JPH01246395A - 酸化物超電導材の製造方法 - Google Patents

酸化物超電導材の製造方法

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JPH01246395A
JPH01246395A JP63071438A JP7143888A JPH01246395A JP H01246395 A JPH01246395 A JP H01246395A JP 63071438 A JP63071438 A JP 63071438A JP 7143888 A JP7143888 A JP 7143888A JP H01246395 A JPH01246395 A JP H01246395A
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superconducting
electrodeposition
powder
layer
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JP63071438A
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English (en)
Inventor
Koichi Saruwatari
猿渡 光一
Seiju Maejima
正受 前嶋
Yutaka Osanai
裕 小山内
Tsukasa Kono
河野 宰
Yoshimitsu Ikeno
池野 義光
Mikio Nakagawa
中川 三紀夫
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Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、磁気浮上列車、核融合炉、単結晶引上装置、
磁気分離装置、医療装置、磁気推進船等に用いられる超
電導マグネットコイルや電力輸送用等に使用される超電
導線、ジョセフソン素子などの超電導回路材、磁気ンー
ルド等に用いられる酸化物超電導材の製造方法に関する
「従来の技術」 最近に至り、常電導状態から超電導状態へ遷移する臨界
温度(T c)が液体窒素温度を超える値を示す酸化物
超電導体が種々発見されている。この種の酸化物超電導
体は、一般式A −B −Cu−0(ただし、AはY、
Sc、La、Yb、Er、Eu、Ho、D’y等の周期
律表IIIa族元素の1種以上を示し、BはBe。
Mg、Ca、Br、Ba等の周期律表IIa族元素の1
種以上を示す)で示される酸化物であり、液体ヘリウム
で冷却することが必要であった従来の合金系あるいは金
属間化合物系の超電導体と比較して格段に存fすな冷却
条件で使用できることから、実用上極めて有望な超電導
材料として研究がなされている。
ところで従来、金属やセラミックスの基材上に」二記酸
化物超電導体からなる厚膜を形成する方法としては、酸
化物超電導粉末にパインオイルなどの適宜な溶剤や有機
バインダーを加えて印刷用材料とし、この印刷用材料を
基材上にスクリーン印刷する方法が考えられている。
また、この印1ii+1用材料と同様に作成した塗装液
を基材表面にスプレー塗装する方法や、この塗装液中に
基材を浸漬して引き上げ、表面に塗装膜を形成する方法
が考えられている。
さらに、スパッタリング法やPVD法などの薄膜形成方
法を用いて基材の表面に酸化物超電導体層を成膜する方
法が考えられている。
「発明が解決しようとする課題」 しかしながら、上記スクリーン印刷法においては、基材
の形状が平板や円筒などの単純な形状の基材にのみ適用
され、線材やテープを含め;夏雑な形状の基材に適用さ
せることができない問題があった。また、このスクリー
ン印刷法では、膜厚が200μm以上の超電導厚膜の形
成が困難な間層かあった。
また、上記塗装法および浸漬法にあっては、複雑な形状
の基材に適用できない問題があった。また、基材表面に
均一な膜厚の酸化物超電導体を形成できない問題があっ
た。さらに、基材表面に塗装層を形成した後、熱処理を
施して塗装層に含まれる酸化物超電導体の焼結を行う際
、塗装層中に含まれるバインダーなどの樹脂の燃焼とと
もに、酸化物超電導体が剥離し易い間層かあった。
また、上記スパッタリング法などの薄膜形成方法におい
ては、形成される膜厚が数μm程度であるために、膜厚
が200μm以上の酸化物超電導厚膜の形成が困難な問
題があった。また、真空中などの特定の雰囲気中で成膜
を行うために、基材の大きさが製造装置内に収容可能な
ものに限定され、大面積の基材に適用できない問題があ
った。
さらに、成膜速度が低いために、比較的厚い酸化物超電
導層を形成する場合には成膜に長時間を要する問題があ
った。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、基材の表
面に緻密な厚膜状の酸化物超電導体を短時間で形成する
ことができ、臨界電流密度などの超電導特性が浸れ、か
つ機械強度が高い酸化物超電導材を効率よく製造する方
法の提供を目的とする。
「問題点を解決するための手段」 上記目的を達成するために、本発明の酸化物超電導体の
製造方法においては、A −B −Cu−0系(ただし
、AはY、Sc、La、Yb、Er、Eu、Ho、Dy
等の周期律表ma族元素の11以上を示し、BはBe、
Mg、Ca、Br、Ba等の周期律表IIa族元素の1
種以上を示す。)の酸化物超電導体を具備してなる酸化
物超電導材の製造方法において、上記酸化物超電導体の
粉末または酸化物超電導体の前駆体粉末をジエチルケト
ン中に分散させた電着液中で、少なくとも表面部分に導
電性を有する基材を陽極として電気泳動電着を行って、
該基材の表面に酸化物超電導体を構成する元素を含む電
着層を形成し、この後熱処理を施すものである。
また、上記ジエチルケトンに代えてジプロピルケトンを
用いても良い。
「作用」 基材の表面に、電気泳動電着により酸化物超電導体の粉
末または酸化物超電導体の前駆体粉末を電着して酸化物
超電導体を構成する元素を含む電着層を形成し、この後
熱処理を施すことにより、基材の表面に緻密な超電導体
層が均一な状態で形成される。
「実施例」 第1図ないし第4図は、本発明の製造方法をY−B a
−Cu−0系超電導材の製造方法に適用した例を説明す
るための図である。この例による超電導材の製造方法で
は、まず丸線状の基材lを、電着槽2に収容された電着
液3中に挿入し、電気泳動電着を行って、その表面に電
着層4を形成して超電導素材5を作成する。
この例において使用される基材1としては、融点800
℃以上でかつ耐酸化性の良好な、貴金属、Ti%Ta、
Zr、Hf、VSNbSWSCu等の単体金属やCu−
N i合金、Cu−A I系合金、N i−A I系合
金、Ti−y系合金、モネルメタル、ステンレス、クロ
メル、アロメル、カンタルなどの金属基材や、石英ガラ
ス、ノルコニア(YSZら含む)、アルミナ(サファイ
アら含む)、チタン酸ストロンチウムなどのチタン酸化
合物、マグネシア、酸化チタン等のセラミックス基材の
表面に、無電解メツキ法、スパッタリング法、イオンブ
レーティング法、真空蒸着法などの薄膜形成手段を用い
てA gs N i、Cuなどの金属被覆を施した基材
が好適に使用される。
上記電着液3は、Y +B atc u+o ?−Xな
る組成比の超電導粉末を、ジエチルケトンまたはジプロ
ピルケトンのいずれか一方の分散媒に分散させたものが
使用される。分散媒l12中に含まれる超電導粉末の濃
度は、1〜5009の範囲とすることが望ましい。超電
導粉末の濃度を501/(以上とすると、基材表面に超
電導粉末が緻密かつ均一な状態で電着されなくなり、ま
た超電導粉末の濃度をIg、Q以下とすると電着効率が
悪くなる。また分散媒中に超電導粉末を分散させるには
、超音波撹拌を行うことが望ましく、更に分散媒中に少
量の水、ゼラチン、デンプン、電解質などを添加して撹
拌操作を行ってら良い。このとき、分散媒として用いる
ジエチルケトンまたはジプロピルケトン中に含まれる水
分量はl vol、%以下に設定する必要がある。該分
散媒中の水分量が1 vol、%以下であると、水の電
解によるガスの発生が起こらず、また超電導粉末の分散
状態も良好となる。水分量が1vo1.%以上であると
、超電導粉末の凝集が起こり、分散媒中に超電導粉末を
均一に分散させることができなくなる。なお、電着液3
には、必要に応じて酸化チタン等の酸化物超電導体の焼
結助剤となる材料が添加される。
この超電導粉末は、粒径50μm以下のものが使用され
、特に粉末粒子の沈降を防止し、均一に分散させるため
に粒径30μ−以下の粉末が好適に使用される。この超
電導粉末を作成する方法としては、例えば、Y、0.と
、B a COsと、CuOの各原料粉末を、Y :B
a:Cu= 1 :2 :3 (モル比)となるように
均一に混合して混合粉末とし、次いでこの混合粉末を大
気中あるいは酸素雰囲気中、500〜1000℃で1〜
数十時間仮焼して仮焼粉末とし、次いでこの仮焼粉末に
、圧粉成形−加熱−粉砕の一連の操作を1回あるいは2
回以上繰り返し行って、Y −B a−Cu−0系超電
導粉末を作成する粉末混合法が好適である。この仮焼粉
末成形後に行う加熱は、酸素雰囲気中、800−100
0℃で1〜数十時間とするのが望ましい。また粉砕処理
は自動乳鉢、ボールミルなど一般の粉砕処理装置を用い
て行うことができ、更にジエチルケトンまたはジプロピ
ルケトンを加えてボールミル粉砕を行う湿式粉砕処理を
用いても良い。なお、超電導粉末の作成方法は上記粉末
混合法に限定されることなく、共沈法やゾルゲル法を用
いても良い。また、電着液3中の超電導粉末の代わりに
、上述の仮焼粉末を用いても良い。
そして、第1図に示す電気泳動装置によって基材lの表
面に電着層4を形成するには、基材Iを電着液3内に挿
入するとともに、この基材!を陽極とし、この基材lと
電着槽2内に配設された陰極6との間に電圧を印加する
。この電気泳動電着では定電圧法、定電流法のいずれも
可能であり、さらに電流波形は直流の他、基材lが一時
的にせよ陽極となるようなパルス、交直重畳、断続など
の電流波形とすることが可能である。定電圧法を用いる
場合には17以上の電圧を印加すれば良く、また定電流
密度法を用いる場合には電流密度を0.1〜500μA
/cm″の範囲とするのが望ましい。なお、陰極6とし
ては、白金板、ステンレス板、炭素電極など通常の電極
材料を使用することができる。またこの陰極6の表面積
は、基材lの表面積よりも大きくすることが望ましい。
上記のように、陽極となる基材■と陰極6間に電圧を印
加することにより、電着液3中に分散している超電導粉
末はマイナスに帯電し、陽極である基材1の表面に電着
される。そし7て基材1の表面には超電導粉末からなる
緻密な電着層4が形成され、第2図に示す超電導素材5
となる。電着槽2内で所定の厚さの電着層4が形成され
た超電導素材5は、電着槽2から引き上げられ、次いで
熱風による乾燥処理を行って、表面部分に残留するノエ
チルケトンまたはジプロピルケトンを除去する。
次に、この超電導素材5に熱処理を施す。この熱処理は
、超電導素材5を大気中あるいは酸素雰囲気中、800
〜1000℃で数十分〜数十時間加熱した後、室温まで
徐冷することによって行われる。なおここで、徐冷処理
の途中に400〜600℃の温度範囲で所定時間保持す
る処理を行って、酸化物超電導体の結晶構造が正方晶か
ら斜方晶に変態するのを促進するようにしても良い。
この熱処理により、基材Iの表面に形成された電着層4
は焼結され、この部分に Y IB at CLi2O
2−Xなる組成比の超電導体層7が形成される。
以上の各操作により、第3図に示すように基材lの表面
に超電導体層7が形成された超電導材Aが得られる。
そして、このようにして得られた超電導材Aの表面には
、必要に応じて被覆層8が形成される。
この被覆層8の材料としてはAg5CusA1、Ni。
Cu−N iなどの金属やポリエステル、ポリウレタン
、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミドなどの合
成樹脂が好適に用いられる。超電導体層7の表面に被覆
層8が形成された第4図に示す超電導材Bは、被覆層8
により超電導体層7が保護されて、長期にわたって超電
導特性の劣化を防止することができるとともに、超電導
体層7の剥離やクラックの発生を防いで、機械強度の高
いものとなる。
上述の超電導材Aの製造方法では、基材1の表面に、電
気泳動電着によりY + B at Cus O7−X
なる組成比の酸化物超電導粉末を電着して緻密な電着層
4を形成し、この後熱処理を施すことにより、基材lの
表面に緻密な超電導体層7を生成することができるので
、超電導体層7に亀裂などの不良を生じることがなく、
高臨界電流密度(Jc)を有゛する高性能の超電導材A
を製造することができる。
また、上述の超電導材Aは、基材1の表面に、電気泳動
電着により緻密な電着層4を形成し、この後熱処理を施
して超電導体層7を生成するので、超電導体層7は基材
蓋に対して密着性が良好となり、可撓性に優れ、機械強
度の高い超電導材Aを製造することができる。
さらに、基材Iの表面に、電気泳動電着で超電導粉末か
らなる電着層4を形成するので、超電導体層7の厚さを
正確に制御することができる。
また、電気泳動電着によって電着層4を形成するので、
200μ−以上の比較的厚い電着層4を短時間の電着操
作で形成することができ、超電導材Aの製造効率を向上
させることができる。
また、基材!の表面に厚い電着層4を形成すれば、熱処
理の際に基材1中の元素が超電導体層7中に浸透しても
、この不純元素の混入により超電導特性が劣化してしま
う部分の割合を小さくすることができ、したがって高性
能の超電導材Aを製造することができる。
なお、先の例では、基材として丸線状の基材Iを用いた
が、基材の形状はこれに限定されることなく、板状、箔
状、柱状、リボン状、凹凸部や孔を有する複雑形状など
種々の形状の基材を使用することができる。本発明によ
る製造方法では、電気泳動電着により基材表面に超電導
粉末からなる緻密な電着層4を形成するので、つき回り
性が良く、基材表面に凹凸があっても、この凹凸に沿っ
て均一な厚さの電着層4が形成される。
また、基材としてセラミックス基材を用いる場合には、
その表面に金属被覆を施す代わりにスクリーン印刷法に
より導電性ペーストを印刷塗布し、これを焼結させるな
どの方法により、セラミックス基材の表面に導電性塗装
を施したものを用いても良い。さらにまた、上記金属被
覆や導電性塗装などの導電性表面処理は基材の全面に施
される他、例えば回路基板や電磁シールドなどを作成す
る場合には、通常のマスキング法等を用いて導電性部分
のみに導電性表面処理を施して回路パターンを形成し、
この回路パターン上に超電導体層を形成しても良い。
また、超電導素材5を焼結する際に、基材を燃焼消滅さ
せたり、溶融流出させることにより超電導体部分のみを
残す用途に適用させるために、低融点金属や、高分子有
機物からなる糸やシートなどの種々の成形物に導電性表
面処理を施したものを基材に用いても良い。
次に、本発明の製造方法を長尺のY −B a−Cu−
O超電導線材の製造方法に適用させた例を説明する。
第5図は超電導線材の製造に好適に使用される電気泳動
装置の例を示す図であって、符号11は基材として用い
る線材、12は電着槽である。なお、この電着槽12内
には先の例で用いたものと同様の電着液3が収容されて
いる。この例による超電導線材の製造方法では、まず線
材lを、電着槽■2に収容された電着液3中を連続的に
通過させつつ電気泳動電着を行って、その表面に電着層
を形成し、超電導素線13を作成する。
この例において好適に使用される線材11としては、先
の例と同様の融点800℃以上でかつ耐酸化性の良好な
金属材料で作られた金属線材、石英ガラス、サファイア
などのセラミックスファイバーの表面にAgなどの金属
被覆を施した複合線材、炭素繊維等が好適に使用される
そして、第5図に示す電気泳動装置によって線材l!の
表面に電着層を形成するには、線材11を図中矢印で示
すようJこ電着槽127こ収容された電着液3中を一定
の速度で移動させつつ、この線材11を陽極とし、この
線材11と電着槽12内に配設された陰極14との間に
電圧を印加する。
この電圧の印加条件は先の例と同様に、定電圧法、定電
流法のいずれも可能であり、さらに電流波形は直流の他
、パルス、交直重畳、断続などに設定することができる
。また、陰極I4は、先の例で用いた陰極6と同様のも
のを使用することができる。また、電着液3中の超電導
粉末の濃度は電着操作の進行にともなって低下してくる
ため、電着操作の進行にともなって、電着槽■2中の電
着液3に超電導粉末を直接供給するか、所定濃度の電着
液3を供給するのが望ましい。
電着槽12内で所定の厚さの電着層が形成された超電導
素線13は、第5図の図中矢印で示すように電着槽12
から引き出され、次いで熱風による乾燥処理を行って、
表面部分に残留するジエチルケトンまたはジプロピルケ
トンを除去する。
次に、この超電導素線!3に熱処理を施す。この熱処理
は、先の例と同様に、酸素雰囲気中、800〜1000
℃で数十分〜数十時間加熱した後、室温まで徐冷する条
件に設定するのが望ましい。
なお、この熱処理時に、所定速度で移動する超電導素線
13を連続的に加熱、徐冷できるような加熱手段、例え
ば長尺のトンネル形の加熱炉などを用いても良く、さら
にこのような加熱炉を上述の電気泳動装置と組み合わせ
て、線材tiに電気泳動電着−乾燥→熱処理の各処理を
連続的に施すように構成しても良い。
以上の各処理により、線材IIの表面に、Y+B at
c u30 t−になる組成比の緻密な超電導体層が形
成された長尺の超電導線材が製造される。なお、得られ
た超電導線材の表面には、先の例と同様に被覆層を形成
しても良い。
この例による超電導線材の製造方法は、先の例による超
電導材の製造方法とほぼ同様の効果が得られる他、線材
11の表面に電着層を形成し、この後熱処理を施す一連
の操作を連続的に実施することが容易であり、長尺の超
電導線材の製造を自動化することができ、超電導線材の
製造効率を向上させることができる。
なお、上述の各例では、超電導体としてY−Ba−Cu
−0系超電導体を用いたが、本発明方法はこれに限定さ
れることなく、例えばYの代わりにSc、La、Yb、
Er、Eu、Ho、Dy等のY以外の周期律表ma族元
素の1種以上を用い、またBaの代わりにBe、Mg、
Ca、Sr等のBa以外の周期律表IIa族元素の1種
以上を用いても良い。
また、上述の各例では、1回の電気泳動電着操作により
電着層を形成したが、この電気泳動電着操作は2回以上
繰り返し行っても良い。
(実験例I) Y、03と、B a CO3と、CuOの各原料粉末を
、Y :Ba:Cu= I :2 :3 (モル比)と
なるように均一に混合して混合粉末とし、次いでこの混
合粉末を酸素気流中、900℃で24時間仮焼して仮焼
粉末とし、更にこの仮焼粉末を酸素気流中、950℃で
24時間加熱した後、ボールミルによる粉砕処理を行っ
て、Y +B atc u*o ?−Xなる組成比の超
電導粉末を作成した。得られた超電導粉末の平均粒径は
85μmであった。
次いでこの超電導粉末を50g/(iとなるようにジエ
チルケトン中に加え、超音波撹拌を行って超電導粉末を
均一に分散さけて電着液とした。
この電着液500+alを第1図に示すものと同等構成
の電気泳動装置の電着槽(容i! 600m1)内に入
れ、この電着液中に陰極とするステンレス板(SO33
04、厚さ1mm5幅50m5、長さ100mm)と基
材を挿入し、ステンレス板(陰極)と基材(陽極)に5
0〜1500Vの直流定電圧を印加して、2分間の電気
泳動電着を行った。基材としては、ZrSNi5Agの
各金属を材料とする直径1mm、長さ5cI11の丸線
材を用いた。これらの基材は使用面にエタノール中で超
音波洗浄を施した。
続いて上記電気泳動電着を終えた各々の基材を200℃
で10分間熱風乾燥した後、酸素気流中において950
℃、2時間の加熱を行い、−400℃/時間で室温まで
徐冷して、超電導材を得た。
そして基材と処理電圧の異なる複数の超電導材を作成し
、これらの超電導材の膜厚を顕微鏡を用いて測定した。
またこれらの超電導材の臨界温度(Tc)を4端子法で
測定した。
これらの測定結果を表1に示す。
以下余白 表  1 (※膜厚の単位はμm) 表1に示すように、基材として用いたZr、Ni。
Agの各金属材料による差はほとんど認められず、いず
れら高い臨界温度を示す超電導体層を形成することがで
きた。また、各超電導材において超電導体層の剥離やク
ラック発生は認められなかった。
なお、電気泳動電着の際の電流密度は電圧を1500v
とした場合でも200μ^/am’と非常に小さかった
(実験例2 ) 幅10mm、長さ20II11厚さlll1mのジルコ
ニア(YSZ)板およびチタン酸ストロンチウム(Sr
TiOs)板の表面を、塩化スズ、塩化パラジウム水溶
液による前処理を施した後、無電解メツキ法により厚さ
約2μmのNiメツキ層を形成し、基材とした。
これらの基材を用いて上記実験例!と同等の条件で電気
泳動電着および熱処理を行って、基材と処理電圧(50
vと500V)の異なる複数の超電導材を作成し、実験
例1と同様にこれらの超電導材の膜厚および臨界温度(
Tc)を測定した。
これらの測定結果を表2に示す。
表2 表2に示すように、上記各基材による差はほとんど認め
られず、いずれら高い臨界温度を示す超電導体層を形成
することができた。また、各超電導材において超電導体
層の剥離やクラック発生は認められなかった。
(実験例3 ) 実験例1で用いたものと同等の超電導粉末を、ノブロピ
ルケトン中に50g/Qとなるように加え、超音波撹拌
を行って均一に分散させて電着液を作成した。
そしてこの電着液および実験例1で用0たものと同等の
Zr、 Ni、 Agの各基材を用し)て、実験例1と
同等の電気泳動電着および熱処理を行って超電導材を得
た。
そして実験例1と同様に基材と処理電圧の異なる複数の
超電導材を作成し、これらの超電導材の膜厚および臨界
温度(Tc)を測定した。
これらの測定結果を表3に示す。
以下余白 表  3 表3に示すように、基材として用いたZr、Ni。
Agの各金属材料による差はほとんど認められず、いず
れら高い臨界温度を示す超電導体層を形成することがで
きた。また、各超電導材において超電導体層の剥離やク
ラック発生は認められなかった。
(実験例4 ) 実験例2で用いたものと同様の基材、すなわちノルコニ
ア(YSZ)板およびチタン酸ストロンチウム(SrT
iOs)板の表面に前処理を施した後、無電解メツキ法
により厚さ約2μlのNiメツキ層を形成したものを基
材として用い、かつ上記実験例3で用いたものと同様の
電着液を用いて、実験例1と同等の電気泳動電着および
熱処理を行って超電導材を得た。
そして実験例1と同様に基材と処理電圧の異なる複数の
超電導材を作成し、これらの超電導材の膜厚および臨界
温度(Tc)を測定した。
これらの測定結果を表4に示す。
表4 表4に示すように、上記各基材による差はほとんど認め
られず、いずれも高い臨界温度を示す超電導体層を形成
することができた。また、各超電導材において超電導体
層の剥離やクラック発生は認められなかった。
(実験例5 ) 本発明方法と比較するために、ジエチルケトンおよびジ
プロピルケトン以外の有機溶媒を分散媒に用いて超電導
材の製造を実施した。
エタノール、トルエン、キシレンを分散媒として用い、
これらの分散媒中に実験例1で用いたものと同等の超電
導粉末を50g/+2となるように加えて分散させて各
種の電着液を作成し、これらの電着液と実験例1および
実験例2で用いたものと同様の基材を用いて、実験例1
と同等条件の電気泳動電着を行った。その結果、分散媒
としてエタノールを用いたものでは、基材の表面に電着
層が全く形成されず、トルエンおよびキシレンを用いた
ものでは、基材の表面に少量の電着層が形成されたもの
の、基材との密着性が悪く、緻密に形成されないために
基材を電着液から引き」二げる際に剥がれ落ちてしまっ
た。
「発明の効果」 以上説明したように、本発明による酸化物超電導材の製
造方法では、基材の表面に、電気泳動電着により酸化物
超電導粉末を電着して緻密な電着層を形成し、この後熱
処理を施すことにより、基材の表面に緻密な超電導体層
を生成することができるので、超電導体層に亀裂などの
不良を生じることがなく、高臨界電流密度(Jc)を有
する高性能の酸化物超電導材を製造することができる。
また基材の表面に、電気泳動電着により緻密な電着層を
形成し、この後熱処理を施して超電導体層を生成するの
で、超電導体層は基材に対して密着性が良好となり、可
撓性に優れ、機械強度の高い超電導材を製造することが
できる。
さらに、基材の表面に、電気泳動電着で超電導粉末から
なる電着層を形成するので、超電導体層の厚さを正確に
制御することができる。
また、電気泳動電着によって電着層を形成するので、比
較的厚い電着層を短時間の電着操作で形成することがで
き、超電導材の製造効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第4図は本発明の酸化物超電導材製造方法
の1例を説明するためのものであって、第1図は電気泳
動装置の概略構成図、第2図は超電導素材の断面図、第
3図は超電導材の断面図、第4図は第3図に示す超電導
材に被覆を施した超電導材の断面図、第5図は本発明の
酸化物超電導材の製造方法により超電導線材を製造する
に好適に使用される電気泳動装置の概略構成図である。 ■・・・基材、3・・・電着液、4・・・電着層、A・
・・超電導材、11・・・線材(基材)。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)A−B−Cu−O系 (ただし、AはY、Sc、La、Yb、Er、Eu、H
    o、Dy等の周期律表IIIa族元素の1種以上を示し、
    BはBe、Mg、Ca、Br、Ba等の周期律表IIa族
    元素の1種以上を示す。) の酸化物超電導体を具備してなる酸化物超電導材の製造
    方法において、 上記酸化物超電導体の粉末または酸化物超電導体の前駆
    体粉末をジエチルケトン中に分散させた電着液中で、少
    なくとも表面部分に導電性を有する基材を陽極として電
    気泳動電着を行って、該基材の表面に酸化物超電導体を
    構成する元素を含む電着層を形成し、この後熱処理を施
    すことを特徴とする酸化物超電導材の製造方法。
  2. (2)請求項1記載の酸化物超電導材の製造方法におい
    て、ジエチルケトンに代えてジプロピルケトンを用いた
    酸化物超電導材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH01159399A (ja) * 1987-11-10 1989-06-22 Ciba Geigy Ag 任意の形状の超伝導材料の製造方法

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