JP2595273B2 - 超電導体層の形成方法 - Google Patents

超電導体層の形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えばジョセフソン素子、超電導記憶素子
等の超電導デバイス、電磁シールドなどに使用可能な超
電導体層の形成方法に関する。
〔従来の技術〕
最近に至り、常電導状態から超電導状態に遷移する臨
界温度(Tc)が液体窒素温度以上の値を示す酸化物系の
超電導体が種々発見されている。
そして、この種の超電導体には、例えばA−B−Cu−
O系(但し、AはY,Sc,La,Yb,Er,Eu,Ho,Dy等の周期律表
第III a族元素を1種以上を示し、BはBe,Mg,Ca,Sr,Ba
等の周期律表第II a族元素を1種以上を示す)で示され
るものなどがある。
このような超電導体を層状に形成する方法として、例
えばスクリーン印刷法を応用した方法が知られている。
この方法は、例えばY−Ba−Cu−O系超電導体の場合、
Y2O3粉末とBaCO3粉末とCu2O粉末を混合した混合粉末か
らペーストを調製する一方、アルミナ等からなる基板上
に網目を有する絹製等のスクリーンを被せておき、この
スクリーンの上から上記ペーストをスクイジによりこす
りつけてスクリーンの網目を通過させ、基板表面に上記
ペーストからなる塗膜を形成したのち、この塗膜に熱処
理を施して基板上に超電導体層を形成する方法である。
この方法によれば、基板上に、例えば所望の回路パター
ンを有する超電導回路を形成することが可能である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、このような方法では、スクリーンの網
目を通過したペーストを基板表面に塗布する関係から、
基板表面に例えば凹部が形成されている場合、この凹部
内の内壁面や底面に均一な膜厚で塗膜を形成するのが難
しく、このため基板表面等の形状に十分に対応させて、
つきまわり良く超電導体層を形成することができない問
題があった。
〔問題点を解決するための手段〕
そこで、本発明では、酸化物超電導体粉末と酸化物超
電導体の前駆体粉末のうち少なくとも一方の粉末からな
る粒径0.1〜50μmの出発材料を分散させた浴中に、不
必要部分の表面をマスクで被覆した導電性基材を陰極と
して浸漬し、次いで該基材表面のうちマスクの開口部か
ら露出した部分に電気泳動電着法により浴中の分散粒子
を付着させて電着膜を形成したのち前記マスクを剥離
し、次いで前記電着膜に対し必要に応じて熱処理を施し
て超電導体層を形成することを解決手段とした。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明では、まず出発材料を調製する。この出発材料
としては、酸化物超電導体粉末、酸化物超電導体の前駆
体粉末あるいはこれらの混合粉末が用いられる。
上記の酸化物超電導体粉末としては、A−B−C−D
系(ただしAは、Y,Sc,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,D
y,Ho,Er,Tm,Yb,Luなどの周期律表III a族元素のうち1
種あるいは2種以上を示し、BはSr,Ba,Ca,Be,Mg,Raな
どの周期律表II a族元素のうち1種あるいは2種以上を
示し、CはCu,Ag,Auの周期律表I b族元素とNbのうちCu
あるいはCuを含む2種以上を示し、DはO,S,Se,Te,Poな
どの周期律表VI b族元素およびF,Cl,Br等の周期律表VII
b族元素のうちOあるいはOを含む2種以上を示す)の
酸化物超電導体の粉末が用いられる。
また、酸化物超電導体の前駆体粉末としては、酸化物
超電導体を構成する元素を含む材料混合粉末あるいはこ
の材料混合粉末と上記酸化物超電導体粉末との混合粉末
が用いられる。上記の材料混合粉末には、周期律表II a
族元素を含む粉末と周期律表III a族元素を含む粉末と
酸化銅粉末等からなる混合粉末あるいはこの混合粉末を
仮焼した粉末、またはこの仮焼粉末と上記混合粉末とか
らなる混合粉末などが用いられる。そして、ここで用い
られる周期律表II a族元素粉末としては、Be,Sr,Mg,Ba,
Raの各元素の炭酸塩粉末、酸化物粉末、塩化物粉末、硫
化物粉末、フッ化物粉末等の化合物粉末あるいは合金粉
末などである。また、周期律表III a族元素粉末として
は、Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Y
b,Luの各元素の酸化物粉末、炭酸塩粉末、塩化物粉末、
硫化物粉末、フッ化物粉末等の化合物粉末あるいは合金
粉末などが用いられる。さらに、酸化銅粉末には、CuO,
Cu2O,Cu3O2,Cu4O3などが用いられる。
さらに、酸化物超電導体粉末と酸化物超電導体の前駆
体粉末とからなる混合粉末における混合割合は、後述の
超電導体層に要求される超電導特性などに応じて適宜決
められる。
ところで、本発明で用いられる種々の粉末を調製する
には、いずれも粉末法が用いられるが、これ以外に共沈
法やゾルゲル法などの方法も用いることができる。
次に、このように調製された出発材料に対して粉砕処
理を施す。この粉砕処理は、上記各材料の細粒化や粒径
の均一化などを目的とし、例えばボールミルなどを用い
て行なわれる。そして、この粉砕処理により出発材料の
粒径は、後述の超電導体層の特性向上のために超電導体
層を緻密な層にする必要から、0.1〜50μm程度の範囲
で調整される。また、この粉砕処理で可能な限り出発材
料の粒径を小さくし均一化すれば、後述の基板表面等が
細かく複雑な形状であっても、その形状に対応した超電
導体層を形成させることが可能となる。
次に、粉砕処理された出発材料を分散媒中に分散させ
て分散液を調製する。ここで、分散液の分散媒として
は、出発材料と反応することなく、安定にかつ均一に分
散可能なもので、後述の電気泳動における出発材料の移
動を妨げないものが選ばれ、具体的にはアセトン、キシ
レン、アセトン−キシレン混液、アセトン−エタノール
混液などが好適に用いられる。また、この分散媒への上
記出発材料の添加量は、分散媒の種類、出発材料の種
類、電気泳動の条件などにより決められるが、例えば分
散媒にアセトンを用いた場合、アセトン100mlに対する
出発材料の添加量は0.1〜20g程度が好適とされる。
本発明では、上記のように調製された分散液を電気泳
動電着法における電着浴(浴)として用いる。
次に、第1図に示す電気泳動装置を参照して電気泳動
電着法による電着膜の形成方法の一例を説明する。図中
符号1は電着浴である。この電着浴1中には、泳動時に
電着膜の形成基盤となる導電性基材2とこの導電性基材
2の対向電極である対極板3とが浸漬されている。これ
ら導電性基材2と対極板3は共に直流電源4に接続さ
れ、導電性基材2は負の端子に、対極板3は正の端子に
それぞれ接続されている。
この例の導電性基材2は板状のもので、その全体は例
えばニッケル、金、銀、銅、鉛等の金属、ステンレス、
チタン、ジルコニウム等の合金、カーボンなどの導電性
材料から形成されている。そして、この導電性基材2の
表面上には、所望の形状の開口部5aを有するマスク5が
被覆されている。このマスク5の形成材料には、上記電
着浴1により侵されにくく、微細加工が可能なものが用
いられ、特に電着膜形成後にマスク5を剥離するために
易剥離性をも兼ね備えたものを用いるのが好ましい。
また、対極板3の形成材料には、上記導電性基材2と
同様のものが用いられ、具体的には金、銀、銅、鉛等の
金属、ステンレス等の合金、カーボンなどの導電性材料
などが好適に用いられる。
このような電気泳動装置における電着法には、電着浴
1中の導電性基材2と対極板3との間に一定の電圧を印
加する定電位法あるいは上記導電性基材2と対極板3と
の間に流れる電流を一定となるように制御する定電流密
度法のいずれかが用いられる。定電位法では、導電性基
材2と対極板3との間の印加電圧は20V以上とされ、定
電流密度法では、電流密度は0.05〜5mA/cm2の範囲で制
御される。
このような電着法により、電着浴1中の0.1〜50μm
の出発材料(以下、分散粒子と言う。)は、正に帯電し
て負極の導電性基材2側に泳動させる。導電性基材2の
近傍に泳動された分散粒子は、導電性基材2表面に施さ
れたマスク5の開口部5aを通過して導電性基材2表面に
緻密に付着せしめられる。これにより、導電性基材2表
面のうちマスク5の開口部5aから露出する部分には第2
図に示すように電着膜6が形成される。ここで、電着膜
6を形成するのに要する泳動時間は、印加電圧、電流密
度等の泳動条件、電着膜6に要求される膜厚などに応じ
て10秒〜10分間程度の範囲で決められるが、例えば定電
位法で印加電圧を0.5kVに設定した場合には、3分間程
度で十分である。
次に、上記導電性基材2を電着浴1から引上げ、導電
性基材2から電着浴1の分散液を洗浄除去したのち、導
電性基材2表面からマスク5を剥離して導電性基材2表
面にマスク5の開口部5aの形状に対応した形状の電着膜
6のみを残す。
次いで、この電着膜6に対し必要に応じて熱処理を施
す。この熱処理は、温度800〜1000℃、1時間〜数100時
間の加熱後に、結晶変態温度400〜600℃まで徐々に冷却
する条件で行なわれる。そして、この熱処理時の雰囲気
は、通常は酸素雰囲気とされるが、必要に応じて上記酸
素雰囲気に、S,Se等の周期律表第VI b族元素のガスおよ
びF,Cl,Br等の周期律表第VII b族元素のガスを含めるこ
ともできる。これらの元素は、生成される超電導体層に
その構成元素の一部として導入され、超電導体層の超電
導特性の向上に寄与するものとなる。
そして、このような熱処理により、緻密に形成された
電着膜6中の各構成元素どうしが互いに十分に反応せし
められるとともに、電着膜6の表面からその内部に酸素
元素あるいは酸素元素および上記S,Se等の周期律表第VI
b族元素やF,Cl,Br等の周期律表第VII b族元素が効率よ
く拡散される。したがって、電着膜6全体あるいは電着
膜6の少なくとも表層部分には、良好な超電導特性を示
す酸化物系超電導体を具備する超電導体層が形成され
る。
この超電導体層の形成方法によれば、電気泳動電着法
により電着膜6を形成するようにしたので、マスク5を
施した導電性基材2表面のうちマスク5を開口部5aから
露出した部分に0.1〜50μmの分散粒子を緻密に付着さ
せることができ、次いで前記マスクを剥離したのちこの
電着膜6を熱処理して超電導体層を形成するようにした
ので、導電性基材2表面にマスクの開口部5aに対応した
形状に良好な超電導特性を示す超電導体層を容易に形成
することができる。したがって、この形成方法によれ
ば、超電導体層を微細な回路パターンで形成できるの
で、例えば超電導体層の回路パターン形成に微細加工技
術が要求されるジョセフソン素子、超電導記憶素子等の
超電導デバイスの製造に好適となる。また、この形成方
法によれば、電気泳動電着法により電着膜6を形成する
際に、例えば泳動時間を長くするなどして泳動条件を調
整すれば、電着膜6の膜厚を容易に制御でき、よって磁
気シールド等に使用可能な膜厚の厚い超電導体層の形成
も可能となる。
第3図は、本発明の他の実施例を示すものである。こ
の例では、導電性基材2の表面には、有底筒状に形成さ
れた凹部7が設けられ、この凹部7が露出するように導
電性基材2表面にマスク5が被覆されている。この導電
性基材2に対し本発明の形成方法を実施することによ
り、導電性基材2の凹部7の内壁面および底面にも導電
性基材2表面とほぼ同様の膜厚で電着膜6をつきまわり
良くかつ緻密に形成でき、導電性基材2表面と凹部7の
内部に良好な超電導特性を示す超電導体層を一体に形成
できる。
なお、上記二つの例では、出発材料の分散粒子として
分散浴1中に分散させるようにしたが、出発材料に仮焼
成処理を施して出発材料を仮焼成材料としてから分散さ
せるようにしてもよい。この場合の仮焼成処理は、酸素
雰囲気中で500〜1000℃、1〜数十時間の焼成条件で行
なわれる。このような仮焼成処理を行なえば、上記出発
材料中に炭素塩が含まれる場合に、超電導体の超電導特
性を低下させる炭酸ガスを予め除去しておくことがで
き、最終的に得られる超電導体層の超電導特性を向上さ
せるのに有利となる。
また、分散浴1中には、酸化チタン等からなる粘結剤
などを添加分散しておくことにより、分散粒子がまとま
って泳動されて泳動速度を均一化でき、電気泳動の効率
化を図ることができるとともに、分散粒子を導電性基材
2表面により強固に付着させることができるなどの効果
が得られる。
さらに、上記二つの例では、導電性基材として全体を
導電性材料から形成した導電性基材2を用いたが、少な
くとも表層部分に導電層を有するものであれば、基材と
して有機物、無機物、ガラス、セラミックス、布、皮、
織物、紙等の電気不導体を用いることもできる。そし
て、このような電気不導体表面には、金属等の導電体
を、スプレー法や浸漬法等の化学メッキ(無電解メッ
キ)法、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレー
ティング法等のPVD(物理的気相蒸着)法、CVD(化学的
気相蒸着)法、金属溶射法、スクリーン印刷法等のペー
スト塗布法などの種々の方法を用いることによって、導
電層を形成することが可能である。そして、上記二つの
例では、導電性基材の形状を板状としたが、円筒状、円
柱状、角筒状、角柱状などでもよく、表面にマスクを被
覆できれば、いかなる形状のものであってもよい。
また、電着膜6に対して必要に応じて施される熱処理
としては、上述したような電着膜6のみならず導電性基
材2にも熱処理を施す方法に限定されることなく、電着
膜6のみを部分加熱する方法を用いることもできる。こ
の部分加熱方法には、炭酸ガスレーザ、アルゴンガスレ
ーザ等のガスレーザ、アークイメージングなどの集光加
熱手段が好適に用いられる。このような加熱手段を用い
れば、電着膜6に熱処理を施すことができるとともに、
例えば導電性基材2や導電性基材2上の他の素子の熱劣
化を事前に防止できるなどの優れた効果が得られる。さ
らに、導電性基材2にガラスなどの透明な材料を用いれ
ば、上記集光加熱手段により導電性基材2を介して電着
膜6を熱処理することも可能となる。
以下、実施例を示す。
〔実施例〕
板状の導電性基材を用いて超電導回路の形成を試み
た。
まず、組成比がY:Ba:Cu=1:2:3となるように、Y2O3
末とBaCO3粉末とCuO粉末を混合して出発材料を得た。次
いで、この出発材料を酸素気流中で、900℃、24時間加
熱して仮焼成材料粉末を得、次いで仮焼成材料をボール
ミルにより粉砕して仮焼成材料の粒径を0.5〜8μmの
範囲に揃えた。次いで、アセトン100ml中に2gの仮焼成
材料を添加し均一に分散して分散液を調製した。
一方、厚さ1.0mmのニッケル製の導電性基材表面に接
着テープ(住友3M社製、商品名スコッチテープ)を用い
て所望の回路パターンで導電性基材表面が露出するよう
にマスクを施した。
次に、この導電性基材(陰極)と銅製の対極板(陽
極)とを上記分散液(電着浴)中に浸漬して電極とし、
導電性基材と対極板を直流電源に接続して第1図に示す
ような電気泳動装置を組立てた。次いで、両電極間の電
位差を0.5kVに定め、3分間電気泳動を行ない、導電性
基材表面のマスクから露出した部分に膜厚100μmを電
着膜を形成した。
次に、電着浴から導電性基材を取出し、導電性基材表
面からテープからなるマスクを剥離した。そして、導電
性基材表面に残った回路パターン形状の電着膜に対して
酸素雰囲気中で900℃、24時間加熱したのち、−100℃/
時間で室温まで除去して、上記電着膜全体を超電導回路
とした。この超電導回路について、臨界温度(Tc)を測
定したところ、93Kであり、77Kにおける臨界電流密度
(Jc)値は約100A/cm2であった。
なお、この超電導回路には、電着ムラ、欠損箇所、シ
ミ、汚れなどがなく、超電導回路は均一な膜厚で形成さ
れていた。また、マスクが施された導電性基材表面に
も、シミ、汚れなどはなかった。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、電気泳動電着
法により電着膜を形成するようにしたので、マスクを施
した導電性基材表面のうちマスクの開口部から露出した
部分に0.1〜50μmの出発材料からなる分散粒子を緻密
に付着させることができ、次いで前記マスクを剥離した
のちこの電着膜を必要に応じて熱処理して超電導体層を
形成するようにしたので、導電性基材表面にマスクの開
口部に対応した形状に良好な超電導特性を示す超電導体
層を容易に形成することができる。したがって、この形
成方法によれば、超電導体層を微細な回路パターンで形
成できるので、例えば超電導体層の回路パターン形成に
微細加工技術が要求されるジョセフソン素子、超電導記
憶素子等の超電導デバイスの製造に好適となる。また、
電気泳動電着法を用いたので、電着膜をつきまわり良く
かつ緻密に形成できることから、たとえ導電性基材表面
が複雑な形状であっても、その複雑な形状に対応して均
一な膜厚で良好な超電導特性を示す超電導体層を形成す
ることができる。さらに、電気泳動電着法により電着膜
を形成する際に、例えば泳動時間を長くするなどして泳
動条件を調整すれば、電着膜の膜厚を容易に制御でき、
磁気シールド等に使用可能な膜厚の厚い超電導体層の形
成も可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本発明の一実施例を説明するため
のもので、第1図は電気泳動装置の一例を示す概略構成
図、第2図は第1図に示す装置を用いた電気泳動電着法
により形成した電着膜を示す概略断面図、第3図は本発
明の他の実施例を示し、凹部を有する導電性基材表面に
形成された電着膜を示す概略断面図である。 1……電着浴、 2……導電性基材、 5……マスク、 5a……マスクの開口部、 6……電着膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河野 宰 東京都江東区木場1丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (72)発明者 池野 義光 東京都江東区木場1丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (72)発明者 中川 三紀夫 東京都江東区木場1丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−65299(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化物超電導体粉末と酸化物超電導体の前
    駆体粉末のうち少なくとも一方の粉末からなる粒径0.1
    〜50μmの出発材料を分散させた浴中に、不必要部分の
    表面をマスクで被覆した導電性基材を陰極として浸漬
    し、ついで該基材表面のうちマスクの開口部から露出し
    た部分に電気泳動電着法により浴中の分散粒子を付着さ
    せて電着膜を形成したのち前記マスクを剥離し、ついで
    前記電着膜に対し必要に応じて熱処理を施して超電導体
    層を形成することを特徴とする超電導体層の形成方法。
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