JP2551624B2 - 酸化物超電導材の製造方法 - Google Patents

酸化物超電導材の製造方法

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  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、磁気浮上列車、核融合炉、単結晶引上装
置、磁気分離装置、医療装置、磁気推進船等に用いられ
る超電導マグネットコイルや電力輸送用等に使用される
超電導線、ジョセフソン素子などの超電導回路材、磁気
シールド等に用いられる酸化物超電導材の製造方法に関
する。
「従来の技術」 最近に至り、常電導状態から超電導状態へ遷移する臨
界温度(Tc)が液体窒素温度を超える値を示す酸化物超
電導体が種々発見されている。この種の酸化物超電導体
は、一般式A−B−Cu−O(ただし、AはY,Sc,La,Yb,E
r,Eu,Ho,Dy等の周期律表III a族元素の1種以上を示
し、BはBe,Mg,Ca,Sr,Ba等の周期律表II a族元素の1種
以上を示す。)で示される酸化物であり、液体ヘリウム
で冷却することが必要であった従来の合金系あるいは金
属間化合物系の超電導体と比較して格段に有利な冷却条
件で使用できることから、実用上極めて有望な超電導材
料として研究がなされている。
ところで従来、金属やセラミックスの基材上に上記酸
化物超電導体からなる厚膜を形成する方法としては、酸
化物超電導粉末にパインオイルなどの適宜な溶剤や有機
バインダーを加えて印刷用材料とし、この印刷用材料を
基材上にスクリーン印刷する方法が考えられている。
また、この印刷用材料と同様に作成した塗装液を基材
表面にスプレー塗装する方法や、この塗装液中に基材を
浸漬して引き上げ、表面に塗装膜を形成する方法が考え
られている。
さらに、スパッタリング法や蒸着法などの薄膜形成方
法を用いて基材の表面に酸化物超電導体層を成膜する方
法が考えられている。
「発明が解決しようとする課題」 しかしながら、上記スクリーン印刷法においては、基
材の形状が平板や円筒などの単純な形状の基材にのみ適
用され、線材やテープを含め複雑な形状の基材に適用さ
せることができない問題があった。また、このスクリー
ン印刷法では、膜厚が200μm以上の超電導厚膜の形成
が困難な問題があった。
また、上記塗装法および浸漬法にあっては、複雑な形
状の基材に適用できない問題があった。また、基材表面
に均一な膜厚の酸化物超電導体を形成できない問題があ
った。さらに、基材表面に塗装層を形成した後、熱処理
を施して塗装層に含まれる酸化物超電導体の焼結を行う
際、塗装層中に含まれるバインダーなどの樹脂の燃焼と
ともに、酸化物超電導体が剥離し易い問題があった。
また、上記スパッタリング法などの薄膜形成方法にお
いては、形成される膜厚が数μm程度であるために、膜
厚が200μm以上の酸化物超電導厚膜の形成が困難な問
題があった。また、真空中などの特定の雰囲気中で成膜
を行うために、基材の大きさが製造装置内に収容可能な
ものに限定され、大面積の基材を適用できない問題があ
った。さらに、成膜速度が低いために、比較的厚い酸化
物超電導層を形成する場合には成膜に長時間を要する問
題があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、基材の
表面に緻密な膜厚状の酸化物超電導体を短時間で形成す
ることができ、臨界電流密度などの超電導特性が優れ、
かつ機械強度が高い酸化物超電導材を効率よく製造する
方法の提供を目的とする。
「課題を解決するための手段」 上記目的を達成するために、本発明の酸化物超電導体
の製造方法においては、A−B−Cu−O系(ただし、A
はY,Sc,La,Yb,Er,Eu,Ho,Dy等の周期律表III a族元素の
1種以上を示し、BはBe,Mg,Ca,Sr,Ba等の周期律表II a
族元素の1種以上を示す。)の酸化物超電導体を具備し
てなる酸化物超電導体の製造方法において、上記酸化物
超電導体の粉末または酸化物超電導体の前駆体粉末をホ
ルムアミド中に分散させた電着液中で、少なくとも表面
部分に導電性を有する基材を陰極として電気泳動電着を
行って、該基材の表面に酸化物超電導体を構成する元素
を含む電着層を形成し、この後熱処理を施すものであ
る。
「作用」 基材の表面に、電気泳動電着により酸化物超電導体の
粉末または酸化物超電導体の前駆体粉末を電着して酸化
物超電導体を構成する元素を含む電着層を形成し、この
後熱処理を施すことにより、基材の表面に緻密な超電導
体層が均一な状態で形成される。
「実施例」 第1図ないし第4図は、本発明の製造方法をY−Ba−
Cu−O系超電導材の製造方法に適用した例を説明するた
めの図である。この例による超電導材の製造方法では、
まず丸線状の基材1を、電着槽2内の電着液3中に浸漬
し、電気泳動電着を行ってその表面に電着層4を系し、
超電導素材5を作成する。
この例において使用される基材1としては、融点800
℃以上でかつ耐酸化性の良好な、貴金属、Ti、Ta、Zr、
Hf、V、Nb、W、Cu等の単体金属やCu−Ni合金、Cu−Al
系合金、Ni−Al系合金、Ti−V系合金、モネルメタル、
ステンレス、クロメル、アロメル、カンタンなどの金属
基材や、石英ガラス、ジルコニア(YSZを含む)、アル
ミナ(サファイアも含む)、チタン酸ストロンチウムな
どのチタン酸化合物、マグネシア、酸化チタン等のセラ
ミック基材の表面に、無電解メッキ法、スパッタリング
法、イオンプレーティング法、真空蒸着法などの薄膜形
成手段を用いてAg、Ni、Cuなどの金属被覆を施した基材
が好適に使用される。
上記電着液3には、Y1Ba2Cu3O7-Xなる組成比の超電導
粉末を、分散媒としてのホルムアミドに分散させたもの
が使用されている。分散媒1中に含まれる超電導粉末
の濃度は、1〜500gの範囲とすることが望ましい。超電
導粉末の濃度を500g/以上とすると、基材表面に超電
導粉末が緻密かつ均一な状態で電着されなくなり、また
超電導粉末の濃度を1g/以下とする電着効率が悪くな
る。また分散媒中に超電導粉末を分散させるには、超音
波攪拌を行うことが望ましく、更に分散媒中に少量の
水、ゼラチン、デンプン、電解質などを添加して攪拌操
作を行っても良い。そして、分散媒として用いるホルム
アミドには、不純物としての水の混入は避ける必要があ
り、例えば水分量が1Vol.%以上になると、超電導粉末
の凝集が起こり、分散媒中に超電導粉末を均一に分散さ
せることができなくなるなどの不都合を生じる。なお、
電着液3には、必要に応じて酸化チタン等の酸化物超電
導体の焼結助剤となる材料が添加される。
この超電導粉末は、粒径50μm以下のものが使用さ
れ、特に粉末粒子の沈降を防止し、均一に分散させるた
めに粒径30μm以下の粉末が好適に使用される。この超
電導粉末を作成する方法としては、例えば、Y2O3と、Ba
CO3と、CuOの各原料粉末を、Y:Ba:Cu=1:2:3(モル比)
となるように均一に混合して混合粉末とし、次いでこの
混合粉末を大気中あるいは酸素雰囲気中、500〜1000℃
で1〜数十時間仮焼して仮焼粉末とし、次いでこの仮焼
粉末に、圧粉成形→加熱→粉砕の一連の操作を1回ある
いは2回以上操り返し行って、Y−Ba−Cu−O系超電導
粉末を作成する粉末混合法が好適である。この仮焼粉末
成形後に行う加熱は、酸素雰囲気中、800〜1000℃で1
〜数十時間とするのが望ましい。また粉砕処理は自動乳
鉢、ボールミルなど一般の粉砕処理装置を用いて行うこ
とができ、更にホルムアミドを加えてボールミル粉砕を
行う湿式粉砕処理を用いても良い。なお、超電導粉末の
作成方法は上記粉末混合法に限定されることなく、共沈
法やゾルゲル法を用いても良い。また、電着液3中の超
電導粉末の代わりに、上述の仮焼粉末を用いても良い。
そして、第1図に示す電気泳動装置によって基材1の
表面に電着層4を形成するには、基材1を電着液3内に
浸漬するとともに、この基材1を陰極とし、この基材1
と電着槽2内に配設された陽極6との間に電圧を印加す
る。この電気泳動電着では定電圧法、定電流法のいずれ
も可能であり、さらに電流波形は直流の他、基材1が一
時的にせよ陰極となるようなパルス、交直重畳、断続な
どの電流波形とすることが可能である。定電圧法を用い
る場合には、1V以上の電圧を印加すれば良く、また定電
流法を用いる場合には、電流密度を0.1〜500μA/cm2
範囲とするのが望ましい。なお、陽極6としては、白金
板、ステンレス板、炭素電極など通常の電極材料を使用
することができる。
上記のように、陰極となる基材1と陽極6間に電圧を
印加することにより、電着液3中に分散している超電導
粉末はプラスに帯電し、陰極である基材1の表面に電着
される。そして基材1の表面には超電導粉末からなる緻
密な電着層4が形成され、第2図に示す超電導素材5と
なる。電着槽2内で所定の厚さの電着層4が形成された
超電導素材5は、電着層2から引き上げられ、次いで熱
風による乾燥処理を行って、表面部分に残留するホムル
アミドを除去する。
次に、この超電導素材5に熱処理を施す。この熱処理
は、超電導素材5に大気中あるいは酸素雰囲気中、800
〜1000℃で数十分〜数十時間加熱した後、室温まで冷却
することによって行われる。なおここで、徐冷処理の途
中に400〜600℃の温度範囲で所定時間保持する処理を行
って、酸化物超電導体の結晶構造が正方晶から斜方晶に
変態するのを促進するようにしても良い。
この熱処理により、基材1の表面に形成された電着層
4は、焼結されてこの部分にY1Ba2Cu3−O7なる組成
比の超電導体層7が形成される。以上の各操作により、
第3図に示すように基材1の表面に超電導体層7が形成
された超電導材Aが得られる。
そして、このようにして得られた超電導材Aの表面に
は、必要に応じて被覆層8が形成される。この被覆層8
の材料としてはAg、Cu、Al、Ni、Cu−Niなどの金属やポ
リエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、
ポリアミドイミドなどの合成樹脂が好適に用いられる。
超電導体層7の表面に被覆層8が形成された第4図に示
す超電導材Bは、被覆層8により超電導体層7が保護さ
れて、長期にわたって超電導特性の劣化を防止すること
ができるとともに、超電導体層7の剥離やクラックの発
生を防いで、機械強度の高いものとなる。
上述の超電導材Aの製造方法では、基材1の表面に、
電気泳動電着によりY1Ba2Cu3−O7なる組成比の酸化
物超電導粉末を電着して緻密な電着層4を形成し、この
後熱処理を施すことにより、基材1の表面に緻密な超電
導体層7を生成することができるので、超電導体層7に
亀裂などの不良を生じることがなく、高臨界電流密度
(Jc)を有する高性能の超電導材Aを製造することがで
きる。
また、上述の超電導材Aは、基材1の表面に、電気泳
導電着により緻密な電着層4を形成し、この後熱処理を
施して超電導体層7を生成するので、超電導体層7は基
材1に対して密着性が良好となり、可撓性に優れ、機械
強度の高い超電導材Aを製造することができる。
さらに、基材1の表面に、電気泳動電着で超電導粉末
からなる電着層4を形成するので、超電導体層7の厚さ
を正確に制御することができる。
また、電気泳動電着によって電着層4を形成するの
で、200μm以上の比較的厚い電着層4を短時間の電着
操作で形成することができ、超電導材Aの製造効率を向
上させることができる。
また、基材1の表面に厚い電着層4を形成すれば、熱
処理の際に基材1中の元素が超電導体層7中に浸透して
も、この不純元素の混入により超電導特性が劣化してし
まう部分の割合を小さくすることができ、したがって高
性能の超電導材Aを製造することができる。
なお、先の例では、基材として丸線状の基材1を用い
たが、基材の形状はこれに限定されることなく、板状、
箔状、柱状、リボン状、凹凸部や孔を有する複雑形状な
ど種々の形状の基材を使用することができる。本発明に
よる製造方法では、電気泳動電着により基材表面に超電
導粉末からなる緻密な電着層4を形成するので、つき回
り性が良く、基材表面に凹凸があっても、この凹凸に沿
って均一な厚さの電着層4が形成される。
また、基材としてセラミックス基材を用いる場合に
は、その表面に金属被膜を施す代わりにスクリーン印刷
法により導電性ペーストを印刷塗布し、これを焼結させ
るなどの方法により、セラミックス基材の表面に導電性
塗装を施したものを用いても良い。さらにまた、上記金
属被覆や導電性塗装などの導電性表面処理は基材の全面
に施される他、例えば回路基板や電磁シールドなどを作
成する場合には、通常のマスキング法等を用いて導電性
部分のみに導電性表面処理を施して回路パターンを作成
し、この回路パターン上に超電導体層を形成しても良
い。
また、超電導素材5を焼結する際に、基材を燃焼消滅
させたり、溶融流出させることにより超電導体部分のみ
を残す用途に適用させるために、低融点金属や、高分子
有機物からなる糸やシートなどの種々の成形物の導電性
表面処理を施したものを基材に用いても良い。
次に、本発明の製造方法を長尺のY−Ba−Cu−O超電
導線材の製造方法に適用させた例を説明する。
第5図は超電導線材の製造に好適に使用される電気泳
動装置の例を示す図であって、符号11は基材として用い
る線材、12は電着槽である。なお、この電着槽12内には
先の例で用いたものと同様の電着液3が収容されてい
る。この例による超電導線材の製造方法では、まず線材
1を、電着槽12に収容された電着液3中を連続的に通過
させつつ電気泳動電着を行って、その表面に電着層を形
成し、超電導素線13を作成する。
この例において好適に使用される線材11としては、先
の例と同様の融点800℃以上でかつ耐酸化性の良好な金
属材料で作られた金属線材、石英ガラス、サファイアな
どのセラミックスファイバーの表面にAgなどの金属被覆
を施した複合線材、炭素繊維等が好適に使用される。
そして、第5図に示す電気泳動装置によって線材11の
表面に電着層を形成するには、線材11を図中矢印で示す
ように電着槽12に収容された電着液3中を一定の速度で
移動させつつ、この線材11を陰極として、この線材11の
電着槽12内に配設された陽極14との間に電圧を印加す
る。この電圧の印加条件は先の例と同様に、定電圧法、
定電流法のいずれも可能であり、さらに電流波形は直流
の他、パルス、交直重畳、断続などに設定することがで
きる。また、陽極14は、先の例で用いた陽極6と同様の
ものを使用することができる。また、電着液3中の超電
導粉末の濃度は電着操作の進行にともなって低下してく
るため、電着操作の進行にともなって、電着槽12中の電
着液3に超電導粉末を直接供給するか、所定濃度の電着
液3を供給するのが望ましい。
電着槽12内で所定の厚さの電着槽が形成された超電導
素線13は、第5図の図中矢印で示すように電着槽12から
引き出され、次いで熱風による乾燥処理を行って、表面
部分に残留するホルムアミドを除去する。
次に、この超電導素線13に熱処理を施す。この熱処理
は、先の例と同様に、酸素雰囲気中、800〜1000℃で数
十分〜数十時間加熱した後、室温まで徐冷する条件に設
定するのが望ましい。
なお、この熱処理時に、所定速度で移動する超電導素
線13を連続的に加熱、徐冷できるような加熱手段、例え
ば長尺のトンネル形の加熱炉などを用いても良く、さら
にこのような加熱炉を上述の電気泳動装置と組み合わせ
て、線材11に電気泳動電着→乾燥→熱処理の各処理を連
続的に施すように構成しても良い。
以上の各処理により、線材11の表面に、Y1−Ba2Cu3O7
なる組成比の緻密な超電導体層が形成された長尺の
超電導線材が製造される。なお、得られた超電導線材の
表面には、先の例と同様に被覆層を形成しても良い。
この例による超電導線材の製造方法は、先の例による
超電導材の製造方法とほぼ同様の効果が得られる他、線
材11の表面に電着層を形成し、この後熱処理を施す一連
の操作を連続的に実施することが容易であり、長尺の長
電導線材の製造を自動化することができ、超電導線材の
製造効率を向上させることができる。
なお、上述の各例では、超電導体としてY−Ba−Cu−
O系超電導体を用いたが、本発明方法はこれに限定され
ることなく、例えばYの代わりにSc,La,Yb,Er,Eu,Ho,Dy
等のY以外の周期律表III a族元素の1種以上を用い、
またBaの代わりにBe,Mg,Ca,Sr等のBa以外の周期律表II
a族元素の1種以上を用いても良い。
また、上述の各例では、1回の電気泳動電着操作によ
り電着層を形成したが、この電気泳動電着操作は2回以
上繰り返し行っても良い。
(実験例) Y2O3と、BaCO3と、CuOの各原料粉末を、Y:Ba:Cu=1:
2:3(モル比)となるように均一に混合して混合粉末と
し、次いでこの混合粉末を酸素気流中、900℃で24時間
仮焼して仮焼粉末とし、更にこの仮焼粉末を酸素気流
中、950℃で24時間加熱した後、ボールミルによる粉砕
処理を行って、Y1Ba2Cu3O7なる組成比の超電導粉末
を作成した。得られた超電導粉末の平均粒径は8.5μm
であった。
次いで、この超電導粉末を50g/となるようにホルム
アミド中に加え、超音波攪拌を行って超電導粉末を均一
に分散させて電着液とした。
この電着液500mlを第1図に示すものと同等構成の電
気泳動装置の電着槽(容量600ml)内に入れ、この電着
液中に陽極とするステンレス板(SUS 304、厚さ1mm、幅
50mm、長さ100mm)と基材を浸漬し、ステンレス板(陽
極)と基材(陰極)との間に定電流300μA/cm2を通電す
ることによって電気泳動電着を行った。基材としては、
Zr、Ni、Tiの各金属を材料とする外径1mm、長さ5cmの丸
線材を用意し、使用前にエタノール中で超音波洗浄を施
して用いた。また、電解時間は、各試料毎に1、2、
5、10分間の4通りで行った。
電気泳動電着を終了した後、各々の基材を200℃で10
分間熱風乾燥し、さらに酸素気流中において950℃で2
時間加熱し、その後−400℃/時間で室温まで徐冷して
超電導材を得た。
このようにして得た超電導材の膜厚を顕微鏡を用いて
測定し、さらにこれら超電導材の臨界温度(Tc)を4端
子法で測定した。
これらの測定結果を表1に示す。
表1に示すように、基材として用いたZr、Ni、Tiの各
金属材料による差はほとんど認められず、いずれも高い
臨界温度を示す超電導体層を形成することができた。ま
た、各基材ともに、電解時間の増加に伴って電着層の膜
厚も増加することが確認された。さらに、得られた各超
電導材においては、超電導体層の剥離やクラック発生は
認められなかった。
「発明の効果」 以上説明したように、発明による酸化物超電導材の製
造方法では、基材の表面に、電気泳動電着により酸化物
超電導粉末を電着して緻密な電着層を形成し、この後熱
処理を施すことにより、基材の表面に緻密な超電導体層
を生成することができるので、超電導体層に亀裂などの
不良を生じることがなく、高臨界電流密度(Jc)を有す
る高性能の酸化物超電導材を製造することができる。
また、基材の表面に、電気泳動電着により緻密な電着
層を形成し、この後熱処理を施して超電導体層を生成す
るので、超電導体層は基材に対して密着性が良好とな
り、可撓性に優れ、機械強度の高い超電導材を製造する
ことができる。
さらに、基材の表面に、電気泳動電着で超電導粉末か
らなる電着層を形成するので、超電導体層の厚さを正確
に制御することができる。
また、電気泳動電着によって電着層を形成するので、
比較的厚い電着層を短時間の電着操作で形成することが
でき、超電導材の製造効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第4図は本発明の酸化物超電導材製造方法
の1例を説明するためのものであって、第1図は電気泳
動装置の概略構成図、第2図は超電導素材の断面図、第
3図は超電導材の断面図、第4図は第4図に示す超電導
材に被覆を施した超電導材の断面図、第5図は本発明の
酸化物超電導材の製造方法により超電導線材を製造する
に好適に使用される電気泳動装置の概略構成図である。 1……基材、3……電着液、4……電着層、 A……超電導材、11……線材(基材)。
フロントページの続き (72)発明者 河野 宰 東京都江東区木場1丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (72)発明者 池野 義光 東京都江東区木場1丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (72)発明者 中川 三紀夫 東京都江東区木場1丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−60548(JP,A) 特開 昭59−212753(JP,A) 特開 昭59−126236(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】A−B−Cu−O系 (ただし、AはY,Sc,La,Yb,Er,Eu,Ho,Dy等の周期律表II
    I a族元素の1種以上を示し、BはBe,Mg,Ca,Sr,Ba等の
    周期律表II a族元素の1種以上を示す。) の酸化物超電導体を具備してなる酸化物超電導材の製造
    方法において、 上記酸化物超電導体の粉末または酸化物超電導体の前駆
    体粉末をホルムアミド中に分散させた電着液中で、少な
    くとも表面部分に導電性を有する基材を陰極として電気
    泳動電着を行って、該基材の表面に酸化物超電導体を構
    成する元素を含む電着層を形成し、この後熱処理を施す
    ことを特徴とする酸化物超電導材の製造方法。
JP63080450A 1988-04-01 1988-04-01 酸化物超電導材の製造方法 Expired - Lifetime JP2551624B2 (ja)

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