JP5130148B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用空調装置に係り、詳しくはイオンとオゾンを発生可能な車両用空調装置に関する。
車両用空調装置は、車室前部のインストルメントパネル内に配置されたHVAC(Heating Ventilating Air-Conditioning)ユニットを備え、HVACユニットのハウジングの内部には、車室に調和空気を吹出させるための風路の一部が規定されている。
HVACユニットのハウジング内にはブロワ及び蒸発器(エバポレータ)が収容されており、ブロワはHVACユニットの空気取入口から空気送出口に向かう空気流を生成可能であり、蒸発器は自身を通過する空気流を冷却可能である。
各空気送出口からは、エアダクトが延び、これらエアダクトは車室に開口した吹出口として、例えば、フロントガラスに向けて開口したデフロスト用吹出口、乗員の上半身に向けて開口したフェース用吹出口、及び、乗員の足元に向けて開口したフット用吹出口を有している。
そして、近年では、車両の乗員のリラクゼーションや車室内空気の消臭等を目的として、車室内にイオンを含んだ空気を送風する車両用空調装置が種々開発されている。
イオン発生器は、例えばHVACユニットとフェース用吹出口との間を繋ぐエアダクトの中間部に取り付けられ、これによりイオン発生器で発生したイオンがフェース用吹出口から乗員に向けて吹き出される。
ところで、イオン発生器は高電圧放電により負イオンを発生する構成のものが一般的であるが、かかる構成のイオン発生器では、イオンの発生と同時にオゾン(O)が併せて生成されるという特質を有しており、一般にオゾンは濃度が高いと毒性を有するという問題がある。
このようなことから、最近では、例えばイオン発生器によって生成されるオゾンの車室内での濃度を低減、減衰させる構成の装置が開発されている(特許文献1、2参照)。
また、オゾンは上記のような問題がある一方、強力な酸化作用を有するため、殺菌・脱臭等に有効に作用することも広く知られている。
そこで、例えば乗員に影響を与えない程度に車室内に積極的にオゾンを供給し、車室内の脱臭等を行う技術も開発されている(特許文献3参照)。
特開2005−289192号公報 特開2005−96627号公報 特開2005−219683号公報
しかしながら、上記特許文献1、2に記載された技術は、オゾンの濃度を極力低減してイオンのみを利用するようなものであり、イオンとオゾンとの両方を利用するような構成のものではなく、イオン発生器を有効に利用しているとは言い難い。
また、特許文献3に記載された技術は、オゾンを利用してはいるものの、車室内に供給して脱臭するものであり、その濃度如何によっては乗員に悪影響を与えるおそれがあり好ましいことではない。
一方において、車両用空調装置では、蒸発器やその周辺部材には結露水が付着することから細菌類や真菌類が発生し易いという問題があり、上記オゾンの性質を利用すれば、このような細菌類や真菌類を除去することが可能と考えられる。
本発明は上述の事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、イオンとオゾンの利用の両立を図った車両用空調装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明の請求項1の車両用空調装置は、イオンを発生させるイオン発生手段と、オゾンを発生させるオゾン発生手段とを備え、前記イオン発生手段により発生したイオンを車室内に供給して該車室内の除塵を行うイオン除塵モードと前記オゾン発生手段により発生したオゾンで蒸発器及び該蒸発器の周辺部材の除菌を行うオゾン除菌モードとを選択的または同時に実施可能に有し、前記イオン発生手段及びオゾン発生手段は、高電圧放電を利用したイオン発生器であって前記蒸発器の近傍に位置して配設され、該イオン発生器によってイオンとオゾンとを同時に発生し、前記蒸発器と熱交換した空気を車室内に送風する送風手段を備え、前記送風手段により送風しているとき、前記イオン除塵モードを選択して前記イオン発生器により発生したイオンを該送風手段により車室内に供給して該車室内の除塵を行い、前記送風手段による送風を停止しているとき、前記オゾン除菌モードを選択して前記イオン発生器により発生したオゾンで前記蒸発器及び該蒸発器の周辺部材の除菌を行い、前記送風手段と前記蒸発器とを内装し、車室内に調和空気を吹き出すための風路を形成してなるHVACユニットを備え、前記イオン発生器は、前記HVACユニットのハウジング内に、前記蒸発器の近傍に位置して配設され、前記HVACユニットは、前記蒸発器と前記ハウジングの内壁との間に間隙を有し、前記イオン発生器は、該間隙に前記蒸発器と並列に配設されていることを特徴とする。
請求項2の車両用空調装置では、請求項1において、前記イオン発生手段は、前記車室内におけるイオンの平均濃度が5000個/cc以上となるようにイオンを発生させることを特徴とする。
請求項3の車両用空調装置では、請求項1または2において、前記オゾン発生手段は、単位時間当たりのオゾンの発生量が所定下限値以上且つ所定上限値以下となるようにオゾンを発生させることを特徴とする。
請求項4の車両用空調装置では、請求項3において、前記所定上限値は、オゾンが前記車室内に全量流出したとしても前記車室内におけるオゾンの平均濃度が0.1ppm/hr以下となるように設定されていることを特徴とする
本発明の請求項1の車両用空調装置によれば、イオン除塵モードにおいてイオン発生手段により発生したイオンを車室内に供給して車室内の除塵を行うとともに、オゾン除菌モードにおいてオゾン発生手段により発生したオゾンで蒸発器及び該蒸発器の周辺部材の除菌を行うようにするので、イオン除塵モードでは車室内の浮遊微粒子をイオンによって良好に除去することができるとともに、オゾン除菌モードでは蒸発器や蒸発器の周辺部材の外表面に発生した細菌類や真菌類をオゾンによって良好に除去することができ、イオンとオゾンの利用の両立を図ることができる。
また本発明によれば、イオン発生手段及びオゾン発生手段は高電圧放電を利用したイオン発生器でありイオンとオゾンとを同時に発生するので、イオン発生器においてイオンとオゾンの利用の両立を図ることができ、イオン発生器が発生するイオンとオゾンとをそれぞれ除塵と除菌とに有効に利用することができる。
また本発明によれば、送風手段により送風しているときにはイオン除塵モードとしてイオン発生器により発生したイオンを送風手段により車室内に供給して車室内の除塵を行い、送風手段による送風を停止しているときにはオゾン除菌モードとしてイオン発生器により発生したオゾンで蒸発器及び該蒸発器の周辺部材の除菌を行うので、例えば車両用空調装置が作動中であって送風手段により送風を行っているときにはイオンを車室内に供給して車室内の浮遊微粒子をイオンによって良好に除去することができ、例えば車両用空調装置が停止中であって送風手段による送風を停止しているときにはオゾンを車室内に供給することなく蒸発器の周辺に滞留させて蒸発器や蒸発器の周辺部材の外表面に発生した細菌類や真菌類をオゾンによって良好に除去することができる。
また本発明によれば、イオン発生器は、HVACユニットのハウジング内に、蒸発器の近傍に位置して配設されているので、イオン発生器をHVACユニットのハウジング内に一体に収容しつつ、車室内の浮遊微粒子をイオンによって良好に除去することができるとともに、蒸発器の外表面やハウジング内面に発生した細菌類や真菌類をオゾンによってHVACユニットのハウジング内で良好に除去することができる。
また本発明によれば、イオン発生器は、蒸発器とHVACユニットのハウジングの内壁との間の間隙に蒸発器に対し並列に配設されているので、蒸発器の外表面やハウジング内面に発生した細菌類や真菌類をオゾンによって良好に除去することができるとともに、やはりイオン発生器が発生するイオンが蒸発器に衝突して減少してしまうことを防止することができ、車室内の浮遊微粒子をイオンによって良好に除去することができる。
請求項2の車両用空調装置によれば、車室内のイオンの平均濃度を5000個/cc以上にすることにより、車室内の浮遊微粒子をイオンによって効率的に除去することができる。
請求項3の車両用空調装置によれば、単位時間当たりのオゾンの発生量が所定下限値以上且つ所定上限値以下となるようにオゾンを発生させるので、例えば所定下限値を蒸発器及び該蒸発器の周辺部材の除菌に最小限必要なオゾンの発生量とし、所定上限値を乗員に影響を与えない程度の最大限のオゾンの発生量とすることで、蒸発器や蒸発器の周辺部材の外表面に発生した細菌類や真菌類をオゾンによって乗員に悪影響を与えることもなく、また各部材の劣化を防止しつつ、十分に除去することができる。
請求項4の車両用空調装置によれば、所定上限値はオゾンが車室内に全量流出したとしても車室内におけるオゾンの平均濃度が0.1ppm/hr(基準値)以下となるように設定されているので、たとえオゾンが車室内に全量流出したとしても乗員の人体に悪影響を与えないようにすることができる
図1は、本発明の一実施形態の車両用空調装置の概略を示す。この車両用空調装置は、HVAC(Heating Ventilating Air-Conditioning)ユニット2を備えている。
具体的には、車両のエンジンルーム4と車室6との間は隔壁8によって区画され、車室6の前側部分には、隔壁8とインストルメントパネル10との間に機器室12が確保されている。この機器室12にHVACユニット2は配置されている。
HVACユニット2はハウジング14を有し、ハウジング14の内部には、車室6に調和空気を吹出させるための風路の一部が規定されている。
詳しくは、ハウジング14の一端部には、外気導入用及び内気循環用の2つの空気取入口16a,bが開口している。外気導入用空気取入口16aには、車外に開口した外気導入口18aを有する外気用エアダクトが接続され、内気循環用空気取入口16bには、車室6に開口した内気導入口18bを有する内気用エアダクトが接続されている。
ハウジング14の他端部には3つの空気送出口20a,b,cが開口し、空気送出口20a,b,cには、デフロスト用エアダクト22a、フェース用(ベント用)エアダクト22b及びフット用エアダクト22cがそれぞれ接続されている。これらデフロスト用、フェース用、フット用エアダクト22a,b,cは、車室6の異なる位置に開口した吹出口を有し、デフロスト用エアダクト22aの吹出口(デフロスト用吹出口)24aは、フロントガラスに向けて開口している。フェース用エアダクト22bの吹出口(フェース用吹出口)24bは、運転席側又は助手席側の乗員の上半身に向かうよう開口し、フット用エアダクト22cの吹出口24cは、乗員の足元に向かうよう開口している。
ハウジング14内にはブロワ26が配置され、ブロワ26は空気取入口16側に位置している。ブロワ26は、ブロワモータにより回転駆動されることで、ハウジング14内部に空気取入口16から空気送出口20に向かう空気流を生成する(送風手段)。
ハウジング14内には、空気取入口16とブロワ26との間に位置してフィルタ28が配置され、フィルタ28の面積は、フィルタ28が取付けられたハウジング14の部位の横断面積に略等しい。このため、ブロワ26によって生成される空気流はフィルタ28を必ず通過し、この際、空気流中の塵や埃がフィルタ28に付着し、空気流が浄化される。つまり、フィルタ28はダストフィルタである。
また、ハウジング14内には蒸発器30が配置され、蒸発器30は、空気流の流動方向でみてブロワ26の下流に配置されている。ブロワ26側の蒸発器30の前面は、空気流が蒸発器30の隙間(熱交換部)を通過するよう、蒸発器30が設置されたハウジング14の部位の横断面積に略等しい面積を有する。
なお、蒸発器30は、図示しないものの、エンジンルーム4から機器室12に渡る冷媒の循環流路に介挿され、冷媒循環流路には、圧縮機、凝縮器、レシーバ及び膨張弁も介挿されている。エンジンから圧縮機に動力が伝達されると、圧縮機は冷媒循環流路内で冷媒を循環させ、冷媒は蒸発器30で気化する。冷媒が気化しているときに蒸発器30の隙間を空気流が通過することで、空気流は気化熱を奪われて冷却される。
更に、ハウジング14内にはヒータコア32が配置され、ヒータコア32は、空気流の流動方向でみて蒸発器30よりも下流に配置されている。蒸発器30側のヒータコア32の前面は、蒸発器30を通過した空気流の一部のみがヒータコア32の隙間(熱交換部)を通過するよう、ヒータコア32が設置されたハウジング14の部位の横断面積よりも小さい面積を有する。
なお、ヒータコア32は、図示しないものの、エンジンルーム4から機器室12に渡るエンジン冷却水の分流路に温水バルブとともに介挿され、分流路は、エンジンとラジエータとの間を循環するエンジン冷却水の循環流路に、ヒータコア32とラジエータとが並列になるよう接続されている。エンジン冷却水が循環流路を循環しているときに温水バルブが開かれると、エンジンで加熱された冷却水(温水)が分流路に流入し、ヒータコア32が温水によって加熱される。加熱されたヒータコア32の隙間を空気流が流れることで、空気流は加熱される。
また、ハウジング14内には、風路、即ち、ブロワ26により生成される空気流の流路を切り換えるための複数のダンパ(ドア)が配置されている。
詳しくは、空気取入口16近傍には、外気導入用空気取入口16aと内気循環用空気取入口16bとを開閉により切り換える内外気切換ダンパ34が設置され、空気送出口20近傍には、デフロスト用、フェース用、フット用エアダクト22a,b,cをそれぞれ開閉するデフロスト用、フェース用及びフット用ダンパ36a,36b,36cが設置されている。ヒータコア32の前面近傍には、ヒータコア用ダンパ38が設置され、ヒータコア用ダンパ38は、その開度によってヒータコア32を通過する空気流の流量を調整する。
そして、車両用空調装置は、イオン発生器40を備えている。
イオン発生器40は、ハウジング14内に空気流の方向で視て蒸発器30の直下流に位置して配置されている。イオン発生器40は、イオン、特に負イオンを発生させることが可能であるとともに、同時にオゾン(O)をも発生可能に構成されている(イオン発生手段、オゾン発生手段)。イオン発生器40としては、例えば高電圧放電を利用したコロナ放電式又は電子放射式のものを用いることができる。なお、電子放射式のイオン発生器には、高電圧発生手段として、鉄芯型トランスを用いるものや圧電トランスを用いるものがある。
このようにハウジング14内に蒸発器30の直下流に配置されたイオン発生器40によりイオンとオゾンとが発生すると、イオンはブロワ26の作動により車室6内に供給されて車室6内の浮遊微粒子を除去(除塵)可能であり、オゾンはブロワ26の停止時において蒸発器30の外表面やハウジング14内面(蒸発器の周辺部材)に発生し付着した細菌類や真菌類を除去(除菌)可能である。
ここに、イオン発生器40のイオン発生子は、イオンを車室6内に良好に供給するためには根元から先端に向けて空気流に沿って延びる形状であるのがよいが、これに限られるものではなく、空気流に対し0°〜90°の角度を有して延びる形状であってもよい。このような形状であってもイオンを車室6内に良好に供給できるとともに、オゾンをハウジング14内で良好に拡散させることができる。また、イオン発生子は、1本のみならず複数本設けるようにしてもよく、それぞれが空気流に対し0°〜90°の角度を有して放射状に延びるような形状であってもよい。
これより、当該車両用空調装置では、イオン発生器40を作動させることで、車室6内の浮遊微粒子を除去するイオン除塵モードと蒸発器30やハウジング14内面に付着した細菌類や真菌類を除去するオゾン除菌モードとを選択的または同時に実施可能に構成されており、以下、イオン除塵モードとオゾン除菌モードについてそれぞれ詳しく説明する。ここでは、イオン発生器40を作動させるとともにブロワ26を作動させる場合にイオン除塵モードとし、イオン発生器40を作動させる一方でブロワ26の作動を停止させる場合にオゾン除菌モードとしており、イオン除塵モードとオゾン除菌モードとを選択的に実施する場合を例に説明する。
先ずイオン除塵モードについて述べる。
イオン発生器40は、電力が供給されると、コロナ放電又は電子放射によって、イオン発生器40を通過する空気流中の分子を負に帯電させることができる。従って、ブロワ26の作動中、イオン発生器40に電力を供給すると、ブロワ26によって生成された空気流がイオン発生器40を通過し、車室6内にイオンが供給される。これにより、車室6内の浮遊微粒子が除去される。
ここに、浮遊微粒子とは、たばこの煙やディーゼル車の排気ガス中に含まれる煤、花粉の表面から剥離した花粉ユービッシュ体等であり、例えば、0.1μm以上2.5μm以下の大きさの粒子である。
そして、この車両用空調装置では、車室6内におけるイオンの平均濃度が5000個/cc以上になるようにイオンを供給する。
車室6内におけるイオンの平均濃度とは、車室6内の複数の位置でイオンの濃度を測定し、得られた測定値の相加平均である。図2は、9つの測定位置a1〜a9を例示している。測定位置の数は特に限定されないが、測定位置は、車室6の全体に亘り均等に分布しているのが好ましい。
このように車室6内のイオンの平均濃度を5000個/cc以上にすることによって、車室6内の浮遊微粒子が効率的に除去される。具体的には、車室6内において、イオンは浮遊微粒子と結合し、イオンと浮遊微粒子との結合体は、内気導入口18bを通じてHVACユニット2のハウジング14内に吸い込まれる。吸い込まれた結合体は、フィルタ28に吸着することにより捕集される。
次に、オゾン除菌モードについて述べる。
上述の如く、イオン発生器40は、電力が供給されると、コロナ放電又は電子放射によってイオンを発生するとともに、同時にオゾンをも発生させる特質を有している。従って、ブロワ26の作動を停止中、イオン発生器40に電力を供給すると、オゾンが車室6内に供給されることなくハウジング14内の蒸発器30近傍に滞留する。これにより、蒸発器30に付着した細菌類や真菌類が良好に除去される。
そして、この車両用空調装置では、蒸発器30の外表面やハウジング14内面に発生し付着した細菌類や真菌類を除去するのに最小限必要な量、即ち単位時間当たりのオゾンの発生量が所定下限値以上となるようにオゾンを発生する。
一方、上述したように、オゾンは濃度が高いと毒性を有するという問題があることから、この車両用空調装置では、オゾンの発生量は、オゾンが車室6内に全量流出したとしても乗員に影響を与えない程度の量に制限されている。即ち、この車両用空調装置では、更に単位時間当たりのオゾンの発生量が所定上限値以下となるようにオゾンを発生する。具体的には、オゾンの発生量は、車室6内におけるオゾンの平均濃度が0.1ppm/hr(基準値)以下となるように設定されている。ここに、車室6内におけるオゾンの平均濃度とは、上記イオンの平均濃度と同様、図2に準じ、車室6内の複数の位置でオゾンの濃度を測定して得られた測定値の相加平均である。
オゾンの発生量については、電流の量に比例して増加することから、例えばイオン発生器40における漏れ電流(放電ではない)に基づき抵抗値を設定したり、荷電時間を変化させたりすることで、所定下限値と所定上限値との間に調整することが可能である。
これにより、蒸発器30の外表面やハウジング14内面に発生した細菌類や真菌類をオゾンによって乗員に悪影響を与えることもなく、またHVACユニット2の各部材(プラスチック等)の劣化をも防止しつつ、十分に除去することができる。
このように、本発明に係る車両用空調装置によれば、ブロワ26を作動させるイオン除塵モードにおいてイオン発生器40により発生したイオンを車室6内に供給して車室6内の除塵を行うとともに、ブロワ26の作動を停止するオゾン除菌モードにおいてイオン発生器40により発生したオゾンを車室6内に供給することなく蒸発器30の周辺に滞留させて蒸発器30やハウジング14内面の除菌を行うようにするので、イオン除塵モードでは車室6内の浮遊微粒子をイオンによって良好に除去することができるとともに、オゾン除菌モードでは蒸発器30の外表面やハウジング14内面に発生した細菌類や真菌類をオゾンによって良好に除去することができ、イオンとオゾンの利用の両立を図ることができる。
特に、車室6内のイオンの平均濃度を5000個/cc以上にすることにより、車室6内の浮遊微粒子をイオンによって効率的に除去することができ、また、単位時間当たりのオゾンの発生量が蒸発器30やハウジング14内面の除菌に最小限必要なオゾンの発生量である所定下限値以上且つ乗員に影響を与えない程度の最大限のオゾンの発生量である所定上限値以下となるようにオゾンを発生させるので、蒸発器30の外表面やハウジング14内面に発生した細菌類や真菌類をオゾンによって乗員に悪影響を与えることもなく、またHVACユニット2の各部材の劣化をも防止しつつ、十分に除去することができる。この場合、所定上限値を車室6内におけるオゾンの平均濃度が0.1ppm/hr(基準値)以下となるように設定することにより、たとえオゾンが車室6内に全量流出したとしても乗員の人体に悪影響を与えないようにすることができる。
また、イオン発生器40は高電圧放電を利用したイオン発生器であってイオンとオゾンとを同時に発生可能であるので、イオン発生手段とオゾン発生手段とを別個に設けることなくイオン発生器40を用いてイオンとオゾンの利用の両立を図り、イオン発生器40が発生するイオンとオゾンとをそれぞれ除塵と除菌とに有効に利用することができる。
また、イオン発生器40をHVACユニット2のハウジング14内に蒸発器30の近傍に位置して配設しているので、イオン発生器40をHVACユニット2と一体にでき、車室6内の浮遊微粒子をイオンによって良好に除去できるとともに、蒸発器30の外表面やハウジング14内面に発生した細菌類や真菌類をイオン発生器40の発生するオゾンによってHVACユニット2のハウジング14内で良好に除去することができる。
また、イオン発生器40は、調和空気の流れ方向で視て蒸発器30の直下流に配設されているので、蒸発器30の外表面やハウジング14内面に発生した細菌類や真菌類をオゾンによって良好に除去することができるとともに、イオン発生器40が発生するイオンが蒸発器30に衝突して減少してしまうことを防止することができ、車室6内の浮遊微粒子をイオンによって良好に除去することができる。
以上で本発明に係る車両用空調装置の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、上記実施形態では、イオン発生器40を蒸発器30の直下流に配置するようにしているが、イオン発生器40については蒸発器30の直上流に配置するようにしてもよい。このようにしても、発生するイオンが蒸発器30に衝突して多少減少してしまうものの、上記同様の効果を得ることができる。
また、イオン発生器40については蒸発器30に対し並列に設けるようにしてもよい。即ち、図3を参照すると、本発明に係る車両用空調装置の一部分であるHVACユニット2の蒸発器30周りの拡大図が表され、他の実施形態が示されているが、このように蒸発器30とHVACユニット2のハウジング14の内壁との間に間隙15を設け、当該間隙15にイオン発生器40を配置するようにしてもよい。
このようにしても、蒸発器30の外表面やハウジング14内面に発生した細菌類や真菌類をオゾンによって良好に除去することができるとともに、やはりイオン発生器40が発生するイオンが蒸発器30に衝突して減少してしまうことを防止することができ、車室6内の浮遊微粒子をイオンによって良好に除去することができる。
また、上記実施形態では、イオン発生手段とオゾン発生手段とをイオン発生器40で兼ねるようにしているが、イオン発生手段とオゾン発生手段についてはそれぞれ別個に設けるようにしてもよい。
また、イオン除塵モードにおいては車室6内に極力オゾンが流出しないようにするのがよく、例えばデフロスト用エアダクト22a、フェース用(ベント用)エアダクト22b及びフット用エアダクト22cにオゾンを吸着可能なオゾン吸着材(分解触媒、活性炭等)を配設するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、フィルタ28として通常のダストフィルタを用いたが、フィルタ28は、浮遊微粒子を効率的に捕集するために、エレクトレット処理、即ち帯電処理された不織布からなるのが好ましい。帯電処理としては、例えばコロナ放電処理を用いることができる。
また、上記実施形態では、フィルタ28を設けるようにしているが、必ずしもフィルタ28を有していなくてもよく、イオンによる除塵効果についてはフィルタ28が無くても得ることが可能である。
本発明に係る車両用空調装置の概略構成図である。 車室内におけるイオンの濃度の測定位置を説明するための図である。 本発明に係る車両用空調装置の概略構成図の一部であって、他の実施形態を示す図である。
符号の説明
2 HVACユニット
6 車室
12 機器室
14 ハウジング
26 ブロワ
40 イオン発生器

Claims (4)

  1. イオンを発生させるイオン発生手段と、
    オゾンを発生させるオゾン発生手段とを備え、
    前記イオン発生手段により発生したイオンを車室内に供給して該車室内の除塵を行うイオン除塵モードと前記オゾン発生手段により発生したオゾンで蒸発器及び該蒸発器の周辺部材の除菌を行うオゾン除菌モードとを選択的または同時に実施可能に有し、
    前記イオン発生手段及びオゾン発生手段は、高電圧放電を利用したイオン発生器であって前記蒸発器の近傍に位置して配設され、該イオン発生器によってイオンとオゾンとを同時に発生し、
    前記蒸発器と熱交換した空気を車室内に送風する送風手段を備え、
    前記送風手段により送風しているとき、前記イオン除塵モードを選択して前記イオン発生器により発生したイオンを該送風手段により車室内に供給して該車室内の除塵を行い、前記送風手段による送風を停止しているとき、前記オゾン除菌モードを選択して前記イオン発生器により発生したオゾンで前記蒸発器及び該蒸発器の周辺部材の除菌を行い、
    前記送風手段と前記蒸発器とを内装し、車室内に調和空気を吹き出すための風路を形成してなるHVACユニットを備え、
    前記イオン発生器は、前記HVACユニットのハウジング内に、前記蒸発器の近傍に位置して配設され、
    前記HVACユニットは、前記蒸発器と前記ハウジングの内壁との間に間隙を有し、
    前記イオン発生器は、該間隙に前記蒸発器と並列に配設されていることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記イオン発生手段は、前記車室内におけるイオンの平均濃度が5000個/cc以上となるようにイオンを発生させることを特徴とする、請求項1記載の車両用空調装置。
  3. 前記オゾン発生手段は、単位時間当たりのオゾンの発生量が所定下限値以上且つ所定上限値以下となるようにオゾンを発生させることを特徴とする、請求項1または2記載の車両用空調装置。
  4. 前記所定上限値は、オゾンが前記車室内に全量流出したとしても前記車室内におけるオゾンの平均濃度が0.1ppm/hr以下となるように設定されていることを特徴とする、請求項3記載の車両用空調装置。
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