JP2546466Y2 - 溜め桝 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、例えば排水桝、雨水桝
などの、地中に埋設される溜め桝に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来この種の溜め桝には、直径３０cm程
度の略円筒形状のコンクリート製桝やポリプロピレン製
桝が使用されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のコンクリート製桝については、重量があり施工性が
が悪いとの問題を有している。また、ポリプロピレン製
桝は軽量で施工性は良いものの、主に射出成形にて有底
の円筒形状に一体形成されるため、金型の中子を上方に
抜くために、下方の底面部に向って若干縮径した形状と
なり、地下水の水位が高い地域などでは桝が浮上しやす
いとの問題を有している。

【０００４】また、射出成形において下部の縮径を防止
するためには、複雑な構造の金型が必要になり、製造コ
ストが上昇するとの問題を有している。

【０００５】本考案は、このような点に鑑みなされたも
ので、安価に製造でき軽量で施工性が良好であるととも
に浮上しにくい溜め桝を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本考案の溜め桝は、合成
樹脂パイプをブロー成形して一体的に形成された桝本体
と、この桝本体の下端を閉塞する底盤とを具備し、前記
桝本体は、上部に円筒状部が形成され、この円筒状部の
下部に下方に向って拡径した拡径部が形成されたもので
ある。

【０００７】

【作用】本考案の溜め桝では、桝本体が、合成樹脂パイ
プをブロー成形して一体的に成形されているため、製造
が容易で安価になるとともに軽量で施工性が良好とな
る。また、桝本体の下部に拡径部を形成したため、周囲
の土砂などにより桝本体の浮上が防止される。さらに、
上部の円筒状部を任意の位置にて切断することにより、
桝本体の埋設の深さ位置が調整される。

【０００８】

【実施例】以下、本考案の溜め桝一実施例の構成を図面
を参照して説明する。

【０００９】図１において、１は硬質塩化ビニル樹脂な
どの合成樹脂製パイプをブロー成形することにより一体
的に形成された桝本体で、この桝本体１は、上部の円筒
状部２と、この円筒状部２の下部に接続され下方に向か
って傾斜状に拡径した拡径部３と、下端部の環状嵌合部
４とを有している。

【００１０】そして、この桝本体１の上端部の開口部に
は合成樹脂製の蓋受け体６が接着嵌合して固定されてお
り、さらにこの蓋受け体６に開閉自在な合成樹脂製の蓋
体７が嵌合して取り付けられている。

【００１１】また、この桝本体１の下端部の環状嵌合部
４には合成樹脂製の冠状の底盤８が接着嵌合され、下端
部の開口部が閉塞されている。

【００１２】そして、10は各家庭などからの排水が流入
する排水管で、この排水管10は、拡径部３の一側部にホ
ールソーなどにて開口形成された流入口11に嵌挿して接
続されている。

【００１３】また、12は下水道本管へと接続される下流
側の排水管で、この排水管12は、拡径部３の他側部の、
流入口11より低い高さ位置にホールソーなどにて開口形
成された流出口13に嵌挿して接続されている。

【００１４】また、各流入口11、流出口13にはそれぞれ
シールパッキング15，16が嵌着され、液密性が高められ
ている。

【００１５】次に、この実施例の一施工例を説明する。

【００１６】まず、上部の開口部に蓋受け体６を接続
し、下部の開口部を底盤８にて閉塞した桝本体１を、地
中に埋設する。

【００１７】そして、各家庭からの排水管10の位置に合
わせて、拡径部３の一側部にホールソーなどにて流入口
11を開口形成し、この流入口11に排水管10を嵌合接続す
る。

【００１８】また同様に、拡径部３の他側部の、流入口
11より低い高さ位置にホールソーなどにて流出口13を開
口形成し、この流出口13に下流側の排水管12を嵌合接続
する。

【００１９】なお、これらの排水管10，12と流入口11、
流出口13との接続部には、シールパッキング15，16を嵌
着する他、接着剤あるいは接合剤を充填することによ
り、より密着性を高めることもできる。

【００２０】そして、蓋受け体６に蓋体７を嵌合し、桝
本体１の周囲に土砂を埋め戻して溜め桝の施工を完了す
る。

【００２１】なお、桝本体１を深く埋設できない場合な
どには、そのまま桝本体１を設置すると、蓋体７が地表
面Ｇから突出し、外観上などに問題があるが、上部の円
筒状部２を任意の位置にて水平に切断することにより、
蓋体７の表面を地表面Ｇに合わせることができる。

【００２２】また、地盤が軟弱な地域などにおいては、
必要に応じて桝本体１の周囲にコンクリートなどを流し
込み、より確実に桝本体１を固定することもできる。

【００２３】そうして、本実施例の溜め桝によれば、流
入口11から流入する夾雑物などの固体を分離して溜め桝
内に堆積させ、蓋体７を取り外して内部を清掃すること
ができる。

【００２４】そして、桝本体１を、合成樹脂パイプをブ
ロー成形することにより一体的に成形したため、下部を
拡径した桝本体１を容易に製造でき、複雑な金型なども
必要としないため、溜め桝をきわめて安価に製造でき
る。

【００２５】また、桝本体１は合成樹脂により一体成形
されているため、軽量で施工性を向上することができ
る。

【００２６】そして、下部に拡径部３を形成したため、
地盤が軟弱な地域や、地下水の水位が高い地域などにお
いても、周囲の土砂によって桝本体１の浮上を防止する
ことができる。また、寒冷地における霜による凍上も防
止できる。

【００２７】さらに、上部の円筒状部２を任意の位置に
て水平に切断することにより、桝本体１の埋設の深さ位
置を調整することができ、蓋体７の表面を容易に地表面
Ｇに合わせることができる。

【００２８】

【考案の効果】本考案の溜め桝によれば、桝本体を合成
樹脂パイプをブロー成形することにより一体的に成形し
たため、製造が容易で安価な溜め桝を提供することがで
きるとともに、桝本体が軽量で施工性を向上することが
できる。また、下部に拡径部を形成したため、周囲の土
砂により桝本体の浮上を防止することができる。さら
に、上部の円筒状部を任意の位置にて切断することによ
り、桝本体の埋設の深さ位置を容易に調整することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の溜め桝の一実施例を示す断面図であ
る。

【符号の説明】 １ 桝本体 ２ 円筒状部 ３ 拡径部 ８ 底盤

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 合成樹脂パイプをブロー成形して一体的
   に形成された桝本体と、 この桝本体の下端を閉塞する底盤とを具備し、 前記桝本体は、上部に円筒状部が形成され、この円筒状
   部の下部に下方に向って拡径した拡径部が形成されたこ
   とを特徴とする溜め桝。