JP2587374Y2 - 自動車用空気調和装置 - Google Patents

自動車用空気調和装置

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JP2587374Y2
JP2587374Y2 JP1991082779U JP8277991U JP2587374Y2 JP 2587374 Y2 JP2587374 Y2 JP 2587374Y2 JP 1991082779 U JP1991082779 U JP 1991082779U JP 8277991 U JP8277991 U JP 8277991U JP 2587374 Y2 JP2587374 Y2 JP 2587374Y2
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芳教 河上
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Hiruta Kogyo Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、車内を空調する自動
車用空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車には、車内を快適な空間とするよ
う、空気調和装置を搭載することが行われている。
【0003】こうした自動車用空気装置には、従来よ
り、車外、車内に連通する導入口と車内に開口する吹出
口とを連通する風路に、導入口側からブロア(送風ファ
ン)、エバポレ−タ(冷凍サイクルを構成する機器)、
ヒ−タコアを順に設けた構造が用いられ、導入口から導
入された空気(外気あるいは車内空気)をエバポレ−タ
(冷却)、ヒ−タコア(加熱)を通過するときの熱交換
によって所定の空調空気(冷風、温風)にするようにし
てある。ところで、自動車用空気調和装置では、運転開
始の際、吹出口から臭気が車内に吹き出されることがあ
る。ここで、臭気の発生のメカニズムについて説明すれ
ば、エバポレ−タは蒸発作用(冷凍サイクル運転)より
ドレン水が生じることは知られている。このドレン水は
チュ−ブなどで風路の外部に導出しているものの、一部
は内部に溜まったり、エバポレ−タに付着する。
【0004】一方、自動車用空気調和装置は、家庭用の
空気調和装置とは異なり、外気を取り入れ、熱交換によ
り、この外気を所定温度(湿度)の温風にしたり、冷風
にしたりする運転をしている。むろん、車内(内気)の
空気を所定温度(湿度)の温風にしたり、冷風にもす
る。つまり、自動車用空気調和装置では、外部のほこ
り,雑菌などが水分の有る部位に付着しやすい構造であ
る。
【0005】このため、場合によっては雑菌などがドレ
ン水で繁殖して、分泌物を発生し、臭いの成分となる腐
敗臭、ほこり臭、アンモニア臭などを生じさせることに
なる。こうした臭いが、自動車用空気調和装置の運転開
始時、吹出口から空調した空気と共に車内に吹出され
て、車内にいる人に不快感を与えてしまう。そこで、従
来、エバポレ−タの空気導入側(上流側)に静電式フィ
ルタ−を設けて、臭いの原因を除くようにする技術を採
用することが行われている。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】ところが、静電式フィ
ルタ−で効率の良い集塵を行うには、構造上、通風面積
を小さくする都合があり、かなり通風抵抗は大きくな
る。
【0007】このため、静電式フィルタ−は集塵効率が
悪く、自動車用空気調和装置自体の性能に悪影響(吹出
風量の低下など)を与えてしまう。しかも、通風面積を
大きく(通風抵抗:大)すれば、臭気の吹出しは防止で
きず、性能の点において十分といえるものではなかっ
た。
【0008】この考案は、このような事情に着目してな
されたもので、その目的とするところは、自動車用空気
調和装置の性能に悪影響を与えずに、高い集塵効率で臭
いの成分となる物質をエバポレ−タの上流側で取り除く
ことができるようにした自動車用空気調和装置を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載の自動車用空気調和装置は、風路のエ
バポレータの上流側の側壁に開口部を設け、この開口部
に該開口部から前記風路内へ引出可能に差し込まれるこ
とによってエバポレータの上流側に組み付けられる電気
式集塵装置を着脱自在に取付け、かつこの電気式集塵装
置を、開口部から差し込まれて風路内に該風路にならう
ように組み込まれる、一端側に送風ファンの吹出部に開
口する第1の嵌挿部が形成され、他端側にエバポレータ
の空気導入側に開口する第2の嵌挿部が形成され、かつ
側壁には風路内に差し込まれるに伴い開口部を塞ぐ板状
部が形成されてなる偏平な筒型のケーシングと、このケ
ーシングの第1の嵌挿部に嵌挿された、プレフィルター
およびイオナイザと、ケーシングの第2の嵌挿部にイオ
ナイザと並行をなして嵌挿されたコレクターと、板状部
にイオナイザおよびコレクター間に沿って装着され、高
電圧を発生して該高電圧をイオナイザとコレクターとに
それぞれ印加させるコントロールユニットとを有して偏
平状に構成したことにある。
【0010】
【0011】
【作用】請求項1に記載の自動車用空気調和装置は、電
気式集塵装置の集塵作用、すなわち高電圧のイオナイザ
によるコロナ放電により微粒子に帯電させ、高電圧が印
加されるコレクターに電気的に付着させるという作用に
よって、エバポレ−タから下流の領域(水分がある領
域)に臭いの成分となる物質を空気中から取り除く。こ
こで、このような集塵は、電気付着方式であるため、高
い集塵効率を保ちつつ、通風面積は大きく(通風抵抗:
小)とれる。
【0012】それ故、自動車用空気調和装置の性能に悪
影響(吹出風量が低下するなど)を与えることなしに、
臭いの成分となる物質をエバポレータの上流側で、十分
に取り除くことができる。しかも、高電圧が印加された
コレクターによる集塵は、高い集塵効率が得られる上、
コレクターに高電圧が印加されてさえいれば、たとえコ
レクターに粉塵が多量に付着しても、コレクター内の電
界は持続するので、集塵力が極端に低下することはな
い。
【0013】そのうえ、電気式集塵装置は、全体が偏平
状にコンパクトにされ、接近配置した送風ファンとエバ
ポレータとの間への据え付けに適した構造となる。 しか
も、それだけでなく、開口部から風路内に着脱自在に取
り付けられるので、イオナイザのプレフィルターおよび
コレクターが汚れたら、風路内から外部に出して、洗浄
すればよく、取扱いが容易である。 加えて、電気式集塵
装置は、ケーシングに形成した開口部を塞ぐ板状部にコ
ントロールユニットを設けて、近い地点からイオナイ
ザ、コレクターに高電圧を印加するようにしたので、コ
ントロールユニットとイオナイザ,コレクターとを接続
するハーネスの長さは短くてすみ、雑音発生の防止にも
優れ、自動車用として優れた効果をもたらす。
【0014】
【実施例】以下、この考案を図1ないし図9に示す一実
施例にもとづいて説明する。図1は自動車のフロント側
を示し、1はダッシュボ−ド(エンジンル−ムと車室と
を仕切るもので図示せず)とインストルメントパネル2
との間に据付けられた自動車用空気調和装置のシステム
ユニットである。
【0015】システムユニット1は、例えば助手席側か
ら車幅方向中央に沿って設けられている。システムユニ
ット1には、図6の概略図に示されるように助手席側か
ら車幅方向中央に沿って風路3を設け、この風路3の一
方となる助手席側の端部に車外と連通する外気導入口4
および車内と連通する内気導入口5(いずれも導入口に
相当)を設け、他方となる車幅方向中央側の端部に車内
に開口する吹出口6を設け、これら間の風路部分に導入
口側からブロア7(送風ファンに相当)、エバポレ−タ
8(冷凍サイクルを構成する機器)、ヒ−タコア9(エ
ンジンの熱を放熱するもの)を順に設けた構造となって
いる。また導入口4,5には切換用のダンパ−10が設
けられ、ヒ−タコア9にはミックスエア用のダンパ−1
1が設けられ、ダンパ−10の切換え、ダンパ−11の
開度にしたがって、外気導入口4あるいは内気導入口5
から導入された空気(外気あるいは車内空気)をエバポ
レ−タ8、ヒ−タコア9を通過するときの熱交換によ
り、所定の温度,湿度の空調空気(冷風、温風)にする
ようにしてある。一方、ブロア7の吹出部とエバポレ−
タ8の空気導入部との間には、電気式集塵装置12が着
脱自在に設けられている。この電気式集塵装置12回り
の構造が図2および図3の二つの図面にまたがって示さ
れている。
【0016】電気式集塵装置12回りの構造について説
明すれば、15は集塵装置12の据付部である。据付部
15は、図2に示されるようにエバポレ−タ8を収容し
た箱形の上下二分割式のケ−ス8aを流用してなる。
【0017】具体的には、ケ−ス8aは、一方の端部と
なる左端部にブロア7の吹出部に接続される小なる長方
形の開口16を有し、他方の端部となる右端部に、ヒ−
タコア以降の部分のユニットが接続される大なる矩形の
開口(図示しない)を有して構成される。またケ−ス8
aの厚み寸法は、エバポレ−タ8の厚みよりも大きな厚
み寸法を有している。このケ−ス8a内の右側に上記エ
バポレ−タ8を収容してある。
【0018】ケ−ス8aの車室側の側部には、エバポレ
−タ8と隣合う上流側の部分を縦長に切欠してなる偏平
な開口部17が形成されている。この開口部17の縁部
には座部分18aが形成され、上記据付部15を構成し
ている。これにより、開口部17からケ−ス8a内に電
気式集塵装置12を挿脱できるようにしてある。なお、
18は座部分18の周囲のケ−ス壁に突設された固定用
のねじ軸である。電気式集塵装置12は、図3ないし図
5に示されるように上記据付部15に対応して偏平形に
構成してある。この電気式集塵装置12には、主要部品
を一つにまとめて、1つのユニットとした構造を採用し
てある。
【0019】すなわち、20は絶縁部材、例えば合成樹
脂部材から形成された筒形の短長なケーシングである。
ケーシング20の一方の端部には、開口16の大きさと
対応した開口形状をもつ長方形の枠で構成される嵌挿部
21(第1の嵌挿部に相当)が形成されている。またケ
ーシング20の他方の端部には、開口16と反対側に有
る図示しない矩形の開口を内接するような例えば楕円形
の枠で構成された嵌挿部22(第2の嵌挿部に相当)が
形成されている。またケーシング20の一方の側部に
は、開口部17の外形に応じた大きさの板状部23が一
体に形成されている。この板状部23の中段には矩形の
収容用の偏平な凹部24が形成してある。つまり、ケー
シング20は開口部17からケース8a内の奥行き方向
へ引出可能に差し込め、板状部23で開口部17を塞げ
ようになっている。ケーシング20の嵌挿部21に、
プレフィルター25が付いたイオナイザ26が嵌挿され
る。
【0020】具体的には、イオナイザ26は図3に示さ
れるように嵌挿部21と挿脱可能な長方形の枠体27の
片側の開口、詳しくは開口部17に臨む左側の開口に、
大きな粒子(ごみなど)を除去するためのプレフィルタ
−25を張り渡し、枠体27の内部に、複数枚の極板2
8と導線、例えばタングステン線29とを交互に並行に
並べたイオン化部分を設けてなる。このイオナイザ26
を嵌挿部21に対して挿脱可能に嵌挿してある。なお、
30は枠体27に設けた、枠体27を嵌挿部21の壁部
先端に着脱可能に係合させるための爪部である。ケ−シ
ング20の嵌挿部22には、コレクタ−31が嵌挿され
る。
【0021】具体的には、コレクタ−31は嵌挿部22
と挿脱可能な楕円形の枠体32内に、所定隙間ができる
ように重ねた、例えば陰極板33を形成した樹脂製の帯
板部材(図示しない)と陽極板34を形成した樹脂帯板
部材(図示しない)とを渦巻状に巻回させた積層状の集
塵部分を収容させてなる。このコレクタ−31を嵌挿部
22に対して挿脱可能に嵌挿してある。なお、図示はし
ないが枠体32に、同枠体32を嵌挿部22の壁部先端
に着脱可能に係合させるための爪部が設けてある。こう
した嵌挿構造によって、イオナイザ26とコレクタ−3
1との双方を、ケ−シング20の中央の連通部を介して
並行に配置させている。
【0022】また凹部24には、集塵装置の偏平なコン
トロ−ルユニット35(高圧供給手段)が据付けられて
いる。つまり、コントロ−ルユニット35はイオナイザ
26とコレクタ−31とが並ぶ方向に沿って並行に設け
られる。
【0023】コントロ−ルユニット35は、絶縁部材で
構成された矩形の偏平箱状のケ−ス36内に、図7に示
されるように高電圧を発生させる高圧発生部37(トラ
ンスよりなる)、同高圧発生部37の出力を制御する出
力制御部38(制御部を構成するもの)、出力の異常を
検出する異常検出部39(制御部を構成するもの)とい
った回路を設けて構成される。そして、高圧発生部37
の異なる出力端部がハ−ネス(図示しない)および接点
部43などを介して、上記イオナイザ26、コレクタ−
31に接続され、集塵に必要な高電圧、例えばイオナイ
ザ26に約6000V、コレクタ−31に約3500V
をそれぞれ印加できるようにしてある。
【0024】出力制御部38は、例えば自動車のインス
トルメントパネル2にある空気調和装置の操作パネル4
0に設けた、空気調和装置の運転開始用のブロアスイッ
チ41に接点41aを介し接続されていて、冷房、暖房
運転をするべくブロアスイッチ41をオン操作すると、
イオナイザ26、コレクタ−31に高電圧を印加するよ
うにしてある。
【0025】高圧発生部37は、ケ−シング20の板状
部23の上部に設けた、電気式集塵装置12がケ−ス8
aに装着されているか否かを検出するためのマイクロス
イッチ42(検出素子)および接点42aを介して、自
動車のイグニションスイッチに接続されていて、イグニ
ションスイッチがオンで、電気式集塵装置12が正規に
据え付けていないと、イオナイザ26、コレクタ−31
が作用しないようにしてある。
【0026】異常検出部39は、イオナイザ26、コレ
クタ−31に接続されていて、イオナイザ26、コレク
タ−31に異常電流が流れたか否かを検出し、異常電流
が検出されたとき高圧発生部37の作動を停止させるよ
うにしてある。
【0027】また出力制御部38および異常検出部39
は、出力比較用の回路(トランジスタ44、抵抗45か
らなる)、接点39aを介して、操作パネル40に設け
たインジケ−タランプ46に接続されていて、インジケ
−タランプ46の点・消灯から集塵装置の作動を表示す
るようにしてある。
【0028】こうしたケ−シング20に対するイオナイ
ザ26、コレクタ−31、コントロ−ルユニット35に
取付けにより、図5に示されるように電気式集塵装置1
2の厚み寸法Tを最少限にして、上記開口部17とエバ
ポレ−タ8との間の偏平な空間部分に対して挿脱可能
な、偏平状の電気式集塵装置12を構成している。
【0029】こうして構成された電気式集塵装置12が
上記開口部17からケ−ス8a内に嵌挿されて、据付部
15に固定される。この据付けにより、上記電気式集塵
装置12は、イオナイザ26が開口16に対向、コレク
タ−31がエバポレ−タ8の空気導入側の面部分の略全
体に対向して、ケ−ス8aの内部に装着される。
【0030】なお、コレクタ−31と枠体32との間に
おける接点部43には、例えば図3に示されるように枠
32の側部に側方に張出す台部分47を形成し、この
台部分47の上下端部に陰極板33,陽極板34につな
がる接点43a,43a(上側しか図示せず)を設け、
枠体32にこれら接点43a,43aに対応して、上記
コントロ−ルユニット35につながる摺接接片(図示し
ない)を設けた構造が採用されていて、たとえケ−ス8
aの内底部にドレン水が溜まることがあっても、陽極側
と陰極側とにおいてリ−クが発生しないようにしている
(水から接点を遠ざけている)。また図示はしないがイ
オナイザ26と枠体27との間における接点部において
も、ケ−ス8aに溜まるドレン水から接点を遠ざけて配
置した構造を採用してある。
【0031】但し、ケ−ス8aに嵌挿された電気式集塵
装置12は、板状部23に設けた孔部48から突き出る
ケ−ス8a側のねじ軸18に対し、ナット49を螺合す
ることによりケ−ス8aに着脱可能に固定される。つま
り、イオナイザ26のプレフィルタ−25およびコレク
タ−31が汚れたら、電気式集塵装置12をケ−ス8a
から外部に出し、さらにケ−シング20から出せば、洗
浄できるようにしてある。つまり、イオナイザ26のプ
レフィルタ−25、コレクタ−31共、再び使用できる
ようにしてある。つぎに、このように構成された自動車
用空気調和装置の作用について説明する。自動車のイグ
ニションスイッチをオンにしてエンジンを始動した後、
ブロアスイッチ41をオンにする。
【0032】すると、図示しないエンジンの出力が電磁
クラッチを介して冷凍サイクルを構成する圧縮機に伝達
されるとともに、ブロア7、各ダンパ−10,11が所
定に作動する。また出力制御部38が作動して、高圧発
生部37を昇圧させ、それぞれイオナイザ26、コレク
タ−31に高電圧を印加する。ブロア7の作動により、
外気(あるいは内気)が風路3に導入され、電気式集塵
装置12をに導かれる。ここで、空気中の微粒子の取り
除かれる。すなわち、電気式集塵装置12では、まず、
プレフィルタ−25によって空気中に混じった大きな微
粒子(図6中、黒丸部分で示す)が取り除かれる。
【0033】ついで、電気的に集塵される。すなわち、
上記昇圧された高圧電源により、イオナイザ26の極板
28とタングステン線29との間から、コロナ放電が発
生する。
【0034】ここで、コロナ放電が起きているところで
は、電子は加速され非常に高速で運動している。このた
め、空気分子が衝突した時、電子が飛び出し正イオンと
電子とが生じる。コロナ領域では、この過程は自然のな
だれのように連続的に起こり、タングステン線29の周
辺に自由電子と正イオンとが密集した雲塊を形成してい
く。
【0035】このコロナ放電が起きている中を、上記空
気の微粒子(図6中、黒丸部分で示す:臭いの原因とな
る物質(塵、ほこり)など)が通過すると、微粒子に正
イオンが吸着し、プラスに帯電する。この帯電された微
粒子は、約3500Vで荷電されたコレクタ−31の並
行な極板33,34間を通過するときに、陰極板33に
吸着される。これによって、エバポレ−タ8から下流の
領域(水分がある領域)には、臭いの成分となる物質は
運ばれないようになる(到達しない)。このようにして
微粒子が取り除かれた空気が、エバポレ−タ8、ヒ−タ
コア9を通過するときに熱交換されて後、吹出口6から
車内に吹出される。したがって、雑菌などによって、腐
敗臭、ほこり臭、アンモニア臭などを生じさせることは
ない。それ故、自動車用空気調和装置の運転開始時、臭
気で不快感を与えるようなことはなくなる。
【0036】しかも、電気付着方式の集塵装置12は、
静電式に比べ、通風面積を大きくとれるために、高い集
塵効率を得ることができる。実験によれば、静電式と電
気式(電気付着方式)との集塵効果を対比すると、図8
に示されるように電気式は静電式に比べ、かなり高い集
塵効果が得られるものであった。また通風抵抗について
は図9に示されるように電気式は静電式に比べ、圧力損
失が小さいものであった。
【0037】したがって、自動車に搭載されている既存
の自動車用空気調和装置の性能に悪影響(吹出風量が低
下するなど)を与えることなしに、臭いの成分となる物
質をエバポレ−タの上流側で、十分に取り除くことがで
きることとなる。しかも、高電圧が印加されたコレクタ
ー31による集塵は、高い集塵効率が得られるだけでな
く、コレクター31に高電圧が印加されてさえいれば、
たとえコレクター31に粉塵が多量に付着しても、コレ
クター31内の電界は持続するので、集塵力が極端に低
下することはない。
【0038】また上記のように電気式集塵装置12を、
偏平な筒型のケ−シング20の両端部にイオナイザ2
6、コレクタ−31を設け、ケ−シング20の側部に偏
平なコントロ−ルユニット35を並行に設けた構造にす
ると、自動用空気調和装置に最も好適な集塵装置にする
ことができる。
【0039】すなわち、自動車用空気調和装置は、エン
ジンル−ム、客室などを所定に確保しつつ車体全体を小
さくするという自動車特有の製作上などの制約などによ
って、かなり相互の部品が接近した状態で自動車に据え
付けられている。
【0040】具体的には、ブロア7とエバポレータ8と
の間は、かなり接近していて、市販されているような電
気式集塵装置の構造そのものでは、その間に据え付ける
は難しい。そこで、上記構造にすることによって、全
体が薄形で、かつコンパクトにユニット化される上、差
し込むという作業で、簡単に上記ブロア7とエバポレー
タ8との間に据え付けることができる電気式集塵装置1
が実現できる
【0041】それだけでなく、イオナイザ26のプレフ
ィルター25およびコレクター31が汚れたら、外部に
出して洗浄すればよく、取扱いが容易である。しかも、
電気式集塵装置そのものを標準化することができるか
ら、各車種に共用できる利点もある。
【0042】そのうえ、コントロ−ルユニット35を含
んで電気式集塵装置12が薄形にユニット化されること
によって、高圧発生部37とイオナイザ26,コレクタ
−31とを接続するハ−ネス(図示しない)が短くする
ことができるから、雑音発生の防止にとっても有効であ
る。
【0043】
【考案の効果】以上説明したように請求項1に記載の考
案によれば、自動車用空気調和装置の性能に悪影響を与
えずに、高い集塵効率で臭いの成分となる物質をエバポ
レ−タの上流側で取り除くことができる。しかも、高電
圧が印加されたコレクターによる集塵は、高い集塵効率
が得られる上、コレクターに高電圧が印加されてさえい
れば、たとえコレクターに粉塵が多量に付着しても、コ
レクター内の電界は持続するので、集塵力が極端に低下
することはなく、安定した高い集塵性能を長期に渡り確
保できる。そのうえ、電気式集塵装置は、全体が偏平状
にコンパクトにされ、接近配置した送風ファンとエバポ
レータとの間への据え付けに適した構造にできる。 しか
も、それだけでなく、開口部から風路内に着脱自在に取
り付けられるので、イオナイザのプレフィルターおよび
コレクターが汚れたら、風路内から外部に出して、洗浄
すればよく、取扱いが容易である。 加えて、電気式集塵
装置は、ケーシングに形成した開口部を塞ぐ板状部にコ
ントロールユニットを設けて、近い地点からイオナイ
ザ、コレクターに高電圧を印加するようにしたので、コ
ントロールユニットとイオナイザ,コレクターとを接続
するハーネスの長さは短くてすみ、雑音発生の防止にも
優れ、自動車用として優れた効果をもらたす。
【0044】
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の一実施例の自動車用空気調和装置
を、それを搭載した自動車のフロント側と共に示す斜視
図。
【図2】電気式集塵装置が据付けられる据付部の構造を
示す斜視図。
【図3】図2に示した据付部に着脱可能に据付けられる
電気式集塵装置の分解斜視図。
【図4】図3に示した電気式集塵装置の側面図。
【図5】図4中、A−A線に沿う電気式集塵装置の断面
図。
【図6】電気式集塵装置の概略構成を、自動車用空気調
和装置の概略構成を共に示す図。
【図7】電気式集塵装置のコントロ−ルユニットの構成
を示す図。
【図8】静電式集塵装置と電気式集塵装置との集塵効果
を対比して示す線図。
【図9】静電式集塵装置と電気式集塵装置との通風抵抗
を対比して示す線図。
【符号の説明】
3…風路、4…外気導入口、5…内気導入口、6…吹出
口、7…ブロア(送風ファン)、8…エバポレ−タ、1
2…電気式集塵装置、20…ケ−シング、21…第1の
嵌挿部、22…第2の嵌挿部、25…プレフィルタ−、
26…イオナイザ、31…コレクタ−、35…コントロ
−ルユニット(高圧供給手段)。
フロントページの続き (72)考案者 小沢 栄一 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)考案者 赤松 泰吉 広島県福山市引野5丁目22番35−506 (72)考案者 奥居 達朗 岡山県倉敷市水島南幸町2−8 (72)考案者 田口 文和 岡山県浅口郡鴨方町本庄1651 (72)考案者 石井 淳二 岡山県浅口郡船穂町船穂5485 (72)考案者 大月 俊一 岡山県岡山市今5丁目9−29 (72)考案者 三宅 正晃 岡山県倉敷市北畝1丁目20−41 (72)考案者 河上 芳教 岡山県小田郡矢掛町里山田1710 (72)考案者 牛田 善喜 香川県香川郡香南町池内958 (56)参考文献 特開 昭60−132661(JP,A) 特開 昭61−61657(JP,A) 実開 昭54−176948(JP,U) 実開 昭62−56315(JP,U) 実開 平3−11442(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60H 3/06

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導入口と吹出口とを連通する風路と、 この風路に導入口側から送風ファン、エバポレータを
    近させて設けてなり、 前記風路に導入された空気を熱交換させる熱交換手段
    と、前記風路の前記エバポレータの上流側の側壁に設けられ
    た開口部と、 この開口部に着脱自在に取付けられ、該開口部から前記
    風路内へ引出可能に差し込まれることによって前記エバ
    ポレータの上流側に組み付けられる 電気式集塵装置と
    有し前記電気式集塵装置が、 前記開口部から差し込まれて前記風路内に該風路になら
    うように組み込まれる、一端側に送風ファンの吹出部に
    開口する第1の嵌挿部が形成され、他端側にエバポレー
    タの空気導入側に開口する第2の嵌挿部が形成され、か
    つ側壁には前記風路内に差し込まれるに伴い前記開口部
    を塞ぐ板状部が形成されてなる偏平な筒型のケーシング
    と、 このケーシングの第1の嵌挿部に嵌挿された、プレフィ
    ルターおよびイオナイザと、 前記ケーシングの第2の嵌挿部に前記イオナイザと並行
    をなして嵌挿されたコレクターと、 前記板状部に前記イオナイザおよび前記コレクター間に
    沿って装着され、高電圧を発生して該高電圧を前記イオ
    ナイザと前記コレクターとにそれぞれ印加させるコント
    ロールユニットと を有して偏平状に構成される ことを特
    徴とする自動車用空気調和装置。
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