JP2595274B2 - 酸化物系超電導体層の形成方法 - Google Patents

酸化物系超電導体層の形成方法

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  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、ジョセフソン素子や超電導IC、さらには
各種超電導応用機器に用いられる部材の作製に適用可能
な酸化物系超電導体層の形成方法に関する。
「従来の技術」 最近に至り、常電導状態から超電導状態へ遷移する臨
界温度(Tc)が液体窒素温度を超える値を示す酸化物系
超電導体が種々発見されている。この種の酸化物系超電
導体は、一般式A−B−Cu−O(ただし、AはY,Sc,La,
Yb,Er,Eu,Ho,Dy等の周期律表III a族元素の1種以上を
示し、BはBe,Mg,Ca,Sr,Ba等の周期律表II a族元素の1
種以上を示す)で示される酸化物であり、液体ヘリウム
で冷却することが必要であった従来の合金系あるいは金
属間化合物系の超電導体と比較して格段に有利な冷却条
件で使用できることから、実用上極めて有望な超電導材
料として研究がなされている。
ところで、このような酸化物系超電導体からなる層を
形成する方法としては、従来スクリーン印刷法や浸漬
法、スパッタリング法などが知られている。
「発明が解決しようとする問題点」 しかしながら、上記の方法にあっては以下に述べるよ
うな不都合がある。
スクリーン印刷法や浸漬法では、複雑な形状の物には
適用が難しく、例えば貫通孔の内面や開口部に十分均一
な超電導体層を形成できないという問題があり、また緻
密な超電導体層が得られ難く、さらに層の厚さを精度良
く調整できないなどの問題もある。
また、スパッタリング法では、十分な層の厚さを得る
ためには長時間を要するなど生産性に劣るという問題が
ある。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、板状の基
材は勿論、表面に凹凸を有する複雑な形状の基材であっ
ても容易に緻密かつ均一な酸化物系超電導層を形成する
ことができる方法の提供を目的とする。
「問題点を解決するための手段」 この発明では、表面に導電性を有する耐酸化性基材を
陰極とし、酸化物系超電導体の粉末あるいは酸化物系超
電導体の前駆体粉末を分散させた電着液中で電気泳動電
着を行い、基材表面に酸化物超電導体を構成する元素を
含む電着層を形成し、その後に酸素雰囲気中で熱処理し
て電着層を酸化物系超電導層とすることを上記問題点の
解決手段とした。
以下、この発明における酸化物系超電導体層の形成方
法の一例を図面を利用して説明する。
第1図および第2図は、本発明の形成方法を基板上に
Y−Ba−Cu−O系の超電導体層を具備する超電導材の製
造方法に適用した場合の一例を説明するためのものであ
る。
この発明により酸化物系超電導体層を形成するには、
まず第1図に示すように少なくとも導電性を有する基板
1を用意する。ここで、基板1としては、耐酸化性の良
好な貴金属、Ti、Ta、Zr、Hf、V、Nb等の単体金属、Cu
−Ni系合金、Cu−Al系合金、Ni−Al系合金、Ti−V系合
金、モネルメタル、ステンレス等の合金、あるいは炭素
材などの導電性材料や、石英ガラス等のガラス、サファ
イア等のセラミックス、各種合成樹脂、ゴム等の非導電
性材料の表面にAgやNiなどの金属被覆を施いて導電性を
付与してなる複合材などが好適に使用される。また、こ
の基板1の形状寸法等は任意とされるが、この例では矩
形状とされる。
次に、この基板1を第1図に示すように電着槽2の電
着液3中に浸漬し、これを陰極として電気泳動法により
電着を行う。ここで、上記電着液3としては、酸化物系
超電導体粉末あるいは酸化物系超電導体の前駆体粉末を
分散媒に分散せしめたものが使用される。そして、上記
酸化物系超電導体とは、一般式A−B−C−D(ただ
し、AはY,Sc,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,T
m,Yb,Luの周期律表第III a族元素のうち1種あるいは2
種以上を表し、BはSr,Ba,Ca,Be,Mg,Raの周期律表第II
a族元素のうち1種あるいは2種以上を表し、CはCu,A
g,Auの周期律表第I b族元素およびNbのうちCuあるいはC
uを含む2種以上を表し、DはO,S,Se,Te,Po等の周期律
表第VI b族元素およびF,Cl,Br,I,At等の周期律表第VII
b族元素のうちOあるいはOを含む2種以上を表す。)
として示されるものである。また、この酸化物系超電導
体の各構成元素の組成は、例えばY−Ba−Cu−O系の場
合、Y:Ba:Cu:O=1:2:3:(7−δ)とされ、δは0≦δ
≦5の範囲とされる。そして、この超電導体の粉末とし
ては、0.1〜50μm程度の粒径のものが用いられ、特に
0.1〜5μm程度の微粉末が、より緻密な電着層が得ら
れることから好適に使用される。また、この超電導粉末
を作製するには、例えば上記Y−Ba−Cu−O系の場合、
まず、Y2O3とBaCO3とCuOの各原料粉末を、Y:Ba:Cu=1:
2:3(モル比)となるように均一に混合して混合粉末と
し、次にこの混合粉末を酸素雰囲気中にて500〜1000℃
で1〜数十時間仮焼して仮焼粉末とし、次いでこの仮焼
粉末に、圧粉成形→加熱→粉砕の一連の操作を1回ある
いは2回以上繰り返し行って、Y1Ba2Cu3Oxの組成からな
る超電導粉末を得る。この場合に、仮焼粉末を作製した
後に行う加熱処理は、酸素雰囲気中、800〜1000℃で1
〜数十時間とするのが望ましい。なお、超電導体粉末の
作製方法は、上記粉末混合法に限定されることなく、共
沈法やゾルゲル法を用いても良い。
また、上記酸化物系超電導体の前駆体粉末としては、
超電導体粉末を得るための中間物質となる上記仮焼粉末
が用いられる。
さらに、上記分散媒としては、アセトンが好適に使用
されるが、他に例えばアセトン−エタノール混液、アセ
トン−キシレン混液などのアセント系混合有機溶媒やキ
シレンなどの有機溶媒が使用される。そして、分散媒中
の超電導体粉末あるいは前駆体粉末の濃度は、分散媒10
0mlに対して0.1g〜20gの範囲とすることが望ましい。こ
の場合に超電導体粉末を、分散媒100mlに対して20gを越
えて配合すると、基材表面に超電導粉末が緻密かつ均一
な状態で電着されなくなり、また配合量を分散媒100ml
に対し0.1g未満とすると、電着効率が悪くなる。
なお、この電着液3中に、後述する電着層の焼結の際
に焼結助剤となる酸化チタン等を超電導体の粉末と共に
分散させておいても良い。
そして、電気泳動法による電着を行うにあたり、電着
槽2の電着液3中に別に用意した陽極4と被処理物とな
る上記基板1との間に電源5より直流電圧を印加する。
この場合に電着操作としては、定電圧法、定電流密度法
のいずれを採用してもよく、定電圧法を採用する場合に
は20V以上の直流電圧を印加し、また定電流密度法を採
用する場合には電流密度を0.05〜5mA/cm2の範囲とす
る。なお、陽極4としては、ステンレス板、鉛板、炭素
電極などの通常の電極材料が使用される。
上記陽極4と陰極としての基板1との間に直流電圧を
印加すると、電着液3中に分散している超電導体粉末あ
るいは前駆体粉末は、プラスに帯電し、陰極である基板
1の表面に電着される。そして、基板1表面には、第2
図に示すように超電導体粉末あるいは前駆体粉末からな
る緻密な電着層6が形成される。そして、所定時間電着
を行い、所望する厚さの電着層6を形成した後、基板1
を引き上げる。
次いで、この引き上げた基板1を熱風によって乾燥
し、表面部分に残留するアセトン等の分散媒(有機溶
媒)を除去する。
その後、この基板1に必要に応じて最終熱処理を施
し、電着層6を焼結して超電導体層7とし、酸化物系超
電導体層を具備した超電導材を得る。この場合に熱処理
の条件としては、電着液3に超電導体粉末を分散させた
場合には酸素雰囲気中にて600〜1000℃で数時間〜数百
時間程度加熱するものとされ、前駆体粉末を分散させた
場合には酸素雰囲気中にて800〜1000℃で数時間〜数百
時間程度加熱するものとされる。そして、この場合に熱
処理後の冷却は、室温まで50〜500℃/時間程度の速度
で徐冷するものとされる。なおここで、徐冷処理の途中
に400〜600℃の温度範囲で所定時間保持する処理を行っ
て、酸化物系超電導体の結晶構造が正方晶から斜方晶に
変態するのを促進するようにしても良い。
このような超電導体層の形成方法によれば、電気泳動
電着により酸化物超電導体粉末あるいは前駆体粉末を電
着し、その後熱処理を施すことにより、基板1の表面に
例えばY−Ba−Cu−O系超電導体からなる緻密な超電導
体層7を均一な状態で生成することができ、よって高臨
界温度(Tc)を呈するなど優れた超電導特性を有する超
電導層6を形成することができる。また、このような方
法によれば、表面が凹凸形状を有するなど複雑な形状の
基板1(基材)上にも、さらに基板端面にも容易に超電
導体層7を形成することができ、かつ電着層6の厚さを
調節することによってこの超電導体層7を所望する厚さ
に正確に調整することができる。さらに、十分な厚さの
超電導体層7を形成することができるとともに、短時間
にてその作製を行うことができる。
なお、上記例えは、基材として矩形状の基板1を用い
たが、基材はこれに限定されることなく、他に例えば筒
状体、線状体、テープ状体など種々の形状のものを使用
することができる。
また、上記例においては、1回の電気泳動電着によっ
て基板1の表面に電着層6を形成したが、2回以上の電
気泳動電着により電着層6を形成するようにしてもよ
い。
「実施例」 以下、この発明を実施例によりさらに具体的に説明す
る。
(実施例1) まず、Y1Ba2Cu3Oxの組成からなる粒径0.5〜10μmの
超電導体粉末を、IPA(イソプロピルアルコール)、エ
タノール、キシレン、アセトンの分散媒中にそれぞれ分
散させて電着液を調整した。ここで、これら電着液は、
それぞれ上記分散媒100mlに対して超電導体粉末を3g分
散せしめたものとした。また、上記超電導体粉末の作製
は以下の方法により行った。
Y2O3BaCO3とCuOを、Y:Ba:Cu=1:2:3(モル比)となる
ように均一に混合し、この混合粉末を酸素雰囲気中にて
800℃で24時間仮焼し、次に圧粉成形処理を施し、次い
でこの成形体を酸素雰囲気中にて900℃で24時間加熱
し、その後粉砕処理を行って粒径を0.5〜10μm程度に
調整し、超電導体粉末とした。
なお、分散媒としての上記有機溶剤には、それぞれ試
薬1級を用いた。
次に、電着有効面積2cm2のジルコニウム金属板を複数
用意し、これを陰極として第1図に示した電着槽に浸漬
し、電気泳動法により電着を行って上記金属板表面に電
着層を形成した。この場合に電気泳動電着の条件として
は、0.05、0.1、0.3、0.5、1.0、1.5kVの直流定電圧を
それぞれに3分間ずつ印加するものとした。
このようにして金属板表面に形成した電着層をそれぞ
れに観察したところ、印加した0.05〜1.5kVの範囲に亙
って以下の第1表に示す結果が得られた。
ただし、表中の◎は十分緻密で均一な電着層であるこ
とを示し、△はやや均一性に劣ることを示し、×は十分
な電着層が得られなかったことを示す。
次いで、アセトンを分散媒として用い、電着層を形成
して得た金属板を、熱風乾燥処理してアセトンを完全に
除去し、その後、酸素雰囲気中にて950℃で2時間加熱
し、室温まで徐冷して上記電着層を超電導体層とした。
得られた超電導体層の臨界温度(Tc)を、各印加電圧
毎に第2表に示す。なお、3分間の電着処理によって得
られた電着層の厚さも合わせて第2表に示した。
第2表に示したように、各印加電圧において臨界温度
90K以上という高い値が得られた。また、3分間の電着
にて十分な厚さの電着層が得られることが確認された。
さらに、この超電導体層を走査型電子顕微鏡写真によ
って観察したところ、従来のスクリーン印刷法や浸漬法
により得た超電導体層に比較して非常に緻密な焼結層が
形成されたことが判明した。
(実施例2) アセトンを分散媒とし、この分散媒100mlに対して超
電導体粉末を5g分散させて電着液を調整し、これを用い
た。ここで、超電導体粉末としては上記実施例1にて使
用したものと同一のものを用いた。また、陽極としてニ
ッケル電極を、陰極として0.5mm厚のニッケル板、0.8mm
厚のアルミナ板、および0.05mm厚の木綿布をそれぞれ用
い、これら電極間にそれぞれ1.0kVの直流定電圧を2分
間印加して電気泳動法により電着を行い、陰極表面にそ
れぞれ電着層を形成した。なお、この場合に上記アルミ
ナおよび木綿布には、電着に先立ち無電解メッキ法にニ
ッケルを2μmの厚さで被覆し、導電性を付与した。
このようにして電着層を形成したそれぞれの試料に、
上記実施例1と同様に熱処理を施し、電着層を超電導体
層とした。得られた超電導体層の厚さは、上記ニッケル
およびアルミナを用いてなる試料においてそれぞれ約14
0μmであった。また、木綿布を用いてなる試料におい
ては、木綿布が焼失して約100μmの超電導体層のみが
残留した。
これら超電導体層の臨界温度を調べたところ、ニッケ
ルを用いてなる試料は92K、アルミナを用いてなる試料
は90K、木綿布を用いてなる試料は85Kをそれぞれ示し
た。
(実施例3) アセトンを分散媒とし、この分散媒100mlに対して超
電導体粉末を10g分散させて電着液を調整し、これを用
いた。この場合の超電導体粉末は、粒径のみが約1〜5
μmで、他は上記実施例1にて使用したものと同一とし
た。また、陽極としてニッケル電極を、陰極として内径
1.0mmの貫通孔を複数有するアルミナ板を用いた。ここ
で、陰極としてのアルミナ板には、予め無電解メッキに
よりニッケルを厚さ2μmで被覆した。
そして、上記電極間にそれぞれ1.0kVの直流定電圧を
3分間印加いて電気泳動法により電着を行い、陰極表面
に電着層を形成した。さらに、この電着層を形成した試
料に、上記実施例1と同様に熱処理を施し、電着層を超
電導体層とした。
このような方法により、アルミナ板上に厚さ約100μ
mの均一な超電導体層が得られた。また、アルミナ板の
貫通孔内面およびその両開口部を観察したところ、いず
れにおいてもワレ等の欠陥が無く、厚さ約100μmで均
一な超電導体層が確認された。
また、この超電導体層の臨界電流密度をアルミナ板の
表面部分で調べたところ、93Kという結果が得られた。
(実施例4) 電着液として上記実施例2と同一のものを用いた。ま
た、陰極として第3図に示した、外径20mm、内径16mm、
長さ200mmのニッケルパイプを用い、1.5kVの定電圧を5
分間印加して電気泳動法による電着を行った。
なお、電着における陽極(対極)にはニッケル板を用
い、これと陰極として用いた上記ニッケルパイプとの面
積比は1:2とした。また、これら電極を電着槽中に配置
するにあたり、陰極としてのニッケルパイプの側面を陽
極としてのニッケル板の一方の面に対向させるようにし
た。
電着処理により電着層を形成した後、ニッケルパイプ
に実施例1と同様の熱処理を施し、電着層を超電導体層
とした。
このようにして形成した超電導体層の厚さおよび臨界
温度を、第3図にA〜Eで示した各測定点でそれぞれ調
べ、その結果を第3表に示した。
なお、比較のため以下に述べる従来の浸漬法により、
上記実施例におけるニッケルパイプと同一のパイプ上に
超電導体層を形成し、上記実施例と同様に超電導体層の
厚さおよび臨界温度を、第3図にA〜Eで示した各測定
点でそれぞれ調べ、第3表に示した。
浸漬法により超電導体層を形成するには、まず先の実
施例1で用いた超電導体粉末と同一のものをパンオイル
100部に対し70部配合添加して浸漬液とし、この浸漬液
にニッケルパイプをその軸方向を鉛直方向に一致させて
浸漬し、1分間浸した後引き上げ、酸素雰囲気中にて95
0℃で2時間仮焼し、さらに、得られる超電導体層の厚
さが100μm程度となるように意図して上記浸漬処理・
仮焼処理をそれぞれ計5回となるよう順次繰り返し、そ
の後本焼成を施した。
なお、第3図中l1で示した寸法は45mmであり、l2で示
した寸法は10mmとした。
ただし、表中の層厚の数値の単位は[μm]、Tc(臨
界温度)の単位は[K]とする。
第3表に示した結果より、本発明の電着法によって得
た超電導体層は、パイプの内・外周面ともにほぼ均一な
厚さとなっていた。また、この超電導体層では、各測定
点における臨界温度も均一であり、従来の浸漬法に比較
しても十分高い値を示した。
「発明の効果」 以上説明したように、この発明の酸化物系超電導体層
の形成方法は、表面に導電性を有する耐酸化性基材を陰
極とし、酸化物系超電導体の粉末、あるいは酸化物系超
電導体の前駆体粉末を分散させた電着液中で電気泳動電
着を行い、基材表面に酸化物系超電導体を構成する元素
を含む電着層を形成し、その後に酸素雰囲気中で熱処理
して電着層を酸化物系超電導層とするから、電気泳動電
着により酸化物超電導体粉末あるいは前駆体粉末を電着
し、その後熱処理を施すことにより、基材の表面に緻密
な酸化物系超電導体層を均一な状態で生成することがで
き、よって高臨界温度(Tc)を呈するなど優れた超電導
特性を有する超電導体層を形成することができる。
また、このような方法によれば、表面が凹凸形状を有
するなど複雑な形状の基材上にも、さらに基板端面にも
容易に超電導体層を形成することができ、かつこの超電
導体層を所望する厚さに正確に調整することができ、よ
って例えばジョセフソン素子の作製やプリント基板にお
ける回路パターンの作製などにも十分適用し得ることが
できる。
さらに、十分な厚さの超電導体層を形成することがで
きるとともに、短時間にてその作製を行うことができ、
よって各種超電導材の生産性を向上せしめることができ
る。
さらにまた、処理工程が簡略で操作上の危険等もな
く、自動化なども容易であり、超電導体粉末などの超電
導材料を容易に回収できるなど多くの優れた利点を有す
る。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図はこの発明における超電導体層の形
成方法の一例を説明するための図であって、第1図は使
用される電着槽の概略構成図、第2図は基板上に電着層
が形成され、さらに焼結されて超電導体層が形成された
状態を示す側断面図、第3図はこの発明の一実施例を示
す図であって、陰極として用いられる基材の概略構成図
である。 1……基板、2……電着槽、3……電着液、 6……電着層、7……超電導体層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河野 宰 東京都江東区木場1丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (72)発明者 池野 義光 東京都江東区木場1丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (72)発明者 定方 伸行 東京都江東区木場1丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (72)発明者 中川 三紀夫 東京都江東区木場1丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (72)発明者 杉本 優 東京都江東区木場1丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−133904(JP,A) 特開 昭64−43921(JP,A) 特開 昭64−41122(JP,A) 特開 昭63−241818(JP,A) 特開 昭64−40305(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に導電性を有する耐酸化性基材を陰極
    とし、酸化物系超電導体の粉末あるいは酸化物系超電導
    体の前駆体粉末を分散させた電着液中で電気泳動電着を
    行い、基材表面に酸化物系超電導体を構成する元素を含
    む電着層を形成し、その後に酸素雰囲気中で熱処理して
    電着層を酸化物系超電導層とすることを特徴とする酸化
    物系超電導体層の形成方法。
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