JP2589073Y2 - コンクリート場所打ち杭 - Google Patents

コンクリート場所打ち杭

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JP2589073Y2
JP2589073Y2 JP1993012203U JP1220393U JP2589073Y2 JP 2589073 Y2 JP2589073 Y2 JP 2589073Y2 JP 1993012203 U JP1993012203 U JP 1993012203U JP 1220393 U JP1220393 U JP 1220393U JP 2589073 Y2 JP2589073 Y2 JP 2589073Y2
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正樹 菊池
幸一 田村
桂子 足立
勝利 渡部
修一 松本
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、建築物の基礎として工
事現場において打設される場所打ち杭に係り、特に、曲
げ抵抗力が大で、かつ耐震性に優れるコンクリート場所
打ち杭に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、工事現場において打設されるコン
クリート場所打ち杭1aとしては図11に示すものが一
般に使用されている。このコンクリート場所打ち杭1a
はFC210〜FC240のような普通強度のコンクリ
ート層3aからなり、その内部に杭鉄筋7bを埋設した
ものから形成される。このコンクリート場所打ち杭1a
を作るには、図9に示すように、地中に適宜深さの杭穴
4aを堀削し、図10に示すように抗穴4aに杭鉄筋7
bを継ぎ足しながら挿入した後、トレミー管等によりコ
ンクリートを打設して形成される。また、図12に示す
ように杭穴4aの底部に拡径部5aを設けたコンクリー
ト場所打ち杭1bも従来より使用されている。このコン
クリート場所打ち杭1bは拡径部5aを形成することに
より図11に示したものより拡径部5aを設けた分だけ
杭径が小さくなる。すなわち、D=Dで D>D
である。しかし、この場合でも普通強度のコンクリー
トが杭穴4aの全体に打設されて形成される。
【0003】
【本考案の目的:考案の解決すべき課題】コンクリート
場所打ち杭1a,1b等は建築物を支持する十分の強度
を有すると共に地震等による上部建屋や地盤の振動等に
対して十分な耐震性を有することが必要である。前記の
従来のコンクリート場所打ち杭1a,1bにおいて前記
強度および耐震性の条件を満足するには地震荷重時の応
力の状態と共に杭鉄筋7bの構造を吟味し、杭径をそれ
に見合う直径にすることが必要となり、コンクリート使
用量が増大する問題点がある。更に、従来のコンクリー
ト場所打ち杭1a,1bに使用されているコンクリート
は、例えば、FC210〜FC240のような普通強度
のもので、仮りに全体をFC320のような高強度コン
クリートにするとコスト高になる問題点が生ずる。
【0004】本考案は、以上の問題点を解決するもの
で、杭径等のサイズアップを解消し、地中の堀削量を低
減すると共に建築物の重量や地盤振動等に耐える十分な
支持力,曲げ強度,耐震性を有するコンクリート場所打
ち杭を提供することを目的とする。
【0005】
【本考案の構成:課題解決の手段】本考案は、以上の目
的を達成するために、工事現場において堀削された杭穴
に鉄筋を補強材としてコンクリートを打設して形成され
るコンクリート場所打ち杭であって、少なくとも前記杭
穴の上端の杭頭部側を高強度コンクリートで形成してな
るコンクリート場所打ち杭を構成するものであり、更に
具体的には、前記高強度コンクリートを杭穴の上端部よ
り杭径の約5倍の長さだけ形成するようにしたコンクリ
ート場所打ち杭を特徴とするものである。
【0006】
【作用】上部建屋の振動等により杭に発生する曲げ応力
は杭の杭脚部(穴奥側)および杭中間部では小さく杭頭
部において大きい。本考案は、曲げ応力の大きい杭頭部
に高強度コンクリートを用いその他に一般のコンクリー
トを使用する。それにより、前記曲げ応力に耐えると共
に、杭径等のサイズアップを解消し、それに伴う地中の
堀削量の低減を可能にする。また、本考案の杭構造を実
現するために、杭穴を堀削して鉄筋篭を入れた後、ま
ず、途中まで一般のコンクリートを打設し、注入したベ
ントナイト液等の杭穴の内壁の崩壊防止用の膨脹粘土を
除去し、水中コンクリート扱いを防止した上に杭頭部に
相当する部分に高強度コンクリートを打設して場所打ち
杭を完成させる工法を採用する。
【0007】
【実施例】以下、本考案の一実施例を図面に基づき説明
する。図1は本実施例のコンクリート場所打ち杭の全体
構造を示す軸断面図であり、図2〜図7は本実施例のコ
ンクリート場所打ち杭を形成するために工事現場で行わ
れる工法の一例を示す説明用軸断面図であり、図8は上
部建屋の振動等によりコンクリート場所打ち杭に発生す
る曲げ応力の概要を示す応力図である。
【0008】図1に示すように、本実施例のコンクリー
ト場所打ち杭1は杭頭部側の部分(寸法aで示す)が
高強度コンクリート層2からなり、杭中間部及び杭脚部
側の部分(寸法aで示す)が普通強度のコンクリート
層3からなる全長aの杭から形成される。なお、a
5Dであり、a=a+aである。高強度コンクリ
ート層2のコンクリートとしては本実施例ではFC32
0又はFC370が使用され、普通強度のコンクリート
層3のコンクリートとしてはFC210〜FC270が
使用される。杭穴4は杭脚部に拡径部5を形成するもの
が採用され、支持力の増大を図っている。鉄筋篭7は杭
穴4内に介在し、高強度コンクリート層2および普通強
度のコンクリート層3の補強材として一体的にかためら
れると共に適宜長さの杭頭主筋7aを地上側に露出して
立設される。なお、図1に示すように杭径をDとする
と本実施例のコンクリート材料を使用した場合には図1
2に示した杭径Dのコンクリート場所打ち杭1bに比
較すると、D=1800[mm]に対してD=15
00[mm]でよく、約17[%]程度の縮径となり、
コンクリート量は約30[%]減少する。
【0009】図8に示すように、横軸に上部建屋の振動
によりコンクリート場所打ち杭1に生ずる曲げ応力を表
示し、縦軸に前記杭1の深さ(長さ)方向をとると図示
のような応力図による曲げ応力が作用する。すなわち、
杭の全長をaとするとそのほぼ中間位置にはマイナイ方
向にσの曲げ応力が生じ杭脚部側は曲げ応力がほとん
どゼロになる。それに対してグランドライン(GL)側
には最大の曲げ応力σmaxが生じ、杭頭部側に大きな
曲げ応力が生ずる。なお、σmax≒5σである。こ
の応力図でわかるように、寸法aで表示される杭頭部
側にのみ高強度コンクリート層2を用いることにより十
分な耐震性を確保することが出来る。逆に、σmax
対応して普通強度のコンクリート層3を採用する場合に
は極めて大径のものが必要となり、杭径の設定不十分に
よる強度不足が生ずる危険性が大きい。
【0010】次に、図2〜図7により本実施例のコンク
リート場所打ち杭1の工事現場における工法を説明す
る。図2に示すように地表面8(GL)から必要深さま
でケーシング(ガイド管)9を打ち込む(ケーシング9
を必要としない場合もあるが、本実施例はそれを必要と
するベノト杭の場合について説明する)。なお、ケーシ
ング9の内径が杭径に相当する。本実施例のコンクリー
ト場所打ち杭1の杭径は約1.5[m]であリ、ケーシ
ング9は杭径の約5倍の7.5[m]の長さのものが採
用される。そのため一般に使用されているものが適用さ
れる。次に、図3に示すように堀削具10(例えば、ハ
ンマーグラブ)による堀削作業が行われ、全長aで拡径
部5を杭脚部に有する杭穴4が堀削される。なお、堀削
時にはケーシング9が杭構築のガイドとなる。次に、図
4に示すように堀削された杭穴4内にベントナイト液供
給管11等によりベントナイト液12が供給される。ベ
ントナイトは凝灰岩,石英粗面岩などのガラス質の部分
が風化分解した粘土,モンモリロナイトを主成分とする
もので、水で膨潤する膨潤粘土であり、抗穴4の内壁の
崩壊防止用として使用される。供給されたベントナイト
液12は杭穴4の内壁に付着しベントナイト層を形成す
る。次に、図5に示すように杭穴4内に鉄筋篭7を挿入
する。
【0011】次に、図6に示すように、トレミー管14
等により、普通強度のコンクリートFC240等を投入
し、普通強度のコンクリート層3を形成する。次に、杭
穴4の上部に溜っているベントナイト液12を図略の吸
入管等により吸引する。最後にトレミー管14等により
高強度コンクリートFC320等を投入すると共にケー
シング9を引き抜き杭頭部に相当する長さaの部分に
高強度コンクリート層2を打設形成する。以上により、
図1に示したコンクリート場所打ち杭1が完成される。
【0012】以上に説明した実施例において、杭径D
を1500[mm]としたが、勿論建築物の大きさ,地
盤構造に対応する適宜の杭径のものが採用される。ま
た、コンクリートの材質も高強度コンクリートであれば
よく、FC320〜FC370等に限定するものではな
い。また、本実施例は拡径部5を有するものについて説
明したがそれに限らない。また、打設工法についても前
記工法に限定するものではない。更に、本実施例では高
強度コンクリート層2を上端部より杭径の5倍程度とし
たが、杭長が極めて長い場合(例えば、杭長が杭径の2
0倍程度)には上端部より杭長aの約1/4の範囲とす
ることが出来る。なお、1/4・aの範囲の場合にも杭
頭部の曲げ応力の特に高い部分が補強されるため、十分
な支持力と耐震性を発揮することが出来る。また、本実
施例において、普通強度のコンクリート層3と高強度コ
ンクリート層2の2層構造としたがそれに限定するもの
ではない。
【0013】
【本考案の効果】本考案によれば、次のような顕著な効
果を奏する。 1)普通強度のコンクリートのみでコンクリート場所打
ち杭を形成するものに較べて、杭径が大巾に縮径され、
コンクリート量の減少が図れると共に全体としてのコス
トダウンが図れる。 2)曲げ応力の大きい杭頭部に該曲げ応力に耐える強度
の高強度コンクリートを採用し、曲げ応力の小さい杭脚
部に普通強度のコンクリートを配設するもので曲げ応力
に見合った合理的な形状の杭を形成することが出来る。 3)高強度コンクリート層と普通強度のコンクリート層
との区分範囲は建築物の形状,大きさや地盤構造に対応
して任意に設定されるため、工事現場において最も効果
的な組み合わせからなる杭を容易に形成することが出来
る。 4)異なった種類のコンクリート層を少なくとも2度打
設する必要があるが、コンクリート打設工法は特に面倒
でなく通常のコンクリート施工とほぼ同様に行われ、工
事コストは上昇しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例のコンクリート場所打ち杭の
全体構造を示す軸断面図。
【図2】本実施例のコンクリート施工時におけるガイド
レールの打設状態を示す軸断面図。
【図3】本実施例の杭穴の堀削状態を示す軸断面図。
【図4】本実施例のベントナイト液の投入作業を説明す
る軸断面図。
【図5】本実施例の鉄筋篭の挿入作業を説明する軸断面
図。
【図6】本実施例の普通強度のコンクリート層の打設を
示す軸断面図。
【図7】本実施例における高強度コンクリート層の打設
状態を示す軸断面図。
【図8】杭の深さと上部建屋の振動によって生ずる杭に
作用する曲げ応力との関係を示す応力図。
【図9】従来のコンクリート場所打ち杭を打設するため
の杭穴を示す軸断面図。
【図10】従来のコンクリート場所打ち杭における鉄筋
篭の挿入状態を示す軸断面図。
【図11】従来のコンクリート場所打ち杭の全体構造を
示す軸断面図。
【図12】杭脚部に拡径部を有する従来のコンクリート
場所打ち杭の軸断面図。
【符号の説明】
1 コンクリート場所打ち杭 2 高強度コンクリート層 3 普通強度のコンクリート層 4 杭穴 5 拡径部 7 鉄筋篭 7a 杭頭主筋 7b 杭鉄筋 8 地表面(GL) 9 ケーシング(ガイド管) 10 堀削具 11 ベントナイト液供給管 12 ベントナイト液 14 トレミー管
フロントページの続き (72)考案者 渡部 勝利 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大 成建設株式会社内 (72)考案者 松本 修一 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大 成建設株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−106015(JP,A) 特開 昭62−296010(JP,A) 特開 平1−250524(JP,A) 特開 昭61−290120(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E02D 5/34

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】工事現場において堀削された杭穴に鉄筋を
    補強材としてコンクリートを打設して形成されるコンク
    リート場所打ち杭であって、少なくとも前記杭穴の上端
    の杭頭部側を高強度コンクリートで形成することを特徴
    とするコンクリート場所打ち杭。
  2. 【請求項2】前記高強度コンクリートの形成される長さ
    が前記杭穴の上端部より杭径の5倍程度である請求項1
    のコンクリート場所打ち杭。
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JPH0663631U JPH0663631U (ja) 1994-09-09
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