JP2599297Y2 - 混合建築構造の接合部における剥離防止装置 - Google Patents

混合建築構造の接合部における剥離防止装置

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JP2599297Y2
JP2599297Y2 JP1993052790U JP5279093U JP2599297Y2 JP 2599297 Y2 JP2599297 Y2 JP 2599297Y2 JP 1993052790 U JP1993052790 U JP 1993052790U JP 5279093 U JP5279093 U JP 5279093U JP 2599297 Y2 JP2599297 Y2 JP 2599297Y2
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勇治 芳賀
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Kumagai Gumi Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は混合建築構造の接合部に
おける剥離防止装置に関するものであり、特に、鉄筋コ
ンクリート柱と柱梁接合鋼板との間の混合建築構造の接
合部における剥離防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の此種混合建築構造の接合部につい
て図7乃至図11に従って説明する。図7は鉄筋コンク
リート柱1と柱梁接合鋼板2との接合部を中心とした正
面図であり、図8は図7のA−A線断面を示す。前記鉄
筋コンクリート柱1を鋼板で覆って補強した前記柱梁接
合鋼板2には、その外側面の中央部にI型鋼の梁3が4
個所に夫々固設されている。
【0003】而して、地震等が発生し、該地震等の応力
により前記鉄筋コンクリート柱1に大きな曲げ応力や軸
力が生じたときの応力分布を図9に示す。ここで、コン
クリートの応力をσc 、ヤング係数をEc 、歪をεc
するとσc =Ec εc となる。一方、鋼板の応力を
σs 、ヤング係数をEs 、歪をεs とするとσs =Es
εs となる。
【0004】而して、図9(a)のP部位及びR部位に
おける鉄筋コンクリート柱1の応力分布は、図9(b)
及び図9(d)に示す如く、該鉄筋コンクリート柱1の
応力σc は略一定となる。しかし、図9(a)のQ部位
における該鉄筋コンクリート柱1の応力分布は、図9
(c)に示すごとく、柱梁接合鋼板2に圧接する個所の
応力σc が他の個所に較べて異常に高い数値となる。そ
れは、柱の歪εc 、εsは各部同じであるのに対して鉄
のヤング係数Es がコンクリートのヤング係数Ec の約
8倍大きい、即ちEs =8Ec の関係にあり、コンクリ
ートに較べて鋼板の剛性が遙かに高いことによる。その
ため、σc2=Es εs =8Ec εc =8σc となり、コ
ンクリートに部分的な圧壊又は剥離が生じる。
【0005】その場合、コンクリート強度が360kg/
cm2 以下の通常のコンクリートを用いた場合は、図10
及び図11(a)に示す如く圧壊4が生じ易い。しか
し、コンクリート強度が360kg/cm2 以上の高強度コ
ンクリートを用いた場合は、図10及び図11(b)に
示す如く剥離5が生じる。それは、コンクリートの圧縮
強度が高いために圧縮応力を伝達することができるの
で、局部的な圧壊には至らず鉄板とコンクリートとの応
力差により局部的にコンクリートの剪断強度(圧縮強度
の30分の1以下)以上の剪断応力が生じ、広い範囲で
鋼板の厚さ程度の層状で剥離5が生じる。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】従来の鉄筋コンクリー
ト柱と鉄骨梁との混合建築構造は、上述せる如く地震等
が発生した場合、柱に大きな曲げ応力や軸力が生じるこ
とにより、柱梁接合鋼板の上下の周縁部近傍の前記鉄筋
コンクリート柱に圧壊又は剥離が屡々発生する。又、前
記圧壊又は剥離の発生は、部分的に構造耐力の低下を来
すとともに、その完全な修復は技術的に極めて困難であ
り、且つ、建築物使用者等に多大の不安感を生じさせ
る。
【0007】そこで、地震時等において前記接合部近傍
におけるコンクリートの圧壊又は剥離の発生を防止し
て、建築物の構造耐力の低下及び美観の悪化の虞れを防
止するために解決せらるべき技術的課題が生じてくるの
であり、本考案は該課題を解決することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本考案は上記目的を達成
するために提案するものであり、柱を鉄筋コンクリート
構造とし、梁を鉄骨構造とした混合建築構造において、
鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁との接合部位にて、該鉄筋
コンクリート柱を鋼板で覆って補強して成る柱梁接合鋼
板の上又は下の周縁部と前記鉄筋コンクリート柱との間
に緩衝材を介装したことを特徴とする混合建築構造の接
合部における剥離防止装置を提供するものである。
【0009】
【作用】地震発生時等の振動により、鉄筋コンクリート
柱に大きな曲げ応力や軸力が生じる。その場合、鉄とコ
ンクリートとの応力が異なるため、鉄とコンクリートと
の接合部、即ち、柱梁接合鋼板の上下の周縁部近傍にお
いて、該鋼板の押圧により前記鉄筋コンクリート柱に剪
断強度以上の高い応力が生じる場合がある。
【0010】そこで、本考案の剥離防止装置は、前記柱
梁接合鋼板の上又は下の周縁部と前記コンクリート柱と
の間に緩衝材が挿着されているので、地震時等の曲げ応
力や軸力の影響が該緩衝材によって吸収され、前記柱梁
接合鋼板から前記鉄筋コンクリート柱に加えられる押圧
力が弱められる。
【0011】
【実施例】以下、本考案の一実施例を図1乃至図6に従
って詳述する。図1(a)は鉄筋コンクリート柱と柱梁
接合鋼板との接合部を示す正面図であり、図1(b)は
図1(a)のX部位の縦断面詳細図である。又、図2は
図1(a)のB−B線断面を示す。図において11は鉄
筋コンクリート柱であり、該鉄筋コンクリート柱11に
柱梁接合鋼板12が周設されている。そして、前記柱梁
接合鋼板12の外側面の4方には、I型鋼の梁13,1
3,13,13が固着される。更に、前記柱梁接合鋼板
12の上下の周縁部12a,12aと前記鉄筋コンクリ
ート柱11との間に緩衝材14,14を挿着する。
【0012】尚、前記鉄筋コンクリート柱11に使用す
るコンクリートは、コンクリート強度360kg/cm2
下の通常のコンクリートとコンクリート強度360kg/
cm2以上の高強度コンクリートとの場合がある。そのた
め、用いられる緩衝材としては、前記通常コンクリート
又は高強度コンクリート等のコンクリート強度に応じて
プラスチック系、木系、ゴム系、珪酸カルシューム系及
び石膏系等の材料から選定し、場合によってはそれ等の
混合材を使用する。
【0013】又、図3及び図4は、I型鋼の梁13が柱
梁接合鋼板15の上下の周縁部にまたがり、その全高と
等しく固着されている例を示す。図3は、図1及び図2
と同様に緩衝材14,14が柱梁接合鋼板15の外縁部
と鉄筋コンクリート柱11との間に介装された状態を示
す。又、図4は柱梁接合鋼板15の上下の外縁部のう
ち、I型鋼の上下の梁近傍を除き緩衝材14x,14x
…を挿着した例を示す。
【0014】更に、図5は、上部のI型鋼の梁13の上
に床スラブ16が布設されている場合は、該緩衝材14
yを柱梁接合鋼板15の下部の外縁部のみに挿着する例
を示す。又、図6は、該緩衝材14の介装方法の実施例
を示し、同図において17は鉄筋であり、18は型枠で
ある。そして、予め緩衝材14zを柱梁接合鋼板12の
下部の周縁部に接着してから、一点鎖線に示すごとく該
柱梁接合鋼板12を型枠18に落とし込む。その後、コ
ンクリートを該型枠18及び該柱梁接合鋼板12内に打
設することにより、該緩衝材14zが柱梁接合鋼板12
と鉄筋コンクリート柱11との間に介装される。
【0015】而して、上述の実施例にて説明せる如く、
鉄筋コンクリート柱11に用いられるコンクリートの種
類に拘らず、夫々のコンクリートに適応した緩衝材を該
鉄筋コンクリート柱11と柱梁接合鋼板との間の適切な
個所に挿着することにより、地震等に伴う前記接合部の
圧壊及び剥離の発生を防止することができる。尚、本考
案は、本考案の精神を逸脱しない限り種々の改変を為す
ことができ、そして、本考案が該改変されたものに及ぶ
ことは当然である。
【0016】
【考案の効果】本考案は上記一実施例にて詳述せる如
く、鉄筋コンクリート柱と柱梁接合鋼板の適切な個所に
コンクリートの種類に適合した緩衝材を挿着することに
より、地震時等に於て、コンクリート柱と柱梁接合鋼板
との接合部におけるコンクリートの圧壊及び剥離等の現
象を防止することが可能となる。
【0017】斯くして、建物の美観の維持が計られ、構
造耐力の低下を防ぎ、且つ、メインテナンスコストも軽
減できる等、正に諸種の実用的価値ある考案である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本考案の一実施例を示し、その要部の縦
断一部切欠正面図。 (b)図1(a)のX部位の縦断面解説図。
【図2】図1(a)のB−B線断面図。
【図3】接合部に緩衝材を介装した他の実施例を示す正
面図。
【図4】接合部に緩衝材を介装した更に他の実施例を示
す正面図。
【図5】接合部に緩衝材を介装した更に他の実施例を示
す正面図。
【図6】緩衝材の介装手順を示す正面図。
【図7】従来例を示し、接合部の正面図。
【図8】図7のA−A線断面図。
【図9】(a)従来例を示し、上下から軸力が付加され
た鉄筋コンクリート柱の縦断正面図。 (b)図9(a)のP部位における応力分布図。 (c)図9(a)のQ部位における応力分布図。 (d)図9(a)のR部位における応力分布図。
【図10】従来例を示し、圧壊及び剥離が発生した状態
を示す正面図。
【図11】(a)圧壊の状態を示す詳細図。 (b)剥離の状態を示す詳細図。
【符号の説明】
11 鉄筋コンクリート柱 12,15 柱梁接合鋼板 14,14x,14y,14z 緩衝材

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柱を鉄筋コンクリート構造とし、梁を鉄
    骨構造とした混合建築構造において、鉄筋コンクリート
    柱と鉄骨梁との接合部位にて、該鉄筋コンクリート柱を
    鋼板で覆って補強して成る柱梁接合鋼板の上又は下の周
    縁部と前記鉄筋コンクリート柱との間に緩衝材を介装し
    たことを特徴とする混合建築構造の接合部における剥離
    防止装置。
JP1993052790U 1993-09-29 1993-09-29 混合建築構造の接合部における剥離防止装置 Expired - Lifetime JP2599297Y2 (ja)

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