JPH09260732A - 超伝導素子およびその製造方法 - Google Patents

超伝導素子およびその製造方法

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JPH09260732A
JPH09260732A JP8062363A JP6236396A JPH09260732A JP H09260732 A JPH09260732 A JP H09260732A JP 8062363 A JP8062363 A JP 8062363A JP 6236396 A JP6236396 A JP 6236396A JP H09260732 A JPH09260732 A JP H09260732A
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JP
Japan
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superconducting
electrode
thin film
substrate
junction
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JP8062363A
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English (en)
Inventor
Hideaki Adachi
秀明 足立
Akihiro Odakawa
明弘 小田川
Kentaro Setsune
謙太郎 瀬恒
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸化物超伝導薄膜を用いた高性能のトンネル
型超伝導接合素子およびその製造方法を提供することを
目的とする。 【解決手段】 素子を、基体に設けた溝を埋め込んで形
成した酸化物超伝導体からなる下部電極と、本基体の上
に形成された酸化物超伝導体の上部電極と、これら下部
超伝導電極と上部超伝導電極との境界面の接合部より構
成する。製造方法は、下部超伝導電極に対応する溝を設
けた基体上に、薄膜を堆積被覆した後、上部超伝導電極
に対応するパターン加工を行い、重複した両電極の境界
面からなる接合部を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は論理素子やセンサー
において、高速・高感度の動作が期待される超伝導デバ
イスの要素部品となる超伝導接合素子およびその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年発見された酸化物超伝導体の中に
は、その超伝導臨界温度が液体窒素温度を越えるものが
あり、超伝導体の応用分野を大きく広げることとなっ
た。エレクトロニクス分野に応用が期待される超伝導デ
バイスに関しては、基本的要素部品である超伝導接合と
して、酸化物超伝導体を二つに割り再びわずかに接触さ
せたクラック型素子、また酸化物超伝導体を薄膜にし小
さなくびれをつけたフ゛リッシ゛形素子や、2種類の基体を接
続した基板上に超伝導薄膜を形成したハ゛イクリスタル型素子の
様な平坦型薄膜素子、更に、酸化物超伝導薄膜の上に絶
縁体や半導体または金属などを積層し、その上に酸化物
超伝導体を積層させた積層接合型超伝導素子などが従来
試作されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これら従来試作されて
いる超伝導接合素子は特性が未だ不十分であり、理想的
なジョセフソン特性を示すトンネル型接合素子はほとん
ど実現されていない。この理由は、トンネル接合が超伝
導物質と非超伝導物質という異種の材料の接触で構成さ
れるため、高温超伝導体のような複合酸化物を使って、
完全な乱れのない接合を実現することが技術的に困難な
ことに因る。唯一、ビスマス系酸化物超伝導体の単結晶
を用いた場合、トンネル接合的な特性が得られることが
報告されている。[鈴木、田辺、日高、狩元、宮原、電
子情報通信学会技術報告SCE95-30,p.7(1995)]しかしエ
レクトロニクスへ応用するためには超伝導薄膜を用いた
素子を作る必要があり、これまで薄膜を使ってトンネル
型接合素子を作ることは困難であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本超
伝導素子の構成は、基体に設けられた溝を埋め込んで形
成した酸化物超伝導体からなる下部電極と、本基体の上
に形成した酸化物超伝導体の上部電極と、これら下部超
伝導電極と上部超伝導電極との境界面の接合部より構成
されるというものである。
【0005】またその製造方法としては、下部超伝導電
極に対応する溝を設けた基体上に、薄膜を堆積被覆した
後、上部超伝導電極に対応するパターン加工を行い、重
複した両電極の境界面からなる接合部を形成するという
ものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図1から図3を用いて説明する。
【0007】(実施の形態1)図1(a)のような溝11
を設けたMgO(100)面単結晶基体12上に超伝導素
子の形成を行った。溝の寸法は、深さを2000Å、幅を10
0μmとした。また溝の作製は、フォトリソグラフィで
形成したフォトレジストをマスクにしたアルゴン・イオ
ンエッチングにより行った。この溝のある基体上に、ス
パッタ成膜法によりビスマス系超伝導体の薄膜形成を行
った。化学組成Bi/Pb/Sr/Ca/Cu=1.8/0.4/2/1.1/2.2の酸
化物を円板状に成形してターゲットとし、酸素20%混合
した0.5Paアルゴン雰囲気中で50Wのスパッタ放電を行
い、2時間で約1μmの薄膜を形成し、図1(b)の如
く基板12上を被膜13で覆った。成膜中に加熱は行ってい
ないので、形成された薄膜の結晶性は、非晶質であっ
た。成膜後、やはりフォトリソグラフィで溝と交差する
ようにパターン出しをし、フォトレジストをマスクにし
て被膜のイオンエッチングを行った。その結果、図1
(c)に示す構造すなわち溝に埋め込まれた下部電極14
と、その上を交差する上部電極15のパターンが形成され
た。これを空気中820〜850℃で1時間熱処理して結晶化
させ、ビスマス系2212相超伝導体の結晶構造を構築させ
た。その後窒素ガス中で400℃30分の還元処理を行っ
た。これらの処理により、被膜は85Kの臨界温度をもつ
超伝導電極として機能することが分かった。最後に超伝
導電極の外部取り出し電極として、銀の蒸着膜により電
流端子16,16'および電圧端子17,17'を形成した。この素
子において、下部超伝導電極と上部超伝導電極とは境界
面18を介して接合されたものとなる。
【0008】素子の電極端子間の電流・電圧特性を測定
したところ、あるものについてはトンネル型のジョセフ
ソン特性が得られた。種々の熱処理温度で結晶化させた
薄膜について詳細に検討を行った結果、基体表面に対し
てc軸の垂直配向度が高い超伝導薄膜電極を使った場合
に良好なトンネル型ジョセフソン特性が得られることが
分かった。このことは次のように理解できる。一般に酸
化物超伝導体は、超伝導電流の流れる銅酸素面を主体に
した層と、その面にキャリアを供給するブロック層と
が、c軸方向に交互に積層された結晶構造をとる。従っ
て下部および上部超伝導電極の境界面では、原子レベル
で乱れのない平滑なブロック層が必然的に間に挟まれた
構造となり、超伝導電極のバリア層として働き、接合を
構成する。すなわち、ビスマス系単結晶超伝導体で観測
されたのと同じ現象を、超伝導薄膜を使って実現するこ
とに成功した。これは本構成が、薄膜型トンネル接合素
子を作る上で適していることを示している。c軸配向度
が高い超伝導電極薄膜は850℃で熱処理して結晶化させ
た素子において達成され、図2に示すような良質のトン
ネル型接合特性が30Kにおいて得られた。
【0009】(実施の形態2)同様の方法で、予め溝を
設けたSrTiO3(100)面単結晶基体上に、ビス
マス系薄膜からなる超伝導素子の形成を行った。溝の深
さは500Åから3000Å程度とした。スパッタ法により、
ビスマス系超伝導体を構成する非晶質被膜を1μm堆積
させ、その後イオンエッチングにより被膜のパターニン
グを行い素子を形成した。素子の平面図を図3に示す。
2つの下部超伝導電極31,32と上部超伝導電極33が、2
カ所で交差してそれぞれ接合部34,35を構成している。
超伝導電極の引き回し部の線幅は1mmに設定し、接合
部の線幅を1〜500μmの間で変化させた。これを空気
中850℃で1時間熱処理して結晶化させた後、窒素ガス
中400℃30分の還元処理を施した。この様にして作製さ
れた素子の電流・電圧特性は、接合部の線幅に影響を受
けることが分かった。線幅1μmの場合、一部の素子で
トンネル型のジョセフソン特性が得られるものの再現性
に難があった。この理由は、線幅が細すぎて超伝導が一
部劣化したことによると考えられる。線幅2μm以上の
場合には良好な特性を再現性良く得ることができたが、
300μm以上に太くなるとヒステリシスのあるトンネル
型特性は得られなかった。線幅が太い場合には下部およ
び上部電極が接合面以外で電気的に結合することが理由
と考えられる。従って良質のトンネル接合特性は、線幅
が2〜200μmのときに再現性良く得られることが確認
された。また溝の深さは特性にはそれほど影響を与えな
いことも併せて確認した。
【0010】なお本実施の形態では超伝導薄膜としてビ
スマス系超伝導体を用いたが、タリウム系超伝導体Tl-B
a-Ca-Cu-Oを用いた場合、熱処理条件を900℃,2分とする
ことで同様にトンネル接合特性を得ることができた。ま
た水銀系等の他の酸化物超伝導体の場合も、層状構造が
基本構造となっているため同様に超伝導素子が実現でき
ること勿論である。
【0011】また本発明の製造方法では、下部および上
部電極を一括して堆積させ、後のパターン化により分離
する方法をとった。下部電極を先に形成した後で上部電
極を形成する方法では両者の接合面が原子単位で平滑に
ならず良質の接合素子を得ることが困難であり、本発明
の方法により初めて再現性よく製造可能な素子が実現で
きた。さらに本発明の製造方法では、非晶質の被膜を堆
積させてパターン化した後に熱処理で結晶化させる方法
をとった。一般的な成膜方法すなわち予め加熱した基体
上に結晶質の被膜を堆積させる方法でもトンネル型接合
を得ることは出来たが、再現性は不十分であった。非晶
質被膜を結晶化させた方が、意外にも溝に埋め込まれた
部分および接合部が密に結晶化して、良質のトンネル型
接合特性を可能にしたものと推察される。
【0012】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、良質の超
伝導トンネル接合特性を有する素子を実現可能にするも
ので、超伝導エレクトロニクスの基本要素部品を提供す
るという有利な効果を発揮し、その発展を大いに促すも
のとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における超伝導素子作製
の工程を示す斜視図
【図2】本発明の一実施の形態において作製された超伝
導素子の電流・電圧特性を示す図
【図3】本発明の一実施の形態において作製された超伝
導素子の外観平面図
【符号の説明】
11 溝 12 MgO(100)面基体 13 ビスマス系被膜 14 下部超伝導薄膜電極 15 上部超伝導薄膜電極 16,16’ 電流端子 17,17’ 電圧端子 18 境界(接合)面 31 下部超伝導薄膜電極A 32 下部超伝導薄膜電極B 33 上部超伝導薄膜電極 34 接合部A 35 接合部B

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化物超伝導体からなる超伝導素子にお
    いて、基体に設けた溝を埋め込んで形成した下部超伝導
    電極と、前記基体の上に形成した上部超伝導電極と、前
    記下部超伝導電極と上部超伝導電極との境界面の接合部
    より構成されたことを特徴とする超伝導素子。
  2. 【請求項2】 超伝導電極の結晶方位c軸が、基板面に
    垂直に配向していることを特徴とする請求項1記載の超
    伝導素子。
  3. 【請求項3】 接合部の溝の幅が、2μm以上200μm以下
    であることを特徴とする請求項1記載の超伝導素子。
  4. 【請求項4】 下部超伝導電極に対応する溝を設けた基
    体上に、薄膜を堆積被覆した後、上部超伝導電極に対応
    するパターン加工を行い、重複した両電極の境界面から
    なる接合部を形成したことを特徴とする超伝導素子の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 溝を設けた基体上に被覆堆積させた薄膜
    が、結晶化していない非晶質の形態であり、パターン加
    工後に結晶化させて得ることを特徴とする請求項4記載
    の超伝導素子の製造方法。
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