JP2604282B2 - アルカリ蓄電池 - Google Patents
アルカリ蓄電池Info
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- JP2604282B2 JP2604282B2 JP3054849A JP5484991A JP2604282B2 JP 2604282 B2 JP2604282 B2 JP 2604282B2 JP 3054849 A JP3054849 A JP 3054849A JP 5484991 A JP5484991 A JP 5484991A JP 2604282 B2 JP2604282 B2 JP 2604282B2
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、水酸化ニッケルを主
体とする正極と、水素吸蔵合金負極とを備えたアルカリ
蓄電池に関する。
体とする正極と、水素吸蔵合金負極とを備えたアルカリ
蓄電池に関する。
【0002】
【従来の技術】アルカリ蓄電池用のニッケル電極におい
ては、特公昭42−21115号公報に示されるよう
に、充放電サイクルによる極板の膨張を抑えるべく、ニ
ッケル電極にカドミウムを添加するような方法が広く知
られている。また、特公昭60−12742号公報、特
公昭59−10538号公報及び特開昭51−8773
3号公報に示されるように、カドミウムの添加に加えて
コバルトを添加することにより、極板の膨張抑制の他、
高温での充電特性の向上や活物質利用率の向上或いは自
己放電の抑制等を図ることができることが知られてい
る。
ては、特公昭42−21115号公報に示されるよう
に、充放電サイクルによる極板の膨張を抑えるべく、ニ
ッケル電極にカドミウムを添加するような方法が広く知
られている。また、特公昭60−12742号公報、特
公昭59−10538号公報及び特開昭51−8773
3号公報に示されるように、カドミウムの添加に加えて
コバルトを添加することにより、極板の膨張抑制の他、
高温での充電特性の向上や活物質利用率の向上或いは自
己放電の抑制等を図ることができることが知られてい
る。
【0003】しかしながら、近年、環境保全の立場か
ら、カドミウムの使用に対する規制が高まりつつある。
ら、カドミウムの使用に対する規制が高まりつつある。
【0004】そこで、カドミウムに替えて、活物質に亜
鉛または亜鉛化合物を添加する方法が提案されている。
(例えば、特開昭59−83347号公報、D.H. Fritt
s “Zinc Hydroxide as a Substitute for Cobalt Hydr
oxide in Nickel Electrodes”, The Electrochemical
Society INC. 160th Meeting Extended Abstracts,Vol.
81-2, p86(1981). あるいは昭和63年第29回電池討
論会予稿集P53等 )。しかしながら、活物質に亜鉛
または亜鉛化合物を添加したニッケル電極で は、活物
質の充電受け入れ性が大幅に低下する。特に、酸素過電
圧が低下して酸素ガスの発生が促進される高温での充電
条件下では、容量が大きく低下するという問題を有して
いた。
鉛または亜鉛化合物を添加する方法が提案されている。
(例えば、特開昭59−83347号公報、D.H. Fritt
s “Zinc Hydroxide as a Substitute for Cobalt Hydr
oxide in Nickel Electrodes”, The Electrochemical
Society INC. 160th Meeting Extended Abstracts,Vol.
81-2, p86(1981). あるいは昭和63年第29回電池討
論会予稿集P53等 )。しかしながら、活物質に亜鉛
または亜鉛化合物を添加したニッケル電極で は、活物
質の充電受け入れ性が大幅に低下する。特に、酸素過電
圧が低下して酸素ガスの発生が促進される高温での充電
条件下では、容量が大きく低下するという問題を有して
いた。
【0005】これに対し、活物質の充電受け入れ性を向
上させる方法としては、従来よりコバルト化合物をニッ
ケル電極の活物質中へ添加する方法が採られている。し
かし、コバルト化合物を添加しただけでは、活物質の充
電受け入れ性は向上するが、電池膨張をあまり抑制する
ことができない。
上させる方法としては、従来よりコバルト化合物をニッ
ケル電極の活物質中へ添加する方法が採られている。し
かし、コバルト化合物を添加しただけでは、活物質の充
電受け入れ性は向上するが、電池膨張をあまり抑制する
ことができない。
【0006】そこで、ニッケル電極中にコバルトと亜鉛
とを共に添加するような方法も考えられるが、亜鉛を添
加した場合に、前記活物質の充電受け入れ性を向上させ
ようとすると、コバルトを多量に添加しなければなら
ず、活物質の充填量が減少して、電池容量が大きく低下
するという問題があった。
とを共に添加するような方法も考えられるが、亜鉛を添
加した場合に、前記活物質の充電受け入れ性を向上させ
ようとすると、コバルトを多量に添加しなければなら
ず、活物質の充填量が減少して、電池容量が大きく低下
するという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述した問
題点に鑑みてなされたものであり、亜鉛または亜鉛化合
物を含有させた水酸化ニッケルを主活物質とする正極
と、水素吸蔵合金負極とを用いた電池における正極の充
電受け入れ性の低下を防止し、特に高温における充電受
け入れ性を改良して、前記亜鉛または亜鉛化合物の添加
効果、即ち電極の膨化抑制効果を発揮させ、加えて、負
極の水素吸蔵合金の酸化による性能劣化を抑制しようと
するものである。そして、この種アルカリ蓄電池のサイ
クル特性を飛躍的に向上させようとするものである。
題点に鑑みてなされたものであり、亜鉛または亜鉛化合
物を含有させた水酸化ニッケルを主活物質とする正極
と、水素吸蔵合金負極とを用いた電池における正極の充
電受け入れ性の低下を防止し、特に高温における充電受
け入れ性を改良して、前記亜鉛または亜鉛化合物の添加
効果、即ち電極の膨化抑制効果を発揮させ、加えて、負
極の水素吸蔵合金の酸化による性能劣化を抑制しようと
するものである。そして、この種アルカリ蓄電池のサイ
クル特性を飛躍的に向上させようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のアルカリ蓄電池
は、亜鉛または亜鉛化合物を含有する水酸化ニッケルを
主活物質とする正極と、水素吸蔵合金負極と、水酸化カ
リウムを主体とするアルカリ電解液とを備え、前記アル
カリ電解液中に、水酸化リチウム及び水酸化ナトリウム
を含有させることを特徴とするものである。
は、亜鉛または亜鉛化合物を含有する水酸化ニッケルを
主活物質とする正極と、水素吸蔵合金負極と、水酸化カ
リウムを主体とするアルカリ電解液とを備え、前記アル
カリ電解液中に、水酸化リチウム及び水酸化ナトリウム
を含有させることを特徴とするものである。
【0009】
【0010】そして、前記電解液の水酸化リチウムの濃
度を1.0〜2.0規定、水酸化ナトリウムの濃度を0.3〜0.9
規定、水酸化カリウムの濃度を3規定以上とすると、よ
り効果的である。
度を1.0〜2.0規定、水酸化ナトリウムの濃度を0.3〜0.9
規定、水酸化カリウムの濃度を3規定以上とすると、よ
り効果的である。
【0011】
【作用】水酸化ニッケル電極の充電時には、(1)式の
活物質充電反応と、(2)式の酸素ガス発生反応とが競
争的に起こることになる。
活物質充電反応と、(2)式の酸素ガス発生反応とが競
争的に起こることになる。
【0012】
【化1】
【0013】
【化2】
【0014】ところが、活物質と亜鉛または亜鉛化合物
を含有した電極、たとえば固溶体を形成したニッケル電
極では、(1)式の反応の過電圧が増大することと、平
衝電位が貴方向にシフトしたことで、結果的に(2)式
の反応が促進されるものと考えられる。この結果、充電
受け入れ性が低下する。
を含有した電極、たとえば固溶体を形成したニッケル電
極では、(1)式の反応の過電圧が増大することと、平
衝電位が貴方向にシフトしたことで、結果的に(2)式
の反応が促進されるものと考えられる。この結果、充電
受け入れ性が低下する。
【0015】これに対して本発明者が種々実験した結
果、活物質と亜鉛の固溶体を有するニッケル電極に、水
酸化カリウム水溶液に水酸化リチウム及び水酸化ナトリ
ウムを適度に添加した電解液を用いると、(2)式の反
応を抑制し、(1)式の反応を大幅に促進させる効果を
有することを見出した。
果、活物質と亜鉛の固溶体を有するニッケル電極に、水
酸化カリウム水溶液に水酸化リチウム及び水酸化ナトリ
ウムを適度に添加した電解液を用いると、(2)式の反
応を抑制し、(1)式の反応を大幅に促進させる効果を
有することを見出した。
【0016】即ち、これは酸素過電圧か増大したため
に、充電の受け入れ性を向上させることができるものと
推定される。この作用効果は、ニッケル極の充電に対し
て添加された亜鉛が充電受け入れ性を低下させるという
毒作用を成すが、これがリチウム及びナトリウムの存在
によって解消されるためと推定される。またこの効果
は、水酸化リチウムのみ、あるいは水酸化ナトリウムの
みでは、十分に得られないことがわかった。また、水酸
化ナトリウムの濃度を0.3〜0.9規定、水酸化リチ
ウムの濃度を1.0〜2.0規定としたのは、これらの
濃度以下では十分な効果が得られず、これらの濃度以上
では電池容量の低下を生じるためである。
に、充電の受け入れ性を向上させることができるものと
推定される。この作用効果は、ニッケル極の充電に対し
て添加された亜鉛が充電受け入れ性を低下させるという
毒作用を成すが、これがリチウム及びナトリウムの存在
によって解消されるためと推定される。またこの効果
は、水酸化リチウムのみ、あるいは水酸化ナトリウムの
みでは、十分に得られないことがわかった。また、水酸
化ナトリウムの濃度を0.3〜0.9規定、水酸化リチ
ウムの濃度を1.0〜2.0規定としたのは、これらの
濃度以下では十分な効果が得られず、これらの濃度以上
では電池容量の低下を生じるためである。
【0017】そして、本発明の効果がニッケル−カドミ
ウム電池よりも、負極として水素吸蔵合金電極を用いた
ニッケル−水素アルカリ蓄電池において、最大限に発揮
されるのは、以下の理由によるものと思われる。
ウム電池よりも、負極として水素吸蔵合金電極を用いた
ニッケル−水素アルカリ蓄電池において、最大限に発揮
されるのは、以下の理由によるものと思われる。
【0018】即ち、カドミウム電極を用いたニッケル−
カドミウム電池では、充電時に生じた活物質である金属
カドミウムが正極から発生する酸素と反応して、放電活
物質である水酸化カドミウムになるという、いわゆるノ
イマン方式によって密閉化が達成されている。一方、水
素吸蔵合金電極を用いたニッケル−水素アルカリ蓄電池
では、活物質である水素と、正極から発生する酸素が反
応することによって同様に密閉化が達成されている。
カドミウム電池では、充電時に生じた活物質である金属
カドミウムが正極から発生する酸素と反応して、放電活
物質である水酸化カドミウムになるという、いわゆるノ
イマン方式によって密閉化が達成されている。一方、水
素吸蔵合金電極を用いたニッケル−水素アルカリ蓄電池
では、活物質である水素と、正極から発生する酸素が反
応することによって同様に密閉化が達成されている。
【0019】ところが、ニッケル−水素アルカリ蓄電池
においては、水素吸蔵合金自身が上記酸素によって酸化
され易いという性質を有しており、このような酸化が生
じると電池の性能が著しく劣化する。特に、この現象
は、水素吸蔵合金中に吸蔵された水素量が少ない程起こ
り易い傾向がある。従って、上記(1)式に比べて
(2)式が優先的に起こる場合、水素吸蔵合金の酸化も
進行し易く、その結果、合金の性能劣化が著しくなる。
しかしながら、本発明の場合、正極からの酸素の発生が
遅れるため、水素吸蔵合金の酸化による電池性能の劣化
も抑制される。
においては、水素吸蔵合金自身が上記酸素によって酸化
され易いという性質を有しており、このような酸化が生
じると電池の性能が著しく劣化する。特に、この現象
は、水素吸蔵合金中に吸蔵された水素量が少ない程起こ
り易い傾向がある。従って、上記(1)式に比べて
(2)式が優先的に起こる場合、水素吸蔵合金の酸化も
進行し易く、その結果、合金の性能劣化が著しくなる。
しかしながら、本発明の場合、正極からの酸素の発生が
遅れるため、水素吸蔵合金の酸化による電池性能の劣化
も抑制される。
【0020】また、本発明のアルカリ蓄電池の正極に
は、亜鉛または亜鉛の化合物が添加されているので、正
極の膨張を抑制しうる。
は、亜鉛または亜鉛の化合物が添加されているので、正
極の膨張を抑制しうる。
【0021】更に、上記の如く、活物質の充電受け入れ
性が向上し、水素吸蔵合金の酸化が抑制され、且つ正極
の膨張を抑制しうるので、サイクル特性も向上する。
性が向上し、水素吸蔵合金の酸化が抑制され、且つ正極
の膨張を抑制しうるので、サイクル特性も向上する。
【0022】加えて、正極には亜鉛または亜鉛の化合物
を添加するだけでよいので、活物質の充填量が少なくな
ることもない。したがって、電池容量を低下させること
なく、上記の優れた効果を奏することになる。
を添加するだけでよいので、活物質の充填量が少なくな
ることもない。したがって、電池容量を低下させること
なく、上記の優れた効果を奏することになる。
【0023】
図1は本発明の一例を示す円筒型ニッケル−水素アルカ
リ蓄電池の断面図であり、焼結式ニッケル正極1と、水
素吸蔵合金を含む負極2と、これら正負両極1・2間に
介挿されたセパレータ3とから成る電極群4は渦巻状に
巻回されている。この電極群4は負極端子兼用の外装缶
5内に配置されており、この外装缶5と上記負極2とは
負極用導電タブ10により接続されている。上記外装缶
5の上部開口にはパッキング6を介して封口体7が装着
されており、この封口体7の内部にはコイルスプリング
8が設けられている。このコイルスプリング8は電池内
部の内圧が異常上昇したときに矢印A方向に押圧され
て、電池内部のガスが大気中に放出されるように構成さ
れている。また、上記封口体7と前記正極1とは正極用
導電タブ9にて接続されている。
リ蓄電池の断面図であり、焼結式ニッケル正極1と、水
素吸蔵合金を含む負極2と、これら正負両極1・2間に
介挿されたセパレータ3とから成る電極群4は渦巻状に
巻回されている。この電極群4は負極端子兼用の外装缶
5内に配置されており、この外装缶5と上記負極2とは
負極用導電タブ10により接続されている。上記外装缶
5の上部開口にはパッキング6を介して封口体7が装着
されており、この封口体7の内部にはコイルスプリング
8が設けられている。このコイルスプリング8は電池内
部の内圧が異常上昇したときに矢印A方向に押圧され
て、電池内部のガスが大気中に放出されるように構成さ
れている。また、上記封口体7と前記正極1とは正極用
導電タブ9にて接続されている。
【0024】ここで、上記構造の円筒型ニッケル−水素
アルカリ蓄電池を、以下のようにして作製した。
アルカリ蓄電池を、以下のようにして作製した。
【0025】まず、3モル%の硝酸コバルトと7モル%
の硝酸亜鉛とを加えた硝酸ニッケル水溶液を用い、多孔
度85%のニッケル焼結基板に、化学含浸法によって水
酸化ニッケルを主体とする活物質を充填し、ニッケル正
極を作製した。
の硝酸亜鉛とを加えた硝酸ニッケル水溶液を用い、多孔
度85%のニッケル焼結基板に、化学含浸法によって水
酸化ニッケルを主体とする活物質を充填し、ニッケル正
極を作製した。
【0026】このようにして作製した正極を、以下正極
aと称する。
aと称する。
【0027】一方、これと並行して、市販のMm(ミッ
シュメタル:希土類元素の混合物)、Ni、Co、Mn
及びAlを元素比で1:3.2:1:0.6:0.2の
割合となるように秤量した後、高周波溶解炉内で溶解し
て溶湯を作製し、更にこの溶湯を冷却することにより、
MmNi3.2CoMn0.6Al0.2で示される合金のイ ン
ゴットを作製した。次に、上記インゴットを粒径50μ
m以下に粉砕した。この後、上記水素吸蔵合金粉末に、
結着剤としてのPTFE(ポリテトラフルオロエチレ
ン)粉末を5wt%加えて混練し、ペーストを作製す
る。更に、このペーストをパンチングメタルからなる集
電体の両面に圧着して負極2を作製した。
シュメタル:希土類元素の混合物)、Ni、Co、Mn
及びAlを元素比で1:3.2:1:0.6:0.2の
割合となるように秤量した後、高周波溶解炉内で溶解し
て溶湯を作製し、更にこの溶湯を冷却することにより、
MmNi3.2CoMn0.6Al0.2で示される合金のイ ン
ゴットを作製した。次に、上記インゴットを粒径50μ
m以下に粉砕した。この後、上記水素吸蔵合金粉末に、
結着剤としてのPTFE(ポリテトラフルオロエチレ
ン)粉末を5wt%加えて混練し、ペーストを作製す
る。更に、このペーストをパンチングメタルからなる集
電体の両面に圧着して負極2を作製した。
【0028】次いで、上記正極1と負極2とを不織布か
らなるセパレータ3を介して巻回し、電極群4を作製し
た。しかる後、この電極群4を外装缶5内に挿入し、更
にアルカリ電解液〔水酸化カリウム(KOH)の濃度:
5規定、水酸化リチウム(LiOH)の濃度:1.5規
定、水酸化ナトリウム(NaOH)の濃度:0.6規
定〕を上記外装缶5内に注液した後、外装缶5を密閉す
ることにより円筒型ニッケル−水素蓄電池を作製した。
尚、このようにして作製した電池の理論容量は、100
0mAhである。
らなるセパレータ3を介して巻回し、電極群4を作製し
た。しかる後、この電極群4を外装缶5内に挿入し、更
にアルカリ電解液〔水酸化カリウム(KOH)の濃度:
5規定、水酸化リチウム(LiOH)の濃度:1.5規
定、水酸化ナトリウム(NaOH)の濃度:0.6規
定〕を上記外装缶5内に注液した後、外装缶5を密閉す
ることにより円筒型ニッケル−水素蓄電池を作製した。
尚、このようにして作製した電池の理論容量は、100
0mAhである。
【0029】このようにして作製した電池を、以下電池
Aと称する。 〔比較例1〕 アルカリ電解液として、KOHの濃度が6規定、LiO
Hの濃度が1規定のものを用いる他は、上記実施例と同
様にして電池を作製した。
Aと称する。 〔比較例1〕 アルカリ電解液として、KOHの濃度が6規定、LiO
Hの濃度が1規定のものを用いる他は、上記実施例と同
様にして電池を作製した。
【0030】このようにして作製した電池を、以下電池
X1と称する。 〔比較例2〕 10モル%の硝酸コバルトを加えた硝酸ニッケル水溶液
(即ち、硝酸亜鉛を添加しない水溶液)を用い、多孔度
85%のニッケル焼結基板に、化学含浸法によって水酸
化ニッケルを主体とする活物質を充填し、ニッケル正極
を作製した。したがって、この正極には、亜鉛が含浸さ
れないことになる。
X1と称する。 〔比較例2〕 10モル%の硝酸コバルトを加えた硝酸ニッケル水溶液
(即ち、硝酸亜鉛を添加しない水溶液)を用い、多孔度
85%のニッケル焼結基板に、化学含浸法によって水酸
化ニッケルを主体とする活物質を充填し、ニッケル正極
を作製した。したがって、この正極には、亜鉛が含浸さ
れないことになる。
【0031】このようにして作製した正極を、以下正極
xと称する。
xと称する。
【0032】上記正極xを用いる他は(即ち、電解液は
上記実施例と同様のものを用いている)、上記実施例と
同様にして電池を作製した。
上記実施例と同様のものを用いている)、上記実施例と
同様にして電池を作製した。
【0033】このようにして作製した電池を、以下電池
X2と称する。 〔比較例3〕 上記正極xと、前記比較例1で用いた電解液とを用いる
他は、前記実施例と同様にして電池を作製した。
X2と称する。 〔比較例3〕 上記正極xと、前記比較例1で用いた電解液とを用いる
他は、前記実施例と同様にして電池を作製した。
【0034】このようにして作製した電池を、以下電池
X3と称する。
X3と称する。
【0035】ここで、上記本発明の電池A、比較例の電
池X1〜電池X3、或いは正極a、正極xを用いて、以下
に示すような実験を行った。
池X1〜電池X3、或いは正極a、正極xを用いて、以下
に示すような実験を行った。
【0036】尚、実験1では充電温度特性を、実験2で
は充放電サイクル特性を、実験3では亜鉛の添加による
電極の膨張抑制効果の確認を、実験4では適正な亜鉛の
添加量の確認を実験5では電解液の作用、効果の確認
を、実験6〜8ではそれぞれ電解液中のKOH、LiO
H、NaOHの適正濃度の確認を行った。 〔実験1〕 上記本発明の電池A及び比較例の電池X1〜電池X3の充
電温度特性を調べたので、その結果を図2に示す。尚、
実験条件は、種々の周囲温度の下で、各電池を0.1C
の電流で16時間充電した後、0.2Cの電流で電池電
圧が1.0Vになる迄放電させるという条件であり、こ
のような条件下で種々の周囲温度における電池容量を測
定した。また、電池容量(%)は、周囲温度20℃で充
電した時の放電容量を100として算出した。
は充放電サイクル特性を、実験3では亜鉛の添加による
電極の膨張抑制効果の確認を、実験4では適正な亜鉛の
添加量の確認を実験5では電解液の作用、効果の確認
を、実験6〜8ではそれぞれ電解液中のKOH、LiO
H、NaOHの適正濃度の確認を行った。 〔実験1〕 上記本発明の電池A及び比較例の電池X1〜電池X3の充
電温度特性を調べたので、その結果を図2に示す。尚、
実験条件は、種々の周囲温度の下で、各電池を0.1C
の電流で16時間充電した後、0.2Cの電流で電池電
圧が1.0Vになる迄放電させるという条件であり、こ
のような条件下で種々の周囲温度における電池容量を測
定した。また、電池容量(%)は、周囲温度20℃で充
電した時の放電容量を100として算出した。
【0037】図2から明らかなように、本発明の電池A
は、正極中に亜鉛が添加されていない比較例の電池
X2,電池X3と同様の傾向を示し、充電時の電池周囲温
度の上昇に伴う電池容量の低下が抑制されていることが
認められる。これに対して、比較例の電池X1では、充
電時の電池周囲温度の上昇に伴って、著しく電池容量が
低 下していることが認められる。したがって、本発明
の電池Aは比較例の電池X1 に比べて、高温時における
活物質の充電受け入れ性が向上していることが分かる。 〔実験2〕 上記本発明の電池A及び比較例の電池X1〜電池X3の充
放電サイクル特性を調べたので、その結果を図3に示
す。尚、実験条件は、各電池を室温にて1.2Cの電流
で1時間充電した後、1Cの電流で電池電圧が1.0V
に達する迄放電するという条件である。そして、電池容
量(%)は、各電池の1サイクル目の容量を100とし
て算出したものである。
は、正極中に亜鉛が添加されていない比較例の電池
X2,電池X3と同様の傾向を示し、充電時の電池周囲温
度の上昇に伴う電池容量の低下が抑制されていることが
認められる。これに対して、比較例の電池X1では、充
電時の電池周囲温度の上昇に伴って、著しく電池容量が
低 下していることが認められる。したがって、本発明
の電池Aは比較例の電池X1 に比べて、高温時における
活物質の充電受け入れ性が向上していることが分かる。 〔実験2〕 上記本発明の電池A及び比較例の電池X1〜電池X3の充
放電サイクル特性を調べたので、その結果を図3に示
す。尚、実験条件は、各電池を室温にて1.2Cの電流
で1時間充電した後、1Cの電流で電池電圧が1.0V
に達する迄放電するという条件である。そして、電池容
量(%)は、各電池の1サイクル目の容量を100とし
て算出したものである。
【0038】図3から明らかなように、本発明の電池A
はサイクル寿命が800回以上であるのに対して、比較
例の電池X1〜電池X3ではサイクル寿命が400回程度
であり、電池Aは電池X1〜電池X3に比べてサイクル特
性が飛躍的に改善されていることが認められる。 〔実験1,2のまとめ〕 以上の如く、本発明の電池Aは亜鉛または亜鉛化合物を
含有した水酸化ニッケル電極を用いた電池であるにもか
かわらず、比較例の電池X1〜電池X3に比べてサイクル
特性に優れ、且つ、高温時における充電受け入れ性の面
でも亜鉛を添加しない電池X2及び電池X3と同等の性能
を有していることが確認された。これは、以下に示す理
由によるものと考えられる。
はサイクル寿命が800回以上であるのに対して、比較
例の電池X1〜電池X3ではサイクル寿命が400回程度
であり、電池Aは電池X1〜電池X3に比べてサイクル特
性が飛躍的に改善されていることが認められる。 〔実験1,2のまとめ〕 以上の如く、本発明の電池Aは亜鉛または亜鉛化合物を
含有した水酸化ニッケル電極を用いた電池であるにもか
かわらず、比較例の電池X1〜電池X3に比べてサイクル
特性に優れ、且つ、高温時における充電受け入れ性の面
でも亜鉛を添加しない電池X2及び電池X3と同等の性能
を有していることが確認された。これは、以下に示す理
由によるものと考えられる。
【0039】即ち、本発明の電池Aでは、亜鉛が添加さ
れているため電極の膨張が抑制され、且つアルカリ電解
液にNaOH、LiOHが添加されているので充電反応
が促進(特に、高温において)され、更に、このことに
より酸素の発生が遅れるので、負極の水素吸蔵合金の酸
化防止効果が発揮されるといった理由によるものと考え
られる。一方、比較例の電池X1〜電池X3では、いずれ
もセパレータ中の液量の減少に伴う、いわゆるドライア
ウト現象が生じるという理由によるものと考えられる。
具体的には、比較例の電池X1では、酸素ガス発生反応
が促進される。 この結果、酸素ガスが充電の初期より発
生し、先に述べたように、負極(水素吸蔵合金)が酸化
され易く、ガス消費反応が低下して電池内圧が上昇する
ため、電解液が電池系外に漏れる。一方、比較例の電池
X2、電池X3では、亜鉛が含有されていないので、正極
が膨張し、これに伴ってセパレータから正極への電解液
が移行するといった現象が発生するといった理由によ
る。 〔実験3〕 上記本発明の電池Aに用いた正極aと比較例の電池X2
及び電池X3に用いた正極xとを、十分な量を有するK
OH(比重1.23)中に浸透し、ニッケル板を対極に
して、充放電サイクルを行った。そして、電極の厚みの
変化と、20サイクル目の充電状態の極板のX線回折分
析(粉末法)を行ったので、その結果を夫々図4及び図
5に示す。尚、実験条件は、充電電流1.5Cで1時間
充電した後、放電電流1Cで電極電位0.1V(v.s.H
g/HgO)まで放電するという条件である。
れているため電極の膨張が抑制され、且つアルカリ電解
液にNaOH、LiOHが添加されているので充電反応
が促進(特に、高温において)され、更に、このことに
より酸素の発生が遅れるので、負極の水素吸蔵合金の酸
化防止効果が発揮されるといった理由によるものと考え
られる。一方、比較例の電池X1〜電池X3では、いずれ
もセパレータ中の液量の減少に伴う、いわゆるドライア
ウト現象が生じるという理由によるものと考えられる。
具体的には、比較例の電池X1では、酸素ガス発生反応
が促進される。 この結果、酸素ガスが充電の初期より発
生し、先に述べたように、負極(水素吸蔵合金)が酸化
され易く、ガス消費反応が低下して電池内圧が上昇する
ため、電解液が電池系外に漏れる。一方、比較例の電池
X2、電池X3では、亜鉛が含有されていないので、正極
が膨張し、これに伴ってセパレータから正極への電解液
が移行するといった現象が発生するといった理由によ
る。 〔実験3〕 上記本発明の電池Aに用いた正極aと比較例の電池X2
及び電池X3に用いた正極xとを、十分な量を有するK
OH(比重1.23)中に浸透し、ニッケル板を対極に
して、充放電サイクルを行った。そして、電極の厚みの
変化と、20サイクル目の充電状態の極板のX線回折分
析(粉末法)を行ったので、その結果を夫々図4及び図
5に示す。尚、実験条件は、充電電流1.5Cで1時間
充電した後、放電電流1Cで電極電位0.1V(v.s.H
g/HgO)まで放電するという条件である。
【0040】図4より明らかなように、充放電サイクル
を経た場合に、正極aは正極xに比べて電極厚みの増加
率が著しく低減していることが認められる。これは、図
5に示すように正極aは正極xに比べて、低密度の活物
質であるγ−NiOOHの生成が抑制されるという理由
によるものと考えられる。 〔実験4〕 硝酸亜鉛の添加量を0、3、5、7、10モル%と変化
させて(即ち、正極中のZn量を変化させて)正極を作
製し、上記実験3と同様の方法で充放電を行い、3サイ
クル終了時点での正極の厚みの増加率を調べたので、そ
の結果を図6に示す。尚、実験条件は、上記実験3と同
様の条件であり、且つ硝酸コバルトは3モル%に固定し
ている。
を経た場合に、正極aは正極xに比べて電極厚みの増加
率が著しく低減していることが認められる。これは、図
5に示すように正極aは正極xに比べて、低密度の活物
質であるγ−NiOOHの生成が抑制されるという理由
によるものと考えられる。 〔実験4〕 硝酸亜鉛の添加量を0、3、5、7、10モル%と変化
させて(即ち、正極中のZn量を変化させて)正極を作
製し、上記実験3と同様の方法で充放電を行い、3サイ
クル終了時点での正極の厚みの増加率を調べたので、そ
の結果を図6に示す。尚、実験条件は、上記実験3と同
様の条件であり、且つ硝酸コバルトは3モル%に固定し
ている。
【0041】図6から明らかなように、亜鉛添加量が3
モル%以上であれば、電極厚みの増加率が抑制されてい
ることが認められる。したがって、亜鉛の添加量は3モ
ル%以上であることが好ましい。但し、亜鉛の添加量が
10モル%を超えると、電極容量の低下を招くため、1
0モル%以下であることが好ましい。 〔実験5〕 上記正極aを用いて、充電時の電位変化をもたらすNa
OH、LiOHの添加効果を調べたので、その結果を図
7に示す。尚、充電条件は、充電電流0.2Cで8時間
充電するという条件であり、電解液としては下記の3つ
のものを用いた。また、電解液は十分な量を有してい
る。
モル%以上であれば、電極厚みの増加率が抑制されてい
ることが認められる。したがって、亜鉛の添加量は3モ
ル%以上であることが好ましい。但し、亜鉛の添加量が
10モル%を超えると、電極容量の低下を招くため、1
0モル%以下であることが好ましい。 〔実験5〕 上記正極aを用いて、充電時の電位変化をもたらすNa
OH、LiOHの添加効果を調べたので、その結果を図
7に示す。尚、充電条件は、充電電流0.2Cで8時間
充電するという条件であり、電解液としては下記の3つ
のものを用いた。また、電解液は十分な量を有してい
る。
【0042】 c1 :KOH(7N) c2 :KOH(6N)+LiOH(1.5N) c3 :KOH(5N)+LiOH(1.5N)+NaOH(0.6N) 図7から明らかなように、電解液c1では、初期の充電
電位と満充電後の電位(O2発生)差が小さく、前記
(1)(2)式の反応が並行して起こっていることが伺
える。これに対して、LiOHを添加した電解液c2で
は、電位差が極めて大きくなる、即ち、充電反応が促進
されることになり、さらにNaOHを添加した電解液c
3では、電位差が極めて大きくなる。即ち、充電反応が
飛躍的に促進されることが理解できる。 〔実験6〕 NaOHの濃度を変化させて充電温度特性を調べたの
で、その結果を図8に示す。実験は、電解液として、K
OH濃度とLiOH濃度を固定し(即ち、KOH濃度:
6規定、LIOH濃度:1.5規定に固定)、NaOH
の濃度を種々変化させる他は、本発明の電池Aと同様の
構成の電池を作製し、これらの電池を充放電するという
ものである。尚、実験条件は、各電池を0.1Cの電流
で16時間充電(電池の周囲温度は20℃及び40℃)
した後、0.2Cの電流で電池電圧が1.0Vに達する
迄放電(電池の周囲温度は室温)させ、この時の電池容
量を測定するというものである。
電位と満充電後の電位(O2発生)差が小さく、前記
(1)(2)式の反応が並行して起こっていることが伺
える。これに対して、LiOHを添加した電解液c2で
は、電位差が極めて大きくなる、即ち、充電反応が促進
されることになり、さらにNaOHを添加した電解液c
3では、電位差が極めて大きくなる。即ち、充電反応が
飛躍的に促進されることが理解できる。 〔実験6〕 NaOHの濃度を変化させて充電温度特性を調べたの
で、その結果を図8に示す。実験は、電解液として、K
OH濃度とLiOH濃度を固定し(即ち、KOH濃度:
6規定、LIOH濃度:1.5規定に固定)、NaOH
の濃度を種々変化させる他は、本発明の電池Aと同様の
構成の電池を作製し、これらの電池を充放電するという
ものである。尚、実験条件は、各電池を0.1Cの電流
で16時間充電(電池の周囲温度は20℃及び40℃)
した後、0.2Cの電流で電池電圧が1.0Vに達する
迄放電(電池の周囲温度は室温)させ、この時の電池容
量を測定するというものである。
【0043】図8より明らかなように、NaOHの濃度
としては、0.3規定〜0.9規定であることが好まし
く、特にこの傾向は、充電時の温度が高くなる程顕著で
あることが認められる。 〔実験7〕 LiOHの濃度を変化させて充電温度特性を調べたの
で、その結果を図9に示す。実験は、電解液として、K
OH濃度とNaOH濃度を固定し(即ち、KOH濃度:
6規定、NaOH濃度:0.6規定に固定)、LIOH
の濃度を種々変化させる他は、本発明の電池Aと同様の
構成の電池を作製し、これら電池を充放電するというも
のである。尚、実験条件は、上記実験6と同様の条件で
ある。
としては、0.3規定〜0.9規定であることが好まし
く、特にこの傾向は、充電時の温度が高くなる程顕著で
あることが認められる。 〔実験7〕 LiOHの濃度を変化させて充電温度特性を調べたの
で、その結果を図9に示す。実験は、電解液として、K
OH濃度とNaOH濃度を固定し(即ち、KOH濃度:
6規定、NaOH濃度:0.6規定に固定)、LIOH
の濃度を種々変化させる他は、本発明の電池Aと同様の
構成の電池を作製し、これら電池を充放電するというも
のである。尚、実験条件は、上記実験6と同様の条件で
ある。
【0044】図9より明らかなように、LiOHの濃度
としては、1.0〜2.0規定であることが好ましく、
特にこの傾向は、充電時の電池の周囲温度が高くなる程
顕著である。 〔実験8〕 KOHの濃度を変化させて充電温度特性を調べたので、
その結果を図10に示す。実験は、電解液として、Li
OH濃度とNaOH濃度とを固定し(即ち、LiOH濃
度:1.5規定、NaOH濃度:0.6規定に固定)、
KOHの濃度を種々変化させる他は、本発明の電池Aと
同様の構成の電池を作製し、これら電池を充放電すると
いうものである。尚、実験条件は、上記実験6と同様の
条件である。
としては、1.0〜2.0規定であることが好ましく、
特にこの傾向は、充電時の電池の周囲温度が高くなる程
顕著である。 〔実験8〕 KOHの濃度を変化させて充電温度特性を調べたので、
その結果を図10に示す。実験は、電解液として、Li
OH濃度とNaOH濃度とを固定し(即ち、LiOH濃
度:1.5規定、NaOH濃度:0.6規定に固定)、
KOHの濃度を種々変化させる他は、本発明の電池Aと
同様の構成の電池を作製し、これら電池を充放電すると
いうものである。尚、実験条件は、上記実験6と同様の
条件である。
【0045】図10より明らかなように、KOHの濃度
としては、3規定以上に設定することが好ましい。 〔実験6〜8のまとめ〕 上記実験6〜実験8の結果より、亜鉛または亜鉛化合物
が含有され水酸化ニッケルを主活物質とする正極を用い
たアルカリ蓄電池においては、以下に示すアルカリ電解
液を用いることが特に好ましい。
としては、3規定以上に設定することが好ましい。 〔実験6〜8のまとめ〕 上記実験6〜実験8の結果より、亜鉛または亜鉛化合物
が含有され水酸化ニッケルを主活物質とする正極を用い
たアルカリ蓄電池においては、以下に示すアルカリ電解
液を用いることが特に好ましい。
【0046】 KOHの濃度 : 3規定以上 LiOHの濃度 : 1〜2規定 NaOHの濃度 : 0.3〜0.9規定 (第2実施例) 〔実施例〕 負極の水素吸蔵合金として、組成式Ti0.5Zr0.5Ni
1.5V0.5で表されるものを用いる他は、上記第1実施例
の実施例と同様にして電池を作製した。
1.5V0.5で表されるものを用いる他は、上記第1実施例
の実施例と同様にして電池を作製した。
【0047】このようにして作製した電池を、以下電池
Bと称する。 〔比較例〕 アルカリ電解液として、KOH濃度が6規定、LiOH
濃度が1.5規定のものを用いる他は、上記実施例と同
様にして電池を作製した。
Bと称する。 〔比較例〕 アルカリ電解液として、KOH濃度が6規定、LiOH
濃度が1.5規定のものを用いる他は、上記実施例と同
様にして電池を作製した。
【0048】このようにして作製した電池を、以下電池
Yと称する。 〔実験〕 上記本発明の電池B及び比較例の電池Yの充放電サイク
ル特性を調べたので、その結果を図11に示す。尚、実
験条件は、前記第1実施例の実験2と同様の条件であ
る。
Yと称する。 〔実験〕 上記本発明の電池B及び比較例の電池Yの充放電サイク
ル特性を調べたので、その結果を図11に示す。尚、実
験条件は、前記第1実施例の実験2と同様の条件であ
る。
【0049】図11から明らかなように、本発明の電池
Bは比較例の電池Yと比べて、サイクル寿命が格段に長
くなっていることが認められる。
Bは比較例の電池Yと比べて、サイクル寿命が格段に長
くなっていることが認められる。
【0050】上記実施例においては、水素吸蔵合金とし
てMmNi3.2CoAl0.2Mn0.6等を用いたが、これ
以外のLaNi2Co3等の希土類系水素吸蔵合金、Ti
−Ni系水素吸蔵合金、Ti−Mn系水素吸蔵合金、T
i−Fe系水素吸蔵合金、Zr−Mn系水素吸蔵合金等
を用いることができるのは言うまでもない。
てMmNi3.2CoAl0.2Mn0.6等を用いたが、これ
以外のLaNi2Co3等の希土類系水素吸蔵合金、Ti
−Ni系水素吸蔵合金、Ti−Mn系水素吸蔵合金、T
i−Fe系水素吸蔵合金、Zr−Mn系水素吸蔵合金等
を用いることができるのは言うまでもない。
【0051】
【発明の効果】以上、詳述した如く、本発明によれば、
亜鉛または亜鉛化合物を含有した水酸化ニッケルを主活
物質とする正極を用いた場合であっても、高温時におけ
る充電受け入れ性を改良し、放電容量の大きなアルカリ
蓄電池が得られ、この種電池のサイクル特性を飛躍的に
向上させることができる。
亜鉛または亜鉛化合物を含有した水酸化ニッケルを主活
物質とする正極を用いた場合であっても、高温時におけ
る充電受け入れ性を改良し、放電容量の大きなアルカリ
蓄電池が得られ、この種電池のサイクル特性を飛躍的に
向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例に係るニッケル−水素アルカリ蓄
電池の断面図。
電池の断面図。
【図2】本発明の電池A及び比較例の電池X1〜電池X3
の充電時における周囲の温度と電池容量との関係を示す
グラフ。
の充電時における周囲の温度と電池容量との関係を示す
グラフ。
【図3】本発明の電池Aと比較例の電池X1〜電池X3と
のサイクル特性を示すグラフ。
のサイクル特性を示すグラフ。
【図4】電極aと電極xとにおける充放電サイクル数と
電極厚みの増加率との関係を示すグラフ。
電極厚みの増加率との関係を示すグラフ。
【図5】電極aと電極xとのX線回折図。
【図6】亜鉛の添加物と電極厚みの増加率との関係を示
すグラフ。
すグラフ。
【図7】電解液c1〜電解液c3における充電時間と充電
時の電位との関係を示すグラフ。
時の電位との関係を示すグラフ。
【図8】電解液のNaOH濃度を変化させた場合の電池
容量の変化を示すグラフ。
容量の変化を示すグラフ。
【図9】電解液のLiOH濃度を変化させた場合の電池
容量の変化を示すグラフ。
容量の変化を示すグラフ。
【図10】電解液のKOH濃度を変化させた場合の電池
容量の変化を示すグラフ。
容量の変化を示すグラフ。
【図11】本発明の電池Bと比較例の電池Yとにおける
サイクル特性を示すグラフ。
サイクル特性を示すグラフ。
1 正極 2 負極 3 セパレータ 5 外装缶 A、B 本発明電池 X1、X2、X3、Y 比較例の電池
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−228567(JP,A) 特開 昭59−83347(JP,A) 特開 昭55−24331(JP,A) 特開 昭55−6740(JP,A)
Claims (3)
- 【請求項1】 亜鉛または亜鉛化合物を含有する水酸化
ニッケルを主活物質とする正極と、水素吸蔵合金負極
と、水酸化カリウムを主体とするアルカリ電解液とから
なる蓄電池であって、前記アルカリ電解液中に、水酸化
リチウム及び水酸化ナトリウムが含有されていることを
特徴とするアルカリ蓄電池。 - 【請求項2】 前記水酸化リチウムの濃度が1.0〜
2.0規定であることを特徴とする請求項1記載のアル
カリ蓄電池。 - 【請求項3】 前記水酸化ナトリウムの濃度が0.3〜
0.9規定であることを特徴とする請求項1または請求
項2記載のアルカリ蓄電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3054849A JP2604282B2 (ja) | 1990-03-23 | 1991-03-19 | アルカリ蓄電池 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7443090 | 1990-03-23 | ||
JP2-74430 | 1990-03-23 | ||
JP3054849A JP2604282B2 (ja) | 1990-03-23 | 1991-03-19 | アルカリ蓄電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04212269A JPH04212269A (ja) | 1992-08-03 |
JP2604282B2 true JP2604282B2 (ja) | 1997-04-30 |
Family
ID=26395665
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3054849A Expired - Lifetime JP2604282B2 (ja) | 1990-03-23 | 1991-03-19 | アルカリ蓄電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2604282B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
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JPH05345810A (ja) * | 1992-06-15 | 1993-12-27 | Toagosei Chem Ind Co Ltd | フッ素含有水性樹脂分散体 |
JP2568971B2 (ja) * | 1993-03-30 | 1997-01-08 | 古河電池株式会社 | ニッケル−水素二次電池 |
US5965295A (en) * | 1996-06-14 | 1999-10-12 | Toshiba Battery Co., Ltd. | Alkaline secondary battery, paste type positive electrode for alkaline secondary battery, method for manufacturing alkaline secondary battery |
JP5334498B2 (ja) * | 2008-02-25 | 2013-11-06 | 三洋電機株式会社 | アルカリ蓄電池 |
JP5217826B2 (ja) * | 2008-09-17 | 2013-06-19 | 株式会社Gsユアサ | ニッケル水素蓄電池 |
JP5892434B2 (ja) * | 2014-03-20 | 2016-03-23 | 大日本印刷株式会社 | 二次電池 |
Family Cites Families (7)
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JPS556740A (en) * | 1978-06-30 | 1980-01-18 | Furukawa Battery Co Ltd:The | Alkali storage battery |
JPS5910538B2 (ja) * | 1978-08-07 | 1984-03-09 | 株式会社ユアサコーポレーション | ニツケル−カドミウムアルカリ蓄電池 |
JPS5983347A (ja) * | 1982-11-02 | 1984-05-14 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 密閉形ニツケル−カドミウム蓄電池 |
NL8601674A (nl) * | 1986-06-26 | 1988-01-18 | Philips Nv | Elektrochemische cel. |
JP2524741B2 (ja) * | 1987-03-17 | 1996-08-14 | 日本電池株式会社 | アルカリ電池 |
JP2679274B2 (ja) * | 1989-07-14 | 1997-11-19 | 株式会社ユアサコーポレーション | ニッケル―水素電池 |
JPH04137368A (ja) * | 1990-09-26 | 1992-05-12 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | ニッケル/水素蓄電池とその製造法 |
-
1991
- 1991-03-19 JP JP3054849A patent/JP2604282B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04212269A (ja) | 1992-08-03 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
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