JP2592833Y2 - 合成樹脂製雨水桝装置 - Google Patents

合成樹脂製雨水桝装置

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JP2592833Y2
JP2592833Y2 JP1993017348U JP1734893U JP2592833Y2 JP 2592833 Y2 JP2592833 Y2 JP 2592833Y2 JP 1993017348 U JP1993017348 U JP 1993017348U JP 1734893 U JP1734893 U JP 1734893U JP 2592833 Y2 JP2592833 Y2 JP 2592833Y2
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直志 矢代
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、各家庭の雨樋、その他
の雨水受けまたは地表等からの土砂等を含む雨水等を集
中流入させる合成樹脂製雨水桝装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来この種の雨水桝としては、口径300m
m 程度のコンクリート製の角型の雨水桝装置が多く使用
されている。
【0003】そして、この従来のコンクリート製の角型
雨水桝装置では、桝本体の上面開口部には、把手用並
びに雨水入用の比較的大きい長孔を開口した蓋体を開
閉自在に嵌着した構造が採られていた。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
土地の狭隘化に伴い、敷地内の境界近くまで建物が建築
され、雨水管等が埋設されるスペースが狭くなる傾向が
あり、上記従来のコンクリート製の角型の桝本体は口径
300mm 程度と大型であるため設置が困難になるととも
に、重量が大きいため狭いスペース内での設置作業が非
常にし難くなっているという問題を有している。
【0005】また、上記従来のコンクリート製の雨水桝
装置では、蓋体に開口した把手用並びに雨水流入用の
孔から雨水とともに土砂が流入して桝本体の下部に形成
した泥溜め部に堆積した土砂が流出口の位置まで溜まる
と、土砂が下流側に流出することのないように除去する
必要があり、従来の桝体では泥溜め部の土砂の除去
が簡単にできず、土砂の除去に手数が掛かる問題を有し
ている。
【0006】さらに、従来のコンクリート製の雨水桝装
置では、蓋体の前記長孔から蚊等の虫類が桝本体の泥溜
め部に侵入し、ぼうふらが発生する場合があり、非衛生
になるという問題を有している。
【0007】本考案は、上記問題点に鑑みなされたもの
で、狭いスペースであっても容易に設置でき、桝本体の
泥溜め部に溜まった土砂の除去が容易にでき、また、虫
類等の侵入を防止でき、環境衛生を良好に保持できる小
口径の合成樹脂製雨水桝装置を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の考案の合
成樹脂製雨水桝装置は、上部に高さ調節管接続口を形成
するとともに側部に流出口を設けかつ下部に泥溜め部を
形成した桝本体と、この桝本体の高さ調節管接続口に接
続された高さ調節管と、この高さ調節管の上端部に開閉
自在に装着され、透水孔を形成した蓋体と、前記桝本体
の泥溜め部に挿脱自在に配設され、上面に上方に向って
開口した上面開口部を形成した泥溜め容器とを備え、
記桝本体の高さ調節管接続口に係止段部を内方に向って
突設し、この突設した係止段部にネット体を係止して前
記高さ調節管接続口にこのネット体を着脱自在に配設し
たものである。
【0009】
【作用】請求項1記載の考案の合成樹脂製雨水桝装置
は、蓋体の透水孔から桝本体に流入した土砂が泥溜め部
に配設した泥溜め容器に堆積され、この泥溜め容器に流
入した雨水は泥溜め容器の上面開口部の周縁から溢流し
て流出口から排出される。
【0010】また、雨水桝本体が合成樹脂によって形成
されているため、軽量で施工性が高まるとともに、口径
を小さくして小型に成型できるので、狭いスペースであ
っても容易に設置できる。
【0011】さらに、蓋体の透水孔から桝本体上部に蚊
等の虫類等が侵入しても、桝本体の係止段部に係止して
高さ調節管接続口に着脱自在に配設したネット体にて、
虫類等の泥溜め部への侵入が防止されるので、ぼうふら
の発生を防止でき、環境衛生を良好に保持できる。
【0012】
【実施例】以下、本考案の合成樹脂製雨水桝装置の一実
施例の構成を図面を参照して説明する。
【0013】図1において、1は塩化ビニル等の合成樹
脂にて成型された桝本体部で、この桝本体部1は、上部
と下部に拡径された開口部となる受口2,3がそれぞれ
形成され、側部には1つの流出口4と3つの流入口5
(図1の右側)、流入口6(図1の前面側)および流入
口7(図1の背面側)がそれぞれ略直交状に突設されて
いる。また、前記受口2,3には内面側にストッパー段
部8,9がそれぞれ形成され、このストッパー段部8の
上部には環状突起10が内方に突出して形成されている。
この環状突起10は、例えば厚さ6〜7mm程度のVP管と
呼ばれる厚肉の合成樹脂製パイプを輪状に切断した管状
体を受口2に接着する等して形成される。
【0014】11,12は、例えば厚さ3mm程度のVU管と
呼ばれる薄肉の合成樹脂製パイプを切断する等して形成
された高さ調節管で、この高さ調節管11は、前記受口3
に接着嵌合され、底面が閉塞具13にて閉塞され、内部に
は泥溜め部14が形成されている。そして、この高さ調節
管11の高さは前記流入口5の下端から前記閉塞具13まで
の深さが150mm 以上となるように定められる。
【0015】そして、前記桝本体部1と高さ調節管11及
び閉塞具13とにて、上部に高さ調節管接続口としての受
口2を形成するとともに側部に1つの流出口4を設けか
つ下部に泥溜め部14を形成した桝本体28が構成される。
【0016】また、前記高さ調節管12の下端部は、前記
桝本体部1の受口2に接着嵌合され、この高さ調節管12
部には合成樹脂にて成型した蓋受け体15が嵌着さ
れている。
【0017】なお、前記環状突起10の内方への突出長さ
高さ調節管12の厚さより大きい寸法で形成されている
ため、この環状突起10の外周側上面に高さ調節管12の下
端面が当接し、内周側に係止段部16が形成される。すな
わち、前記桝本体28の受口2における内周面には、環状
の係止段部16が内方に向って突設される。なお、高さ調
節管12の長さは設置場所における桝本体部1から地表面
までの高さに応じて定められる。
【0018】図1および図2において、17は、前記蓋受
け体15に開閉自在に嵌着される蓋体17で、この蓋体17は
合成樹脂にて成型され、口径が200mm 以下で、多数の上
下に貫通する透水孔18とが形成されている。
【0019】図1および図3において、20は前記桝本体
部1の泥溜め部14に挿脱自在に配設される泥溜め容器
で、この泥溜め容器20は、合成樹脂にて有底円筒状に
型され、上面には上方に向って開口した上面開口部が形
成され、底部閉塞され、上部には把手21が設けられて
いる。
【0020】図1および図4において、22は前記桝本体
部1の係止段部16に係止されて前記受口2に着脱自在に
配設されるネット体で、このネット体22は、合成樹脂ま
たは金属にて成型され、周縁部23と連結部24とからなる
枠部25と、この枠部25に張られたネット26と、前記連結
部24の中心に上方に向かって垂設した把手部27とにより
構成され、枠部25の周縁部23が前記係止段部16に係止さ
れ、このネット体22が前記受口2に着脱自在に配設され
るようになっている。
【0021】次にこの実施例の作用を説明する。
【0022】まず、蓋体17、泥溜め容器20およびネット
体22を配設しない状態で、上記構造の桝本体28を設置現
場に設置し、3つの流入口5,6,7のうち必要な箇所
に上流側の管体(図示せず)を接続し、使用しない箇所
をキャップ(図示せず)で閉塞し、流出口4に下流側の
管体(図示せず)を接続する。
【0023】次に、把手21を持って泥溜め容器20を高さ
調節管12の上方から入れ、泥溜め部14に配設する。次い
で、把手部27を持ってネット体22を高さ調節管12の上方
から入れ、環状突起10の内周側の係止段部16に載置す
る。次に、蓋受け体15に蓋体17を嵌着する。
【0024】なお、高さ調節管12を桝本体部1の受口2
に嵌合する前に、泥溜め容器20およびネット体22を桝本
体部1の受口2より入れて所定位置に配設してもよい。
【0025】そして、桝本体28の設置後、土砂を含む雨
水等の排水が上流側の管体および蓋体17の透水孔18か
溜め容器20に流入し、泥溜め体20の底部には土砂等が
堆積して泥状の沈殿物が形成されるとともに、上澄の排
水が流出口4から下流側に流出する。そして、泥溜め容
器20に土砂等の沈殿物が堆積して溜まったとき、蓋体17
を開き、把手21を持って泥溜め容器20を取り出し、沈殿
物を捨てた後、桝本体28の泥溜め部14に配設する。
【0026】また、蓋体17の透水孔18から蚊等の虫類等
桝本体28の上部に侵入しても、桝本体28の係止段部16
に係止されて受口2に着脱自在に配設されたネット体22
にて虫類等の泥溜め部14への侵入を防止できるので、ぼ
うふらが発生することなく、環境衛生を良好に保持でき
る。
【0027】さらに、桝本体28全体が合成樹脂によって
形成されているため、軽量で施工性が高まり、小型の桝
本体28を容易に成型できる。このため、蓋体17の口径が
200mm 以下にでき、雨水桝装置が小型に成型され、狭い
スペースであっても容易に設置できる。
【0028】また、高さ調節管12を桝本体部1に接続す
る構造を採っているので、設置現場の深さに応じた長さ
を有する高さ調節管12を用いることにより、高さ調節が
容易になる。
【0029】なお、上記実施例では、桝本体28は、桝本
体部1の受口3に高さ調節管11を接続し、底面を閉塞具
13にて閉塞して形成した構成について説明したが、本考
案はこれに限られるものではなく、桝本体部1、高さ調
節管11及び閉塞具13をまとめて一体に成型して桝本体を
形成することもできる。
【0030】また、上記実施例では、いずれの方向から
の排水の流入にも対応できるように、3つの流入口5,
6、7を設けた構造について説明したが、本考案はこれ
に限られるものではなく、1つの流入口または2つの流
入口を種々の角度方向で設けた構造とすることができ、
さらに、流入口を全く設けない構造とすることもでき
る。
【0031】
【考案の効果】請求項1記載の考案によれば、桝本体に
流入した土砂が泥溜め部に配設した泥溜め容器に堆積さ
れるため、この泥溜め容器に流入した雨水は泥溜め容器
の上面開口部の周縁から溢流して流出口から排出され、
泥溜め容器を桝本体から取り出して土砂等の沈殿した堆
積物を容易に除去できる。
【0032】また、雨水桝本体が合成樹脂によって形成
されているため、軽量で施工性が高まるとともに、口径
を小さくして小型に成型できるので、狭いスペースであ
っても容易に設置できる。
【0033】さらに、蓋体の透水孔から桝本体上部に蚊
等の虫類等が侵入しても、桝本体の係止段部に係止して
高さ調節管接続口に着脱自在に配設したネット体にて、
虫類等の泥溜め部への侵入が防止されるので、ぼうふら
の発生を防止でき、環境衛生を良好に保持できる。ま
た、高さ調節管を桝本体に接続する構造を採っているの
で、高さ調節が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示す雨水桝装置の縦断面図
である。
【図2】蓋体を示す平面図である。
【図3】泥溜め容器を示す斜視図である。
【図4】ネット体を示す斜視図である。
【符号の説明】 調節管接続口としての受口 4 流出口 12 高さ調節管 14 泥溜め部 16 係止段部 17 蓋体 18 透水孔 20 泥溜め容器 22 ネット体 28 桝本体

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部に高さ調節管接続口を形成するとと
    もに側部に流出口を設けかつ下部に泥溜め部を形成した
    桝本体と、 この桝本体の高さ調節管接続口に接続された高さ調節管
    と、 この高さ調節管の上端部に開閉自在に装着され、透水孔
    を形成した蓋体と、 前記桝本体の泥溜め部に挿脱自在に配設され、上面に上
    方に向って開口した上面開口部を形成した泥溜め容器と
    を備え、前記桝本体の高さ調節管接続口に係止段部を内方に向っ
    て突設し、 この突設した係止段部にネット体を係止して前記高さ調
    節管接続口にこのネット体を着脱自在に 配設したことを
    特徴とする合成樹脂製雨水桝装置。
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