JP2596908Y2 - 高所作業機の油圧ホースまたは電気ケーブルの支持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、高所作業機のブームの
先端部の適所からバケットの取付け部の適所までの間に
ルーズに懸回した油圧ホースや電気ケーブルを支持する
高所作業機の油圧ホースまたは電気ケーブルの支持装置
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図４および図５に基いて説明する。高所
作業機のブーム１の先端部２には、揺動可能にポスト３
を備え、先端部２とポスト３との間には、レベリングシ
リンダ４を設けている。このレベリングシリンダ４はブ
ーム１の起伏に関連して作動し、ブーム１の起伏に係わ
らずポスト３を鉛直姿勢に維持する。ポスト３には、ポ
スト３に直交する面内で旋回自在にバケット５が取付け
られている。

【０００３】先端部２の適所からバケット５の取付け部
の適所までの間に、油圧ホースや電気ケーブル（以下、
油圧ホース類という。）６をポスト３の回りにルーズに
懸回し、ブームの先端部側からバケット側に油圧源また
は電源を供給するようにして、このバケット５からバケ
ット５およびブーム１に係わる作動の操作をできるよう
にしている。

【０００４】 そして、これらの油圧ホース類６
は、中間位置を、略コの字状に形成されポスト３に固着
された支持具７で支持されている。この支持具７は、油
圧ホース類６の長手方向の移動を許容し径方向の移動を
小範囲に規制するものである。

【０００５】 このように油圧ホース類６は、ルー
ズに懸回するとともに油圧ホース類６の長手方向の移動
を許容し支持しているので、ブーム１の起伏作動および
バケット５の旋回作動を行っても、異常な張力を受ける
ことがなく、張力により破損することがない。

【０００６】 また油圧ホース類６は、油圧ホース
類６の長手方向の移動を許容し径方向の移動を小範囲に
規制する支持具７で支持しているので、ブーム１の起伏
作動およびバケット５の旋回作動を行っても、油圧ホー
ス類６がブーム１とポスト３間等に挟まれることがな
く、狭まれることによる損傷がない。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】ところで、ブーム１を
起伏作動すると、支持具７で支持される油圧ホース類６
の上下角が変化する。またバケット５を旋回作動する
と、油圧ホース類６の長手方向の移動が発生する。そこ
で油圧ホース類６の表皮が支持具７に擦られて損傷する
と言う問題点があった。本考案は、この問題点を解決す
ることを課題としたものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本考案の高所作業機の油
圧ホースまたは電気ケーブルの支持装置は、ブームの先
端部に揺動可能にしブームの起伏に係わらず鉛直姿勢を
維持するポストを備え、このポストにバケットをポスト
に直交する面内で旋回自在に取付けるとともに、油圧ホ
ースまたは電気ケーブルをブームの先端部の適所からバ
ケットの取付け部の適所までの間でポストの回りにルー
ズに懸回し、ブームの先端部側からバケット側に油圧源
または電源を供給するようにした高所作業機において、
前記油圧ホースまたは電気ケーブルの略中間位置を支持
するとともに前記ブームの先端部に揺動可能に取付けら
れた支持装置を備えた。

【０００９】 以上の如く構成した本考案の高所作
業機の油圧ホースまたは電気ケーブルの支持装置は、ブ
ーム１の先端部２の適所からバケット５の取付け部の適
所までの間にルーズに懸回した油圧ホースや電気ケーブ
ル６の略中間位置を揺動可能に支持されたので、ブーム
１の起伏に伴うポスト３の揺動がなされたりあるいはバ
ケット５のの旋回作動がなされても、油圧ホースや電気
ケーブル６の表皮が擦られて損傷することがない。

【００１０】

【実施例】以下本考案の高所作業機の油圧ホースまたは
電気ケーブルの支持装置について、図１〜図３に基いて
説明する。従来の技術として、用い説明した符号１〜６
は、同義であるので、説明を省略し本実施例の説明にも
用いる。

【００１１】８は、支持装置、９，９’は、クランプ、
10は、ボルト、11は、揺動軸である。支持装置８は、油
圧ホース類６を挟むクランプ９，９’、対向したクラン
プ９，９’で油圧ホース類６を挟んで固定するボルト1
0、クランプ９’に設けられた揺動軸11からなってお
り、揺動軸11は、ブーム１の先端部２に設けられた軸受
に揺動可能に枢支されている。

【００１２】作動について説明する。ブーム１を水平状
態（図１）から起仰状態（図３）にすると、ポスト３と
ブーム１とのなす角がΘ0 からΘ1 になるのに伴って、
支持装置８は、ブーム１とのなす角がα0 からα1 に揺
動する。そこでブーム１が起伏作動しても油圧ホース類
６によって支持装置８が適切な位置に揺動させられるの
で、油圧ホース類６は、異常な張力を受けることがなく
破損することがない。

【００１３】また油圧ホース類６は、支持装置８に固定
して経過させているので、ブーム１の起伏作動を行って
も、油圧ホース類６がブーム１とポスト３間等に挟まれ
ることがない。

【００１４】さらに、油圧ホース類６は、支持装置８に
固定して経過させているので、油圧ホース類６の表皮が
支持装置８に擦られて損傷することもない。

【００１５】そして、ブーム１の起伏作動に限らず、バ
ケット５の旋回作動においても、同様に支持装置８が適
切な位置に揺動させられ、油圧ホース類６は、損傷する
ことがない。

【００１６】本実施例においては、支持装置８の揺動支
点をポスト３の揺動支点の延長上としたが、ブーム１の
先端部２の適所であればどこでもよいことはもちろんで
ある。

【００１７】またポスト３にバケット５を取付けるもの
として説明したが、マニプレータ等を取付けるようにし
てもよいこともちろんである。

【００１８】本考案によれば、ブーム１の起伏動作やバ
ケット５の旋回動作のための油圧ホース類６のポスト３
の回りに懸回した余裕代を従来の技術に比べて小さくで
きるので、本実施例のようにブーム１の先端部２からの
油圧ホース類６の取出しを先端側からにすることができ
る。

【００１９】こうすることによって、先端部２の上面か
らバケット５のポスト３への取付部下面までの間隔を、
従来の技術のｈから本実施例ではＨに小さくすることが
できる。

【００２０】このことは、バケット５の格納高さを小さ
くでき、特に高所作業機を車両に架装して高所作業車と
した場合に、車両の全高が小さくなって建屋内への進入
が容易になるばかりでなく、車両の重心が下がり走行安
定性の向上に効果が大きいものである。

【００２１】

【考案の効果】以上の如く構成した本考案の高所作業機
の油圧ホースまたは電気ケーブルの支持装置は、簡単な
構成でブームの先端部の適所からバケットの取付け部の
適所までの間にルーズに懸回した油圧ホースや電気ケー
ブルの損傷を防止できるので、安全な作業上たいへん効
果のあるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の高所作業機の油圧ホースまたは電気ケ
ーブルの支持装置の説明図である。

【図２】図１の要部を示す説明図である。

【図３】図１の他の状態を示す説明図である。

【図４】従来の高所作業機の油圧ホースまたは電気ケー
ブルの支持装置の説明図である。

【図５】図４の他の状態を示す説明図である。

【符号の説明】

１ ブーム ２ 先端部 ３ ポスト ５ バケット ６ 油圧ホース類 ８ 支持装置

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ブームの先端部に揺動可能にしブームの
   起伏に係わらず鉛直姿勢を維持するポストを備え、この
   ポストにバケットをポストに直交する面内で旋回自在に
   取付けるとともに、油圧ホースまたは電気ケーブルをブ
   ームの先端部の適所からバケットの取付け部の適所まで
   の間でポストの回りにルーズに懸回し、ブームの先端部
   側からバケット側に油圧源または電源を供給するように
   した高所作業機において、 前記油圧ホースまたは電気ケーブルの略中間位置を支持
   するとともに前記ブームの先端部に揺動可能に取付けら
   れた支持装置を備えたことを特徴とする高所作業機の油
   圧ホースまたは電気ケーブルの支持装置。