JPH0436352Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、モルタル、コンクリート、下地合
板等の上に直接接着剤にて貼り合わせる直貼用床
材に関する。

（従来の技術） 木質系床材では通常本実加工が施してあり、根
太の上で釘で固定する。しかし、店舗、RC住宅、
学校などの建築物の床には直接コンクリートやモ
ルタル面に、あるいは合板下地材面に接着剤で固
定する方法が執られており、前者を根太工法、後
者を直貼り工法という。

合板基材といえども片面に発泡プラスチツクフ
オームを貼着したり、塗装したりすると若干反り
や捩等の狂いが生じたりする。しかし、釘を用い
る根太工法では多少の狂いは簡単に矯正できる。
ところが、接着剤しか用いない直貼り工法では多
少の狂いでも平滑な施工が得難い。

実を付けたり、接着剤での貼り上げ施工後、完
全硬化するまで重しを載せたりする場合もある
が、部分荷重による重しでは不充分なことが多
い。

このため合板の強度を殺して平滑性を出そうと
して裏面に鋸溝を入れる方法が考案されたが、単
に鋸溝を入れただけでは、反りが上向きになつた
り、下向きになつたりして平滑な床仕上げ面を得
るには不充分であつた。

（考案が解決しようとする問題点） そこでこの考案は、合板の強度を殺し、施工前
の床材が水平又は僅かに下向きに反る状態になる
ようにし、施工後、平滑な床面を得ようとする直
貼用床材を提供するものである。

（問題点を解決するための手段） 以下、この考案の一実施例を図面に従つて説明
すると、表面には化粧単板１ａを、裏面には適宜
な複数本の鋸溝Ａを刻設し、更には裏面側に発泡
プラスチツクフオーム２を貼着した合板床板１を
設け、該床板１全体が僅かに下面に反るよう形成
したものより構成される。

（実施例） 表面と裏面に2.2mmのナラ単板を、内部に2.2mm
のカポール単板３枚を配置し、相互にその繊維方
向を直交させるよう合板方式に接着剤にて熱圧プ
レスした。これを幅90mm、長さ910mmにカツトす
ると共に、四周面に凹凸の実加工を施した。この
床材の裏面に幅１mmの鋸を用いて中心単板１ｂの
中心部に至る鋸溝を７本刻設し、更に裏面側に、
ポリエチレンに無機質を混入した２mm厚の発泡プ
ラスチツクフオームを貼着した。

床材と発泡プラスチツクフオームにはエチレン
−酢ビエマルジヨン樹脂接着剤を用いて冷圧接着
した。接着剤が完全硬化した後、床材は僅かに下
向きに反りを示した。

又、反りを確実にするために第４図に示すよう
に鋸溝の深さを中心部を深く、両端部を浅くした
り、第５図に示すように鋸溝の間隔を中心部を密
に両端部を粗にしてもよい。

溝の深さにおいて、５プライ合板の場合中心単
板１ｂ層を切り抜けると表面単板層しか強度保持
がなくなるので、取り扱いにも支障を起こすの
で、必ず中心単板１ｂ層内に留めることが重要で
ある。

又、溝の深さを余り浅くすると、強度が強す
ぎ、反りが強く残つて施工後床材が平滑に仕上が
らない。

（考案の効果） この考案によると、床材全体が僅かに下面に反
るため接着剤のみの施工をしても実の噛み合わせ
により平滑な床面を仕上げることが出来、極めて
有益なる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の一実施例を示す一部欠截
斜視図、第２図は、この考案の一実施例を示す正
面図、第３図、第４図、第５図は、それぞれこの
考案の実施例を示す正面図である。 １……合板床板、１ａ……化粧単板、１ｂ……
中心単板、２……発泡プラスチツクフオーム、Ａ
……鋸溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 表面には化粧単板１ａを、裏面には適宜な複数
   本の鋸溝Ａを刻設し、該溝の深さが合板床板１の
   中心単板１ｂの厚さ内か、あるいは、中心部を深
   く、両端部をそれより浅く刻設し、更には裏面側
   に発泡プラスチツクフオーム２を貼着した合成床
   板１を設け、該床板１全体が僅かに下面に反るよ
   う形成したことを特徴とする直貼用床材。