JP2582299Y2 - 直貼り用床材 - Google Patents

直貼り用床材

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JP2582299Y2
JP2582299Y2 JP1990089895U JP8989590U JP2582299Y2 JP 2582299 Y2 JP2582299 Y2 JP 2582299Y2 JP 1990089895 U JP1990089895 U JP 1990089895U JP 8989590 U JP8989590 U JP 8989590U JP 2582299 Y2 JP2582299 Y2 JP 2582299Y2
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芳明 花本
五郎 山本
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朝日ウッドテック 株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、コンクリートスラブ面やモルタル面、あ
るいは合板下地面上に、接着剤を用いて直接床材を貼る
直貼り工法用の床材に関する。
従来の技術 木質床材は一般に、ベニヤコア合板の表面に化粧単板
を貼着したものであるが、直貼り用床材の場合、コンク
リートスラブ面上等に接着剤を用いて直接貼るものであ
ることから、腰が柔らかいものであること、そしてま
た、下地面に対して良好な馴染み性を有するものである
ことが求められる。
このような要請のため、従来、直貼り用床材にあって
は、第4図に構成図として示すように、表面に化粧単板
(12)を貼着する台板(11)下面側に、その幅方向に平
行状に複数条の鋸溝(13a)(13b)をつけ、これによっ
て全体に腰の柔らかいものとする一方、下面に発泡合成
樹脂シート等よりなる緩衝材(14)を貼着して、下地面
に対する馴染み性を向上したものが知られている(例え
ば実開昭62−173439号)。
考案が解決しようとする課題 しかしながら、従来品においては十分に腰の柔らかい
ものとするときは強度の不足を招き、取扱い時に折損す
るおそれが大きいものとなり、逆に強度を上げると腰の
柔軟さが不足するものとなるというジレンマがあった。
また、表面の化粧単板に、台板側から誘起されるヒワレ
を発生し易いというような問題点もあった。
このような問題点は、次のような理由から派生してい
るものである。
即ち、台板(11)は最も一般的にはコア層(11a)の
両面にクロスバンド層(11b)(11b)とフェース層(11
c)(11c)とを順次繊維方向を直交させて積層し、フェ
ース層(11c)の繊維方向を台板(11)の長さ方向に配
置した5プライ合板が用いられている。而して、裏面の
溝を符号(13a)で示すそれのように、下面側のフェー
ス層(11c)とクロスバンド層(11b)との2層目までの
深さに形成したものとするときは、台板(1)において
長さ方向の曲げ強度を支える層が表面側のフェース層
(11c)とコア層(11a)との2層で構成されることにな
り、それらの各層が上下両面に存在することゝ相俟っ
て、結果的に台板(11)自体の曲げ強度が相当強いもの
となり、腰の柔らかさが不十分なものとなる。一方、上
記溝を符号(13b)で示すようにコア層(11a)に達する
一層深いものとして形成するときは、長さ方向の曲げ強
度を支える層が実質的に表面側のフェース層(11c)の
みとなるため、充分に腰の柔らかいものとなしうる反
面、溝(13b)の部分において強度が不足し、台板(1
1)が取扱い時において折損し易いものとなる。また、
台板(11)のフェース層(11c)と表面の化粧単板(1
2)との繊維方向がいずれも長さ方向に平行したものと
なるため、台板(11)側からの影響で化粧単板(12)に
ヒワレを発生し易いものとなる。
この考案は上記のような知見に基づき、従来の上記直
貼り用床材を更に改善し、十分な腰の柔らかさを保持し
つゝ、所要の曲げ強度をも保有したものとなすこと、ま
た台板側からくる表面のヒワレの発生を防止しうるもの
となすこと、そして更に有害な反りや歪を生じないもの
とすること、を目的とする。
課題を解決するための手段 上記の目的において、この考案は、5プライ以上のプ
ライ数を有する合板からなる台板のフェース層の繊維方
向が台板の幅方向に設定される一方、該台板の上面に化
粧単板がその繊維方向を上記フェース層の繊維方向と直
交させて貼着されると共に、上記台板の裏面に、幅方向
に平行状に、かつ上面側から2層とその下の第3層目の
一部を残存せしめる深さに複数本の溝が略等間隔に形成
され、更にこの溝を刻設した台板の裏面に緩衝材が貼着
一体化されてなることを特徴とする直貼り用床材を要旨
とする。
作用 台板の上部にフェース層とクロスバンド層とコア層の
一部との3層が、溝の切られていない層として残存す
る。しかもこの3層は、繊維方向を幅方向とした上下の
2層の中間に、繊維方向を長さ方向とした1層が介在し
たものとなる。このため、台板の曲げ強度を支える層が
クロスバンド層の1層のみで、十分な腰の柔らかさ、フ
レキシブル性を帯有するものとなる一方、該層が前記2
層の中間に位置することゝ、溝の切られていない層と溝
が長さ方向に貫通していない層とが合計3層存在するこ
とで、長さ方向に必要かつ十分な曲げ強度が保有され
る。また、表面の化粧単板と台板のフェース層との繊維
方向が直交していることで、台板側から化粧単板にヒワ
レを誘発するのが防止される。
実施例 第1図および第2図に示すこの考案に係る直貼り用床
材(A)は、5プライの合板を台板(1)とし、その表
面に化粧単板(2)が貼着され、台板(1)の裏面には
幅方向に平行状に複数条の溝(3)が形成されると共
に、周側面には本実接合形式による接合用凸部(5a)と
対応凹部(5b)が形成され、更に同裏面の全面に緩衝材
(4)が貼着された基本構成を有する。
台板(1)を構成する合板は、中心のコア層(1a)と
その両面に積層されたクロスバンド層(1b)(1b)及び
フェース層(1c)(1c)を有する5プライ合板であり、
フェース層(1c)(1c)及びコア層(1a)の繊維方向が
幅方向に配設され、クロスバンド層(1b)(1b)の繊維
方向が上記と直交して長さ方向に配設されたものとなさ
れている。この台板(1)用合板は5プライに限定され
るものではないが、それ以上のプライ数を有するもので
あることは必要である。また、その厚さは9〜15mm程度
のものが一般に好適使用される。
化粧単板(2)は、長さ0.2〜3.0mmの範囲において適
宜厚みのものを使用しうるが、一般的には0.7〜1.5mm程
度のツキ板が用いられる。
台板(1)の裏面に形成される溝(3)は、台板
(1)にフレキシブル性を付与し、かつその反りの発生
を防止するのに有効に作用するものであり、台板(1)
の幅方向に平行に、30〜50mm程度の間隔で、2〜4mm程
度の幅を有する鋸溝として形成されるものである。該溝
(3)の深さの設定は特に重要である。この深さの実際
の寸法は台板(1)の構成、厚さとの関係で異なるが、
台板(1)の上面側のフェース層(1c)とクロスバンド
層(1b)とコア層(1a)の厚さ方向の一部を残存せしめ
るものとして形成されなければならない。つまり、上面
側から2層と第3層目の一部を残存せしめる深さに形成
されなければならない。即ち、下面側からいえば、フェ
ース層(1c)とクロスバンド層(1b)を貫通し、かつコ
ア層(1a)の下面からその厚さの中間部までの深さに形
成されなければならない。これが上記範囲をこえて深す
ぎると、台板(1)の曲げ強度不足を招き、また溝が表
面から透けて見えるおそれが生じる。逆に浅すぎるとき
は、床材に十分な腰の柔らかさ、フレキシブル性を付与
することができない。
台板(1)の裏面に貼着する緩衝材(4)は、無機質
充填材を配合したポリエチレン発泡体等の合成樹脂発泡
体シートで厚さ2.0〜5.0mm程度のものが好適に用いられ
る。その他有機あるいは無機の繊維質の緩衝材を用いる
ものとしても良い。
上記床材(A)の製造は、第3図(イ)〜(ニ)に工
程順に示すように、合板台板(1)に化粧単板(2)を
貼着したのち、台板(1)の裏面に溝(3)の切削加工
を行い、然るのち裏面に緩衝材(4)を貼着し、そして
最後に周側面に接合部を形成加工し、更に表面を塗装仕
上げすることによって行われる。こゝに、台板(1)に
緩衝材(4)を貼ったのちに溝(3)の切削加工を行う
と、床材(A)に施工上有害な谷反りを発生させるおそ
れがあるため好ましくない。即ち、溝(3)を形成した
のちに緩衝材(4)を貼着することにより、接着剤の水
分で台板(1)の下面部が吸水膨脹することがあって
も、溝(3)によって膨脹による応力が吸収緩和される
ため、床材(A)の全体に有害な谷反りの傾向を生じる
のを防止しうる。
この考案の好適な具体的実施態様の一例を示せば次の
とおりである。
台板(1)として、ラワン材による厚さ12mmの直交5
プライ合板であって、表面のフェース層の繊維方向を幅
方向に配設したものを用いた。そして、これの表面に直
交貼りの態様に厚さ1.0mmの乾燥ナラ材による化粧単板
(2)を貼着し、次いで台板(1)の下面に、幅方向に
平行に、溝幅3.0mm、溝深さ6.0mmの溝(3)を50mmピッ
チに切削形成した。次いで、この溝付きの台板裏面に、
30倍発泡のポリエチレン系発泡体からなる厚さ3.0mmの
シート状緩衝材(4)を貼着し、最後に周側面に本実加
工を施し、かつ表面に着色塗装仕上げ加工を行って所期
する直貼り用床材(A)を得た。この床材(A)は、実
質的に反りがなく、しかも厚さの割には柔軟性に富み、
かつ取扱いに際して折損の不安のない必要かつ十分な曲
げ強度を有するものであった。
考案の効果 この考案に係る床材は、前記の作用の項で述べたよう
に、厚さの割には全体として腰が柔らかく、フレキシブ
ル性に富むものであるから、コンクリートスラブ面上等
に直貼り施工するに際し、釘を使用することなく接着剤
だけで十分に支障なく平らに施工することができる。従
って、施工能率が良く、かつ仕上りも良好なものとする
ことができる。かつまた腰が柔らかい割には、長さ方向
に必要かつ十分な曲げ強度を有するから、運搬あるいは
施工時の取扱いに際して溝部分からの折損を生じる危惧
が少なく、取扱いに慎重さが要求されない。更には、表
面の化粧単板の繊維方向に対し、台板のフェース層のそ
れが直交されていることにより、台板側から表面化粧単
板にヒワレが誘発される欠点がない。また、裏面に緩衝
材が貼着されているため、床下地面に多少の不陸があっ
てもこれを吸収し、前記のフレキシブル性とも相俟って
床表面を容易に平らに仕上げることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第3図はこの考案の実施例を示すものであ
って、第1図は一部拡大断面図、第2図は全体斜視図、
第3図(イ)〜(ニ)は製造工程を示す斜視図である。 第4図は従来品の構成を示す断面図である。 (A)…床材、(1)…台板、(1a)…コア層、(1b)
…クロスバンド層、(1c)…フェース層、(2)…化粧
単板、(3)…溝、(4)…緩衝材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実願 昭61−155078号(実開 昭63− 59944号)の願書に添付した明細書及び 図面の内容を撮影したマイクロフィルム (JP,U)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】5プライ以上のプライ数を有する合板から
    なる台板のフェース層の繊維方向が台板の幅方向に設定
    される一方、該台板の上面に化粧単板がその繊維方向を
    上記フェース層の繊維方向と直交させて貼着されると共
    に、 上記台板の裏面に、幅方向に平行状に、かつ上面側から
    2層とその下の第3層目の一部を残存せしめる深さに複
    数本の溝が略等間隔に形成され、 更にこの溝を刻設した台板の裏面に緩衝材が貼着一体化
    されてなることを特徴とする直貼り用床材。
JP1990089895U 1990-08-27 1990-08-27 直貼り用床材 Expired - Lifetime JP2582299Y2 (ja)

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