JP2602994Y2 - ギヤケース内の潤滑油路構造 - Google Patents
ギヤケース内の潤滑油路構造Info
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- JP2602994Y2 JP2602994Y2 JP1990059866U JP5986690U JP2602994Y2 JP 2602994 Y2 JP2602994 Y2 JP 2602994Y2 JP 1990059866 U JP1990059866 U JP 1990059866U JP 5986690 U JP5986690 U JP 5986690U JP 2602994 Y2 JP2602994 Y2 JP 2602994Y2
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Description
【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、ギヤケース内の潤滑油路構造、例えば、車
両用のファイナルドライブギヤ装置のギヤケース内の潤
滑油路構造に関する。
両用のファイナルドライブギヤ装置のギヤケース内の潤
滑油路構造に関する。
(従来の技術) 従来のギヤケース内の潤滑油路構造としては、例え
ば、第5、6図に示すようなものがある。キャリア型の
ファイナルドライブギヤ装置1は第5図(b)の右側の
推進側からケース2内に貫通しリングギヤ3を推進する
推進軸5と、推進軸5を軸支するリングギヤ3側および
推進側の互いに離隔した2つのベアリング6および7に
より画成された隔室Aと、ベアリング7とシールリング
9により画成された隔室Bとを有している。ファイナル
ドライブギヤ装置1内の潤滑はリングギヤ3および推進
軸5の先端のドライブピニオンギヤ8の攪拌作用による
油のはね上げを利用し、ベアリング6および7の潤滑お
よび歯車で発生する熱をうばいケース表面から放熱する
構造になっている。第1潤滑油路11は、第5図(a)に
黒矢印にて示すように、リングギヤ3によりかき上げら
れたオイルをオイルキャッチャリブ11bによりケース2
の上部の主油路11aに導き、隔室A内に入れ、ベアリン
グ6、7内を通して潤滑した後、オイル溜り12に返す構
成になっている。また、第2潤滑油路13は、第6図に黒
矢印にて示すように、ドライブピニオンギヤ8によりか
き上げられたオイルを、オイルキャッチャリブ13bによ
りケース2の中部または下部の副油路13aに導き隔室B
内に入れ、ベアリング7内を通してベアリング7を潤滑
した後、オイル溜り12に返す構成になっている。尚、こ
れに類似する潤滑油路構造としては、例えば、実開昭61
−76721号に記載されたものがある。
ば、第5、6図に示すようなものがある。キャリア型の
ファイナルドライブギヤ装置1は第5図(b)の右側の
推進側からケース2内に貫通しリングギヤ3を推進する
推進軸5と、推進軸5を軸支するリングギヤ3側および
推進側の互いに離隔した2つのベアリング6および7に
より画成された隔室Aと、ベアリング7とシールリング
9により画成された隔室Bとを有している。ファイナル
ドライブギヤ装置1内の潤滑はリングギヤ3および推進
軸5の先端のドライブピニオンギヤ8の攪拌作用による
油のはね上げを利用し、ベアリング6および7の潤滑お
よび歯車で発生する熱をうばいケース表面から放熱する
構造になっている。第1潤滑油路11は、第5図(a)に
黒矢印にて示すように、リングギヤ3によりかき上げら
れたオイルをオイルキャッチャリブ11bによりケース2
の上部の主油路11aに導き、隔室A内に入れ、ベアリン
グ6、7内を通して潤滑した後、オイル溜り12に返す構
成になっている。また、第2潤滑油路13は、第6図に黒
矢印にて示すように、ドライブピニオンギヤ8によりか
き上げられたオイルを、オイルキャッチャリブ13bによ
りケース2の中部または下部の副油路13aに導き隔室B
内に入れ、ベアリング7内を通してベアリング7を潤滑
した後、オイル溜り12に返す構成になっている。尚、こ
れに類似する潤滑油路構造としては、例えば、実開昭61
−76721号に記載されたものがある。
(考案が解決しようとする課題) しかしながら、隔室Aは、推進軸5を軸支するベアリ
ング6およびベアリング7に区画され、隔室A内の空気
が抜けない。このため、第1潤滑油路11からのオイルの
注入により隔室A内の油圧が上昇し、第1潤滑油路11か
らさらにオイルが隔室A内に入るのが難しく、かつ出に
くい。また、隔室Bは推進軸5を支持するベアリング7
およびシールリング9に区画され、隔室B内の空気が抜
けない。このため、第2潤滑油路13からのオイルの注入
により、隔室B内の油圧が上昇し、第2潤滑油路13から
さらにオイルが隔室B内に入るのが難しく、かつ出にく
い。このため、隔室Aおよび隔室Bを通るオイルの循環
が十分でなく、潤滑不良になり易いという問題点があ
る。
ング6およびベアリング7に区画され、隔室A内の空気
が抜けない。このため、第1潤滑油路11からのオイルの
注入により隔室A内の油圧が上昇し、第1潤滑油路11か
らさらにオイルが隔室A内に入るのが難しく、かつ出に
くい。また、隔室Bは推進軸5を支持するベアリング7
およびシールリング9に区画され、隔室B内の空気が抜
けない。このため、第2潤滑油路13からのオイルの注入
により、隔室B内の油圧が上昇し、第2潤滑油路13から
さらにオイルが隔室B内に入るのが難しく、かつ出にく
い。このため、隔室Aおよび隔室Bを通るオイルの循環
が十分でなく、潤滑不良になり易いという問題点があ
る。
そこで、隔室Aと隔室Bとを連通する第1空気抜き油
路と、隔室Aとリングギヤ室とを連通する第2空気抜き
油路とを設けることにより、隔室Aおよび隔室B内の空
気を抜き、各室の油圧の上昇を防ぎ、オイルの循環を増
加し、各ベアリングの潤滑を促進し、常に新鮮な油の循
環のできるギヤケース内の潤滑油路構造を提供すること
を目的としている。
路と、隔室Aとリングギヤ室とを連通する第2空気抜き
油路とを設けることにより、隔室Aおよび隔室B内の空
気を抜き、各室の油圧の上昇を防ぎ、オイルの循環を増
加し、各ベアリングの潤滑を促進し、常に新鮮な油の循
環のできるギヤケース内の潤滑油路構造を提供すること
を目的としている。
(課題を解決するための手段) 本考案によるギヤケース内の潤滑油路構造は、上記目
的を達成するために、ファイナルドライブギヤ装置を推
進側からギヤケース内に貫通してリングギヤを推進する
推進軸を軸支するリングギヤ側の第1ベアリングおよび
推進側の第2ベアリングを潤滑するギヤケース内の潤滑
油路構造において、前記第1ベアリングおよび前記第2
ベアリングにより画成される隔室Aと、前記ギアケース
の貫通部をシールするシールリングおよび第2ベアリン
グにより画成される隔室Bと、 前記隔室Aと前記隔室Bとを連通し、潤滑油が溢流で
きる第1空気抜き油路と、 前記リングギヤを収容するリングギヤ室と前記隔室A
とを連通し、潤滑油が溢流できる第2空気抜き油路と、
リングギヤ室と前記隔室Aとを連通する第1潤滑油供給
路と、リングギヤ室と前記隔室Bとを連通する第2潤滑
油供給路と、前記リングギヤの回転に伴ってかき上げら
れた潤滑油を前記第1潤滑油供給路および第2潤滑油供
給路に案内する、前記第1潤滑油供給路および第2潤滑
油供給路の各々に対応して独立して存在する案内手段
と、を設けたことを特徴とする。
的を達成するために、ファイナルドライブギヤ装置を推
進側からギヤケース内に貫通してリングギヤを推進する
推進軸を軸支するリングギヤ側の第1ベアリングおよび
推進側の第2ベアリングを潤滑するギヤケース内の潤滑
油路構造において、前記第1ベアリングおよび前記第2
ベアリングにより画成される隔室Aと、前記ギアケース
の貫通部をシールするシールリングおよび第2ベアリン
グにより画成される隔室Bと、 前記隔室Aと前記隔室Bとを連通し、潤滑油が溢流で
きる第1空気抜き油路と、 前記リングギヤを収容するリングギヤ室と前記隔室A
とを連通し、潤滑油が溢流できる第2空気抜き油路と、
リングギヤ室と前記隔室Aとを連通する第1潤滑油供給
路と、リングギヤ室と前記隔室Bとを連通する第2潤滑
油供給路と、前記リングギヤの回転に伴ってかき上げら
れた潤滑油を前記第1潤滑油供給路および第2潤滑油供
給路に案内する、前記第1潤滑油供給路および第2潤滑
油供給路の各々に対応して独立して存在する案内手段
と、を設けたことを特徴とする。
(作用) 本考案のギヤケース内の潤滑油路構造は、隔室Aとリ
ングギヤ室とを連通する第2空気抜き油路が設けてある
ので、隔室Aへの油の注入があっても、隔室A内の空気
が第2空気抜き油路を通ってリングギヤ室に抜けて油圧
の上昇はなく、注入油量を増加させる。また、隔室A内
に油が充満すると、第2空気抜き油路が油抜き油路とな
る。
ングギヤ室とを連通する第2空気抜き油路が設けてある
ので、隔室Aへの油の注入があっても、隔室A内の空気
が第2空気抜き油路を通ってリングギヤ室に抜けて油圧
の上昇はなく、注入油量を増加させる。また、隔室A内
に油が充満すると、第2空気抜き油路が油抜き油路とな
る。
また、隔室Aと隔室Bとを連通する第1空気抜き油路
が設けてあるので、隔室Bに油の注入があっても、隔室
B内の空気が第1空気抜き油路を通って隔室Aに、さら
に必要ならば隔室Aから前述の第2空気抜き油路を通っ
てリングギヤ室に抜ける。このため、隔室Bの油圧の上
昇はなく、隔室Bへの注入油量を増加させる。また、隔
室B内に油が充満すると、第1空気抜き油路が油抜き油
路となり、さらに必要ならば、第2空気抜き油路が、油
抜き油路となって注入油量は油溜まりにもどる。
が設けてあるので、隔室Bに油の注入があっても、隔室
B内の空気が第1空気抜き油路を通って隔室Aに、さら
に必要ならば隔室Aから前述の第2空気抜き油路を通っ
てリングギヤ室に抜ける。このため、隔室Bの油圧の上
昇はなく、隔室Bへの注入油量を増加させる。また、隔
室B内に油が充満すると、第1空気抜き油路が油抜き油
路となり、さらに必要ならば、第2空気抜き油路が、油
抜き油路となって注入油量は油溜まりにもどる。
また、リングギアの回転エネルギーを利用して潤滑油
を供給するため、フリクシヨンの増大を招くことなく、
潤滑性能の向上が図られ、さらに、隔室A、Bのそれぞ
れに潤滑油の供給路を設けているため、各供給路の断面
積等を適宜に調節することにより、隔室A、Bのそれぞ
れに適正な油量が供給される。
を供給するため、フリクシヨンの増大を招くことなく、
潤滑性能の向上が図られ、さらに、隔室A、Bのそれぞ
れに潤滑油の供給路を設けているため、各供給路の断面
積等を適宜に調節することにより、隔室A、Bのそれぞ
れに適正な油量が供給される。
(実施例) 以下、本考案の実施例を図面に基づき説明する。第1
〜4図は本考案に係るギヤケース内の潤滑油路構造の一
実施例を示す図であり、リヤ用ファイナルドライブギヤ
装置に適用した例である。
〜4図は本考案に係るギヤケース内の潤滑油路構造の一
実施例を示す図であり、リヤ用ファイナルドライブギヤ
装置に適用した例である。
まず、構成について説明する。第1〜3図において。
21はキャリア型のファイナルドライブギヤ装置であり、
ファイナルドライブギヤ装置21はギヤケース22を図の右
側の推進側からギヤケース22内に貫通しリングギヤ23を
推進する推進軸25を有している。推進軸25はギヤケース
22に固定されたリングギヤ23側の第1ベアリング26およ
び推進側の第2ベアリング27に軸支され、先端に固定さ
れたドライブピニオンギヤ28によりリングギヤ23に連結
している。なお、リングギヤ23の回転方向は、第3図の
潤滑油の流れ(黒矢印)から反時計回りであり、かかる
回転方向のリングギヤ23を有するファイナルドライブギ
ヤ装置はフロント用である。
21はキャリア型のファイナルドライブギヤ装置であり、
ファイナルドライブギヤ装置21はギヤケース22を図の右
側の推進側からギヤケース22内に貫通しリングギヤ23を
推進する推進軸25を有している。推進軸25はギヤケース
22に固定されたリングギヤ23側の第1ベアリング26およ
び推進側の第2ベアリング27に軸支され、先端に固定さ
れたドライブピニオンギヤ28によりリングギヤ23に連結
している。なお、リングギヤ23の回転方向は、第3図の
潤滑油の流れ(黒矢印)から反時計回りであり、かかる
回転方向のリングギヤ23を有するファイナルドライブギ
ヤ装置はフロント用である。
ファイナルドライブギヤ装置21のほぼ中央部には推進
軸25に沿って、第1ベアリング26と第2ベアリング27と
により画成される隔室Aが設けられている。ファイナル
ドライブギヤ装置21の上部には隔室Aとリングギヤ23を
収容するリングギヤ室31とを連通する第1潤滑油供給路
としての上部油路32が設けられ、上部油路32は第2ベア
リング27の近傍で隔室Aに開口している。33は案内手段
としてのオイルキャッチャリブであり、オイルキャッチ
ャリブ33はリングギヤ23がファイナルドライブギヤ装置
21の下部のオイル溜り34からかき上げたオイル35を上部
油路32に流入する(図には黒矢印にて示している)よう
にしている。
軸25に沿って、第1ベアリング26と第2ベアリング27と
により画成される隔室Aが設けられている。ファイナル
ドライブギヤ装置21の上部には隔室Aとリングギヤ23を
収容するリングギヤ室31とを連通する第1潤滑油供給路
としての上部油路32が設けられ、上部油路32は第2ベア
リング27の近傍で隔室Aに開口している。33は案内手段
としてのオイルキャッチャリブであり、オイルキャッチ
ャリブ33はリングギヤ23がファイナルドライブギヤ装置
21の下部のオイル溜り34からかき上げたオイル35を上部
油路32に流入する(図には黒矢印にて示している)よう
にしている。
ファイナルドライブギヤ装置21の下部には推進軸25の
ほぼ軸方向に隔室Aとリングギヤ23とを連通し、リング
ギヤ23室のオイル溜り34の表面より上側に開口する第2
空気抜き油路38が形成されている。
ほぼ軸方向に隔室Aとリングギヤ23とを連通し、リング
ギヤ23室のオイル溜り34の表面より上側に開口する第2
空気抜き油路38が形成されている。
ファイナルドライブギヤ装置21の推進側には、推進側
から推進軸25がギヤケース22内に貫通する貫通部をシー
ルするシールリング40と第2ベアリング27とにより画成
される隔室Bが設けられている。ファイナルドライブギ
ヤ装置21の中部には第2、4図に示すように、隔室Bと
リングギヤ室31とを連通する第2潤滑油供給路としての
下部油路41が設けられている。42は案内手段としてのオ
イルキャッチャリブであり、オイルキャッチャリブ42は
ドライブピニオンギヤ28がファイナルドライブギヤ装置
21の下部のオイル溜り34からかき上げたオイル35を下部
油路41に流入する(図には黒矢印にて示している)よう
にしている。ファイナルドライブギヤ装置21の上部には
隔室Aと隔室Bとを連通する第1空気抜き油路45が設け
られている。
から推進軸25がギヤケース22内に貫通する貫通部をシー
ルするシールリング40と第2ベアリング27とにより画成
される隔室Bが設けられている。ファイナルドライブギ
ヤ装置21の中部には第2、4図に示すように、隔室Bと
リングギヤ室31とを連通する第2潤滑油供給路としての
下部油路41が設けられている。42は案内手段としてのオ
イルキャッチャリブであり、オイルキャッチャリブ42は
ドライブピニオンギヤ28がファイナルドライブギヤ装置
21の下部のオイル溜り34からかき上げたオイル35を下部
油路41に流入する(図には黒矢印にて示している)よう
にしている。ファイナルドライブギヤ装置21の上部には
隔室Aと隔室Bとを連通する第1空気抜き油路45が設け
られている。
次に、作用について説明する。
ファイナルドライブギヤケース内を潤滑する際、第
1、3図において、リングギヤ23によりかき上げられた
オイル35はオイルキャッチャリブ33に当たって上部油路
32に流入し、上部油路32内を通り隔室A内に流入する。
隔室A内のオイル35の一部は第1ベアリング26および第
2ベアリング27内を通って潤滑し、また、熱を奪ってオ
イル溜り34に戻る。
1、3図において、リングギヤ23によりかき上げられた
オイル35はオイルキャッチャリブ33に当たって上部油路
32に流入し、上部油路32内を通り隔室A内に流入する。
隔室A内のオイル35の一部は第1ベアリング26および第
2ベアリング27内を通って潤滑し、また、熱を奪ってオ
イル溜り34に戻る。
本考案のファイナルドライブギヤ装置21は隔室Aとリ
ングギヤ空31とを連通する第2空気抜き油路38が設けら
れているので、隔室A内にさらにオイル35が流入しよう
とすると、隔室A内の空気は第2空気抜き油路38を通し
て抜けるため、隔室A内の油圧の上昇も起こらず、隔室
A内へのオイル35の流入油量はさらに増加する。また、
隔室A内にオイル35が充満すると、過剰のオイル35は第
1ベアリング26および第2ベアリング27内を通って潤滑
するとともに熱を奪って、第2空気抜き油路38を通りオ
イル溜り34に戻って(図には白矢印に示している)しま
う。このため、隔室A内へ流入するオイル35の流入油量
は増加する。また、第2空気抜き油路38のリングギヤ室
31内への開口は第1ベアリング26および第2ベアリシグ
27より上側に位置しているので隔室A内のオイル35は必
要以上にリングギヤ室31内に戻されることはなく、第1
ベアリング26および第2ベアリング27を十分に潤滑す
る。
ングギヤ空31とを連通する第2空気抜き油路38が設けら
れているので、隔室A内にさらにオイル35が流入しよう
とすると、隔室A内の空気は第2空気抜き油路38を通し
て抜けるため、隔室A内の油圧の上昇も起こらず、隔室
A内へのオイル35の流入油量はさらに増加する。また、
隔室A内にオイル35が充満すると、過剰のオイル35は第
1ベアリング26および第2ベアリング27内を通って潤滑
するとともに熱を奪って、第2空気抜き油路38を通りオ
イル溜り34に戻って(図には白矢印に示している)しま
う。このため、隔室A内へ流入するオイル35の流入油量
は増加する。また、第2空気抜き油路38のリングギヤ室
31内への開口は第1ベアリング26および第2ベアリシグ
27より上側に位置しているので隔室A内のオイル35は必
要以上にリングギヤ室31内に戻されることはなく、第1
ベアリング26および第2ベアリング27を十分に潤滑す
る。
また、第1、4図において、リングギヤ室31内のドラ
イブピニオンギヤ28によりかき上げられたオイル35はオ
イルキャッチャリブ42に当たって下部油路41に流入し、
下部油路41内を通り隔室B内に流入する。隔室B内のオ
イル35の一部は第2ベアリング27内を通って潤滑し、ま
た熱を奪ってオイル溜り34に戻る。
イブピニオンギヤ28によりかき上げられたオイル35はオ
イルキャッチャリブ42に当たって下部油路41に流入し、
下部油路41内を通り隔室B内に流入する。隔室B内のオ
イル35の一部は第2ベアリング27内を通って潤滑し、ま
た熱を奪ってオイル溜り34に戻る。
本考案のファイナルドライブギヤ装置21は隔室Bと隔
室Aとを連通する第1空気抜き油路45が設けられている
ので、隔室B内にさらにオイル35が流入しようとする
と、隔室B内の空気は、第1空気抜き油路45を通って隔
室Aに抜ける。さらに、必要であれば、隔室Aから第2
空気抜き油路38を通ってリングギヤ室38に抜ける。この
ため、隔室B内の油圧の上昇も起こらず、隔室B内への
オイル35の流入油量はさらに増加する。また、隔室B内
にオイル35が充満すると、第1空気抜き油路45および第
2空気抜き油路38を通りオイル溜り34に戻って(図には
白矢印にて示している)しまう。このため、隔室B内へ
流入するオイル35の流入油量は増加する。したがって、
ギヤケース22内の隔室Aおよび隔室Bには常に新鮮なオ
イル35が潤滑する。
室Aとを連通する第1空気抜き油路45が設けられている
ので、隔室B内にさらにオイル35が流入しようとする
と、隔室B内の空気は、第1空気抜き油路45を通って隔
室Aに抜ける。さらに、必要であれば、隔室Aから第2
空気抜き油路38を通ってリングギヤ室38に抜ける。この
ため、隔室B内の油圧の上昇も起こらず、隔室B内への
オイル35の流入油量はさらに増加する。また、隔室B内
にオイル35が充満すると、第1空気抜き油路45および第
2空気抜き油路38を通りオイル溜り34に戻って(図には
白矢印にて示している)しまう。このため、隔室B内へ
流入するオイル35の流入油量は増加する。したがって、
ギヤケース22内の隔室Aおよび隔室Bには常に新鮮なオ
イル35が潤滑する。
(効果) 以上、説明したように、本考案によれば、隔室Aと隔
室Bとを連通する第1空気抜き油路と、隔室Aとリング
ギヤ室とを連通する第2油路とを設けることにより、隔
室Aおよび隔室B内の空気を抜き、各室の油圧の上昇を
防ぎ、オイルの循環を増加し、各ベアリングの潤滑を促
進し、常に新鮮な油の循環ができる。
室Bとを連通する第1空気抜き油路と、隔室Aとリング
ギヤ室とを連通する第2油路とを設けることにより、隔
室Aおよび隔室B内の空気を抜き、各室の油圧の上昇を
防ぎ、オイルの循環を増加し、各ベアリングの潤滑を促
進し、常に新鮮な油の循環ができる。
また、リングギヤの回転エネルギーを利用して潤滑油
を供給するため、フリクションの増大を招くことなく、
潤滑性能の向上を図ることができ、さらに、隔室A、B
のそれぞれに潤滑油の供給路を設けているため、各供給
路の断面積等を適宜に調節することにより、隔室A、B
のそれぞれに適正な油量を供給できる。
を供給するため、フリクションの増大を招くことなく、
潤滑性能の向上を図ることができ、さらに、隔室A、B
のそれぞれに潤滑油の供給路を設けているため、各供給
路の断面積等を適宜に調節することにより、隔室A、B
のそれぞれに適正な油量を供給できる。
1〜4図は本考案に係るギヤケース内の潤滑油路構造の
一実施例を示す図であり、第1、2図はそれぞれその斜
視図、第3図(a)はその隔室Aの循環を示す正面図、
第3図(b)は第3図(a)のIIIb−IIIb矢視側面図、
第4図(a)はその隔室Bの循環を示す正面図、第4図
(b)は第4図(a)のIVb−IVb矢視側面図である。第
5、6図はそれぞれ従来のギヤケース内の潤滑油路構造
を示す図であり、第5図(a)はその左側面図、第5図
(b)は第5図(a)のA−A断面面図、第6図(a)
はその左側面図、第6図(b)は第6図(a)の正面図
である。 21……ファイナルドライブギヤ装置、22……ギヤケー
ス、23……リングギヤ、25……推進軸、26……第1ベア
リング、27……第2ベアリング、31……リングギヤ室、
32……上部油路(第1潤滑油供給路)、33……オイルキ
ャッチャリブ(案内手段)、35……オイル、38……第2
空気抜き油路40……シールリング、41……下部油路(第
2潤滑油供給路)、42……オイルキャッチャリブ(案内
手段)45……第1空気抜き油路、A……隔室、B……隔
室。
一実施例を示す図であり、第1、2図はそれぞれその斜
視図、第3図(a)はその隔室Aの循環を示す正面図、
第3図(b)は第3図(a)のIIIb−IIIb矢視側面図、
第4図(a)はその隔室Bの循環を示す正面図、第4図
(b)は第4図(a)のIVb−IVb矢視側面図である。第
5、6図はそれぞれ従来のギヤケース内の潤滑油路構造
を示す図であり、第5図(a)はその左側面図、第5図
(b)は第5図(a)のA−A断面面図、第6図(a)
はその左側面図、第6図(b)は第6図(a)の正面図
である。 21……ファイナルドライブギヤ装置、22……ギヤケー
ス、23……リングギヤ、25……推進軸、26……第1ベア
リング、27……第2ベアリング、31……リングギヤ室、
32……上部油路(第1潤滑油供給路)、33……オイルキ
ャッチャリブ(案内手段)、35……オイル、38……第2
空気抜き油路40……シールリング、41……下部油路(第
2潤滑油供給路)、42……オイルキャッチャリブ(案内
手段)45……第1空気抜き油路、A……隔室、B……隔
室。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−163364(JP,A) 実開 平2−51759(JP,U) 実開 昭55−85933(JP,U) 実開 昭49−115823(JP,U) 実開 昭58−195148(JP,U)
Claims (1)
- 【請求項1】ファイナルドライブギヤ装置を推進側から
ギヤケース内に貫通してリングギヤを推進する推進軸を
軸支するリングギヤ側の第1ベアリングおよび推進側の
第2ベアリングを潤滑するギヤケース内の潤滑油路構造
において、 前記第1ベアリングおよび前記第2ベアリングにより画
成される隔室Aと、 前記ギアケースの貫通部をシールするシールリングおよ
び第2ベアリングにより画成される隔室Bと、 前記隔室Aと前記隔室Bとを連通し、潤滑油が溢流でき
る第1空気抜き油路と、 前記リングギヤを収容するリングギヤ室と前記隔室Aと
を連通し、潤滑油が溢流できる第2空気抜き油路と、 リングギヤ室と前記隔室Aとを連通する第1潤滑油供給
路と、 リングギヤ室と前記隔室Bとを連通する第2潤滑油供給
路と、 前記リングギヤの回転に伴ってかき上げられた潤滑油を
前記第1潤滑油供給路および第2潤滑油供給路に案内す
る、前記第1潤滑油供給路および第2潤滑油供給路の各
々に対応して独立して存在する案内手段と、 を設けたことを特徴とするギヤケース内の潤滑油路構
造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1990059866U JP2602994Y2 (ja) | 1990-06-05 | 1990-06-05 | ギヤケース内の潤滑油路構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP1990059866U JP2602994Y2 (ja) | 1990-06-05 | 1990-06-05 | ギヤケース内の潤滑油路構造 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH0418757U JPH0418757U (ja) | 1992-02-17 |
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Family Applications (1)
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JP1990059866U Expired - Fee Related JP2602994Y2 (ja) | 1990-06-05 | 1990-06-05 | ギヤケース内の潤滑油路構造 |
Country Status (1)
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1990
- 1990-06-05 JP JP1990059866U patent/JP2602994Y2/ja not_active Expired - Fee Related
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