JP2590634Y2 - リング状クラッチプレートの固定部構造 - Google Patents

リング状クラッチプレートの固定部構造

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JP2590634Y2
JP2590634Y2 JP1992076654U JP7665492U JP2590634Y2 JP 2590634 Y2 JP2590634 Y2 JP 2590634Y2 JP 1992076654 U JP1992076654 U JP 1992076654U JP 7665492 U JP7665492 U JP 7665492U JP 2590634 Y2 JP2590634 Y2 JP 2590634Y2
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ring
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正己 山本
幸男 紫牟田
宜弘 久保
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、リング状クラッチプレ
ートの固定部構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、図35に示すように、大型トレー
ラー等の大型車の車体前部、例えば、運転台300の助
手席側の側部に両端支持式のステー301を取り付け、
このステー301にアウトサイドミラーとしての電動ミ
ラー302を固定したものが知られている。
【0003】この従来の電動ミラー302は、ステー3
01を中心にミラーボデイ303を左右方向に回動させ
る回動機構を備えた基部ハウジング体304と、ミラー
ボディ303を上下方向に回動させる回転機構を備えた
回動ハウジング体305とを備えている。
【0004】基部ハウジング体304には回動ハウジン
グ体305を左右方向に回動させる駆動モータ、回転伝
達ギヤ、クラッチ機構等が設けられている。また、回動
ハウジング体305にはシャフト306を介してミラー
ボディ303を上下方向に回動させる駆動モータ、回転
伝達ギヤ、クラッチ機構等が設けられている。
【0005】この従来の電動ミラー302は、ミラーボ
ディ303の左右上下方向の回動をステー301を中心
に行うことができるので、比較的大きな回転角を得るこ
とができると共に、格納に便利であるという利点を有す
る。
【0006】また、クラッチ機構は、例えば、駆動モー
タの駆動以外の外力によりミラーボディ303が回動す
るのを防止するストッパの役割を果たすもので、図36
に示すように、固定側のリング状ベース307にリング
状クラッチプレート308が固定される。
【0007】リング状ベース307には、3等分点に係
合突起309が軸芯に向けて突設され、この係合突起3
09にリング状クラッチプレート308の3等分点に軸
芯に向けて突設された係合突起310を合わせて図示し
ないネジでリング状クラッチプレート308をリング状
ベース307に固定する。
【0008】リング状クラッチプレート308は係合突
起310を突設した銅板311と、この銅板311に固
定された摩擦板312とを備え、この摩擦板312の摩
擦力により図示しない回動部の回動を所定外力の範囲で
阻止する。
【0009】
【考案が解決しようとする課題】ところで、上記の如く
構成されたリング状クラッチプレートの固定部構造にあ
っては、リング状ベース307とリング状クラッチプレ
ート308とが3等分点に位置した係合突起309,3
10でネジにより固定されているため、係合突起30
9,310を設けるためにスペースを必要とする大型な
ものとなってしまうばかりでなく、その固定作業に時間
を要し、しかも、リング状クラッチプレート308の表
裏の誤着を招き易いという問題が生じていた。
【0010】そこで、ネジを廃止すると共に、リング状
ベース307の変わりに円柱状のベースとすると共にこ
の円柱状のベースの外周に突起を設け、この突起と係合
する 凹部をリング状クラッチプレート308の内周に形
成し、円柱状のベースにリング状クラッチプレート30
8を圧入することによって回転防止状態でリング状クラ
ッチプレート308を装着することが考えられる。
【0011】しかしながら、このような圧入による固定
構造では、組み付け作業は容易となるものの、リング状
クラッチプレート308の表裏の誤着防止は依然として
改善されないものであった。
【0012】しかも、円柱状のベースを形成する際に
は、その平坦部と立ち上げ部分とに跨る裾ができ易いた
め、ベースとリング状クラッチプレート308に浮きが
発生し易いばかりでなく、リング状クラッチプレート3
08の圧入時に円柱状のベースの外周をリング状クラッ
チプレート308が削ってしまい、ベースとリング状ク
ラッチプレート308との間に削り屑が介在し易く、リ
ング状クラッチプレート308の平行度が確保し難いと
いう問題が生じていた。
【0013】本考案は上記事情に鑑みなされたものであ
って、組み付け作業の容易性を確保したまま表裏の誤着
を防止することができ、しかも、リング状クラッチプレ
ートの平行度を確保し得て一定のクラッチトルクを得る
ことができるリング状クラッチプレートの固定部構造を
提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】その目的を達成するた
め、請求項1に記載の考案は、表面に摩擦部を有するリ
ング状クラッチプレートの内周面に周方向に延出長さの
異なる非対称な複数の切欠が形成され、前記リング状ク
ラッチプレートの裏面と当接するベース部に前記切欠に
沿う複数の係合突起並びに該係合突起の基部に沿う逃げ
が形成され、該係合突起に前記切欠を圧入することに
より前記ベース部に前記リング状クラッチプレートが位
置決め固定されることことを要旨とする。
【0015】
【作用】このような請求項1に記載の構成においては、
周方向に延出長さの異なる非対称な複数の切欠が表面に
摩擦部を有するリング状クラッチプレートの内周面に形
成され、切欠に沿う複数の係合突起並びに係合突起の基
部に沿う逃げ溝がリング状クラッチプレートの裏面と当
接するベース部形成され、リング状クラッチプレート
は係合突起に切欠を圧入することによりベース部に位置
決め固定される。
【0016】従って、リング状クラッチプレートの圧入
による組み付け作業の容易性を確保すると同時に、周方
向に演出長さの異なる非対称な切欠を形成したことによ
って表裏の誤着が防止される。
【0017】また、係合突起の基部に沿う逃げ溝を形成
したことによって、係合突起を形成する際の裾の発生を
防止することができるばかりでなく、リング状クラッチ
プレートを圧入する際に発生する切り屑等の塵埃を逃げ
溝に収納することができるので、リング状クラッチプレ
ートの平行度を確保することができ、一定のクラッチト
ルクを得ることができる。
【0018】
【実施例】次に、本考案のリング状クラッチプレートの
固定部構造の実施例を図面に基づいて説明する。
【0019】図1において、1は基部ハウジング体、2
は回動ハウジング体である。基部ハウジング体1は取付
基板部3と下カバー4とから大略構成される。
【0020】この取付基板部3は、図2に示すように、
回動ハウジング体設置用の大径円状部5と車体前部の助
手席側に設置のステー6が取り付けられる小径円状部7
とを有する。大径円状部5には、その下部に下方に向か
って起立する環状周壁8が形成されている。小径円状部
7には、図1、図3に示すように、下方に向かって延び
る円筒形状挟持筒9が形成されている。
【0021】図1〜図3において、符号10は円筒形状
挟持筒9のステー挿通孔である。円筒形状挟持筒9は分
割半円状筒部11を有し、分割半円状筒部11はステー
6を被分割半円状筒部12にセットした状態で4個のネ
ジ部材13により被分割半円状筒部12に締結されてス
テー6が円形状挟持筒9に挟持される。これにより、ス
テー6に電動ミラーが固定される。
【0022】環状周壁8は、内側環状周壁14と外側環
状周壁15との内外二重壁構造とされ、内側環状周壁1
4と外側環状周壁15との間は下カバー装着用の環状溝
16が形成されている。この環状溝16にはOリング1
7が介装されている。内側環状周壁14の内側は回動機
構設置空間とされている。取付基板部3の下面には、図
4に示すように、大径円状部5と小径円状部7との間に
下カバー螺着用の2個のネジ穴18,18が形成される
と共に、内側環状周壁14の内側に下方に向かって突出
する2個のボス部19,19が形成され、このボス部1
9,19には下カバー螺着用のネジ穴20,20がそれ
ぞれ形成されている。下カバー4は、その端部4aを環
状溝16に嵌合させた状態で、4個のネジ部材21を用
いて大径円状部5に螺着される。
【0023】取付基板部3の下面には、内側環状周壁1
4の内側に位置して、回動機構部の構成部品としてのウ
オーム・ウオームギヤ軸22(図5、図6参照)の両端
を支承するための一対の軸受部23,24と、ウオーム
・ウオームギヤ軸22の中間部を支承する軸受部25
と、二段歯車26の回動支軸27を支持する小判形状の
軸受穴28と、上下方向に貫通する円形貫通孔29と、
モータ取付基板30(図7、図8参照)を取付けるため
のネジ穴31を有する1個のボス部32とが形成されて
いる。なお、モータ取付基板30の形状については後述
する。
【0024】一対の軸受部23,24には、モータ取付
基板30を位置決めするための位置決突起33,33が
形成されていると共に、ボス部32と協働してモータ取
付基板30を固定するためのネジ穴34,34がそれぞ
れ形成されている。一対の軸受部23,24の凹所23
a、24aには軸受筒35(図5参照)がそれぞれ嵌合
され(他方の軸受筒は図示を略されている)、ウオーム
・ウオームギヤ軸22の両端が一対の軸受筒に回転可能
に支承されている。なお、25aはウオーム・ウオーム
ギヤ軸22の中間部が支承される半円形状の凹所であ
る。
【0025】ウオーム・ウオームギヤ軸22はウオーム
36とウオームギヤ37とを有している。回動支軸27
は、図5に示すように、小判形状の端部27aを有し、
この端部27aが小判形状の軸受穴28に嵌合されて大
径円状部5に回転不能に支持される。この回動支軸27
には二段歯車26が回転可能に支承される。二段歯車2
6は小径歯車38とウオームギヤ39とからなり、ウオ
ームギヤ39はウオーム36に噛合され、小径歯車38
は小判形状の装着孔40が形成された減速ギヤ41(図
5参照)に噛合される。
【0026】モータ取付基板30には、図7に示すよう
に、各ネジ穴に対向されるネジ挿通孔42、位置決突起
33に嵌合される位置決穴43、回動支軸27の他端部
を支承する軸受筒37が形成されると共に、モータ取付
用の起立壁44、図3に示す駆動モータM1の出力軸4
5の樹脂軸受46を支持する起立壁47が形成されてい
る。
【0027】駆動モータM1の前端面はネジ部材48,
48により起立壁44に固着されている。駆動モータM
1の出力軸45にはウオーム49が設けられ、ウオーム
49はウオームギヤ37に噛合される。樹脂軸受46は
起立壁47に嵌合され、樹脂軸受50には出力軸45の
先端が回転可能に支承される。
【0028】図3、図7、図8に示すように、モータ取
付基板30にはウオームギヤ37がウオーム49に臨む
ように切欠51が形成されている。モータ取付基板30
にはウオーム36が臨む開口51´が形成されている。
駆動モータM1の後端には、図3に示すように、ノイズ
防止用の回路基板52が設けられている。
【0029】図9は、この回路基板52の平面図を示し
ている。この回路基板52には3個のコンデンサ53,
54,55と1個の過電流防止用のサーミスタ56とが
設けられている。サーミスタ56は一部図示が略されて
いる。
【0030】回路基板52は駆動モータM1と駆動モー
タM2(図1参照)とに共用されている。図10は、回
路基板52の回路図を示す。回路パターン57はサーミ
スタ56を介して回路パターン58に接続されている。
回路パターン58はコンデンサ55を介して回路パター
ン59に接続されると共に、駆動モータM1の一電源端
子60に電気的に接続されている。この接続は一電源端
子60を回路基板52の挿入孔に挿入し半田付けを行う
ことにより為される。
【0031】回路パターン59にはコンデンサ53,5
4の一脚部が接続され、コンデンサ54の他脚部は回路
パターン61に接続されている。コンデンサ53の他脚
部は回路パターン62に接続されている。
【0032】回路パターン62は駆動モータM1の他電
源端子63に電気的に接続されている。この接続は他電
源端子63を回路基板52の挿入孔に挿入して半田付け
を行うことにより為される。アース用リード線64は回
路パターン59から引き出されていて、その引出し端部
には、図3に示すように、アース片65が設けられてい
る。このアース片65はモータ取付基板30をネジ部材
48´により固定するときに一緒にモータ取付基板30
に固着される。回路パターン57と回路パターン62と
からリード線66,67が引き出されている。回路パタ
ーン61からリード線68,69が引き出されている。
回路パターン58からはリード線70が引き出されてい
る。
【0033】リード線69,70は駆動モータM2の電
源端子45´、45´にそれぞれ接続され、リード線6
6,67,68はワイヤーチューブにより束ねられてコ
ネクタに導かれる。リード線66,67は駆動モータM
1の電源供給に用いられ、コンデンサ53,55の作用
によりノイズの低減が図られる。リード線69,70は
駆動モータM2の電源供給に用いられ、コンデンサ5
4,55の作用によりノイズの低減が図られ、コンデン
サ55は駆動モータM1,M2のノイズ防止に共用され
ている。なお、駆動モータM1,M2の回転方向の切り
換えは、各モータへの通電方向を切り換えることにより
行う。
【0034】取付基板部3の上部には、図2、図11に
示すように、回動ハウジング体2の回動軸部としての円
形ボス部(ベース部)71が突出形成されていると共
に、回動ハウジング体3の回動角度を規制する係合突起
72が形成されている。
【0035】円形ボス部71の外周にはOリング73が
嵌着されている。円形貫通孔29は円形ボス部71の中
央に設けられている。この円形貫通孔29には下部にフ
ランジ部74を有するブッシュ部材75(図1参照)が
嵌合されている。円形ボス部71の上面71aはクラッ
チ板セット面とされている。この上面71aには、図1
2に示すように、輪板状のクラッチ板(リング状クラッ
チプレート)76がセットされ、このクラッチ板76は
周回り方向に所定間隔を開けて延出長さの異なる切欠7
7が形成されている。円形ボス部71にはクラッチ板7
6の切欠77に対応させて係合突起78がその周回り方
向に形成されている。上面71aには係合突起78の基
部に沿って逃げ溝79が形成されている。この逃げ溝7
9は、上面71aにクラッチ板76をセットしたときの
平面出し(クラッチ板76が係合突起78の基部に付着
の異物などにより傾いてセットされるのを防止する)に
寄与する。
【0036】クラッチ板76は、図13に示すように、
金属板81に摩擦板(摩擦部)82を圧着して形成され
ている。このクラッチ板76は摩擦板82が上面を向く
ようにして上面71aに位置決めセットされる。この
時、クラッチ板76の切欠77の周方向の延出長さが異
なっているため、クラッチ板76の上面71aに対する
上下面の取り付けを逆にしてしまう誤着防止を兼ねてい
る。
【0037】一方、回動ハウジング体2は、図1に示す
ように、円板状回動基板83と上カバー84とから構成
されている。円板状回動基板83の下面には、図14に
示すように、ブッシュ部材75に嵌合される回転軸筒8
5と、回転軸筒85と同心の環状周壁86と、係合突起
87とが形成されている。また、円板状回動基板83に
は回転軸筒85と環状周壁86との間に摺接板88(図
15参照)が回転不能に密嵌されている。
【0038】係合突起87は係合突起72に係合可能に
臨まされ、取付基盤3に対する円板状回動基板83の回
動角度を規制する。摺接板88の周回り方向には切欠8
9が形成され、円板状回動基板83には切欠89に対応
する係合突起90が環状周壁86に沿って形成されてい
る。なお、91は三日月形状の凹所である。
【0039】円板状回動基板83は回転軸筒85をブッ
シュ部材75に挿通した状態で環状周壁86をOリング
73を介して円形ボス部71に嵌合させることにより取
付基板部3に回動可能に装着されて、摺接板88とクラ
ッチ板76の摩擦板82とが対向される。円板状回動基
板83の上面には、回転軸筒85の軸穴92の周回り方
向に所定間隔を開けて位置決穴93,93,93(図1
4の破線を参照)が所定角度毎に形成されている。
【0040】回転軸筒85には回転伝達シャフト94が
挿通される。回転伝達シャフト94の頭部には、図16
に示すように、押えフランジ(ベース部)95が形成さ
れている。押えフランジ95の下部には、図17に示す
ように、クラッチベース96(図18参照)を位置決め
する係合突起97が周回り方向に形成されている。
【0041】係合突起97の基部には、この基部を巡る
逃げ溝98が形成されている。この逃げ溝98は逃げ溝
79と同様の役割を有する。クラッチベース96には係
合突起97に対応させて切欠96aが周回り方向に形成
されている。クラッチベース96と押えフランジ95と
の間には、図1に示すように、クラッチ板99が介在さ
れている。
【0042】クラッチ板99は、図19〜図21に示す
ように、金属板100の両端面に摩擦板101,101
が圧着されて形成されている。また、金属板100の外
周側でその周回りには、下方に向かって湾曲して位置決
穴93,93,93(図14参照)に嵌合される係合片
102,102,102が形成されている。クラッチベ
ース96と円板状回動基板83との間には円板形状の摺
接板103が設けられている。
【0043】回転伝達シャフト94には、図16に示す
ように、軸部104に小判形状のギヤ装着部105が形
成されている。ギヤ装着部105は取付基盤3の下面に
突出していると共に、減速ギヤ41の装着孔40を貫通
している。減速ギヤ41の背後からギヤ装着部105に
は押えスプリング106(図1参照)が貫挿されてい
る。
【0044】そして、回転伝達シャフト94の中央には
案内孔107が形成されている。駆動モータM2の電源
端子45´,45´(図1参照)に半田接続されたリー
ド線69,70は案内孔107を通して回動ハウジング
体2から基部ハウジング体1に導かれる。ギャ装着部1
05の後端にはその周回り方向に環状溝108(図16
参照)が形成されている。押えスプリング106の背面
には円板状の押え金109(図1参照)が設けられ、こ
の押え金109の内周側には環状溝108の周壁に係合
される係合片110が形成されている。押えスプリング
106は押え金109により圧縮された状態で押え金1
09と減速ギヤ41との間に介装され、その弾発付勢力
によりクラッチ機構の互いに対向する面が密着される。
【0045】減速ギヤ41が駆動モータM1により回転
されると、回転伝達シャフト94が一体回転してその回
転力はクラッチ板99に伝達される。クラッチ板99に
は両面に摩擦板101が設けられて、クラッチベース9
6と押えフランジ95とに摺接されているので、クラッ
チ板99の直径を大きくして摩擦面積を大きくしなくと
も、摩擦面積を確保することができる。
【0046】即ち、回転伝達シャフト94の回転力は、
クラッチベース96と摩擦板101との摩擦力、押えフ
ランジ95と摩擦板101との摩擦力によりクラッチ板
99に伝達され、このクラッチ板99により回動ハウジ
ング体2が回動され、図22に示すように、ミラーボデ
ィがステー6を中心に左右方向(矢印A方向)に振られ
ることになる。
【0047】回動ハウジング体2が所定角度回転される
と、係合突起87が基部ハウジング体1の係合突起72
に係合し、これにより回動ハウジング体2の回動が停止
される。なおも、駆動モータM1に通電し続けると、ク
ラッチ板99の摩擦力に回転伝達シャフト94の回転力
が打ち勝ち、回転伝達シャフト94が空回りする。これ
により、駆動モータM1に過大な負荷が加わるのが防止
され、駆動モータM1の焼き付き防止が図られている。
なお、円形ボス部71と円板状回動基板83との間に介
装のクラッチ板76は、回動ハウジング体2の回動位置
を保持する役割を果たす。
【0048】円板状回動基板83の上部には、図23、
図24に示すように、支持ブラケット111が起立形成
されている。支持ブラケット111には後述する回転伝
達媒介筒を挿通するための円形開口112が形成され、
円形開口112には、図25に拡大して示すように後端
にフランジ部113を有する軸受筒114が嵌合されて
いる。支持ブラケット111の前面側には円形開口11
2の周壁部分であってその下部に後述するミラー取付軸
の回動範囲を制限するための係合突起115が形成され
ている。また、支持ブラケット111の円形開口112
の周回りには、位置決突起116が形成されている。
【0049】この円形開口112の前面側の周壁には位
置決突起116に位置決めされて円板状の摺接板117
が装着される。この摺接板117の形状は、図15に示
す摺接板88と同一形状であり、位置決突起116に対
応する切欠も摺接板88の切欠89と同一である。
【0050】支持ブラケット111には三個のネジ螺着
部118,118,118が設けられている。このネジ
螺着部118は、図26に示すモータ取付基板119の
ネジ挿通孔に対応して形成されている。支持ブラケット
111の下部には位置決突起121が形成されている。
支持ブラケット111は、図27に示す二段歯車122
の回動支軸123を支承するための小判形状の軸受穴1
24(図24参照)と駆動モータM2の出力軸45(図
1参照)を受けるための樹脂軸受125とウオーム・ウ
オームギヤ軸126(図27参照)の両端部を支承する
軸受部127,127とウオーム・ウオームギヤ軸12
6の中間部を支承する軸受部128とを有する。
【0051】回動支軸123はその一端部123aが軸
受穴124の形状に対応して小判形状とされ、この回動
支軸123は回転不能に支持ブラケット111に支承さ
れている。ウオーム・ウオームギヤ軸126はその両端
が円筒軸受129,129に回転可能に支承され、各円
筒軸受129,129は各軸受部127,127に形成
されている半円形状の凹所130,130に嵌合されて
いる。ウオーム・ウオームギヤ軸126は、図27に示
すウオーム131とウオームギヤ132とを有する。二
段歯車122は小径歯車133とウオームギヤ134と
から構成され、この二段歯車122はウオームギヤ13
4がウオーム131に噛合されるようにしてかつ回転可
能に回動支軸123に支承される。
【0052】モータ取付基板119には、図26、図2
8に示すように、円形開口112と対応する位置に後述
するミラー取付軸の突出を許容する開口135が形成さ
れ、その下部近傍にモータ取付用の有底筒状突起136
が形成されている。
【0053】駆動モータM2はその前端面が有底筒状突
起136に密着されて一対のネジによりモータ取付基板
119に螺着固定されている。駆動モータM2の出力軸
45にはウオーム137が固着されている。ウオーム1
37はウオームギヤ132に噛合されている。
【0054】モータ取付基板119には、ウオームギヤ
132の回動域に臨む開口138が形成されると共に、
回動支軸123の他端部123bを軸支するための円筒
軸受139が突出形成されると共に、支持ブラケット1
11の下部に形成されている位置決突起121が嵌合さ
れる位置決用嵌合穴140が形成されている。モータ取
付基板119は、位置決突起121に位置決用嵌合穴1
40を嵌合させ、回動支軸123の他端部123bを円
筒軸受139に挿通させた状態でネジ120´により支
持ブラケット111に固定される。モータ取付基板11
9の上端は、図1、図28に示すように、屈曲されてカ
バー取付板部141とされ、カバー取付板部141には
ネジ穴142が形成されている。
【0055】円板状回動基板83の下部周辺部には、図
1に示すように、Oリング143が嵌着されている。上
カバー84はOリング143を介して円板状回動基板8
3に嵌着されると共に、ネジ144によりモータ取付基
板119に固着される。上カバー84には、図25に示
すように、その正面に略正方形状の開口145が形成さ
れ、その開口周壁の角部にはネジ穴(図示を略す)が形
成されている。
【0056】この開口145には、図29に示すよう
に、略正方形状の蓋部材146がネジ部材147により
螺着されるもので、蓋部材146は上カバー84の開口
周壁に対応する形状を有している。蓋部材146の中央
には案内孔148が形成され、蓋部材146の前面には
案内孔148を囲むようにして環状周壁149が形成さ
れている。蓋部材146の背部にはパッキン装着用の環
状段部150と複数個の位置決突起151とが形成され
ている。
【0057】パッキン152は上カバー84と蓋部材1
46との間に介装されていて、環状段部150と蓋部材
146とに密接される段部153と、円筒状部154と
を有する。
【0058】段部153には位置決突起151に嵌合さ
れる位置決穴155が形成されている。円筒状部154
の外周と内周とには、周回り方向に巡る環状溝156が
軸方向に間隔を開けて複数個形成され、シール性の向上
並びにミラー取付軸157の回転を極力妨げないように
設定されている。ミラー取付軸157は、先端にボール
ジョイント部(図示を略す)、中間部に円形状のフラン
ジ部158(図1、図25参照)、後端に挿通軸部15
9を有する。
【0059】フランジ部158にはパッキン152の円
筒状部154と嵌合される円形状の嵌合段部160が形
成されている。フランジ部158には係合用の切欠16
1が所定の角度範囲に渡って形成されている。ミラー取
付軸157の挿通軸部159には、図30〜図32に示
す回転伝達媒介筒162が挿通される。尚、ボールジョ
イント部には、図34に示したミラーボディ303と同
様のものが回動可能に取り付けられる。
【0060】回転伝達媒介筒162には、中央に軸線に
沿う筒穴163が形成されていると共に、前部に摩擦ク
ラッチ板セット用のフランジ部(ベース部)164が形
成されている。フランジ部164の前面には、図25に
示す摩擦クラッチ板165を位置決めするための係合突
起166が形成されている。
【0061】フランジ部164の背面には、図25に示
す摩擦クラッチ板167を位置決めするための位置決突
起(係合突起)168が形成されている。また、フラン
ジ部164の前面と背面とには、各突起166,168
の基部を巡るようにして逃げ溝169,170が形成さ
れている。この逃げ溝169,170の役割も逃げ溝7
9の役割と同様である。この摩擦クラッチ板165,1
67は金属板に摩擦板を圧着して形成されるもので、図
12、図13に示す摩擦クラッチ板76と同一形状を有
しており、図25において171,172は摩擦板82
に対応する摩擦板を示している。
【0062】回転伝達用媒介筒162の後端部には、減
速ギヤ173に形成された小判形状の装着孔174と係
合する小判形状のギヤ装着部168´が形成されてい
る。回転伝達媒介筒162は、摩擦クラッチ板165,
167を坦持した状態で軸受筒114に挿通され、支持
ブラケット111の軸受筒114への挿通の際に、減速
ギヤ173は小径歯車133に噛合された状態でギヤ装
着部168´に装着される。ミラー取付軸157の挿通
軸部159は、フランジ部158の係合用の切欠161
が係合突起115に臨むようにして回転伝達媒介筒16
2の筒穴163を通して、支持ブラケット111からモ
ーター取付基板119に向かって突出される。
【0063】挿通軸部159の後端には、図1に示す押
え金175(押え金109と同一形状を有している)を
受けるための受け止め溝(受け止め溝108と同一形状
である)がその周回り方向に形成されている。挿通軸部
159には後端から押圧バネ176が挿通されている。
この押圧バネ176は押え金175によりその付勢に抗
して圧縮される。なお、177はバネ受板である。
【0064】ミラー取付軸157は押圧バネ176によ
って、フランジ部158が支持ブラケット111に接近
する方向に付勢されて、フランジ部158と摩擦クラッ
チ板165との互いに対向する面が密着されると共に、
摩擦クラッチ板167と摺接板117とはその互いに対
向する面が密着される。ここで、クラッチ板165とフ
ランジ部158との間の摩擦力はクラッチ板167と摺
接板117との間の摩擦力に等しいかそれよりも小さく
設定されている。
【0065】駆動モータM2を回転させると、その回転
がウオームー・ウオームギヤを介して減速ギヤ173に
伝達される。回転伝達媒介筒162は減速ギヤ173と
一体回転可能に構成されているので、回転伝達媒介筒1
62が減速ギヤ173と一体に回転する。
【0066】この回転伝達媒介筒162の回転に伴っ
て、一対のクラッチ板165,167が一体回転し、ク
ラッチ板165を介してミラー取付軸157が、図29
に示すように、矢印B−Bの範囲内で回転される。ミラ
ー取付軸157が所定角度回転して、係合突起115が
切欠161の端部161aに係合すると、ミラー取付軸
157の回転が停止する。なおも駆動モータM2に通電
をし続けると、クラッチ板165とフランジ部158と
の間の摩擦力に打ち勝ち、回転伝達媒介筒162が空回
りする。これにより、駆動モータM2に過大な負荷が加
わることが防止される。
【0067】また、駆動モータM2への通電を断って、
所定の位置でミラー取付軸157の回転を停止させた場
合には、摩擦クラッチ板165とフランジ部158との
間の摩擦力によりミラー取付軸157が所定の位置に保
持されるので、走行中にミラーボディ303の調節位置
がずれることも防止される。
【0068】ミラー取付軸157を強制的に回転させる
外力が加わった場合には、クラッチ板167と摺接板1
17との間の摩擦力がクラッチ板165とフランジ部1
58との間の摩擦力とほぼ等しいか、或はそれ以上に設
定されているので、ミラー取付軸157を回転させると
クラッチ板165とフランジ部158との間ですべりを
起こし、ミラー取付軸157のみが回転し、回転伝達媒
介筒162は回転しない。従って、ミラー取付軸157
に不測の外力が加わったとしても、その外力が減速ギヤ
に加わることが防止される。
【0069】図33は、基部ハウジング体1の駆動モー
タM1の回転を回動ハウジング体2に伝達するクラッチ
機構の変形例を示し、一対のクラッチベース200,2
01の片面に摩擦板202,203を圧着形成し、この
一対のクラッチベース200,201の間に摺接板20
4を介在させて回転伝達シャフト94に貫挿し、回転伝
達シャフト94の回転をクラッチベース200,201
を介して摺接板204に伝達することにより回動ハウジ
ング体2の円板状回動基板83に伝達することにしたも
のである。
【0070】この図33において、符号205は位置決
穴93に嵌合される係合片を示し、摺接板204の形状
は摩擦板を有しない点を除いて図19に示す摩擦クラッ
チ板99と同一であり、クラッチベース200,201
の形状は摩擦板を有する点を除いて図18に示すクラッ
チベース96と同一の形状である。このものは、両面に
摩擦板を有する摩擦クラッチ板99を用いるクラッチ機
構に較べて部品点数が一枚多くなるという不利益はある
が、従来に較べてクラッチ板の直径を大きくすることな
く回転伝達力を確保することができる。
【0071】このように、本考案のリング状クラッチプ
レートの固定部構造にあっては、図34に示すように、
銅板81の表面に摩擦部としての摩擦板82を設けてリ
ング状クラッチプレートとしてのクラッチ板76(クラ
ッチ板99、摩擦クラッチ板165,167)を構成す
ると共に、銅板81の内周面に周方向に延出長さの異な
る複数の切欠77が形成され、クラッチ板76の裏面と
当接するベース部としての円形ボス部71(押えフラン
ジ95、フランジ部164)に切欠77に沿う複数の係
合突起78(係合突起97,166、位置決突起16
8)が形成され、係合突起78に切欠77を圧入するこ
とにより円形ボス部71にクラッチ板76が位置決め固
定される。
【0072】このため、クラッチ板76の円形ボス部7
1への装着を専用工具を用いることなくワンタッチで正
確に装着することができ、しかも、係合突起78の基部
には係合突起78に沿って逃げ溝79(逃げ溝98,1
69,170)が形成されていることによりクラッチ板
76の平行度を確保することができる。
【0073】
【考案の効果】以上説明したように、本考案のリング状
クラッチプレートの固定部構造にあっては、表面に摩擦
部を有するリング状クラッチプレートの内周面に周方向
に延出長さの異なる非対称な複数の切欠が形成され、前
記リング状クラッチプレートの裏面と当接するベース部
に前記切欠に沿う複数の係合突起並びに該係合突起の基
部に沿う逃げ溝が形成され、該係合突起に前記切欠を圧
入することにより前記ベース部に前記リング状クラッチ
プレートが位置決め固定されることにより、組み付け作
業の容易性を確保したまま表裏の誤着を防止することが
でき、しかも、リング状クラッチプレートの平行度を確
保し得て一定のクラッチトルクを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る電動ミラーの要部の縦断面図であ
る。
【図2】同じく、取付基板部の平面図である。
【図3】同じく、基部ハウジング体の内部構成を示す一
部を破断した底面図である。
【図4】同じく、取付基板部の底面図である。
【図5】同じく、回動機構部のギヤ構成を示す説明図で
ある。
【図6】同じく、ギヤ軸の正面図である。
【図7】同じく、基部ハウジング体に固定されたモータ
取付基板の平面図である。
【図8】同じく、基部ハウジング体に固定されたモータ
取付基板の断面図である。
【図9】同じく、回路基板の正面図である。
【図10】同じく、ノイズ防止用の回路図である。
【図11】同じく、取付基板部の正面図である。
【図12】同じく、クラッチ板の平面図である
【図13】同じく、図12のC−C線に沿う断面図であ
る。
【図14】同じく、円板状回動基板の底面図である。
【図15】同じく、摺接板の平面図である。
【図16】同じく、回転伝達シャフトの一部を破断した
正面図である。
【図17】同じく、回転伝達シャフトの底面図である。
【図18】同じく、クラッチベースの平面図である。
【図19】同じく、クラッチ板の底面図である。
【図20】同じく、クラッチ板の正面図である。
【図21】同じく、図19のD−D線に沿う断面図であ
る。
【図22】同じく、回動ハウジング体の一部を破断した
平面図である。
【図23】同じく、円板状回動基板の縦断面図である。
【図24】同じく、円板状回動基板の背面図である。
【図25】同じく、回動ハウジング体の要部の拡大断面
図である。
【図26】同じく、電動ミラーの一部を破断した背面図
である。
【図27】同じく、回転伝達機構部のギヤ構成を示す説
明図である。
【図28】同じく、モータ取付基板の縦断面図である。
【図29】同じく、シャフトを切断した状態の電動ミラ
ーの正面図である。
【図30】同じく、回転伝達媒介筒の正面図である。
【図31】同じく、回転伝達媒介筒の平面図である。
【図32】同じく、回転伝達媒介筒の底面図である。
【図33】同じく、クラッチ機構の変形例を示す要部の
分解斜視図である。
【図34】本考案のリング状クラッチプレートの固定部
構造を模式的に示す要部の分解斜視図である。
【図35】従来の電動ミラーを装備した車両前部の斜視
図である。
【図36】従来のリング状クラッチプレートの固定部構
造を示す要部の斜視図である。
【符号の説明】
71…円形ボス部(ベース部) 76…クラッチ板(リング状クラッチプレート) 77…切欠 78…係合突起 79…逃げ溝 81…銅板 82…摩擦板(摩擦部) 95…押えフランジ(ベース部) 97…係合突起 98…逃げ溝 164…フランジ部(ベース部) 166…係合突起 168…位置決突起(係合突起) 169…逃げ溝 170…逃げ溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−203014(JP,A) 実開 平3−24943(JP,U) 実開 平3−110954(JP,U) 実開 昭63−13834(JP,U) 実開 平3−110954(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60R 1/06

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に摩擦部を有するリング状クラッチ
    プレートの内周面に周方向に延出長さの異なる非対称な
    複数の切欠が形成され、前記リング状クラッチプレート
    の裏面と当接するベース部に前記切欠に沿う複数の係合
    突起並びに該係合突起の基部に沿う逃げ溝が形成され、
    該係合突起に前記切欠を圧入することにより前記ベース
    部に前記リング状クラッチプレートが位置決め固定され
    ることを特徴とするリング状クラッチプレートの固定部
    構造。
JP1992076654U 1992-11-06 1992-11-06 リング状クラッチプレートの固定部構造 Expired - Lifetime JP2590634Y2 (ja)

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JPS6313834U (ja) * 1986-07-11 1988-01-29
JP2660039B2 (ja) * 1989-01-31 1997-10-08 大同メタル工業株式会社 組立式フランジ付軸受
JP3024943U (ja) * 1995-08-21 1996-06-07 洋 松村 自動車ハンドル回転位置表示器
JP3110954U (ja) * 2005-03-03 2005-07-07 有限会社雲井建築 床下換気口

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