JP2574873Y2 - 長物野菜の選別装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、選別コンベアの所定の
仕分け部から落下排出された長物野菜を、所定の向きで
取り出すことのできる長物野菜の選別装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、選別コンベア上で長手が横向きに
載せられて移送される長物野菜の取り出しは、選別コン
ベアの所定の仕分け部の下方に、該選別コンベアの搬送
方向と直交する方向に引き出しコンベアを設け、該引き
出しコンベア上に選別コンベア上の長物野菜を落下排出
させて取り出すようにしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
取り出しによると、選別コンベア上から長物野菜が連続
して排出されるような場合、排出された長物野菜が引き
出しコンベア上で折り重なるため、長物野菜に傷が発生
し易いという問題があった。

【０００４】又、引き出しコンベア上で長物野菜が重な
らないようにするためには、次の長物野菜が排出される
までに、引き出しコンベアの搬送面を長物野菜の長さ分
移動させるということが考えられるが、この方法による
と、引き出しコンベアの搬送速度が高速になり、長物野
菜を受け取って箱詰め包装する後工程では、送り出され
る長物野菜を容易に受け取ることができないという問題
があった。

【０００５】この考案が解決しようとする課題は、選別
コンベアの所定の複数箇所の仕分部からそれぞれ落下排
出される長物野菜を、選別コンベアに載せられたままの
横向き（姿勢）で各仕分部毎に選別コンベアの側方へ搬
出して横向き状態で一時貯溜することができる長物野菜
の選別装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本考案の長物野菜の選別装置は、選別コンベアのバ
ケット上に長物野菜を横向きに載せて移送し、該移送の
途中で前記選別コンベアに沿った所定の複数箇所の仕分
け部からそれぞれ選別落下排出させ、これらの長物野菜
を各仕分け部ごとに前記選別コンベアの側方に設けた貯
留装置に一時貯留するようにした長物野菜の選別装置に
おいて、前記各仕分け部それぞれの下方に位置して、前
記選別コンベアのバケット上から落下排出される長物野
菜を受けて移送しつつ水平面内で略９０度旋回させて前
記選別コンベアの側方へ横向き状態で長物野菜を搬出す
る９０度カーブコンベアを設けると共に、該９０度カー
ブコンベアから横向き状態で供給を受けた長物野菜をそ
の状態を維持しつつ前記貯留装置へ移送するようにした
整列コンベアを設けたことを特徴とするものである。

【０００７】

【作用】以上のように構成された本考案によれば、選別
コンベア上で横向きに移送される長物野菜は、選別コン
ベアの所定の複数箇所の仕分部からそれぞれ対応する９
０度カーブコンベア上へそのままの向きで排出される。
各仕分部毎に、９０度カーブコンベア上へ排出された長
物野菜は、この９０度カーブコンベアにより横向きのま
ま移送されつつ略９０度水平回転（水平面内で略９０度
旋回）して選別コンベアの側方へ排出されて横向き状態
で整列コンベアへ供給され、該供給された長物野菜は、
整列コンベア上で横向き状態を維持しつつ貯溜装置へ移
送され一時貯溜される。

【０００８】

【実施例】以下、本考案の好ましい一実施例を図面を参
照して説明する。

【０００９】図１は本考案の実施例を示す平面図であ
り、図２は同正面図である。

【００１０】図において、１は選別コンベアであり、長
物野菜Ｓを１個ずつ載せるためのバケット１０を、エン
ドレスに走行回転するコンベアチェン１１に、取付部材
１２により進行方向に定間隔で多数回動可能に取り付
け、選別コンベア１の所定の仕分部で下方へ回動するよ
うになっている。

【００１１】前記バケット１０は長物野菜Ｓの長手を横
向きに載置して移送するため、その形状は進行方向に対
して横方向に長い形に形成されている。このバケット１
０の形状は載置する長物野菜の形状、大きさ、重量によ
って任意に設定することができる。

【００１２】このバケット１０は、その後端部１０ｂの
側部に突出させたピン（不図示）がキャッチ装置（不図
示）により係合されて水平に保持されている。そして、
このバケット１０の水平保持は、排出ソレノイド１３の
作動によりピン（不図示）の係合を解放したときに解除
されてバケット１０が自重で下方へ回動するようになっ
ている。

【００１３】前記取付部材１２は、丸棒、又は丸パイプ
を用いるのが好ましいが、特に限定するものではなく、
バケット１０の前端部１０ａを支持してバケット１０が
回動可能に設けられるものであれば他の手段例えばヒン
ジ等であってもよい。

【００１４】前記選別コンベア１は、バケット１０上の
長物野菜Ｓの所定の選別項目を計測する計測装置（不図
示）を備えており、この計測結果に基づいて演算処理装
置（不図示）により仕分信号が該当する排出ソレノイド
１３へ出力されるようになっている。この仕分信号によ
り排出ソレノイド１３が作動するとバケット１０が下方
へ回動してバケット１０上の長物野菜Ｓを排出する。

【００１５】以上述べたことは従来公知の選別コンベア
と同様である。

【００１６】２は選別コンベア１の所定の複数箇所の仕
分部それぞれの下方に設けられた９０度カーブコンベア
であり、各９０度カーブコンベア２は、選別コンベア１
のバケット１０上に横向きで載せられていてバケット１
０上から排出された長物野菜Ｓを、選別コンベア１の移
送方向と同じ方向で受けて移送しつつ略９０度水平回転
して選別コンベア１の側方へ横向き状態で搬出するよう
になっている。この９０度カーブコンベア２の搬送速度
は、任意に設定することができるが、少なくとも選別コ
ンベア１上から連続的に搬出される長物野菜Ｓが搬送面
２１上で重ならないように設定する。

【００１７】３は各９０度カーブコンベア２毎に設けら
れた整列コンベアであり、前記９０度カーブコンベア２
の搬送面２１上から、横向き状態で供給される長物野菜
Ｓの両端部をガイド３１により揃えると共に長物野菜Ｓ
の横向き状態を維持しつつ移送するようになっている。

【００１８】４は各整列コンベア３毎にその先に設けら
れた貯留装置であり、前記整列コンベア３で送られる長
物野菜Ｓを個別に停留可能な受皿４１に１個ずつ載せて
移送し一時貯溜するようになっている。

【００１９】５は箱詰装置であり、前記貯留装置４上で
待機する長物野菜Ｓを、図示しない真空吸着式のパッド
により所定数取り上げて所定の位置で待機する段ボール
箱６に詰めるようになっている。

【００２０】７は箱詰めされた段ボール箱６を所定の方
向へ搬出するための製品搬送コンベアである。

【００２１】８は各箱詰め装置５で箱詰めされて各製品
搬送コンベア７から送り出される段ボール箱６を、所定
の方向へ合流させて搬送する合流コンベアである。

【００２２】以上のように構成された実施例の作用につ
いて説明する。

【００２３】選別コンベア１において長物野菜Ｓが横向
きで載せられて移送されるバケット１０は、図示しない
演算処理装置から出力される仕分信号により所定の複数
箇所の仕分部のうちの該当する仕分部の排出ソレノイド
１３が作動して下方へ回動される。各仕分部毎に、バケ
ット１０が回動するとバケット１０上の長物野菜Ｓは、
９０度カーブコンベアの搬送面２１上にそのままの向き
で排出されると共に、その搬送面２１で移送しつつ略９
０度水平回転して選別コンベア１の側方へ搬出される。
これによって、選別コンベア１により進行方向に対して
長手が横向きに移送される長物野菜Ｓを、各仕分部毎
に、そのままの向きで取り出して選別コンベア１の側方
へ搬出することができる。

【００２４】そして、９０度カーブコンベア２から横向
き状態で整列コンベア３へ供給された長物野菜Ｓは、そ
の両端部がガイド３１により揃えられると共に横向き状
態を維持しつつ整列コンベア３上から貯溜装置４の受皿
４１上に１個ずつ供給される。そして、貯溜装置４上で
長物野菜Ｓが所定数待機すると、箱詰装置５により長物
野菜Ｓを所定数取り上げて段ボール箱６へ詰める。箱詰
めされた段ボール箱６は、製品搬送コンベア７により合
流コンベア８上へ送り出されて箱詰め包装が終了する。

【００２５】尚、実施例では９０度カーブコンベア２の
下手側に、長物野菜Ｓを自動的に箱詰めする箱詰装置５
を設けて長物野菜の自動箱詰め包装エリアを構成した
が、限定するものではなく手作業エリアとしてもよい。

【００２６】図３は選別コンベア１の所定の仕分け部の
下方で９０度カーブコンベア２の前段に搬出コンベア９
を設けた実施例であり、バケット１０から９０度カーブ
コンベア２への落下排出をこの搬出コンベア９を介して
行うものである。この実施例は長物野菜が特に転がり易
い胡瓜や茄子などに好適な例である。

【００２７】この搬出コンベア９は、その搬送面９１が
進行方向に緩やかに下り傾斜するように設けられている
と共に、選別コンベア１の搬送速度と略同一速度で走行
回転するようになっている。この傾斜角度は、排出され
た長物野菜Ｓが搬送面９１上で転動して自走しない角度
に設定することが好ましい。

【００２８】そして、この搬出コンベア９の搬送面９１
には、回動するバケット１０の後端１０ｂが接触するよ
うになっており、バケット１０の移送中に該バケット１
０の傾斜角度が搬送面９１上で次第に大きくなるように
作用する。したがってこのバケット１０上の長物野菜Ｓ
は、バケット１０の回動の途中で搬出コンベア９上に滑
らかに排出されると共に、その搬送面９１により転動す
ることなく先方へ移送される。

【００２９】

【考案の効果】以上述べた如く、本考案は、選別コンベ
アの所定の複数箇所の仕分部それぞれの下方に、選別コ
ンベア上から落下排出される長物野菜を受けて移送しつ
つ略９０度水平回転して選別コンベアの側方へ横向き状
態で長物野菜を搬出する９０度カーブコンベアを設ける
と共に、該９０度カーブコンベアから横向き状態で供給
を受けた長物野菜をその状態を維持しつつ貯溜装置へ移
送するようにした整列コンベアを設けたものであるか
ら、選別コンベア上で横向きに載せられた長物野菜を、
各仕分部毎に９０度カーブコンベアによりそのままの向
きで選別コンベアの側方へ搬出して整列コンベアにより
長物野菜の横向き状態を維持しつつ貯溜装置へ移送して
一時貯溜することができる。

【００３０】このことは、長物野菜を搬出する搬送速度
を、高速にしなくても連続的に大量に取り出すことがで
きるという優れた特徴がある。

【００３１】更に、上記のように長物野菜を横向きに取
り出すので、箱詰め包装時における向き揃え等の修正作
業を省くことができ、箱詰め包装作業が効率的に行える
という効果がある。

【００３２】更に又、長物野菜を束ねて箱詰め包装する
ような場合においては、長物野菜が横向きに間隔を狭め
て移送されるため、束ね作業がやり易く生産性がいっそ
う向上するという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例の平面図。

【図２】同正面図。

【図３】その他の例を示す正面図。

【符号の説明】

１：選別コンベア ２：９０度カーブ
コンベア ３：整列コンベア ４：貯留装置 ５：箱詰装置 ６：段ボール箱 ７：製品搬送コンベア ８：合流コンベア ９：搬出コンベア Ｓ：長物野菜 １０：バケット １１：コンベアチ
ェン １２：取付部材 １３：排出ソレノ
イド ２１：搬送面 ３１：ガイド ４１：受皿 ９１：搬送面

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 選別コンベアのバケット上に長物野菜を
   横向きに載せて移送し、該移送の途中で前記選別コンベ
   アに沿った所定の複数箇所の仕分け部からそれぞれ選別
   落下排出させ、これらの長物野菜を各仕分け部ごとに前
   記選別コンベアの側方に設けた貯留装置に一時貯留する
   ようにした長物野菜の選別装置において、前記各 仕分け部それぞれの下方に位置して、前記選別コ
   ンベアのバケット上から落下排出される長物野菜を受け
   て移送しつつ水平面内で略９０度旋回させて前記選別コ
   ンベアの側方へ横向き状態で長物野菜を搬出する９０度
   カーブコンベアを設けると共に、該９０度カーブコンベ
   アから横向き状態で供給を受けた長物野菜をその状態を
   維持しつつ前記貯留装置へ移送するようにした整列コン
   ベアを設けたことを特徴とする長物野菜の選別装置。