JP2582854Y2 - 自動変速機の動力伝達装置 - Google Patents

自動変速機の動力伝達装置

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JP2582854Y2
JP2582854Y2 JP7832291U JP7832291U JP2582854Y2 JP 2582854 Y2 JP2582854 Y2 JP 2582854Y2 JP 7832291 U JP7832291 U JP 7832291U JP 7832291 U JP7832291 U JP 7832291U JP 2582854 Y2 JP2582854 Y2 JP 2582854Y2
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訓 河野
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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    • F16H45/02Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches with mechanical clutches for bridging a fluid gearing of the hydrokinetic type
    • F16H2045/0221Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches with mechanical clutches for bridging a fluid gearing of the hydrokinetic type with damping means
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    • F16H2045/0231Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches with mechanical clutches for bridging a fluid gearing of the hydrokinetic type with damping means comprising two or more vibration dampers arranged in series
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案はエンジンから自動変速機
に動力を伝達するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車に搭載される自動変速機
は、エンジンのクランクシャフトとトルクコンバータの
コンバータハウジングとを動力伝達装置としてのトーシ
ョンダンパで連結し、エンジン側のトルク変動に伴う衝
撃力をトーションダンパで吸収して、エンジンからトル
クコンバータに円滑にトルク伝達が行われるように工夫
されている。その結果、流体伝動装置を介することなく
直接トルク伝達する場合(直結クラッチ作動時)におい
ても、エンジン側の動力が出力軸側へ円滑に伝達される
(例えば実開昭60−28650号公報参照)。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】このようなトーション
ダンパは、クランクシャフトに固定される入力部材と、
コンバータハウジングに固定される出力部材と、これら
両者を回動方向に弾性的に連繋する圧縮ばね部材とで構
成しているが、圧縮ばね部材のセット時におけるばね荷
重(初期セット荷重)について何等考慮されておらず、
図4に示すような捩り剛性特性を示す。そのため、エン
ジンの回転数がアイドル回転数以下の所定値において存
在するエンジン−トーションダンパ−トルクコンバータ
系(動力伝達系)の捩り振動の共振点を通過する際に、
圧縮ばね部材が入力部材及び出力部材に対してがたつき
を生じ、圧縮ばね部材と入力部材及び出力部材との衝突
打音(異音)が生じるという問題があった。
【0004】本考案はこのような従来技術の問題点を解
消することを目的として案出されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち本考案は、入力部材
と出力部材とを所定角度相対回動できるように組み付け
ると共に、両者を複数の圧縮ばね部材で回動方向に弾性
的に連繋し、入力部材をクランクシャフトに固定する一
方、出力部材を直結クラッチが内蔵されたトルクコンバ
ータのコンバータハウジングに固定してなる自動変速機
の動力伝達装置であって、前記ばね部材を所定量押し縮
めた状態で入力部材と出力部材との間に介装し、直結ク
ラッチ作動時の入力トルクよりも僅かに小さな入力トル
クで入力部材と出力部材の相対回動を許容し始めるよう
にしたことを特徴としている。
【0006】
【作用】入力トルクが所定値に達しない場合、圧縮ばね
部材は変形しないため、入力部材,出力部材及びコンバ
ータハウジングがクランクシャフトとともに回動する。
【0007】入力トルクが所定値以上になると、圧縮ば
ね部材が入力部材と出力部材とにより押し縮められ、入
力部材と出力部材とが相対回動し、圧縮ばね部材が回転
変動に伴う衝撃を吸収する。
【0008】
【実施例】以下本考案の実施例を図面に基づき詳述す
る。
【0009】図1〜図2において1はクランクシャフト
であり、このクランクシャフト1の軸端には入力部材と
してのドライブプレート2aをレインフォースプレート
3とともにボルト4で固定してある。そして、ドライブ
プレート2aにはストップピン5でもう一方のドライブ
プレート2bを所定の間隔をもって固定すると共に、ド
ライブプレート2aの外周端には図外のスタータモータ
のピンオンギヤに噛合するリングギヤ6を溶接してあ
る。
【0010】7は出力部材であり、この出力部材7の内
周端部7aをレインフォースプレート3に係合したベア
リング8に外嵌し、そのプレート部7bを一対のドライ
ブプレート2a,2bの間に相対回動できるように収容
してある。そして、出力部材7の外周側に形成した周方
向に長いストッパ穴9をストップピン5に所定の隙間を
もって係合してある。尚、出力部材7のストッパ穴9と
ストップピン5とでストッパ機構10を構成してあり、
このストッパ機構10でドライブプレート2a,2bと
出力部材7の相対回動角度を所定角度に規制している。
【0011】そして、出力部材7の外周側の周方向複数
箇所をコンバータハウジング11の取付部12にボルト
13で固定してある。尚、コンバータハウジング11の
取付部12とボルト13は、ドライブプレート2a,2
bと出力部材7の相対回動を妨げないように、ドライブ
プレート2a,2bに形成した周方向溝14a,14b
に隙間をもって係合させてある。
【0012】15は圧縮ばね部材である。この圧縮ばね
部材15は、ドライブプレート2a,2b及び出力部材
7の相対応する位置に複数形成した窓16a,16b,
17内に遊動子18のアーム18aを介して所定量押し
縮めた状態で一対収容してある。従って、この圧縮ばね
部材15は、ドライブプレート2a,2b及び出力部材
7に対してがたつきを生ずることがなく、ドライブプレ
ート2a,2bと出力部材7とを回動方向に弾性的に連
繋している。
【0013】遊動子18は、環状の基部18b及びこの
基部18bから半径方向外方へ突出する複数のアーム1
8aとからなり、基部18bを出力部材7とドライブプ
レート2bとの間に相対回動できるように収容してあ
る。尚、出力部材7と遊動子18の間及び遊動子18と
ドライブプレート2bの間には低摩擦係数の材料(例え
ば四ふっ化エチレン樹脂等)で形成したプレート19を
介装してある。従って、遊動子18はドライブプレート
2b及び出力部材7に対して円滑に回動することとな
り、前記した一対の圧縮ばね部材15,15は遊動子1
8のアーム18aを介して直列に作用する。
【0014】20はフリクションプレートであり、この
フリクションプレート20はドライブプレート2aと出
力部材7との間に介装してある。従って、このフリクシ
ョンプレート20は、ドライブプレート2aと出力部材
7とが相対回動した際に摩擦力(振動減衰抵抗)を発生
する。尚、このフリクションプレート20は、前記プレ
ート19,19と協働してドライブプレート2a,2b
及び出力部材7の軸方向のがたつきを防止する機能をも
有している。
【0015】21は出力軸22にスプライン嵌合させた
タービンハブであり、このタービンハブ21のフランジ
部21aにはタービン・ランナ23を固定し、ボス部2
1bには直結クラッチ(ピストン)24をスライドでき
るように嵌合してある。直結クラッチ24は、その背面
に形成した複数の爪25をタービンハブ21のフランジ
部21aの外周端に形成した溝26に係合してあるた
め、タービンハブ21とともに回動する。そして、この
直結クラッチ24は、車両速度が所定速度以上となり、
直結クラッチ24の背面側の油圧力P1が直結クラッチ
24の正面側の油圧力P2よりも大きくなると、図1中
左側方向へスライドしてコンバータハウジング11の内
側壁11aに接合する(ロックアップする)。
【0016】尚、タービン・ランナ23,ポンプ・イン
ペラ27及びステータ28により流体継手29を構成し
ている。
【0017】以上の実施例構造によれば、車両速度が低
速であって直結クラッチ24が作動しない場合には、動
力伝達装置Aに入力される捩りトルクが小さい(図3の
0以下である)ため、圧縮ばね部材15は変形せず、
ドライブプレート2a,2bと出力部材7とが一体回動
する。この結果、クランクシャフト1を介して動力伝達
装置Aに伝達されたエンジンの回動力は、流体継手29
を介してタービンハブ21及び出力軸22に伝達され
る。
【0018】この際、エンジン回転数がアイドル回転数
以下の所定値となり、エンジン回転数がエンジン(図示
せず)−動力伝達装置A−トルクコンバータB系(動力
伝達系)の捩り振動共振点を通過する場合でも、圧縮ば
ね部材15を所定量押し縮めた状態でドライブプレート
2a,2b及び出力部材7の窓16a,16b,17に
収容してあるため、圧縮ばね部材15がドライブプレー
ト2a,2bや出力部材7等に衝突することがなく、圧
縮ばね部材15が衝突打音等の異音を発生することがな
い。
【0019】車両速度が増加し、動力伝達装置に直結ク
ラッチ24作動時の捩りトルク(T1)よりも僅かに小
さな捩りトルク(T0)が入力されると、圧縮ばね部材
15は、ドライブプレート2a,2bと出力部材7とに
より押し縮められ、ドライブプレート2a,2bと出力
部材7との相対回動を許容し、回転変動に伴う衝撃を吸
収する。又、フリクションプレート20は、摩擦力を発
生して動力伝達系に生じる捩り振動を減衰する。この結
果、クランクシャフト1を介して動力伝達装置Aに伝達
されたエンジンの回動力は、流体継手29及びタービン
ハブ21を介して出力軸22に円滑に伝達される。
【0020】車両速度が所定速度以上になり、直結クラ
ッチ24が作動してロックアップすると、クランクシャ
フト1を介して動力伝達されたエンジンの回動力は、直
結クラッチ24及びタービンハブ21を介して出力軸2
2に円滑に伝達される。この際、動力伝達装置Aの捩り
剛性は、図3に示すように小さいため(K1;K1
2)、車室内のこもり音等の異音発生を効果的に防止
できる。尚、図3においてT2はエンジンから動力伝達
装置Aに伝達される最大捩りトルク値である。又、図3
に示す捩り剛性K2の部分は、動力伝達装置Aに過負荷
が作用した場合でも、十分に回転変動を吸収することが
できるように、安全率を考慮して定められた部分であ
る。
【0021】
【考案の効果】以上の説明から明らかなように本考案
は、圧縮ばね部材を所定量押し縮めた状態で入力部材と
出力部材との間に介装してがたつきを防止し、直結クラ
ッチ作動時の入力トルクよりも僅かに小さな入力トルク
で入力部材と出力部材の相対回動を許容し始めるように
してあるため、エンジン回転数がアルドル回転数以下に
存在する動力伝達系の捩り振動の共振点を通過する際
に、圧縮ばね部材が入力部材や出力部材に衝突すること
がなく、圧縮ばね部材が衝突打音等の異音を発生するの
を防止することができると共に、直結クラッチ作動時に
は、圧縮ばね部材が緩衝機能を発揮してこもり音の発生
を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例を示す自動変速機の動力伝達装
置の断面図。
【図2】コンバータハウジングを省略すると共に右半分
を省略し、一部を切り欠いて示す動力伝達装置の正面
図。
【図3】本考案の動力伝達装置の捩りトルク特性図。
【図4】従来の動力伝達装置の捩りトルク特性図。
【符号の説明】
A…動力伝達装置、B…トルクコンバータ、1…クラン
クシャフト、2a…入力部材(ドライブプレート)、7
…出力部材、11…コンバータハウジング、15…圧縮
ばね部材、24…直結クラッチ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−66360(JP,A) 特開 昭62−204053(JP,A) 実開 平3−86230(JP,U) 実公 昭45−31951(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 41/24 F16H 45/02 F16F 15/12

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力部材と出力部材とを所定角度相対回
    動できるように組み付けると共に、両者を複数の圧縮ば
    ね部材で回動方向に弾性的に連繋し、入力部材をクラン
    クシャフトに固定する一方、出力部材を直結クラッチが
    内蔵されたトルクコンバータのコンバータハウジングに
    固定してなる自動変速機の動力伝達装置において、前記
    圧縮ばね部材を所定量押し縮めた状態で入力部材と出力
    部材との間に介装し、直結クラッチ作動時の入力トルク
    よりも僅かに小さな入力トルクで入力部材と出力部材の
    相対回動を許容し始めるようにしたことを特徴とする自
    動変速機の動力伝達装置。
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