JP2977935B2 - 超電導三端子素子 - Google Patents

超電導三端子素子

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、情報処理や電力分野に
おいて、大容量の電流を高速かつ低損失に制御できる電
流スイッチング用素子として好ましく用いられる超電導
三端子素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】超電導体と半導体、あるいは常電導体を
組み合わせた超電導三端子素子としては、制御電極に印
加した電圧により導通状態を制御する電界効果型のもの
がある。この電界効果型超電導三端子素子については、
ティー・ディー・クラーク(T.D.Clarkによって、ジャー
ナル・オブ・アプライドフィジクス 51巻,2736
ページ 1980年)に論じられている。
【0003】この電界効果型の超電導三端子は、超電導
体からなるソース/ドレイン電極とゲート電極からな
り、ゲート電極に電圧を印加することにより、半導体中
のキャリア濃度を変化させ、ソース/ドレイン電極間を
半導体を介して流れる超電導電流を変調するものであ
る。即ち、上記の文献においては、少数キャリアを制御
することにより超電導体の超電導特性を制御することが
提案されている。
【0004】しかしながら、従来、スイッチング素子と
して実用化が進められている超電導三端子素子は、ジョ
セフソン(Josephson)・コンピュータやSQUID(Super
conducting Quantum Interference Devices)などのよう
に超電導近接効果(超電導体同志をコヒーレンス長程度
まで接近させると導通状態となる)を利用したものがほ
とんどであり、高速応答が可能であるものの、微細加工
が必要で大容量電流を制御することができないという問
題がある。
【0005】本願発明者らは、この問題を解決するため
に、先の出願(特願平1−193102号)において、
図5に示されるような電界効果型超電導三端子素子を提
案した。図5において、p型si基板101表面近傍に
はn型Siからなる下部ゲート部111が形成されてお
り、基板101上にはバッファ絶縁層112及び下部ゲ
ート絶縁層113が積層されている。下部ゲート絶縁層
113上には酸化物超電導体層104が積層され、この
酸化物超電導体層104上にはAg電極からなるソース
電極102aとドレイン電極102bが配置されてい
る。ソース電極102aとドレイン電極102bの間の
酸化物超電導体層104がチャンネル領域を構成する。
ソース電極102aとドレイン電極102bの間の領域
には上部ゲート絶縁層105を介してゲート電極が設け
られている。
【0006】図5に示された超電導三端子素子では、酸
化物超電導体層104の厚さが特定の厚さとなってお
り、ゲート電極106に印加する電圧によって超電導体
層104中の多数キャリアが制御され、これにより超電
導体層104をとおってソース電極102aからドレイ
ン電極102b流れるドレイン電流が制御される。かか
る構成で、1素子あたり制御できる電流は、1A程度で
あるので、実用上は、図5の素子を基板上に多数作成し
てこれを並列に接続し、スイッチング素子として用い
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図5に示され
た構造の超電導三端子素子では、各素子毎に設けられる
ソース/ドレイン電極及びゲート電極が平面上に並んで
いるため、多数の素子を並列接続する際、 1.単位面積あたりの素子数が少なくなってしまい、大
容量化に限界がある。 2.各素子のソース/ドレイン電極及びゲート電極間を
互いに接続する配線が基板表面を複雑に横切ることにな
り、素子の製造に際して高度のリソグラフィ工程が要求
され生産性の向上を図ることができない上、配線の占め
る面積も大きくなり大容量化の制約となる。等の課題が
あった。
【0008】この発明は、かかる点に鑑みてなされたも
のであり、酸化物超電導体材料を用いた多数キヤリア制
御による電界効果型超電導三端子素子において、多素子
を容易に並列に接続することができ、大容量化を実現で
きる構造を提供することを目的とするものである。
【0009】本発明では、基板上に積層された一対の酸
化物超電導体層からなる酸化物超電導体ソース/ドレイ
ン電極と、該酸化物超電導体ソース/ドレイン電極間に
積層された層間絶縁層と、前記酸化物超電導体ソース/
ドレイン電極を貫通するか又は下側の酸化物超電導体層
に至るように設けられた穴と、該穴内面に露出した前記
酸化物超電導体ソース/ドレイン電極と接続するように
前記穴内面に沿って設けられた酸化物超電導体層からな
る酸化物超電導体チャンネル領域と、該酸化物超電導体
チャンネル領域上にゲート絶縁層を介して形成されたゲ
ート電極とを備え、前記穴内面は、基板に対し傾斜して
いる超電導三端子素子によって、上記の課題を達成して
いる。
【0010】
【作用】本発明による超電導三端子素子においては、ゲ
ート電極とチャネル領域との間に加える電界を制御する
ことにより、直接に超電導体層(チャンネル領域)中の
多数キャリアを制御する。すなわち、電界を印加するこ
とにより、超電導体層と誘電体層(ゲート絶縁層)の界
面に電荷をチャージして、超電導体層内の電子対を消滅
することにより、超電導体を非超電導体に転移せさ、チ
ャンネル領域を流れる電流を減少させる。このように電
界効果を利用して電流制御を行なう構造は、超電導体の
近接効果を利用した素子に比べて、単位素子当りの電流
容量が本質的に大きい。
【0011】更に、本発明では、ソース電極とドレイン
電極が薄膜形状で積み重ねられた構造となっており、チ
ャンネル領域は積層体に設けられた穴内面垂直方向に設
けられるので、超電導電流は、従来のように基板表面と
平行に流れるのではなく基板と垂直(厳密に垂直である
必要はない)な方向に流れる。つまり、素子を並列に接
続した時、ソース/ドレイン及びゲートの各電極の配線
が基板表面上で交差することがない。
【0012】また、ソース電極とドレイン電極が同一平
面上に配置されるのでなく、一方が他方の上に配置され
ているわけであるから、それだけ1素子あたりの面積を
小さくすることができ、単位面積あたりの素子数を増す
ことが可能である。
【0013】加えて、本発明の超電導三端子素子は、ソ
ース電極とドレイン電極の積層体に、穴をあける工程を
行なうだけで、穴の数に対応した多数の素子が並列に接
続された構造が容易に実現される。
【0014】本発明において使用できる超電導材料とし
ては、Y1 Ba2 Cu37-x および、この複合酸化物
のYをHo,Er等のランタノイド元素で置換した組成
を有する複合酸化物、Tl2 Ba2 Ca1 Cu2x
Tl2 Ba2 Ca2 Cu310-y または、Bi2 Sr
2 Ca1 Cu2x ,Bi2 Sr2 Ca2 Cu310 -y
およびこれらの複合酸化物にPbを添加したもの、等
を例示することができる。
【0015】また、本発明の超電導三端子素子の基板材
料としては、SrTiO3 ,MgO等の耐熱性酸化物セ
ラミックス単結晶基板や半導体基板を例示できる。前者
のような基板材料を用いる場合は、ソース/ドレイン電
極を構成する超電導体層のうち下側の超電導体層を基板
上に直接成膜してよいが、Si,GaAs等の半導体基
板を用いる場合は、下側の超電導体層と基板との間に適
当なバッファー層を挿入しても良い。本発明において
は、下側の超電導体層より基板側の構造(基板材料、バ
ッファー層の有無等)については、なんら限定されるも
のではない。
【0016】本発明において、ソース/ドレイン電極の
積層体に設ける穴の形は、円錐型でもV字型でも良く、
溝のような細長い開口をもつものも含まれる。穴の大き
さは、単位面積あたりに必要な電流容量を確保するに足
る数の穴を設けるに支障のない程度の大きさで、穴内面
に超電導体層(チャンネル領域)、ゲート絶縁層、ゲー
ト電極を成膜する際に、蒸発材料が穴内壁と穴の底部に
回り込める程度に小さくない大きさが望ましい。
【0017】さらに、穴の内壁は、上側の超電導体層が
露出する穴のエッジ部(開口周縁)の成膜を確実に行な
い、かつ、必要なチャンネル長を確保するという理由か
ら、基板表面に対してゆるやかな傾斜を持つことが好ま
しい。
【0018】特に、(110)SrTiO3 等の単結晶
基板上に、ヘテロエピタキシャルに積層体が形成されて
いる場合において、V字型の穴を基板方位にあわせ、か
つ、基板表面と穴の内壁が45°の傾斜を持つように設
けると、穴内面が(100)方位となり、この穴内面上
にチャンネル領域としての超電導層をC軸配向で成膜す
ることができる。このことは、異方性の強い酸化物超電
導体において、臨界電流密度の大きいC面をチャンネル
領域に用いることができるという点で、特に望ましい。
【0019】
【実施例】実施例:1 以下、本発明の実施例を図1を用いて説明する。図1に
おいて、SrTiO3 単結晶基板1上には、下からドレ
イン電極としての酸化物超電導体層(酸化物超電導体ド
レイン電極2b)、層間絶縁層3、ソース電極としての
酸化物超電導体層(酸化物超電導体ソース電極2a)が
積層されている。このソース/ドレイン電極を構成する
積層体には、下層の酸化物超電導体ドレイン電極2bに
至るV字断面形状の穴(溝)が設けられている。そし
て、穴内の傾斜面及び底面にはチャンネル領域を構成す
る酸化物超電導体層4が形成されている。この酸化物超
電導体層4の酸化物超電導体ソース電極2aから酸化物
超電導体ドレイン電極2bに至る領域が、酸化物超電導
体チャンネル領域4aを構成し、酸化物超電導体層4上
にはゲート絶縁層5を介してゲート電極6が積層されて
いる。かかる構造の超電導体三端子素子では、ゲート電
極6に印加する電圧を制御することにより、チャンネル
領域4aを通ってソース電極2aからドレイン電極に流
れる超電導電流(図中矢印Aで示す)が制御される(詳
細後述)。
【0020】次に、図1の超電導三端子素子の製造方法
について説明する。本実施例では、まず、SrTiO3
単結晶基板1の(110)面を成膜面として、RFスパ
ッタリング法により酸化物超電導体ドレイン電極2bと
して膜厚4000Åの超電導体層を成膜した。スパッタ
リングのターゲットとしては、Y1 Ba2 Cu37- x
の組成をもつ焼結済みの酸化物を用いた。成膜条件は、
基板温度700℃,成膜速度1Å/sec,RF電力1
50Wのとし、成膜中は、Ar/O2 =10SCCM/
10SCCMのガス流量により、スパッタ装置内を40
0mTorrの圧力に保った。得られたY1 Ba2 Cu
37-x 薄膜は、通常の4端子法測定によると、臨界温
度Tc=89K,臨界電流密度Jc=5×105 A/c
2 の良質な酸化物高温超電導体薄膜であることが確認
された。
【0021】上記のようにして酸化物超電導体ドレイン
電極2bを形成した後、この酸化物超電導体ドレイン電
極2b上に層間絶縁層3を形成した。成膜条件は、酸化
物超電導体ドレイン電極2bの場合と同じとし、SrT
iO3 の焼結ターゲットを用いた。このようして酸化物
超電導体ドレイン電極2b上に、8000Åの厚さのS
rTiO3 薄膜を成膜し、層間絶縁層3とした。
【0022】続いて、層間絶縁層3の上に、酸化物超電
導体ソース電極2aとしての超電導体層を4000Åの
厚さに成膜した。この時の成膜条件は、第1層目の酸化
物超電導体ドレイン電極2bの時と同じである。
【0023】次に、積層体(酸化物超電導体ソース電極
2a,層間絶縁層3,酸化物超電導体ドレイン電極2
b)の所定の領域について、下層の酸化物超電導体ドレ
イン電極2bが露出するまで、SF6 ガスによるRIB
E(Reactive Ion Beam Etching) 法によってドライエッ
チングし、穴を設けた。この時、イオンビームを基板1
に対して45°傾斜させて照射することにより、内壁面
が基板1に対して45°傾いたV字型断面形状の穴とし
た。
【0024】しかる後、V字型断面形状の穴内面(傾斜
面及び底面)に、厚さ50ÅのY1Ba2 Cu37-x
薄膜(酸化物超電導体層4)を成膜して、酸化物超電導
体チャネル領域4aを形成した。更に、酸化物超電導体
層4上に、ゲート絶縁層5としてのSrTiO3 薄膜
(膜厚100Å)、ゲート電極6としてのAg薄膜を順
次積層した。なお、Y1 Ba2 Cu37-x 薄膜作製前
に、前処理としてArイオンビーム(0.5kV)エッ
チングと熱処理(700℃)をスパッタリング装置内で
行なった。酸化物超電導体層4及びゲート絶縁層5の成
膜条件は、ソース/ドレイン電極積層体を作製した時と
同様である。
【0025】最後に、ソース/ドレイン電極と外部装置
の接続のためのAu電極(図示せず)を設けるために、
一部の領域で上層の酸化物超電導体ソース電極2aが露
出するまで、また別の一部の領域で下層の酸化物超電導
体ドレイン電極2bが露出するまで、SF6 ガスを用い
たRIBE法によってドライエッチングを2回行ない、
露出した超電導層上にそれぞれAuを蒸着した。この外
部接続用のAu電極の形成工程は周知の手法によって行
なった。
【0026】上記のようにして作製した超電導三端子素
子について、液体窒素により77Kに冷却して、トラン
ジスタ特性を測定した。結果を図2に示す。図2では、
ソース/ドレイン電圧VSD(mV)とドレイン電流ID
(A/cm)との関係が、ゲート電圧VG をパラメータ
として示されている。図2から明らかなように、ゲート
電圧VG がゼロのときドレイン電流ID は最大であり、
ゲート電圧VG が負の値で大きくなるとドレイン電流I
D が減少しており、スイッチング特性の得られることが
わかる。
【0027】なお、上記の実施例においては、超導電体
としてYBaCuO系のものを用いたが、BiSrCa
CuO系の超電導体を用いても、実施例と同様のスイッ
チング特性が得られる。
【0028】基板1としては、SrTiO3 基板のほ
か、MgO基板、LaAlO3 基板などを採用すること
ができる。また、Si基板やGaAs基板などの半導体
基板を用いる時は、MgAl24からなるバッファ層
を用いて、その上に直接、あるいはSrTiO3 等の格
子整合層をもう1層挿入して、超電導体層を形成するこ
とにより、実施例1と同様の特性が得られる。
【0029】ゲート絶縁層5としても、SrTiO3
他に、誘電率が大きく、高耐圧のZrO2 ,MgAl2
4 などを採用することができる。
【0030】また、図1の構成では、積層体の上側にソ
ース電極が、下側にドレイン電極が配置されているが、
上側をドレイン電極、下側をソース電極としても良いこ
とは言うまでもない。
【0031】実施例:2 次に、多素子を並列に接続した実施例について図3,図
4を参照して説明する。図3において、基板1上には、
実施例1と同様に酸化物超電導体ドレイン電極2b,層
間絶縁層3,酸化物超電導体ソース電極2aが積層され
ており、この積層体上には、ゲート電極6(後述)と上
層の酸化物超電導体ソース電極2aの絶縁を確保するこ
とを目的として、SrTiO3 薄膜(2000Å)から
なる第2層間絶縁層3aが形成されている。
【0032】本実施例では、この第2層間絶縁層3aを
含む4層の積層体に、最下層の酸化物超電導体ドレイン
電極2bに至る円錐形の穴が3×3個(詳細後述,図3
では3個の穴の断面を示す)設けられている。
【0033】そして、各穴の内面及び第2層間絶縁層3
a表面には、酸化物超電導体層4が形成されている。こ
の酸化物超電導体層4のうち、穴傾斜面の酸化物超電導
体ソース電極2aから酸化物超電導体ドレイン電極2b
の間の領域がチャンネル領域4aとして働く。更に、酸
化物超電導体層4上にはゲート絶縁層5及びゲート電極
6が設けられている。
【0034】図3の構成では、各穴毎に形成された超電
導三端子素子が10a,10b,10cの各電極が積層
構造となっていて、ソース電極同志,ドレイン電極同
志,ゲート電極同志はそれぞれ同一の薄膜で構成されて
いるので、別途配線を設けることなく並列接続が実現さ
れ、ドレイン電流は、基板1の紙面左端に設けられたソ
ースAu電極8と紙面右端に設けられたドレインAu電
極9間に流れる。このドレイン電流は、ゲート電極6に
印加する電圧によって制御される。
【0035】次に、図3の超電導三端子の製造方法につ
いて説明する。まず、実施例1と同様の成膜条件で酸化
物超電導体ドレイン電極2a,層間絶縁層3,酸化物超
電導体ソース電極2bを成膜し、更に、酸化物超電導体
ソース電極2a上に第2層間絶縁層3aを積層した。こ
の第2層間絶縁層3aの成膜条件は、ソース/ドレイン
電極2a,2b間の層間絶縁層3と同一である。
【0036】こうして得られた4層積層体の所定の領域
を、下層の酸化物超電導体ドレイン電極2bが露出する
まで、SF6 ガスによるRIBE(Reactive Ion Beam E
tching) 法を用いてドライエッチングすることにより、
図4に示されるように3行3列、計9ケの穴を開けた。
この時、イオンビームを基板1に対して45℃傾斜させ
て照射し、かつ基板を回転させることにより、内壁面が
45°傾いた円錐型の穴7を9ケ同時に作製した。
【0037】次いで、実施例1と同様の工程で、穴7内
面及び第2層間絶縁膜3a表面上にチャンネル領域4a
を構成する酸化物超電導体層4を設け、更に酸化物超電
導体層4上にゲート絶縁層5及びゲート電極6を積層し
た。最後に、基板1端部において酸化物超電導体ソース
電極2a及び酸化物超電導体ドレイン電極2bの一部を
露出させ、それぞれAu電極8,9を設け、多素子が並
列に接続された超電導三端子素子(図3)を完成した。
【0038】上記のようにして製造された図3の超電導
三端子素子について、液体窒素により77Kに冷却し
て、トランジスタ特性を測定した。その結果、実施例1
と同じゲート電圧3Vで、完全に超電導電流をOFFす
ることができた。また、ゲート電圧ゼロVの時、超電導
電流としての最大ドレイン電流は、実施例1では0.5
Aであったが、実施例2では4Aであった。即ち、図3
のような多素子並列接続により大容量化が達成できるこ
とが確認できた。
【0039】
【発明の効果】以上のように、本発明による多数キャリ
ア制御の電界効果型超電導三端子素子は、ソース電極と
ドレイン電極が積層され、チャンネル領域が基板表面に
対して交差する方向に形成されているため、1つの素子
の面積を小さくでき、単位面積に配置できる素子の数を
従来に比べて大幅に増加させることが可能である。ま
た、本発明の超電導体三端子素子は、ソース/ドレイン
電極の積層体に穴を設けるだけで穴の数に対応する数の
多素子を同時に作製でき、複雑な配線を設けることなく
多素子の並列接続が容易に実現される。本発明の超電導
体三端子素子は、大容量の電流を高速かつ低損失で制御
できる電流スイッチング用素子として好適に用いられ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施例による超電導三端子素子の構
造を示す断面図である。
【図2】図1の超電導体三端子素子のトランジスタ特性
の測定結果を示すグラフである。
【図3】本発明第2実施例による超電導三端子素子の構
造を示す断面図である。
【図4】図3の超電導三端子素子の製造工程を説明する
ための斜視図である。
【図5】従来の超電導三端子素子の構造を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1 基板 2a 酸化物超電導体ソース電極 2b 酸化物超電導体ドレイン電極 3 層間絶縁層 3a 第2層間絶縁層 4 酸化物超電導体層 4a チャンネル領域 5 ゲート絶縁層 6 ゲート電極 8,9 Au電極

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に積層された一対の酸化物超電導
    体層からなる酸化物超電導体ソース/ドレイン電極と、
    該酸化物超電導体ソース/ドレイン電極間に積層された
    層間絶縁層と、前記酸化物超電導体ソース/ドレイン電
    極を貫通するか又は下側の酸化物超電導体層に至るよう
    に設けられた穴と、該穴内面に露出した前記酸化物超電
    導体ソース/ドレイン電極と接続するように前記穴内面
    に沿って設けられた酸化物超電導体層からなる酸化物超
    電導体チャンネル領域と、該酸化物超電導体チャンネル
    領域上にゲート絶縁層を介して形成されたゲート電極と
    を備え、前記穴内面は、基板に対し傾斜していること
    特徴とする超電導三端子素子。
  2. 【請求項2】 前記穴内面の基板に対する傾斜角度は、
    45°であることを特徴とする請求項1に記載の超電導
    三端子素子。
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