JP2000340221A - ニッケル電極およびそれを正極に用いたニッケル水素蓄電池 - Google Patents

ニッケル電極およびそれを正極に用いたニッケル水素蓄電池

Info

Publication number
JP2000340221A
JP2000340221A JP11150865A JP15086599A JP2000340221A JP 2000340221 A JP2000340221 A JP 2000340221A JP 11150865 A JP11150865 A JP 11150865A JP 15086599 A JP15086599 A JP 15086599A JP 2000340221 A JP2000340221 A JP 2000340221A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cobalt
nickel
hydroxide
electrode
positive electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11150865A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Fukunaga
浩 福永
Masuhiro Onishi
益弘 大西
Masato Isogai
正人 磯貝
Tatsu Nagai
龍 長井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Maxell Ltd filed Critical Hitachi Maxell Ltd
Priority to JP11150865A priority Critical patent/JP2000340221A/ja
Publication of JP2000340221A publication Critical patent/JP2000340221A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温貯蔵時のニッケル水素蓄電池の電圧降下
を抑制し得るニッケル電極およびそれを用いて高温貯蔵
特性が優れたニッケル水素蓄電池を提供する。 【解決手段】 一酸化コバルト、α−水酸化コバルト、
β−水酸化コバルトおよびオキシ水酸化コバルトよりな
る群から選ばれる少なくとも1種のコバルト化合物を主
体とする化合物で被覆されてなる水酸化ニッケルと、一
酸化コバルト、α−水酸化コバルト、β−水酸化コバル
トおよび金属コバルトよりなる群から選ばれる少なくと
も1種の導電助剤を含むペーストを多孔体基板に担持さ
せ、乾燥した後、アルカリ水溶液に浸漬処理する工程を
経てニッケル電極を作製し、該ニッケル電極を正極に用
いてニッケル水素蓄電池を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ニッケル電極およ
びそれを正極に用いたニッケル水素蓄電池に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ニッケル水素蓄電池は、ニッケル電極を
正極に用い、水素吸蔵合金電極を負極に用いる蓄電池で
あるが、近年、蓄電池を主電源とするポータブル電子機
器の小型化に伴い、携帯使用される機会が増加し、従来
よりも広範囲な環境で使用されるようになってきた。そ
のため、蓄電池については環境の変化(特に温度変化)
に影響されることなく安定した性能を発揮することが要
求されている。例えば、ラップトップ型パソコンや携帯
電話などに使用される場合、高温および低温でも常温時
と同等の特性が必要とされており、電池に対する要求が
ますます増大する状況にある。そのため、そのような電
子機器に利用される蓄電池においても、さらなる温度特
性向上のための検討が続けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ニッケル水
素蓄電池の正極としては、焼結式ニッケル電極と非焼結
式ニッケル電極とが用いられており、いずれも水酸化ニ
ッケルを主活物質とするものであるが、後者の非焼結式
ニッケル電極においては、主活物質である水酸化ニッケ
ルを導電助剤、増粘剤などとともに水または溶剤に分散
してペースト状にし、その正極活物質含有ペーストを集
電体となる多孔体基板に担持させることによって作製さ
れているため、活物質と基板との間の距離が長くなっ
て、活物質の利用率が低下するという問題があった。そ
のため、非焼結式ニッケル電極では、活物質の利用率を
高めて高容量化を達成すべく、ニッケル電極中に金属コ
バルトまたは一酸化コバルトや水酸化コバルトなどのコ
バルト化合物が添加されている。これらのコバルト添加
剤は、充電時にCo、CoO、Co(OH)2 →CoO
OHの変化を生じ、水酸化ニッケルの粒子間を電気的に
接続するコバルトのネットワークを形成することが知ら
れている。
【0004】また、ニッケル水素蓄電池では、負極に正
極を上回る容量を持たせることにより、充電末期および
放電末期における負極からのガス発生を抑制して、正極
から発生する酸素ガスを負極で吸収し、密閉化を実現し
ている。
【0005】すなわち、ニッケル水素蓄電池では、充電
時に正極が満充電または完全に放電した後でも、負極に
未充電部分または未放電部分が存在すると、正極から酸
素ガスを優先的に発生させることができるので、その充
電末期および放電末期に負極から水素ガスが発生するの
を防止できる構成を採用する必要がある。この負極の過
剰容量(放電リザーブ)は、充放電反応には直接的に関
与しないものの、正極容量を放電末期まで放電させるた
めに必要であり、主に上記した正極中のコバルトネット
ワーク形成反応の対反応として負極に形成される。
【0006】しかしながら、本発明者らの検討によれ
ば、上記非焼結式ニッケル電極を正極に用いたニッケル
水素蓄電池は、高温環境下で貯蔵した場合、電池電圧が
著しく低下することが判明した。この貯蔵中の電圧低下
はその後の電池容量に大きく影響を及ぼすことから、上
記のような高温貯蔵特性を改善することはニッケル水素
蓄電池にとって極めて重要である。
【0007】本発明は、上記のような従来技術における
問題点を解決し、高温貯蔵時のニッケル水素蓄電池の電
圧低下を抑制しうるニッケル電極およびそれを正極に用
いて高温貯蔵特性が優れたニッケル水素蓄電池を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、一酸化コバルト、
α−水酸化コバルト、β−水酸化コバルトおよびオキシ
水酸化コバルトよりなる群から選ばれる少なくとも1種
のコバルト化合物を主体とする化合物で被覆されてなる
水酸化ニッケルと、一酸化コバルト、α−水酸化コバル
ト、β−水酸化コバルトおよび金属コバルトよりなる群
から選ばれる少なくとも1種の導電助剤を含むペースト
を多孔体基板に担持させ、乾燥した後、アルカリ水溶液
に浸漬処理することを経て得られるニッケル電極をニッ
ケル水素蓄電池の正極として用いたときは、高温貯蔵時
においても負極から水素ガスが発生するのを抑制し、高
温貯蔵中の電池電圧の低下を抑制することができ、高温
貯蔵特性を改善できることを見出し、本発明を完成にい
たった。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明者らが上記構成からなる本
発明を完成するにいたった経過を説明すると、次の通り
である。
【0010】まず、本発明者らは、高温貯蔵での電圧低
下の原因について解析を行ったところ、高温貯蔵での電
圧低下は、貯蔵中の雰囲気温度の上昇に伴う水素吸蔵合
金の平衡解離圧の上昇により、負極に放電リザーブとし
て吸蔵されていた本来放出されないはずの水素が水素ガ
スとして電池中に放出されてしまい、これが正極を還元
することによって生ずることが判明した。
【0011】本発明者らは、上記のような知見に基づ
き、貯蔵中の電圧低下を抑制するためには、放電リザー
ブ中の水素量を低減することおよびコバルトネットワー
クを強固にすることが効果的であると考え、それにそっ
て、負極の放電リザーブ量を低減しうる正極のコバルト
ネットワークの形成形態について検討を試みた。すなわ
ち、正極中にコバルトの導電性ネットワークを形成する
ために添加されているコバルト化合物、特に金属コバル
トが導電性ネットワークを形成するためのCoOOHと
なるために、Co→Co(OH)2 →CoOOHの3電
子反応が必要となるため、負極に形成される放電リザー
ブ量が増加する傾向にある。そのため、本発明者らは少
量のコバルトにより効果的に導電性ネットワークを形成
するため、活物質である水酸化ニッケルの表面に一酸化
コバルト、α−水酸化コバルト、β−水酸化コバルトお
よびオキシ水酸化コバルトよりなる群から選ばれる少な
くとも1種で被覆することにより解決できるものと考
え、これを検討した。その結果、正極中に導電助剤とし
てのみコバルト化合物または金属コバルトを使用した場
合と比べて、正極中の全体的なコバルト量が低減され、
それによってコバルトネットワークの形成反応の対反応
として形成される負極中の放電リザーブ量が低減するこ
とができた。しかしながら、このようなコバルト化合物
で被覆した水酸化ニッケルを用いただけでは、高温貯蔵
時の電圧低下の抑制が充分でないことが判明した。
【0012】この原因について本発明者らがさらに検討
したところ、負極中の放電リザーブ量は、前記コバルト
の酸化反応による対反応以上の水素量が形成されている
と予想された。すなわち、本発明者らが負極中の放電リ
ザーブ量を形成する因子について検討したところ、上記
コバルトネットワークの形成反応以外に、正極中の増粘
性あるいは結着剤として使用されている有機物の分解反
応分が付加されて放電リザーブを形成していることが考
えられた。
【0013】これらの有機物は、活物質である水酸化ニ
ッケルを多孔体基板に担持させて非焼結式ニッケル電極
とする場合、その活物質充填時に不可欠なものであるこ
とから、これらの有機物の添加量を低減する量にも限度
がある。そのため、本発明者らは一酸化コバルト、α−
水酸化コバルト、β−水酸化コバルトおよびオキシ水酸
化コバルトよりなる群から選ばれる少なくとも1種の2
価以上のコバルト化合物で被覆されてなる水酸化ニッケ
ルと、一酸化コバルト、α−水酸化コバルト、β−水酸
化コバルトおよび金属コバルトよりなる群から選ばれる
少なくとも1種の導電助剤を増粘剤などとともに水また
は溶剤に分散してなるペーストを多孔体基板に担持さ
せ、乾燥した後、アルカリ水溶液に浸漬処理して、アル
カリによって上記有機物中で分解しやすい成分を正極中
から除去し、有機物の分解反応分による放電リザーブ量
の増加を抑制して高温貯蔵時の負極からの水素の発生を
低減し、電池電圧の低下を抑制できることを見出したの
である。
【0014】本発明における水酸化ニッケルは、上記の
ように一酸化コバルト、α−水酸化コバルト、β−水酸
化コバルトおよびオキシ水酸化コバルトよりなる群から
選ばれる少なくとも1種の2価以上のコバルト化合物を
主体とする化合物で被覆してなり、それらの中でもより
強固な導電性のコバルトネットワークを形成しやすいα
−水酸化コバルトやβ−水酸化コバルトが好ましい。な
お、コバルト化合物の被覆には、亜鉛、カルシウム、イ
ットリウム、イッテルビウムなどの元素が複合した複合
被覆にすることもでき、上記コバルト化合物を主体とす
る化合物による被覆とは、コバルト化合物のみによる被
覆だけでなく、上記のような他の元素との複合被膜の場
合も含むことを示している。
【0015】上記コバルト化合物の被覆量としては、水
酸化ニッケル100重量部に対して1重量%以上、特に
2重量%以上が好ましく、10重量%以下、特に5重量
%以下が好ましい。また、本発明の水酸化ニッケル粉末
は、従来から公知のものを使用できるが、それらの中で
も、水酸化ニッケルの結晶中にコバルトを0.5〜5.
0重量%固溶させたものは高温での充電効率を向上でき
るので好ましく、また亜鉛を0.5〜5.0重量%固溶
させたものはサイクル寿命を向上できるので好ましい。
【0016】本発明の正極には、上記水酸化ニッケルと
ともに、コバルトネットワーク形成のための導電助剤と
して一酸化コバルト、α−水酸化コバルト、β−水酸化
コバルトおよび金属コバルトよりなる群から選ばれる少
なくとも1種以上が含まれ、さらに増粘剤や必要に応じ
て結着剤なども含まれる。
【0017】上記導電助剤の中でも、金属コバルトを用
いた場合には負極の放電リザーブ量が増加する傾向にあ
るため、本発明の適用が特に有効である。また、上記導
電助剤の添加量としては、上記水酸化ニッケルの表面に
被覆されたコバルト添加剤の量にもよるが、負極/正極
の容量比を1.1〜1.6にする場合、正極の導電性を
向上させるためにも、水酸化ニッケル100重量部に対
して、0.5重量部以上にすることが好ましく、1重量
部以上にすることがより好ましく、一方、高容量化のた
めには、10重量部以下にすることが好ましく、5重量
部以下にすることがより好ましい。
【0018】本発明において、正極の作製にあたって
は、上記水酸化ニッケルや導電助剤とともに、カルボキ
シメチルセルロースなどの増粘剤や必要に応じてポリテ
トラフルオロエチレンなどの結着剤を有機溶剤中で混合
して、正極活物質含有ペーストを調製する。この正極活
物質含有ペーストとは、正極活物質としての水酸化ニッ
ケルを必須成分として含むペーストという意味であっ
て、正極活物質のみを含むという意味ではなく、正極活
物質以外に導電助剤や増粘剤などを含んでいてもよく、
さらに、必要に応じて結着剤などを含んでいてもよい。
【0019】そして、この正極は、上記正極活物質含有
ペーストをニッケル発泡体などからなる多孔体基板に担
持させ、乾燥した後、圧縮してシート状電極体にし、つ
いでアルカリ水溶液に浸漬処理する工程を経て作製され
る。
【0020】上記アルカリ水溶液としては、濃度が10
〜50重量%の水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなど
のアルカリ金属水酸化物の水溶液を用いることが好まし
い。浸漬処理時の条件としては、正極中の分解反応を生
ずる有機物を除去するとともに、導電助剤であるコバル
トの溶解析出を充分に行うため、温度は35〜90℃、
特に60〜85℃が好ましく、浸漬時間は0.2〜3時
間、特に0.25〜2.5時間が好ましく、上記のよう
な条件下で浸漬処理を行うことにより、特に高温貯蔵特
性に好結果が得られる。
【0021】上記のようにして得られたシート状電極体
を乾燥後、水洗、乾燥し、所定幅に裁断することによ
り、ニッケル水素蓄電池用の正極として用いるニッケル
電極が得られる。
【0022】本発明のニッケル水素蓄電池において、負
極としては、通常、水素吸蔵合金を結着剤などとともに
水または溶剤に分散させ、それを多孔体基体に充填し、
乾燥することによって作製された水素吸蔵合金電極が用
いられる。ただし、負極として用いる水素吸蔵合金電極
の作製方法は、上記の方法に限られることなく、他の方
法であってもよい。上記水素吸蔵合金としては、Zr、
Ni、Mnなどを主体としたAB2 型合金、Mm(L
a、Ce、Nd、Pr)−Ni系などのAB5 型合金が
あり、それらの中でも、Mm−Ni系の合金でNiの一
部をMn、Co、Al、Mg、Cu、Crよりなる群か
ら選ばれる少なくとも1種で置換した水素吸蔵合金が好
ましい。すなわち、これらは低い水素平衡圧で高容量化
を期待できるものの、従来は高温貯蔵特性を低下させる
おそれがあったため、充分にその特性を発揮することが
できなかったが、本発明によれば、そのような高温貯蔵
特性を低下させるおそれがなく、その特性を有効に発揮
させることができるので、本発明を上記のような高容量
化が期待できる水素吸蔵合金を用いる場合に適用する
と、特に有用である。
【0023】また、複数の遷移金属で置換した水素吸蔵
合金の中でも、Mm中の希土類元素のLaなどの含有量
を多くした非化学量論組成の水素吸蔵合金(例えば、M
m1に対して他のNi、Co、Mn、Alなどの合計量
が5.02〜5.45である水素吸蔵合金)が好まし
い。すなわち、上記の非化学量論組成の水素吸蔵合金
は、高容量が期待できるものの、水素ガスの発生量が多
く、従来は高温貯蔵特性を低下させるおそれがあり、充
分にその特性を発揮することができなかったが、本発明
によれば、そのような高温貯蔵特性を低下させるおそれ
がなく、その特性を有効に発揮させることができるの
で、本発明の適用が特に有用である。
【0024】そして、本発明のニッケル水素蓄電池は、
上記のように作製された正極と負極をそれらを隔離する
ポリオレフィン不織布やナイロン不織布などからなるセ
パレータを介在させて巻回した巻回構造または積層した
積層構造の電極体として電池缶内に装填するとともに、
電解液として水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどの
アルカリ金属水酸化物の水溶液にLiOHなどを溶解さ
せたアルカリ水溶液を注入する工程を経ることによって
作製される。
【0025】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明するが、本発明はそれらの実施例のみに限定され
るものではない。なお、以下において「部」とあるの
は、「重量部」を意味する。
【0026】実施例1 4.7重量%のβ−水酸化コバルトで被覆された水酸化
ニッケル粉末(コバルト固溶量1.2重量%)100部
に、導電助剤として一酸化コバルト粉末5.2部と金属
コバルト1.2部を加えて混合し、さらに2重量%のカ
ルボキシメチルセルロース水溶液10部と60重量%の
ポリテトラフルオロエチレン分散液2部を加えて混合す
ることにより、ペーストを調製した。この正極活物質含
有ペーストをニッケル発泡体からなる多孔体基板に充填
担持させ、乾燥調厚後、所定寸法に裁断して、シート状
の電極体を作製した。
【0027】このシート状電極体を、85℃に加熱した
30重量%水酸化カリウム水溶液に30分間浸漬し、そ
の浸漬後、80℃で45分間空気乾燥し、70℃の温水
で30分間水洗した後、再び88℃で45分間空気乾燥
してから、所定寸法に裁断して正極を作製した。
【0028】上記とは別に、組成がMmNi4.05Co
0.45Mn0.5 Al0.35(Mmの組成がLa:0.32原
子%、Ce:0.48原子%、Nd:0.15原子%、
Pr:0.04原子%で、Mm1に対してNi、Co、
MnおよびAlの合計が5.35)で表される水素吸蔵
合金100部に、ニッケル粉末2部を加え、さらにカル
ボキシメチルセルロース水溶液およびポリテトラフルオ
ロエチレン分散液を加えて混合することにより、ペース
トを調製した。このペーストを穿孔した鉄ニッケルめっ
き鋼板の両面に所定量充填し、乾燥調圧後、所定の寸法
に裁断することにより、負極を作製した。
【0029】上記のようにして作製した水素吸蔵合金電
極を負極に用い、前記の非焼結式ニッケル電極を正極と
して用い、これらをスルフォン化処理を行ったポリプロ
ピレン系セパレータを介して対向するように巻回して作
製した巻回構造の電極体を電池缶に挿入し、電解液とし
て30重量%水酸化カリウム水溶液を所定量注入した
後、封口することによって、図1に示す構造のニッケル
水素蓄電池を作製した。
【0030】ここで図1に示すニッケル水素蓄電池につ
いて説明すると、正極1は上記の水酸化ニッケルを活物
質とする非焼結式ニッケル電極からなり、負極2は上記
の水素吸蔵合金を活物質とし、これを多孔体基板に担持
させた電極からなるが、この図1では正極1や負極2は
その詳細について示しておらず、多孔体基板などを省略
して単一構成のものとして示している。そして、上記正
極1と負極2はセパレータ3を介して重ね合わせられ、
渦巻状に巻回して巻回構造の電極体4として電池缶5内
に挿入され、その上部には絶縁体14が配置している。
また、電池缶5の底部には上記電極体4の挿入に先立っ
て絶縁体13が配設されている。
【0031】環状ガスケット6はナイロン66で作製さ
れ、電池蓋7は端子板8と封口板9とそれらで形成され
る内部空間に配置された金属バネ10と弁体11で構成
され、電池缶5の開口部はこの電池蓋7などで封口され
ている。つまり、電池缶5内に巻回構造の電極体4や絶
縁体13、14などを挿入した後、電池缶5の開口端近
傍部分に底部が内周側に突出した環状の溝5aを形成
し、その溝5aの内周側突出部で環状ガスケット6の下
部を支えさせて環状ガスケット6と電池蓋7とを電池缶
5の開口部に配置し、電池缶5の溝5aから先の部分を
内方に締め付けて電池缶5の開口部を封口している。上
記端子板8にはガス排出孔8aが設けられ、封口板9に
はガス検知孔9aが設けられ、端子板8と封口板9との
間には金属バネ10と弁体11とが配置されている。そ
して、封口板9の外周部を折り曲げて端子板8の外周部
を挟み込んで端子板8と封口板9とを固定している。
【0032】この電池は、通常の状況下では金属バネ1
0の押圧力により弁体11がガス検知孔9aを閉鎖して
いるので、電池内部は密閉状態に保たれているが、電池
内部にガスが発生して電池内部の圧力が異常に上昇した
場合には、金属バネ10が収縮して弁体11とガス検知
孔9aとの間に隙間が生じ、電池内部のガスはガス検知
孔9aおよびガス排出孔8aを通過して電池外部に放出
され、それによって電池内圧が低下して電池内圧が正常
に戻った場合には、金属バネ10が元の状態に復元し、
その押圧力により弁体11が再びガス検知孔9aを閉鎖
して電池内部を密閉構造に保つようになる。
【0033】正極リード体12はニッケルリボンからな
り、その一方の端部は正極2の最外周部における多孔体
基板の露出部分にスポット溶接され、その他方の端部は
封口板9の下端にスポット溶接され、端子板8は上記封
口板9との接触により正極端子として機能できるように
なっている。そして、前記したように、負極2の最外周
部の外面側には多孔体基板が露出していて、その多孔体
基板が電池缶5の内壁に接触し、それによって、電池缶
5は負極端子として作用する。
【0034】実施例2 実施例1のニッケル水素蓄電池の作製において、水酸化
ニッケル粉末として、7.9重量%のα−水酸化コバル
トで被覆された水酸化ニッケル粉末(コバルト固溶量
0.7重量%)を用い、かつ導電助剤として一酸化コバ
ルト粉末2.9部を用い、アルカリ水溶液への浸漬時間
を60分とした以外は実施例1と同様にしてニッケル電
極を作製し、該ニッケル電極を正極として用いた以外は
実施例1と同様にニッケル水素蓄電池を作製した。
【0035】比較例1 実施例1のニッケル水素蓄電池の作製において、水酸化
ニッケル粉末として、コバルト化合物で被覆されていな
い水酸化ニッケル粉末(コバルト固溶なし)を用い、か
つアルカリ水溶液への浸漬処理を行わなかった以外は実
施例1と同様にニッケル電極を作製し、該ニッケル電極
を正極として用いた以外は実施例1と同様にニッケル水
素蓄電池を作製した。
【0036】比較例2 実施例2のニッケル水素蓄電池の作製において、導電助
剤として金属コバルト5部を用い、かつアルカリ水溶液
への浸漬処理を行わなかった以外は、実施例2と同様に
ニッケル電極を作製し、該ニッケル電極を正極として用
いた以外は実施例2と同様にニッケル水素蓄電池を作製
した。
【0037】上記のようにして作製したニッケル水素蓄
電池を60℃で6時間保持し、25℃に冷却した後、2
5℃で0.2CAで7時間の充電と0.2CAの放電
(終止電圧1.0V)を5サイクル繰り返し、放電容量
を測定した。また、上記放電後の電池を解体し、取り出
した負極の放電リザーブ量を測定した。さらに、これら
の電池を80℃で14日間貯蔵し、貯蔵中の電圧低下挙
動および貯蔵後の容量回復を測定した。
【0038】放電リザーブ量は、放電終了状態にある電
池を解体し、取り出した負極を沸騰状態の水中に浸漬
し、発生する水素ガスを水上置換法で補集することによ
り測定し、その測定結果を電気量に換算することによっ
て求めた。このようにして求めた放電リザーブ量を表1
に示す。
【0039】
【表1】
【0040】表1に示す結果から明らかなように、実施
例1〜2の電池は、それぞれ対応する比較例1〜2の電
池に比べて、放電リザーブ量が大幅に減少していた。こ
のような実施例1〜2の電池における放電リザーブ量の
減少は、正極として用いたニッケル電極をその作製過程
においてアルカリ水溶液に浸漬処理したことによるもの
である。
【0041】高温貯蔵特性は、放電終了状態にある電池
を80℃で14日間貯蔵した時の電圧変化を測定するこ
とによって評価した。この高温貯蔵特性を図2に示す。
【0042】図2に示すように、比較例1の電池は10
日間の貯蔵で電圧が0Vにまで低下し、また、比較例2
の電池は7日間の貯蔵で電圧が0Vにまで低下したが、
実施例1〜2の電池は、14日間貯蔵後も0.8V以上
の電圧を保っていて、高温貯蔵特性が優れていた。
【0043】また、貯蔵後の容量回復は、高温貯蔵試験
後の電池を25℃に冷却し、0.2CAで7時間の充電
と0.2CAの放電(終止電圧1.0V)を行い、5サ
イクル繰り返して放電容量を測定し、それを貯蔵後の放
電容量として貯蔵前の放電容量に対する割合を求め、そ
れを回復率として評価した。高温貯蔵後の回復率を表2
に示す。
【0044】
【表2】
【0045】表2に示すように、実施例1〜2の電池
は、比較例1〜2の電池に比べて、高温貯蔵後の回復率
が優れていた。
【0046】なお、上記実施例では、コバルト添加剤と
して一酸化コバルトと金属コバルトを用いた例を示した
が、それに代えてα−水酸化コバルトやβ−水酸化コバ
ルトを用いた場合も同様の効果があり、さらにそれらの
1種類以上を主体とする化合物についても同様の効果が
期待される。
【0047】また、上記実施例では、水酸化ニッケルの
被覆にα−水酸化コバルトやβ−水酸化コバルトを用い
た例を示したが、それに代えて、一酸化コバルト、オキ
シ水酸化コバルトなどを用いた場合も同様の効果があ
り、さらにそれらの1種類以上を主体とする化合物につ
いても同様の効果が期待される。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、高温
貯蔵時のニッケル水素蓄電池の電圧降下を抑制し得るニ
ッケル電極およびそれを用いて高温貯蔵特性が優れたニ
ッケル水素蓄電池を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るニッケル水素蓄電池の一例を模式
的に示す断面図である。
【図2】実施例1〜2の電池および比較例1〜2の電池
の高温貯蔵特性を示す図である。
【符号の説明】
1 正極 2 負極 3 セパレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 磯貝 正人 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 長井 龍 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 Fターム(参考) 5H003 AA03 BB04 BB14 5H016 AA02 AA05 BB02 BB09 BB10 BB12 EE05 5H028 BB10 FF05

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一酸化コバルト、α−水酸化コバルト、
    β−水酸化コバルトおよびオキシ水酸化コバルトよりな
    る群から選ばれる少なくとも1種のコバルト化合物を主
    体とする化合物で被覆されてなる水酸化ニッケルと、一
    酸化コバルト、α−水酸化コバルト、β−水酸化コバル
    トおよび金属コバルトよりなる群から選ばれる少なくと
    も1種の導電助剤を含むペーストを多孔体基板に担持さ
    せ、乾燥した後、アルカリ水溶液への浸漬処理を経て得
    られたことを特徴とするニッケル電極。
  2. 【請求項2】 正極と、水素吸蔵合金を含む負極と、ア
    ルカリ水溶液よりなる電解液と、セパレータを有する水
    素化物二次電池において、上記正極が、一酸化コバル
    ト、α−水酸化コバルト、β−水酸化コバルトおよびオ
    キシ水酸化コバルトよりなる群から選ばれる少なくとも
    1種のコバルト化合物を主体とする化合物で被覆されて
    なる水酸化ニッケルと、一酸化コバルト、α−水酸化コ
    バルト、β−水酸化コバルトおよび金属コバルトよりな
    る群から選ばれる少なくとも1種の導電助剤を含むペー
    ストを多孔体基板に担持させ、乾燥した後、アルカリ水
    溶液への浸漬処理を経て得られたニッケル電極であるこ
    とを特徴とするニッケル水素蓄電池。
JP11150865A 1999-05-31 1999-05-31 ニッケル電極およびそれを正極に用いたニッケル水素蓄電池 Withdrawn JP2000340221A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11150865A JP2000340221A (ja) 1999-05-31 1999-05-31 ニッケル電極およびそれを正極に用いたニッケル水素蓄電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11150865A JP2000340221A (ja) 1999-05-31 1999-05-31 ニッケル電極およびそれを正極に用いたニッケル水素蓄電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000340221A true JP2000340221A (ja) 2000-12-08

Family

ID=15506077

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11150865A Withdrawn JP2000340221A (ja) 1999-05-31 1999-05-31 ニッケル電極およびそれを正極に用いたニッケル水素蓄電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000340221A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002279993A (ja) * 2001-03-22 2002-09-27 Hitachi Maxell Ltd アルカリ蓄電池
JP2003045422A (ja) * 2001-07-30 2003-02-14 Hitachi Maxell Ltd アルカリ蓄電池
US6608465B2 (en) 2001-10-31 2003-08-19 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Positive electrode for alkaline storage battery and alkaline storage battery using the same
WO2006011538A1 (ja) * 2004-07-27 2006-02-02 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha アルカリ蓄電池用正極、及びアルカリ蓄電池
JP2006073463A (ja) * 2004-09-06 2006-03-16 Toyota Motor Corp アルカリ蓄電池用正極、及びアルカリ蓄電池
JP2007066697A (ja) * 2005-08-31 2007-03-15 Matsushita Electric Ind Co Ltd アルカリ蓄電池の製造方法
JP2013138001A (ja) * 2011-11-29 2013-07-11 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd ニッケル水素二次電池箔状集電体正極形成用合材インキ

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002279993A (ja) * 2001-03-22 2002-09-27 Hitachi Maxell Ltd アルカリ蓄電池
JP2003045422A (ja) * 2001-07-30 2003-02-14 Hitachi Maxell Ltd アルカリ蓄電池
US6608465B2 (en) 2001-10-31 2003-08-19 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Positive electrode for alkaline storage battery and alkaline storage battery using the same
WO2006011538A1 (ja) * 2004-07-27 2006-02-02 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha アルカリ蓄電池用正極、及びアルカリ蓄電池
JP2006073463A (ja) * 2004-09-06 2006-03-16 Toyota Motor Corp アルカリ蓄電池用正極、及びアルカリ蓄電池
JP2007066697A (ja) * 2005-08-31 2007-03-15 Matsushita Electric Ind Co Ltd アルカリ蓄電池の製造方法
JP2013138001A (ja) * 2011-11-29 2013-07-11 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd ニッケル水素二次電池箔状集電体正極形成用合材インキ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2095036C (en) Metal hydride electrode, nickel electrode and nickel-hydrogen battery
JPH11233106A (ja) アルカリ二次電池およびその製造方法
JP3318141B2 (ja) 水素吸蔵合金電極の製造方法
JP2000340221A (ja) ニッケル電極およびそれを正極に用いたニッケル水素蓄電池
JPH04212269A (ja) アルカリ蓄電池
JPH0447676A (ja) 密閉型蓄電池の製造法
JPH08264174A (ja) 水素貯蔵合金陰極およびその製造方法
JP2001313069A (ja) ニツケル水素蓄電池
JP2995893B2 (ja) ニッケル・金属水素化物蓄電池
JP3625655B2 (ja) 水素吸蔵合金電極及びニッケル水素蓄電池
JPH097591A (ja) 水素吸蔵合金及びその製造方法並びにそれを用いた水素吸蔵合金電極
JP2005105356A (ja) 水素吸蔵合金、水素吸蔵合金電極および密閉型ニッケル水素蓄電池
JP2846707B2 (ja) アルカリ蓄電池用水素吸蔵合金電極
JP3362400B2 (ja) ニッケル−金属水素化物蓄電池
JP2994704B2 (ja) 水素吸蔵合金電極の製造方法
JPH03289059A (ja) 金属―水素アルカリ蓄電池
JP2000149956A (ja) 水素化物二次電池
JP3482478B2 (ja) ニッケル−金属水素化物蓄電池
JP3070081B2 (ja) 密閉形アルカリ蓄電池
JP2553775B2 (ja) 水素吸蔵合金電極の製造方法
JP2000243400A (ja) 水素吸蔵合金電極およびそれを負極に用いたニッケル水素蓄電池
JP3789702B2 (ja) アルカリ蓄電池用正極活物質及びその製造方法、アルカリ蓄電池用正極並びにアルカリ蓄電池
JP3266153B2 (ja) 密閉形アルカリ蓄電池の製造方法
JP2009238764A (ja) アルカリ蓄電池用ニッケル電極およびアルカリ蓄電池
JPH1196999A (ja) 密閉型ニッケル水素二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060801