JP2583934B2 - 酸化物超電導導体の製造方法 - Google Patents

酸化物超電導導体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は超電導マグネットコイルあるいは電力輸送ケ
ーブル用などの目的に使用される酸化物超電導導体の製
造方法に関する。
「従来の技術」 最近に至り、常電導状態から超電導状態に転移する臨
界温度(Tc)が液体窒素温度を超える値を示す酸化物系
の超電導体が種々発見されている。この種の酸化物超電
導体は、一般式A−B−Cu−O(ただしAはY,Sc,La,Y
b,Er,Eu,Ho,Dy等の周期律表III a族元素の1種以上を示
し、BはBe,Mg,Ca,Sr,Ba等の周期律表II a族元素の1種
以上を示す)で示される酸化物であり、液体ヘリウムで
冷却する必要があった従来の合金系あるいは金属間化合
物系の超電導体と比較して格段に有利な冷却条件で使用
できることから実用上極めて有望な超電導材料として研
究がなされている。
ところで従来、このような酸化物系の超電導体を具備
する超電導線の製造方法の一例として、第8図を基に以
下に説明する方法が知られている。
まず、A−B−Cu−Oで示される各元素を含む複数の
原料粉末を混合して混合粉末を作製し、次いでこの混合
粉末を仮焼して不要成分を除去し、この仮焼粉末を熱処
理して超電導粉末とした後に金属管に充填し、更に全体
を縮径して所望の直径の線材を得、この線材に熱処理を
施して第8図に示すように金属管1の内部に超電導体2
が生成された超電導線Aを製造する方法である。
「発明が解決しようとする問題点」 しかしながら前述の従来方法によって製造された超電
導線Aにあっては、超電導粉末を金属管に充填する際
に、各成分を完全に均一には充填できない関係から、均
質な超電導体を生成させることが困難な問題があり、こ
のため臨界電流密度などの超電導特性に優れた超電導線
を得ることができない問題があった。
なお、エレクトロニクス分野あるいは伝送関係の分野
においては、中空ケーブルや同軸ケーブルなどが多数使
用されており、前述の酸化物超電導線をこれらの分野に
適用する場合には、中空構造や同軸構造に対応する必要
がある。ところが、前述の従来方法で説明した如く縮径
加工を行って製造される酸化物超電導線にあっては、中
空部分を残して縮径加工することは困難であり、中空構
造の超電導線は製造不可能な問題がある。
本発明は、前記問題に鑑みてなされたもので、組成が
均一で緻密な超電導体部分を有する中空構造の酸化物超
電導導体の製造方法を提供することを目的とする。
「問題点を解決するための手段」 本発明は、前記問題点を解決するために、A−B−C
−O系(ただしAは、Y,Sc,La,Yb,Er,Eu,Ho,Dy等の周期
律表IIIa族元素の1種以上を示し、Bは、Ca,Sr,Baの
内、1種以上を示し、CはCu,Ag,Auの内、CuあるいはCu
を含む2種以上の元素を示す。)の酸化物超電導体を具
備してなる酸化物超電導導体の製造方法において、有機
体からなる芯線の表面に導電体からなる被覆層を形成し
て被覆線を形成するとともに、この被覆線を陰極とし、
前記酸化物超電導体の粉末または酸化物超電導体の前駆
体粉末を分散させた電着液中で電気泳動電着を行って前
記被覆線の外周に酸化物超電動導体を構成する元素を含
む電着層を形成し、この後に熱処理を施して電着層に酸
化物超電導体を生成させるとともに芯線を熱処理時の加
熱操作により焼失させて中空構造とするものである。
「作用」 超電導粉末または前駆体粉末を分散させた電着液に浸
漬した被覆線に電気泳動電着により電着層を形成し、こ
の電着層に熱処理を施して組成が均一で緻密な超電導体
を生成させる。また、熱処理時の熱を利用して有機体か
らなる芯線を焼失させるために中空構造の超電導導体を
容易に得ることができる。
「実施例」 第1図ないし第6図は、本発明の一実施例を説明する
ためのもので、本発明を実施するには有機体からなる糸
状の第1図に示すような芯線1を用意する。この芯線10
は、ナイロン、ポリエステルなどの合成繊維、または、
木綿などの天然繊維からなるものである。
次にこの芯線10の外周に無電解メッキなどの手法を用
いてNiなどの導電性材料からなる第2図に示す被覆層11
を被覆して被覆線12を形成する。
次いで前記被覆層11に以下に説明する電気泳動電着法
によって第3図に示す電着層13を形成して電着線14を形
成する。
ここで第6図は、本実施例で行う電気泳動法の実施に
使用する装置の一例を示すものであって、図中符号21は
電着槽、22は電着液を示している。
前記電着液22は、A−B−C−D系(ただしAは、S
c,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu等
の周期律表III a族元素の1種以上を示し、BはBe,Mg,C
a,Sr,Ba等の周期律表II a族元素の1種以上を示し、C
はCu,Ag,Au等の周期律表I b族元素の内、CuあるいはCu
を含む2種以上の元素を示し、DはO,S,Se等の周期律表
VI b族元素とF,Cl,Br等の周期律表VII b族元素の内、O
を含む1種以上を示す)の超電導粉末をアセトンなどの
有機溶媒(分散媒)中に分散させたものが使用される。
この分散媒としては、アセトンの他、例えば、キシレ
ン、アセトンエタノール混合液、アセトンキシレン混合
液などの有機溶媒を用いることもできる。なお、分散媒
中の超電導粉末の濃度は、分散媒100mlに対し、0.1〜20
gの範囲とすることが好ましい。超電導粉末の濃度を分
散媒100mlに対し20g以上とすると、被覆層11の表面に超
電導粉末が緻密かつ均一な状態で電着されにくくなり、
また、超電導粉末の濃度を分散媒100mlに対し0.1g以下
とすると電着効率が悪化する。更に、この電着液22に
は、電着層13を後述する如く焼結する際に、焼結助剤と
なる酸化チタンなどを超電導粉末と共に分散させておい
ても良い。
前記超電導粉末は、粒径0.1〜50μm程度のものが使
用され、特に、粒径0.1〜5μ程度の微粉末が好適に使
用される。この超電導粉末を作製するには、周期律表II
a族元素を含む粉末と周期律表III a族元素を含む粉末
と酸化銅粉末を混合した混合粉末を仮焼した後に圧粉成
形し、圧粉体を更に熱処理した焼結体を粉砕して粉末を
得るといった粉末混合法を応用した方法が好適である。
ここで前記周期律表II a族元素を含む粉末とは、II a族
元素の炭素塩粉末、酸化物粉末、塩化物粉末などの化合
物粉末あるいは合金粉末などであり、周期律表III a族
元素を含む粉末とは、III a族元素の炭酸塩粉末、酸化
物粉末、塩化物粉末などの化合物粉末あるいは合金粉末
などである。
なお、具体的にY−Ba−Cu−O系の超電導粉末を製造
する場合には、Y2O3粉末とBaCO3粉末とCuO粉末の各原料
粉末をY:Ba:Cu=1:2:3(モル比)となるように均一に混
合して混合粉末とし、次いでこの混合粉末を酸素雰囲気
中において500〜1000℃で1〜数十時間仮焼して仮焼粉
末とし、次いでこの仮焼粉末に、圧粉成形処理と加熱処
理と粉砕処理とからなる一連を工程を1回あるいは2回
以上繰り返し行ってA−B−C−D系の超電導粉末を作
製する。また、仮焼粉末を成形した後に行う加熱処理は
酸素雰囲気中において800〜1000℃で1〜数十時間とす
ることが好ましい。なおまた、超電導粉末の作成方法
は、前記粉末混合法に限定されることはなく、公知の共
沈法やゾルゲル法を用いても良い。更に、電着液22の中
には、超電導粉末の代わりに、上述の仮焼粉末(前駆体
粉末)を分散させても良いし、仮焼粉末と超電導粉末を
分散させても良い。
第6図に示す電気泳動装置によって複合線12の外面に
電着層13を形成するには、図中矢印で示すように、電着
槽21に収容された電着液22において複合線12を一定速度
で移動させ、この複合線12を陰極とし、電着槽21に設置
された陽極23と前記複合線12との間に直流電圧を印加す
る。この電着操作では、定電圧法、定電流密度法のいず
れでも適用可能であり、定電圧法を用いる場合は20V以
上の電圧を印加することが好ましく、また、定電流密度
法を用いる場合には電流密度を0.05〜5mA/cm2の範囲と
することが好ましい。なお、陰極23としては、ステンレ
ス板、鉛度、炭素電極など通常の電極材料を用いること
ができる。
前記のように、陰極となる被覆線12と陽極23の間に直
流電圧を印加することにより、電着液22中に分散してい
る超電導粉末はプラスに帯電し、陰極である被覆線12の
表面に電着される。そして、被覆線12の表面には超電導
粉末からなる緻密で均一な電着層13が生成され、第3図
に示す電着線14が得られる。
電着層21の内部で所定の厚さの電着層13が生成された
電着線14は第6図の矢印に示すように電着槽21から引き
出され、次いで熱風による乾燥処理を行って表面部分に
在留するアセトンなどの有機溶媒が除去される。
次に、前記電着線14に必要に応じて熱処理を施す。こ
の熱処理は、800〜1000℃で1〜数10時間加熱した後
に、室温まで徐冷することによって行なわれる。なおこ
こで、徐冷処理の途中に400〜600℃の温度範囲に所定時
間保持する処理を行って酸化物超電導体の結晶構造が正
方晶から斜方晶に変態することを促進しても良い。
なお、この熱処理時に、所定速度で移動する電着線14
を連続的に加熱徐冷できるような加熱手段、例えばトン
ネル型の加熱炉などを用い、所定速度で移動する被覆線
12に電気泳動電着→乾燥→熱処理の各処理を連続的に行
うようにしても良い。
この熱処理により、被覆線12の表面に形成された電着
層13は焼結され、この部分に均一な組成の緻密なA−B
−C−D系の超電導層15が生成されるとともに、内部の
芯線10は酸化焼成されて第4図に示すように炭化物16と
なる。これによって電着線14を第5図に示すような中空
の超電導線Bとすることができる。
なお、炭化物16を除去するには、真空引きか圧窄空気
吹き付けなどの手段を行えば良い。
上述の製造方法においては、電気泳動法により形成し
た緻密な電着層13に熱処理を施して超電導層15を生成す
るので、均一で緻密な構造でクラックなどの欠陥部分の
無い超電導層15を生成することができ、高特性の超電導
線Bを製造できる効果がある。なお、電気泳動電着によ
れば、比較的厚い電着層13を短時間で生成できるので、
スパッタリングや蒸着法などの一般の成膜法による超電
導膜の製造に比較して製造時間も短縮することができ
る。また、生成される超電導層15の厚さは電着層13の厚
さを調節することで自由に設定できるために、所望の厚
さの超電導層15を有する超電導線Bを製造することがで
きる。
なお、前述の超電導線Bの表面には、必要に応じて第
7図に示すように被覆層30を形成して超電導線Cとする
ことが好ましい。この被覆層30の材料としては、Ag,Cu,
Al,Ni,Cu−Niなどの金属やエポキシ樹脂などの合成樹脂
が用いられる。
このように被覆層30を形成した超電導線Cにあって
は、被覆層30によって超電導層15が覆われているために
水分などの浸入を阻止することができ、長期間にわたっ
て超電導特性の劣化を防止することができるとともに、
超電導層15の剥離やクラックの発生を防止するので曲げ
などにも強くなる。
なお、前記被覆層30の外面に導電層を形成して更に前
述の電着処理と熱処理を行えば、更に超電導層を形成す
ることができ、同軸構造の超電導線も容易に製造するこ
とができる。
「製造例1」 直径500μm、長さ10mのナイロン製の糸を芯線とし
て、この芯線を直径10cmのリング状に束ね、無電解ニッ
ケルメッキにより芯線の外周に厚さ約2μmの均一な被
覆層を形成した。
また、第6図に示す装置と同等の構成の電気泳動電着
装置を用い、この装置によって前記芯線の周囲にY−Ba
−Cu−O系の超電導体からなる電着層を形成した。この
際用いた超電導粉末は、Y2O3粉末とBaCO3粉末とCuO粉末
をY:Ba:Cu=1:2:3(モル比)の割合となるように均一に
混合し、この混合粉末を酸素雰囲気中において800℃で2
4時間仮焼し、次いで圧粉成形処理を施し、更にこの成
形体を酸素雰囲気中において900℃で24時間加熱し、更
に粉砕処理を行って粒径0.3〜5μmとした超電導粉末
を用いた。そして、電着液としては、アセトン100ml中
に先の超電導粉末5gを分散させたものを用いた。
電気泳動電着の条件は、次のように設定した。
印加電圧 … 直流0.3kVの定電圧印加 電着時間 … 3分間 電着を終えた電着線は、熱風乾燥を行ってアセトンを
完全に除去した後に、加熱炉中に導入し、加熱炉中に純
酸素を20/分の割合で流し続け、890℃で8時間加熱
した後に、室温まで徐冷した。
このようにして製造された超電導線にあっては、外周
に約80μm厚の酸化物超電導層が生成されるとともに、
その内周側に厚さ約1.5μmのNi層が生成されているこ
とを確認できた。なお、ナイロン製の芯線は完全に炭化
して消失していた。このように外径約700μm、長さ10m
のパイプ状の超電導導体を得ることができた。
この超電導導体の特性を測定したところ、 Tc=92K、Jc=50A/cm2、 を示した。
「製造例2」 直径250μm、長さ10mの木綿製の糸を芯線として、こ
の芯線を直径5cmのリング状に束ね、無電解ニッケルメ
ッキにより芯線の外周に厚さ約1μmの均一な被覆層を
形成した。
また、第6図に示す装置と同等の構成の電気泳動電着
装置を用い、この装置によって前記芯線の周囲にY−Ba
−Cu−O系の超電導粉末からなる電着層を形成した。こ
の超電導粉末は、製造例1で行った方法と同等の方法で
製造したものであるが、その粒径を0.1〜3μmとして
ある。なお、電着液としては、アセトン100ml中に先の
超電導粉末3gを分散させたものを用いた。
電気泳動電着の条件は、次のように設定した。
印加電圧 … 直流0.1kVの定電圧印加 電着時間 … 3分間 電着を終えた電着線は、熱風乾燥を行ってアセトンを
完全に除去した後に、加熱炉中に導入し、加熱炉中に純
酸素を20/分の割合で流し続け、890℃で8時間加熱
した後に、室温まで徐冷した。
このようにして製造された超電導線にあっては、外周
に約50μm厚の酸化物超電導層が生成されるとともに、
その内周側に厚さ約1.0μmのニッケル層が生成されて
いることを確認できた。なお、ナイロン製の芯線を除去
するために、中空の超電導層の内部に通風処理を行っ
た。前記芯線は完全に炭化し、パイプに施した通風処理
により完全に消失していた。
この超電導線の特性を測定したところ、 Tc=90K、Jc=40A/cm2、 を発揮した。
「製造例3」 直径98μm、長さ10mのポリエステル製の糸を芯線と
して、この芯線の外周に厚さ約2μmの均一な被覆層を
形成した。
また、第6図に示す装置と同等の構成の電気泳動電着
装置を用い、この装置によって前記芯線の周囲にY−Ba
−Cu−O系の超電導体からなる電着層を形成した。この
超電導粉末は、製造例1で行った方法と同等の方法で製
造されたものであるが、その粒径は0.1〜3μmとして
ある。そして、電着液としては、アセトン100ml中に先
の超電導粉末5gを分散させるとともに、焼結助剤として
SrO3を0.05重量%添加したものを用いた。
電気泳動電着の条件は、次のように設定した。
印加電圧 … 直流lkVの定電圧印加 電着時間 … 1分間 被覆線の移動速度 … 0.5m/分 電着を終えた電着線は、熱風乾燥を行ってアセトンを
完全に除去した後に、加熱炉中に導入し、加熱炉中に純
酸素を20/分の割合で流し続け、950℃で1時間加熱
した後に、室温まで徐冷した。
その後直ちにシリコンワニス浴に浸漬し、可撓性と強
度向上を目的としたエナメル被覆を行った。
このようにして製造された超電導線にあっては、外周
に約40μm厚の酸化物超電導層が生成されるとともに、
その内周側に厚さ約1.5μmのNi層が生成され、超電導
層の外周に厚さ約15μmのシリコン樹脂製の被覆層を確
認できた。なお、ナイロン製の芯線は完全に炭化し、炭
化物が残留していたが、超電導層はパイプ状の超電導導
体となっていた。
この超電導導体の特性を測定したところ、 Tc=90K、Jc=50A/cm2, を発揮した。
「発明の効果」 以上説明したように本発明は、有機体からなる芯線の
表面に導電体からなる被覆層を形成し、この表面に電気
泳動電着により電着層を形成し、更に熱処理することに
よって電着層に超電導体を生成させるとともに、芯線を
焼失させるので、パイプ状の超電導体を有する中空の超
電導導体を容易に製造できる効果がある。また、電気泳
動電着により生成させた組成が均一で緻密な電着層に熱
処理を施して超電導層を生成させるので、均一な組成で
緻密な超電導層を生成させることができる。また、電気
泳動電着によれば電着条件を適宜変更することにより所
望の厚さの電着層を容易に形成できるので、電着層の厚
さに対応した所望の厚さの超電導体を有する中空構造の
超電導導体を得ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第6図は、本発明の一実施例を説明するた
めのもので、第1図は芯線の断面図、第2図は被覆線の
断面図、第3図は電着線の断面図、第4図は電着線を焼
成した後の状態を示す断面図、第5図は超電導線の断面
図、第6図は電着槽の断面図、第7図は超電導線の他の
構造例を示す断面図、第8図は従来例を示す断面斜視図
である。 10……芯線、11……被覆層、12……被覆線、 13……電着層、14……電着線、15……超電導層、 16……炭化物、21……電着槽、22……電着液、 30……被覆層、B,C……超電導線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河野 宰 東京都江東区木場1丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (72)発明者 池野 義光 東京都江東区木場1丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (72)発明者 中川 三紀夫 東京都江東区木場1丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−248020(JP,A) 特開 昭63−241811(JP,A) 特開 昭63−241818(JP,A) 特開 昭64−40305(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】A−B−C−O系 (ただしAは、Y,Sc,La,Yb,Er,Eu,Ho,Dy等の周期律表II
    I a族元素の1種以上を示し、Bは、Ca,Sr,Baの内1種
    以上を示し、CはCu,Ag,Auの内、CuあるいはCuを含む2
    種以上の元素を示す。)の酸化物超電導体を具備してな
    る酸化物超電導導体の製造方法において、 有機体からなる芯線の表面に導電体からなる被覆層を形
    成して被覆線を形成するとともに、この被覆線を陰極と
    し、前記酸化物超電導体の粉末または酸化物超電導体の
    前駆体粉末を分散させた電着液中で電気泳動電着を行っ
    て前記被覆線の外周に酸化物超電導導体を構成する元素
    を含む電着層を形成し、この後に熱処理を施して電着層
    に酸化物超電導体を生成させるとともに芯線を熱処理時
    の加熱操作により焼失させて中空構造とすることを特徴
    とする酸化物超電導導体の製造方法。
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