JP3018877B2 - 地中構造物及び地中構造物の構築方法 - Google Patents
地中構造物及び地中構造物の構築方法Info
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- JP3018877B2 JP3018877B2 JP5315481A JP31548193A JP3018877B2 JP 3018877 B2 JP3018877 B2 JP 3018877B2 JP 5315481 A JP5315481 A JP 5315481A JP 31548193 A JP31548193 A JP 31548193A JP 3018877 B2 JP3018877 B2 JP 3018877B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、地中構造物及び地中
構造物の構築方法に関し、特に、地中構造物の外周部分
に沿って形成される壁体と、該壁体内部の掘削底面を覆
って形成される底盤部とからなる地中構造物及び該地中
構造物の構築方法に関するものである。
構造物の構築方法に関し、特に、地中構造物の外周部分
に沿って形成される壁体と、該壁体内部の掘削底面を覆
って形成される底盤部とからなる地中構造物及び該地中
構造物の構築方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、構築予定箇所の外周部分に沿
って形成される壁体とこの壁体内部の掘削底面を覆って
形成される底盤部とからなる地中構造物、例えばシール
ド掘進機の発進用の立坑等を構築する工法の一つとし
て、地中連続壁工法によるものが知られている。
って形成される壁体とこの壁体内部の掘削底面を覆って
形成される底盤部とからなる地中構造物、例えばシール
ド掘進機の発進用の立坑等を構築する工法の一つとし
て、地中連続壁工法によるものが知られている。
【0003】すなわち、この地中連続壁工法によれば、
例えば、各種の縦溝掘削機を用いて、当該掘削溝内に泥
水等を満たして壁面の崩壊を防止しつつ、所定の深度ま
で縦溝を掘削形成し、しかる後に縦溝内の泥水をコンク
リートと置換してコンクリート製の壁体を形成するもの
である。そして、コンクリートが硬化した後に、この壁
体を土留壁として、壁体の内部を所定の深度まで掘削
し、掘削底面にコンクリート製の底盤を打設形成して地
中構造物とするものである。
例えば、各種の縦溝掘削機を用いて、当該掘削溝内に泥
水等を満たして壁面の崩壊を防止しつつ、所定の深度ま
で縦溝を掘削形成し、しかる後に縦溝内の泥水をコンク
リートと置換してコンクリート製の壁体を形成するもの
である。そして、コンクリートが硬化した後に、この壁
体を土留壁として、壁体の内部を所定の深度まで掘削
し、掘削底面にコンクリート製の底盤を打設形成して地
中構造物とするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の地中連続壁工法により形成された壁体と掘削底面に
形成した底盤とからなる地中構造物によれば、特に、地
下水位の高い地盤や軟弱地盤内に構築される地中構造物
の場合には、掘削底面あるいは地中構造物の底盤の下方
から大きな揚圧力が加わることになるため、かかる揚圧
力を低減すべく、壁体の根入れ長さを延長して下方の遮
水層まで至らしめる方法や、壁体の根入れ部分の地盤を
予め地盤改良する方法が採用されている。すなわち、か
かる根入れ長さの増大や地盤改良を行なう工程の追加に
より、工事の期間や工事の費用が増加することになると
いう問題があった。
来の地中連続壁工法により形成された壁体と掘削底面に
形成した底盤とからなる地中構造物によれば、特に、地
下水位の高い地盤や軟弱地盤内に構築される地中構造物
の場合には、掘削底面あるいは地中構造物の底盤の下方
から大きな揚圧力が加わることになるため、かかる揚圧
力を低減すべく、壁体の根入れ長さを延長して下方の遮
水層まで至らしめる方法や、壁体の根入れ部分の地盤を
予め地盤改良する方法が採用されている。すなわち、か
かる根入れ長さの増大や地盤改良を行なう工程の追加に
より、工事の期間や工事の費用が増加することになると
いう問題があった。
【0005】そこで、この発明は、上記問題点を解消す
るためになされたもので、特に、地下水の存在する地盤
や軟弱地盤中に壁体と底盤とからなる地中構造物を構築
する場合において、壁体の根入れ長さを不必要に増大す
ることなく、かつ地盤改良を特別必要とすることなく、
底盤にかかる揚圧力を効率良く支持することができると
ともに、経済的かつ迅速に構築することのできる地中構
造物及び該地中構造物を構築するための構築方法を提供
することを目的とするものである。
るためになされたもので、特に、地下水の存在する地盤
や軟弱地盤中に壁体と底盤とからなる地中構造物を構築
する場合において、壁体の根入れ長さを不必要に増大す
ることなく、かつ地盤改良を特別必要とすることなく、
底盤にかかる揚圧力を効率良く支持することができると
ともに、経済的かつ迅速に構築することのできる地中構
造物及び該地中構造物を構築するための構築方法を提供
することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を
鑑みてなされたものであって、その要旨は、地中構造物
の外周部分に沿って地中に形成される壁体であって、前
記地中構造物の底盤部分の直上において当該壁体から内
方に突出する拡幅部を有するとともに、当該壁体を縦方
向に貫通するアンカー挿通孔を有する壁体と、前記アン
カー挿通孔に挿通されるとともに、その上部が前記壁体
の上端部にその下部が前記壁体の下方に形成したアンカ
ー定着部に各々定着されるアンカー部材と、前記壁体内
部の掘削底面を覆って形成され、その中心に向かうにつ
れて肉厚を増大することにより、下方に突出する錘体形
状をなす底盤部であってその縁部上面が前記拡幅部に下
方から当接する底盤部とからなることを特徴とする地中
構造物にある。
鑑みてなされたものであって、その要旨は、地中構造物
の外周部分に沿って地中に形成される壁体であって、前
記地中構造物の底盤部分の直上において当該壁体から内
方に突出する拡幅部を有するとともに、当該壁体を縦方
向に貫通するアンカー挿通孔を有する壁体と、前記アン
カー挿通孔に挿通されるとともに、その上部が前記壁体
の上端部にその下部が前記壁体の下方に形成したアンカ
ー定着部に各々定着されるアンカー部材と、前記壁体内
部の掘削底面を覆って形成され、その中心に向かうにつ
れて肉厚を増大することにより、下方に突出する錘体形
状をなす底盤部であってその縁部上面が前記拡幅部に下
方から当接する底盤部とからなることを特徴とする地中
構造物にある。
【0007】
【0008】また、この発明の他の要旨は、変断面掘削
が可能な縦溝掘削機により、地中構造物の構築予定箇所
の外周部分に沿って、前記地中構造物の底盤部分の直上
において溝幅を内方に一部拡幅しつつ縦溝を掘削形成す
る工程と、該縦溝内に縦方向にパイプ部材を設置すると
ともにコンクリートを打設して、アンカー部材挿通用の
縦孔を有する壁体を地中に形成する工程と、前記コンク
リートが硬化した後に、前記壁体の内部を掘削して、前
記地中構造物の底盤部を、当該底盤部の縁部上面を前記
拡幅部分のコンクリートに下方から当接させつつ形成す
るとともに、該壁体内部の掘削及び底盤部の形成作業と
併行して、前記アンカー部材を前記縦孔に挿通してその
上部を前記壁体の上端部にその下部を前記壁体の下方に
造成したアンカー定着部に各々定着する工程とからなる
ことを特徴とする地中構造物の構築方法にある。
が可能な縦溝掘削機により、地中構造物の構築予定箇所
の外周部分に沿って、前記地中構造物の底盤部分の直上
において溝幅を内方に一部拡幅しつつ縦溝を掘削形成す
る工程と、該縦溝内に縦方向にパイプ部材を設置すると
ともにコンクリートを打設して、アンカー部材挿通用の
縦孔を有する壁体を地中に形成する工程と、前記コンク
リートが硬化した後に、前記壁体の内部を掘削して、前
記地中構造物の底盤部を、当該底盤部の縁部上面を前記
拡幅部分のコンクリートに下方から当接させつつ形成す
るとともに、該壁体内部の掘削及び底盤部の形成作業と
併行して、前記アンカー部材を前記縦孔に挿通してその
上部を前記壁体の上端部にその下部を前記壁体の下方に
造成したアンカー定着部に各々定着する工程とからなる
ことを特徴とする地中構造物の構築方法にある。
【0009】
【作用】この発明の地中構造物によれば、掘削底面を覆
って形成された底盤部は、その縁部上面が壁体の内方に
突出する拡幅部に下方から当接する。そして、底盤部に
下方から負荷される揚圧力は拡幅部を介して壁体に伝達
され、この壁体によって強固に支持されるとともに、壁
体はさらに、これを貫通するアンカー部材を介してアン
カー定着部によりその上方へ向かう荷重が強固に支持さ
れるので、地中構造物は、底盤部と壁体とアンカー部材
とが一体となって揚圧力を効率良く支持する。
って形成された底盤部は、その縁部上面が壁体の内方に
突出する拡幅部に下方から当接する。そして、底盤部に
下方から負荷される揚圧力は拡幅部を介して壁体に伝達
され、この壁体によって強固に支持されるとともに、壁
体はさらに、これを貫通するアンカー部材を介してアン
カー定着部によりその上方へ向かう荷重が強固に支持さ
れるので、地中構造物は、底盤部と壁体とアンカー部材
とが一体となって揚圧力を効率良く支持する。
【0010】また、前記底盤部を、当該底盤部の中心に
向かうにつれてその肉厚を増大して下方に突出する錐体
形状としているので、いわゆるアーチアクションによ
り、揚圧力によって底盤部に生じる曲げ応力を減らすと
ともにこれを鉛直力にかえ、これによって揚圧力を拡幅
部で効率良く支持することが可能になる。
向かうにつれてその肉厚を増大して下方に突出する錐体
形状としているので、いわゆるアーチアクションによ
り、揚圧力によって底盤部に生じる曲げ応力を減らすと
ともにこれを鉛直力にかえ、これによって揚圧力を拡幅
部で効率良く支持することが可能になる。
【0011】
【実施例】以下、この発明の一実施例を添付図面を用い
て詳細に説明する。この実施例にかかる地中構造物10
は、例えば地下水位(W.L.)の高い軟弱地盤11中
に構築されたもので、図1及び図2に示すように、主と
して、地中構造物10の外周部分に沿って形成される壁
体12と、壁体12の内方の掘削底面を覆って形成され
る底盤部13と、壁体12を貫通して壁体12の下方に
定着するアンカー部材14とによって構成される。
て詳細に説明する。この実施例にかかる地中構造物10
は、例えば地下水位(W.L.)の高い軟弱地盤11中
に構築されたもので、図1及び図2に示すように、主と
して、地中構造物10の外周部分に沿って形成される壁
体12と、壁体12の内方の掘削底面を覆って形成され
る底盤部13と、壁体12を貫通して壁体12の下方に
定着するアンカー部材14とによって構成される。
【0012】壁体12は、コンクリートを打設して構築
形成されるもので、円形断面を有し、その周方向に分割
された複数の単位壁17を連設して構成されるととも
に、各単位壁17には、例えば鋼製パイプ15を縦方向
に配設して、アンカー部材14を挿通するためのアンカ
ー挿通孔16が設けられている(図2参照)。また、各
単位壁17すなわち壁体12には、底盤部13の直上に
おいて、壁体12からこれの内方に突出する、下面が平
坦な拡幅部18が、壁体12の内周面に沿って連続形成
されている。
形成されるもので、円形断面を有し、その周方向に分割
された複数の単位壁17を連設して構成されるととも
に、各単位壁17には、例えば鋼製パイプ15を縦方向
に配設して、アンカー部材14を挿通するためのアンカ
ー挿通孔16が設けられている(図2参照)。また、各
単位壁17すなわち壁体12には、底盤部13の直上に
おいて、壁体12からこれの内方に突出する、下面が平
坦な拡幅部18が、壁体12の内周面に沿って連続形成
されている。
【0013】底盤部13は、壁体12と同様にコンクリ
ートを打設して構築形成されるもので、その縁部上面が
前記拡幅部18の下面に下方から当接するとともに、円
形の掘削底面の中心に向かうにしたがってその肉厚を増
大し、これによって、その下面が、下方に突出する円錐
形状をなしている。
ートを打設して構築形成されるもので、その縁部上面が
前記拡幅部18の下面に下方から当接するとともに、円
形の掘削底面の中心に向かうにしたがってその肉厚を増
大し、これによって、その下面が、下方に突出する円錐
形状をなしている。
【0014】また、アンカー部材14は、例えばPC鋼
棒やPC鋼線等からなり、前記壁体12に設けたアンカ
ー挿通孔16に挿通されるとともに、その上端部が、ト
ップ鋼材19やアンカー定着プレート20を介して壁体
12の上端面に、その下端部が、壁体12の下方におい
て硬化充填材を注入硬化させて形成したアンカー定着部
21に、緊張状態で各々定着する。なお、トップ鋼材1
9は、アンカー定着プレート20を介して壁体12の上
端面に局所的に伝達される緊張力を、壁体12の上端面
全体に分散させるべく、壁体12の上端面とアンカー定
着プレート20との間に介装するものである。
棒やPC鋼線等からなり、前記壁体12に設けたアンカ
ー挿通孔16に挿通されるとともに、その上端部が、ト
ップ鋼材19やアンカー定着プレート20を介して壁体
12の上端面に、その下端部が、壁体12の下方におい
て硬化充填材を注入硬化させて形成したアンカー定着部
21に、緊張状態で各々定着する。なお、トップ鋼材1
9は、アンカー定着プレート20を介して壁体12の上
端面に局所的に伝達される緊張力を、壁体12の上端面
全体に分散させるべく、壁体12の上端面とアンカー定
着プレート20との間に介装するものである。
【0015】そして、上記構成を有する地中構造物10
を構築するには、まず、図3(イ)及び(ロ)に示すよ
うな、変断面掘削が可能な縦溝掘削機22により、地中
構造物10の構築予定箇所の外周部分に沿って、縦溝2
3を掘削形成する。なお、かかる縦溝23の掘削は、例
えば掘削溝内に泥水を充填して壁面の崩壊を防止しつ
つ、単位壁17毎に、周方向に連続して行われる。そし
て、各縦溝23には、地中構造物10の底盤部13の構
築予定箇所の直上部分に拡幅部18を形成する(図3
(ロ)参照)。すなわち、かかる拡幅部18は、縦溝掘
削機22の一方の掘削刃24を伸縮機構により地中構造
物10の内方に押し出すことにより、容易に掘削形成す
ることができる。
を構築するには、まず、図3(イ)及び(ロ)に示すよ
うな、変断面掘削が可能な縦溝掘削機22により、地中
構造物10の構築予定箇所の外周部分に沿って、縦溝2
3を掘削形成する。なお、かかる縦溝23の掘削は、例
えば掘削溝内に泥水を充填して壁面の崩壊を防止しつ
つ、単位壁17毎に、周方向に連続して行われる。そし
て、各縦溝23には、地中構造物10の底盤部13の構
築予定箇所の直上部分に拡幅部18を形成する(図3
(ロ)参照)。すなわち、かかる拡幅部18は、縦溝掘
削機22の一方の掘削刃24を伸縮機構により地中構造
物10の内方に押し出すことにより、容易に掘削形成す
ることができる。
【0016】縦溝23が掘削形成されたら、次に、各縦
溝23内に、アンカー挿通孔16を設けるための鋼製パ
イプ15を鉄筋等の補強材の中に適宜設置した後に、縦
溝23内にコンクリートを前記泥水と置換しつつ打設充
填することにより、拡幅部18を有するコンクリート製
の壁体12を造成する(図1参照)。なお、かかる壁体
12の造成は、所定数の単位壁17毎に行なうことが好
ましい。
溝23内に、アンカー挿通孔16を設けるための鋼製パ
イプ15を鉄筋等の補強材の中に適宜設置した後に、縦
溝23内にコンクリートを前記泥水と置換しつつ打設充
填することにより、拡幅部18を有するコンクリート製
の壁体12を造成する(図1参照)。なお、かかる壁体
12の造成は、所定数の単位壁17毎に行なうことが好
ましい。
【0017】打設したコンクリートが硬化したら、壁体
12によって囲まれた内部を掘削するとともに、壁体1
2にはアンカー部材14を取り付ける。ここで、掘削作
業は、壁体12を土留壁として、例えばクラムシェル等
の掘削機械を用いて水中掘削とする。なお、拡幅部18
の下方の地盤は、例えばジェット水を用いることにより
容易に掘削することができる。そして、所定の深さまで
掘削作業が終了したら、円錐形状の掘削底盤を覆って前
記拡幅部18の下面を超える高さまでコンクリートを打
設することにより底盤部13を形成する。この結果、底
盤部13は、その縁部上面が拡幅部18の下面に当接す
ることになる。なお、かかる底盤コンクリートの打設作
業は、水中掘削による場合には、例えばトレミー管を介
してコンクリートを水中投入することにより行なうこと
ができる。
12によって囲まれた内部を掘削するとともに、壁体1
2にはアンカー部材14を取り付ける。ここで、掘削作
業は、壁体12を土留壁として、例えばクラムシェル等
の掘削機械を用いて水中掘削とする。なお、拡幅部18
の下方の地盤は、例えばジェット水を用いることにより
容易に掘削することができる。そして、所定の深さまで
掘削作業が終了したら、円錐形状の掘削底盤を覆って前
記拡幅部18の下面を超える高さまでコンクリートを打
設することにより底盤部13を形成する。この結果、底
盤部13は、その縁部上面が拡幅部18の下面に当接す
ることになる。なお、かかる底盤コンクリートの打設作
業は、水中掘削による場合には、例えばトレミー管を介
してコンクリートを水中投入することにより行なうこと
ができる。
【0018】一方、アンカー部材14を壁体12に取り
付けるには、例えば、まず、壁体12に設けた鋼製パイ
プ15内に、削孔用のケーシングドリルを挿入して壁体
12より下方の地盤を削孔する。所定の深度まで削孔し
たら、ケーシングドリル内にアンカー部材14を挿入す
るとともに、モルタル等の硬化充填材を地盤に注入しつ
つケーシングドリルを引き抜いて、削孔底部にアンカー
定着部21を設ける。そして、アンカー定着部21の硬
化充填材が硬化したらアンカー部材14に緊張力を導入
する。すなわち、壁体12の上端部にジャッキを設けて
アンカー部材14を引張るとともに、かかる引張状態を
保持しつつ、アンカー定着プレート20を用いてアンカ
ー部材14の上端部を壁体12の上端面に固定すれば、
アンカー部材14は緊張状態で鋼製パイプ15内に設置
されることになる。そして、鋼製パイプ15内にはグラ
ウト等の硬化剤が充填され、これによってアンカー部材
14は壁体12内に強固に固定される。
付けるには、例えば、まず、壁体12に設けた鋼製パイ
プ15内に、削孔用のケーシングドリルを挿入して壁体
12より下方の地盤を削孔する。所定の深度まで削孔し
たら、ケーシングドリル内にアンカー部材14を挿入す
るとともに、モルタル等の硬化充填材を地盤に注入しつ
つケーシングドリルを引き抜いて、削孔底部にアンカー
定着部21を設ける。そして、アンカー定着部21の硬
化充填材が硬化したらアンカー部材14に緊張力を導入
する。すなわち、壁体12の上端部にジャッキを設けて
アンカー部材14を引張るとともに、かかる引張状態を
保持しつつ、アンカー定着プレート20を用いてアンカ
ー部材14の上端部を壁体12の上端面に固定すれば、
アンカー部材14は緊張状態で鋼製パイプ15内に設置
されることになる。そして、鋼製パイプ15内にはグラ
ウト等の硬化剤が充填され、これによってアンカー部材
14は壁体12内に強固に固定される。
【0019】ここで、上記壁体12内部の掘削及び底盤
部13の形成作業と、アンカー部材14の設置作業と
は、併行作業として同時に行なうこともできる。
部13の形成作業と、アンカー部材14の設置作業と
は、併行作業として同時に行なうこともできる。
【0020】そして、このような構築方法によって構築
されたこの実施例の地中構造物10によれば、掘削底面
を覆って形成された底盤部13は、その縁部上面が壁体
12の内方に突出する拡幅部18に下方から当接すると
ともに、壁体12はアンカー部材14及びアンカー定着
部21により強固に支持される。すなわち、地中構造物
10は、底盤部13と壁体12とアンカー部材14とが
一体となって、揚圧力等の外力を効率良く支持すること
ができるとともに、底盤部13の底面を円錐形状とする
ことにより、いわゆるアーチアクションによってさらに
効率良く揚圧力を支持することができる。
されたこの実施例の地中構造物10によれば、掘削底面
を覆って形成された底盤部13は、その縁部上面が壁体
12の内方に突出する拡幅部18に下方から当接すると
ともに、壁体12はアンカー部材14及びアンカー定着
部21により強固に支持される。すなわち、地中構造物
10は、底盤部13と壁体12とアンカー部材14とが
一体となって、揚圧力等の外力を効率良く支持すること
ができるとともに、底盤部13の底面を円錐形状とする
ことにより、いわゆるアーチアクションによってさらに
効率良く揚圧力を支持することができる。
【0021】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、この発明の
地中構造物によれば、外周部分に沿って形成される壁体
と、この壁体を貫通して設けられたアンカー部材と、壁
体内部の掘削底面を覆って形成される底盤部とが、一体
となって外力を支持するので、壁体の根入れ長さを不必
要に増大することなく、かつ地盤改良を特別必要とする
ことなく、底盤にかかる揚圧力を効率良く支持すること
ができる。
地中構造物によれば、外周部分に沿って形成される壁体
と、この壁体を貫通して設けられたアンカー部材と、壁
体内部の掘削底面を覆って形成される底盤部とが、一体
となって外力を支持するので、壁体の根入れ長さを不必
要に増大することなく、かつ地盤改良を特別必要とする
ことなく、底盤にかかる揚圧力を効率良く支持すること
ができる。
【0022】また、前記底盤部を、当該底盤部の中心に
向かうにつれてその肉厚を増大する錐体形状とすれば、
いわゆるアーチアクションにより、さらに効率良く底盤
にかかる揚圧力を支持することができる。
向かうにつれてその肉厚を増大する錐体形状とすれば、
いわゆるアーチアクションにより、さらに効率良く底盤
にかかる揚圧力を支持することができる。
【0023】また、この発明の地中構造物の構築方法に
よれば、上記効率良く揚圧力を支持することのできる地
中構造物を、容易かつ迅速に構築することができる。
よれば、上記効率良く揚圧力を支持することのできる地
中構造物を、容易かつ迅速に構築することができる。
【図1】この発明の一実施例にかかる地中構造物の構成
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図2】図1を上方から見た平面図である。
【図3】変断面掘削が可能な縦溝掘削機の一例を示す説
明図で、(イ)は通常の掘削状況を、(ロ)は拡幅部分
の掘削状況を示すものである。
明図で、(イ)は通常の掘削状況を、(ロ)は拡幅部分
の掘削状況を示すものである。
10 地中構造物 11 軟弱地盤 12 壁体 13 底盤部 14 アンカー部材 16 アンカー挿通孔 18 拡幅部 20 アンカー定着プレート 21 アンカー定着部 22 縦溝掘削機 23 縦溝
Claims (2)
- 【請求項1】 地中構造物の外周部分に沿って地中に形
成される壁体であって、前記地中構造物の底盤部分の直
上において当該壁体から内方に突出する拡幅部を有する
とともに、当該壁体を縦方向に貫通するアンカー挿通孔
を有する壁体と、前記アンカー挿通孔に挿通されるとと
もに、その上部が前記壁体の上端部にその下部が前記壁
体の下方に形成したアンカー定着部に各々定着されるア
ンカー部材と、前記壁体内部の掘削底面を覆って形成さ
れ、その中心に向かうにつれて肉厚を増大することによ
り、下方に突出する錘体形状をなす底盤部であってその
縁部上面が前記拡幅部に下方から当接する底盤部とから
なることを特徴とする地中構造物。 - 【請求項2】 変断面掘削が可能な縦溝掘削機により、
地中構造物の構築予定箇所の外周部分に沿って、前記地
中構造物の底盤部分の直上において溝幅を内方に一部拡
幅しつつ縦溝を掘削形成する工程と、該縦溝内に縦方向
にパイプ部材を設置するとともにコンクリートを打設し
て、アンカー部材挿通用の縦孔を有する壁体を地中に形
成する工程と、前記コンクリートが硬化した後に、前記
壁体の内部を掘削して、前記地中構造物の底盤部を、当
該底盤部の縁部上面を前記拡幅部分のコンクリートに下
方から当接させつつ形成するとともに、該壁体内部の掘
削及び底盤部の形成作業と併行して、前記アンカー部材
を前記縦孔に挿通してその上部を前記壁体の上端部にそ
の下部を前記壁体の下方に造成したアンカー定着部に各
々定着する工程とからなることを特徴とする地中構造物
の構築方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5315481A JP3018877B2 (ja) | 1993-12-15 | 1993-12-15 | 地中構造物及び地中構造物の構築方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP5315481A JP3018877B2 (ja) | 1993-12-15 | 1993-12-15 | 地中構造物及び地中構造物の構築方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07166541A JPH07166541A (ja) | 1995-06-27 |
JP3018877B2 true JP3018877B2 (ja) | 2000-03-13 |
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ID=18065887
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP5315481A Expired - Lifetime JP3018877B2 (ja) | 1993-12-15 | 1993-12-15 | 地中構造物及び地中構造物の構築方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3018877B2 (ja) |
-
1993
- 1993-12-15 JP JP5315481A patent/JP3018877B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH07166541A (ja) | 1995-06-27 |
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