JP2604705B2 - Mosキヤパシタの製造方法 - Google Patents

Mosキヤパシタの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はMOSキャパシタの製造方法、特にMOSダイナミ
ックRAM(以後DRAMと記す)の製作に好適なMOSキャパシ
タの製造方法に関するものである。
従来の技術 近年、DRAMの集積度の向上に対する取り組みが進み数
メガビットの大容量のものが報告されるに至ってきてい
るが、記憶容量を大きくするに伴いチップサイズが大き
くなる傾向にあり、実用化するにはメモリセルをさらに
小形にして高密度化を図る必要がある。
1ビット当りのメモリセル面積は、256キロビットのD
RAMでは50〜70μm2であるが、1メガビットでは20〜30
μm2以下にしなければならない。しかし、ソフトエラー
やノイズマージンなどを考慮するとメモリセルを構成す
るキャパシタ容量を256キロビットのDRAMとほぼ等しく
する必要がある。
メモリセル面積を小さくしながらもメモリセルキャパ
シタの容量を256キロビットのDRAMとほぼ等しく保つに
は、キャパシタの構成要素である絶縁膜(以後キャパシ
タ絶縁膜と記す)の実効膜厚を薄くする方法や実効面積
を大きくする方法などがある。
ところで、前者の方法には、二酸化珪素膜を10〜15nm
より薄くすることがピンホール等の観点から困難である
から限界がある。
一方、このような不都合を除くため半導体基板に数μ
mの深さの溝を堀り、この内壁にキャパシタを形成する
ことによりキャパシタの実効面積を大きくする溝形キャ
パシタの製造方法については知られている。
以下、この方法により製作されたDRAMメモリセルの構
造断面図を示した第2図を参照しながら製造方法につい
て説明する。なお、図は素子分離領域の様子がわかりや
すいように分離領域を挾んだ2ビットのメモリセルが配
置された部分を表している。
まず、p形シリコン基板1に選択酸化法により素子分
離領域2を形成した後、素子分離領域2の接し、かつ、
これを挾むシリコン基板1の領域に反応性イオンエッチ
ングなどの異方性エッチングにより深さ約4μmの溝3
を形成する。この溝3の内壁にMOSキャパシタ用の絶縁
膜4を形成した後、この絶縁膜4上に多結晶シリコン膜
5を形成し、さらに多結晶シリコン膜6により溝3を埋
め表面を平坦化した後、前記多結晶シリコン膜5と6を
選択的に除去し、キャパシタ電極パターンを形成する。
次に、MOSキャパシタの電極とワードラインとを絶縁
するための層間絶縁膜7を形成した後、アクセス用MOS
トランジスタのゲート絶縁膜8を形成し、このゲート絶
縁膜上に低抵抗の金属からなるゲート電極9およびこれ
につながるワードライン91を形成し、さらにアクセス用
MOSトランジスタのソースならびにドレイン領域となる
n形の拡散領域10と101を形成する。なお、この拡散領
域10と101はメモリの読み込みと読み出しにより、ソー
ス領域になったりドレイン領域になったりする。
次に、層間絶縁膜11を形成した後、拡散領域10とこの
拡散領域内に形成された開口12を通して接続されるアル
ミニウム配線からなるビットライン13を形成することに
よりメモリセルが形成される。
この製造方法では、シリコン基板に溝を堀ることによ
り3次元的にMOSキャパシタを形成して約60fFの容量を
得、しかも素子面積の縮小を図ることができる。
第3図は上記の製造方法により形成されたメモリセル
の1ビットの等価回路を示す図であり、アクセス用MOS
トランジスタ14のソースあるいはドレインとなる一方の
電極がビットライン13に、他方の電極がキャパシタ15に
接続され、ゲート電極9がワードライン91に接続された
回路構成となっている。
発明が解決しようとする問題点 従来の方法では、シリコン基板に溝を堀り、この内壁
にキャパシタを形成することによりメモリセルの面積の
縮小を図っている。しかし、溝形キャパシタを選択酸化
法により形成した素子分離領域の両側に接して形成した
場合、隣接するキャパシタ間でパンチスルーが起こり分
離幅を小さくすることが困難となる。例えば、(100)
結晶面をもつ比抵抗が4Ωcmのp形シリコン基板を用
い、溝間距離を2.5μmに設定して溝形キャパシタを形
成し、基板バイアスが−3Vの条件でパンチスルー電圧を
測定すると約20Vのパンチスルー電圧が得られたが、溝
間距離を2.0μmとした場合には同様の測定条件でパン
チスルー電圧は約2Vまで急激に低下する。なお、パンチ
スルー電圧は基板濃度を高くすることにより向上する
が、比抵抗が1Ωcmの基板を用いても溝間距離を1.5μ
mとするとパンチスルー電圧は1〜2Vまで低下するため
溝間距離を2μm以下の小さな値とすることは殆ど不可
能である。このため素子間耐圧の面で高集積化に限界が
ある。また、素子分離に選択酸化法が採用されているた
めバーズビークの発生が避けられず高集積化が図れない
問題点もある。
さらに、溝堀り工程および熱処理工程でシリコン基板
に発生する結晶欠陥などが、基板リークやキャパシタ絶
縁膜の欠陥を引き起こす。これらの問題が大容量メモリ
の製造の大きな障害となっている。
問題点を解決するための手段 本発明の製造方法は、一導電形の半導体基板の主面に
第1の溝を形成し、その溝の内壁を第1の絶縁膜で覆っ
た後、第1の絶縁膜を第1の溝内部にだけ残したまま、
絶縁体あるいは半導体材料で前記第1の溝内部を埋める
ことによって基板表面が平坦化された素子分離領域を形
成する工程と、前記の素子分離領域の側面に接し、かつ
素子分離領域を挟んで対向する2つ以上の第2の溝を半
導体基板に形成し、その溝の内壁表面全面に半導体基板
とは逆導電形の第1の多結晶シリコン膜を形成する工程
と、第1の多結晶シリコン膜全表面上に第2の絶縁膜を
形成する工程と、さらのその絶縁膜上に導電性を有する
第2の多結晶シリコン膜を形成し前記第2の溝を埋める
工程とを経て、MOSキャパシタを形成するものである。
作用 本発明の製造方法によれば、素子分離を分離耐圧が高
く、かつ幅が縮小された溝形にすることができる。さら
に、溝形キャパシタの内壁に多結晶シリコン膜を形成
し、この上にキャパシタの絶縁膜を形成するので、基板
に発生した結晶欠陥の影響を受けることのない領域にキ
ャパシタ絶縁膜を形成することができる。
実施例 本発明を適用したDRAMの製造方法の実施例を第1図の
工程フローチャートを参照しながら説明する。
まず、p形シリコン基板16の表面上に、二酸化珪素膜
17を形成し、写真食刻法により素子分離領域となる部分
に幅1μmの開口18を形成する(第1図a)。
次に、二酸化珪素膜17をマスクとしてCCl4およびO2
どを用いた反応性イオンエッチングを施し、シリコン基
板16に深さ5μm、幅1μmの溝19を形成する。つづい
て、ボロンをイオン注入し溝19の底部にチャンネルスト
ッパ領域20を形成する(第1図b)。
次に、溝19の内壁とシリコン基板16の表面を熱酸化し
た後、CVD法により二酸化珪素を被着して溝19を二酸化
珪素21で埋め素子分離領域22を形成する(第1図c)。
なお、溝19を埋める方法として溝19の内壁に二酸化珪
素を形成した後、CVD法により多結晶シリコン層を形成
し、この多結晶シリコン層で溝19を埋める方法もある。
つづいて、シリコン基板16の主面上に形成された二酸化
珪素膜17と21をエッチングにより全面除去する(第1図
d)。
次に、シリコン基板16の表面に新たに二酸化珪素23を
形成し、さらに写真食刻法により素子分離領域22の両側
に位置し、しかも素子分離領域に接する領域に溝形キャ
パシタ形成用の開口を設ける。この後、この開口の内部
に露出するシリコン基板部分に反応性イオンエッチング
を施し、シリコン基板16に深さ4μm、幅1μmの溝24
を形成する。この溝24は素子分離領域22の両側に位置
し、しかも素子分離領域22に接する構造となる(第1図
e)。
次に、リン(P)を含んだ多結晶シリコン膜25を溝24
の内壁に膜厚200nm程成長させた後、この多結晶シリコ
ン膜25に含ませたリンをシリコン基板16に拡散させてn
形拡散層26を形成し、シリコン基板16と多結晶シリコン
膜25を電気的に接続する(第1図f)。
次に、レジスト(図示せず)を全面に塗布して溝24を
レジストで埋めた後、表面のレジスト膜を酸素ガスを用
いた反応性イオンエッチングにより除去し、溝24の内部
にのみレジストを残す。この状態で表面の多結晶シリコ
ン膜25と二酸化珪素膜23を順次除去する。この後、溝24
の内部にあるレジストを除去する(第1図g)。
次に、キャパシタ絶縁膜として実効酸化膜厚が15nmと
なるように二酸化珪素膜27を形成する。この上にキャパ
シタの他方の電極となるリン含有の多結晶シリコン膜28
を500nmの厚さに形成し、1μm幅の溝を埋め表面を平
坦化する(第1図h)。
次に、表面の多結晶シリコン膜28を選択的に除去し、
キャパシタの電極パターンを形成する。その後、アクセ
スMOSトランジスタのゲート酸化膜29を形成し、つづい
てキャパシタ電極とワードラインとを絶縁する層間絶縁
膜30を形成し、タングステンあるいはアルミニウムによ
るゲート電極31およびこれにつながるワードライン32を
形成した後、ソースあるいはドレイン領域となるn形の
拡散領域33と34を形成する(第1図i)。
つづいて、ワードライン32とビットラインとを絶縁す
る層間絶縁膜35を形成し、その後、n形の拡散領域33内
に電極形成用の開口を形成し、ビットライン36の一端が
この開口に接続されるようにアルミニウム配線を選択的
に形成する。
最後に、保護膜(図示せず)を形成することによりDR
AMのメモリが完成する(第1図j)。
なお、実施例に示される溝24の内壁の基板側に形成さ
れたm形拡散層26を省略してもよく、この場合には、キ
ャパシタ容量が約10%減少するが、メモリセル面積の縮
小効果は変わらない。
このように本発明のMOSキャパシタの製造方法により
形成されたDRAMのメモリセルは、素子分離幅およびキャ
パシタ溝幅を1μmと縮小しながらも容量は60fF得られ
る。
しかも、素子分離溝幅を1μmにしても基板比抵抗が
4〜5Ωcmで素子間耐圧は20Vも得ることができる。
発明の効果 本発明のMOSキャパシタの製造方法によれば、溝構造
の素子分離領域の側面に接して溝構造のキャパシタを形
成し、分離溝幅を1μm程度にまで縮小しながらも分離
耐圧を向上することができる効果が奏される。
さらに、この製造方法をDRAMに使用すれば、キャパシ
タ形成用の溝内壁に多結晶シリコン膜を形成した後に、
この上に絶縁膜を形成するので、DRAM用キャパシタ絶縁
膜はシリコン基板に発生した加工歪等による欠陥の影響
を受けることなく、絶縁耐圧が高く、しかも、キャパシ
タに蓄積された電荷がリークにより自然消滅する時間
(ポーズタイム)の特性も改善されたものが得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のMOSキャパシタの製造方法を適用したD
RAMの製造方法の工程断面図によるフローチャート、第
2図は溝形キャパシタ構造によるDRAMのメモリセルの断
面図、第3図は1メモリセルによるDRAMの等価回路図で
ある。 16……p形シリコン基板、22……素子分離領域、24……
溝、25,28……多結晶シリコン膜、26……n形拡散領
域、27……絶縁膜、29……ゲート絶縁膜、30,35……層
間絶縁膜、31……ゲート電極、32……ワードライン、3
3,34……n形拡散領域、36……ビットライン。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一導電形の半導体基板の主面に第1の溝を
    形成し、前記第1の溝の内壁を第1の絶縁膜で覆った
    後、前記第1の絶縁膜を前記第1の溝内部だけに残しつ
    つ、絶縁体あるいは半導体材料で前記第1の溝内部を埋
    め、基板表面が平坦化された素子分離領域を形成する工
    程と、前記素子分離領域の側面に接し、かつ前記素子分
    離領域を挟んで対向する2つ以上の第2の溝を前記半導
    体基板に形成する工程と、前記第2の溝内壁全面と、前
    記素子分離領域の表面と、前記第2の溝周辺の前記半導
    体基板表面領域とを覆うように前記半導体基板とは逆導
    電形の第1の多結晶シリコン膜を形成した後、前記素子
    分離領域の表面上および前記第2の溝周辺の前記半導体
    基板表面領域に存在する前記第1の多結晶シリコン膜を
    選択的に除去する工程と、前記第1の多結晶シリコン膜
    の表面が露出しないように、前記第1の多結晶シリコン
    膜の全表面に第2の絶縁膜を形成、被覆する工程と、第
    2の絶縁膜上に導電性を有する第2の多結晶シリコン膜
    を形成し前記第2の溝を埋める工程とを有することを特
    徴とするMOSキャパシタの製造方法。
  2. 【請求項2】第2の溝の内壁面となっている半導体基板
    の部分に、これと逆導電形を有する拡散領域を形成する
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のMOSキャ
    パシタの製造方法。
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