JP2899308B2 - 超電導素子の製造方法 - Google Patents
超電導素子の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は超電導応用技術の超電導素子の製造方法に関
するものである。
するものである。
従来の技術 近年発見された酸化物超電導体の中には、その超電導
遷移温度が液体窒素温度(77.3ケルビン)を越えるもの
があり、超電導体の応用分野を大きく広げることとなっ
た。その実用化の一つである超電導素子について、酸化
物超電導体を二つに割り、再びわずかに接触させたジョ
セフソン素子、酸化物超電導体を薄膜にし、小さなくび
れをつけたブリッジ型ジョセフソン素子、酸化物超電導
体間をAu、Ag等の貴金属で接続したジョセフソン素子が
従来試作されている。
遷移温度が液体窒素温度(77.3ケルビン)を越えるもの
があり、超電導体の応用分野を大きく広げることとなっ
た。その実用化の一つである超電導素子について、酸化
物超電導体を二つに割り、再びわずかに接触させたジョ
セフソン素子、酸化物超電導体を薄膜にし、小さなくび
れをつけたブリッジ型ジョセフソン素子、酸化物超電導
体間をAu、Ag等の貴金属で接続したジョセフソン素子が
従来試作されている。
発明が解決しようとする課題 しかしながら従来液体窒素温度で動作する超電導素子
として、酸化物超電導体を用いて試作されている素子の
うち、ポイントコンタクト型と呼ばれる酸化物超電導体
どうしを接触させるタイプでは、再現性が得られず、ま
た特性が非常に不安定であった。さらに酸化物超電導体
にくびれをつけたり、貴金属で接続したブリッジ型素子
では、わずかな静電的ショックで破損するという欠点が
あった。そこで特性が安定で、液体窒素温度で動作する
超電導素子を再現性良く得ることが望まれていた。
として、酸化物超電導体を用いて試作されている素子の
うち、ポイントコンタクト型と呼ばれる酸化物超電導体
どうしを接触させるタイプでは、再現性が得られず、ま
た特性が非常に不安定であった。さらに酸化物超電導体
にくびれをつけたり、貴金属で接続したブリッジ型素子
では、わずかな静電的ショックで破損するという欠点が
あった。そこで特性が安定で、液体窒素温度で動作する
超電導素子を再現性良く得ることが望まれていた。
本発明は、このような従来技術の課題を解決すること
を目的とする。
を目的とする。
課題を解決するための手段 本発明は、超電導体からなるA電極、およびB電極
と、それらを隔てる絶縁層とからなる接合部と、前記B
電極の一部に接触して形成したコンタクト電極と、前記
接合部を取り囲み、かつ前記コンタクト電極と前記B電
極あるいは前記A電極の間を隔てる前記絶縁層より厚い
電極間分離層とを備えた超電導素子の製造方法であっ
て、前記A電極およびB電極を構成する前記超電導体
が、少なくともビスマス(Bi)と、アルカリ土類金属と
を含むビスマス(Bi)酸化物超電導体であり、かつ前記
絶縁層の材料が、少なくともTi、Nb、Ta、Wのうち少な
くともひとつを含むビスマス(Bi)酸化物系層状構造化
合物であり、かつ前記A電極形成後、前記絶縁層となる
薄膜層を物理的堆積方法あるいは化学的堆積方法により
形成し、その上に前記B電極となるB電極用超電導体層
を形成した多層膜を、600℃から870℃の範囲の温度の酸
素中でアニール処理をし、その後前記超電導素子形状を
作製することを特徴とする超電導素子の製造方法であ
る。
と、それらを隔てる絶縁層とからなる接合部と、前記B
電極の一部に接触して形成したコンタクト電極と、前記
接合部を取り囲み、かつ前記コンタクト電極と前記B電
極あるいは前記A電極の間を隔てる前記絶縁層より厚い
電極間分離層とを備えた超電導素子の製造方法であっ
て、前記A電極およびB電極を構成する前記超電導体
が、少なくともビスマス(Bi)と、アルカリ土類金属と
を含むビスマス(Bi)酸化物超電導体であり、かつ前記
絶縁層の材料が、少なくともTi、Nb、Ta、Wのうち少な
くともひとつを含むビスマス(Bi)酸化物系層状構造化
合物であり、かつ前記A電極形成後、前記絶縁層となる
薄膜層を物理的堆積方法あるいは化学的堆積方法により
形成し、その上に前記B電極となるB電極用超電導体層
を形成した多層膜を、600℃から870℃の範囲の温度の酸
素中でアニール処理をし、その後前記超電導素子形状を
作製することを特徴とする超電導素子の製造方法であ
る。
作用 B電極、A電極の作用を少なくともBiと、アルカリ土
類金属を含むBi酸化物超電導体、あるいは少なくともPb
を含む酸化物超伝導体、あるいはBi−Sr−Ca−Cu−O、
Bi−Sr−Ba−Cu−O、Bi−Ca−Ba−Cu−O、Bi−Pb−Sr
−Ca−Cu−O、Bi−Pb−Sr−Ba−Cu−O、Bi−Pb−Ca−
Ba−Cu−Oのうち1つを用い、絶縁層の材料を少なくと
もTi又はNb又はTa又はWを含むBi酸化物系層状構造化合
物、あるいは少なくともTi又はNb又はTa又はWを含み、
さらにNa、K、Fe、Nb、Taのうち少なくとも1つを含む
Bi酸化物系層状構造化合物、あるいは、少なくともTi又
はNb又はTa又はWを含み、さらにPb、Ca、Sr、Baのうち
少なくとも1つを含むBi酸化物系層状構造化合物、ある
いは、Bi4Ti3O12あるいはBi2Ti4O11のうちどれかである
組合せの場合において、これらを積層した多層膜を、60
0℃から870℃の範囲の温度の酸素中でアニール処理をす
ることにより、上下両電極の結晶性が向上し、それにと
もない超電導性が改善される。また、これらの材料の組
合せにおいては600℃から870℃の範囲の温度の酸素中で
アニール処理を行っても、絶縁層の上下両電極への拡散
がおきにくく、良好な界面を維持し、理想的なトンネル
接合が製造できる。特にこれらバリア材料は、Biを含む
層状構造化合物であることが重要であり、なかでもBi4T
i3O12あるいはBi2Ti4O11は、その構造安定性から、絶縁
層とした時に非常に薄く均一にすることができ、理想的
接合に近い特性が得られる。さらに絶縁層となる薄膜層
を、A電極形成後、前記A電極上にスパッタリングに代
表される物理的堆積法で成膜するとピンホールのほとん
どない絶縁層を形成できる。また、CVDなどの化学的堆
積法によって堆積させると均質な絶縁層を成膜でき、絶
縁層の厚みを薄くできる。
類金属を含むBi酸化物超電導体、あるいは少なくともPb
を含む酸化物超伝導体、あるいはBi−Sr−Ca−Cu−O、
Bi−Sr−Ba−Cu−O、Bi−Ca−Ba−Cu−O、Bi−Pb−Sr
−Ca−Cu−O、Bi−Pb−Sr−Ba−Cu−O、Bi−Pb−Ca−
Ba−Cu−Oのうち1つを用い、絶縁層の材料を少なくと
もTi又はNb又はTa又はWを含むBi酸化物系層状構造化合
物、あるいは少なくともTi又はNb又はTa又はWを含み、
さらにNa、K、Fe、Nb、Taのうち少なくとも1つを含む
Bi酸化物系層状構造化合物、あるいは、少なくともTi又
はNb又はTa又はWを含み、さらにPb、Ca、Sr、Baのうち
少なくとも1つを含むBi酸化物系層状構造化合物、ある
いは、Bi4Ti3O12あるいはBi2Ti4O11のうちどれかである
組合せの場合において、これらを積層した多層膜を、60
0℃から870℃の範囲の温度の酸素中でアニール処理をす
ることにより、上下両電極の結晶性が向上し、それにと
もない超電導性が改善される。また、これらの材料の組
合せにおいては600℃から870℃の範囲の温度の酸素中で
アニール処理を行っても、絶縁層の上下両電極への拡散
がおきにくく、良好な界面を維持し、理想的なトンネル
接合が製造できる。特にこれらバリア材料は、Biを含む
層状構造化合物であることが重要であり、なかでもBi4T
i3O12あるいはBi2Ti4O11は、その構造安定性から、絶縁
層とした時に非常に薄く均一にすることができ、理想的
接合に近い特性が得られる。さらに絶縁層となる薄膜層
を、A電極形成後、前記A電極上にスパッタリングに代
表される物理的堆積法で成膜するとピンホールのほとん
どない絶縁層を形成できる。また、CVDなどの化学的堆
積法によって堆積させると均質な絶縁層を成膜でき、絶
縁層の厚みを薄くできる。
実施例 以下に、本発明の実施例について図面を参照しながら
説明する。
説明する。
第1図は本発明の実施例を示すプロセス図である。ま
ず、MgO基板を基体6に用い、rfマグネトロンスパッタ
リング法によって成膜した厚さ300ナノメータのBi−Sr
−Ca−Cu−OをA電極1とした。A電極1を成膜後、絶
縁層3を、物理的堆積法の一つであるrfマグネトロンス
パッタリング法により厚さ3ナノメータ堆積させた。材
料はBi2Ti4O11である(同図(a)参照))。次にB電
極2としてA電極1と同様にBi−Sr−Ca−Cu−O膜をrf
マグネトロンスパッタリング法により300ナノメータ堆
積させ、その後この多層膜を600℃から870℃の範囲の温
度の酸素中でアニール処理をした(同図(b)参
照))。その後、ネガレジストを用いたフォトリソグラ
フィーおよびイオンミリングにより絶縁層3及びB電極
2を接合形状にパターニングし(同図(c)参照))、
ネガレジスト7を除去し、電極間分離層4として1ミク
ロンメータのCaF2を真空蒸着により堆積後、スピンオン
グラス8をスピンコートし表面を平坦化した(同図
(d)参照)。スピンオングラスとは例えば、化学式Rn
Si(OH)nで表されるようなシラノール化合物をさし、
半導体プロセス技術の基盤の平坦化に用いられるもの
で、実施例においては製品名OCD−type7(東京応化
(株)製)を用いた。次にB電極表面が現れるまでイオ
ンミリングによって表面を削った(同図(e)参
照))。最後に、露出したB電極の一部をO2ガスプラズ
マ(13.56MHz、100W)に曝し表面の超電導性を回復させ
た後、メタルマスクを用いB電極の一部に接触させコン
タクト電極として500ナノメータのBi−Sr−Ca−Cu−O
をrfマグネトロンスパッタリング法により堆積させ超電
導素子を完成させた(同図(f)参照))。この製造方
法による超電導素子も液体窒素温度において良好な電流
電圧特性を示すことを確認した。
ず、MgO基板を基体6に用い、rfマグネトロンスパッタ
リング法によって成膜した厚さ300ナノメータのBi−Sr
−Ca−Cu−OをA電極1とした。A電極1を成膜後、絶
縁層3を、物理的堆積法の一つであるrfマグネトロンス
パッタリング法により厚さ3ナノメータ堆積させた。材
料はBi2Ti4O11である(同図(a)参照))。次にB電
極2としてA電極1と同様にBi−Sr−Ca−Cu−O膜をrf
マグネトロンスパッタリング法により300ナノメータ堆
積させ、その後この多層膜を600℃から870℃の範囲の温
度の酸素中でアニール処理をした(同図(b)参
照))。その後、ネガレジストを用いたフォトリソグラ
フィーおよびイオンミリングにより絶縁層3及びB電極
2を接合形状にパターニングし(同図(c)参照))、
ネガレジスト7を除去し、電極間分離層4として1ミク
ロンメータのCaF2を真空蒸着により堆積後、スピンオン
グラス8をスピンコートし表面を平坦化した(同図
(d)参照)。スピンオングラスとは例えば、化学式Rn
Si(OH)nで表されるようなシラノール化合物をさし、
半導体プロセス技術の基盤の平坦化に用いられるもの
で、実施例においては製品名OCD−type7(東京応化
(株)製)を用いた。次にB電極表面が現れるまでイオ
ンミリングによって表面を削った(同図(e)参
照))。最後に、露出したB電極の一部をO2ガスプラズ
マ(13.56MHz、100W)に曝し表面の超電導性を回復させ
た後、メタルマスクを用いB電極の一部に接触させコン
タクト電極として500ナノメータのBi−Sr−Ca−Cu−O
をrfマグネトロンスパッタリング法により堆積させ超電
導素子を完成させた(同図(f)参照))。この製造方
法による超電導素子も液体窒素温度において良好な電流
電圧特性を示すことを確認した。
なお、本発明の実施例において、電極の超電導体とし
て、Bi−Sr−Ca−Cu−Oを用いたが、Bi−Sr−Ba−Cu−
O、Bi−Ca−Ba−Cu−O、Bi−Pb−Sr−Ca−Cu−O、Bi
−Pb−Sr−Ba−Cu−O、Bi−Pb−Ca−Ba−Cu−Oのうち
どれを用いても同様に超電導素子を製造できた。さらに
コンタクト電極としてBi−Sr−Ca−Cu−Oを用いたが、
Au、Ag、Pt、Alなどの金属、Pb、Nbなどの金属超電導体
でも同様に超電導素子が製造でき、他の導電体でも有効
なことを確認した。絶縁層の材料は、上記材料以外に少
なくともTi又はNb又はTa又はWを含むBi酸化物系層状構
造化合物、あるいは絶縁層の材料が、少なくともTi又は
Nb又はTa又はWを含み、さらにNa、K、Fe、Nb、Taのう
ち少なくとも1つを含むBi酸化物系層状構造化合物、あ
るいは絶縁層の材料が、少なくともTi又はNb又はTa又は
Wを含み、さらにPb、Ca、Sr、Baのうち少なくとも1つ
を含むBi酸化物系層状構造化合物であること、あるい
は、絶縁層の材料が、Bi4Ti3O12であってもよい。さら
に絶縁層の堆積法として実施例には、物理的堆積法の一
つであるスパッタリング法を用いたが、他の物理的堆積
法の真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、MBE法、レーザー
堆積法、さらには化学的蒸着法のCVD法、MOCVD法、など
も試みた結果、同様にバリアが形成でき、超電導素子が
製造できることを確認した。本発明において、電極間分
離層はCaF2を堆積させたが、これは他の誘電体、有機物
ポリマーでも有効なことを確認した。なお、A電極、絶
縁層となる薄膜層、B電極用超電導体層の積層膜を形成
後、エッチングによりA電極形状を形成し、素子分離を
行った後に、B電極をエッチングし接合形状を形成して
もよいことはいうまでもない。また、A電極を形成後、
A電極形状をエッチングし、素子分離を行ったその後、
バリア層となる薄膜層、B電極用超電導体を形成し、接
合形状を形成してもよいことはいうまでもない。さらに
超電導素子作製後、600℃から870℃の範囲の温度の酸素
中でアニール処理をしても同様に超電導素子として動作
した。
て、Bi−Sr−Ca−Cu−Oを用いたが、Bi−Sr−Ba−Cu−
O、Bi−Ca−Ba−Cu−O、Bi−Pb−Sr−Ca−Cu−O、Bi
−Pb−Sr−Ba−Cu−O、Bi−Pb−Ca−Ba−Cu−Oのうち
どれを用いても同様に超電導素子を製造できた。さらに
コンタクト電極としてBi−Sr−Ca−Cu−Oを用いたが、
Au、Ag、Pt、Alなどの金属、Pb、Nbなどの金属超電導体
でも同様に超電導素子が製造でき、他の導電体でも有効
なことを確認した。絶縁層の材料は、上記材料以外に少
なくともTi又はNb又はTa又はWを含むBi酸化物系層状構
造化合物、あるいは絶縁層の材料が、少なくともTi又は
Nb又はTa又はWを含み、さらにNa、K、Fe、Nb、Taのう
ち少なくとも1つを含むBi酸化物系層状構造化合物、あ
るいは絶縁層の材料が、少なくともTi又はNb又はTa又は
Wを含み、さらにPb、Ca、Sr、Baのうち少なくとも1つ
を含むBi酸化物系層状構造化合物であること、あるい
は、絶縁層の材料が、Bi4Ti3O12であってもよい。さら
に絶縁層の堆積法として実施例には、物理的堆積法の一
つであるスパッタリング法を用いたが、他の物理的堆積
法の真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、MBE法、レーザー
堆積法、さらには化学的蒸着法のCVD法、MOCVD法、など
も試みた結果、同様にバリアが形成でき、超電導素子が
製造できることを確認した。本発明において、電極間分
離層はCaF2を堆積させたが、これは他の誘電体、有機物
ポリマーでも有効なことを確認した。なお、A電極、絶
縁層となる薄膜層、B電極用超電導体層の積層膜を形成
後、エッチングによりA電極形状を形成し、素子分離を
行った後に、B電極をエッチングし接合形状を形成して
もよいことはいうまでもない。また、A電極を形成後、
A電極形状をエッチングし、素子分離を行ったその後、
バリア層となる薄膜層、B電極用超電導体を形成し、接
合形状を形成してもよいことはいうまでもない。さらに
超電導素子作製後、600℃から870℃の範囲の温度の酸素
中でアニール処理をしても同様に超電導素子として動作
した。
発明の効果 以上説明したように、本発明においては、超電導素子
の電極にBiとアルカリ土類金属を含むBi系酸化物超電導
体を用い、さらにそれらを隔てる絶縁層を少なくともBi
酸化物系層状構造化合物とした多層膜を600℃から870℃
の範囲の温度の酸素中でアニール処理をし、その多層膜
より超電導素子を作製することにより、上下電極の超電
導性を向上することができ、またこれら上下電極と絶縁
層の材料の組合せにおいて、絶縁層材料の超電導電極へ
の拡散がなく、A電極上に均一で、しかもピンホールの
ない絶縁層を形成できる。さらに超電導素子となる多層
膜の同一真空中での成膜により、接合界面の汚染を防ぐ
ことができる。現在超電導応用のひとつとしてジョセフ
ソン素子を構成要素とする超電導量子干渉計が実用化さ
れているが、本発明の超電導素子はジョセフソン素子と
して動作しており、この素子を用いると液体窒素温度で
動作する超電導量子干渉計を構成できる。さらにこの超
電導素子は、低消費電力のスイッチング素子とすること
ができる。これらの点で本発明の、計算機応用、電子機
器応用などにたいする実用的効果は大である。
の電極にBiとアルカリ土類金属を含むBi系酸化物超電導
体を用い、さらにそれらを隔てる絶縁層を少なくともBi
酸化物系層状構造化合物とした多層膜を600℃から870℃
の範囲の温度の酸素中でアニール処理をし、その多層膜
より超電導素子を作製することにより、上下電極の超電
導性を向上することができ、またこれら上下電極と絶縁
層の材料の組合せにおいて、絶縁層材料の超電導電極へ
の拡散がなく、A電極上に均一で、しかもピンホールの
ない絶縁層を形成できる。さらに超電導素子となる多層
膜の同一真空中での成膜により、接合界面の汚染を防ぐ
ことができる。現在超電導応用のひとつとしてジョセフ
ソン素子を構成要素とする超電導量子干渉計が実用化さ
れているが、本発明の超電導素子はジョセフソン素子と
して動作しており、この素子を用いると液体窒素温度で
動作する超電導量子干渉計を構成できる。さらにこの超
電導素子は、低消費電力のスイッチング素子とすること
ができる。これらの点で本発明の、計算機応用、電子機
器応用などにたいする実用的効果は大である。
第1図は本発明の一実施例にかかる超電導素子の製造方
法のプロセス図である。 1……A電極、2……B電極、3……絶縁層、4……電
極間分離層、5……コンタクト電極、6……基体、7…
…ネガレジスト、8……スピンオングラス。
法のプロセス図である。 1……A電極、2……B電極、3……絶縁層、4……電
極間分離層、5……コンタクト電極、6……基体、7…
…ネガレジスト、8……スピンオングラス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀬常 謙太郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 東野 秀隆 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−21677(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】超電導体からなるA電極、およびB電極
と、それらを隔てる絶縁層とからなる接合部と、前記B
電極の一部に接触して形成したコンタクト電極と、前記
接合部を取り囲み、かつ前記コンタクト電極と前記B電
極あるいは前記A電極の間を隔てる前記絶縁層より厚い
電極間分離層とを備えた超電導素子の製造方法であっ
て、前記A電極およびB電極を構成する前記超電導体
が、少なくともビスマス(Bi)と、アルカリ土類金属と
を含むビスマス(Bi)酸化物超電導体であり、かつ前記
絶縁層の材料が、少なくともTi、Nb、Ta、Wのうち少な
くともひとつを含むビスマス(Bi)酸化物系層状構造化
合物であり、かつ前記A電極形成後、前記絶縁層となる
薄膜層を物理的堆積方法あるいは化学的堆積方法により
形成し、その上に前記B電極となるB電極用超電導体層
を形成した多層膜を、600℃から870℃の範囲の温度の酸
素中でアニール処理をし、その後前記超電導素子形状を
作製することを特徴とする超電導素子の製造方法。 - 【請求項2】絶縁層の材料に、Bi4Ti3O12あるいはBi2Ti
4O11のうちどちらかを用いることを特徴とする請求項1
記載の超電導素子の製造方法。
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JP1118945A JP2899308B2 (ja) | 1989-05-12 | 1989-05-12 | 超電導素子の製造方法 |
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JP1118945A JP2899308B2 (ja) | 1989-05-12 | 1989-05-12 | 超電導素子の製造方法 |
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---|---|
JPH02298086A JPH02298086A (ja) | 1990-12-10 |
JP2899308B2 true JP2899308B2 (ja) | 1999-06-02 |
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JPS63304678A (ja) * | 1987-06-03 | 1988-12-12 | Fujikura Ltd | 酸化物超電導回路の製造方法 |
CA1331951C (en) * | 1987-06-22 | 1994-09-13 | Takahiro Imai | Method for producing a superconducting circuit |
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-
1989
- 1989-05-12 JP JP1118945A patent/JP2899308B2/ja not_active Expired - Fee Related
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