーショナルインピーダン
スの両端電圧、あるいはその微分出力、または積分出力
であり、これらはそれぞれ振動板21の振動速度、振動
加速度、振動変位(振幅)に対応するものである。振動
器駆動装置30に設けられるモーショナルフィードバッ
ク構成は、上記のうちいずれかに対応する量をモーショ
ナル信号として検出するモーショナル信号検出部24を
有するものであり、これによるモーショナル信号SMは
フィードバック部25によって振動器駆動装置30の入
力側に負帰還される。
次に、第1図に示す構成の音響装置の作用を簡単に説明
する。
モーショナルフィードバック機能を有する振動器駆動装
置30から振動器20の変換器22に駆動信号が与えら
れると、変換器22はこれを電気機械変換し、振動板2
1を前後(図中の左右)に往復駆動しこれを機械音響変
換する。ここで、振動器駆動装置30はモーショナルフ
ィードバック部を有しているが故に、負帰還量が極めて
大きいとすれば、この振動器駆動装置30の駆動状態は
、駆動入力に対応する量の信号が常に上記の等価モーシ
ョナルインピーダンスの両端電圧、あるいはその微分電
圧、または積分電圧として正確に伝達されるように追従
制御される。言い換えれば、等価モーショナルインピー
ダンスに印加されるモーショナル電圧等が、駆動入力と
1対1の関係で対応するように制御されている。従って
、振動器駆動装置30は見掛は上で振動器20の等価モ
ーショナルインピーダンス自体を直接的に線形駆動、あ
るいは積分駆動または微分駆動しているのと等価になり
、変換器22に固有の内部インピーダンスは見掛は上無
効化されることになる。このため、変換器22は振動器
駆動装置30からの駆動信号に忠実に応答して振動板2
1を駆動し、かつヘルムホルツ共鳴器10に対して独立
的に駆動エネルギーを与える。このとき、振動板21の
前面側(図中の左面側)は音響を直接に外部に放射する
ための直接放射部をなしており、振動板21の後面側(
図中の右面側)はへルムホルツ共鳴器10を駆動するた
めの共鳴器駆動部をなしている。
このため、第1図(a)中に矢印aで示すように振動板
21から音響が直接放射されると共に、ヘルムホルツ共
鳴器10中の空気が共鳴させられて、共鳴放射部から十
分な音圧の重低音響が共鳴放射される。そして、ヘルム
ホルツ共鳴器10における開口ポート11およびネック
12内の空気等価質量の調整により、この共鳴周波数f
 を振p 勧善20の再生周波数帯域より低く設定し、かつ、開口
ポート11およびネック12の等価抵抗の調整ニヨるQ
値の適正レベルへの設定により、開口ポート11から適
切なレベルの音圧が得られることを条件として、例えば
第3図のような音圧の周波数特性を得ることができる。
以下、この事情を第4図の等価回路で説明する。
第4図は第1図(b)をより簡素にした電気的等価回路
である。言い換えれば、共鳴器10の空胴の等価抵抗r
 と、開口ポート11およびネツり12の等価抵抗ra
は十分に小さく、従ってその逆数分は極めて大きいので
、これらを無視すると共に、内部インピーダンスZ が
モーショナル■ フィードバック部によって実効的に無効化(Zv−〇)
されたとしたときの等価回路図である。図示の通り、並
列共振回路Z1および直列共振回路Z2はそれぞれ共に
交流的にゼロインピーダンスで短絡され、かつ全く独立
した共振系とみなすことができる。第4図において、■
は回路を流れる電流とし、■ およびI2はそれぞれ並
列共振回路Z および直列共振回路Z2を流れる電流で
あるとするときに、次の(2)、(3)式が成り立つ0 1  −  Eo/Z1        −(2)■ I  −Eo/z2        −(3)そこで、
振動器20による共振系について、より厳密に考察して
みると、等価モーションナルインピーダンスによる並列
共振回路Z1は、両端が交流的にゼロインピーダンスで
短絡されている。
従って、この並列共振回路Z1は、実質的には、もはや
共振回路ではなくなっている。すなわち、振動器20は
駆動信号入力に対してリアルタイムで線形応答し、全く
過渡応答することなく、電気信号(駆動信号)を忠実に
音響変換することになる。また、この振動器20にあっ
ては、単にヘルムホルツ共鳴器10に振動器20を取付
けた状態で有していた最低共振周波数f という概念が
もはやなくなっている。この振動器20の並列共振回路
Z1は、その両端をゼロインピーダンスで交流的に短絡
されているのであるから当然である。
(以後、振動器20の最低共振周波数f 相当値と言う
場合には、実質的には無効化されてしまった上記概念を
仮に呼ぶにすぎない。)さらに、振動器20とへルムホ
ルツ共鳴器10は互いに無関係であり、しかも、振動器
20と開口ポート11も無関係であり、このためへルム
ホルツ共鳴器10の容積の大小や開口ポート11の内径
の大小やネック12の長さなどとは全く無関係に(ポー
ト共振系の等価モーショナルインピーダンスとは全く無
関係に)機能する。
また、並列共振回路Z と直列共振回路Z2は、■ 共振系として互いに無関係に独立して並存している。従
って、システムを小形化するためにヘルムホルツ共鳴器
10を小容積に設計したときにも、また後述のようにポ
ート共振系のQ値を下げるために開口ボート11および
ネック12を細長く設計したときにも、ユニット振動系
の設計は何ら影響されず、その最低共振周波数f 相当
値なども全く影響されない。このため、相互依存条件に
とられれない容易な設計が可能になる。
別の見方をすれば、このユニット振動系は実効的には共
振系でなくなっているので、駆動信号入力がゼロボルト
ならば、振動板21は実質的には共鳴器10の壁の一部
になってしまう。その結果、ポート共振系を考える際に
は、振動板21の存在を無視することができる。
さらに別の見方をすれば、この発明の音響装置では、共
振系はポート共振系のみとなり、従来の密閉形と同様の
単峰特性を呈することになるといえる。
また、並列共振系において、 (負荷抵抗)/(共振インピーダンス)として表される
Q値は、並列共振回路Z1についてはゼロになる。
ユニット振動系でQ−0になることについては、その他
にもいくつかの意味がある。
第1は、等価的に並列共振回路Z1をなす振動器20が
、入力電圧E と並列共振回路Z1の抵■ 抗分A/r  で決定されるE  /(A2/r  )
Ov               Oなる電流源で駆
動されるスピーカになることである。電気的にみて電流
駆動領域にあるということは、機械的には速度駆動領域
にあるということであり、このスピーカの最低共振周波
数f 相当値近傍の音波の周波数特性は、6 dB/ 
octとなる。
これに対して、通常の電圧駆動状態の特性は、12 d
B/ octとなる。
第2に、振動板21は完全な制動状態になることである
。すなわち、振動板21を駆動したことによる反作用に
対しては、モーショナルフィードバックが働いて駆動電
流が増減することにより、この反作用に対抗すべく追従
制御がなされる。従って、例えば振動板21に外力が加
わった場合でも、その瞬間にこの外力と均衡する状態ま
で逆駆動力が働く (アクティブサーボ)。
次に、上記の第4図を参照して、ヘルムホルツ共鳴器1
0、開口ポート11およびネック12による共振系につ
いて検討する。
同図に示すように、この直列共振回路Z2についても、
両端は交流的に見掛は上ゼロΩで短絡されている。しか
し、この場合は前述した並列共振回路Z1の場合と異な
り、共振系としての意味は何ら失なわれない。逆に、共
振系としてのQ値が極めて大きく(理想状態に近ければ
Q?oo)なるという効果が生じる。また、このヘルム
ホルツ共鳴器10、開口ポート11およびネック12に
よる仮想音響源(スピーカ)の駆動は、実際には振動板
21の変位(振動)によってなされるものではあるが、
第4図の等価回路としては振動器20とは全く並列的に
、駆動源E から駆動エネルギ■ −が供給されているものと考えられる。このため、共鳴
周波数と共振Q値を共鳴器側で独自に設定することによ
り、小形でありながら十分な音圧の重低音再生が可能に
なる。
・ なお、このポート共振系の直列共振回路Z2につい
ても、ユニット振動系の並列共振回路Z1とは全く独立
して存在している。従って、振動器20の設計仕様によ
ってヘルムホルツ共鳴器1゜や開口ポート11の設計仕
様が影響されることはないので、相互依存条件を排除し
た容易な設計が可能になる。
この仮想スピーカ(ヘルムホルツ共鳴器10による音響
源)については、まず前述の(2)。
(3)式より、変換器22に流れる電流lは、l−11
+12 −(1/Z  +1/Z2)Eo   −C4)となる
。また、(3)式より、開口ポート11の共鳴周波数f
 付近(ポート共振系がヘルムホルp ツ共鳴をしている状!りにおいては、Z2→0になり(
但し、実際には抵抗性によりダンプされている)、従っ
て微小な振幅の電圧によっても電流I2は充分に流れる
一方、振動板21の最低共振周波数f 相当値は開口ポ
ート11の共鳴周波数f より高いから、Op 共鳴周波数f 付近においてはZlの値は十分にOp 大きくなっている。このため、(4)式はlm11 +
I2′、I2 となり、変換器22に流れる電流の大部分は、ポート共
振系(仮想スピーカ)の駆動のために寄与していること
になる。また、ポート共振系は小振幅電圧(大電流)で
駆動されているため、これと並列な変換器22も小振幅
電圧で駆動されることになり、従って振動板21は小振
幅動作となっていることがわかる。ここにおいて、振動
板21が小振幅動作であることから、ダイナミック・コ
ーン・スピーカなどの大振幅動作にありがちな非線形な
歪を、特に重低音域においてなくすことができる効果が
ある。
次に、直列共振回路Z2の共振のQ値については、前述
したように並列共振回路Z1とは異なり直列共振系であ
るため、第4図の等価回路ではQ値は無限大になる。こ
の場合、第1図の等価回路に基づいて共振のQ値を正確
に算出すると1/2 Q = (m  S  )   / (rc + J 
)C となるが通常「、「  は極めて小さく、これfI をゼロとみなせば、やはり同様の結果となる。従って、
このQ値を適当な値に設定することにより、十分な音圧
をこの仮想スピーカで得ることができる。
このヘルムホルツ共鳴器10によるQ値については、ス
ピーカユニットのQ値に比べて一般的に制御しやすく、
必要に応じて低下させることができる。例えば、ヘルム
ホルツ共鳴器10を小形化する場合、開口ボート11の
共振系の共鳴周波数において、開口ポートの断面積Sを
小さくし、あるいはネックの長さgを大きくすることに
より実現される。このことは、この発明の音響装置では
、小形化してかつ重低音再生しようと設定すること自体
が、Q値を適度に下げる要素となることを意味するので
ある。すなわち、開口ポート11を細長くすることは、
空気摩擦による機械抵抗(音響抵抗)を大きくすること
であり、従って、第1図(b)の等価回路においてA/
rΩを小さくすることになるので、ヘルムホルツ共鳴器
10および開口ボート11側の直列共振回路Z2のQ値
は低下し、結果として適度にダンピング特性が向上する
。この点は、従来のバスレフ形スピーカシステムにおい
て意図的に開口ポートの共振周波数を下げたとき、小形
化すると共振系としてのQ値が極度に小さくなり、つい
にはボートとしての音響放射能力が失われてしまってい
たことと比較すると、極めて好対照といえる。
また、その他に、ヘルムホルツ共鳴器10内に吸音材な
どを入れることによってA  / r cを小さくし、
Q値を所望に制御することもできる。そして、ここにお
いて重要なことは、共鳴器(キャビネット)の小形化と
いう条件の下で、上記のようにポート共振系のQ値を制
御しても、ユニット振動系には何ら影響が及ばないこと
である。
以上の説明から明らかなように、この発明によれば、共
鳴器10の共鳴周波数f をスピーカユp ニットの最低共振周波数f 相当値と異ならしめて、特
にf をf より低く設定することにより、Op   
 O 第3図に示すような音圧の周波数特性を容易に、しかも
小形化された装置(キャビネット)で実現することがで
きる。ここで、並列共振回路Z1で表現されるユニット
振動系の最低共振周波数f。
相当値付近では、そのQ値はゼロ近傍であって、ポート
共振系の共鳴周波数f 近傍では、直列共p 振回路Z2のQ値は自在に設定できる。この場合、装置
全体としては共振系はポート共振系のみとなリ、従来の
密閉形と同じく単峰特性になる。そして重要なことは、
ユニット振動系の設計とボート共振系の設計は独立的に
行なえることである。これにより、開口ポートは振動器
によって駆動されながら、これとは独立に作用する仮想
スピーカとなる。
この仮想スピーカは、開口ポート径に相当する小口径で
実現されるにもかかわらず、その低音再生能力から見る
と現実のスピーカとしては極めて大口径のものに該当し
、寸法効率あるいは音源集中化には極めて大きい効果を
奏する。当然、実際のスピーカを使わなくて済むから、
その意味でのコスト効率も極めて大きい。また、この仮
想スピーカには現実の振動板は存在せず、空気のみで構
成される仮想振動板であり、極めて理想的なものといえ
る。
また、この発明において特徴的なことは、いわゆる過剰
補償が全く生じないことである。モーショナルフィード
バックは駆動入力に対応する量の信号が等価モーショナ
ルインピーダンス側に正確に伝達されるよう追従制御す
るものであって、これによって内部インピーダンスは見
掛は上で無効化されるものである。そして、この内部イ
ンピーダンスの低減もしくは無効化は、振動板の動きに
対応するモーショナル信号を検出し、これと駆動入力と
が常に対応するように駆動状態を負帰還制御することで
実現されるものであり、負帰還量をβとしたとき内部イ
ンピーダンスの大きさを1/βに減少させるものである
。すなわち、上記βが無限大という理想状態で内部イン
ピーダンスは完全に打消されるものであり、打消しが過
剰に行なわれすぎて全体として負インピーダンスを呈し
てしまうというような過剰補償は原理的に生じ得ない。
また、内部インピーダンスがボイスコイルの発熱等で変
動したような場合でも、βがある程度大きければ、上記
内部インピーダンスの低減もしくは無効化の程度は大き
く異なったりすることはなく、このため、温度変化に応
じてモーショナルフィードバックの程度を変える(温度
補償する)必要は全くない。
なお、以上の基本構成の説明では、内部インピーダンス
Z はモーショナルフィードバック駆動■ により完全に無効化<2 −0>されると仮定し■ て説明したが、本質的にはZ を実効的に減少化■ させることでこの発明の効果が充分に得られる。
なぜなら、ポート共振系の共振のQ値は、内部インピー
ダンスZ の実効値が減少するに従って増■ 加するし、また、ユニット振動系とポート共振系の相関
関係は、内部インピーダンス2 の実効値■ が減少するに従って減少するからである。
なお、このようなZ の減少化は、モーショナ■ 小信号の負帰還量βが■以外の有限値であれば、程度の
差こそあれ、ある程度束じているものとなるが、実際に
はこの負帰還量βをある程度大きくしてやれば、内部イ
ンピーダンスを充分低減もしくは無効化することが可能
である。
次に、これまで第1図ないし第4図で説明した基本構成
において、適用可能な各種の態様を説明する。
まず、共鳴器については、第1図(a)のものに限られ
ない。例えば、空胴部の形状は球形に限らず直方体、立
方体等としてもよく、また、その容積についても特に限
定されることなく、かつユニット振動系とは独立に設計
できる。このため、小容積としてキャビネットを小形化
することができる。また、共鳴放射部をなす開口ボート
およびネックについても、断面形状などは限定されず、
例えば音道は第1図(a)のように外部に突出する形態
でも良いし、また空胴内に収容する形態としてもよい。
さらに、特にネック12を設けず、単なる開口の存在の
みであってもよい。さらに開口は複数個に分散されてい
てもよい。さらに、共鳴周波数f は開口ボートの断面
積とネック長さp との相関関係の下で、適宜に設定してもよい。さらに、
開口ボートの断面積をネックの長さとの関係において適
宜設定できるので、ボートの開口を小さくすることによ
り低域用の仮想スピーカを小口径にでき、音源を集中さ
せて定位感を高めるようにしてもよい。
振動器(電気音響変換器)については、第5図ないし第
12図に示すように、大別すると動電形、電磁形、圧電
形および静電形など各種の形のものを適用することがで
きる。
動電形スピーカ(ダイナミックスピーカ)の振動板の態
様は、第5図ないし第7図に示すように、コーン形、ド
ーム形、リボン形、全面駆動形およびバイルドライバ形
がある。コーン形ダイナミックスピーカは第5図に示す
ように、振動板として円錐形状のコーン101を有し、
このコーン101の円錐頂部近傍にはボイスコイル10
2が固定される。そして、このボイスコイル102は磁
気回路103に形成された磁気ギャップ中に挿入されて
いる。第6図に示すドーム形ダイナミックスピーカでは
、振動板がドーム104となっている点を除けば、第5
図のコーン形ダイナミックスピーカと基本的には同一で
ある。
リボン形ダイナミックスピーカは、第7図のように、磁
気回路103の磁気ギャップ中にリボン振動板105を
配設して構成される。この形のものでは、駆動電流をリ
ボン105の長手方向に流すことにより、前後(図面に
おいて上下)に振動して音波を発生させる。従って、リ
ボン105がボイスコイルと振動板を兼ねている。
全面駆動形ダイナミックスピーカは、第8図のように、
音波を放射するための開孔103aを有する磁石板10
3,103を平行に配設し、この間にボイスコイル10
2付きの振動膜106を配設して構成される。ここで、
磁石板103は磁力線が振動板106とほぼ平行になる
ように着磁され、またボイスコイル102は振動膜10
6上に渦巻き状に固定されている。
第9図に示すバイルドライバ形ダイナミックスピーカに
ついても、ボイスコイル102は振動膜106上に配設
されている。すなわち、振動膜106は蛇腹状に構成さ
れ、ここにボイスコイル102がジグザグに固着されて
いる。これによれば、ボイスコイル102に駆動電流を
流すことにより振動板106の蛇腹は交互に伸縮し、音
波が放射される。
電磁形スピーカとしては、第10図のようなものがある
。図示のように、振動自在に配設された振動板106は
磁性体を含んで構成され、この近傍にはコイル107を
巻回した鉄心108が設けられる。ここにおいて、コイ
ル107に駆動電流を流せば、鉄心108からの磁力線
により振動板106は振動させられ、図中の上下方向に
音波が放射される。
圧電形スピーカとしては、第11図に示すようなものが
ある。図示のように、支持体110には電歪効果により
振動するバイモルフ111の両端が固定され、この中心
部には振動棒112が立設して固定される。そして、こ
の振動棒112の先端は支持体110に固着された振動
膜113の、はぼ中心部に当接している。このスピーカ
では、電歪効果によってバイモルフ111が屈曲し、こ
れによって中心部が上下に振動すると、これが振動体1
12を伝わって振動膜113に伝えられる。
従って、駆動電流に応じて振動膜113を振動させ、音
波を放射することができる。
静電形スピーカとしては、第12図に示すようなものが
あり、一般には、同図(a)のものがシングルタイプコ
ンデンサ形と呼ばれ、同図(b)のものがプッシュプル
タイプコンデンサ形と呼ばれる。同図(a)において、
振動膜121はメツシュ状の電極122と近接して並設
され、これにバイアスEを重畳した入力信号が与えられ
る。従って、静電効果により振動膜121を振動させ、
音波を放射できる。同図(b)については、振動膜12
1が2枚のメツシュ状の電極122に挾まれている。動
作原理については同図(a)と同様である。
モーショナルフィードバックのかけ方およびモーショナ
ル信号の検出方式には、第13図ないし第19図に示す
ように、各種のものがある。
モーショナルフィードバック部の基本的構成については
、第2図において既に説明したとおりであるが、このモ
ーショナルフィードバック駆動を行なうためには、振動
体の動きに対応したモーショナル信号を検出することが
必要となる。そして、このモーショナル信号の検出方式
については、前述したように変位検出形、速度検出形お
よび加速度検出形の三方式があり、検出部の構成につい
ては振動器駆動装置の出力からモーショナル信号を電気
回路的に検出するようにしたものとか、振動器の振動体
から検出するようにしたものとかがある。
変位検出方式は振動板の振幅に対応した量、すなわち等
価モーショナルインピーダンスの両端電圧の積分出力に
対応する量のモーショナル信号を得るもので、その機械
的構成については、例えば第13図のような容量変化形
MFBスピーカとして知られている。図示の通り、駆動
用マグネット131による磁気ギャップに挿入された駆
動コイル132が変位すると、コーン133が振動して
音響が放射される。ここで、駆動コイル132には可動
電極134が連結されており、この可動電極134の近
傍には固定電極135が対向して配設されている。従っ
て、駆動コイル132が変位すると可動電極134も同
一の量だけ変位するので、振動板であるコーン133の
変位量(振幅)に比例した静電容量が電極134.13
5間に現われることになり、これがモーショナル信号と
して検出される。
速度検出方式は振動板の速度、すなわち等価モーショナ
ルインピーダンスの両端電圧に対応する量のモーショナ
ル信号を得るもので、その機械的構成については、例え
ば第14図のような検出コイル形MFBスピーカとして
知られている。図示の通り、駆動用マグネット131に
よる磁気ギャップに挿入された駆動コイル132が変位
すると、コーン133が振動して音響が放射される。こ
こで、検出コイル136は駆動コイル132と連結され
ており、この検出コイル136は検出用マグネット13
7による磁気ギャップに挿入されている。従って、駆動
コイル132が変位すると検出コイル136も同一の速
度で変位するので、振動板であるコーン133の速度に
比例した電圧が検出コイル136に流れ、これがモーシ
ョナル信号として検出されることになる。
加速度検出方式は振動板の加速度に対応した量、すなわ
ち等価モーショナルインピーダンスの両端電圧に対応す
る量のモーショナル信号を得るもので、その機械的構成
としては、例えば第15図のような圧電形MFBスピー
カが知られている。同図において、駆動コイル132は
圧電効果を呈するセラミックス138に連結されており
、このセラミックス138には錘り139からの質量が
加えられる。従って、駆動コイル132が変位するとセ
ラミックス138には圧力が加えられるので、コーン1
33の加速度に比例した電圧がセラミックス138から
発生し、これがモーショナル信号として検出されること
になる。この加速度検出方式としては、これ以外にも音
圧検出形のマイクロホン等で、スピーカからの音を直接
的に拾う形のものもある。
上記のようにして検知される振幅対応、速度対応および
加速度対応のそれぞれのモーショナル信号は、微分回路
あるいは積分回路を用いて相互に変換することが可能で
ある。例えば、振幅対応の信号を微分すれば速度対応の
信号が得られ、更に速度対応の信号を微分すれば加速度
対応の信号が得られる。逆に、各信号を積分すれば、他
の信号が得られることになる。従って、検出方式として
上記三方式のいずれを採用したかということに制約され
ることなく、振幅、速度および加速度のいずれに対応す
るモーショナル信号でもフィードバックすることができ
、またこれらを適切な割合で混合させてフィードバック
することもできる。
このような三方式の検出にもとづく振幅、速度および加
速度対応のモーショナル信号のフィードバックについて
は、いわゆるモーショナルフィードバックの効果の大き
い周波数帯域が異なることになる。具体的には、振幅対
応のモーショナル信号をフィードバックしたときには、
最低共振周波数f。相当値近傍より低域においてサーボ
効果が強く現れ、速度対応のモーショナル信号をフィー
ドバックしたときには、最低共振周波数f。相当値近傍
においてサーボ効果が強く現れ、加速度対応のモーショ
ナル信号をフィードバックしたときには、最低共振周波
数f。相当値近傍より高域においてサーボ効果が強く現
れる。このため、ヘルムホルツ共鳴器を駆動するときに
は、このサーボ効果の得られる帯域と共鳴器の共鳴する
帯域とを適宜に整合させれば良いことになる。
以上の結果、スピーカシステムとしては上記のモーショ
ナル信号の三態様を組み合わせることにより、振動器固
有の内部インピーダンスを見掛は上無効化できることが
わかる。例えば、モーショナル信号の検出についてはコ
イルによる速度検出方式を採用し、最低共振周波数f。
相当値近傍については検出された速度対応のモーショナ
ル信号をそのままフィードバックし、最低共振周波数f
o相当値近傍より低域については検出されたものを電気
的に積分することにより振幅対応のモーショナル信号と
してフィードバックし、最低共振周波数f。相当値近傍
より高域については検出されたものを電気的に微分する
ことにより加速度対応のモーショナル信号としてフィー
ドバックし、これによってサーボ効果の現れる帯域を広
げて多量の帰還をかければよい。
この場合、検出されたモーショナル信号の入力側への負
帰還量を大きくすることで、上記三方式のいずれについ
てもサーボ効果の現れる領域を大きくできる。また、例
えば加速度検出の場合には、超低域では検出出力の位相
回転が180°に近づき(180°を越えることはない
)、モーショナルフィードバック動作としては不安定に
なって発振しやすくなる。しかし、速度検出の場合には
低域、高域のいずれの側についても位相回転は90″以
下なので、相当量のフィードバックをかけることができ
る。従って、上記のように振幅、速度および加速度対応
のモーショナル信号のフィードバックの組み合わせて広
帯域で本発明の効果を得ることは、技術的にみて容易で
ある。
次に、第16図を参照して、電気的に構成された検出手
段によりモーショナル信号を検出して負帰還する方式と
して、ブリッジ型モーショナルフィードバックの第1の
例を説明する。図示の通り、増幅器140の出力はスピ
ーカ141に与えられる。ここで、スピーカ141の等
価モーショナルインピーダンスは3個の抵抗と共にブリ
ッジ回路142を構成しており、振動板の速度に対応し
た電圧圧力が帰還回路143に与えられるようになって
いる。そして、帰還回路143で各種の変換をされたモ
ーショナル信号は、増幅器140の入力側に負帰還され
ている。なお、この発明においては、このスピーカ14
1の振動板の前面は音響を外部に直接放射するため直接
放射部をなし、振動板の裏面は共鳴器駆動部をなし、こ
こにヘルムホルツ共鳴器(図示せず)が配設されている
このような回路において、ブリッジ回路142のモーシ
ョナル検出点a、bの信号は帰還回路143に与えられ
、帰還回路143に内蔵のモーショナル検出器(図示せ
ず)によってスピーカ141の振動板が動くことによる
逆起電力、すなわち振動板の速度成分が検出される。そ
して、この速度対応の信号はそのままの状態で、あるい
は微分演算ないし積分演算が施された後に負帰還される
。このモーショナル信号の負帰還により、スピーカ14
1の等価モーショナルインピーダンスには駆動入力に対
応する量の信号が印加されることになり、過渡応答のな
い理想的な動作が可能となる。また、このモーショナル
信号の負帰還により、スピーカ141に固有の内部イン
ピーダンスは見掛は上無効化ないし低減化され、従って
共鳴器はスピーカ141によって駆動されながらも、独
立に動作するものとなり、結果として小型でありながら
重低音の再生が可能になる。
なお、検出点a、bにおける信号には、増幅器140で
発生した歪みが含まれ、あるいはスピーカ141の非線
形性による歪みが含まれているが、これらも負帰還によ
って低減される。また、第16図に示すブリッジ検出回
路の構成および作用そのものについては、本件出願前に
既に公知であり、例えば特公昭54−1171号公報、
同54−38889号公報などに開示されている。
次に、第17図ないし第19図を参照して、ブリッジ検
出を用いたモーショナルフィードバックの第2の例を説
明する。
第17図はその回路図である。図中において、バンドパ
スフィルタ(B P F)回路220は可変抵抗、コン
デンサ、増幅器(いずれも図示せず)などで構成されて
おり、入力端子209から信号v1を入力して信号(V
、+VM)を出力する。
ここで、■xは動電形スピーカ223の等価モーショナ
ルインピーダンスに印加されるモーショナル電圧である
。この回路によれば、入力信号v1の電圧波形を正確に
スピーカ223のモーショナルインピーダンスの両端へ
伝達することができる。
増幅部221は、裸利得の大きい電圧増幅器221aと
パワー段を構成するNPN型トランジスタ221bおよ
びPNP型トランジスタ221cとから構成されている
一電圧増幅器221aの出力端はトランジスタ221b
とトランジスタ221cの各ベース端子に接続されてい
る。また、トランジスタ221bとトランジスタ221
cの各エミッタ端子はそれぞれ共通接続されて出力端と
なっている。
増幅部221の出力端はスピーカ223の一端に接続さ
れているが、このスピーカ223の振動板の片面は音響
を直接に外部へ放射する直接放射部をなし、反対面は共
鳴器駆動部をなし、ここにヘルムホルツ共鳴器(図示せ
ず)が配設される。
さらに、抵抗224(値α・R)、抵抗■ 225(値α・R/2)および抵抗226(値■ α・R/2)を順次に介して接地されている。
この場合、抵抗225と抵抗226との直列接続回路に
は、スピーカ223の内部インピーダンス中のインダク
タンス成分L に対応するものとし■ て、コンデンサ227(値C)が並列接続され■ ている。また、スピーカ223の他端が抵抗・231(
値R)を介して接地されている。スピ−カ223は電気
的等価回路で表すと、ボイスコイルの内部抵抗228(
値R)と、同じくボイ■ スコイルの内部インダクタンス229(値し )■ と、当該スピーカ223の振動系等価回路230との直
列接続回路となっている。振動系等価回路230すなわ
ち等価モーショナルインピーダンスは、等価抵抗2BO
A、等価コンデンサ230bおよび等価インダクタンス
230cの並列接続回路として表すことができる。一方
、ヘルムホルツ共鳴系等価回路はこの振動系等価回路2
30と並列に接続された直列共振回路(第1図(b)図
示)となるが、説明を簡単にするために図示は省略しで
ある。
上述したスピーカ223、抵抗224〜226゜231
およびコンデンサ227は、モーショナル電圧VMを検
出するためのブリッジ回路232を構成する。このブリ
ッジ回路232の抵抗224〜226の合成抵抗値 (αφR+αやR/2+α・R/2) ■            S           
      Sは、抵抗228.231の合成抵抗値(
R十R)に対して十分大きく、かつ抵抗231の抵抗値
Rは抵抗228の抵抗値Rに対して十分S      
                        ■
に小さい値となるように設定されている。また、抵抗2
24,225.226および231はスピーカ223に
対して、 α・R/α・R−R/R・・・(5) v             S        V 
       Sなる条件に設定されている。このよう
に各抵抗の値を決定することで、後に詳述するように、
抵抗225と抵抗226との接続点P4と、スピーカ2
23の他端と抵抗231の接続点P3との間にモーショ
ナル電圧■Mが正確に検出される。
抵抗225.226の接続点P4は増幅器234の非反
転入力端に接続され、スピーカ223と抵抗231との
接続点P2が抵抗235(値r)を介して増幅器234
の反転入力端に接続されると共に、抵抗236(値r)
の一端に接続されている。そして、抵抗236の他端は
増幅器237の出力端に接続されている、。増幅器23
7は電圧利得が+1となるように構成されている。また
、増幅器237の出力端が抵抗238(値β・R)を介
して増幅器234の出力端に■ 接続されると共に、抵抗239(値β・R)とコンデン
サ240(値C’−L/β・R・v         
v            SR)との並列接続回路を
介して接地されている。
■ これらブリッジ回路232、増幅器234゜237、抵
抗235,236,238.239およびコンデンサ2
40はブリッジ増幅部241を構成する。そして、この
ブリッジ増幅部241は、等価モーショナルインピーダ
ンスに印加されるモーショナル電圧を検出してモーショ
ナル信号を出力する検出手段に該当する。
増幅器234の出力端はコンデンサ242(値Cr)の
一端に接続され、このコンデンサ242の他端が抵抗2
43(値Rr)の一端に接続されると共に増幅部221
内の増幅器221aの反転入力に接続されている。抵抗
243の他端は増幅部221の出力端に接続されている
。ここで、コンデンサ242は直流成分を阻止するため
のものであり、抵抗243は帰還抵抗である。
次に、前述したブリッジ増幅部241によるモーショナ
ル電圧VMの検出原理を説明する。
第18図は第17図の検出ブリッジを抵抗値、容量値で
示した回路図であり、第19図はこれを2分割した回路
図である。まず、第18図に示すブリッジ回路において
、増幅部221から供給される電圧値をV 1増幅器2
34の非反転入力端に供給される電圧値をV 1接続点
P2での電圧値をV 1増幅器237の入出力端での電
圧値をV3、増幅器234の出力端での電圧値をV4と
すると、これらの電圧値■。−v4の関係は次式%式% (ただし、C’−L/β・R−Rである)v     
     v            s      
 vまた、帰還がかかった演算増幅器の特性から■  
 −(r −V 2  + r ・ v 3 ) / 
(r 11  r )  −V2+v3)/2 が与えられるので、 v  −2−vl−v2    −(7)となる。
次に、第19図を参照して電圧V 、■ をそれぞれ求
めると、 2・v −■ ・ (α・R//Cv)/1  0  
    s (α・R//C+αψR) S         v            v−
V  −R//(R+R+ Os     s   v jωL )        ・・・(8)■ (ただし、C−L  /α−R−Rである)v    
   v            s       v
V  −(Vo−VM)  ・RS/(Rs+Rv+j
 ωL  )              ・・・ (
9)■ となる。そこで(7)式に(8)、(9)式を代入する
と、 V  −V  −R/(R+R+jωL  )3   
M   s     s   v      v・・・
(10) となり、上記(6)式と(10)式からV  −V  
           ・・・(11)4M となる。したがって、増幅器234の出力電圧■ から
スピーカ223のモーショナル電圧VMが正確に得られ
ることになる。
次に、以上の構成における第17図の回路の動作を説明
する。
まず、信号入力端子209に供給される入力信号Vtは
、BPF回路220へ供給され、このBPF回路220
によって入力信号■1のうちの所定の周波数成分の信号
レベルが増強される。すなわち、モーショナルフィード
バック駆動を行なったためにスピーカ223に固有の内
部インピーダンスが見掛は上無効化された結果として、
スピーカ223はQLqOの動作となり、したがって最
低共振周波数f 相当値近傍での音圧特性が低下するの
で、これを補償すべく該当周波数帯の信号レベルを増強
する。言い換えれば、BPF回路220から出力される
信号(V  +VM)は、スピー力223のインピーダ
ンス特性に略々近似した波形となっている。そして、信
号(V  +VM)は増幅部221の増幅器221aの
非反転入力端へ供給され、ここで増幅された後、スピー
カ223へ供給される。これによりスピーカ223が略
々平坦な音圧特性で駆動される。
スピーカ223が駆動されると、スピーカ223の等価
回路230の両端にモーショナル電圧VMが発生する。
そして、モーショナル電圧vMはブリッジ増幅部241
によって検出され、コンデンサ242を介して増幅器2
21aの反転入力端へ供給される。ここにおいて、検出
ブリッジにはスピーカ223固有の内部インダクタンス
229に対応するコンデンサ227が設けられているの
で、モーショナル電圧は従来の検出ブリッジに比べては
るかに正確に検知される。従って、増幅部221に対し
ては、モーショナル電圧VMが正確にかつ極めて大きい
帰還量で帰還されることになる。
このようにモーショナル電圧VMを増幅部221へ極め
て大量に負帰還させるようにしたので、スピーカ223
の内部インピーダンスR、■ L は共に略々完全に無効化され、従ってスピー■ 力223は振動系の過渡応答による歪を全く含むことな
しに、駆動入力に対して忠実に応答して音響を放射する
。さらに、そのうえで駆動入力のレベルを制御している
ため、最終的には従来と同様のフラットな音圧−周波数
特性を実現することができ、さらにはこの駆動入力レベ
ル制御の内容如何では音圧周波数特性を元より低域まで
伸ばすことも可能となる。
これに加えて、スピーカ223の共振系は実質的に共振
系ではなくなり、スピーカ223の振動板は図示しない
ヘルムホルツ共鳴器の壁面と等価になるので、この共鳴
系にはスピーカ223の振動系とは全く独立にエネルギ
ーが供給されることになる。また、内部インピーダンス
が見掛は上無効化されるため、このスピーカ223をヘ
ルムホルツ共鳴器に配設しても当該ヘルムホルツ共鳴器
のQ値は、それにより何ら低下することはなく、結果と
して当該ヘルムホルツ共鳴器の音響放射能力は充分強大
となる。
モーショナル信号の検出手法については、上記の例に限
られず、種々の態様が可能である。
まず、光学的な検出としては、例えばスピーカの振動板
にシャッタを固定し、このシャッタを挾むように発光素
子と受光素子のペアを配設する。
これによると、振動板の動きに応じてシャッタが動き、
受光素子の受光量が変化させられるので、振動板の振幅
などに対応したモーショナル信号が得られることになる
。また、振動板にミラーを取り付け、発光素子からの光
をミラーに当てて反射光を受光素子で受けるようにすれ
ば、振動板の動きに応じて光路が変化するのでモーショ
ナル信号を検出できる。これらの検出は実公昭42−5
561号公報あるいは同42−15110号公報に示さ
れており、その他にも、スリットによる変調を利用した
実公昭43−12619号公報や、光ファイバを用いた
特公昭54−111327号公報が知られている。
半導体を用いた検出としては、例えばスピーカの磁気ギ
ャップに感磁性の半導体素子を挿入し、振動板の速度に
対応するモーショナル信号を得るもの(実公昭44−2
8472号公報)や、スピーカのポールピースの前方に
ホール素子を配設して振動板の速度に対応するモーショ
ナル信号を得るもの(特開昭49−102324号公報
)などがある。
圧電効果を用いた検出としては、例えばコーンスピーカ
のコーン紙の前面に圧電素子を配設し、これによってコ
ーン紙の加速度に対応したモーショナル信号を得るもの
(実公昭41−20247号公報)などがあり、これに
よればコーン紙への影響を少なくできる。
また、静電的に振動板の振幅を検出するものとしては、
例えば内側固定電極と外側固定電極との間にボビンの可
動電極を配設することでモーショナル信号を検出したも
のがあり(特公昭54−36486号公報)、これによ
れば可動電極が傾斜してもモーショナル信号を適正に検
出することができる。
一方、電気的構成によってモーショナル信号を検出する
ものでは、ブリッジ検出を差動増幅回路で行なうもの(
実公昭44−9634号公報)、ブリッジ回路の構成要
素にセンタータップ付きの・出カドランスを用いたもの
(実公昭43−2502号公報)などがある。
次に、この発明の実施例について、順次に説明する。
第20図は、直方体のキャビネットに適用した実施例の
構成図である。図示のように、直方体形状のキャビネッ
ト41の前面には穴があけられ、ここに動電形直接放射
スピーカ42が取り付けられている。スピーカ42はコ
ーン状の振動板43と、その円錐頂部近傍に設けられた
動電形変換器44により構成される。また、キャビネッ
ト41のスピーカ42の下側には開口ボート45および
ダクト46が形成され、これがこの発明に特有の低音用
の仮想スピーカをなしている。駆動回路46は裸利得の
大きい駆動部47aと、動電形変換器44の等価モーシ
ョナルインピーダンスに印加されるモーショナル電圧を
検出する検出部47bと、この検出部47bの出力に所
定の変換を施してモーショナル信号を出力する帰還部4
7Cと、この帰還部47cから出力されるモーショナル
信号を入力側に負帰還する減算器47cを有し、この出
力で動電形変換器44が駆動される。
ここで、動電形変換器44は固有の内部インピーダンス
としてボイスコイル直流抵抗Rを有し、■ これは駆動回路46のモーショナルフィードバック駆動
により見掛は上無効化できるようになっている。また、
R、L  、CはそれぞれスピーMM 力42を電気的に等価表現したときのモーショナルイン
ピーダンスである。一方、キャビネット41の容積をV
とし、開口ポート45の断面積をSlそのダクト46の
ネック長さをgとすると、1/2 f  =c (S/J2V)   /2gp で求められる。
第20図に示す実施例の等価的動作構成は、第21図の
ようになる。すなわち、スピーカ42によって形成され
る中高音用スピーカ42′と、開口ボート45によって
等価的に形成される仮想の低音用スピーカ45′は、容
積が無限大の密閉形キャビネット41′に取り付けられ
たのと等価となる。そして、中高音用スピーカ42′は
等価的に形成された高域通過フィルタ(HPF)48H
を介して、通常の(アクティブサーボ駆動をしない)ア
ンプ49に接続され、低音用スピーカ45′は等価形成
された低域通過フィルタ(LPF)48Lを介して、上
記と同一のアンプ49に接続される。(なお、各フィル
タ48H,48Lは、通常のネットワーク回路との類似
性を強調するために便宜的に2次HPFおよび2次LP
Fで表現している。)ここで、中高音用スピーカ42′
の低域再生特性はモーショナルフィードバックの負帰還
量および帰還されるモーショナル信号の種類により定ま
るが、いずれにしても中高音用スピーカ42′固有の内
部インピーダンスは見掛は上略ゼロに近づけられおり、
駆動入力のみに忠実に応答するものとなっている。この
中高音用スピーカ42′の特性は低音用の仮想スピーカ
45′側の設計仕様には全く影響されない。また、低音
用スピーカ45′の共振周波数f は開ロボp −ト45とダクト46のみによって設定することができ
、またそのときの共振のQ値は自在に制御することがで
きる。
以上の説明から明らかなように、この第20図および第
21図に示す実施例によれば、低音用の仮想スピーカが
開口ボート45およびダクト46により等価形成される
。そして、これらは容積が無限大の密閉形キャビネット
に取り付けたのと等価になるので、極めて優れた低音域
再生特性が実現される。そして、スピーカユニットの仕
様とキャビネットの仕様は、互いに制約されることなく
自由に設計でき、システムを従来のあらゆるスピーカシ
ステムに比べて著しく小形化できる。
更に、この発明によれば、例えば第21図に示されるよ
うに、等価的に高域通過フィルタ48Hおよび低域通過
フィルタ48Lが形成されるので、駆動回路の構成を簡
単にすることができる。例えば、従来の2ウエイ構成の
スピーカシステムでは、高音および低音用のスピーカの
前段にはネットワークとしての高域および低域通過フィ
ルタを、それぞれ配設しなければならなかった。そして
、このフィルタはキャパシタンスやインダクタンスを用
いなければならないので、駆動回路のコストが高くなり
がちであり、駆動回路に占めるフィルタの容積も大きく
なりがちであった。また、その設計も別途に行なわなけ
ればならなかった。この発明では、これらのフィルタは
等価的に形成されるので、かかる従来技術の問題点をも
解決することができる。
なお、振動器および共鳴器の全体としての音圧周波数特
性はアンプ側の入力信号のレベルを増減設定することで
任意とすることができる。振動器および共鳴器の各音響
放射能力は共に十分であるから、このように入力信号の
レベルを調整するだけで、装置全体の音圧周波数を広帯
域−様再生できるようにすることが極めて容易に実現で
きる。
なお、このような調整は第17図の回路においては、例
えばBF’F回路220によって実現されている。
本発明者は、この発明効果と、基本設定に従ったバスレ
フ形スピーカシステムの効果との比較に関し、次のよう
な結果を得た。
まず、この発明に従った音響装置としては、ヘルムホル
ツ共鳴器の空胴の容量を6リツトルとし、開口ポートの
内径を3.3艶とし、そのネック長を25c111とし
た。そして、ダイナミックコーンスピーカを取り付けて
モーショナルフィードバック駆動を行なったところ、f
 −41ヘルツまでのp 重低音再生ができた。これに対し、基本設定に従ったバ
スレフ形スピーカシステムでは、ダイナミックコーンス
ピーカとしてf −50ヘルツ、Q−0,5、口径20
cI11のものを用いたときには、キャビネットの容量
を176リツトルとしたときに、f−41ヘルツまでの
再生が可能となった。
〇p 従って、同一程度の重低音再生において、キャビネット
の容量を1/30倍程度にできることが判明した。
〔発明の効果〕
以上、詳細に説明した通り、この発明によれば、振動器
駆動手段が有するモーショナルフィードバック手段の働
きにより、振動器駆動手段の駆動状態は、駆動入力に対
応する量が常に等価モーショナルインピーダンス側に正
確に伝達されるよう追従制御され、もって振動器固有の
内部インピーダンスは見掛は上低減もしくは無効化され
る。したがって見掛は主振動器は電気的な駆動信号入力
にのみ応動する要素となる。このため、振動器は一切過
渡応答を生ずることのない理想的な動作を行なうととも
に、この振動器の共振系は実質的に共振系ではなくなり
、単に共鳴器の壁面と等価となってしまう。従って、共
鳴器は振動器によって駆動されながらも、駆動制御手段
から見た場合、振動器とは全く独立して駆動エネルギー
が供給される要素となり、また振動器固有の内部インピ
ーダンスの悪影響がないので、この共鳴器の共振のQ値
は何ら損なわれることなくその音響放射能力は強力なも
のとなり、仮に他の要因で共鳴器の共振のQ値が減少す
るなどしても充分に余裕を有するものとなる。
また、上述した振動器固有の内部インピーダンスの見掛
は上の低減もしくは無効化は、基本的に負帰還による効
果であるため、いわゆる過剰打消を生ずることがなく、
発振等の恐れはない。
また、振動器の低域再生特性は何ら共鳴器の容積の大小
によって左右されず、また、共鳴器の共鳴周波数は共鳴
放射部の等画質量だけで設定できるので、やはり共鳴器
の容積の大小は共鳴器自体の低域再生特性を支配する要
素ではなくなり、結果として、装置容積に全く無関係に
装置の低域再生特性を設定できるものとなり、もって小
形でかつ重低音再生が可能な音響装置も容易に実現でき
ることとなる。
更に、機械的あるいは電気的等価回路において示される
ように、振動器による共振系と共鳴器による共振系を、
より独立して(望ましくは完全に独立して)取り扱うこ
とが可能になるので、両者間の設計上の相互依存条件を
少なくする(望ましくは相互依存条件をなくす)ことに
より任意の帯域設計が容易にでき、かつ何らの支障も生
じない。
また、この発明の音響装置はオーディオ用スピーカシス
テム以外にも、電子楽器、電気楽器等の、発音体あるい
は他の発音体として幅広く応用できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の一実施例の基本構成を説明する図
、 第2図は、モーショナルフィードバックの概念図、 第3図は、音圧の周波数特性図、 第4図は、第1図(a)の電気的等価回路図、第5図な
いし第9図は、動電形スピーカのいくつかの例を説明す
る図、 第10図は、電磁形スピーカの例を説明する側面図、 第11図は、圧電形スピーカの例を説明する断面図、 第12図は、静電形スピーカの例を説明する回路図、 第13図は、変位検出を行なうための容量変化形MFB
スピーカの基本構成図、 第14図は、速度検出のための検出コイル形MFBスピ
ーカの基本構成図、 第15図は、加速度検出のための圧電形MFBスピーカ
の基本構成図、 第16図および第17図は、ブリッジ検出を用いたモー
ショナルフィードバックの第1および第2の例の回路図
、 第18図および第19図は、第17図に示すブリッジを
等価的に示す回路図、 第20図は、より具体的な実施例に係る音響装置の構成
図、 第21図は、第20図の装置の等価的動作構成の説明図
、 第22図は、従来のスピーカシステムに用いられるバフ
ルの断面図、 第23図は、密閉形スピーカシステムの電気的等価回路
図、 第24図は、バスレフ形スピーカのシステムの要部の構
成図、 第25図は、従来例による音圧の周波数特性を比較して
説明する図、 第26図は、バスレフ形スピーカシステムの電気的等価
回路図 である。 10・・・ヘルムホルツ共鳴器、11・・・開口ボート
、12・・・ネック、20・・・振動器、21・・・振
動板、22・・・変換器、24・・・モーショナル信号
検出部、25・・・フィードバック部、Zo・・・出力
インピーダンス、Zv・・・内部インピーダンス。 音圧の周波数特性 第3図 二 第1図aの等他回路 第4図 コーン形ダイナミックスピーカ 第5図 ドーム形ダイナミックスピーカ 第6図 リボン形ダイナミックスピーカ 第7図 全面駆動形ダイナミックスピーカ 第8図 バイルドライバ形ダイナミックスピーカ第9図 電磁形スピーカ 第10図 圧電形スピーカ 第11図 入力 静電形スピーカ 第12図 第13図 第  14   図 圧電形MFBスピーカ(加速度検出) 第  15   図 ブリッジ検出を用いたMFBの第1の例第  16  
 図 第17図のブリッジを等制約に示す図 第  18   図 (a)         (b) 第17図のブリッジを等制約に示す図 第  19   図 第20図の等制約動作構成 第21図 従来のスピーカシステム 第22図 ll 密閉形の電気的等価回路 第23図 バスレフ形スヒーカシステム 第24図 第25図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、共鳴による音響を放射するための共鳴放射部を有す
    る共鳴器と、 音響を直接に外部へ放射するための直接放射部と前記共
    鳴器を駆動するための共鳴器駆動部とを含んで構成され
    る振動体を有しかつ前記共鳴器に配設される振動器と、 前記振動体の動きに対応するモーショナル信号を検出し
    て入力側へ負帰還するモーショナルフィードバック手段
    を有し前記振動器をモーショナルフィードバック駆動す
    る振動器駆動手段と、を備えることを特徴とする音響装
    置。 2、前記共鳴器は、前記振動器が配設される第1開口部
    と、前記共鳴放射部をなす第2開口部とを有するキャビ
    ネットで構成され、 前記振動器の振動体は、前記キャビネットの外面側部分
    で前記直接放射部を構成し、前記キャビネットの内面側
    部分で前記共鳴器駆動部を構成することを特徴とする請
    求項1記載の音響装置。 3、前記モーショナルフィードバック手段が、前記振動
    器の振動体の振動の変位、速度もしくは加速度のうちの
    少なくともいずれかに対応するモーショナル信号として
    検出するモーショナル信号検出手段と、前記モーショナ
    ル信号を前記振動器駆動手段の入力側に負帰還するフィ
    ードバック手段とを有することを特徴とする請求項1記
    載の音響装置。 4、前記モーショナルフィードバック手段が、前記振動
    器駆動手段の出力から前記モーショナル信号を電気回路
    的に検出することを特徴とする請求項1記載の音響装置
    。 5、前記モーショナルフィードバック手段が、前記振動
    器の振動体から前記モーショナル信号を検出することを
    特徴とする請求項1記載の音響装置。
JP5690588A 1988-03-10 1988-03-10 音響装置 Pending JPH01229598A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5690588A JPH01229598A (ja) 1988-03-10 1988-03-10 音響装置
US07/317,952 US5009281A (en) 1988-03-10 1989-03-01 Acoustic apparatus
EP19890103682 EP0332053A3 (en) 1988-03-10 1989-03-02 Acoustic apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5690588A JPH01229598A (ja) 1988-03-10 1988-03-10 音響装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH01229598A true JPH01229598A (ja) 1989-09-13

Family

ID=13040463

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5690588A Pending JPH01229598A (ja) 1988-03-10 1988-03-10 音響装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH01229598A (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4312619Y1 (ja) * 1966-05-12 1968-05-30
JPS449634Y1 (ja) * 1965-03-01 1969-04-18
JPS5990491A (ja) * 1982-11-15 1984-05-24 Matsushita Electric Ind Co Ltd オ−デイオ装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS449634Y1 (ja) * 1965-03-01 1969-04-18
JPS4312619Y1 (ja) * 1966-05-12 1968-05-30
JPS5990491A (ja) * 1982-11-15 1984-05-24 Matsushita Electric Ind Co Ltd オ−デイオ装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5009281A (en) Acoustic apparatus
US5588065A (en) Bass reproduction speaker apparatus
US5313525A (en) Acoustic apparatus with secondary quarterwave resonator
US4295006A (en) Speaker system
US11463816B2 (en) Directional MEMS microphone with correction circuitry
US4987564A (en) Acoustic apparatus
JP2568675Y2 (ja) 音響装置
JP7150813B2 (ja) 二次ポート付きのムービングコイル型マイクロホン変換器
JP2701279B2 (ja) 音響装置
JP2005530371A (ja) 集積されたコイルを有するフレキシブル振動板
US5009280A (en) Acoustic apparatus
JPH09327094A (ja) 圧電スピーカ
JPH01229598A (ja) 音響装置
US7796768B2 (en) Variable alignment loudspeaker system
JP2003299168A (ja) スピーカシステム
JPH067711B2 (ja) スピ−カ
JPH11234778A (ja) スピーカ装置
KR101800575B1 (ko) 외부 환경을 이용한 고성능 트랜스듀서
JPH01229599A (ja) 音響装置
KR200452709Y1 (ko) 통합 마이크로폰 회로 및 통합 마이크로폰의 구조
JP2558981B2 (ja) 低音再生装置
JPH01253396A (ja) 音響装置
JPH01253397A (ja) 音響装置
JP2558978B2 (ja) 低音再生装置
JPH01296798A (ja) 駆動装置およびその制御情報収納体