JP3307729B2 - 層別揚水装置およびこれを備えた井戸 - Google Patents

層別揚水装置およびこれを備えた井戸

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JP3307729B2
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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の帯水層を有する
地盤に構築された井戸に設置されて、前記帯水層に層別
に揚水又は注水を行うための井戸の層別揚水装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】建設工事で排水工法を採用する時など
は、井戸による揚水を行なうが、従来、環境面の配慮や
揚水コストを軽減するため、揚水量を減らす目的で層別
揚水を採用することがあった。
【0003】層別揚水用の井戸としては、例えば、図6
に示すパッカーを利用した層別揚水装置を備えたものが
ある。
【0004】図中、符号1は第1の帯水層、2は第2の
帯水層、3は不透水層、4は井戸管、5はパッカー、6
は揚水管、7は揚水ポンプである。図6に示す井戸は、
上下方向に第1,第2の帯水層1,2を有し、井戸管4
内の所定位置に内装,固定された層別揚水装置により、
第1,第2の帯水層1,2のそれぞれから揚水を行なう
ものである。
【0005】前記井戸管4は、第1の帯水層1や第2の
帯水層2に面する部分の壁面が、それぞれ透水性のフィ
ルター8で構成されている。また、不透水層3に面する
部分はグラウト等による遮水体9に形成されている。各
フィルター8のそれぞれパッカー5に近接する部分に
は、フィルター8から浸出する水を井戸管4内に導くス
クリーンSが設けられている。
【0006】層別揚水装置は、揚水ポンプ7が内装され
たパッカー5と、該パッカー5から揚水すべき水を地上
に導く揚水管6とで構成されている。パッカー5は、水
密な筐体であるケーシング10と、該ケーシング10の
周囲に装着された円筒状の袋体11とで構成されてい
る。パッカー5は、ケーシング10の軸線を井戸管4の
軸線と平行とした姿勢で井戸管4内に挿入し、遮水体9
の位置で、袋体11を内部に水や空気等を封入して膨張
させることにより、袋体11が遮水体9の内側面に圧接
されて井戸管4内に固定されるようになっている。そし
て、パッカー5は、袋体11が井戸管4の内壁面に圧接
されるので、第1の帯水層1からフィルター8およびス
クリーンSを介して浸出した水がパッカー5の下方に流
れ出すことを防止するようになっている。ケーシング1
0は、上底および下底部にそれぞれ開口量が調整可能な
バルブ12を有し、それぞれのバルブ12から内部に水
が流入可能になっている。またケーシング10は、内部
中空部に、揚水管6を介して地上から吊支された揚水ポ
ンプ7が内蔵されている。
【0007】そして、この井戸は、第1の帯水層1およ
び第2の帯水層2の地下水をフィルター8およびスクリ
ーンSを介して井戸管4内部に湧出させ、さらに、この
井戸管4内に湧出させた水をバルブ12を介してケーシ
ング10の内部に流入させ、ケーシング10に流入した
水を揚水ポンプ7の作用で地上に揚水する。各帯水層
1,2からの揚水量は、バルブ12の開口量を調整する
ことにより調整できるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た層別揚水装置およびこれを用いた揚水用の井戸は、袋
体11を膨張させるための機構が複雑で、コストが高い
といった問題もある。また、多数の帯水層からの層別揚
水を行なう場合には、前記パッカ5の構成が一層複雑と
なり、前記コストの上昇が一層複雑となる上、揚水すべ
き帯水層同志の離間距離が大きい場合には、装置が大型
化して、限界があるといった問題もある。
【0009】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
ので、低コストでしかもより多数の層から層別に揚水す
ることができる層別揚水装置およびこれを備えた井戸を
提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、井戸内壁面を覆設する遮水性の筒体であって、前記
帯水層を望む部分に帯水層の水を内側に取水するスクリ
ーンを有する井戸管と、井戸管の軸方向に離間したスク
リーンの間に配置され、井戸管内を軸方向に水密に仕切
る1以上の止水板と、井戸管内に湧出した水を揚水する
揚水ポンプと、この揚水ポンプに連係された揚水管とを
具備してなり、前記止水板には、該止水板で仕切られた
井戸管内の上下それぞれの領域に連通し、開口量を地上
などで調整可能なバルブが設けられていることを特徴と
する層別揚水装置を前記課題の解決手段とした。
【0011】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
層別揚水装置において、前記止水板の内、前記揚水ポン
プを設置した領域に面する止水板と、揚水ポンプの設置
領域に面していない止水板との間に、揚水ポンプが設置
されていない領域の水を揚水ポンプの設置領域に導水す
る導水管が配設されていることを特徴とする井戸を前記
課題の解決手段とした。
【0012】請求項3記載の発明では、請求項1又は2
記載の層別揚水装置を備えた井戸であって、地盤を掘削
して、上下方向に複数の帯水層を有する井戸穴が形成さ
れ、この井戸穴内に、前記各帯水層の水を揚水する前記
層別揚水装置が設けられていることを特徴とする層別揚
水装置を前記課題の解決手段とした。
【0013】請求項4記載の発明では、請求項3記載の
井戸であって、井戸穴の前記帯水層に望む位置に、帯水
層の水を前記層別揚水装置の井戸管のスクリーンに導く
フィルタが設けられ、該フィルタの内部またはフィルタ
に近接してフィルタ洗浄用の注水パイプが備えられてい
ることを特徴とする井戸を前記課題の解決手段とした。
【0014】
【作用】請求項1記載の層別揚水装置によれば、井戸穴
の各帯水層から湧出した地下水を開口部から井戸管内の
止水板で仕切られた領域の内、揚水ポンプの設置領域以
外の所望の領域に導き、該領域から、導水された水を揚
水ポンプの設置領域に導水する。井戸管内の領域間の導
水は、地上などでのコントロールによるバルブの開閉量
で流量調整する。
【0015】請求項2記載の層別揚水装置によれば、井
戸管内の止水板で仕切られた領域間の導水を導水管を介
して行なうので、揚水ポンプ設置領域から離れた領域か
らの揚水ポンプ設置領域へ直接導水する。
【0016】請求項3記載の井戸によれば、井戸穴内に
前記層別揚水装置を設置することにより、各帯水層か
ら、層別揚水装置がそれぞれ個別に所望の流量で揚水す
る。
【0017】請求項4記載の井戸によれば、注水パイプ
からフィルタに注水することによりフィルタを洗浄す
る。この際、揚水ポンプによる揚水を同時に行なうこと
により、洗浄が一層効果的となる。
【0018】
【実施例】以下本発明の第1実施例を、図1ないし図3
を参照して説明する。図中符号20は層別揚水装置、2
1は井戸管、22はスクリーン、23は止水板、24は
揚水ポンプ、25は揚水管、26はバルブである。図1
に示すように、本発明の井戸は、地盤Tに形成した井戸
穴H内に本発明の層別揚水装置20を挿入して構成され
ている。層別揚水装置20は、前記井戸穴Hに挿入され
た筒状の井戸管21と、該井戸管21内部に軸方向に離
間して3ケ所に設けられた止水板23と、地上から井戸
管21内に吊下された揚水ポンプ24と、該揚水ポンプ
24に接続され、揚水ポンプ24で揚水する水を上方に
導く揚水管25とで構成されている。
【0019】図1に示すように、井戸管21は、鋼板な
どで水密に形成された筒体であって、井戸穴Hの内壁面
からやや内側に離間して井戸穴H内に設置されている。
井戸管21の各帯水層B1に望む部分の一部には、帯水
層B1の水を内部に取水し、井戸管21内への砂等の細
粒の侵入を防止するためのスクリーン22が設けられて
いる。なお、井戸穴Hの内壁面と井戸管21の外側面と
の間には、地盤Tの帯水層B1部分にフィルタFが充填
され、不透水層B2に面する部分はグラウト等による遮
水体Sが介装されている。
【0020】止水板23は、井戸管21の断面方向に平
行に配された鋼板であって、井戸管21内周面に溶接さ
れ、井戸管21を軸方向に遮水して仕切っている。各止
水板23は、前記各スクリーン22の間に位置されてい
る。また、各止水板23には、自身が仕切る双方の領域
に連通し、開口量が地上などで調整可能に構成されたバ
ルブ26が設けられている。これらバルブ26の内、図
1に示すように、最上部に位置するバルブ26を除く他
のバルブ26には、自身の下方の領域の水を最上部に位
置する止水板23の上方の領域に導水する導水管28が
取り付けられている。各止水板23の下面には、自身と
自身の下方に隣接する止水板23との間の領域に貯溜さ
れる水の水圧を計測する水圧計29が取り付けられてい
る。なお、止水板23の井戸管21への溶接は、強度の
弱いものであって、井戸の使用後に取り外しが容易なよ
うになっている。また、バルブ26は、水圧計29と電
気的に接続して、水圧計29で計測される水圧に従って
開口量を自動調整可能としてもよい。
【0021】揚水ポンプ24は、地上から吊り下げられ
た揚水管25の先端に取り付けられ、下端が、井戸管2
1の最上部に取り付けられた止水板23のやや上方に位
置されている。また、揚水ポンプ24は、井戸管21の
最上部に取り付けられた止水板23のやや上方ではな
く、止水板23の間に挿入してもよい。この場合は、導
水管28の方向がポンプ向きになり、各帯水層B1の地
下水低下量を大きくしたい場合に有効である。
【0022】以下、図1の層別揚水装置およびこれを用
いた井戸の作用および効果を説明する。図1の層別揚水
装置およびこれを用いた井戸は、帯水層B1の水をフィ
ルタFを介して井戸管21内に取水するとともに、井戸
管21内に取水した水を揚水ポンプ24が揚水管25を
介して上方に揚水する。すなわち、層別揚水装置20
は、井戸管21のスクリーン22のみが内部への水の侵
入を許可する部分であり、しかも、井戸管21内の軸方
向に隣接するスクリーン22の間が互いに止水板23で
遮水されているので、止水板23で仕切られた井戸管2
1内の各領域に地盤Tの各帯水層B1の水をそれぞれ互
いに混入することなく取水する。それぞれの領域に取水
された水は、帯水層B1の水圧で水位が上昇し、それぞ
れバルブ26又は導水管28を介して最上部の止水板2
3の上方の領域に達し、揚水ポンプ24で揚水可能状態
となる。この際、各領域からの揚水量は、バルブ26の
開口量を調整することにより調整される。
【0023】したがって、本発明では、井戸管21内の
適切位置に止水板23を固定しただけで構成できるの
で、従来のパッカを用いるものに比して構成が簡単で、
コストが低減する。また、止水板23は、図1に示す3
段以外、さらに複数段設置することも容易であり、多数
の帯水層の層別揚水を行なう場合には、前記コスト面で
の優位性が一層顕著となる。
【0024】なお、井戸は、揚水が完了したら、止水板
23を取り外し(溶接が低強度なので、下方に叩き落と
すことも適当)、内部にモルタルやコンクリートを充填
することにより、地盤の強化に寄与するようになってい
る。
【0025】以下、本発明の第2実施例を図2を参照し
て説明する。図中、符号30は層別揚水装置、31は注
水パイプである。図2に示すように、本発明の井戸は、
地盤Tに形成された井戸穴H内に層別揚水装置30を設
けて構成されている。層別揚水装置30は、2層の帯水
層B1,B1から揚水する装置であって、地盤Tに形成さ
れた井戸穴H内に配置された井戸管21と、該井戸管2
1内に固定され、井戸管21内を軸方向に遮水して仕切
る止水板23と、井戸管21内に吊り下げられた揚水管
25と、揚水管25の下端に設けられた揚水ポンプ24
とで構成されている。
【0026】井戸管21は、鋼板で形成された有底筒状
体であって、井戸管21の各帯水層B1に望む部分の一
部には、帯水層B1の水を内部に取水し、井戸管21内
への砂等の細粒の侵入を防止するためのスクリーン22
が設けられている。したがって、井戸管21は、その下
部において、スクリーン22を介して内部に流入した帯
水層B1の水が貯溜されるようになっている。
【0027】止水板23は、上下に対向配置されたスク
リーン22の間において、下方のスクリーン22の直上
部にのみ設けられている。止水板23は、バルブ26を
有し、バルブ26の開口量を調整することにより、止水
板23の下側領域の水を止水板23の上側領域に所望の
流量で導水するようになっている。
【0028】井戸穴Hの内壁面と井戸管21の外側面と
の間には、地盤Tの帯水層B1部分にフィルタFが充填
され、不透水層B2部分に遮水体Sが介装されている。
また、下方の帯水層B1に接して設けられたフィルタF
において、下方のスクリーン22の近傍に位置する部分
には、地上から水を注水する注水パイプ31が内部に埋
設されている。
【0029】以下、図2に示す層別揚水装置およびこれ
を用いた井戸の作用および効果を説明する。図2に示す
層別揚水装置およびこれを用いた井戸は、スクリーン2
2近傍のフィルタF内部に注水パイプ31が設けられて
いるので、フィルタFおよびスクリーン22の洗浄が可
能となって、フィルタFおよびスクリーン22の透水性
および細粒除去能力を長期に亙って保持することができ
る。
【0030】すなわち、前記フィルタFおよびスクリー
ン22の洗浄は、この注水パイプ31から水を注入し、
同時に揚水ポンプ24で揚水を行なうことにより、フィ
ルタFおよびスクリーン22内に堆積、固着した土砂等
を除去する。その結果、洗浄を適宜行なうことにより、
フィルタFおよびスクリーン22の透水性および細粒除
去能力を長期に亙って保持することができ、揚水の能率
を維持できることは勿論、フィルタFやスクリーン22
のメンテナンスの為に作業者が井戸管21内に入る必要
がなく、メンテナンスの能率および安全性が大幅に向上
する。特に、揚水すべき帯水層が少ない場合には、従来
工法に比して、そのコスト面の優位性が大きい。また、
図2の発明は、構成が極めて簡単なので、揚水のコスト
が低いことは勿論、揚水ポンプ24の設置領域が上部の
帯水層B1用のスクリーン22より低く、しかも、該帯
水層B1の水を自然落下で揚水ポンプ24の設置領域に
導水するので、上部の帯水層B1の水圧が低い場合であ
っても揚水することができる。
【0031】以下、本発明の第3実施例を図3を参照し
て説明する。図中、符号40は本発明の層別揚水装置で
ある。図3に示すように、本発明の井戸は、地盤Tに形
成された井戸穴H内に層別揚水装置40を設置して構成
されている。層別揚水装置40は、2層の帯水層B1,
B1から揚水する装置であって、地盤Tに形成された井
戸穴H内に配置された井戸管21と、該井戸管21内に
固定され、井戸管21内の軸方向2ケ所に設けられ、井
戸管21内を軸方向に遮水して仕切る2枚の止水板23
と、井戸管21内に吊り下げられた揚水管25と、揚水
管25の下端に設けられた揚水ポンプ24とで構成され
ている。
【0032】井戸管21は、鋼板などで形成された有底
筒状体であって、井戸管21の各帯水層B1に望む部分
の一部には、帯水層B1の水を内部に取水し、井戸管2
1内への砂等の細粒の侵入を防止するためのスクリーン
22が設けられている。したがって、井戸管21は、そ
の下部において、スクリーン22を介して内部に流入し
た帯水層B1の水が貯溜されるようになっている。
【0033】止水板23は、井戸管21内において、上
方のスクリーン22の直下部および下方のスクリーン2
2の直上部に、井戸管21の断面方向に沿って固定され
ている。止水板23は、バルブ26を有し、バルブ26
の開口量を調整することにより、止水板23の下側領域
の水を止水板23の上側領域に所望の流量で導水するよ
うになっている。
【0034】揚水ポンプ24は、前記二つの止水板2
3,23の間に形成された領域内に設置されている。し
たがって、揚水ポンプ24は、上下双方の帯水層B1,
B1からの揚水を、それぞれの帯水層B1の水が流入する
それぞれの領域に設けられたバルブ26の開口量を調整
することにより層別に調整可能になっている。
【0035】井戸穴Hの内壁面と井戸管21の外側面と
の間には、地盤Tの帯水層B1部分にフィルタFが充填
され、不透水層B2部分に遮水体Sが介装されている。
また、それぞれのフィルタFにおいて、スクリーン22
の近傍に位置する部分には、地上から水を注水する注水
パイプ31が内部に埋設されている。
【0036】以下、図3に示す層別揚水装置およびこれ
を用いた井戸の作用および効果を説明する。図3に示す
層別揚水装置およびこれを用いた井戸は、前記図2記載
の発明と同様に、スクリーン22近傍のフィルタF内部
に注水パイプ31が設けられているので、フィルタFお
よびスクリーン22の洗浄が可能となって、フィルタF
およびスクリーン22の透水性および細粒除去能力を長
期に亙って保持することができる。また、図3の発明
は、導水管28を用いないので、揚水のコストが低いこ
とは勿論、揚水ポンプ24の設置領域が上部の帯水層B
1用のスクリーン22より低く、しかも、該帯水層B1の
水をバルブ26を介して揚水ポンプ24の設置領域に導
水するので、上部の帯水層B1の水圧が低い場合であっ
ても、適切な揚水量で揚水することができる。
【0037】なお、注水パイプ31の位置は、フィルタ
Fの内部以外、外側面側であってもよい。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の層
別揚水装置によれば、井戸内壁面を覆設する遮水性の筒
体であって、前記帯水層を望む部分に帯水層の水を内側
に取水する開口部を有する井戸管と、井戸管の軸方向に
離間した開口部の間に配置され、井戸管内を軸方向に水
密に仕切る1以上の止水板と、井戸管内に湧出した水を
揚水する揚水ポンプと、この揚水ポンプに連係された揚
水管とを具備してなり、前記止水板には、該止水板で仕
切られた井戸管内の上下それぞれの領域に連通し、開口
量を調整可能なバルブが設けられていることを特徴とす
るから、従来のパッカを用いるものに比して構成が簡単
で、コストが低減するとともに、複数段設置することも
容易であり、一本の井戸で多数の帯水層の層別揚水を行
なうことも低コストで行なうことができる。
【0039】請求項2記載の層別揚水装置によれば、前
記止水板の内、前記揚水ポンプを設置した領域に面する
止水板と、揚水ポンプの設置領域に面していない止水板
との間に、揚水ポンプが設置されていない領域の水を揚
水ポンプの設置領域に導水する導水管が配設されている
ことを特徴とするから、揚水ポンプが設置されていない
領域の水の揚水ポンプの設置領域への導水およびその流
量調整に有利であるとともに、さらに多くの帯水層の同
時揚水が容易である。
【0040】請求項3記載の井戸によれば、地盤を掘削
して、上下方向に複数の帯水層を有する井戸穴が形成さ
れ、この井戸穴内に、前記各帯水層の水を揚水する前記
層別揚水装置が設けられていることを特徴とするから、
揚水のコストが低減するとともに、多くの帯水層からの
層別揚水が容易となる。
【0041】請求項4記載の井戸によれば、井戸穴の前
記帯水層に望む位置に、帯水層の水を前記層別揚水装置
の井戸管の開口部に導くフィルタが設けられ、該フィル
タの内部またはフィルタに近接してフィルタ洗浄用の注
水パイプが備えられていることを特徴とするから、フィ
ルタおよびスクリーンの洗浄が可能となって、フィルタ
の透水性および細粒除去能力を長期に亙って保持するこ
とができ、揚水の能率を維持できることは勿論、井戸下
部のメンテナンスや修理の為に作業者が井戸管内に入る
必要がなく、メンテナンスの能率および安全性が大幅に
向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す正断面図である。
【図2】本発明の第2実施例を示す正断面図である。
【図3】本発明の第3実施例を示す正断面図である。
【図4】従来例を示す正断面図である。
【符号の説明】
9 遮水体 20 層別揚水装置 21 井戸管 22 開口部 23 止水板 24 揚水ポンプ 26 バルブ 28 導水管 30 層別揚水装置 31 注水パイプ 40 層別揚水装置 B1 帯水層 F フィルタ H 井戸穴 T 地盤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高野 輝彦 千葉県我孫子市根戸349−15 (56)参考文献 特開 平3−194023(JP,A) 特開 平3−5533(JP,A) 特開 昭64−62526(JP,A) 実開 昭60−104468(JP,U) 実開 平4−112947(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E03B 3/08 E03B 3/15 E03B 5/04 E21B 43/14

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の帯水層を有する地盤に掘削された
    井戸から、複数の帯水層の水を揚水するための層別揚水
    装置において、 井戸内壁面を覆設する遮水性の筒体であって、前記帯水
    層を望む部分に帯水層の水を内側に取水する開口部を有
    する井戸管と、井戸管の軸方向に離間した開口部の間に
    配置され、井戸管内を軸方向に水密に仕切る1以上の止
    水板と、井戸管内に湧出した水を揚水する揚水ポンプ
    と、この揚水ポンプに連係された揚水管とを具備してな
    り、 前記止水板には、該止水板で仕切られた井戸管内の上下
    それぞれの領域に連通し、開口量を調整可能なバルブが
    設けられていることを特徴とする層別揚水装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の層別揚水装置において、
    前記止水板の内、前記揚水ポンプを設置した領域に面す
    る止水板と、揚水ポンプの設置領域に面していない止水
    板との間に、揚水ポンプが設置されていない領域の水を
    揚水ポンプの設置領域に導水する導水管が配設されてい
    ることを特徴とする層別揚水装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の層別揚水装置を備
    えた井戸であって、地盤を掘削して、上下方向に複数の
    帯水層を有する井戸穴が形成され、この井戸穴内に、前
    記各帯水層の水を揚水する前記層別揚水装置が設けられ
    ていることを特徴とする井戸。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の井戸であって、井戸穴の
    前記帯水層に望む位置に、帯水層の水を前記層別揚水装
    置の井戸管の開口部に導くフィルタが設けられ、該フィ
    ルタの内部またはフィルタに近接してフィルタ洗浄用の
    注水パイプが備えられていることを特徴とする井戸。
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