JPH05190921A - 超電導接合を有する素子およびその作製方法 - Google Patents
超電導接合を有する素子およびその作製方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 一部にEu1Ba2Cu3O7-y薄膜2を形成した上記
のMgO(100)基板3上にY1Ba2Cu3O7-X酸化物超電
導薄膜1を成長させる。Y1Ba2Cu3O7-X酸化物超電導薄
膜1の直接MgO(100)基板3上に成長した部分11
と、Eu1Ba2Cu3O7-y薄膜2上に成長した部分12とでは、
結晶のa軸、b軸が互いに45°ずれ、結晶粒界4が障壁
の超電導接合になる。 【効果】 微細加工せずに弱結合型の超電導接合が容易
に作製できる。
のMgO(100)基板3上にY1Ba2Cu3O7-X酸化物超電
導薄膜1を成長させる。Y1Ba2Cu3O7-X酸化物超電導薄
膜1の直接MgO(100)基板3上に成長した部分11
と、Eu1Ba2Cu3O7-y薄膜2上に成長した部分12とでは、
結晶のa軸、b軸が互いに45°ずれ、結晶粒界4が障壁
の超電導接合になる。 【効果】 微細加工せずに弱結合型の超電導接合が容易
に作製できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超電導接合構造体、複
数の超電導接合を有する素子およびそれらの作製方法に
関する。より詳細には、酸化物超電導体を用いており、
作製が容易である新規な超電導接合構造体に関する。
数の超電導接合を有する素子およびそれらの作製方法に
関する。より詳細には、酸化物超電導体を用いており、
作製が容易である新規な超電導接合構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】ジョセフソン接合に代表される超電導接
合を実現する構成は各種あって、最も好ましい構造は、
一対の超電導体で薄い非超電導体をはさんだトンネル型
の接合である。しかしながら、点接触型、マイクロブリ
ッジ型等一対の超電導体を弱く結合した超電導接合も、
特性は異なるもののジョセフソン効果を発揮する。一般
に、このような超電導接合は非常に微細な構成であり、
上記の超電導体および非超電導体は、いわゆる薄膜で構
成されている。
合を実現する構成は各種あって、最も好ましい構造は、
一対の超電導体で薄い非超電導体をはさんだトンネル型
の接合である。しかしながら、点接触型、マイクロブリ
ッジ型等一対の超電導体を弱く結合した超電導接合も、
特性は異なるもののジョセフソン効果を発揮する。一般
に、このような超電導接合は非常に微細な構成であり、
上記の超電導体および非超電導体は、いわゆる薄膜で構
成されている。
【0003】例えば、超電導体に酸化物超電導体を使用
してトンネル型超電導接合を実現する場合には、基板上
に第1の酸化物超電導薄膜、非超電導体薄膜および第2
の酸化物超電導薄膜を順に積層する。
してトンネル型超電導接合を実現する場合には、基板上
に第1の酸化物超電導薄膜、非超電導体薄膜および第2
の酸化物超電導薄膜を順に積層する。
【0004】非超電導体には、用途により例えばMgO等
の絶縁体、Si等の半導体、Au等の金属が使用され、それ
ぞれ異なる特性の超電導接合を構成する。
の絶縁体、Si等の半導体、Au等の金属が使用され、それ
ぞれ異なる特性の超電導接合を構成する。
【0005】トンネル型超電導接合における非超電導体
の厚さは、超電導体のコヒーレンス長によって決まる。
酸化物超電導体は、コヒーレンス長が非常に短いため、
酸化物超電導体を使用したトンネル型超電導接合におい
ては、非超電導体の厚さは数nm程度にしなければならな
い。
の厚さは、超電導体のコヒーレンス長によって決まる。
酸化物超電導体は、コヒーレンス長が非常に短いため、
酸化物超電導体を使用したトンネル型超電導接合におい
ては、非超電導体の厚さは数nm程度にしなければならな
い。
【0006】また、点接触型超電導接合、マイクロブリ
ッジ型超電導接合は、いずれも一対の超電導体の弱結合
が実現するような非常に微細な加工を必要とする。一
方、超電導接合の動作特性を考慮すると、超電導接合を
構成する各層の結晶性がよく、単結晶または単結晶にご
く近い配向性を有する多結晶でなければならない。
ッジ型超電導接合は、いずれも一対の超電導体の弱結合
が実現するような非常に微細な加工を必要とする。一
方、超電導接合の動作特性を考慮すると、超電導接合を
構成する各層の結晶性がよく、単結晶または単結晶にご
く近い配向性を有する多結晶でなければならない。
【0007】さらに、dcSQUIDのように、複数のジ
ョセフソン接合を有する素子では、各ジョセフソン接合
の特性が揃っていることが必要である。
ョセフソン接合を有する素子では、各ジョセフソン接合
の特性が揃っていることが必要である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のトンネル型超電
導接合では、それぞれ結晶性のよい第1の酸化物超電導
薄膜、非超電導体の薄膜および第2の酸化物超電導薄膜
を積層しなければならない。酸化物超電導薄膜上にごく
薄く、且つ結晶性のよい非超電導体の薄膜を積層するこ
とは困難であり、この非超電導体薄膜のさらに上に結晶
性のよい酸化物超電導薄膜を形成するのは酸化物超電導
体の特性上非常に困難である。また、上記の積層構造が
実現しても、従来は酸化物超電導体と非超電導体との界
面の状態が良好でなく所望の特性が得られなかった。
導接合では、それぞれ結晶性のよい第1の酸化物超電導
薄膜、非超電導体の薄膜および第2の酸化物超電導薄膜
を積層しなければならない。酸化物超電導薄膜上にごく
薄く、且つ結晶性のよい非超電導体の薄膜を積層するこ
とは困難であり、この非超電導体薄膜のさらに上に結晶
性のよい酸化物超電導薄膜を形成するのは酸化物超電導
体の特性上非常に困難である。また、上記の積層構造が
実現しても、従来は酸化物超電導体と非超電導体との界
面の状態が良好でなく所望の特性が得られなかった。
【0009】一方、点接触型超電導接合、マイクロブリ
ッジ型超電導接合を実現するような、微細な加工も非常
に困難であり、安定した性能の超電導接合を再現性よく
作製することができなかった。従って、従来は、dcSQ
UIDのように複数のジョセフソン接合を有する素子
で、複数のジョセフソン接合の特性を揃えることは、ほ
とんど不可能であり、性能の向上に限界があった。
ッジ型超電導接合を実現するような、微細な加工も非常
に困難であり、安定した性能の超電導接合を再現性よく
作製することができなかった。従って、従来は、dcSQ
UIDのように複数のジョセフソン接合を有する素子
で、複数のジョセフソン接合の特性を揃えることは、ほ
とんど不可能であり、性能の向上に限界があった。
【0010】そこで、本発明の目的は、上記従来技術の
問題点を解決した、酸化物超電導体を用いた新規な構成
の超電導接合構造体、複数の超電導接合を有する素子お
よびそれらの作製方法を提供することにある。
問題点を解決した、酸化物超電導体を用いた新規な構成
の超電導接合構造体、複数の超電導接合を有する素子お
よびそれらの作製方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に従うと、第1お
よび第2の超電導体を弱く結合させて構成される弱結合
型超電導接合において、前記第1および第2の超電導体
が、一体のc軸配向の酸化物超電導薄膜で形成され、前
記第1および第2の超電導体をそれぞれ構成する酸化物
超電導体結晶のa軸同士およびb軸同士が、互いに45°
の角度をなすことを特徴とする超電導接合構造体が提供
される。
よび第2の超電導体を弱く結合させて構成される弱結合
型超電導接合において、前記第1および第2の超電導体
が、一体のc軸配向の酸化物超電導薄膜で形成され、前
記第1および第2の超電導体をそれぞれ構成する酸化物
超電導体結晶のa軸同士およびb軸同士が、互いに45°
の角度をなすことを特徴とする超電導接合構造体が提供
される。
【0012】また、本発明においては、単結晶基板と、
該単結晶基板の成膜面上の一部に成膜された酸化物薄膜
と、前記酸化物薄膜上および前記単結晶基板の露出して
いる成膜面上に連続して成膜された酸化物超電導薄膜を
具備し、前記酸化物薄膜を構成する酸化物結晶の結晶格
子が、前記単結晶基板の成膜面の結晶格子に対して45°
の角度をなしており、前記酸化物超電導薄膜の前記単結
晶基板の露出している成膜面上の部分を構成する酸化物
超電導体結晶の結晶格子が前記成膜面の結晶格子と平行
であり、前記酸化物超電導薄膜の前記酸化物薄膜上の部
分を構成する酸化物超電導体結晶の結晶格子が前記酸化
物薄膜の結晶格子と平行で、且つ前記単結晶基板の成膜
面上の部分の酸化物超電導体結晶の結晶格子に対して45
°の角度をなし、前記成膜面上の部分の酸化物超電導体
結晶と前記酸化物薄膜上の部分の酸化物超電導体結晶と
の結晶粒界が障壁となっていることを特徴とする超電導
接合構造体が提供される。
該単結晶基板の成膜面上の一部に成膜された酸化物薄膜
と、前記酸化物薄膜上および前記単結晶基板の露出して
いる成膜面上に連続して成膜された酸化物超電導薄膜を
具備し、前記酸化物薄膜を構成する酸化物結晶の結晶格
子が、前記単結晶基板の成膜面の結晶格子に対して45°
の角度をなしており、前記酸化物超電導薄膜の前記単結
晶基板の露出している成膜面上の部分を構成する酸化物
超電導体結晶の結晶格子が前記成膜面の結晶格子と平行
であり、前記酸化物超電導薄膜の前記酸化物薄膜上の部
分を構成する酸化物超電導体結晶の結晶格子が前記酸化
物薄膜の結晶格子と平行で、且つ前記単結晶基板の成膜
面上の部分の酸化物超電導体結晶の結晶格子に対して45
°の角度をなし、前記成膜面上の部分の酸化物超電導体
結晶と前記酸化物薄膜上の部分の酸化物超電導体結晶と
の結晶粒界が障壁となっていることを特徴とする超電導
接合構造体が提供される。
【0013】さらに、本発明では、単結晶基板と、該単
結晶基板の成膜面上の一部に成膜された酸化物薄膜と、
前記酸化物薄膜上および前記単結晶基板の露出している
成膜面上に連続して成膜された酸化物超電導薄膜を具備
し、前記酸化物超電導薄膜が、複数の箇所で単結晶基板
の成膜面から前記酸化物薄膜にかかる形状であり、前記
酸化物薄膜を構成する酸化物結晶の結晶格子が、前記単
結晶基板の成膜面の結晶格子に対して45°の角度をなし
ており、前記酸化物超電導薄膜の前記単結晶基板の露出
している成膜面上の部分を構成する酸化物超電導体結晶
の結晶格子が前記成膜面の結晶格子と平行であり、前記
酸化物超電導薄膜の前記酸化物薄膜上の部分を構成する
酸化物超電導体結晶の結晶格子が前記酸化物薄膜の結晶
格子と平行で、且つ前記単結晶基板の成膜面上の部分の
酸化物超電導体結晶の結晶格子に対して45°の角度をな
し、前記成膜面上の部分の酸化物超電導体結晶と前記酸
化物薄膜上の部分の酸化物超電導体結晶との結晶粒界が
障壁となっていることを特徴とする複数の超電導接合を
有する素子が提供される。
結晶基板の成膜面上の一部に成膜された酸化物薄膜と、
前記酸化物薄膜上および前記単結晶基板の露出している
成膜面上に連続して成膜された酸化物超電導薄膜を具備
し、前記酸化物超電導薄膜が、複数の箇所で単結晶基板
の成膜面から前記酸化物薄膜にかかる形状であり、前記
酸化物薄膜を構成する酸化物結晶の結晶格子が、前記単
結晶基板の成膜面の結晶格子に対して45°の角度をなし
ており、前記酸化物超電導薄膜の前記単結晶基板の露出
している成膜面上の部分を構成する酸化物超電導体結晶
の結晶格子が前記成膜面の結晶格子と平行であり、前記
酸化物超電導薄膜の前記酸化物薄膜上の部分を構成する
酸化物超電導体結晶の結晶格子が前記酸化物薄膜の結晶
格子と平行で、且つ前記単結晶基板の成膜面上の部分の
酸化物超電導体結晶の結晶格子に対して45°の角度をな
し、前記成膜面上の部分の酸化物超電導体結晶と前記酸
化物薄膜上の部分の酸化物超電導体結晶との結晶粒界が
障壁となっていることを特徴とする複数の超電導接合を
有する素子が提供される。
【0014】上記本発明の超電導接合構造体を作製する
方法として、本発明では、単結晶基板の成膜面の一部に
該成膜面の結晶格子に対して結晶格子が45°の角度をな
してエピタキシャル成長する酸化物の薄膜を成膜した
後、前記成膜面全体の上に前記成膜面および前記酸化物
の結晶格子に対してそれぞれ結晶格子が平行にエピタキ
シャル成長する酸化物超電導薄膜を成膜することを特徴
とする超電導接合構造体の作製方法が提供される。
方法として、本発明では、単結晶基板の成膜面の一部に
該成膜面の結晶格子に対して結晶格子が45°の角度をな
してエピタキシャル成長する酸化物の薄膜を成膜した
後、前記成膜面全体の上に前記成膜面および前記酸化物
の結晶格子に対してそれぞれ結晶格子が平行にエピタキ
シャル成長する酸化物超電導薄膜を成膜することを特徴
とする超電導接合構造体の作製方法が提供される。
【0015】さらに、上記本発明の超電導素子を作製す
る方法として、本発明では、単結晶基板の成膜面の一部
に該成膜面の結晶格子に対して結晶格子が45°の角度を
なしてエピタキシャル成長する酸化物の薄膜を成膜し、
複数の箇所で成膜面から前記酸化物薄膜にかかる形状
の、前記成膜面および前記酸化物の結晶格子にそれぞれ
結晶格子が平行にエピタキシャル成長する酸化物超電導
体の薄膜を成膜することを特徴とする複数の超電導接合
を有する超電導素子の作製方法が提供される。
る方法として、本発明では、単結晶基板の成膜面の一部
に該成膜面の結晶格子に対して結晶格子が45°の角度を
なしてエピタキシャル成長する酸化物の薄膜を成膜し、
複数の箇所で成膜面から前記酸化物薄膜にかかる形状
の、前記成膜面および前記酸化物の結晶格子にそれぞれ
結晶格子が平行にエピタキシャル成長する酸化物超電導
体の薄膜を成膜することを特徴とする複数の超電導接合
を有する超電導素子の作製方法が提供される。
【0016】
【作用】本発明の超電導接合構造体は、第1および第2
の超電導体が一体の酸化物超電導薄膜で構成されてお
り、第1および第2の超電導体をそれぞれ構成する酸化
物超電導体結晶は、結晶方向が互いに45°異なる。そし
て、この第1および第2の超電導体を構成するそれぞれ
の酸化物超電導体結晶間の結晶粒界が超電導接合の接合
面になっている。本発明の超電導接合では、単結晶の酸
化物超電導体結晶間の結晶粒界が障壁になっているの
で、障壁が非常にシャープであり、超電導接合としての
特性が優れている。
の超電導体が一体の酸化物超電導薄膜で構成されてお
り、第1および第2の超電導体をそれぞれ構成する酸化
物超電導体結晶は、結晶方向が互いに45°異なる。そし
て、この第1および第2の超電導体を構成するそれぞれ
の酸化物超電導体結晶間の結晶粒界が超電導接合の接合
面になっている。本発明の超電導接合では、単結晶の酸
化物超電導体結晶間の結晶粒界が障壁になっているの
で、障壁が非常にシャープであり、超電導接合としての
特性が優れている。
【0017】本発明の超電導接合構造体のより具体的な
構成としては、成膜面の結晶格子に対して結晶格子が45
°の角度をなしてエピタキシャル成長する酸化物の薄膜
が一部に形成されている単結晶基板の成膜面の全体の上
に、成膜された酸化物超電導薄膜とすることができる。
この酸化物超電導薄膜は、単結晶基板の成膜面から上記
酸化物薄膜にかかるよう形成されている。また、この酸
化物超電導薄膜を構成する酸化物超電導体の単結晶基板
の成膜面上の部分の結晶格子は前記成膜面の結晶格子と
平行であり、前記酸化物薄膜上の部分の結晶格子は前記
酸化物薄膜の結晶格子と平行となっている。即ち、上記
の酸化物超電導薄膜を構成する酸化物超電導体の前記酸
化物薄膜上の部分の結晶格子は、単結晶基板の成膜面の
結晶格子および前記酸化物超電導薄膜を構成する酸化物
超電導体の単結晶基板の成膜面上の部分の結晶格子に対
して45°の角度をなす。この成膜面上の部分の酸化物超
電導体結晶と前記酸化物薄膜上の部分の酸化物超電導体
結晶との結晶粒界が、超電導接合の障壁となっている。
構成としては、成膜面の結晶格子に対して結晶格子が45
°の角度をなしてエピタキシャル成長する酸化物の薄膜
が一部に形成されている単結晶基板の成膜面の全体の上
に、成膜された酸化物超電導薄膜とすることができる。
この酸化物超電導薄膜は、単結晶基板の成膜面から上記
酸化物薄膜にかかるよう形成されている。また、この酸
化物超電導薄膜を構成する酸化物超電導体の単結晶基板
の成膜面上の部分の結晶格子は前記成膜面の結晶格子と
平行であり、前記酸化物薄膜上の部分の結晶格子は前記
酸化物薄膜の結晶格子と平行となっている。即ち、上記
の酸化物超電導薄膜を構成する酸化物超電導体の前記酸
化物薄膜上の部分の結晶格子は、単結晶基板の成膜面の
結晶格子および前記酸化物超電導薄膜を構成する酸化物
超電導体の単結晶基板の成膜面上の部分の結晶格子に対
して45°の角度をなす。この成膜面上の部分の酸化物超
電導体結晶と前記酸化物薄膜上の部分の酸化物超電導体
結晶との結晶粒界が、超電導接合の障壁となっている。
【0018】上記本発明の超電導接合構造体に使用する
単結晶基板としては、MgO(100)、SrTiO3(11
0)基板、YSZ基板等が好ましい。また、単結晶基板
の成膜面の結晶格子に対して結晶格子が45°の角度をな
してエピタキシャル成長する上記の酸化物の薄膜として
は、例えばEu1Ba2Cu3O7-y、Gd1Ba2Cu3O7-y、Sm1Ba2Cu
3O7-y等の薄膜が好ましい。これらの酸化物は、酸化物
超電導体になる場合もあるが、本発明の超電導接合構造
体では、結晶性がよければ酸化物超電導体である必要は
ない。また、Eu1Ba2Cu3O7-yの場合には、この薄膜の厚
さは1〜10nmが好ましい。Eu1Ba2Cu3O7-y薄膜の厚さが
1nm未満では、Eu1Ba2Cu3O7-y薄膜が島状であり、結晶
性が完全ではない。また、Eu1Ba2Cu3O7-y薄膜の厚さが
10nmを超えると、上層の酸化物超電導体薄膜に段差が生
じて平滑にならない。また、本発明の超電導接合構造体
に使用する酸化物超電導体としては、例えば、Y1Ba2Cu
3O7-X、Bi2Sr2Ca2Cu3Ox 、Tl2Ba2Ca2Cu3Ox 等が好ま
しい。
単結晶基板としては、MgO(100)、SrTiO3(11
0)基板、YSZ基板等が好ましい。また、単結晶基板
の成膜面の結晶格子に対して結晶格子が45°の角度をな
してエピタキシャル成長する上記の酸化物の薄膜として
は、例えばEu1Ba2Cu3O7-y、Gd1Ba2Cu3O7-y、Sm1Ba2Cu
3O7-y等の薄膜が好ましい。これらの酸化物は、酸化物
超電導体になる場合もあるが、本発明の超電導接合構造
体では、結晶性がよければ酸化物超電導体である必要は
ない。また、Eu1Ba2Cu3O7-yの場合には、この薄膜の厚
さは1〜10nmが好ましい。Eu1Ba2Cu3O7-y薄膜の厚さが
1nm未満では、Eu1Ba2Cu3O7-y薄膜が島状であり、結晶
性が完全ではない。また、Eu1Ba2Cu3O7-y薄膜の厚さが
10nmを超えると、上層の酸化物超電導体薄膜に段差が生
じて平滑にならない。また、本発明の超電導接合構造体
に使用する酸化物超電導体としては、例えば、Y1Ba2Cu
3O7-X、Bi2Sr2Ca2Cu3Ox 、Tl2Ba2Ca2Cu3Ox 等が好ま
しい。
【0019】上記本発明の超電導接合構造体は、複数の
超電導接合を有する超電導素子とすることも可能であ
る。すなわち、上記酸化物超電導薄膜を単結晶基板の成
膜面から上記の酸化物薄膜に複数の箇所でかかるような
形状にすると、単結晶基板の成膜面から酸化物薄膜にか
かるそれぞれの位置に超電導接合が形成される。これら
の超電導接合は、いずれも上述の結晶粒界を障壁として
いるので特性が揃っている。
超電導接合を有する超電導素子とすることも可能であ
る。すなわち、上記酸化物超電導薄膜を単結晶基板の成
膜面から上記の酸化物薄膜に複数の箇所でかかるような
形状にすると、単結晶基板の成膜面から酸化物薄膜にか
かるそれぞれの位置に超電導接合が形成される。これら
の超電導接合は、いずれも上述の結晶粒界を障壁として
いるので特性が揃っている。
【0020】本発明においては、上記本発明の超電導接
合構造体を以下の方法で作製する。即ち、MgO(10
0)、SrTiO3(110)基板、YSZ基板等の単結晶
基板の成膜面の一部に、Eu1Ba2Cu3O7-y、Gd1Ba2Cu3O
7-y、Sm1Ba2Cu3O7-y等成膜面の結晶格子に対して結晶
格子が45°の角度をなしてエピタキシャル成長する酸化
物の薄膜を成膜する。この成膜面全体の上に、Y1Ba2Cu
3O7-X、Bi2Sr2Ca2Cu3Ox 、Tl2Ba2Ca2Cu3Ox 等成膜面
の結晶格子に対して結晶格子が平行にエピタキシャル成
長する酸化物超電導薄膜を成膜する。また、複数の超電
導接合を作製する場合には、上記の一部に酸化物薄膜が
成膜された単結晶基板の成膜面上に、Si板等で作製した
マスクを配置し、複数の箇所で単結晶基板の成膜面から
上記の酸化物薄膜にかかる形状の酸化物超電導薄膜を成
膜する。
合構造体を以下の方法で作製する。即ち、MgO(10
0)、SrTiO3(110)基板、YSZ基板等の単結晶
基板の成膜面の一部に、Eu1Ba2Cu3O7-y、Gd1Ba2Cu3O
7-y、Sm1Ba2Cu3O7-y等成膜面の結晶格子に対して結晶
格子が45°の角度をなしてエピタキシャル成長する酸化
物の薄膜を成膜する。この成膜面全体の上に、Y1Ba2Cu
3O7-X、Bi2Sr2Ca2Cu3Ox 、Tl2Ba2Ca2Cu3Ox 等成膜面
の結晶格子に対して結晶格子が平行にエピタキシャル成
長する酸化物超電導薄膜を成膜する。また、複数の超電
導接合を作製する場合には、上記の一部に酸化物薄膜が
成膜された単結晶基板の成膜面上に、Si板等で作製した
マスクを配置し、複数の箇所で単結晶基板の成膜面から
上記の酸化物薄膜にかかる形状の酸化物超電導薄膜を成
膜する。
【0021】上記の一部に酸化物薄膜が形成されている
単結晶基板上に、成膜された酸化物超電導体の薄膜は、
それぞれ下層の結晶軸に対応する結晶軸を揃えて成長す
る。即ち、結晶格子が単結晶基板の成膜面の結晶格子に
対して45°ずれている酸化物薄膜上に成長する酸化物超
電導体の薄膜の結晶格子は、やはり単結晶基板の成膜面
面の結晶格子に対して45°の角度をなす。また、単結晶
基板の成膜面上に直接成長する酸化物超電導薄膜の結晶
格子は、単結晶基板成膜面の結晶格子とその方向を一致
させて成長する。
単結晶基板上に、成膜された酸化物超電導体の薄膜は、
それぞれ下層の結晶軸に対応する結晶軸を揃えて成長す
る。即ち、結晶格子が単結晶基板の成膜面の結晶格子に
対して45°ずれている酸化物薄膜上に成長する酸化物超
電導体の薄膜の結晶格子は、やはり単結晶基板の成膜面
面の結晶格子に対して45°の角度をなす。また、単結晶
基板の成膜面上に直接成長する酸化物超電導薄膜の結晶
格子は、単結晶基板成膜面の結晶格子とその方向を一致
させて成長する。
【0022】従って、上記本発明の方法によれば、互い
に45°異なる2方向の結晶方向をそれぞれ有する単結晶
の酸化物超電導体結晶が同時に成長し、1枚の酸化物超
電導薄膜を形成し、本発明の超電導接合構造体または超
電導素子となる。特に、複数の超電導接合を有する素子
の作製に上記本発明の方法を応用する場合には、超電導
接合の複数の障壁全てが、同じ条件で同時に形成される
ので全ての障壁の特性が自動的に揃う。上記本発明の方
法では、成膜方法としてスパッタリング法、MBE法、
真空蒸着法、レーザアブレーション法等任意の方法を使
用することができる。
に45°異なる2方向の結晶方向をそれぞれ有する単結晶
の酸化物超電導体結晶が同時に成長し、1枚の酸化物超
電導薄膜を形成し、本発明の超電導接合構造体または超
電導素子となる。特に、複数の超電導接合を有する素子
の作製に上記本発明の方法を応用する場合には、超電導
接合の複数の障壁全てが、同じ条件で同時に形成される
ので全ての障壁の特性が自動的に揃う。上記本発明の方
法では、成膜方法としてスパッタリング法、MBE法、
真空蒸着法、レーザアブレーション法等任意の方法を使
用することができる。
【0023】このように作製された本発明の超電導接合
構造体および超電導素子は、第1および第2の超電導体
が同時に形成され、結晶方向以外は全て等しい酸化物超
電導体で構成されている。また、微細加工が不必要であ
り、自然に成長した結晶方向の異なる単結晶の結晶粒界
が障壁となっているので、特性が単に優れているだけで
なく、再現性よく作製できる。
構造体および超電導素子は、第1および第2の超電導体
が同時に形成され、結晶方向以外は全て等しい酸化物超
電導体で構成されている。また、微細加工が不必要であ
り、自然に成長した結晶方向の異なる単結晶の結晶粒界
が障壁となっているので、特性が単に優れているだけで
なく、再現性よく作製できる。
【0024】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく
説明するが、以下の開示は本発明の単なる実施例に過ぎ
ず、本発明の技術的範囲をなんら制限するものではな
い。
説明するが、以下の開示は本発明の単なる実施例に過ぎ
ず、本発明の技術的範囲をなんら制限するものではな
い。
【0025】
【実施例】実施例1 本発明の方法で作製した本発明の超電導接合を利用して
ジョセフソン素子を作製した。図1を参照して、その工
程を説明する。まず、図1(a)に示すようMgO(10
0)基板3上の左半分にEu1Ba2Cu3O7-y 薄膜2を形成
した。成膜方法としてはスパッタリング法を使用した。
成膜条件を以下に示す。 基板温度 630℃ スパッタリングガス Ar 8SCCM O2 4SCCM 圧力 5×10-2Torr 膜厚 5nm
ジョセフソン素子を作製した。図1を参照して、その工
程を説明する。まず、図1(a)に示すようMgO(10
0)基板3上の左半分にEu1Ba2Cu3O7-y 薄膜2を形成
した。成膜方法としてはスパッタリング法を使用した。
成膜条件を以下に示す。 基板温度 630℃ スパッタリングガス Ar 8SCCM O2 4SCCM 圧力 5×10-2Torr 膜厚 5nm
【0026】次に、左半分にEu1Ba2Cu3O7-y薄膜2を形
成した上記のMgO(100)基板3上にY1Ba2Cu3O7-X
酸化物超電導薄膜1をやはりスパッタリング法で作製し
た。成膜条件を以下に示す。 基板温度 650℃ スパッタリングガス Ar 8SCCM O2 4SCCM 圧力 5×10-2Torr 膜厚 300nm このY1Ba2Cu3O7-X酸化物超電導薄膜1は、図1(b)お
よび(b′)に示すよう、直接MgO(100)基板3上に
成長した部分11と、Eu1Ba2Cu3O7-y薄膜2上に成長した
部分12とで、結晶のa軸、b軸が互いに45°ずれてい
た。また、結晶粒界4が障壁になっている。
成した上記のMgO(100)基板3上にY1Ba2Cu3O7-X
酸化物超電導薄膜1をやはりスパッタリング法で作製し
た。成膜条件を以下に示す。 基板温度 650℃ スパッタリングガス Ar 8SCCM O2 4SCCM 圧力 5×10-2Torr 膜厚 300nm このY1Ba2Cu3O7-X酸化物超電導薄膜1は、図1(b)お
よび(b′)に示すよう、直接MgO(100)基板3上に
成長した部分11と、Eu1Ba2Cu3O7-y薄膜2上に成長した
部分12とで、結晶のa軸、b軸が互いに45°ずれてい
た。また、結晶粒界4が障壁になっている。
【0027】反応性イオンエッチングを使用して、上記
のY1Ba2Cu3O7-X酸化物超電導薄膜1を図1(c)に示す
形状に加工した。図1(c)のくびれた部分は長さ10μ
m、幅5μmであり、ちょうど中央部に結晶粒界4がく
るよう加工されている。
のY1Ba2Cu3O7-X酸化物超電導薄膜1を図1(c)に示す
形状に加工した。図1(c)のくびれた部分は長さ10μ
m、幅5μmであり、ちょうど中央部に結晶粒界4がく
るよう加工されている。
【0028】上記のように本発明の方法により作製した
本発明の超電導接合を使用したジョセフソン素子の特性
を測定した。85Kに冷却し、周波数15GHz、出力0.2 m
Wのマイクロ波を印加したところ、31μVの倍数の電圧
点でシャピロステップが観測され、ジョセフソン結合が
実現していることが確認された。
本発明の超電導接合を使用したジョセフソン素子の特性
を測定した。85Kに冷却し、周波数15GHz、出力0.2 m
Wのマイクロ波を印加したところ、31μVの倍数の電圧
点でシャピロステップが観測され、ジョセフソン結合が
実現していることが確認された。
【0029】実施例2 図2に、複数の超電導接合を有する本発明の超電導素子
の一例の概略平面図を示す。図2の超電導素子は、dcS
QUIDであり、左半分にEu1Ba2Cu3O7-y薄膜2が形成
されているMgO(100)基板3上に、複数の箇所4お
よび14でEu1Ba2Cu3O7-y薄膜2にかかるような形状に成
膜されたY1Ba2Cu3O7-X酸化物超電導薄膜1により構成
されている。Eu1Ba2Cu3O7-y薄膜2を構成するEu1Ba2Cu
3O7-y酸化物結晶のa軸およびb軸は基板面13のMgO結
晶のb軸およびc軸に対してそれぞれ45°の角度をな
す。
の一例の概略平面図を示す。図2の超電導素子は、dcS
QUIDであり、左半分にEu1Ba2Cu3O7-y薄膜2が形成
されているMgO(100)基板3上に、複数の箇所4お
よび14でEu1Ba2Cu3O7-y薄膜2にかかるような形状に成
膜されたY1Ba2Cu3O7-X酸化物超電導薄膜1により構成
されている。Eu1Ba2Cu3O7-y薄膜2を構成するEu1Ba2Cu
3O7-y酸化物結晶のa軸およびb軸は基板面13のMgO結
晶のb軸およびc軸に対してそれぞれ45°の角度をな
す。
【0030】Y1Ba2Cu3O7-X酸化物超電導薄膜1の基板
面13上の部分10は、MgO結晶のb軸およびc軸にY1Ba2
Cu3O7-X酸化物超電導体結晶のa軸およびb軸がそれぞ
れ平行になってエピタキシャル成長していた。また、Y
1Ba2Cu3O7-X酸化物超電導薄膜1のEu1Ba2Cu3O7-y薄膜
2上の部分20は、Eu1Ba2Cu3O7-y結晶のa軸およびb軸
にY1Ba2Cu3O7-X酸化物超電導体結晶のa軸およびb軸
がそれぞれ平行になってエピタキシャル成長していた。
面13上の部分10は、MgO結晶のb軸およびc軸にY1Ba2
Cu3O7-X酸化物超電導体結晶のa軸およびb軸がそれぞ
れ平行になってエピタキシャル成長していた。また、Y
1Ba2Cu3O7-X酸化物超電導薄膜1のEu1Ba2Cu3O7-y薄膜
2上の部分20は、Eu1Ba2Cu3O7-y結晶のa軸およびb軸
にY1Ba2Cu3O7-X酸化物超電導体結晶のa軸およびb軸
がそれぞれ平行になってエピタキシャル成長していた。
【0031】即ち、Y1Ba2Cu3O7-X酸化物超電導薄膜1
の基板面13上の部分10と、Eu1Ba2Cu3O7-y薄膜2上の部
分20とは、結晶方向が45°異なっている。また、結晶粒
界4および14がそれぞれ超電導接合の障壁となってい
る。
の基板面13上の部分10と、Eu1Ba2Cu3O7-y薄膜2上の部
分20とは、結晶方向が45°異なっている。また、結晶粒
界4および14がそれぞれ超電導接合の障壁となってい
る。
【0032】上記本発明の超電導素子は、本発明の方法
により、以下のように作製した。まず、実施例1と同様
にMgO(100)基板3の左半分上にEu1Ba2Cu3O7-y薄
膜2を形成した。成膜方法としてはスパッタリング法を
使用した。成膜条件も実施例1と等しくした。
により、以下のように作製した。まず、実施例1と同様
にMgO(100)基板3の左半分上にEu1Ba2Cu3O7-y薄
膜2を形成した。成膜方法としてはスパッタリング法を
使用した。成膜条件も実施例1と等しくした。
【0033】次に、左半分にEu1Ba2Cu3O7-y薄膜2を形
成した上記のMgO(100)基板3上にSi板のマスクを
配置して、図2に示した形状になるようY1Ba2Cu3O7-X
酸化物超電導薄膜1をやはりスパッタリング法で作製し
た。成膜条件は実施例1と等しくした。このY1Ba2Cu3
O7-X酸化物超電導薄膜1は、上述のようにMgO(10
0)基板3の基板面13上に成長した部分10と、Eu1Ba2Cu
3O7-y薄膜2上に成長した部分20とで、結晶のa軸、b
軸が互いに45°ずれていた。
成した上記のMgO(100)基板3上にSi板のマスクを
配置して、図2に示した形状になるようY1Ba2Cu3O7-X
酸化物超電導薄膜1をやはりスパッタリング法で作製し
た。成膜条件は実施例1と等しくした。このY1Ba2Cu3
O7-X酸化物超電導薄膜1は、上述のようにMgO(10
0)基板3の基板面13上に成長した部分10と、Eu1Ba2Cu
3O7-y薄膜2上に成長した部分20とで、結晶のa軸、b
軸が互いに45°ずれていた。
【0034】上記のように作製した本発明の超電導素子
のSQUIDとして動作を確認した。微弱な外部磁場を
印加したところ図3に示すような出力電圧の変動が見ら
れた。これは、85Kまで明瞭であった。以上のように、
本実施例の超電導素子は、特性の優れたSQUIDであ
ることが確認された。
のSQUIDとして動作を確認した。微弱な外部磁場を
印加したところ図3に示すような出力電圧の変動が見ら
れた。これは、85Kまで明瞭であった。以上のように、
本実施例の超電導素子は、特性の優れたSQUIDであ
ることが確認された。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に従うと、
新規な構成の超電導接合を酸化物超電導体により実現で
きる。本発明の超電導接合は、同時に成長し、1枚の酸
化物超電導薄膜を形成する互いに45°異なる結晶方向を
それぞれ有する単結晶の酸化物超電導体結晶がそれぞれ
第1および第2の超電導体となって構成されている。ま
た、本発明の方法では、本発明の超電導接合を微細加工
を行うことなく容易に作製することが可能である。さら
に、本発明の超電導素子は、特性の揃った超電導接合を
複数具備する。従って、特にdcSQUIDに応用すると
有利であり、また、ジョセフソン素子の集積化に応用す
ることも可能である。本発明により、超電導技術の電子
デバイスへの応用がさらに促進される。
新規な構成の超電導接合を酸化物超電導体により実現で
きる。本発明の超電導接合は、同時に成長し、1枚の酸
化物超電導薄膜を形成する互いに45°異なる結晶方向を
それぞれ有する単結晶の酸化物超電導体結晶がそれぞれ
第1および第2の超電導体となって構成されている。ま
た、本発明の方法では、本発明の超電導接合を微細加工
を行うことなく容易に作製することが可能である。さら
に、本発明の超電導素子は、特性の揃った超電導接合を
複数具備する。従って、特にdcSQUIDに応用すると
有利であり、また、ジョセフソン素子の集積化に応用す
ることも可能である。本発明により、超電導技術の電子
デバイスへの応用がさらに促進される。
【図1】本発明の方法により作製された本発明の超電導
接合構造体を利用したジョセフソン素子の作製工程を説
明する図である。
接合構造体を利用したジョセフソン素子の作製工程を説
明する図である。
【図2】本発明の超電導素子の一例の概略平面図であ
る。
る。
【図3】実施例において作製したSQUIDに外部磁場
を印加したときの出力電圧の変動を示すグラフである。
を印加したときの出力電圧の変動を示すグラフである。
1 酸化物超電導薄膜 2 酸化物薄膜 3 基板 4、14 結晶粒界
Claims (5)
- 【請求項1】 第1および第2の超電導体を弱く結合さ
せて構成される弱結合型超電導接合において、前記第1
および第2の超電導体が、一体のc軸配向の酸化物超電
導薄膜で形成され、前記第1および第2の超電導体をそ
れぞれ構成する酸化物超電導体結晶のa軸同士およびb
軸同士が、互いに45°の角度をなすことを特徴とする超
電導接合構造体。 - 【請求項2】 単結晶基板と、該単結晶基板の成膜面上
の一部に成膜された酸化物薄膜と、前記酸化物薄膜上お
よび前記単結晶基板の露出している成膜面上に連続して
成膜された酸化物超電導薄膜を具備し、 前記酸化物薄膜を構成する酸化物結晶の結晶格子が、前
記単結晶基板の成膜面の結晶格子に対して45°の角度を
なしており、 前記酸化物超電導薄膜の前記単結晶基板の露出している
成膜面上の部分を構成する酸化物超電導体結晶の結晶格
子が前記成膜面の結晶格子と平行であり、 前記酸化物超電導薄膜の前記酸化物薄膜上の部分を構成
する酸化物超電導体結晶の結晶格子が前記酸化物薄膜の
結晶格子と平行で、且つ前記単結晶基板の成膜面上の部
分の酸化物超電導体結晶の結晶格子に対して45°の角度
をなし、 前記成膜面上の部分の酸化物超電導体結晶と前記酸化物
薄膜上の部分の酸化物超電導体結晶との結晶粒界が障壁
となっていることを特徴とする超電導接合構造体。 - 【請求項3】 単結晶基板と、該単結晶基板の成膜面上
の一部に成膜された酸化物薄膜と、前記酸化物薄膜上お
よび前記単結晶基板の露出している成膜面上に連続して
成膜された酸化物超電導薄膜を具備し、 前記酸化物超電導薄膜が、複数の箇所で単結晶基板の成
膜面から前記酸化物薄膜にかかる形状であり、 前記酸化物薄膜を構成する酸化物結晶の結晶格子が、前
記単結晶基板の成膜面の結晶格子に対して45°の角度を
なしており、 前記酸化物超電導薄膜の前記単結晶基板の露出している
成膜面上の部分を構成する酸化物超電導体結晶の結晶格
子が前記成膜面の結晶格子と平行であり、 前記酸化物超電導薄膜の前記酸化物薄膜上の部分を構成
する酸化物超電導体結晶の結晶格子が前記酸化物薄膜の
結晶格子と平行で、且つ前記単結晶基板の成膜面上の部
分の酸化物超電導体結晶の結晶格子に対して45°の角度
をなし、 前記成膜面上の部分の酸化物超電導体結晶と前記酸化物
薄膜上の部分の酸化物超電導体結晶との結晶粒界が障壁
となっていることを特徴とする複数の超電導接合を有す
る素子。 - 【請求項4】 単結晶基板の成膜面の一部に該成膜面の
結晶格子に対して結晶格子が45°の角度をなしてエピタ
キシャル成長する酸化物の薄膜を成膜した後、前記成膜
面全体の上に前記成膜面および前記酸化物の結晶格子に
対してそれぞれ結晶格子が平行にエピタキシャル成長す
る酸化物超電導薄膜を成膜することを特徴とする超電導
接合構造体の作製方法。 - 【請求項5】 単結晶基板の成膜面の一部に該成膜面の
結晶格子に対して結晶格子が45°の角度をなしてエピタ
キシャル成長する酸化物の薄膜を成膜し、複数の箇所で
成膜面から前記酸化物薄膜にかかる形状の、前記成膜面
および前記酸化物の結晶格子にそれぞれ結晶格子が平行
にエピタキシャル成長する酸化物超電導体の薄膜を成膜
することを特徴とする複数の超電導接合を有する超電導
素子の作製方法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20437292A JP3189403B2 (ja) | 1991-07-16 | 1992-07-08 | 超電導接合を有する素子およびその作製方法 |
CA002073831A CA2073831C (en) | 1991-07-16 | 1992-07-14 | Josephson junction device of oxide superconductor and process for preparing the same |
US08/526,306 US5624885A (en) | 1991-07-16 | 1995-09-11 | Josephson junction device of oxide superconductor and process for preparing the same |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20122191 | 1991-07-16 | ||
JP3-201220 | 1991-07-16 | ||
JP3-201221 | 1991-07-16 | ||
JP20122091 | 1991-07-16 | ||
JP20437292A JP3189403B2 (ja) | 1991-07-16 | 1992-07-08 | 超電導接合を有する素子およびその作製方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05190921A true JPH05190921A (ja) | 1993-07-30 |
JP3189403B2 JP3189403B2 (ja) | 2001-07-16 |
Family
ID=27327914
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---|---|
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100241262B1 (ko) * | 1996-10-04 | 2000-02-01 | 윤덕용 | 고온 초전도 Y1Ba2Cu3O7-X(YBCO) 박막을 이용한 바이에피택시얼 죠셉슨 접합소자 및 그 제조방법 |
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---|---|---|---|---|
JP3392653B2 (ja) * | 1996-09-02 | 2003-03-31 | 財団法人国際超電導産業技術研究センター | 酸化物超電導体ジョセフソン接合素子及びその製造方法 |
AU5179900A (en) * | 1999-06-02 | 2000-12-18 | Sethel Interventional, Inc. | Intracorporeal occlusive device |
US6495854B1 (en) * | 1999-12-30 | 2002-12-17 | International Business Machines Corporation | Quantum computing with d-wave superconductors |
EP1182712B1 (en) * | 2000-08-21 | 2008-07-23 | National Institute for Materials Science | Method for forming high temperature superconducting Josephson junction |
AUPR539601A0 (en) * | 2001-06-01 | 2001-06-28 | Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation | Method of magnetic field measurement |
CN101894906B (zh) * | 2010-06-13 | 2012-07-04 | 中国科学院上海微系统与信息技术研究所 | 超导台阶结制备方法 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59210677A (ja) * | 1983-05-14 | 1984-11-29 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | ジヨセフソン接合を用いた光検出素子 |
CA1336567C (en) * | 1988-02-03 | 1995-08-08 | Franz Joseph Himpsel | Epitaxy of high t_ superconductors on silicon |
GB2215548B (en) * | 1988-02-26 | 1991-10-23 | Gen Electric Co Plc | A method of fabricating superconducting electronic devices |
US5053383A (en) * | 1988-03-29 | 1991-10-01 | At&T Bell Laboratories | Method of reducing critical current density of oxide superconductors by radiation damage |
JPH02137378A (ja) * | 1988-11-18 | 1990-05-25 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 高温酸化物超伝導体トンネル接合素子 |
US5157466A (en) * | 1991-03-19 | 1992-10-20 | Conductus, Inc. | Grain boundary junctions in high temperature superconductor films |
-
1992
- 1992-07-08 JP JP20437292A patent/JP3189403B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 1992-07-14 CA CA002073831A patent/CA2073831C/en not_active Expired - Fee Related
-
1995
- 1995-09-11 US US08/526,306 patent/US5624885A/en not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100241262B1 (ko) * | 1996-10-04 | 2000-02-01 | 윤덕용 | 고온 초전도 Y1Ba2Cu3O7-X(YBCO) 박막을 이용한 바이에피택시얼 죠셉슨 접합소자 및 그 제조방법 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CA2073831C (en) | 1997-11-18 |
CA2073831A1 (en) | 1993-01-17 |
JP3189403B2 (ja) | 2001-07-16 |
US5624885A (en) | 1997-04-29 |
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