JP2584003B2 - 超電導素子及びその製造方法 - Google Patents

超電導素子及びその製造方法

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JP2584003B2 JP63240106A JP24010688A JP2584003B2 JP 2584003 B2 JP2584003 B2 JP 2584003B2 JP 63240106 A JP63240106 A JP 63240106A JP 24010688 A JP24010688 A JP 24010688A JP 2584003 B2 JP2584003 B2 JP 2584003B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は超電導応用技術の超電導素子およびその製造
方法に関するものである。
従来の技術 近近発見された酸化物超電導体の中には、その超電導
遷移温度が液体窒素温度(77.3ケルビン)を越えるもの
があり、超電導体の応用分野を大きく広げることとなっ
た。その実用化の一つである超電導素子について、酸化
物超電導体を二つに割り、再びわずかに接触させたジョ
セフソン素子、酸化物超電導体を薄膜にし、小さなくび
れをつけたブリッジ型ジョセフソン素子、酸化物超電導
体間をAu、Ag等の貴金属で接続したジョセフソン素子が
従来試作されている。
発明が解決しようとする課題 しかしながら従来液体窒素温度で動作する超電導素子
として、酸化物超電導体を用いて試作されている素子の
うち、ポイントエンタクト型と呼ばれる酸化物超電導体
どうしを接触させるタイプでは、再現性が得られず、ま
た特性が非常に不安定であった。さらに酸化物超電導体
にくびれをつけたり、貴金属で接続したブリッジ型素子
では、わずかな静電的ショックで破損するという欠点が
あった。そこで特性が安定な超電導素子を再現性良く、
得ることが望まれていた。
課題を解決するための手段 本発明は、上記要望に応えるべくなされたものであ
り、本発明の超電導素子の第1の構成は、超電導体から
なる下部電極及び上部電極と、前記下部電極と前記上部
電極を隔てるバリア層とからなる接合と、前記上部電極
上の一部に接触して形成されたコンタクト電極と、前記
コンタクト電極と前記下部電極との間を隔てる前記バリ
ア層よりも厚い絶縁層とからなる超電導素子であって、
超電導体からなる前記上部電極及び下部電極の材料が、
Bi−Sr−Ca−Cu−O及びBi−Pb−Sr−Ca−Cu−Oからな
る群から選ばれる1つであり、前記バリア層の材料が、
CaF2、SrF2、BaF2、BiF3、PbF2、CaO、SrO、BaO、Ba
O2、Bi2O3、CuO及びCu2Oからなる群から選ばれる少なく
とも1つであることを特徴とする。
また、本発明の超電導素子の第2の構成は、超電導体
からなる下部電極及び上部電極と、前記下部電極と前記
上部電極を隔てるバリア層とからなる接合と、前記上部
電極上の一部に接触して形成されたコンタクト電極と、
前記コンタクト電極と前記下部電極との間を隔てる前記
バリア層よりも厚い絶縁層とからなる超電導素子であっ
て、超電導体からなる前記上部電極及び下部電極の材料
が、Ln−Ba−Cu−O(Lnは、Ce、Pr、Tb、Luをのぞく原
子番号57から70までのランタノイド元素と、Yのうち少
なくとも1つを指す)であり、前記バリア層の材料が、
CaF2、SrF2、BaF2、BiF3、PbF2、CaO、SrO、BaO、BaO2
及びBi2O3からなる群から選ばれる少なくとも1つであ
ることを特徴とする。
また、本発明の超電導素子の第1の製造方法は、超電
導体からなる下部電極を形成した後、バリア層となる薄
膜層を形成し、その上に上部電極となる上部電極用超電
導体層を形成した多層膜を、ネガレジストによるフォト
リソグラフィーとイオンミリングによってトンネル接合
形状にパターニングし、さらに前記上部電極上の前記ネ
ガレジストを除去した後、前記上部電極の一部を除く全
面に絶縁層を推積させ、その後、前記上部電極の絶縁層
を推積させていない一部に接触させてコンタクト電極を
形成することを特徴とする。
また、本発明の超電導素子の第2の製造方法は、超電
導体からなる下部電極を形成した後、バリア層となる薄
膜層を形成し、その上に上部電極となる上部電極用超電
導体層を形成した多層膜を、ネガレジストによるフォト
リソグラフィーとイオンミリングによってトンネル接合
形状にパターニングし、さらに前記上部電極上の前記ネ
ガレジストを除去せずにフッ素を含むガスプラズマに曝
し、露出した部分の表面を改質することにより得られる
フッ化物によって絶縁層を形成し、その後、前記上部電
極上の前記ネガレジストを除去し、前記上部電極の一部
に接触させてコンタクト電極を形成することを特徴とす
る。
また、本発明の超電導素子の第3の製造方法は、超電
導体からなる下部電極を形成した後、バリア層となる薄
膜層を形成し、その上に上部電極となる上部電極用超電
導体層を形成した多層膜を、ネガレジストによるフォト
リソグラフィーとイオンミリングによって接合形状にパ
ターニングし、さらに前記ネガレジストを除去した後、
全面に絶縁層を前記上部電極よりも厚く成膜し、その
後、スピンオングラス法によって平坦化し、エッチバッ
ク法によって前記上部電極の一部が露出するまで削った
後に、前記上部電極の前記一部に接触させてコンタクト
電極を形成することを特徴とする。
また、前記本発明の第1〜第3の製造方法において
は、バリア層となる薄膜層を、下部電極上に物理的推積
法又は化学的推積法によって推積させるのが好ましい。
また、前記本発明の第1〜第3の製造方法において
は、下部電極がBi−Sr−Ca−Cu−O及びBi−Pb−Sr−Ca
−Cu−Oからなる群から選ばれる1つであり、バリア層
となる薄膜層が、前記下部電極の表面をフッ素を含むガ
スプラズマに曝し、前記下部電極の表面の改質によって
形成されるフッ化物からなるのが好ましい。
また、前記本発明の第1〜第3の製造方法において
は、下部電極がLn−Ba−Cu−O(Lnは、Ce、Pr、Tb、Lu
をのぞく原子番号57から70までのランタノイド元素と、
Yのうち少なくとも1つを指す)であり、バリア層とな
る薄膜層が、前記下部電極の表面をフッ素を含みかつ酸
素を含まないガスプラズマに曝し、前記下部電極表面の
改質によって形成されるフッ化物からなるのが好まし
い。
また、前記本発明の第3の製造方法においては、上部
電極がBi−Sr−Ca−Cu−O及びBi−Pb−Sr−Ca−Cu−O
からなる群から選ばれる1つであり、エッチバック法に
よって露出した前記上部電極の一部をO2ガスプラズマに
曝すか、又は超電導体からなる前記上部電極もしくは下
部電極の結晶化温度以下の温度でO2アニールした後、前
記上部電極の一部に接触させてコンタクト電極を形成す
るのが好ましい。
また、前記本発明の第3の製造方法においては、上部
電極がLn−Ba−Cu−O(Lnは、Ce、Pr、Tb、Luをのぞく
原子番号57から70までのランタノイド元素と、Yのうち
少なくとも1つを指す)であり、エッチバック法によっ
て露出した前記上部電極の一部をO2ガスプラズマに曝し
た後、前記上部電極の一部に接触させてコンタクト電極
を形成するのが好ましい。
作用 発明者らは、第1の発明である超電導素子の構成にお
いて、超電導体からなる下部電極、および上部電極の材
料を、Bi−Sr−Ca−Cu−O、または、Bi−Pb−Sr−Ca−
Cu−O、または、Ln−Ba−Cu−O(Lnは、Ce、Pr、Tb、
Luをのぞく原子番号57から70までのランタノイド元素
と、Yのうち少なくとも1つを指す)とし、バリア層の
材料を、CaF2、SrF2、BaF2、BiF3、PbF2、CaO、SrO、Ba
O、BaO2、あるいはその混合物のうち少なくとも一つと
する組合せによって、バリア材料の上下電極への拡散が
少なく、良好な接合が製造できるという作用を見いだし
た。また、上下電極に前記超電導体材料を用い、バリア
層としてBi2O3、CuO、Cu2O、あるいはその混合物のうち
少なくとも一つとする組合せにおいて、下部電極上に均
一で、しかもピンホールのないバリア層を形成すること
を見いだした。さらに3つの製造方法の発明により、多
層膜よりなる接合の同一真空中での成膜が可能となり、
接合界面の汚染を防ぐことができることを、見いだし
た。また前記3つの製造方法は、接合の形状を任意に形
成できることを見いだした。さらに接合形成後、フッソ
を含むガスプラズマによって露出した部分の表面の改質
で絶縁層を形成する製造方法は、位置合わせすることな
く絶縁層を形成できることを見いだした。また、スピン
オングラス法を用いた、平坦化を用いる製造方法を用い
ると、コンタクト電極を平坦化した基体上に形成でき、
高集積化ができることを見いだした。この際、エッチバ
ック法により露出した上部電極を、O2プラズマに曝す
か、あるいは上下両電極に用いた超電導体の結晶化温度
より低い温度でO2アニールすると、エッチングによるO2
欠損を補い、さらに良好なコンタクトが得られることを
見いだした。特にこの製造方法は、Ln−Ba−Cu−O(Ln
は、Ce、Pr、Tb、Luをのぞく原子番号57から70までのラ
ンタノイド元素と、Yのうち少なくとも1つを指す)を
上下電極の超電導体として用いたときに、より有効であ
ることを見いだした。またバリア層となる薄膜層を物理
的堆積法、及び化学的堆積法を用いて形成するとピンホ
ールのない薄膜層が形成できることを見いだした。さら
にフッソを含むガスプラズマに曝し、下部電極表面を改
質し薄膜層を得る製造方法では、下部電極表面に均一な
膜厚で薄膜層を形成できることを見いだした。
実 施 例 本発明は超電導素子の構成に関する第1の発明と、そ
の製造方法として第1、第2、第3の3つの発明よりな
る。以下に第1の発明であと、超電導素子の実施例を示
し、その後に3つの製造方法について実施例の説明をす
る。
第1図、第2図、第3図は、超電導素子に関する発明
の3つの実施例の断面図を示す。各実施例は後に述べる
各製造方法の実施例にしたがって製造したものであり、
まずは超電導素子の構成について述べる。第1図はBi−
Sr−Ca−Cu−Oからなる下部電極1、および上部電極2
と、それを隔てるCaOによるバリア層3により接合を形
成し、CaOの絶縁層4、Bi−Sr−Ca−Cu−Oのコンタク
ト電極5により構成した超電導素子の断面図である。第
2図はBi−Pb−Sr−Ca−Cu−Oからなる下部電極1、お
よび上部電極2と、それを隔てるCaF2とSrF2の混合物よ
りなるバリア層3によりトンネル接合を形成し、さらに
CaF2とSrF2の混合物よりなる絶縁層4、Bi−Pb−Sr−Ca
−Cu−Oのコンタクト電極5により構成した超電導素子
の断面図である。第3図はBi−Sr−Ca−Cu−Oからなる
下部電極1、および上部電極2と、それを隔てるCaF2
SrF2の混合物バリア層3により接合を形成し、CaF2の絶
縁層4、Bi−Sr−Ca−Cu−Oのコンタクト電極5により
構成した超電導素子の断面図を示す。100マイクロアン
ペアの超電導電流が流れ、超電導素子として動作した。
この特性より、なお、他の2つの実施例についても同様
に超電導素子としての特性を示すことを確認した。
次に製造方法の発明について実施例を示す。第4図は
第1の製造方法を示すプロセス図である。まず、MgO基
板を基体6に用い、rfマグネトロンスパッタリング法に
よって成膜した厚さ300ナノメータのBi−Sr−Ca−Cu−
Oを下部電極1とした。下部電極1を成膜後、バリア層
3となる薄膜層10を、物理的堆積法の一つであるrfマグ
ネトロンスパッタリング法により厚さ3ナノメータ堆積
させた。材料はCaOである(a)。次に上部電極2とな
る上部電極用超電導体層9として、下部電極1と同様に
Bi−Sr−Ca−Cu−O膜をrfマグネトロンスパッタリング
法により300ナノメータ堆積させた(b)。その後、ネ
ガレジストを用いたフォトリソグラフィーおよびイオン
ミリングにより、上部電極用超電導体層9と薄膜層10を
接合形状にパターニングし(c)、ネガレジスト7を除
去した(d)。次に絶縁層4として、メタルマスクを用
いて上部電極2の上部を覆い、CaOをrfマグネトロンス
パッタリング法により300ナノメータ堆積させた
(e)。さらに、メタルマスクを用いコンタクト電極と
して500ナノメータのBi−Sr−Ca−Cu−Oをrfマグネト
ロンスパッタリング法により上部電極の一部に接触させ
て堆積させ超電導素子を完成させた(f)。この製造方
法による超電導素子は、良好な電流電圧特性を示し、超
電導素子として動作することを確認した。また、この特
性は再現性よく得られ、得られた特性も安定であった。
第5図は第2の製造方法の実施例を示すプロセス図で
ある。まず、MgO基板を基体6に用い、rfマグネトロン
スパッタリング法によって成膜した厚さ300ナノメータ
のBi−Pb−Sr−Ca−Cu−Oを下部電極1とした。下部電
極1を成膜後、下部電極表面をCF4ガスプラズマ(13.56
MHz、100W)に3分間曝し、下部電極1の表面にSrとCa
の混合ふっ化物層を薄膜層10として形成した(a)。次
に上部電極用超電導体層9として下部電極1と同様にBi
−Pb−Sr−Ca−Cu−O膜をrfマグネトロンスパッタリン
グ法により300ナノメータ堆積させた(b)。その後、
ネガレジストを用いたフォトリソグラフィーおよびイオ
ンミリングにより薄膜層10及び上部電極用超電導体層9
を接合形状にパターニングし(c)、ネガレジストを除
去せずに超電導素子全体をCF4ガスプラズマ(13.56MH
z、100W)に30分間曝し、超電導膜の表面にSrとCaの混
合ふっ化物層を絶縁層4として形成した(d)。次にネ
ガレジスト7を除去後、メタルマスクを用いコンタクト
電極5として500ナノメータのBi−Pb−Sr−Ca−Cu−O
をrfマグネトロンスパッタリング法により堆積させ超電
導素子を完成させた(e)。この製造方法による素子も
安定な電流電圧特性を示し、また、再現性よく超電導素
子が製造できた。
第6図は第3の製造方法の実施例を示すプロセス図で
ある。まず、MgO基板を基体6に用い、rfマグネトロン
スパッタリング法によって成膜した厚さ300ナノメータ
のBi−Sr−Ca−Cu−Oを下部電極1とした。下部電極1
を成膜後、下部電極表面をCF4ガスプラズマ(13.56MH
z、100W)に3分間曝し、下部電極1の表面にSrとCaの
混合ふっ化物層を薄膜層10として形成した(a)。次に
上部電極用超電導体層9として下部電極1と同様にBi−
Sr−Ca−Cu−O膜をrfマグネトロンスパッタリング法に
より300ナノメータ堆積させた(b)。その後、ネガレ
ジストを用いたフォトリソグラフィーおよびイオンミリ
ングにより薄膜層10及び上部電極用超電導体層9を接合
形状にパターニングし(c)、ネガレジストを除去し、
絶縁層4として1ミクロンメータのCaF2を真空蒸着によ
り堆積後、スピンオングラス8をスピンコートし表面を
平坦化した(d)。スピンオングラスとは例えば、化学
式RnSi(OH)nで表されるようなシラノール化合物をさ
し、半導体プロセス技術の基盤の平坦化に用いられるも
ので、実施例においては製品名OCD−type7(東京応化
(株)製)を用いた。次に上部電極表面が現れるまでイ
オンミリングによって表面を削った(e)。最後に、メ
タルマスクを用い上部電極の一部に接触させコンタクト
電極として500ナノメータのBi−Sr−Ca−Cu−Oをriマ
グネトロンスパッタリング法により堆積させ超電導素子
を完成させた(f)。この製造方法による超電導素子も
良好な電流電圧特性を示すことを確認した。
なお、本発明の実施例において、上下電極の超電導体
として、Bi−Sr−Ca−Cu−OあるいはBi−Pb−Sr−Ca−
Cu−Oを用いたが、Ln−Ba−Cu−O(Lnは、Ce、Pr、T
b、Luをのぞく原子番号57から70までのランタノイド元
素と、Yを指す)を用いても、同様に超電導素子が製造
できた。さらにコンタクト電極としてBi−Sr−Ca−Cu−
O、あるいはBi−Pb−Sr−Ca−Cu−Oを用いたが、Au、
Ag、Pt、Alなどの金属、Pb、Nbなどの金属超電導体でも
同様に超電導素子が製造でき、他の導電体でも有効なこ
とを確認した。また、本発明の実施例の中で超電導素子
についての実施例の第1及び、超電導素子の製造方法の
第1の実施例において、バリア層としてCaOを用いた
が、CaF2、SrF2、BaF2、BiF3、PbF2、SrO、BaO、BaO2
Bi2O3、CuO、Cu2Oあるいはこれらの混合物を用いても同
様に超電導素子が製造できた。さらにこれらバリア層の
堆積法として実施例には、物理的堆積法の一つであるス
パッタリング法を用いたが、他の物理的堆積法の真空蒸
着法、電子ビーム蒸着法、MBE法、レーザー堆積法、さ
らには化学的蒸着法のCVD法、MOCVD法、なども試みた結
果、同様にバリアが形成でき、超電導素子が製造できる
ことを確認した。また第3、第4の発明の実施例では、
下部電極にBi−Sr−Ca−Cu−OあるいはBi−Pb−Sr−Ca
−Cu−Oを用いたため、下部電極をCF4ガスプラズマに
曝すことによりCaF2、SrF2、さらにBiF3と、Pbを含む超
電導体を用いたときにはPbF2の混合物が表面に形成さ
れ、バリア層となったが、他のフッソを含むガスであ
る、フロン系ガス、またはAr希釈のFガスによるガスプ
ラズマを用いても同様なバリアが形成できることを確認
した。また、超電導体としてLn−Ba−Cu−O(Lnは、C
e、Pr、Tb、Luをのぞく原子番号57から70までのランタ
ノイド元素と、Yを指す)を用いると、BaF2が表面に形
成され、バリアとなることを確認した。また、第2、第
4の発明において、絶縁層はCaO、CaF2を堆積させた
が、これは他の誘電体、有機物ポリマーでも有効なこと
を確認した。なお、下部電極、バリア層となる薄膜層、
上部電極用超電導体層の積層膜を形成後、エッチングに
より下部電極形状を形成し、素子分離を行った後に、上
部電極をエッチングし接合形状を形成してもよいことは
いうまでもない。また、下部電極を形成後、下部電極形
状をエッチングし、素子分離を行ったその後、バリアと
なる薄膜層、上部電極用超電導体を形成し、接合形状を
形成してもよいことはいうまでもない。
発明の効果 以上説明したように、第1の発明である超電導素子の
構成および、超電導体からなる下部電極、および上部電
極の材料と、バリア層の材料の組合せにおいて、バリア
材料の上下電極への拡散がなく、下部電極上に均一で、
しかもピンホールのないバリア層を形成できた。さらに
第2、第3、第4の発明の製造方法により、接合となる
多層膜の同一真空中での成膜ができ、接合界面の汚染を
防ぐことができた。またこれらの製造方法は、接合の形
状を任意に形成でき、第3の発明である製造方法を用い
ると、位置合わせすることなく、絶縁層を形成できた。
さらに第4の発明である製造方法を用いると、コンタク
ト電極を平坦化した基体上に形成でき、高集積化ができ
ることを確認した。この際、エッチバック法により露出
した上部電極を、O2プラズマに曝すか、あるいは上下両
電極に用いた超電導体の結晶化温度より低い温度でO2
ニールすると、エッチングによるO2欠損を補い、さらに
良好なコンタクトが得られた。
現在超電導応用のひとつとしてジョセフソン素子を構
成要素とする超電導量子干渉計が実用化されているが、
本発明の超電導素子はジョセフソン素子として動作して
おり、この素子を用いると液体窒素温度で動作する超電
導量子干渉計を構成できる。さらにこの超電導素子は、
低消費電力のスイッチング素子とすることができる。こ
れらの点で本発明の、計算機応用、電子機器応用などに
たいする実用的効果は大である。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図、第3図は本発明の超電導素子の実施例
の断面図、第4図は超電導素子の第1の製造方法のプロ
セス図、第5図は第2の製造方法のプロセス図、第6図
は第3の製造方法のプロセス図である。 1……下部電極、2……上部電極、3……バリア層、4
……絶縁層、5……コンタクト電極、6……基体、7…
…ネガレジスト、8……スピンオングラス、9……上部
電極用超電導体層、10……薄膜層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀬恒 謙太郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−241825(JP,A) 特開 昭63−276284(JP,A) 特開 平1−234384(JP,A) 特開 昭63−308979(JP,A)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超電導体からなる下部電極及び上部電極
    と、前記下部電極と前記上部電極を隔てるバリア層とか
    らなる接合と、前記上部電極上の一部に接触して形成さ
    れたコンタクト電極と、前記コンタクト電極と前記下部
    電極との間を隔てる前記バリア層よりも厚い絶縁層とか
    らなる超電導素子であって、超電導体からなる前記上部
    電極及び下部電極の材料が、Bi−Sr−Ca−Cu−O及びBi
    −Pb−Sr−Ca−Cu−Oからなる群から選ばれる1つであ
    り、前記バリア層の材料が、CaF2、SrF2、BaF2、BiF3
    PbF2、CaO、SrO、BaO、BaO2、Bi2O3、CuO及びCu2Oから
    なる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴と
    する超電導素子。
  2. 【請求項2】超電導体からなる下部電極及び上部電極
    と、前記下部電極と前記上部電極を隔てるバリア層とか
    らなる接合と、前記上部電極上の一部に接触して形成さ
    れたコンタクト電極と、前記コンタクト電極と前記下部
    電極との間を隔てる前記バリア層よりも厚い絶縁層とか
    らなる超電導素子であって、超電導体からなる前記上部
    電極及び下部電極の材料が、Ln−Ba−Cu−O(Lnは、C
    e、Pr、Tb、Luをのぞく原子番号57から70までのランタ
    ノイド元素と、Yのうち少なくとも1つを指す)であ
    り、前記バリア層の材料が、CaF2、SrF2、BaF2、BiF3
    PbF2、CaO、SrO、BaO、BaO2及びBi2O3からなる群から選
    ばれる少なくとも1つであることを特徴とする超電導素
    子。
  3. 【請求項3】超電導体からなる下部電極を形成した後、
    バリア層となる薄膜層を形成し、その上に上部電極とな
    る上部電極用超電導体層を形成した多層膜を、ネガレジ
    ストによるフォトリソグラフィーとイオンミリングによ
    ってトンネル接合形状にパターニングし、さらに前記上
    部電極上の前記ネガレジストを除去した後、前記上部電
    極の一部を除く全面に絶縁層を推積させ、その後、前記
    上部電極の絶縁層を推積させていない一部に接触させて
    コンタクト電極を形成することを特徴とする請求項1又
    は2に記載の超電導素子の製造方法。
  4. 【請求項4】超電導体からなる下部電極を形成した後、
    バリア層となる薄膜層を形成し、その上に上部電極とな
    る上部電極用超電導体層を形成した多層膜を、ネガレジ
    ストによるフォトリソグラフィーとイオンミリングによ
    ってトンネル接合形状にパターニングし、さらに前記上
    部電極上の前記ネガレジストを除去せずにフッ素を含む
    ガスプラズマに曝し、露出した部分の表面を改質するこ
    とにより得られるフッ化物によって絶縁層を形成し、そ
    の後、前記上部電極上の前記ネガレジストを除去し、前
    記上部電極の一部に接触させてコンタクト電極を形成す
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載の超電導素子
    の製造方法。
  5. 【請求項5】超電導体からなる下部電極を形成した後、
    バリア層となる薄膜層を形成し、その上に上部電極とな
    る上部電極用超電導体層を形成した多層膜を、ネガレジ
    ストによるフォトリソグラフィーとイオンミリングによ
    って接合形状にパターニングし、さらに前記ネガレジス
    トを除去した後、全面に絶縁層を前記上部電極よりも厚
    く成膜し、その後、スピンオングラス法によって平坦化
    し、エッチバック法によって前記上部電極の一部が露出
    するまで削った後に、前記上部電極の前記一部に接触さ
    せてコンタクト電極を形成することを特徴とする請求項
    1又は2に記載の超電導素子の製造方法。
  6. 【請求項6】バリア層となる薄膜層を、下部電極上に物
    理的推積法又は化学的推積法によって推積させる請求項
    3、4又は5のいずれかに記載の超電導素子の製造方
    法。
  7. 【請求項7】下部電極がBi−Sr−Ca−Cu−O及びBi−Pb
    −Sr−Ca−Cu−Oからなる群から選ばれる1つであり、
    バリア層となる薄膜層が、前記下部電極の表面をフッ素
    を含むガスプラズマに曝し、前記下部電極の表面の改質
    によって形成されるフッ化物からなる請求項3、4又は
    5のいずれかに記載の超電導素子の製造方法。
  8. 【請求項8】下部電極がLn−Ba−Cu−O(Lnは、Ce、P
    r、Tb、Luをのぞく原子番号57から70までのランタノイ
    ド元素と、Yのうち少なくとも1つを指す)であり、バ
    リア層となる薄膜層が、前記下部電極の表面をフッ素を
    含みかつ酸素を含まないガスプラズマに曝し、前記下部
    電極表面の改質によって形成されるフッ化物からなる請
    求項3、4又は5のいずれかに記載の超電導素子の製造
    方法。
  9. 【請求項9】上部電極がBi−Sr−Ca−Cu−O及びBi−Pb
    −Sr−Ca−Cu−Oからなる群から選ばれる1つであり、
    エッチバック法によって露出した前記上部電極の一部を
    O2ガスプラズマに曝すか、又は超電導体からなる前記上
    部電極もしくは下部電極の結晶化温度以下の温度でO2
    ニールした後、前記上部電極の一部に接触させてコンタ
    クト電極を形成する請求項5に記載の超電導素子の製造
    方法。
  10. 【請求項10】上部電極がLn−Ba−Cu−O(Lnは、Ce、
    Pr、Tb、Luをのぞく原子番号57から70までのランタノイ
    ド元素と、Yのうち少なくとも1つを指す)であり、エ
    ッチバック法によって露出した前記上部電極の一部をO2
    ガスプラズマに曝した後、前記上部電極の一部に接触さ
    せてコンタクト電極を形成する請求項5に記載の超電導
    素子の製造方法。
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