JP2579200Y2 - ラム強制戻し機構付き手動油圧式工具 - Google Patents

ラム強制戻し機構付き手動油圧式工具

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JP2579200Y2 JP1992024298U JP2429892U JP2579200Y2 JP 2579200 Y2 JP2579200 Y2 JP 2579200Y2 JP 1992024298 U JP1992024298 U JP 1992024298U JP 2429892 U JP2429892 U JP 2429892U JP 2579200 Y2 JP2579200 Y2 JP 2579200Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、刃またはダイス等から
なる固定子と可動子を備えて手動によるレバー操作で切
断または圧縮等を行える手動油圧工具に関する。
【0002】
【従来の技術】レバー操作で切断または圧縮作業を行う
手動油圧工具は、架空配電線工事における電線の切断や
接続作業において用いられている。例えば、圧縮工具の
場合、切断電線の接続は、チューブ形または断面C形の
スリーブ内で、切断電線の端末同士を突き合わせ、ある
いは中間裸線に分岐線の端末を添わせ、スリーブを圧縮
ないし圧着して相互を接続させるようにしている。
【0003】このような圧縮工具は、工具基体のプラン
ジャに接続する操作ハンドルを搖動操作して作動油を送
り、工具基体のシリンダ室に嵌入したラムを往動させ、
該ラムに取り付けた可動ダイスと工具ヘッド部に取り付
けた固定ダイスとの間で圧縮動作を行わせ、終了後、工
具に内設した戻しばねでラムを復動させるようにしてい
る。
【0004】しかし、前記した圧縮ないし圧着作業を行
った時、固定ダイスおよび可動ダイスがスリーブに喰い
込んで戻しばねの弾発付勢力のみではラムが復動しない
場合がある。このような場合、通常、スリーブ部分等を
ハンマー等で打撃して、その衝撃力でラムを復動させ、
スリーブを離している。このような現象は、ある特殊の
あるいは特定のコネクタと電線の組合せ圧縮時等におい
て生ずる稀な現象ではあるが、この種の工事は送配電線
路の活線作業が多く、高所で足場の悪い状況で行われる
ことから、非常に作業がし難く、体力を要し、また、危
険でもあった。
【0005】このため、ラムの強制戻し機構を付設した
手動油圧式工具も提案されている。例えば、特公昭58-2
8074号公報に開示されている手動油圧式工具は、ラムが
嵌入された主シリンダ室のほかにラム内にサブシリンダ
とサブピストンとを備え、スリーブの圧着時には操作ハ
ンドルによるプランジャのポンプ動作で主シリンダ室に
作動油を給送し、ダイスがスリーブに喰い込んだ時に、
切換えハンドルを回動して切換えバルブを切り換えた
後、再び操作ハンドルによるプランジャのポンプ動作を
行い、サブシリンダに給油してサブピストンを移動さ
せ、ラムを強制的に復動させるようにしている。
【0006】また、これに対して、本出願人もまた、先
に強制戻し機構付きの手動油圧式工具を提案している
(特願平2-157265号) 。図7に示すように、この手動油
圧式工具Bは、基体70に穿設されたシリンダ室71にラム
72を嵌入し、このラム72内にラム72を復動方向に付勢す
る戻しばね73を設け、この戻しばね73に係合するシャフ
ト74の基端にピストン75を形成し、このピストン75を前
記シリンダ室71の底部に設けた副シリンダ室76に往復動
可能に収装してある。
【0007】ラム戻し用の油圧回路としては、シリンダ
室71と図示しないオイルタンクとの間の油路77,78に切
換え弁79を介在させ、図示しない加圧ハンドルに付設し
たプッシュピン80で戻し軸81を押して切換え弁79を開弁
させ、戻しばね73の付勢力を利かせて通常戻しができる
ようにしてある。また、切換え弁79の上部に強制戻し用
油室82と強制戻し用ピストン83を設け、この強制戻し用
油室82と前記ピストン75の前部側に形成される油室84と
の間を油路85で結び、スリーブへの固定ダイス86と可動
ダイス87の喰い付きが生じた場合は、戻し軸81をさらに
押し進めることにより、戻し軸81に螺着したナット88で
強制戻し用ピストン83を押動し、回路内の作動油を前記
油室84に圧入してピストン75を復動させ、ラム72を強制
戻しさせることができるようにしてある。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
公昭58-28074号公報に開示のものは、切断や圧縮作業の
終了後、ラムの復動は、通常戻しと強制戻しの何れの場
合も、切替えハンドルで切換えバルブを切り換えた後、
再び操作ハンドルによるポンプ動作で行うようにしてい
る。例えば、スリーブの圧着は1つのスリーブについて
位置をずらして3個所以上について行われるもので、こ
のような作業で毎回行われる通常戻しにおいて切換えハ
ンドル操作と操作ハンドルのポンプ動作とを必要とする
等、この油圧式工具には取扱いに簡便性を欠く等の問題
がある。
【0009】図7の手動油圧式工具Bは、通常戻しは切
換え弁79を切換えるのみで戻しばね73でラム72を復動し
得、喰い付きの発生時のみ戻し軸81をさらに押圧してラ
ム72を強制復帰できるので、取扱いにおける簡便性が大
きい。しかし、ピストン75を復動させる十分な作動油を
油室84に一回の押動のみで圧入させるために、強制戻し
用油室82の径を大きくしなければならず、強制戻し用ピ
ストン83の押動のために大きい力を必要としているこ
と、また、この工具では、回路内での洩れ等、油損失の
ための作動油の補給を兼ねて補給油室89が設けられ、こ
の補給油室89には強制戻し用ピストン83の復動時、作動
油を加圧して強制戻し用油室82へ補給するための押圧機
構90を設けてあるので、ラム72の復動時に強制戻し用ピ
ストン83の急速な押動を行わないと回路内の作動油が油
室84と共に押圧機構90のばねを押して補給油室89の方に
圧入されることから、スリーブへのダイス等の喰い付き
力が大きい場合にはピストン従ってラムのスムーズな復
動が行われ難いという問題があった。
【0010】このような問題に鑑み、本考案は、切断や
圧縮等作業後の通常のラム戻し操作が簡便に行えると共
に、強い喰い付きを生じた場合においてもラム強制戻し
操作が、大きな力を必要とすることなく、確実且つ容易
にラムの強制戻しが行えるラム強制戻し機構付きの手動
油圧式工具の提供を課題とする。
【0011】
【課題を解決しようとする手段】前記の課題を解決する
ため本考案は、工具基体に形成したシリンダ室にラムを
嵌入し、該ラムを戻しばねで復動方向に付勢すると共
に、該ラムを加圧レバー操作によるプランジャのポンプ
動作でオイルタンクの作動油を前記シリンダ室に給送し
て往動させ、前記オイルタンクと前記シリンダ室間に設
けた油路を切換え弁によって開放して復動させることに
より、可動子を取り付けたラムを固定子に対して往復動
させる手動油圧式工具であって、前記ラム内にばね室を
形成して前記戻しばねを収装し、該戻しばねを復動方向
に圧縮可能に保持するシャフト基端部をピストンに形成
し、該ピストンを前記シリンダ室と同心に連接し且つ独
立して設けた径小の副シリンダ室に往復動可能に収装
し、該副シリンダ室と前記シリンダ室間を前記ピストン
に内設した油路で連通させると共に、前記ピストンの前
部側に構成される油室に加圧レバー操作でポンプ動作す
ることにより、前記オイルタンクの作動油を給送して前
記ピストンを強制復動させる前記ピストンより径小な
制戻しラムを設け、且つ、前記油室と前記オイルタンク
間に油路を形成して圧力調整弁を介設したことを特徴と
するラム強制戻し機構付き手動油圧式工具を提案するも
のである。
【0012】
【作用】加圧レバーを搖動操作してプランジャをポンプ
動作させると、オイルタンクから作動油がシリンダ室に
給送され、このシリンダ室に嵌入されたラム従ってこの
ラムに取り付けた可動子が往動して固定子との間で被加
工物圧縮等の作業を行う。次いで切換え弁の開放操作を
すれば、シリンダ室の作動油がばね室に収装した戻しば
ねの付勢力に押されてオイルタンクに戻り、ラムは復動
し、被加工物と離れる。
【0013】もし、可動子に喰い付きがあって前記戻し
ばねの付勢力のみではラムが復動しない場合、加圧レバ
ー操作により強制戻しラムのポンプ動作を行えば、オイ
ルタンクの作動油が副シリンダ室のピストン前部側油室
に給送されることによりピストンは強制的に復動され、
ラム従って可動子を容易に且つ確実に復動させることが
できる。また、油室とオイルタンク間に設けた圧力調整
弁はその設定値限度内の圧力でラムを復動させることが
でき、油室内に残留する作動油は、引続き行われるラム
の往動時にピストンに押されて高圧となり、前記圧力調
整弁を開弁してオイルタンクに戻ることになる。
【0014】
【実施例】図1は本考案の手動油圧式の圧縮工具の側断
面図、図2は図1の圧縮工具の主要部の拡大側断面図、
図3は図2のIII-III 線に沿う断面図、図4は図2のIV
−IV線に沿う断面図、図5は図1の圧縮工具におけるラ
ムボディの強制復動時の状況を示す説明図、図6は図1
の圧縮工具におけるラムボディの復帰状態を示す説明図
である。
【0015】図1において示すように、本圧縮工具A
は、本体部をなし、先端方向に開口するシリンダ室1を
形成し、またポンプ動作を行うプランジャ2を備えると
共に、油圧回路の切換え弁3と強制戻しラム4を付設し
た基体5と、該基体5の前記シリンダ室1内に摺動可能
に嵌入され、先端部に着脱可能に可動ダイス6を取り付
けたラムボディ7と、該ラムボディ7の先端部外周に螺
着され、前記可動ダイス6に対向して着脱可能に固定ダ
イス8を取り付けたヘッド9と、オイルタンク10を内装
し、前記基体5の基端部に取り付けられた固定ハンドル
11と、前記基体5に先端部を枢支させて搖動可能にした
加圧レバー12とからなり、該加圧レバー12を操作するこ
とにより、前記プランジャ2にポンプ動作させて前記ラ
ムボディ7を往動させ、前記切換え弁3に切換え動作さ
せて前記ラムボディ7を復動させ、また前記強制戻しラ
ム4にポンプ動作させることにより、前記ラムボディ7
を強制復動させ得るように構成されたものである。
【0016】図2に示すように、基体5の略中央部には
周面から中心方向に径大の低圧加圧室13と径小の高圧加
圧室14を段差をもって穿設してあり、この低圧加圧室13
と高圧加圧室14には、それぞれ対応した径大な低圧部2
aと径小の高圧部2bとからなるプランジャ2を摺動自
在に嵌入してある。
【0017】また、この低圧加圧室13は、その底部に穿
設した油路15を介して、図3に示すように逆止弁室16に
連通しており、この逆止弁室16は逆止弁17を開弁するこ
とにより油路18,19およびオイルストレーナ20を介して
オイルタンク10に連通するようにしており、また、逆止
弁室16は油路21と逆止弁22を介してシリンダ室1に連通
しており、さらに、この逆止弁室16は油路23と低圧規制
弁24を介してオイルタンク10に連通している。
【0018】径小の前記高圧加圧室14は、その底部に穿
設した油路25を経由して逆止弁室26に連通しており、こ
の逆止弁室26は、逆止弁27の開弁により油路18, 19およ
びオイルストレーナ20を介してオイルタンク10に連通す
るようにしてあり、また逆止弁28を介してシリンダ室1
にも連通するようにしてある。34はオイルゲージであ
る。
【0019】また、図2および図4に示すように、シリ
ンダ室1は所定値以上の高圧になるのを避けるため、油
路29と圧力規制弁30と油路31とを介してオイルタンク10
に連通するようにしてある。
【0020】シリンダ室1は、油路32と前記切換え弁3
と油路33とを介してオイルタンク10に連通させてある。
即ち、この切換え弁3は、その球弁を弾装したばねの付
勢力に抗して押圧することにより開弁してシリンダ室1
の作動油をオイルタンク10に返戻できるように構成さ
れ、切換え弁3を押圧するための開放軸35を付設し、こ
の開放軸35は頂部を基体5の外部に突出させ、後記する
ように、加圧レバー12で押圧できるようにしている。
【0021】基体5には前記シリンダ室1の基底部に径
小の副シリンダ室36を同心に形成してあり、この副シリ
ンダ室36にピストン37を収装し、この副シリンダ室36の
開口部には固定ねじ38を施して閉塞状態とし、固定ねじ
38とピストン37間には油室39が形成されるようにしてあ
る。ピストン37は一体にシャフト部40を備え、このシャ
フト部40を固定ねじ38の中心孔を貫通して先端方向に延
出させてある。
【0022】図1に示すように、シリンダ室1に嵌入さ
れたラムボディ7に基端方向に開口するばね室41を形成
してあり、その開口端にラムボディねじ42を螺着してあ
る。このラムボディねじ42は中心に前記シャフト部40が
滑動可能に中心孔を穿設してあり、この中心孔の周囲に
は複数の透過孔43を穿設し、前記ばね室41とシリンダ室
1を連通させてある。
【0023】このラムボディねじ42を貫通してばね室41
内に延出したシャフト部40には戻しばね44を周装し、そ
の先端には傘状にばね受け45を螺着し、戻しばね44をこ
のばね受け45とラムボディねじ42間に挟持した状態にし
てある。ばね受け45は、その軸部をシャフト部40より径
大に形成し、軸部底面がラムボディねじ42の上面に当接
できるようにしてある。なお、ピストン37の基端とシャ
フト部40の中間部周面との間には油路46を形成して副シ
リンダ室36とシリンダ室1とを連通させてある。
【0024】また、図2および図4に示したように、ピ
ストン37と固定ねじ38との間に形成した前記油室39は、
油路47と圧力調整弁48を経由して油路49によりオイルタ
ンク10に連通させてあり、また、前記油路47から分岐さ
せた油路50は逆止弁51を経由し、油路52および吸入弁53
を介してオイルタンク10に連通させてあり、逆止弁51と
吸入弁53との間の油路52には、ラム油室54を介在させ、
前記した強制戻しラム4を収装してある。この強制戻し
ラム4はラム油室54下部にばね55を弾装して上方に付勢
してあり、外部に突出するヘッドピン4aを繰り返し押
圧することによりポンプ動作が行えるようにしてある。
なお、このヘッドピン4aは隣り合う前記切換え弁3の
開放軸35よりも突出高さを小としてある。
【0025】図1において、基体5上には支柱56を突設
し、この支柱56にレバーヘッド57を枢支させ、このレバ
ーヘッド57に加圧レバー12を装着させてある。レバーヘ
ッド57は下部に係支軸58を植設して前記プランジャ2の
頭部に設けたコ字状の係支溝59と係合するようにしてあ
り、加圧レバー12を搖動操作することにより、前記プラ
ンジャ2が低圧加圧室13と高圧加圧室14内を滑動してポ
ンプ動作を行うようにしてある。
【0026】レバーヘッド57に装着した加圧レバー12の
先端部にはレバーヘッド57との間にばね60を掛止させて
あり、加圧レバー12を手動でその軸心を中心に回動し、
またばね60の付勢力で復帰できるようにしてある。な
お、加圧レバー12には所定角度だけ回動するように図示
しないストッパを施してある。そして、加圧レバー12の
先端部には2本のプッシュピン61, 62を並立する形に螺
着させてあり、この加圧レバー12を所定角度まで回動さ
せることにより、プッシュピン61が開放軸35位置に、プ
ッシュピン62がヘッドピン4a位置に合致し、この状態
で加圧レバー12を押し下げることにより、開放ピン35と
ヘッドピン4aを順次押圧できるようにしてある。
【0027】以上のように構成された本圧縮工具Aにつ
いて、電線を環装したスリーブの圧着作業を行う場合の
動作を説明する。スリーブの圧着作業開始前は、ばね室
41内の戻しばね44の弾性付勢力でラムボディ7は図6に
示したような下降即ち復動状態にあり、ラムボディ7お
よびラムボディねじ42の基端面がシリンダ室1の底面に
接触し、ヘッド9の固定ダイス8とラムボディ7の可動
ダイス6は十分な離間状態にある。
【0028】圧着作業の開始時においては、本圧縮工具
Aをその固定ダイス8と可動ダイス6間に被圧着スリー
ブを挟持できる位置に配して、加圧レバー12を、軸心に
ついては回動させることなく、搖動操作して、図示矢印
のように、プランジャ2にポンプ動作させる。プランジ
ャ2が上昇すると、図3において、逆止弁17を開弁して
作動油はオイルタンク10からオイルストレーナ20, 油路
19, 18および逆止弁室16を経由して、径大な低圧加圧室
13に、そして同じく逆止弁27を開弁した作動油はオイル
タンク10からオイルストレーナ20,油路19,18および逆
止弁26を経由して径小な高圧加圧室14にそれぞれ導入さ
れる。
【0029】プランジャ2が下降すると、このプランジ
ャ2の低圧部2aによる作動油により低圧加圧室13側の
逆止弁室16の逆止弁17を閉じて逆止弁22を開き、作動油
が油路21よりシリンダ室1に給送されると共に、高圧部
2bによる作動油により高圧加圧室14側の逆止弁室26の
逆止弁27を閉じて逆止弁28を開き、作動油がシリンダ室
1に給送され、ラムボディ7を早送りする。
【0030】この早送りにより、スリーブが固定ダイス
8と可動ダイス6間に挟持されてラムボディ7に負荷が
かかり、油圧力が設定値を越えると低圧加圧室側の作動
油は低圧規制弁24を開弁し、逆止弁22を閉弁し、過剰圧
油がオイルタンク10へ戻るようになる。一方、プランジ
ャ2の高圧部2bによって押された高圧加圧室側の作動
油はそのままシリンダ室1に給送され、ラムボディ7を
押すので可動ダイス6の上昇即ち往動により、前記スリ
ーブを圧縮し、さらには圧着させて挿通した電線と一体
化させることができる。この作動油の油圧力が設定圧を
越えると、図2および図4に示された圧力規制弁30を開
弁して、油路29, 31を介して過剰圧油をオイルタンク10
に返戻するので作動油によるスリーブの過剰圧着や工具
の破損を防止できる。即ち、これ以上の加圧レバー12の
搖動操作によってもラムボディ7に圧力が加わることな
く、圧着作業は終了した状態となる。
【0031】この可動ダイス6と固定ダイス8とによる
圧縮動作開始から圧縮即ち圧着作業終了までの間、ラム
ボディ7の往動に伴ない、戻しばね44が圧縮されてその
弾発力を増大し、また、シリンダ室1と共に油路46によ
り連通する副シリンダ室36にも作動油が導入されるの
で、ピストン37も往動し、固定ねじ38に当接し、図1に
示す状態となる。しかし、これ以上の力がシャフト部40
にかかることはなく、シャフト部40の破損を来すことな
く停止状態を維持する。
【0032】次に、図5および図6を参照して、可動ダ
イス6を圧着スリーブから離し、ラムボディ7を復動さ
せる手段を説明する。まず、加圧レバー12を所定角度だ
け回動させてプッシュピン61とプッシュピン62がそれぞ
れ切換え弁3の開放軸35と強制戻しラム4のヘッドピン
4aと対応する位置になった後、加圧レバー12を押し下
げれば、プッシュピン61が突出高さの大きい開放軸35を
押圧し、開放軸35の下端で切換え弁3を開くように動作
する。これによりシリンダ室1は油路32と油路33により
オイルタンク10と連通するので、ばね室41の戻しばね44
の弾発付勢力によりラムボディ7はシリンダ室1内の作
動油をオイルタンク10内に戻しながら復動し、可動ダイ
ス6を離す。
【0033】また、前記のスリーブ圧着時、スリーブへ
の固定ダイス8および可動ダイス6の喰い付きが生じ、
前記の通常戻し手段でラムボディ7の復動が行われない
場合の強制戻し手段を説明する。この場合、加圧レバー
12を回動状態のまま、プッシュピン62が強制戻しラム4
のヘッドピン4aに当接して押圧するレベルまでの振幅
で搖動操作をする。
【0034】ヘッドピン4aを押圧することにより、強
制戻しラム4はラム油室54の作動油を押し、作動油は逆
止弁51を押して開き、油路50および油路47を経由して油
室39に給送されるので、ピストン37およびシャフト部40
は復動方向に強制移動させられ、シャフト部40に一体に
取り付けられているばね受け45もまた、戻しばね44に抗
して同方向に移動させられ、ばね受け45の底部がラムボ
ディねじ42に当接することにより、ラムボディねじ42と
一体のラムボディ7は復動方向に強く引かれて図5の状
態となる。これにより、可動ダイス6はスリーブから強
制分離され、分離された後、戻しばね44の付勢力によ
り、ラムボディ7は急速に復動し、図6の復帰状態とな
る。
【0035】ラム油室54はばね55を収装しているので、
加圧レバー12を引き上げれば強制戻しラム4は元の位置
に復帰する。この時吸入弁53より作動油を吸い込むの
で、加圧レバー12の搖動操作をする必要分繰り返して油
室39の油圧力を高めることにより可動ダイス6のスリー
ブ喰い付きを解除させることができる。
【0036】なお、強制戻しラム4の押圧時、同時に開
放軸35による切換え弁3の開弁が行われるので、シリン
ダ室1および副シリンダ室36はオイルタンク10と連通状
態にある。また、油室39の作動油の油圧力即ちピストン
37従ってラムボディ7に対する強制戻し力は、油路49を
経由してオイルタンク10に連通する回路に設けた圧力調
整弁48の設定圧により調整される。
【0037】なお、前記の強制戻し動作を行った後、油
室39には作動油が残留したままになっている。この状態
で再びスリーブ圧着作業を行う時、前回同様、加圧レバ
ー12を搖動操作することにより、低圧加圧室13からの作
動油と高圧加圧室14からの作動油はシリンダ室1に送り
込まれ、ラムボディ7は戻しばね44を圧縮しながら上昇
即ち往動する。このとき、油室39には、作動油が残留し
ているので、固定ダイス8と可動ダイス6がスリーブを
挟持する以前の段階即ちばね受け45とラムボディねじ42
が当接または当接以前の時点でラムボティ7の早送りが
利かなくなり、ラムボディ7の送りはプランジャ2の高
圧部2bによる高圧作動に切り換わる。
【0038】しかし、ラムボディ7の受圧面積はピスト
ン37の受圧面積よりも大きいので、加圧レバー12の搖動
操作を続けると、ラムボディ7とピストン37はそのまま
上昇即ち往動し、スリーブの挟持および圧縮作業を行
う。油圧室39の作動油は加圧されて高圧となるが、前記
圧力調整弁48の設定圧を越えることにより、この圧力調
整弁48を開弁してオイルタンク10に返戻される。従っ
て、本圧縮工具Aは、スリーブへのダイスの強い喰い付
きがあっても、容易に且つ確実に解脱でき、スリーブ圧
着作業を支障なく継続して行うことができるものであ
る。
【0039】
【考案の効果】以上の説明から明らかなように、本考案
によれば、稀に発生する可動子と被圧縮物等との喰い付
きの解除のために、通常のラム復動時にまでポンプ動作
のような特別な操作を要することなく、ラムの通常復動
は、可動子の圧縮等作業の終了後、切換え弁を開弁する
のみで行うことができ、また、可動子に喰い付きを生じ
た場合のみ行う強制戻しラムのポンプ動作も大きい力を
必要とせず、喰い付きの解除が確実且つ容易に行えると
いう取扱い操作が簡便な手動油圧式工具が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例による本考案の手動油圧式圧縮工具の側
断面図である。
【図2】図1の圧縮工具における主要部の拡大側断面図
である。
【図3】図2のIII-III 線に沿う断面図である。
【図4】図2のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】図1の圧縮工具におけるラムボディの強制復動
時の状況を示す説明図である。
【図6】図1の圧縮工具におけるラムボディの復帰状態
を示す説明図である。
【図7】従来の手動油圧式工具の強制戻し機構を示す説
明図である。
【符号の説明】
A 圧縮工具 1 シリンダ室 2 プランジャ 3 切換え弁 4 強制戻しラム 5 基体 6 可動ダイス 7 ラムボディ 8 固定ダイス 9 ヘッド 10 オイルタンク 11 固定ハンドル 12 加圧レバー 24 低圧規制弁 30 圧力規制弁 35 開放軸 36 副シリンダ室 37 ピストン 38 固定ねじ 39 油室 40 シャフト部 41 はね室 42 ラムボディねじ 44 戻しばね 45 ばね受け 48 圧力調整弁 61,62 プッシュピン

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工具基体に形成したシリンダ室にラムを
    嵌入し、該ラムを戻しばねで復動方向に付勢すると共
    に、該ラムを加圧レバー操作によるプランジャのポンプ
    動作でオイルタンクの作動油を前記シリンダ室に給送し
    て往動させ、前記オイルタンクと前記シリンダ室間に設
    けた油路を切換え弁によって開放して復動させることに
    より、可動子を取り付けたラムを固定子に対して往復動
    させる手動油圧式工具であって、前記ラム内にばね室を
    形成して前記戻しばねを収装し、該戻しばねを復動方向
    に圧縮可能に保持するシャフト基端部をピストンに形成
    し、該ピストンを前記シリンダ室と同心に連接し且つ独
    立して設けた径小の副シリンダ室に往復動可能に収装
    し、該副シリンダ室と前記シリンダ室間を前記ピストン
    に内設した油路で連通させると共に、前記ピストンの前
    部側に構成される油室に加圧レバー操作でポンプ動作す
    ることにより、前記オイルタンクの作動油を給送して前
    記ピストンを強制復動させる前記ピストンより径小な
    制戻しラムを設け、且つ、前記油室と前記オイルタンク
    間に油路を形成して圧力調整弁を介設したことを特徴と
    するラム強制戻し機構付き手動油圧式工具。
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JPH0446775A (ja) * 1990-06-15 1992-02-17 Izumi Seiki Seisakusho:Kk 強制戻し機構付き手動油圧式工具

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