JP3388826B2 - 層別揚水装置およびこれを備えた井戸 - Google Patents

層別揚水装置およびこれを備えた井戸

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の帯水層を有する
地盤に構築された井戸に設置されて、前記帯水層に層別
に揚水又は注水を行うための井戸の層別揚水装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】建設工事で排水工法を採用する時など
は、井戸による揚水を行なうが、従来、環境面の配慮や
揚水コストを軽減するため、揚水量を減らす目的で層別
揚水を採用することがあった。
【0003】層別揚水用の井戸としては、例えば、図6
に示すパッカーを利用した層別揚水装置を備えたもの
や、図7に示すバルブ付き止水板を備えたものがある。
【0004】はじめに、パッカーを利用した層別揚水装
置を備えた井戸を、図6を参照して説明する。図中、符
号1は第1の帯水層、2は第2の帯水層、3は不透水
層、4は井戸管、5はパッカー、6は揚水管、7は揚水
ポンプである。図6に示す井戸は、上下方向に第1,第
2の帯水層1,2を有し、井戸管4内の所定位置に内
装,固定された層別揚水装置により、第1,第2の帯水
層1,2のそれぞれから揚水を行なうものである。
【0005】前記井戸管4は、第1の帯水層1や第2の
帯水層2に面する部分の壁面が、それぞれ透水性のフィ
ルター8で構成されている。また、不透水層3に面する
部分はグラウト等による遮水体9に形成されている。各
フィルター8のそれぞれパッカー5に近接する部分に
は、フィルター8から浸出する水を井戸管4内に導くス
クリーンSが設けられている。
【0006】層別揚水装置は、揚水ポンプ7が内装され
たパッカー5と、該パッカー5から揚水すべき水を地上
に導く揚水管6とで構成されている。パッカー5は、水
密な筐体であるケーシング10と、該ケーシング10の
周囲に装着された円筒状の袋体11とで構成されてい
る。パッカー5は、ケーシング10の軸線を井戸管4の
軸線と平行とした姿勢で井戸管4内に挿入し、遮水体9
の位置で、袋体11を内部に水や空気等を封入して膨張
させることにより、袋体11が遮水体9の内側面に圧接
されて井戸管4内に固定されるようになっている。そし
て、パッカー5は、袋体11が井戸管4の内壁面に圧接
されるので、第1の帯水層1からフィルター8およびス
クリーンSを介して浸出した水がパッカー5の下方に流
れ出すことを防止するようになっている。ケーシング1
0は、上底および下底部にそれぞれ開口量が調整可能な
バルブ12を有し、それぞれのバルブ12から内部に水
が流入可能になっている。またケーシング10は、内部
中空部に、揚水管6を介して地上から吊支された揚水ポ
ンプ7が内蔵されている。
【0007】そして、この井戸は、第1の帯水層1およ
び第2の帯水層2の地下水をフィルター8およびスクリ
ーンSを介して井戸管4内部に湧出させ、さらに、この
井戸管4内に湧出させた水をバルブ12を介してケーシ
ング10の内部に流入させ、ケーシング10に流入した
水を揚水ポンプ7の作用で地上に揚水する。各帯水層
1,2からの揚水量は、バルブ12の開口量を調整する
ことにより調整できるようになっている。
【0008】以下、バルブ付き止水板を備えた井戸を、
図7を参照して説明する。なお、図中、図6と同一の構
成部分には同一の符号を付し、その説明を簡略化する。
図7に示す井戸は、第2の帯水層2に設けられたスクリ
ーンSの上方にバルブ付き止水板Bを設けて、井戸内部
を上下に仕切り、さらに、このバルブ付き止水板Bの上
方に揚水パイプ6が接続された揚水ポンプ7を設けたも
のである。この井戸においては、バルブ付き止水板Bの
バルブB’の開口量を調整することにより第2の帯水層
2からの揚水量を調整することができる。また、揚水ポ
ンプ7と第1の帯水層1のスクリーンSとの間にもバル
ブ付き止水板Bを設ければ、第1の帯水層1からの揚水
量の調整も可能である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た揚水用の井戸は、いずれも、フィルター8やスクリー
ンSが泥水等の細粒度分の付着によって目詰まりしやす
い反面、フィルター8やスクリーンSの洗浄やメンテナ
ンスが困難で揚水の能率低下の原因となっていた。すな
わち、図7に示す井戸は、バルブ付き止水板Bより下方
で容易に洗浄設備をセットできないため、バルブ付き止
水板Bより下方の井戸深部のフィルター8およびスクリ
ーンSを洗浄することができない。一方、図6に示す井
戸は、袋体11を収縮させることによりパッカー5を井
戸内から引き抜き可能であって、パッカー5の設置位置
下方の洗浄等が可能であるものの、再設置の度に袋体1
1を膨張させてパッカー5を井戸管4内に固定する必要
があるため、固定作業に手間がかかり、問題の根本的な
解決にならない。また、パッカー5を備えた層別揚水装
置には、機構が複雑で、コストが高いといった問題もあ
る。
【0010】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
ので、井戸の層別揚水装置より下方の洗浄およびメンテ
ナンスを可能とし、揚水の能率を維持することができ
る、低コストの層別揚水装置およびこれを備えた井戸を
提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、井戸内に設けられた揚水ポンプ係止体と、該揚水
ポンプ係止体に係止される揚水ポンプと、この揚水ポン
プに連係された揚水管とを具備してなり、前記揚水ポン
プ係止体は、井戸管内の所定位置で水平に固定され、中
央部に係合孔を有するリング状の部材からなる構成とさ
れ、前記揚水ポンプは、水密な筺体に形成されるケーシ
ングと、該ケーシングに内装されるポンプ本体とを有し
て構成されるとともに、該ケーシングは、軸方向一側端
部に前記係合孔に嵌合する係止壁を有するとともに、上
下両面の位置にケーシングの内外に連通しかつ開口量を
調整可能なバルブが取り付けられている構成とされ、
前記揚水ポンプが揚水ポンプ係止体に、ケーシングの上
面を前記揚水ポンプ係止体の上面と面一または下方に位
置する状態で、ケーシングの係止壁と揚水ポンプ係止体
の係合孔とを互いに密接して係合することにより係止さ
れて、井戸管の内部を上下方向に水密に遮断することを
特徴とする層別揚水装置を前記課題の解決手段とした。
【0012】請求項2記載の発明では、前記請求項1記
載の井戸の層別揚水装置であって、揚水ポンプ係止体と
ケーシングの係止壁とは、それぞれ下側の断面積が減少
する形状に形成されていることを特徴とする層別揚水装
置を前記課題の解決手段とした。
【0013】請求項3記載の発明では、請求項1記載の
層別揚水装置を備えた井戸であって、地盤を掘削して、
上下方向に複数の帯水層を有する井戸穴が形成され、こ
の井戸穴内に、該井戸穴の一の帯水層と他の帯水層との
間の不透水層に位置されて、前記各帯水層の水を揚水す
る前記層別揚水装置が設けられていることを特徴とする
井戸を前記課題の解決手段とした。
【0014】
【0015】
【作用】請求項1記載の井戸の層別揚水装置によれば、
揚水ポンプを揚水ポンプ係止体から引き抜くことによ
り、揚水ポンプ係止体が設置されている井戸管内の揚水
ポンプ設置位置が井戸の上下方向に連通する。また、揚
水ポンプ係止体は、揚水ポンプが上方から挿入された際
に、揚水ポンプを係止して位置決めする。さらに、揚水
ポンプ係止体に揚水ポンプを係止し、ケーシングの上下
面に設けられたバルブの開口量を調整することにより、
揚水ポンプ設置位置の上下にそれぞれ位置する帯水層か
らの揚水を所望の流量で行う。
【0016】請求項2記載の層別揚水装置によれば、揚
水ポンプ係止体とケーシングの係止壁との互いの接触面
がそれぞれ傾斜して、接触面積が増大する。また、揚水
ポンプ係止体は、ケーシングと接する部分が傾斜面にな
っているので、スライムの堆積が減少する。
【0017】請求項3記載の井戸によれば、揚水ポンプ
を揚水ポンプ係止体から引き抜くことにより、揚水ポン
プ設置部が井戸の上下方向に連通して、井戸深部の洗浄
やメンテナンスが可能となる。
【0018】
【0019】
【実施例】以下本発明の一実施例を、図1ないし図4を
参照して説明する。図中符号20は層別揚水装置、21
は揚水ポンプ係止体、22は揚水ポンプ、23はケーシ
ング、24はポンプ本体、25はバルブ、26は揚水管
である。図1に示すように、本発明の井戸は、井戸管4
内に本発明の層別揚水装置20を挿入して構成されてい
る。すなわち、地盤を掘削して、上下方向に複数の帯水
層を有する井戸穴が形成され、この井戸穴内に配置され
た井戸管4の、第1の帯水層1と第2の帯水層2との間
の不透水層3に位置されて、前記各帯水層の水を揚水す
る前記層別揚水装置20が設けられている。層別揚水装置
20は、前記図6および図7に示す井戸管4内に固定さ
れた揚水ポンプ係止体21と、この揚水ポンプ係止体2
1に上方から井戸管4内に吊り降ろして挿入された揚水
ポンプ22とで構成されている。なお、図中、図6およ
び図7と同一の構成部分には同一の符号を付し、その説
明を簡略化する。
【0020】図1および図2に示すように、揚水ポンプ
係止体21は、井戸管4内に所定位置で水平に固定され
たリング状の部材であって、中央部に、下方に行くほど
断面積が減少する円錐台状に形成された係合孔27が設
けられている。揚水ポンプ係止体21の井戸管4内壁面
への固定は、あらかじめ井戸管4の施工時に取付金具の
利用や溶接によって行なう。なお、揚水ポンプ係止体2
1は、その形状から、井戸管4内のスライムが係合孔2
7上面に堆積しにくく、係合孔27と係合孔27との密
接時の水密保持に有利である。
【0021】揚水ポンプ22は、ケーシング23と、ケ
ーシング23に内装されたポンプ本体24と、ケーシン
グ23の上面および下面に取り付けられたバルブ25
と、ポンプ本体24で吸い上げた水を地上に導く揚水管
26とで構成されている。ケーシング23は、鋼板等で
水密に形成された外観が概略円柱状の筐体であって、軸
方向一側端部に前記係合孔27と嵌合する円錐台状の係
止壁28を有している。また、ケーシング23の上面お
よび下面には、それぞれ第1の帯水層1または第2の帯
水層2からの湧水の水圧を計測する水圧計29が取り付
けられている。なお、水圧計29で計測された水圧は、
地上の制御部に伝送されるようになっている。バルブ2
5は、それぞれ地上から開閉量を調整可能に構成され、
開口量を設定することにより、第1の帯水層1または第
2の帯水層2から湧出した地下水を所望の流量でケーシ
ング23内に流入させるようになっている。
【0022】揚水ポンプ22は、ケーシング23を井戸
管4の上方から揚水ポンプ係止体21に挿入することに
より、係合孔27と係止壁28とが係合して係止される
ようになっている。揚水ポンプ22の揚水ポンプ係止体
21による係止時には、係合孔27と係止壁28とが互
いに密接して、井戸管4の内部を上下方向に水密に遮断
する。また、ケーシング23の上面は、揚水ポンプ係止
体21の上面と面一またはそれより下方に位置し、第1
の帯水層1から湧出した地下水が全て降下するようにな
っている。
【0023】なお、揚水ポンプ係止体21に嵌合した揚
水ポンプ22は、第2の帯水層2から湧出する地下水圧
で揚水ポンプ22が押し上げられ、係合孔27と係止壁
28との密接が解除されて通水可能状態となる可能性が
あるため、図3に示すように、ケーシング23上に重り
30を載荷して係合孔27と係止壁28との密接保持を
確実にするようにしてもよい。また、係合孔27と係止
壁28との密接保持は、支圧金具で行なうようにしても
よい。一方、係合孔27と係止壁28とは、それぞれを
互いに嵌合可能なテーパ面を有する形状に形成して、係
合孔27と係合孔27との密接保持に機能させるように
してもよい。さらに、係合孔27と係止壁28とは、双
方の間にゴム等を介装することにより、密接時の水密性
を一層向上することができる。
【0024】以下、本発明の作用及び効果を説明する。
本発明の井戸は、予め井戸管4内の所望位置に固定した
揚水ポンプ係止体21に、揚水ポンプ22を係止するこ
とにより層別揚水装置20がセットされる。層別揚水装
置20のセット時には、揚水ポンプ係止体21および揚
水ポンプ22が、互いに密接して水密状態となり、井戸
管4内を上下で水密に仕切る。そして、層別揚水装置2
0は、揚水ポンプ係止体21および揚水ポンプ22に仕
切られたそれぞれの領域に湧出する地下水を、揚水ポン
プ22が、それぞれの領域に望むバルブ25を介して揚
水する。第1の帯水層1および第2の帯水層2の揚水
は、バルブ25の開口量を調整することによりケーシン
グ23内への地下水の流入量を前記各領域毎に調節して
揚水することができるので、湧出水をそれぞれ目的の流
量で揚水するようになっている。
【0025】本発明の井戸によれば、フィルター8やス
クリーンSの洗浄およびメンテナンス時には、揚水ポン
プ係止体21から揚水ポンプ22を引き抜けば、係合孔
27が開口するので、係合孔27を介して井戸管4深部
の作業が可能であり、井戸全体の揚水の能率を維持する
ことができる。また、フィルター8やスクリーンSのメ
ンテナンス後、揚水ポンプ22を再び井戸管4内にセッ
トする際には、揚水ポンプ22を井戸管4内に吊り降ろ
すことにより揚水ポンプ係止体21と係合するから、揚
水ポンプ22の位置決めも容易である。なお、本発明の
層別揚水装置およびこれを備えた井戸は、従来の層別揚
水装置およびこれを備えた井戸のように、パッカーやバ
ルブ付き止水板等が不要で、しかも全体の構成も簡単な
ので、低コストでしかも容易に構成することができる。
【0026】本発明の井戸は、井戸管4内にスライムの
堆積が無い場合には、例えば、図4および図5に示すよ
うに、井戸管4内に、前記層別揚水装置20に比して構
造の単純な層別揚水装置31を挿入した態様とすること
も可能である。すなわち、図4および図5に示すよう
に、層別揚水装置31は、円筒状の揚水ポンプ係止体3
2と、該揚水ポンプ係止体32に対して上方から挿入す
ることにより嵌合可能、かつ、揚水ポンプ係止体32と
係合可能な係止壁33を有するケーシング34とを備え
てなっている。係止壁33は、外観円柱状のケーシング
34の上部において、ケーシング34の外周全周に亙っ
て突出した突条であって、下面が揚水ポンプ係止体32
の上面に載置されることにより揚水ポンプ係止体32と
密接して、井戸管4内部を上下方向に水密に仕切るよう
になっている。また、層別揚水装置31においては、図
5に示すように、支圧金具35を設置して、ケーシング
34の上方への移動を規制し、係止壁33と揚水ポンプ
係止体32との密接を保持することも可能になってい
る。
【0027】図4および図5に示す井戸によれば、揚水
ポンプ係止体21およびケーシング34の構造が単純な
ので、これらの製造が容易となる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の層
別揚水装置によれば、井戸内に設けられた揚水ポンプ
係止体と、該揚水ポンプ係止体に係止される揚水ポンプ
と、この揚水ポンプに連係された揚水管とを具備してな
り、前記揚水ポンプ係止体は、井戸管内の所定位置で水
平に固定され、中央部に係合孔を有するリング状の部材
からなる構成とされ、前記揚水ポンプは、水密な筺体に
形成されるケーシングと、該ケーシングに内装されるポ
ンプ本体とを有して構成されるとともに、該ケーシング
は、軸方向一側端部に前記係合孔に嵌合する係止壁を有
するとともに、上下両面の位置にケーシングの内外に連
通しかつ開口量を調整可能なバルブが取り付けられてい
る構成とされ、前記揚水ポンプが揚水ポンプ係止体に、
ケーシングの上面を前記揚水ポンプ係止体の上面と面一
または下方に位置する状態で、ケーシングの係止壁と揚
水ポンプ係止体の係合孔とを互いに密接して係合するこ
とにより係止されて、井戸管の内部を上下方向に水密に
遮断することを特徴とすることから、 (1)揚水ポンプを揚水ポンプ係止体から引き抜くこと
により、揚水ポンプ係止体が設置されている井戸管内の
揚水ポンプ設置位置が井戸の上下方向に連通して井戸深
部の洗浄やメンテナンスが可能となるほか、井戸の使用
後の処置の際、コンクリートやモルタルなどが充填しや
すい、 (2)揚水ポンプ係止体は、揚水ポンプが上方から挿入
された際に、揚水ポンプを係止することにより位置決め
するので、揚水ポンプのセット時の作業能率が向上す
る、 (3)パッカーやバルブ付き止水板等が不要で、しかも
全体の構成も簡単なので、低コストでかつ容易に構成す
ることができる。 (4)揚水ポンプ係止体に揚水ポンプを係止し、ケーシ
ングの上下面に設けられたバルブの開口量を調整するこ
とにより、揚水ポンプ設置位置の上下にそれぞれ位置す
る帯水層からの揚水を所望の流量で行うことができる。
【0029】請求項2記載の層別揚水装置によれば、前
記請求項1記載の井戸の層別揚水装置であって、揚水ポ
ンプ係止体とケーシングの係止壁とは、それぞれ下側の
断面積が減少する形状に形成されていることを特徴とす
るから、揚水ポンプ係止体とケーシングの係止壁との接
触面積が大きく、しかも、揚水ポンプ係止体とケーシン
グの係止壁との間へのスライムの堆積が減少するので、
揚水ポンプ係止体とケーシングの係止壁との接触時の水
密性が一層向上する。
【0030】
【0031】請求項3記載の井戸によれば、請求項1記
載の層別揚水装置を備えた井戸であって、地盤を掘削し
て、上下方向に複数の帯水層を有する井戸穴が形成さ
れ、この井戸穴内に、該井戸穴の一の帯水層と他の帯水
層との間の不透水層に位置されて、前記各帯水層の水を
揚水する前記層別揚水装置が設けられていることを特徴
とするから、揚水ポンプを揚水ポンプ係止体から引き抜
くことにより、揚水ポンプ設置部が井戸の上下方向に連
通して、井戸深部の洗浄やメンテナンスが可能となるほ
か、井戸の使用後の処置の際、コンクリートやモルタル
などが充填しやすく、また、井戸全体の揚水の能率を維
持することができるとともに、パッカーやバルブ付き止
水板等が不要で、しかも全体の構成も簡単なので、低コ
ストでかつ容易に構成することができるといった優れた
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す正断面図である。
【図2】層別揚水装置を示す拡大図である。
【図3】重りの設置位置を示す断面略図である。
【図4】図2の層別揚水装置の他の態様を示す拡大図で
ある。
【図5】支圧金具の設置位置を示す断面略図である。
【図6】パッカーを利用した層別揚水装置を備えた井戸
を示す正断面図である。
【図7】バルブ付き止水板を備えた井戸を示す正断面図
である。
【符号の説明】
9 遮水体 20 層別揚水装置 21 揚水ポンプ係止体 22 揚水ポンプ 23 ケーシング 24 ポンプ本体 26 揚水管 28 係止壁 31 層別揚水装置 32 揚水ポンプ係止体 33 係止壁 34 ケーシング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高野 輝彦 千葉県我孫子市根戸349−15 (56)参考文献 特開 昭64−62526(JP,A) 実開 平4−112947(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E03B 3/08 - 3/16 E03B 5/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の帯水層を有する地盤に掘削された
    井戸から、複数の帯水層の水を揚水するための層別揚水
    装置であって、 井戸内に設けられた揚水ポンプ係止体と、該揚水ポン
    プ係止体に係止される揚水ポンプと、この揚水ポンプに
    連係された揚水管とを具備してなり、 前記揚水ポンプ係止体は、井戸管内の所定位置で水平に
    固定され、中央部に係合孔を有するリング状の部材から
    なる構成とされ、 前記揚水ポンプは、水密な筺体に形成されるケーシング
    と、該ケーシングに内装されるポンプ本体とを有して構
    成されるとともに、 該ケーシングは、軸方向一側端部に前記係合孔に嵌合す
    る係止壁を有するとともに、上下両面の位置にケーシン
    グの内外に連通しかつ開口量を調整可能なバルブが取り
    付けられている構成とされ、 前記揚水ポンプが揚水ポンプ係止体に、ケーシングの上
    面を前記揚水ポンプ係止体の上面と面一または下方に位
    置する状態で、ケーシングの係止壁と揚水ポンプ係止体
    の係合孔とを互いに密接して係合することにより係止さ
    れて、井戸管の内部を上下方向に水密に遮断することを
    特徴とする層別揚水装置。
  2. 【請求項2】 前記請求項1記載の層別揚水装置であっ
    て、 揚水ポンプ係止体とケーシングの係止壁とは、それぞれ
    下側の断面積が減少する形状に形成されていることを特
    徴とする層別揚水装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の層別揚水装置を備えた井
    戸であって、 地盤を掘削して、上下方向に複数の帯水層を有する井戸
    穴が形成され、この井戸穴内に、該井戸穴の一の帯水層
    と他の帯水層との間の不透水層に位置されて、前記各帯
    水層の水を揚水する前記層別揚水装置が設けられている
    ことを特徴とする井戸。
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