JP2590053B2 - ポリマー用接着剤 - Google Patents

ポリマー用接着剤

Info

Publication number
JP2590053B2
JP2590053B2 JP59022001A JP2200184A JP2590053B2 JP 2590053 B2 JP2590053 B2 JP 2590053B2 JP 59022001 A JP59022001 A JP 59022001A JP 2200184 A JP2200184 A JP 2200184A JP 2590053 B2 JP2590053 B2 JP 2590053B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive
polyolefin
gma
acrylonitrile
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP59022001A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS60166311A (ja
Inventor
敏裕 相根
理一郎 長野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Petrochemical Industries Ltd filed Critical Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Priority to JP59022001A priority Critical patent/JP2590053B2/ja
Publication of JPS60166311A publication Critical patent/JPS60166311A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2590053B2 publication Critical patent/JP2590053B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、酸素含有芳香族系ポリマー用およびアクリ
ロニトリル系ポリマー用の接着剤に関するものであり、
とりわけこれらのポリマーとポリオレフィンとを積層す
る際に安価でかつ優れた接着性能と耐熱性を発揮するこ
とのできる接着剤に関する。
ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートなど
の酸素含有芳香族系ポリマー、さらにはアクリロニトリ
ル系ポリマーは各々優れた性状を有するため、食品用容
器、包装材、日用雑貨品、自動車内装材、建築用資材、
工業用資材などの用途に広く利用されている。前記用途
のうちで耐薬品性、耐水性、耐温水性などの性能が要求
される用途では、これらの性能を付与するため、あるい
はこれらの性能を増し加えるために、前出の諸ポリマー
にポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン
を積層することが試みられているが、安価でかつ両者を
接着するための十分優れた接着性能を有する接着剤はま
だ開発されていない。たとえば、通常の接着性ポリオレ
フィンとして知られている比較的安価な不飽和カルボン
酸又はその誘導体で変性したポリオレフィンを、上記各
種ポリマーとポリオレフィンとを積層させる際の接着剤
として使用しても、全く接着しないか、又は接着しても
その接着力は充分とは言えない。
このようなポリマーの接着に関しては、種々の接着剤
が提案されて来た。たとえば、特開昭54-28376では、
エチレン−酢酸ビニル−グリシジルメタクリレート共重
合体および、ポリプロピレングリシジルメタクリレー
ト共重合体を接着剤に用い、アンカー剤としてのポリエ
チレンイミンで処理したポリエチレンテレフタレートと
ポリプロピレンの積層体等が提案されている。しかしこ
の方法ではアンカー剤が必要であること、さらに該接着
剤が、の場合は耐熱性が不足し、の場合は、実態が
プロピレンとグリシジルメタクリレートの二元共重合体
であり、十分な接着力を得るためにグリシジルメタクリ
レート含量を高くしなければならないなどの欠点があ
る。また特開昭54-135860には、オレフィン−酢酸ビニ
ル−不飽和カルボン酸のエポキシアルキルエステル三元
共重合体が提案されているが、接着力が十分とは言えな
い。また特開昭55-128458、同55-137964、同56-117652
には、熱可塑性ポリウレタンエラストマーと変性ポリオ
レフィンからなる接着層が記載されているが、この提案
による接着では、接着剤層の強度、従って接着性能と耐
熱性が十分とは言えない。また特開昭54-135860には共
重合又はグラフト重合により変性したエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体を接着剤として使用する複合フィルムの製
造方法が提案されている。かかる提案のうち共重合によ
るものでは、充分な接着性能を得るため、例えばメタク
リル酸グリシジルエステルの如き単量体含量を多くしな
ければならない上、接着剤使用時に加熱によりゲル化す
る可能性が大きく、また共重合変性およびグラフト変性
物のいずれによる接着剤も耐熱性が乏しいという欠点を
有する。
更に特開昭58-5384、同57-212055には、ゴム物質を含
む所定の変性ポリオレフィンが使用されているが、これ
らも耐熱接着性に乏しいという欠点を有する。
本発明者らは、酸素含有芳香族系ポリマー、アクリロ
ニトリル系ポリマーと主にポリオレフィンとの接着に好
適で上記の如き欠点の少ない接着剤について検討した結
果、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は、ポリオレフィン(A)に不飽和エ
ポキシ単量体(B)をグラフト共重合して得られる変性
物であって、該変性物1g当りのエポキシ基含有量が10-6
ないし10-3g当量の範囲にあり、極限粘度〔η〕が0.5な
いし5dl/gの範囲にありかつ結晶化度が10%以上の範囲
にある不飽和エポキシ単量体グラフト変性ポリオレフィ
ンからなるハロゲン含有ポリマー用、酸素含有芳香族系
ポリマー用およびアクリロニトリル系ポリマー用接着
剤、を要旨とするものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の接着剤は、基剤ポリオレフィン(A)に不飽
和エポキシ単量体(B)をグラフト共重合した不飽和エ
ポキシ単量体グラフト共重合変性ポリオレフィン(以
下、単に変性ポリオレフィンと呼ぶことがある。)から
なるものである。基剤ポリオレフィン(A)は、好まし
くは結晶化度が10%以上の範囲にあり、さらには15ない
し50%の範囲にある結晶性ポリオレフィンであることが
より好ましい。また、該基剤ポリオレフィン(A)は、
その極限粘度〔η〕〔デカリン溶媒中で135℃で測定し
た値〕が通常0.5ないし5dl/g、好ましくは0.7ないし4dl
/gの範囲にあり、その密度が通常0.83ないし0.98g/c
m3、好ましくは0.84ないし0.96の範囲にある。また、該
基剤ポリオレフィン(A)の分子量分布(w/n)は
通常1ないし20、好ましくは1ないし10の範囲であり、
分子量分布が狭くなると接着強度が向上するようになる
のでとくに好ましい。該基剤ポリオレフィン(A)の結
晶化度が10%より小さくなると、本発明の接着剤の性能
は、接着剤の力学的強度が低下するため、接着強度が低
下するようになる。該基剤ポリオレフィン(A)は、エ
チレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−
ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1
−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン
などのα−オレフィンの単独重合体または2種以上の混
合成分の共重合体を示すことができ、これらの成分の他
に本発明の接着剤の性能および耐熱性を害さない範囲内
で酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エス
テル、アクリル酸金属塩、メタクリル酸金属などのビニ
ル系単量体が10重量%以下の範囲で共重合されていても
よい。また該基剤ポリオレフィンには微量、たとえば2.
0モル%以下の範囲でジエン成分を含有していても差し
つかえないが、少ない方が好ましい。
本発明の接着剤を構成する変性ポリオレフィンのグラ
フト成分は、不飽和エポキシ単量体(B)であり、具体
的には、例えばグリシジルアクリレート、グリシジルメ
タクリレート、イタコン酸のモノおよびジグリシジルエ
ステル、ブテントリカルボン酸のモノ、ジおよびトリグ
リシジルエステル、シトラコン酸のモノおよびジグリシ
ジルエステル、エンドーシス−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプ
ト−5−エン−2,3−ジカルボン酸(商品名ナジック
酸)のモノおよびジグリシジルエステル、エンドーシス
−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2−メチル−
2,3−ジカルボン酸(商品名メチルナジック酸)のモノ
およびジグリシジルエステル、アルリルコハク酸のモノ
およびジグリシジルエステル、p−スチレンカルボン酸
のグリシジルエステル、アルリルグリシジルエーテル、
2−メチルアルリルグリシジルエーテル、スチレン−p
−グリシジルエーテルまたはp−グリシジルスチレン、
3,4−エポキシ−1−ブテン、3,4−エポキシ−3−メチ
ル−1−ブテン、3,4−エポキシ−1−ペンテン、3,4−
エポキシ−3−メチル−1−ペンテン、5,6−エポキシ
−1−ヘキセンおよびビニルシクロヘキセンモノオキシ
ドなどを挙げることができる。これらの中ではグリシジ
ルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグ
リシジルエーテルが好ましい。
本発明の接着剤に用いる変性ポリオレフィンとして
は、該変性ポリオレフィン1g当りのエポキシ基含有量が
10-6ないし10-3g当量の範囲にあることが必要であり、
好ましくは10-5ないし5×10-4g当量の範囲にあるもの
である。これらの下限は十分な接着性を確保するために
決められ、また上限は経済性を考慮して決められたもの
である。また本発明の接着剤に使用する変形ポリオレフ
ィンは極限粘度〔η〕が0.5ないし5dl/gの範囲にありか
つ結晶化が10%以上の範囲にあることが必要であり、さ
らには極限粘度〔η〕が0.7ないし4dl/gの範囲にありか
つ結晶化度が15ないし50%の範囲にあるものが好まし
い。また、該変性ポリオレフィンの密度は通常0.83ない
し0.98g/cm3、好ましくは0.84ないし0.96g/cm3の範囲に
あり、さらにその分子量分布(w/n)は通常1ない
し25、好ましくは1ないし15の範囲であり、その230℃
における溶融粘度は好ましくは2×102ないし5×106
イズ、とくに好ましくは5×102ないし8×105ポイズの
範囲である。該変性ポリオレフィンの極限粘度〔η〕が
5dl/gより大きくなると、該変性ポリオレフィンからな
る接着剤は溶融粘度が非常に大きくなるために積層成形
性が不良となり、0.5dl/gより小さくなると、溶融粘度
が低すぎて通常の押出機では成形しにくくなり、また無
理をして成形しても接着剤としての強度が不足するため
に接着強度が低下するようになる。さらに該変性ポリオ
レフィンの結晶化度が10%より小さくなると、該変性ポ
リオレフィンからなる接着剤の性能は接着剤強度が不足
するため接着強度が低下するようになる。本発明の接着
剤は前記変性ポリオレフィンのみから構成されていても
よいが、接着性能を損わない範囲でポリマー物質、とく
に本発明の接着剤の原料である基剤ポリオレフィン
(A)を含有していてもかまわない。また同様に接着性
能を損わない範囲で酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、
染料、充填剤、核剤、ブロッキング防止剤、スリップ
剤、帯電防止剤、難燃剤などの添加剤を加えて組成物を
形成していても差しつかえない。
本発明の接着剤を構成する変性ポリオレフィンは従来
から公知の方法によって製造することができる。たとえ
ば、前記基剤ポリオレフィン(A)と前記不飽和エポキ
シ単量体(B)とを、加熱溶融状態で反応させる方法を
採用することもできるし、溶液状態で反応させる方法を
採用することもできる。反応は必要に応じてラジカル開
始剤の存在下に実施してもよい。ラジカル開始剤として
は有機ペルオキシド、有機ペルエステル、例えばベンゾ
イルペルオキシド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、
ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシ
ド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ペルオキシドベンゾエー
ト)ヘキシン−3、1,4−ビス(tert−ブチルペルオキ
ソイソプロピル)ベンゼン、ラウロイルペルオキシド、
tert−ブチルペルアセテート、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン3、2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、ter
t−ブチルペルベンゾエート、tert−ブチルペルフエニ
ルアセテート、tert−ブチルペルイソブチレート、tert
−ブチルペル−sec−オクトエート、tert−ブチルペル
ピバレート、クミルペルピバレートおよびtert−ブチル
ペルジエチルアセテート、その他アゾ化合物、例えばア
イゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾイソブチレ
ートがある。このうちではジクミルペルオキシド、ジ−
tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、
1,4−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベ
ンゼンなどのジアルキルペルオキシドが好ましい。反応
の際の温度は通常70ないし350℃、好ましくは80ないし3
20℃の範囲である。
本発明の不飽和エポキシ単量体グラフト共重合変性ポ
リオレフィンからなる接着剤は、酸素含有芳香族系ポリ
マー同志、アクリロニトリル系ポリマー同志、あるいは
これらのポリマー相互同志の接着にも使用することがで
きるが、これらのポリマーとポリオレフィン類との接着
に使用することが好ましい。その使用形態としては溶融
型接着剤、溶液型接着剤のいずれでもよいが前者の方が
好ましい。本発明の接着剤が適用できる重合体の形状は
各種の形状物、シート状物、発泡状物、フィルム状物な
どであり、いかなる形状であってもよい。また酸素含有
芳香族系ポリマーとしては、例えばビスフェノールAの
ポリカーボネート、ビスフェノールFのポリカーボネー
ト、ビスフェノールADのポリカーボネートなどの芳香族
系ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、変性ポ
リフェニレンオキシド、グラフト化ポリフェニレンオキ
シドなどのポリフェニレンオキシド、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンテレフタレート・イソフタレート、ポリエチレン・2,
6−ナフタリンジカルボキシレート、ポリフェニレンテ
レフタレート、ビスフェノールA・テレフタル酸共重縮
合体、ビスフェノールA・テレフタル酸・イソフタル酸
共重縮合体などのポリエステルを挙げることができる。
また本発明の接着剤が用いられるアクリロニトリル系ポ
リマーとは、アクリロニトリルまたはメタアクリロニト
リルなどのアクリロニトリル系単量体を含む重合体を指
す。アクリロニトリル系重合体として好ましいものはア
クリロニトリル系単量体を50重量%以上含むものであ
り、更に好ましくは60重量%以上、とくに好ましくは65
重量%以上含むものである。
アクリロニトリル系単量体が50%未満となると、ポリ
オレフィンと積層した場合に積層物のガスバリアー性が
乏しいという欠点が生じることもあるからである。この
場合のアクリロニトリル系単量体と共重合可能な単量体
としてはイソブチレンの如きα−オレフィン;式CH2=CR
-Ar(Rは水素又はメチル基であり、Arは芳香族残基で
あり核置換されていてもよい)で表わされる芳香族オレ
フィンで例えばスチレン、α−メチルスチレン、o−メ
チルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、2,5−ジメチルスチレン等で、特に好ましくはスチ
レン、α−メチルスチレン;式CH2=CR1COOR2(R1は水素
又はメチル基又はエチル基であり、R2は水素又は炭素数
1〜8のアルキル基又はハロゲン原子である)で表わさ
れるアクリル酸又はアクリル酸エステルで、例えばアク
リル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸ブチル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、エタクリル酸メチル等;式CH
2=CHOOCR(Rは炭素数1〜18のアルキル基である)で表
わされるビニルエステルで例えば酢酸ビニル、ラウリル
酸ビニル、ステアリン酸ビニル等;CH2=CHOR(Rは炭素
数1〜4のアルキル基である)で表わされるビニルエー
テルで例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエ
ーテル、ブチルビニルエーテル等;式CH2=CHX1X2(X1
水素又は塩素又は臭素原子であり、X2は塩素又は臭素原
子である)で表わされるハロゲン化ビニルまたはハロゲ
ン化ビニリデン例えば塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビ
ニリデン等の不飽和単量体である。
又、このアクリロニトリル系ポリマーは、ジエン系の
ゴム重合体、エチレン−プロピレン共重合体或いはアク
リル系重合体等のエラストマーの存在下で重合されたい
わゆるグラフト共重合体であっても良い。又アクリロニ
トリル系ポリマーに他の樹脂を混合した混合樹脂であっ
てもよい。又必要に応じて可塑剤、加工助剤、安定剤、
充填剤等の添加物を加えた樹脂であっても良い。
アクリロニトリル系ポリマーの重合法は特に制限はな
く重合開始剤の存在下で既知の方法によって製造され
る。即ち塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合のい
ずれの方法でも良い。
アクリロニトリル系単量体含量が50重量%以上である
これらの具体的製品としては、Barex210(Vistron
社)、LOPAC(Monsanto社)、Cycopac(Barg Warner
社)、PAN-A-425(Solvay社)、Vicobar(Du′Pont
社)、LPT(ICI社)があげられる。
また本発明の接着剤を使用して前記酸素含有芳香族系
ポリマーおよびアクリロニトリル系ポリマーと接着させ
るポリオレフィン類としては、例えばエチレン、プロピ
レン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−
メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1
−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどのα−オレ
フィンの単独重合体または2種以上の混合成分の共重合
体を示すことができ、これらの成分の他にスチレン、酢
酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ル、アクリル酸金属塩、メタクリル酸金属塩などのビニ
ル系重合体が共重合されていてもよい。この場合、ポリ
オレフィンとして結晶化度は通常10%以上、好ましくは
15%以上の範囲のものを用いるのが好ましい。またその
〔η〕は通常0.5ないし5dl/g、好ましくは0.7ないし4dl
/gの範囲である。
上記酸素含有芳香族系ポリマー等とポリオレフィン類
を本発明の接着剤によって積層成形体とする場合の積層
体の形成方法の一例としては、例えば3台の押出機に別
々に各層の成分ポリマーを供給し、溶融したポリマー同
志が1つのダイの内部で合流する複層Tダイシートまた
は複層フィルム成形法、溶融したポリマーをダイの外で
熱融着させるタンデム法などを例示することができる。
この場合、該ポリオレフィンからなる層の厚さは任意で
あるが、通常5μないし50mm、好ましくは10μないし40
mmの範囲である。また本願発明の接着剤は中間接着層を
形成し、その層厚は任意であるが、通常1ないし500
μ、好ましくは2ないし100μの範囲である。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
実施例1 エチレン・プロピレン共重合体(デカリン中135℃に
おける極限粘度〔η〕1.3dl/g、エチレン含有量80モル
%、結晶化度15%)1,500gをガラス製反応器内、窒素雰
囲気下、125℃でp−キシレン7.5lに溶解させた。その
後、グリシジルメタクリレート(GMAと略す)およびジ
クミルパーオキシドのp−キシレン溶液500ml(ジクミ
ルパーオキシド0.16g/10ml)を別々の導管から4時間か
けて連続供給し、最終的にGMA640g、ジクミルパーオキ
シド8.1gを系内に供給した。供給終了後、更に2時間反
応を続け、反応終了後に系を室温付近まで冷却し、反応
溶液を大過剰のアセトン中(ミキサー中)に投入し、GM
Aグラフトエチレン・プロピレン共重合体を析出、沈殿
させた。該グラフトエチレン・プロピレン共重合体を
過後、更にアセトンでくり返し洗浄し、50℃で10時間減
圧乾燥し、目的のGMAグラフトエチレン・プロピレン共
重合体を得た。この変性エチレン・プロピレン共重合体
の赤外線吸収スペクトル測定、酸素分析およびこの変性
エチレン・プロピレン共重合体を塩酸で処理することに
よりエポキシ基をクロロヒドリン化したものの塩素分析
などを行った結果、エポキシ基およびグリシジルメタク
リレート単位の含量はともに変性ポリエチレン1g当り1.
8×10-4グラム当量(即ちGMAグラフト量2.6wt%)であ
り、グラフトされたエポキシ単量体のエポキシ基は実質
的に全く開環していないことかわかった。
該GMAグラフトエチレン・プロピレン共重合を一台の
押出機で溶融し、樹脂温度200℃で3層複合T−ダイシ
ート成形用ダイに供給した。別途、高密度ポリエチレン
〈[η]1.5dl/g〉およびポリエチレンテレフタレート
[三井ペット樹脂(株)、J-135]を各々別の押出機に
より溶融し、樹脂温度を270℃として前記ダイに供給
し、外層が高密度ポリエチレン層(50μ)、中間層がGM
Aグラフトエチレン・プロピレン共重合体(20μ)、内
層がポリエチレンテレフタレート層(1mm)からなる3
層シートを作成した。この3層シートから幅10mmの試験
片を切り取り、ポリエチレンテレフタレートとGMAグラ
フトエチレン・プロピレン共重合体の間を一部剥離し、
高密度ポリエチレンとGMAグラフトエチレン・プロピレ
ン共重合体の2層フィルム側を180度剥離することによ
り、ポリエチレンテレフタレートとGMAグラフトエチレ
ン・プロピレン共重合体の間の層間接着強度を測定し
た。その結果、接着強度は750g/cmであった。
また、高密度ポリエチレンとGMAグラフトエチレン・
プロピレン共重合体の間は剥離不能であり、十分強力に
接着していた。
さらに、上記のポリエチレンテレフタレートの代わり
にアクリロニトリル系共重合体[Vistron社製、商品名B
arex210]を用いる他は、ポリエチレンテレフタレート
の場合と同様の方法で、外層が高密度ポリエチレン層
(50μ)、中間層がGMAグラフトエチレン・プロピレン
共重合体層(20μ)、内層がアクリロニトリル系共重合
体層(1mm)からなる3層シートを作成した。アクリロ
ニトリル系共重合体層とGMAグラフトエチレン・プロピ
レン共重合体層との間の層間接着強度を測定した結果、
接着強度は1100g/cmであった。
実施例2ないし9、および比較例1ないし4 実施例1で用いたGMAグラフトエチレン・プロピレン
共重合体の代りに、表1に示したGMAグラフトエチレン
・プロピレン共重合体(実施例2ないし8、および比較
例1ないし4)およびアリルグリシジルエーテルグラフ
トエチレン・プロピレン共重合体(実施例9)を用いる
他は実施例1と同様の方法により3層積層シートを作製
し、接着強度を測定した。その結果を表1に示した。
実施例10 実施例1で用いたエチレン・プロピレン共重合体のペ
レット:100重量部、GMA:20重量部、2,5−ジメチル−2,5
−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3:0.5重量
部をヘンシエルミキサーでよく混合し、GMAおよび上記
過酸化物を共重合体に含浸させた後、15mmφ押圧機(設
定温度200℃)に供給し、混練しながら滞留時間2.3分の
条件で押し出した。得られたGMAグラフトエチレン・プ
ロピレン共重合体を一度p−キシレンに溶かし(125
℃)、実施例1と同様の方法でGMAグラフトエチレン・
プロピレン共重体の沈殿を別乾燥した。得られたグラ
フト共重合体1g当りのGMA含量は0.9×10-4グラム当量で
あった。
このようにして得られたGMAグラフトエチレン・プロ
ピレン共重合体を用いる他は、実施例1と同様の方法に
より3層積層シートを作製し、同様に評価した。その結
果、ポリエチレンテレフタレートに対しては550g/cm、
アクリロニトリル系共重合体に対しては980g/cmの接着
強度を示した。
実施例11ないし14 基剤ポリオレフィンとして、表2に示すポリマーを用
いる他は実施例1と同様の方法で3層積層シートを作製
した。その結果を表2に示した。
実施例15ないし17 基剤ポリオレフィンとして、表2に示すプロピレン系
ポリマーを用い、かつGMAグラフトプロピレン系ポリマ
ーと接着するポリオレフィンとして、プロピレン・エチ
レンランダム共重合体〔エチレン含量2モル%、〔η〕
2.5dl/gを用いる他は、実施例1と同様の方法により3
層シートを作製し、ポリエチレンテレフタレート、また
はアクリロニトリル系共重合体とGMAグラフトプロピレ
ン系ポリマーとの接着強度を測定した。結果を表2に示
した。
実施例18 ポリエチレンテレフタレート、またはアクリロニトリ
ル系共重合体との接着剤として表2に示したGMAグラフ
トポリブテン−1を用い、また該GMAグラフトポリブテ
ン−1と接着するポリオレフィンとして、ポリブテン−
1〔〔η〕3.0dl/g〕を用いる他は、実施例1と同様の
方法により3層シートを作製し、その接着強度を測定し
た。
結果を表2に示した。
実施例19 接着剤として表2に示したGMAグラフトポリ4−メチ
ルペンテン−1を用い、かつ該GMAグラフトポリ4−メ
チルペンテン−1と接着するポリオレフィンとして4−
メチルペンテン−1(98モル%)−デセン−1(2モル
%)共重合体〔〔η〕2.5dl/g〕を用い、該GMAグラフト
ポリ4−メチルペンテン−1および4−メチルペンテン
−1・デセン−1共重合体のダイへの供給温度を各々26
0℃とする他は実施例1と同様の方法により3層シート
を作製した。
その接着強度を表2に示した。
実施例20および21 酸素含有芳香族系ポリマーとしてポリエチレンテレフ
タレートの代りにポリカーボネート〔帝人化成(株)
製、商品名パンライトL-1250〕、またはグラフト化ポリ
フェニレンオキシド〔旭ダウ(株)製、商品名ザイロン
300V〕を用い、樹脂温度を各々280℃、320℃とする他は
実施例1と同様の方法により3層シートを作製した。
結果を表3に示した。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィン(A)に不飽和エポキシ単
    量体(B)をグラフト共重合して得られる変性物であっ
    て、該変性物1g当たりのエポキシ基含有量が10-6ないし
    10-3g当量の範囲にあり、極限粘度[η]が0.5ないし5d
    l/gの範囲にあり、かつ結晶化度が10%以上の範囲にあ
    る不飽和エポキシ単量体グラフト変性ポリオレフィンか
    らなる酸素含有芳香族系ポリマーおよびアクリロニトリ
    ル系ポリマー用接着剤
JP59022001A 1984-02-10 1984-02-10 ポリマー用接着剤 Expired - Lifetime JP2590053B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP59022001A JP2590053B2 (ja) 1984-02-10 1984-02-10 ポリマー用接着剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP59022001A JP2590053B2 (ja) 1984-02-10 1984-02-10 ポリマー用接着剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS60166311A JPS60166311A (ja) 1985-08-29
JP2590053B2 true JP2590053B2 (ja) 1997-03-12

Family

ID=12070767

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP59022001A Expired - Lifetime JP2590053B2 (ja) 1984-02-10 1984-02-10 ポリマー用接着剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2590053B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0689080B2 (ja) * 1986-10-29 1994-11-09 三井石油化学工業株式会社 熱接着性に優れた熱可塑性エラストマー組成物
GB2439728B (en) * 2006-07-03 2010-07-21 Fuji Seal Int Inc Heat-shrinkable film
CN114057944B (zh) * 2021-11-04 2024-04-05 浙江祥邦科技股份有限公司 一种反应型环氧接枝聚烯烃树脂及其制备方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54135860A (en) * 1978-04-14 1979-10-22 Mitsubishi Chem Ind Ltd Manufacturing of laminate film
JPS57212055A (en) * 1981-06-25 1982-12-27 Toppan Printing Co Ltd Multilayer hollow vessel
JPS585384A (ja) * 1981-07-02 1983-01-12 Sumitomo Chem Co Ltd 接着性樹脂組成物
JPS5853935A (ja) * 1981-09-28 1983-03-30 Tokyo Ink Kk プラスチツクス・金属用導電性熱融着性樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JPS60166311A (ja) 1985-08-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6581668B2 (ja) 積層体およびその製造方法
US4659785A (en) Hot-melt adhesive composition
US4632959A (en) Modified polyolefin composition
US4725506A (en) Chlorinated polyolefins
US5240525A (en) Method of fabricating a multilayer barrier packaging material
JP2656818B2 (ja) 接着性ポリプロピレン組成物
WO2020145239A1 (ja) 接着性樹脂組成物および積層体
KR940004203B1 (ko) 접착성 수지 조성물 및 이 조성물을 접착층으로 사용한 적층체
JPH0454712B2 (ja)
JP2590053B2 (ja) ポリマー用接着剤
JP6911379B2 (ja) 接着性樹脂組成物及び積層体
JPS6215349B2 (ja)
JPH03239744A (ja) 接着性樹脂組成物
JPH0564105B2 (ja)
JPS5824271B2 (ja) セキソウブツノ セイゾウホウ
JPH0221939B2 (ja)
JPH044353B2 (ja)
JPH0521955B2 (ja)
JPS6053579A (ja) アクリロニトリル系重合体用接着剤
JPH05318681A (ja) 変性プロピレン系重合体を用いた樹脂積層物
JPH10264316A (ja) 樹脂積層物、フィルムシート及びフイルム・シート積層物の製造方法
JPS5889642A (ja) 積層物
JPS6286040A (ja) 新規重合体組成物、その製法及びそれから成る接着剤
JPS60149678A (ja) 重合体用接着剤
JPH04153205A (ja) ポリオレフィン系樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term