JP2861235B2 - 超伝導素子 - Google Patents

超伝導素子

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JP2861235B2 JP2097117A JP9711790A JP2861235B2 JP 2861235 B2 JP2861235 B2 JP 2861235B2 JP 2097117 A JP2097117 A JP 2097117A JP 9711790 A JP9711790 A JP 9711790A JP 2861235 B2 JP2861235 B2 JP 2861235B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は超伝導応用技術の超伝導素子に関し、特にア
ルカリ土類金属を含むBi系酸化物超伝導体を一対の電極
とし、この両電極の間にバリア層を設けた構造を有す
る、超伝導素子に関するものである。
従来の技術 近年発見された酸化物超伝導体の中には、その超伝導
遷移温度が液体窒素温度(77.3K)を越えるものがあ
り、超伝導体の応用分野を大きく広げることとなった。
その実用化の一つである超伝導素子について、酸化物
超伝導体を二つに割り、再びわずかに接触させたジョセ
フソン素子、酸化物超伝導体を薄膜にし、小さなくびれ
をつけたブリッジ型ジョセフソン素子、酸化物超伝導体
間をAu、Ag等の貴金属で接続したジョセフソン素子が従
来試作されている。
発明が解決しようとする課題 従来試作されている素子のうち、ポイントコンタクト
型と呼ばれる酸化物超伝導体どうしを接触させるタイプ
では、再現性が得られず、また素子の特性が非常に不安
定であった。
さらに酸化物超伝導体にくびれをつけたり、貴金属で
接続したブリッジ型素子では、わずかな静電的ショック
で破損するという欠点があった。
そこで酸化物超伝導体を用いた接合型の構造を持つ超
伝導素子が望まれているが、酸化物超伝導体の成膜温度
が約600℃以上必要なため、上部に位置する超伝導電極
成膜時にバリア層が拡散する、あるいは超伝導電極層に
用いた材料とバリア層の材料の熱膨張係数が違うため、
室温に戻したときに膜にストレスが入り、上部に位置す
る超伝導電極の超伝導性が著しく損なわれたり、バリア
層にピンホールが存在する等の課題があった。
また、超伝導電極層に用いた材料とバリア層の材料の
結晶構造の違いによる格子定数のミスマッチによって、
上部に位置する超伝導電極の結晶性が悪く、その超伝導
性が基板上の超伝導電極に比べ劣るなどの課題も指摘さ
れていた。
さらに、素子抵抗の大きいものが得られていないとい
う課題があった。
本発明は、550℃以上で成膜した後室温に戻しても、
膜にストレスが入らず成膜時の結晶性を保ち、液体窒素
温度以上でも良好な超伝導性を有し、さらに大きな素子
抵抗を有するジョセフソン素子として応用できる超伝導
素子を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段 本発明は、アルカリ土類金属を含むBi系酸化物超伝導
体からなるA電極、およびB電極と、Bi−Sr−O、Bi−
Ba−O、Bi−Ca−Oのうち1つからなり、前記A電極と
前記B電極とを隔てるバリア層と、前記B電極の一部に
接触して形成したコンタクト電極と、前記バリア層の端
面を取り囲み、かつ前記コンタクト電極と前記A電極の
間を隔てる電極間分離層とからなることを特徴とする超
伝導素子によって、あるいはバリア層とアルカリ土類金
属を含むBi系酸化物超伝導体からなる二つのA電極、あ
るいはB電極との間にBi−Sr−Cu−O、Bi−Ca−Cu−
O、Bi−Ba−Cu−Oの内何れか一種よりなる緩衝層を入
れたことを特徴とする超伝導素子によって、かかる従来
の課題を解決した。
作用 発明者らは、超伝導素子の構成要素である超伝導素子
のA、B両電極、緩衝層、およびバリア層をすべて、ア
ルカリ土類金属を含むBi系酸化物とすることで、これら
各層の同一真空中での連続的な成膜が可能であるばかり
でなく、各層とも550℃以上で結晶性の薄膜が成長する
ことを見いだした。
また上部に位置する超伝導電極の超伝導性も、基板上
に成膜した超伝導電極に近いものが得られることを見い
だした。
さらにバリア層の材料としてBi−Sr−O、Bi−Ca−
O、Bi−Ba−Oの内、1種を用いると、素子抵抗が大き
くできることを見いだした。
また超伝導電極とバリア層の間にBi−Sr−Cu−O、Bi
−Ca−Cu−O、Bi−Ba−Cu−Oの内1種よりなる緩衝層
を設けることにより、バリア層の結晶性が向上しピンホ
ールの存在確立が減少すると共に、バリア層作製条件の
マージンが大きくなることを見いだした。
実施例 本発明はアルカリ土類金属を含むBi系酸化物超伝導体
を一対の電極とし、この両電極の間にバリア層を設けた
構造を有する超伝導素子と、超伝導電極とバリア層の間
に緩衝層を設けた構造を有する超伝導素子に関する。
本発明の超伝導素子は、特に薄膜形成プロセスおよび
層状構造を有する材料を用いた薄膜型素子によって、そ
の効果をより顕著に示すものである。
ここでいう、アルカリ土類金属を含むBi系酸化物と
は、A、B両超伝導電極としては、Bi−Sr−Ca−Cu−
O、Bi−Sr−Ba−Cu−O、Bi−Ca−Ba−Cu−Oのうち1
つ、あるいは、少なくともPbを含むBi−Sr−Ca−Cu−
O、Bi−Sr−Ba−Cu−O、Bi−Ca−Ba−Cu−Oのうち1
つが供される。
このPbを混入すると、結晶化温度の範囲が拡がりる効
果がある。
特に下記2212相構造のBi系酸化物超伝導体では、結晶
構造が安定に得られる。
(Bi1-yPby−Sr2−Ca1−Cu2−Ox (但し0≦y<0.5、xは任意) また下記2223相構造のBi系酸化物超伝導体では、より
高温の超伝導遷移温度を有する超伝導体が得られるた
め、超伝導素子の動作温度のマージンが拡がるため好ま
しい。
(Bi1-yPby−Sr2−Ca2−Cu3−Ox (但し0≦y<0.5、xは任意) またバリア層の材料としてはBi−Sr−O、Bi−Ca−
O、Bi−Ba−Oの内1つが供される。
これらのバリア層材料は、高温で連続成膜可能な層状
構造化合物であり、しかもこれらの材料は、大きな抵抗
率を有し、素子抵抗が大きいバリア層となるため好まし
い。
特に下記2100相構造のBi系酸化物では、結晶構造が安
定に得られる。
Bi2−Sr1−Ox(但しxは任意) バリア層とA電極あるいはB電極の間の緩衝層として
は、Bi−Sr−Cu−O、Bi−Ca−Cu−O、Bi−Ba−Cu−O
の内何れか一種が供される。
これら材料は常伝導体であり、これら緩衝層を設ける
ことにより、厚いバリア層においても超伝導素子が構成
できる。
このことは、ピンホールの存在確立を低下させ、さら
に素子抵抗を大きくできるため好ましい。
特に主として2201相の下記酸化物 Bi2−Sr2−Cu1−Ox(但しxは任意) は、結晶性よく得られるため、その上に堆積させるバリ
ア層あるいは電極の結晶性を向上させることができ好ま
しい。
本発明者らは、これらの材料がすべて同様な層状ペロ
ブスカイト構造をとり、そのa、b各結晶方位の格子定
数がほぼ一致し、また熱膨張係数もほとんど一致するた
めに、基板を適当に選択し基板の格子定数、熱膨張係数
を近いものとすることによって、基板温度550℃以上で
成膜し室温に戻しても、ストレスが入らず成膜時の結晶
性を保て、しかも上部に位置する超伝導電極の超伝導性
も、基板上に成膜した超伝導電極の超伝導性と同程度の
ものが得られることを見いだした。
特にA、B両電極及びバリア層とするBi系酸化物を、
基板表面に対してその結晶のc軸が垂直に配向するよう
に成膜することにより、良好な結晶性を有し、A、B両
電極においては、より良好な超伝導特性をもつ薄膜を実
現することが可能となることを本発明者らは見いだし
た。
さらに基板として(100)SrTiO3、または(100)MgO
基板を用い、A電極、B電極に主として2212相の下記Bi
系酸化物超伝導体を用い、 (Bi1-yPby−Sr2−Ca1−Cu2−Ox (但し0≦y<0.5、xは任意) バリア層の材料に、主として2100相の下記酸化物を用い
るか、 Bi2−Sr1−Ox(但しxは任意) またはA電極、B電極に主として2223相の下記Bi系酸化
物超伝導体を用い、 (Bi1-yPby−Sr2−Ca2−Cu3−Ox (但し0≦y<0.5、xは任意) バリア層の材料に、主として2100相の下記酸化物を用い
ると、 Bi2−Sr1−Ox(但しxは任意) 基板温度を600℃から850℃とした場合、各相とも基板に
対し連続的にエピタキシャル成長し、また700℃以下の
酸素中でのアニール処理をしても結晶性を保ったまま、
A及びB両電極の超伝導性が向上することを見いだし
た。
また基板として(100)SrTiO3、または(100)MgO基
板を用い、A電極、B電極に主として2212相の下記Bi系
酸化物超伝導体を用い、 (Bi1-yPby−Sr2−Ca1−Cu2−Ox (但し0≦y<0.5、xは任意) 緩衝層の材料として、主として2201相の下記酸化物を用
い、 Bi2−Sr2−Cu1−Ox(但しxは任意) さらにバリア層の材料に、主として2100相の下記酸化物
を用いるか、 Bi2−Sr1−Ox(但しxは任意) またはA電極、B電極に主として2223相の下記Bi系酸化
物超伝導体を用い、 (Bi1-yPby−Sr2−Ca2−Cu3−Ox (但し0≦y<0.5、xは任意) 緩衝層の材料が、主として2201相の下記酸化物を用い、 Bi2−Sr2−Cu1−Ox(但しxは任意) バリア層の材料に、主として2100相の下記酸化物を用い
ると、 Bi2−Sr1−Ox(但しxは任意) 基板温度を600℃から850℃とした場合、各層とも基板に
対し連続的にエピタキシャル成長し、バリア層の厚みを
厚くしても超伝導素子が作製でき、さらに素子抵抗も大
きくできることを見いだした。
また700℃以下の酸素中でのアニール処理をしても、
結晶性を保ったままA及びB両電極の超伝導性が向上す
ることを見いだした。
さらに以上述べたこれらの多層膜を用い接合型の超伝
導素子を作製したところ、液体窒素温度以上でも良好な
超伝導特性を示し、ジョセフソン効果を示すことを見い
だした。
以下に具体的実施例を挙げて、本発明をより詳細に説
明する。
具体的実施例 第1図は本発明の実施例を示すプロセス図である。
まず、(100)MgO基板を基体6に用い、rfマグネトロ
ンスパッタリング法によって、主として2212相の酸化物
超伝導体を含むBi系酸化物超伝導体 (Bi1-yPby−Sr2−Ca1−Cu2−Ox (但し0≦y<0.5、xは任意) が堆積するように調整した酸化物粉末のターゲットを用
い、厚さ300nmのA電極1を堆積させた。ひき続き同一
真空中において、主として2201相のBi系酸化物 Bi2−Sr2−Cu1−Ox(但しxは任意) が堆積するように調整した酸化物粉末のターゲットを用
い、厚さ10nmの緩衝層8を堆積させた。
次に主として2100相のBi系酸化物 Bi2−Sr1−Ox(但しxは任意) が堆積するように調整した酸化物粉末のターゲットよ
り、バリア層3を厚さ3nm堆積させた(第1図(a)参
照)。
次に再び主として2201相のBi系酸化物 Bi2−Sr2−Cu1−Ox(但しxは任意) が、堆積するように調整した酸化物粉末のターゲットを
用い、厚さ10nmの緩衝層9を堆積させ、さらにB電極2
となる2212相の酸化物超伝導体を含むBi系酸化物超伝導
体、 (Bi1-yPby−Sr2−Ca1−Cu2−Ox (但し0≦y<0.5、xは任意) が、堆積するように調整した酸化物粉末のターゲットを
用いて、Bi系酸化物超伝導体を200nm堆積させ、最後に
表面保護層10としてのPtを60nm堆積させた(第1図
(b)参照)。
但し基板温度は表面保護層10のPtの堆積を除き、いず
れの場合も650℃である。表面保護層10は、室温で堆積
した。
その後、ネガレジストを用いたフォトリソグラフィー
およびイオンミリングにより、緩衝層8、バリア層3、
緩衝層9、B電極2、及び表面保護層10を接合形状にパ
ターニングした(第1図(c)参照)。
その後、ネガレジスト7を除去せずに、電極間分離層
4として250nmのCaF2を真空蒸着により堆積後(第1図
(d)参照)、トリクロロエタンによる超音波洗浄、お
よびO2ガスプラズマ処理(1Torr、13.56MHz、400W)に
よるリフトオフ法で、表面保護層10を露出させた(第1
図(e)参照)。
最後に、全面にPt150nmを堆積させ、ネガレジストを
用いたフォトリソグラフィーおよびイオンミリングによ
り、B電極の一部に接触させたコンタクト電極を形成
し、超伝導素子を完成させた(第1図(f)参照)。
この製造方法による超伝導素子は、液体窒素温度にお
いて良好な超伝導特性およびジョセフソン効果を示すこ
とを確認した。
第2図は、本実施例の超伝導素子作製に用いた多層膜
のX線回折パターンである。
これによると、650℃の成膜温度において各層はc軸
配向を示しており、また高速電子線回折(RHEED)観察
などよりエピタキシャル成長していることが確認され
た。
この超伝導素子の特性は、200μAの超伝導電流が流
れ(直接ジョセフソン効果)、高周波に応答して、電流
電圧特性上に周期的な電流ステップが生じることを確認
した(交流ジョセフソン効果)。
また素子抵抗も大きなものであり、ピンホールの存在
確立も低くなった。
一方本実施例に用いたものと同様な多層膜に対し、70
0℃以下の酸素中でのアニール処理をしても結晶性を保
ったままであり、かつA及びB両電極の超伝導性が向上
し、この多層膜を用いた接合型の超伝導素子の特性の向
上ができることを確認した。
なお、本実施例では、超伝導素子の構成要素である超
伝導素子のA電極及びB電極に、主として2212相の下記
酸化物超伝導体を含むBi系酸化物超伝導体を用い、 (Bi1-yPby−Sr2−Ca1−Cu2−Ox (但し0≦y<0.5、xは任意) 緩衝層の材料として、主として2201相の下記酸化物、 Bi2−Sr2−Cu1−Ox(但しxは任意) バリア層の材料に、主として2100相の下記酸化物 Bi2−Sr1−Ox(但しxは任意) を用いたが、他にA電極及びB電極に主として2223相の
下記酸化物超伝導体を含むBi系酸化物超伝導体を用い、 (Bi1-yPby−Sr2−Ca2−Cu3−Ox (但し0≦y<0.5、xは任意) 緩衝層の材料が、主として2201相の下記酸化物、 Bi2−Sr2−Cu1−Ox(但しxは任意) バリア層の材料に、主として2100相の下記酸化物 Bi2−Sr1−Ox(但しxは任意) を用いても同様に良好な結晶性を有する積層膜が製造で
き、さらにそれから良好な超伝導接合を作製できること
を確認した。
また、A、B両電極、緩衝層およびバリア層をすべ
て、少なくともBiとアルカリ土類金属を含むc軸配向し
たBi系酸化物とすることで、各層とも550℃以上で基板
に対しc軸配向した膜が成長することを確認し、その多
層膜を用いて作製した接合型の素子が超伝導素子として
動作することを確認した。
但し本発明で言う、アルカリ土類金属を含むBi系酸化
物とは、A及びB両超伝導電極としては、Bi−Sr−Ca−
Cu−O、Bi−Sr−Ba−Cu−O、Bi−Ca−Ba−Cu−Oのう
ち1つ、あるいは、少なくともPbを含むBi−Sr−Ca−Cu
−O、Bi−Sr−Ba−Cu−O、Bi−Ca−Ba−Cu−Oの内1
種の何れかであり、緩衝層の材料としては、Bi−Sr−Cu
−O、Bi−Ca−Cu−O、Bi−Ba−Cu−Oの内1種であ
り、またバリア層の材料としてはBi−Sr−O、Bi−Ca−
O、Bi−Ba−Oの内1種である。
また700℃以下の酸素中でのアニール処理をしても、
結晶性を保ったままA及びB両電極の超伝導性が向上す
ることを確認している。
さらにコンタクト電極として本実施例ではPtを用いた
が、Au、Ag、Pd、Cuなどの金属でもよい。
本実施例においては緩衝層を設けた場合について説明
したが、緩衝層を設けない場合についても、同様に超伝
導素子が作製でき、動作することを確認した。
なお現在超伝導応用のひとつとしてジョセフソン素子
を構成要素とする超伝導量子干渉計があげられる。
本発明の超伝導素子は液体窒素温度でジョセフソン素
子として動作しており、この素子を用いると液体窒素温
度で動作する超伝導量子干渉計を構成することが可能と
なった。
この超伝導量子干渉計は磁場に対して非常に高感度に
応答し、生体磁気測定、地磁気測定等の磁気測定や、ま
た低消費電力のスイッチング素子を用いた計算機メモリ
ー、計算機ロジック等に応用できる。特に生体磁気測定
の分野では、従来非侵襲で測定できなかった脳の神経活
動を、磁気的信号として非侵襲で取り出せるため、基礎
医学分野のみならず臨床医学の分野で注目されている。
これらの点で本発明の実用的効果は、基礎医学分野お
よび臨床医学分野での生体磁気計測応用、低消費電力の
スイッチング素子を用いた計算機応用、電子機器応用な
どの分野で大である。
発明の効果 以上説明したように、超伝導素子の構成要素である超
伝導素子のA及びB両電極、緩衝層、およびバリア層を
すべて、アルカリ土類金属を含むBi系酸化物とすること
で、熱膨張係数がほとんど一致するために、基板温度55
0℃以上で成膜し室温に戻しても、ストレスが入らず成
膜時の結晶性を保ち、しかも上部に位置する超伝導電極
の超伝導性も基板上に成膜した超伝導電極の超伝導性と
同程度のものが得られる効果がある。
特にA及びB両電極、緩衝層及びバリア層とするBi系
酸化物を、基板表面に対してその結晶のc軸が垂直に配
向するように成膜することにより、そのa、b各結晶方
位の格子定数がほぼ一致するために良好な結晶性を有
し、A及びB両電極において、より良好な超伝導極性を
もつ薄膜を実現できる効果がある。
また基板として(100)SrTiO3、(100)MgO基板を用
い、A電極とB電極とに主として2212相の下記酸化物超
伝導体を含むBi系酸化物超伝導体を用い、 (Bi1-yPby−Sr2−Ca1−Cu2−Ox (但し0≦y<0.5、xは任意) バリア層の材料に、主として2100相の下記酸化物 Bi2−Sr1−Ox(但しxは任意) を用いるか、またはA電極とB電極とに主として2223相
の下記酸化物超伝導体を含むBi系酸化物超伝導体を用
い、 (Bi1-yPby−Sr2−Ca2−Cu3−Ox (但し0≦y<0.5、xは任意) バリア層の材料に、主として2100相の下記酸化物 Bi2−Sr1−Ox(但しxは任意) を用いると、基板温度を600℃から850℃とした場合、各
層とも基板に対し連続的にエピタキシャル成長し、また
700℃以下の酸素中でのアニール処理をしても結晶性を
保ったままA及びB両電極の超伝導性を向上させる効果
がある。
さらにバリア層の材料としてBi−Sr−O、Bi−Ca−
O、Bi−Ba−Oの内、1種を用いると、素子抵抗が大き
くでき、また超伝導電極とバリア層の間にBi−Sr−Cu−
O、Bi−Ca−Cu−O、Bi−Ba−Cu−Oの内1種よりなる
緩衝層を設けることにより、バリア層の結晶性が向上し
ピンホールの存在確立が減少すると共に、バリア層作製
条件のマージンが大きくなる効果がある。
さらに以上述べたこれらの多層膜を用い接合型の超伝
導素子を作製したところ、液体窒素温度以上でも良好な
超伝導特性を示し、ジョセフソン効果が得られた。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、及び
(f)は各々本発明の超伝導素子の製造の一方法を説明
するプロセス図、第2図は本発明の一実施例に用いた多
層膜のX線回折パターン図である。 1……A電極、2……B電極、3……バリア層、4……
電極間分離層、5……コンタクト電極、6……基体、7
……ネガレジスト、8……緩衝層、9……緩衝層、10…
…表面保護層
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−97074(JP,A) 特開 平2−21677(JP,A) 特開 平2−87688(JP,A) 特開 平1−129481(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 39/00 H01L 39/22 H01L 39/24

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体上にアルカリ土類金属を含むBi系酸化
    物超伝導体からなるA電極を設け、前記A電極上にBi−
    Sr−O、Bi−Ca−O、もしくはBi−Ba−Oの内何れか1
    種からなるバリア層を設け、前記バリア層上に前記A電
    極と同一材料からなるB電極を設け、少なくとも前記B
    電極の一部と接するコンタクト電極を設け、少なくとも
    前記バリア層の端面と前記B電極の端面を取り囲み、か
    つ前記コンタクト電極と前記A電極とを分離する電極間
    分離層を具備することを特徴とする超伝導素子におい
    て、前記A電極、前記バリア層、前記B電極が、前記基
    体表面に対してc軸配向したことを特徴とする超伝導素
    子。
  2. 【請求項2】バリア層と、それをはさむアルカリ土類金
    属を含むBi系酸化物超伝導体よりなる二つのA電極とB
    電極とよりなる超伝導体素子において、前記バリア層と
    前記A電極あるいは前記B電極の少なくともどちらか一
    方との間に、少なくともBi−Sr−Cu−O、Bi−Ca−Cu−
    O、Bi−Ba−Cu−Oの内何れか一種よりなる緩衝層を設
    けたことを特徴とする超伝導素子。
  3. 【請求項3】Bi系酸化物超伝導体の材料が、主として22
    12相の下記酸化物超伝導体 (Bi1-yPby−Sr2−Ca1−Cu2−Ox (但し0≦y<0.5、xは任意)、 もしくは主として2223相の下記酸化物超伝導体 (Bi1-yPby−Sr2−Ca2−Cu3−Ox (但し0≦y<0.5、xは任意)、 の内何れか1種であり、バリア層の材料が、主として21
    00相の下記酸化物 Bi2−Sr1−Ox(但しxは任意)、 を用いることを特徴とする請求項1に記載の超伝導素
    子。
  4. 【請求項4】Bi系酸化物超伝導体の材料が、主として22
    12相の下記酸化物超伝導体 (Bi1-yPby−Sr2−Ca1−Cu2−Ox (但し0≦y<0.5、xは任意)、 もしくは主として2223相の下記酸化物超伝導体 (Bi1-yPby−Sr2−Ca2−Cu3−Ox (但し0≦y<0.5、xは任意)、 の内何れか1種であり、緩衝層の材料が、主として2201
    相の下記酸化物 Bi2−Sr2−Cu1−Ox(但しxは任意)、 であり、バリア相の材料が、主として2100相の下記酸化
    物 Bi2−Sr1−Ox(但しxは任意)、 を用いることを特徴とする、請求項2に記載の超伝導素
    子。
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